JP5437212B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真用トナーに関する。
電子写真法に使用される電子写真用トナーには、二成分系のトナーと一成分系のトナーとがある。二成分系トナーは、結着樹脂、着色剤などを含有する絶縁性のトナーと磁性のキャリアとで構成されるトナーである。一成分系トナーには、磁性体を含む磁性トナーと磁性体を含まない非磁性トナーとがあり、一般に磁性トナーは黒トナーに用いられ、非磁性トナーは黒トナー及びカラートナーに用いられる。
このようなトナーには、低温定着性に優れ、低温でもオフセットが生じず、非オフセット幅が広いことが求められる。また、地カブリや、現像ブレードなどへの融着が低減されることも求められる。そこで、これらの特性に優れたトナーについて種々検討されている(例えば特許文献1参照。)。
特開2001−222135号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、画像濃度が良好で、地カブリ、ブレードへの融着が抑制され、非オフセット幅が広く、かつ、低温定着性に優れた電子写真用トナーの提供を課題とする。
本発明者は鋭意検討した結果、トナーにポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)(以下、PHBHという。)を特定量配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の電子写真用トナーは、結着樹脂と、PHBHと、着色剤とを少なくとも含有し、前記結着樹脂と前記PHBHとの合計中の前記PHBHの割合が5〜50質量%であることを特徴とする。
本発明の電子写真用トナーは、オープンロール型混練機を使用して製造されることが好ましい。
本発明によれば、画像濃度が良好で、地カブリ、ブレードへの融着が抑制され、非オフセット幅が広く、かつ、低温定着性に優れた電子写真用トナーを提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<電子写真用トナー>
本発明の電子写真用トナー(以下、トナーという。)は、結着樹脂と、PHBHと、着色剤とを少なくとも含有する。
結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィン樹脂等)、ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等)、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、テルペンフェノール樹脂、ポリ乳酸樹脂、水添ロジン、環化ゴム、熱可塑性ポリイミド等などが使用できる。これらのなかでも、PHBHと同種の樹脂で分散性が良好なことから、ポリエステル樹脂が好適である。
PHBHは、下記式(1)で示される3−ヒドロキシアルカノエートよりなる繰り返し構造を有する脂肪族ポリエステルである。PHBHは、植物油を主原料として、微生物が合成するポリマーであり、生分解性を有し、環境への適合性に優れる。
[−CHR−CH−CO−O−]・・・(1)
ここで、RはC2n+1で表されるアルキル基である。また、nは1および3である。すなわち、PHBHとは、式(1)中のnが1である3−ヒドロキシブチレート(3HBともいう。)と、nが3である3−ヒドロキシヘキサノエート(3HHともいう。)との共重合体である。
PHBHにおける3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシヘキサノエートとの組成比、すなわち、3−ヒドロキシブチレート/3−ヒドロキシヘキサノエートは、99/1〜80/20(mol/mol)であることが好ましい。
本発明のトナーにおいては、結着樹脂とPHBHとの合計100質量%中、PHBHの割合が5〜50質量%である。このような範囲でPHBHを配合し、結着樹脂と併用することにより、トナーの弾性が適度となり、かつ、PHBHがトナー中に良好に分散するために、トナーのブレードへの融着が抑制される。その結果、このような融着に起因する画像のスジ状の色抜けや画像濃度の低下を防止できる。また、このような範囲でPHBHを配合することにより、特に低温定着性が向上するとともに、非オフセット幅も広くなり、画像の定着強度も向上する。PHBHの割合が5質量%未満では、トナーの弾性が不足し、50質量%を超えると、PHBHの分散性が低下する。
トナー中の結着樹脂の含有量は、トナー100質量%中、40〜95質量%が好ましく、45〜90質量%が特に好ましい。また、トナー中のPHBHの含有量は、トナーの質量100質量%中、3〜50質量%が好ましく、4〜40質量%が特に好ましい。
着色剤には、黒トナー用としてはブラック用顔料が使用でき、カラートナー用としてはマゼンタ用顔料、シアン用顔料、イエロー用顔料等が使用できる。
ブラック用顔料としては、カーボンブラックが使用できる。カーボンブラックとしては、個数平均粒子径、吸油量、PH等に制限されることなく使用できるが、市販品として以下のものが挙げられる。例えば、米国キャボット社製の商品名:リーガル(REGAL)400、660、330、300、SRF−S、ステリング(STERLING)SO、V、NS、Rが挙げられる。また、コロンビア・カーボン日本社製の商品名:ラーベン(RAVEN)H20、MT−P、410、420、430、450、500、760、780、1000、1035、1060、1080が挙げられる。また、三菱化学社製の商品名:#5B、#10B、#40、#2400B、MA−100等が挙げられる。これらのカーボンブラックは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
マゼンタ用顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50,51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレット1、2、10、13、15、23、29、35等が使用できる。これらのマゼンタ用顔料は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
シアン用顔料としては、C.I.ピグメントブル−2、3、15、16、17;C.I.バットブル−6;C.I.アシッドブル−45等が使用できる。これらのシアン用顔料は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
イエロ−用顔料としては、C.I.ピグメントイエロ−1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、83、93、94、97、155、180等が使用できる。これらのイエロ−用顔料は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
これらカラートナー用の各顔料の中でも、混色性及び色再現性の観点から、マゼンタ用顔料はC.I.ピグメントレッド57、122が、シアン用顔料はC.I.ピグメントブルー15が、イエロー用顔料はC.I.ピグメントイエロー17、93、155、180が好適に使用できる。
また、カラートナー用の顔料には、予め結着樹脂となり得る樹脂中に高濃度で分散させた、いわゆるマスターバッチを使用してもよい。
黒トナー中におけるカーボンブラックの含有量は、黒トナー100質量%中、0.1〜20質量%の範囲であることが好適であり、より好ましくは1〜10質量%、更に好ましくは1〜5質量%である。カーボンブラックの含有量が上記範囲未満では画像濃度が低下し、上記範囲を超えると画質が低下しやすく、トナー成形性も低下する。
なお、ブラック用顔料としてはカーボンブラックの他、酸化鉄やフェライト等の黒色の磁性粉も使用できる。
カラートナー中におけるカラートナー用顔料の含有量は、カラートナー100質量%中、1〜20質量%の範囲であることが好適であり、特に好ましくは4.5〜8質量%である。カラートナー用顔料の含有量が上記範囲未満では画像濃度が低下し、上記範囲を超えると帯電安定性が悪化して画質が低下しやすい。またコスト的にも不利である。
トナーには、結着樹脂、PHBH、着色剤の他、任意成分として、離形剤、帯電制御剤、磁性粉、添加剤等を添加することができる。以下、各成分について説明する。
離形剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリブテンワックス、変性ポリエチレンワックス等のポリオレフィン系ワックス、フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス、天然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフィン等のパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、硬化ひまし油、酸性オレフィンワックス、マレイン酸エチルエステル、マレイン酸ブチルエステル、ステアリン酸メチルエステル、ステアリン酸ブチルエステル、パルミチン酸セチルエステル、モンタン酸エチレングリコールエステル等の脂肪酸エステル又はその部分ケン化物よりなるエステルワックス、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリル酸アミド、ベヘニン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等のアミド系ワックス等が挙げられる。
これらのワックスの中でも、フィッシャートロプシュワックス、酸性オレフィンワックス、エステルワックス、カルナバワックスが好適であり、フィッシャートロプシュワックスが特に好適である。また、これらの離形剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。軟化点(融点)が異なる離形剤を混合してもよい。
また、軟化点からは、比較的低軟化点もしくは低融点の化合物、具体的には軟化点(融点)が50〜170℃、より好ましくは60〜160℃を有する離型剤が好ましい。軟化点が50℃未満では、トナーの耐ブロッキング性や貯蔵安定性が不十分であり、170℃を超えると、定着開始温度が高くなり好ましくない。
離形剤の含有量は、トナー100質量%中、0.1〜10質量%の範囲が好適であり、好ましくは0.5〜7質量%が好適であり、さらに好ましくは1〜5質量%である。離形剤の含有量が上記範囲未満であると、トナーの離型機能が不足して熱定着ローラにトナーが付着しやすくなり、その結果、画像のオフセットや用紙の巻きつきが起きたり、樹脂が溶融しにくくなって画像の定着強度が低下したりする可能性がある。一方、上記範囲を超えると、離形剤がトナーから離脱して、ブレード融着の原因となったり、複写機、プリンタなどの画像形成装置内の様々な部材に付着する可能性があり、印刷品質の低下、画像形成装置自体の不具合を引き起こす可能性がある。
帯電制御剤としては、正帯電性帯電制御剤と負帯電性帯電制御剤とが挙げられる。
正帯電性の帯電制御剤としては、例えばニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の第四級アンモニウム塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート、ピリジウム塩、アジン、トリフェニルメタン系化合物及びカチオン性官能基を有する低分子量ポリマー等が挙げられる。これらの正帯電性の帯電制御剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの正帯電性の帯電制御剤は、ニグロシン系化合物、第四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、例えばアセチルアセトン金属錯体、モノアゾ金属錯体、ナフトエ酸あるいはサリチル酸系の金属錯体又は塩等の有機金属化合物、キレート化合物、アニオン性官能基を有する低分子量ポリマー等が挙げられる。これらの負帯電性の帯電制御剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの負帯電性の帯電制御剤は、サリチル酸系金属錯体、モノアゾ金属錯体が好ましく用いられる。
帯電制御剤の含有量は、トナー100質量%中、通常、0.1〜5質量%の範囲で選択でき、好ましくは0.5〜4質量%、更に好ましくは1〜4質量%である。また、帯電制御剤は、カラートナー用には無色あるいは淡色であることが好ましい。
磁性トナーとする場合、磁性粉としては、例えば、コバルト、鉄、ニッケル等の金属、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、マグネシウム、スズ、亜鉛、金、銀、セレン、チタン、タングステン、ジルコニウム、その他の金属の合金、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ニッケル等の金属酸化物、フェライト、マグネタイト等が使用できる。磁性粉の添加量は、トナー100質量%中、通常1〜70質量%、好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。磁性粉の平均粒子径は、0.01〜3μmが好適である。
添加剤としては、例えば、安定剤(例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤等。)、難燃剤、防曇剤、分散剤、核剤、可塑剤(フタル酸エステル、脂肪酸系可塑剤、リン酸系可塑剤等。)、高分子帯電防止剤、低分子帯電防止剤、相溶化剤、導電剤、充填剤、流動性改良剤が挙げられ、必要に応じてこれらのうちの一種以上を添加してもよい。
また、トナーの表面には、流動性付与の観点などから、外添剤を付着させてもよい。
外添剤としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、カーボンブラック粉末、磁性粉等の無機微粒子が好ましく、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。また、無機微粒子のうち、シリカが特に好適に使用できる。シリカとしては、その平均粒子径、BET比表面積、表面処理等に特に制限されず、用途に応じ適宜選択できるが、BET比表面積は50〜400m/gの範囲が好ましく、表面処理された疎水性シリカが好ましい。
トナーには、無機微粒子に加えて、ポリ4フッ化エチレン樹脂粉末、ポリフッ化ビニリデン樹脂粉末等の樹脂微粉末を併用して外添剤として付着させてもよい。
無機微粒子や樹脂微粉末を外添剤として使用する場合、その量は、トナー100質量部に対して、0.01〜8質量部の範囲から適宜選択でき、好ましくは0.1〜5質量部、更に好ましくは0.1〜4質量部、特に好ましくは0.3〜3質量部である。このような範囲内で外添剤を付着させることによって、トナーの流動性や帯電安定性が良好となり、均一な画像を形成できる。
本発明のトナーは、現像方式に限定されず、非磁性一成分現像方式、磁性一成分現像方式、二成分現像方式、その他の現像方式に使用できる。磁性一成分現像方式用トナーとする場合には、上述した磁性粉を結着樹脂に混合する。二成分現像方式用トナーとする場合には、本発明のトナーをキャリアと混合して使用する。これらのなかでは、画像形成装置の簡便性やコスト的な観点から、非磁性一成分現像方式用トナーとして使用されることが好ましい。
二成分現像方式用トナーとする場合には、キャリアとして、例えば、ニッケル、コバルト、酸化鉄、フェライト、鉄、ガラスビーズ等が使用できる。これらのキャリアは単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。キャリアの平均粒子径は20〜150μmであるのが好ましい。また、キャリアの表面は、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等の被覆剤で被覆されていていてもよい。
さらに本発明のトナーは、モノクロ用トナー(黒トナー)であっても、フルカラー用トナーであってもよい。モノクロ用の非磁性トナーには、着色剤として、上述のカーボンブラックを使用でき、モノクロ用の磁性系トナーには、着色剤として、上述のカーボンブラックの他、上述の磁性粉のうち、黒色のものが使用できる。フルカラー用トナーでは、着色剤として、上述のカラー用顔料が使用できる。
<製造方法>
本発明のトナーは、結着樹脂とPHBHと着色剤の他、必要に応じて任意成分を混合する混合工程と、混合工程により得られた混合物を熱溶融して混練する混練工程と、熱溶融混練工程により得られた混練物を粉砕する粉砕分級工程とを有する方法により製造できる。粉砕分級工程の後段には、任意工程として、粉砕したトナーに外添剤を加える外添工程を有していてもよい。
(混合工程)
混合工程では、ダブルコーン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等の混合装置を用いて、混合物を調製することができる。
(混練工程)
混練工程では、混合物を熱溶融混練して、結着樹脂中に着色剤、PHBH、任意成分を均一に分散させ、混練物を得る。混練工程には、バッチ式(例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等)または連続式の熱溶融混練機を用いればよいが、連続生産できる等の優位性から、1軸または2軸の連続式押出機が好ましい。例えば、オープンロール型連続混練機、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出機、栗山製作所社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が好ましい。
この中でもオープンロール型連続混練機を用いると、分散性が他のポリエステル樹脂に比べて低いPHBHであっても、これをトナー中に均一分散させることができる。
オープンロール型連続混練機は、フロントロールとバックロールの2本のロールが平行に配置されており、この2本のロール間隙を原材料が通過し、その際の機械的せん断力により混練を行うものである。また、このロールは、スパイラル溝および横溝を有しており、これらの溝は、原材料をロール間隙に食い込ませる作用と、ロール一端の近傍に設けられた原材料供給部から、ロール他端の近傍に設けられた混練物排出部まで混練物を搬送することを促進する作用を奏する。原材料は、ロール端部からの供給のみならず、原材料の特性に応じて、ロールの前半部、中間部及び後半部からも適宜供給することができる。
そして、フロントロール内にオイルや熱水等の加熱媒体を、バックロール内に水等の冷却媒体をそれぞれ通すことで、オープンロール型連続混練機は加熱及び冷却機能を発揮することができる。これにより、適切な温度で混練を行うことができ、また、混練とともに冷却を行うことで、別工程として冷却工程を採用する必要がなく、そのまま粉砕工程へ進むことができる。オープンロール型連続混練機としては、日本コークス工業社製「ニーデックス(商品名)」)等を用いることができる。
(粉砕分級工程)
粉砕分級工程では、混練機から得られた熱溶融状態の混練物を冷却固化後、粉砕分級して、分級トナーを得る。
粉砕は、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕した後、ジェットミル、高速ローター回転式ミル等で微粉砕し、段階的に所定トナー粒度まで粉砕することにより行う。
そして、慣性分級方式のエルボージェット、遠心力分級方式のミクロプレックス、DSセパレーター、乾式気流分級機等でトナーを分級し、体積平均粒子径3〜15μmの分級トナーを得る。
分級時に得られた粗粉は粉砕に戻し、得られた微粉は混練工程に戻して再利用してもよい。
(外添工程)
トナーの表面に外添剤を付着させる場合には、粉砕分級工程で得られた分級トナーと、外添剤とを所定量配合して、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の粉体にせん断力を与える高速攪拌機(外添機)などで攪拌・混合する外添工程を行う。この際、外添機内部で発熱が生じ、凝集物が生成され易くなるため、外添機の容器部周囲を水で冷却するなどして、温度調整をすることが好ましい。更には、結着樹脂のガラス転移温度より約10℃低めの管理温度に、外添機の容器内部の材料温度を制御することが好ましい。
以上説明したように、結着樹脂と、PHBHと、着色剤とを少なくとも含有し、結着樹脂とPHBHとの合計中のPHBHの割合が、5〜50質量%であるトナーは、PHBHを特定量配合しているために、画像濃度が良好で、地カブリ、ブレードへの融着が抑制され、非オフセット幅が広く、かつ、低温定着性に優れる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(トナーの製造)
ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、商品名:「ヘンシェルミキサー20L」)を用い、5分間、2000rpmの条件で、下記の各成分を均一に混合した(混合工程)。その後、得られた混合物をオープンロール型混練機(日本コークス工業社製、商品名:「ニーデックス」)で溶融混練した(混練工程)。
・結着樹脂;ポリエステル樹脂 95質量部
(Mw30000、Mn2500、Tg(ショルダー)60℃)
・PHBH 5質量部
(Mw400000、Mn5000、Tg(ショルダー)50℃)
・着色剤;カーボンブラック 5質量部
(旭カーボン社製 商品名:「Sunblack200」)
・帯電制御剤;鉄錯体(モノアゾ金属錯体) 1質量部
(保土谷化学社製 商品名:「T−77」)
・離型剤;フィッシャートロプシュワックス 2質量部
(日本精鑞社製 商品名:「FT−100」)
・離型剤;カルナバワックス 1質量部
(日本ワックス社製 商品名:「カルナバワックス2号粉末」)
次に、混練物を冷却固化後、粉砕分級して、体積平均粒子径8μmの分級トナーを得た(粉砕分級工程)。
得られた分級トナー100質量部に対し、下記のシリカからなる外添剤を加えて、10Lヘンシェルミキサーで回転数2500rpmにて5分間混合して、実施例1の評価用トナーを得た(外添工程)。
・シリカ 0.7質量部
(CABOT社製、平均一次粒子径10.5nm、比表面積200m/g)
[実施例2]
結着樹脂を95質量部から75質量部に変更し、PHBHを5質量部から25質量部に変更したことを除き、実施例1と同様にして実施例2の評価用トナーを得た。
[実施例3]
結着樹脂を95質量部から50質量部に変更し、PHBHを5質量部から50質量部に変更したことを除き、実施例1と同様にして実施例3の評価用トナーを得た。
[比較例1]
結着樹脂を95質量部から100質量部に変更し、PHBHを未添加としたことを除き、実施例1と同様にして比較例1の評価用トナーを得た。
[比較例2]
結着樹脂を95質量部から45質量部に変更し、PHBHを5質量部から55質量部に変更したことを除き、実施例1と同様にして比較例2の評価用トナーを得た。
[比較例3]
PHBHの代わりに、Mwピークトップが5000のポリエステル樹脂を5質量部用いたことを除き、実施例1と同様にして比較例3の評価用トナーを得た。
実施例および比較例における結着樹脂とPHBHの配合量を表1に示す。
Figure 0005437212
<評価1>
実施例および比較例の各評価用トナーをカートリッジに充填し、市販の非磁性一成分現像方式のプリンタで、印字率5%、プリントスピード:30ページ/分として、3000枚までの耐刷試験を実施した。
この際、プリンタの定着ロールの温度は170℃とした。
そして、耐刷試験実施時の初期と印字3000枚時における画像濃度、地カブリを以下のようにして評価した。また、耐刷後の現像ブレードへのトナー融着の有無を目視で確認した。
結果を表2に示す。
(画像濃度)
反射濃度計(マクベス社製、商品名:RD914)で25mm×25mmのベタ画像の濃度を測定した。
(地カブリ)
白色度計(日本電色工業社製、商品名:ColerMeter2000)を用い、耐刷試験実施時の非画像部の白色度と、耐刷試験実施前の白色度との差を地カブリの値とした。
Figure 0005437212
表2に示されるように、各実施例では、耐刷試験による画像濃度の低下や、耐刷試験後の現像ブレードへのトナー融着が認められず、地カブリの値も良好であり、ロングライフ化され、実機特性上の問題の発生もなかった。
これに対して 比較例2では、1000枚印字時点でブレード融着が発生し、これに起因した画像のスジ状の白抜けと、画像濃度低下が認められたため評価を中止した。比較例2の評価用トナーは、PHBHの含有量が過剰であるためにトナー中における各成分の分散が不充分であり、その結果、ブレード融着の発生が促されたものと推察される。
比較例3では、2500枚印字時点でブレード融着が発生し、これに起因した画像のスジ状の白抜けと、画像濃度低下が認められたため評価を中止した。比較例3の評価用トナーは、弾性が不足しているために、ブレード融着が発生したものと推察される。
<評価2>
(定着試験)
外部定着機を使用。200mm/sec。紙坪量:65g/m
キャリアとしてアクリル樹脂(PMMA)で被覆された平均粒度35μmのMn−Mg−Srフェライトを用い(組成はFe:MnO:MgO:SrO=73:23:3.5:0.5、樹脂被覆量は1.5質量%)、トナーとの混合比キャリア:トナー=93質量%:7質量%で現像剤を作成した。
この現像剤を使用して市販の複写機(SF−9800、シャープ(株)製)により、A4の転写紙に縦3cm、横6cmの帯状の未定着画像を作製した。転写紙上のトナー付着量は、トナー濃度、感光体の表面電位、現像電位、露光量、転写条件等により、およそ 1.6mg/cmに調整した。
ついで、表層がポリ4フッ化エチレンで形成された熱定着ロールと、表層がシリコーンゴムで形成された圧力定着ロールとが、対になって回転する定着機を、ロール圧力が1Kgf/cm、ロールスピードが100mm/secになるように調節し、熱定着ロールの表面温度を100〜220℃の間で5℃の間隔で段階的に上昇させて、各表面温度において上記未定着画像を有した転写紙のトナー像の定着をおこなった。
定着の際、未定着画像を有する転写紙が熱定着ロールの表面に巻付くか否かの観察を行ない、低温側巻付き発生温度および高温側巻付き発生温度を確認した。
同時に余白部分にトナー汚れが生じるか否かの観察をおこない、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域とした。
また、定着強度、すなわち150℃、170℃、190℃で定着したときの定着強度は以下のように導出した。
前記定着機の熱定着ロールの表面温度をそれぞれ150℃、170℃、190℃に設定し、紙上付着量を変化させたトナー像パッチの定着をおこなった。そして、形成された定着画像の画像濃度を分光色差計(X−rite社製、商品名:939)を使用して測定した後、該定着画像に対して1kgの加重を掛けながら砂消しゴムで3往復摺擦し、ついで同様にして画像濃度を測定した。得られた測定値から下記式によって定着強度を算出し、最も画像濃度の低下が激しい部分を最少残存率とした。
最少残存率(%)=(摺擦後の定着画像の画像濃度/摺擦前の定着画像の画像濃度)×100
結果を表3に示す。
Figure 0005437212
表3に示されるように、実施例1では、充分な非オフセット幅と定着強度が得られた。実施例2及び実施例3では、実施例1ほどではないが、実用上遜色のない定着特性が得られた。
これに対して比較例1及び比較例3では、非オフセット幅の低温側、高温側双方が狭まる結果となり、最少残存率も実施例1〜3に比して低調な結果となった。
また、比較例2では非オフセット幅が存在しない結果であった。
本発明によれば、画像濃度が良好で、地カブリ、ブレードへの融着が抑制され、非オフセット幅が広く、かつ、低温定着性のトナーを提供できる。このトナーは、環境への適合性にも優れる。

Claims (2)

  1. 結着樹脂と、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)(以下、PHBHという。)と、着色剤とを少なくとも含有し、
    前記結着樹脂と前記PHBHとの合計中の前記PHBHの割合が、5〜50質量%であることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. オープンロール型混練機を使用して製造されることを特徴とする請求項1の電子写真用トナー。
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