JP2006309048A - トナー - Google Patents

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Junko Nishiyama
淳子 西山
Yoshihiro Ogawa
吉寛 小川
Yusuke Hasegawa
雄介 長谷川
Shinichiro Abe
真一郎 阿部
Takashige Kasuya
貴重 粕谷
Tomohisa Sano
智久 佐野
Yoshio Okazaki
美穂 岡崎
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Abstract

【課題】 定着性及び非オフセット性のバランスに優れたトナーであり、かつ、いかなる環境下においても高品質の画像を長期間に渡って提供することを可能とし、ページ当たりのトナー消費量が少ないトナーを提供する。
【解決手段】 少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子を含有するトナーであって、酸価が1〜50mgKOH/gであり、且つ水酸基価が10〜60mgKOH/gであるポリエステルユニットを少なくとも含む結着樹脂と、酸価が1〜30mgKOH/gであり、水酸基価が20〜100mgKOH/gであり、且つ融点が50℃〜100℃である炭化水素系ワックスを少なくとも含むワックスとを用いて、結着樹脂の酸価と炭化水素系ワックスの酸価との差が0〜35mgKOH/gであり、且つ炭化水素系ワックスの水酸基価と結着樹脂の水酸基価との差が21〜90mgKOH/gであるトナーとする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法等に用いられるトナーに関する。
近年、複写機及びレーザービームプリンターの如き電子写真技術を用いた画像形成装置の機能が多様化し、得られるトナー画像の高精細化、高画質化が求められており、それらに適したトナーが用いられている。
前記トナーに関しては、例えば、結着樹脂と離型剤との酸価あるいは水酸基価の差の絶対値を規定し、又は特定の水酸基価の結着樹脂及び離型剤を特定の割合で用いて、定着性や耐オフセット性等の改良を目的としたトナー用バインダー組成物及びトナーが開示されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
また、前記トナーに関しては、例えば、結着樹脂中の低分子量成分と高分子量成分の分子量、混合比、酸価及びその比率を制御し、定着性や耐オフセット性等の改良を目的としたトナー用バインダー組成物及びトナーが開示されている(例えば、特許文献3〜6参照。)。
また、前記トナーに関しては、例えば、分子量と樹脂酸価が異なる二種類のビニル系樹脂をブレンドしたトナー用バインダー組成物について開示されている(例えば、特許文献7参照。)。
以上述べてきたこれらの提案は、低温定着性・耐オフセット性を向上させるという点で、一長一短はあるものの、優れた効果が得られることは事実であるが、その他のトナー構成成分との相溶性が悪化しやすくなるために、高速プリント時や長期耐久後等の過酷な条件では、トナーの帯電分布がブロードとなり、画像品質上の問題を引き起こすことがあった。
また、前記トナーに関しては、例えば、低温定着性及び耐オフセット性に優れるトナーを得るために、二種類のワックス成分をトナーに含むことが提案されている(例えば、特許文献8〜10参照。)。
しかしながら、これらの離型剤を使ったトナーでは確かに低温定着性と耐高温オフセット性の幅は拡大するものの、各々のワックス成分をトナー中に均一に分散させることが困難であり、分散不良に伴うカブリの増大や現像性の悪化、現像スリーブ等の現像剤担持部材の汚染による画像弊害等を起こす場合があった。
さらに、離型剤の分散を向上させる手段として、例えば、樹脂組成物の重合を離型剤の存在下で行うことが提案されている(例えば、特許文献11〜14参照。)。
しかしながら、これらの方法では、樹脂中に離型剤成分が完全相溶するか、もしくは非常に細かく微分散してしまう為に、離型剤によってもたらされる離型性が損なわれてしまい、定着器部材(例えば分離爪・サーミスタ部材等)にオフセットしたトナーが蓄積されて画像を汚すブロッブスと呼ばれる弊害等が見られるようになり、満足な性能を得ることが困難であった。また、二種類のワックスを用いた場合には、両者を共に適度に分散することが難しく、分散不良に伴うカブリの増大や現像性の悪化を起こす場合があった。
また、低温定着性及び幅広い定着温度領域などの定着性の向上において、フィッシャートロプシュワックスに極性基を持たせることで、低温定着性、定着強度及び結着樹脂との相溶性の向上が提案されている(例えば、特許文献15参照。)。また、所定のアルコール系ワックスを含有させることで結着樹脂との適度な相溶性と幅広い定着温度領域の確保が提案されている(例えば、特許文献16及び17参照。)。しかし、優れた定着性と同時に環境安定性を考慮した、結着樹脂とワックスの極性基との関係については検討の余地が残されている。
特開2003−167377号公報 特開2003−162087号公報 特開平2−168264号公報 特開平5−241371号公報 特開平11−38678号公報 特開2003−270852号公報 特開昭63−094251号公報 特開平8−278657号公報 特開平8−334919号公報 特開平8−334920号公報 特開平9−281748号公報 特開平10−123753号公報 特開平11−158336号公報 特開平11−160911号公報 特開平9−179342号公報 特開2000−338707号公報 特開2004−029160号公報
本発明の目的は、定着性及び非オフセット性のバランスに優れたトナーであり、かつ、いかなる環境下においても高品質の画像を長期間に渡って提供することを可能とし、ページ当たりのトナー消費量が少ないトナーを提供することにある。
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子を含有するトナーであって、結着樹脂は、少なくともポリエステルユニットを含有し、且つ酸価(RAv)が1〜50mgKOH/gであり、且つ水酸基価(ROHv)が10〜60mgKOH/gであり、ワックスは、酸価(WAv)が1〜30mgKOH/gであり、水酸基価(WOHv)が20〜100mgKOH/gであり、且つ融点が50℃〜100℃である炭化水素系ワックスを少なくとも含み、以下の式(1)及び(2)を満足することを特徴とするトナーに関する。
[数1]
0 ≦ |RAv-WAv| ≦ 35 ・・・(1)
21 ≦ WOHv-ROHv ≦ 90 ・・・(2)
本発明によると、低温定着性及び耐オフセット性が両立されており、また、環境変化に対しても安定しており、ページ当たりのトナー消費量が少なく、カブリや画像弊害を高度に防止された画像形成が可能となるトナーを提供することができる。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子を含有する。
前記トナーは、フロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナーにおいて、平均円形度が0.935以上0.970未満であることが、画像面積当たりのトナーの消費量を低減する観点から好ましい。このような観点において、トナーの前記平均円形度は、0.935以上0.965未満であることがより好ましく、0.935以上0.960未満であることがさらに好ましく、0.940以上0.955未満であることがより一層好ましい。
トナーの円形度が高くなると、トナーの流動性が増すので、個々のトナーが自由に動きやすくなる。紙等の転写材上に現像されたトナーは、円形度が高いトナーほど一つ一つのトナー単位で現像される確率が高くなるため、転写材上での画像高さが低くなり、トナーの消費量を低減することができる。さらに、円形度が高いトナーは現像された際に、密度が高くなることから、トナーが転写材上に定着される際の熱効率が上がり、後述する結着樹脂とワックスとの関係を保つことにより向上した低温定着性・耐オフセット性の効果を、より発揮出来るようになる。
この時に、トナーの円形度が十分に高くないと、トナーは凝集体としての挙動を示しやすくなり、凝集体として感光体上に現像されやすくなる。そのような画像は感光体からの画像高さが高くなり、同じ面積を現像する場合において流動性の優れたトナーよりも多くのトナーが現像されてしまい、トナーの消費量が増加する。
また、円形度の高いトナーからなるトナーは、現像された画像においてより密な状態をとりやすい。その結果、転写材に対するトナーの隠蔽率が高くなり、少ないトナー量でも十分な画像濃度を得ることができる。
トナーの平均円形度が0.935未満だと、現像された画像の高さが高くなり、トナーの消費量が増加することがある。また、トナー間の空隙が増え、現像された画像上においても十分な隠蔽率が得られないため、必要な画像濃度を得るためにはより多くのトナー量を必要とし、結果的にトナー消費量を増加させてしまうことがある。トナーの平均円形度が0.970以上だと、現像スリーブ上にトナーが過剰に供給されることによって、現像スリーブ上に不均一にトナーがコートされてしまい、結果としてブロッチが発生することがある。トナーの平均円形度は、例えばトナー粒子を機械的又は熱的に処理することによって調整することが可能である。
トナーの平均円形度は、例えばフロー式粒子像測定装置「FPIA−2100」(シスメックス社製)を用いて測定することができる。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物等を除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用いる。前記測定試料を加えた水系媒体を、2分間分散処理し、測定用の分散液とする。その際、前記分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。
また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26〜27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整
を行う。
トナーの円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3,000〜1万個/μlとなる様に前記分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1,000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径3μm未満のデータをカットして、トナーの平均円形度を求める。
さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来よりトナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)によりトナーの形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な補足を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状を測定する必要がある場合には、より正確に形状に関する情報が得られる「FPIA−2100」の方が有用である。
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を0.01ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う。
円形度は、トナーの凹凸の度合いを示す指標であり、下式を用いて算出することができる。トナーが完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
Figure 2006309048
またトナーの円相当径は、下式を用いて算出することができる。
Figure 2006309048
前記の式において、「粒子投影面積」とは二値化されたトナーの粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは前記トナーの粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。これらの面積及び周囲長には、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像のものを用いる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
Figure 2006309048
また、円形度標準偏差SDは、平均円形度C、各粒子における円形度ci、測定粒子数をmとすると次式から算出される。
Figure 2006309048
前記トナー粒子は、走査型プローブ顕微鏡で測定されるトナー粒子の平均面粗さが5.0nm以上35.0nm未満であることが好ましい。トナー粒子が適度な表面粗さを有していることにより、トナー間に適度な空隙が生まれ、トナーの流動性を向上させることができ、より良好な現像性をもたらすことができる。特に前述した平均円形度を有するトナー粒子において、前記平均面粗さをもたらすことにより、優れた流動性をトナー粒子に付与することができる。このような観点から、トナー粒子の平均面粗さは、8.0nm以上30.0nm未満であることがより好ましく、10.0nm以上25.0nm未満であることがさらに好ましい。
また、本発明に用いられるトナー粒子において、3μm未満の超微粒子が少ない場合により良好な流動性をトナーに付与することができる。即ち、トナー粒子中に超微粒子が多く存在すると、トナー粒子の表面の凹部分に超微粒子が入り込み、見かけ上のトナー粒子の平均面粗さを小さくしてしまい、トナー粒子間の空隙が減り、トナーにより好ましい流動性を付与することを妨げてしまう場合がある。トナー粒子の平均面粗さが5.0nm未満だと、トナーに十分な流動性が付与できないことがあり、フェーディングを生じて画像濃度が低下することがある。トナー粒子の平均面粗さが35.0nm以上だと、トナー粒子間の空隙が多くなりすぎることでトナーの飛び散りを生じることがある。トナー粒子の平均面粗さは、例えば後述する表面改質によって調整することが可能である。
なお、本発明における「平均面粗さ(Ra’)」とは、JIS B0601で定義されている中心線平均粗さRaを、面に対して適用できるよう三次元に拡張したものであり、中心線に対応する基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値で、次式で表される。
Figure 2006309048
前記式中、F(X,Y)は全測定データの示す面を示し、Sは指定面が理想的にフラットであると仮定したときの面積を示し、Zは指定面内のZデータの平均値を示し、Yは指定面に対して縦軸方向の最高値を示し、Yは指定面に対して縦軸方向の最低値を示し、Xは指定面に対して横軸方向の最大値を示し、Xは指定面に対して横軸方向の最小値を示す。また、指定面とは、本発明においては1μm四方の任意の測定エリアを意味する。また、Zデータとは、指定面に対して垂直方向のデータを意味する。
本発明において、トナー粒子の平均面粗さは、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定することができる。以下に、測定方法の一例を示す。
プローブステーション:SPI3800N(セイコーインスツルメンツ(株)製)
測定ユニット:SPA400
測定モード:DFM(共振モード)形状像
カンチレバー:SI−DF40P
解像度:Xデータ数 256
Yデータ数 128
本発明においては、トナー粒子又はトナーの表面の1μm四方のエリアを測定する。測定するエリアは、走査型プローブ顕微鏡で測定されるトナー粒子又はトナーの表面の中央部1μm四方のエリアとする。測定するトナー粒子又はトナーは、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)に等しいトナー粒子又はトナーをランダムに選択して、そのトナー又は及びトナーを測定する。測定されたデータは、二次補正を行う。異なるトナー粒子又はトナーを5個以上測定し、得られたデータの平均値を算出して、そのトナー粒子又はトナーの平均面粗さを求める。
また、トナー粒子の最大高低差が50nm以上250nm未満であることが、より良好な流動性をトナーに付与する観点から好ましい。このような観点から、前記最大高低差は80nm以上220nm未満であることがより好ましく、100nm以上200nm未満であることがさらに好ましい。トナー粒子の最大高低差が50nm未満だと、トナーに十分な流動性を付与できず、フェーディングを生じて画像濃度が低下する場合がある。トナー粒子の最大高低差が250nm以上だと、トナーの飛び散りを生じる場合がある。
なお、本発明における「最大高低差」とは、前記指定面内における前記Zデータの最大値と最小値との差を意味する。トナー粒子の最大高低差は、前述したトナー粒子の平均面粗さと同様に、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定することができる。また、トナー粒子の最大高低差は、例えば多数の溝を有するロータが高速で回転する表面改質装置内にトナー粒子を分散、循環させる方法、または炭化水素系ワックスの融点以上の温度に設定された表面改質装置内にトナー粒子を所定の時間内で分散、循環させる方法など、機械的又は熱的な処理により調整することが可能である。
トナー粒子に外添剤が外添されているトナーにおいて、トナー粒子の表面を走査型プローブ顕微鏡を用いて測定する場合は、外添剤を取り除く必要がある。トナー粒子の表面から外添剤を取り除くための具体的な方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)トナー45mgをサンプル瓶に入れ、メタノールを10ml加え、試料を作製する

(2)超音波洗浄機で1分間試料を分散させてトナー粒子から外添剤を分離させる。
(3)試料を吸引ろ過(10μmメンブランフィルター)してトナー粒子と外添剤を分離する。磁性体を含むトナーの場合は、磁石をサンプル瓶の底にあててトナー粒子を固定して上澄み液だけ分離させても構わない。
(4)上記(2)、(3)を計3回行い、得られたトナー粒子を真空乾燥機で室温で十分に乾燥
させる。
外添剤を取り除いたトナー粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、外添剤がなくなっているのを確認した後、走査型プローブ顕微鏡でトナー粒子の表面観察をすることができる。外添剤が十分に取り除ききれていない場合には、外添剤が十分に取り除かれるまで(2)、(3)を繰り返し行った後に走査型プローブ顕微鏡でのトナー粒子の表面観察を行う。
(2)、(3)に代わる外添剤を取り除く他の方法としては、アルカリで外添剤を溶解させる方法が挙げられる。アルカリとしては水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
また、トナー粒子の表面積が1.03×10nm以上1.33×10nm未満であることが、より良好な流動性をトナー粒子に付与する観点から好ましい。このような観点から、トナー粒子の表面積は、1.05×10nm以上1.30×10nm
未満であることがより好ましく、1.07×10nm以上1.28×10nm未満であることがさらに好ましい。トナー粒子の表面積が1.03×10nm未満だと、トナーに十分な流動性を付与できず、フェーディングを生じて画像濃度が低下する場合がある。トナー粒子の表面積が1.33×10nm以上だと、飛び散りを生じる場合がある。
なお、本発明において「トナー粒子の表面積」とは、前記指定面におけるトナー粒子の表面積を意味する。前記トナー粒子の表面積は、前述したトナー粒子の平均面粗さと同様に、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定することができる。また、前記トナー粒子の表面積は、トナー粒子の最大高低差を調整する方法と同様にして調整することが可能である。
また、本発明においては、フロー式粒子像測定装置で計測される円相当径0.6μm以上400μm以下のトナー粒子における個数基準粒径分布において、0.6μm以上3μm未満のトナー粒子の比率が0個数%以上20個数%未満であることが好ましく、0個数%以上17個数%未満であることがより好ましく、1個数%以上15個数%未満であることがさらに好ましい。0.6μm以上3μm未満のトナー粒子は、トナーの現像性、特にカブリ特性に大きな影響を与える。このような微粒子トナーは過度に高い帯電性を有しており、トナーの現像時に過剰に現像されやすく、画像上にカブリとして現れる。しかし本発明においては、このような微粒子トナーの比率が少ないことによってカブリをより一層低減することができる。
また、本発明のトナーは、前述したとおり平均円形度が高いためにトナーがより密に詰まった状態を取りやすい。このために本発明のトナーは、現像スリーブ上により厚くコートされ、結果的に現像スリーブ上のトナー層の上層と下層で帯電量が異なり、連続して広い面積の画像を現像する時に、先端の画像濃度よりも現像スリーブ2周目以降の画像の方が、画像濃度が低下してしまう、所謂スリーブネガゴーストを発生する場合がある。
この時にトナー粒子中に前記微粒子トナー等の超微粉が多く存在すると、超微粉は他のトナー粒子よりも高い帯電量を有しているために画像濃度差を発生させやすく、スリーブネガゴーストを悪化させるが、本発明においては超微粉量を少なく制御することにより、スリーブネガゴーストの悪化を抑制することができる。
円相当径0.6μm以上3μm未満のトナー粒子の比率が20個数%以上だと、画像上のカブリが増加し、更にスリーブネガゴーストが悪化する場合がある。前記トナー粒子の比率は、例えば分級によって調整することが可能である。
また、本発明のトナー粒子は、円形度0.960未満のトナー粒子の個数累積値が20個数%以上70個数%未満であることが好ましく、25個数%以上65個数%未満であることがより好ましく、30個数%以上65個数%未満であることがさらに好ましく、35個数%以上65個数%未満であることがより一層好ましい。
トナー粒子の円形度は、個々のトナー粒子によって異なる。円形度が異なるとトナー粒子としての特性も異なるため、適度な円形度のトナー粒子の比率が適正な値であることが、トナー粒子の現像性を高める上で好ましい。本発明のトナー粒子は適度な円形度を有しており、且つ適度な円形度分布を有していると、トナー粒子の帯電分布がより一層均一になり、カブリをより一層低減することができる。円形度0.960未満のトナー粒子の個数累積値が20個数%未満だと、トナー粒子が耐久時に劣化する場合がある。円形度0.960未満のトナー粒子の個数累積値が70個数%以上だと、カブリが悪化したり、高温高湿環境下での画像濃度が低下する場合がある。トナー粒子の円形度分布は、トナー粒子の平均円形度と同様に、トナー粒子の機械的又は熱的な処理によって調整することが可能
である。
本発明のトナーは、重量平均粒径が2.5〜10μmであることが、帯電均一性を促進し、トナーの凝集性を軽減し、画像濃度を向上させ、及びカブリの改善等により現像性を向上させる上で好ましい。特に、重量平均粒径が2.5〜8.0μmのトナーにおいてはその効果は顕著であり、極めて高精細な画像が得られる。重量平均粒径は2.5μm以上である方が十分な画像濃度が得られて好ましい。重量平均粒径は、トナーの製造方法及び製造条件や、分級作業等によって調整することが可能である。
本発明のトナーの重量平均粒径及び粒度分布は、コールター法を用いて測定することができ、例えば粒径測定器コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることが可能である。この測定法では電解液が使用されるが、この電解液には、例えば1級塩化ナトリウムを用いて調製された1%NaCl水溶液や、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
測定法としては、前記電解液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。これを超音波分散器で約1〜3分間分散処理して試料を分散し、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、前記測定装置により2.00μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定し、体積分布と個数分布とを算出する。それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)を算出する。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用いる。
前記結着樹脂は、酸価が1〜50mgKOH/gであり、水酸基価が10〜60mgKOH/gであり、かつポリエステルユニットを少なくとも含む樹脂である。前記結着樹脂は、このような樹脂であれば特に限定されない。前記結着樹脂の酸価(RAv)は1〜30mgKOH/gであることが好ましく、前記結着樹脂の水酸基価(ROHv)は15〜40mgKOH/gであることが好ましい。
結着樹脂の酸価が1mgKOH/g未満或いは水酸基価が10mgKOH/g未満の場合、帯電の立ち上がり特性が劣化することがある。逆に結着樹脂の酸価が50mgKOH/g或いは水酸基価が60mgKOH/gを超える場合、高湿環境特性が悪化し易い。一方、結着樹脂の酸価、水酸基価が多い場合、トナー粒子の表面の水分吸着量が極端に増加し、トナーの流動性、トナーの帯電保持に悪影響を与えることがあり、更には定着時の耐静電オフセット性が劣る原因となり易い。本発明のトナーは、前記結着樹脂と本発明に用いられるワックスとを用いることにより、樹脂ならびにワックスの分散性を良好にし、且つ定着時のワックスの染み出し速度を調整することが可能となり、優れた低温定着、耐オフセット性を有するようになる。そしてこの分散性とワックスの染み出し速度の調整を両立させるために、上記の結着樹脂とワックスの酸価および水酸基価の範囲が規定される。
結着樹脂の酸価、水酸基価の測定は後述する方法によって測定することが出来る。また結着樹脂の酸価及び水酸基価は、ポリエステルユニットを生成する際のアルコール成分及びカルボン酸成分の種類や使用量、重合条件等によって調整することが可能である。
前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂(ポリエステルユニット)を主成分として含有する。ここで『ポリエステル樹脂を主成分として含有する』とは、結着樹脂の60質量%以上にポリエステル樹脂を使用することを言う。副成分としては、結着樹脂として従来より知られている種々の樹脂化合物を用いることができる。
前記ポリエステル樹脂は、公知のように、二価以上の多価アルコールと二価以上の多価有機酸類との縮重合によって得られ、一般的にその末端に極性をもつカルボキシル基を有するが、本発明においてはこのカルボキシル基が炭化水素系ワックスと相互作用し、トナー中における分散状態を向上させる。すなわち、本発明において結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いることで、原材料の分散性が高められ、帯電量の分布が均一となり、現像性の優れたトナーを得ることが出来るのである。
以下に本発明で用いられるポリエステル樹脂を具体的に示す。ポリエステル樹脂は、全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%が酸成分であることが好ましい。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記一般式(A)式で表されるビスフェノール誘導体;下記一般式(B)式で示されるジオール類;及び、グリセリン、ソルビット、ソルビタン等の三価以上の多価アルコール類等が挙げられる。
Figure 2006309048
Figure 2006309048
前記一般式(A)中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。
また前記一般式(B)中、R’は、下記構造式で表される基のいずれかであって、同一であっても異なっていても良い基である。
Figure 2006309048
また、酸成分としてはカルボン酸が好ましくは例示することができ、二価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられ、また、三価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等が挙げられる。
特に好ましいポリエステル樹脂のアルコール成分としては、前記一般式(A)で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、コハク酸、n−ドデセニルコハク酸又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸類;トリメリット酸又はその無水物のトリカルボン酸類が挙げられる。
これらの酸成分及びアルコール成分から得られたポリエステル樹脂を結着樹脂として使用することが、画像の定着において熱ローラ定着を用いる画像形成プロセスに本発明のトナーを用いたときに、良好な定着性と優れた耐オフセット性とを実現する上で好ましい。
また、本発明では結着樹脂として、従来より結着樹脂として知られている種々の樹脂化合物を本発明のポリエステル樹脂と併用することができ、このような樹脂化合物としては、例えばビニル系樹脂、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
本発明に用いられる結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50〜75℃であることが好ましく、55〜65℃であることがより好ましい。
結着樹脂のガラス転移温度が上記範囲よりも小さいとトナーの保存安定性が不十分となることがあり、結着樹脂のガラス転移温度が上記範囲よりも大きいとトナーの定着性が不十分となることがある。結着樹脂のガラス転移温度は、後述する示差走査熱量計を用いて測定することができる。また、結着樹脂のガラス転移温度は、使用する結着樹脂の種類や使用量によって調整することが可能である。
本発明で用いられる結着樹脂は、低分子量成分と高分子量成分とを有することが好ましく、良好な定着性を達成する観点から、低分子量成分のピーク分子量は4,000〜30,000が好ましく、良好な耐オフセット性及び耐ブロッキング性を達成する観点から、高分子量成分のピーク分子量は50,000〜1,000,000が好ましい。
低分子量成分及び高分子量成分が共に上記分子量分布の範囲を満たす場合では、低温定着性と耐オフセット性の両方をさらに高度に達成できる。結着樹脂のピーク分子量は、後述するTHF(テトラヒドロフラン)を溶媒としたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定することができる。また、結着樹脂のピーク分子量は、使用する結着樹脂の種類や使用量によって調整することが可能である。
前記ワックスは、炭化水素系ワックスを少なくとも含む。前記炭化水素系ワックスは、酸価が1〜30mgKOH/gであり、且つ水酸基価が20〜100mgKOH/gであり、且つ融点が50℃〜100℃である。前記ワックスは、このような炭化水素系ワックスを含むものであれば特に限定されない。
本発明に使用する炭化水素系ワックスは結着樹脂との酸価、水酸基価の関係において所望の範囲を有し、さらに炭化水素系ワックスの水酸基価とエステル価の関係において所望の範囲を有する観点から、以下の構造を有する炭化水素分子鎖を好ましくは含むものである。
すなわち、前記炭化水素系ワックスは、少なくとも下記部分構造式A又はEで表せる、二級炭素に水酸基を有する二級アルコールの構造を有する分子鎖、又は一級炭素に水酸基を有する一級アルコールの構造を有する分子鎖を有することを必須とする。あるいは、前記炭化水素系ワックスは、下記部分構造式C又はDで表せる、一級乃至二級の炭素にカルボキシル基を有する分子鎖を有することを必須とする。
下記部分構造式A又はE、あるいはC又はDは、それぞれ一つの炭化水素鎖に両方を有していても良い。さらに前記炭化水素系ワックスは、下記部分構造式Bで表せる、エステル結合を有するエステルの構造を有する分子鎖を有していても良い。より好ましくは、下記部分構造式A乃至E、C乃至D、Bで表されるアルコール構造、カルボキシル基、ならびにエステル結合をそれぞれ有する分子鎖を有する炭化水素鎖である。
また、前記炭化水素系ワックスは、一つの炭化水素鎖に任意の下記部分構造式A、C、D及びEの構造を有していても良い。さらに、下記部分構造式Bの構造を有していても良い。
Figure 2006309048

本発明に用いられる炭化水素系ワックスは、トナー粒子中の分散性や、トナーの帯電性に与える影響から、脂肪族炭化水素系ワックスが好ましい。特に、水酸基を有する炭化水素系ワックスが好ましい。
脂肪族炭化水素系ワックスから水酸基を有する炭化水素系ワックスを生成する一連の工程をアルコール転化と称する。アルコール転化には、種々の工程群を挙げることができるが、例えば、炭化水素系ワックスから前記炭化水素系ワックスのホウ酸エステルを生成し、前記炭化水素系ワックスのホウ酸エステルを加水分解して、水酸基を有する炭化水素系ワックスを生成する方法が挙げられる。アルコール転化の工程を利用して所望の特性を有
する炭化水素系ワックスを得ることが、炭化水素系ワックスの酸基、水酸基、エステル基の転化率をコントロールしやすいという点で好ましい。
脂肪族炭化水素系ワックスから水酸基を有する炭化水素系ワックスを生成する製造例として、炭化水素系ワックスを、ホウ酸及び無水ホウ酸の存在下で、分子状酸素含有ガスで液相酸化することで得られる方法が挙げられる。触媒としてはホウ酸と無水ホウ酸の混合物を使用することができる。ホウ酸と無水ホウ酸の混合比(ホウ酸/無水ホウ酸)はmol比で1.0〜2.0好ましくは1.2〜1.7の範囲である。無水ホウ酸の割合が前記範囲より少ないと、ホウ酸の過剰分が凝集現象を引き起こし好ましくない。また、無水ホウ酸の割合が前記範囲より多いと、反応後無水ホウ酸に由来する粉末物質が回収され、また過剰の無水ホウ酸は反応に寄与せず経済的な面からも好ましくない。
使用されるホウ酸と無水ホウ酸の添加量は、その混合物をホウ酸に換算して、原料の脂肪族炭化水素1molに対して0.001〜10mol、特に0.1〜1.0molが好ましい。
反応系に吹き込む分子状酸素含有ガスとしては酸素、空気、又はそれらを不活性ガスで希釈した広範囲のものが使用可能であるが、酸素濃度が1〜30容量%であるのが好ましく、より好ましくは3〜20容量%である。
液相酸化反応は通常溶媒を使用せず、原料の脂肪族炭化水素の溶融状態下で行われる。反応温度は120〜280℃、好ましくは150〜250℃である。反応時間は1〜15時間が好ましい。ホウ酸と無水ホウ酸はあらかじめ混合して反応系に添加するのが好ましい。ホウ酸のみを単独で添加すると、ホウ酸の脱水反応等が起こり好ましくない。また、ホウ酸と無水ホウ酸の混合溶媒の添加温度は100℃〜180℃がよく、好ましくは110〜160℃であり、100℃より低い場合には系内に残存する水分等に起因して、無水ホウ酸の触媒機能が低下するので好ましくない。
反応終了後、反応混合物に水を加え、生成したワックスのホウ酸エステルを加水分解後、精製して、所望のワックスが得られる。
本発明に用いられる炭化水素系ワックスの酸価(WAv)は1〜30mgKOH/g以下(好ましくは1〜15mgKOH/g以下)であることが好ましい。
炭化水素系ワックスが酸基を有していることにより、トナー粒子を構成する他の成分との界面接着力が大きくなり、炭化水素系ワックスがトナーを可塑化する効果が高くなり、トナーの定着性が向上する。炭化水素系ワックスの酸価が1mgKOH/g未満だと、トナー粒子を構成する他成分との界面接着力が小さくなり、炭化水素系ワックスの遊離が発生しやす
く、炭化水素系ワックスの作用が十分に得られない場合がある。また、炭化水素系ワックスの酸価が30mgKOH/gより大きいと、逆に界面接着力が大きくなりすぎ、トナーの可塑化が大きく進み、十分な離型性を保持できなくなる場合がある。
本発明で用いられる炭化水素系ワックスの水酸基価(WOHv)は、20〜100mgKOH/g(好ましくは20〜80mgKOH/g)である。
炭化水素系ワックスの分子中に適度な水酸基を有していることにより、炭化水素系ワックスが結着樹脂中に微粒子状に分散できるので、適度な可塑効果が得られ、定着性が向上する。炭化水素系ワックスの水酸基価が20mgKOH/g未満だと、炭化水素系ワックスが十分に微分散せず、トナーの定着性が低下することがある。また、炭化水素系ワック
スの水酸基価が100mgKOH/gより大きいと、炭化水素系ワックスの可塑効果が大きくなりすぎ、トナーの耐ブロッキング性が低下することがある。
本発明に用いられる炭化水素系ワックスのエステル価(WEv)は、1〜50mgKOH/g(好ましくは1〜30mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは1〜20mgKOH/g、特に好ましくは1〜15mgKOH/g)である。前記炭化水素系ワックスは、さらに、水酸基価とエステル価の関係が下記式(3)を満足することが好ましい。
[数7]
WOHv>WEv ・・・ (3)
炭化水素系ワックスのエステル価が1mgKOH/g未満だと、トナーの定着性に対する炭化水素系ワックスの効果が低下することがある。また、炭化水素系ワックスのエステル価が50mgKOH/gより大きいと、炭化水素系ワックスの結着樹脂に対する親和性が高くなりすぎて結着樹脂の劣化が進みやすくなり、長期の使用においてトナーの現像性が劣るようになることがある。
炭化水素系ワックスのエステル価が水酸基価以上だと、炭化水素系ワックスと結着樹脂の親和性が高くなり、炭化水素系ワックスがトナー粒子の表面に染み出しにくくなり、トナーの低温定着性、耐オフセット性に影響を及ぼすようになることがある。
また、炭化水素系ワックス中のエステル基は結着樹脂成分との親和性が高く、水酸基は紙の如き被定着シートとの親和性が高いので、トナーを定着部材から排出させる効果をもたらす。以上の結果、トナーと定着部材との離型性及び被定着シートへの排出性が向上し、優れた低温定着性、耐オフセット性を発揮出来るようになる。
前記炭化水素系ワックスの酸価、水酸基価、エステル価は後述する方法により測定することが出来る。また炭化水素系ワックスの酸価、水酸基価、エステル価は、例えば脂肪族炭化水素系ワックスから炭化水素系ワックスのホウ酸エステルを生成し、該炭化水素系ワックスのホウ酸エステルを加水分解する工程において、触媒として添加するホウ酸と無水ホウ酸の添加量又は添加比、反応温度、反応時間によって調整することが可能である。特に水酸基価とエステル価の割合は、エステル化反応と加水分解反応それぞれの反応工程において、反応温度、反応時間によって転化率を調整することにより、調整することが可能である。
炭化水素系ワックスとしては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される数平均分子量(Mn)がポリエチレン換算で100〜3,000、より好ましくは200〜2,000、さらに好ましくは250〜1,000の範囲にある飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素が好ましく用いられる。
前記炭化水素系ワックスの数平均分子量が100未満だと、熱的影響を過度に受けやすく、耐ブロッキング性、現像性が劣るようになることがある。前記炭化水素系ワックスの数平均分子量が3,000より大きくなると、外部からの熱を効果的に利用できず、優れた定着性を得ることが出来なくなることがある。前記炭化水素系ワックスの数平均分子量は、後述する方法によって測定することができる。
また、前記炭化水素系ワックスの数平均分子量は、例えば炭化水素系ワックスの原料となる脂肪族炭化水素ワックスの種類や、合成、熱分解、石油抽出といった製法に伴う数平均分子量の調整によって調整することが可能である。また、酸価、水酸基価、およびエス
テル価を調整する方法として前述した脂肪族炭化水素系ワックスから炭化水素系ワックスのホウ酸エステルを生成し、該炭化水素系ワックスのホウ酸エステルを加水分解する工程において、熱分解により数平均分子量も変化する。よって、さらに種類の異なる炭化水素系ワックスを組み合わせることでも数平均分子量の調整をすることが可能である。
また、前記炭化水素系ワックスの融点は、50℃〜100℃であり、好ましくは60℃〜80℃である。
前記炭化水素系ワックスの融点が50℃未満になると、トナーの耐ブロッキング性、耐オフセット性が低下し、現像剤担持部材の汚染を引き起こしやすくなり、100℃以上になると、トナーの定着性能に悪影響を与える場合がある。
前記炭化水素系ワックスの融点は、後述する方法によって測定することができる。また、前記炭化水素系ワックスの融点は、例えば炭化水素系ワックスの種類やアルコール転化等による改質によって調整することが可能である。
前記炭化水素系ワックスの25℃における針入度が5以上15以下であることが、トナーの帯電性能を高め、環境変化に対して安定した画像を提供する観点から好ましい。このような観点において、炭化水素ワックスの針入度が5以上9以下であることがより好ましい。
炭化水素系ワックスの25℃における針入度が5未満であると、結着樹脂との相溶性が悪化し、トナー粒子内におけるワックスの分散が悪くなり、帯電性が不均一となり、現像性を悪化させる。また、前記針入度が15よりも大きいと、高温下でのトナーの保存性(耐ブロッキング性)が低下する場合がある。本発明において、炭化水素系ワックスの針入度はJIS K2235の「5.4 針入度試験方法」により求められる。
前記針入度は、例えば炭化水素系ワックスの種類やアルコール転化による改質によって調整することが可能である。さらに、製造工程における分子量や分子量分布、分岐状態によって調整することが可能である。
前記炭化水素系ワックスは、示差走査熱量計(DSC)により測定されるトナーのDSC曲線の吸熱ピークにおいて、炭化水素系ワックスの融解熱に相当するΔH(J/g)の
うち、35℃以上85℃以下の融解熱ΔHaに対する、35℃以上60℃以下の融解熱ΔHbの割合が1%以上20%以下であることが、高温高湿下での安定性の観点から好ましい。このような観点において、炭化水素系ワックスの融解熱のΔHaに対するΔHbの割合は5%以上20%以下であることがより好ましい。
炭化水素系ワックスの融解熱のうち、35℃以上85℃以下の融解熱ΔHaは前記炭化水素系ワックス全体の融解熱に相当する。また、35℃以上60℃以下の融解熱ΔHbは低分子量の低融点成分の融解熱に相当すると考えられる。本発明で用いられる炭化水素系ワックスは、分子中に適度な水酸基を有していることにより、炭化水素系ワックスが結着樹脂中に微粒子状に分散できるので、適度な可塑効果が得られ、定着性が向上するものである。
しかしながら、ΔHaに対するΔHbの割合が1%未満であると、炭化水素系ワックスがトナー中で十分に微分散せず、トナーの定着性の改善効果が十分に得られないことがある。また、ΔHaに対するΔHbの割合が20%より大きい、即ち低分子量化した低融点成分が多くなりすぎると、可塑効果が大きくなりすぎ、トナーの耐ブロッキング性が低下する傾向にある。
トナーの融解熱ΔHaに対するΔHbの割合は、例えば炭化水素系ワックスの原料となる脂肪族炭化水素ワックスの低分子量成分の除去などによる分子量分布の調整によって可能である。また、脂肪族炭化水素系ワックスから、水酸基を有する炭化水素系ワックスを生成するアルコール転化工程を経た後に、分子量分布を調整することによっても調整することが可能である。
本発明に用いられるトナー粒子には、炭化水素系ワックスの他に、下記群より選ばれる一種以上のワックスを含んでいることが好ましい。一種以上のワックスをトナー粒子中に含有させることによって、低温定着性と耐オフセット性のバランスにより一層優れたトナーを得ることが出来る。
本発明に用いられる、二種類目のワックスとしては下記のようなものが挙げられる。
例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合体、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素ワックス、酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、及び、それら酸化物を加水分解したアルコール、又は、それら酸化物のブロック共重合体;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、ホホバろうの如き植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラタムの如き鉱物系ワックス;モンタン酸エステル、カスターワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪族と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物;等が挙げられる。
本発明に用いられる二種類目のワックスは、トナー粒子中におけるトナー粒子の材料の分散性や、トナーの帯電性に与える影響から、炭化水素ワックスが好ましい。例えば、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、オレフィンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒等で重合した低分子のポリオレフィン(例えば分子量5〜50万の高分子ポリオレフィンを280〜390℃の高温で熱分解
(熱減成)することで得られる熱減成型ポリオレフィン)、高分子量のポリオレフィンを高温で熱分解(熱減成)して得られるポリオレフィン、一酸化炭素・水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留成分から、あるいはこれらを水素添加して
得られる合成炭化水素等のフィッシャートロプシュワックスが挙げられる。前記炭化水素ワックスには、酸化防止剤が添加されていても良い。
さらに二種類目のワックスとして用いられる炭化水素ワックスには、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素系ワックスの分別を行った物が好ましく用いられる。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多くは二種以上の多元系)を使用した、一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの(原料は石炭であっても、天然ガスであってもかまわない)、例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)、あるいはワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(固定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素や、エチレン等のオレフィンをチーグラー触媒、メタロセン触媒により重合した炭化水素等が挙げられ、分岐が少なく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ましい。
二種類目のワックスとして用いられる炭化水素ワックスには、特に、フィッシャートロプシュワックスが、トナー粒子中の分散性や離型性の観点から好ましく用いられる。
本発明におけるワックスの添加量は、結着樹脂100質量部に対し、1〜15質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜10質量部である。ワックスが二種以上含まれる場合でも、ワックスの総量が上記範囲にあればどのような配合比でも構わないが、本発明のワックスが多く含まれていることが好ましい。
なお、結着樹脂100質量部に対する炭化水素系ワックスの添加量が1質量部未満になるとトナーとしての定着性が低下しやすくなり、15質量部超になると、耐オフセット性が低下しやすくなる。
本発明は、前記結着樹脂の酸価(RAv)と前記炭化水素系ワックスの酸価(WAv)ならびに、前記炭化水素系ワックスの水酸基価(WOHv)と前記結着樹脂の水酸基価(ROHv)が、それぞれ以下の関係を満たすことを特徴としている。
[数8]
0≦|RAv−WAv|≦35 (1)
21≦WOHv−ROHv≦90 (2)
結着樹脂と炭化水素系ワックスの酸価及び水酸基価が、上記の関係にあることにより、両者の相溶性及び結着性が向上し、結着樹脂中に分散している炭化水素系ワックスの分散径が適度の大きさになり、その機能を十分に発揮できるようになる。
結着樹脂と炭化水素系ワックスの酸価及び水酸基価の関係が上記範囲を外れてしまうと、結着樹脂中における炭化水素系ワックスの分散径が小さく又は大きくなりすぎるため、炭化水素系ワックスの機能が十分に発揮出来なくなり、低温定着性、耐オフセット性に影響を及ぼすようになる。
さらに、結着樹脂の酸価(RAv)と、前記炭化水素系ワックスの酸価(WAv)との関係が下記式(4)を満たすことが好ましい。
[数9]
RAv≧0.7×WAv ・・・ (4)
さらに結着樹脂の酸価(RAv)と、前記炭化水素系ワックスの酸価(WAv)との関係は、下記式(6)を満たすことが好ましい。
[数10]
RAv≧1.4×WAv ・・・ (6)
結着樹脂及び炭化水素系ワックスの酸価の値が上記関係にあることは、トナーの可塑化を適度に調整して優れた低温定着性、耐オフセット性を発揮する観点から好ましい。結着樹脂及び炭化水素系ワックスの酸価の関係が上記関係より外れてしまうと、トナーの可塑化が大きく進んでしまい、十分な離型性を保持出来なくなることがある。
また、結着樹脂の水酸基価(ROHv)と、前記炭化水素系ワックスの水酸基価(WOHv)との関係が下記式を満たすことが好ましい。
[数11]
ROHv≦WOHv ・・・ (5)
さらに結着樹脂の水酸基価(ROHv)と、前記炭化水素系ワックスの水酸基価(WOHv)との関係は、下記式(7)を満たすことが好ましい。
[数12]
ROHv≦0.6×WOHv ・・・ (7)
結着樹脂及び炭化水素系ワックスの水酸基価が上記関係式を満たすことは、トナー粒子中の炭化水素系ワックスの分散径を適度な大きさに調整し、適度な可塑効果を得、また低温定着性を向上させる観点から好ましい。また、ワックスの分散状態を良好なものに出来るため、トナーの帯電特性を損なうことなく、前述の効果が得られるようになる。水酸基価の関係が上記関係から外れてしまうと、炭化水素系ワックスの分散径が大きくなりすぎるため、耐オフセット性が悪化してしまうことがあるばかりか、トナーの帯電特性を著しく損なうため、現像性も悪化してしまうことがある。
本発明におけるワックス、結着樹脂の物性測定は、下記方法により実施することができる。
<ワックスの融点、トナーの融解熱、結着樹脂のガラス転移温度の測定法>
本発明におけるワックスの融点及び、結着樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC測定装置)、Q−1000(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いて、下記条件にしたがって行うことができる。ワックスの融点及び結着樹脂のガラス転移温度は、下記温度曲線の昇温IIで測定される吸熱ピークが検出される温度を用いる。
試料 :5〜20mg、好ましくは10mg
測定法 :試料をアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。
温度曲線:昇温I(20℃→180℃、昇温速度10℃/min.)
降温I(180℃→10℃、降温速度10℃/min.)
昇温II(10℃→180℃、昇温速度10℃/min.)
トナーのDSC曲線における35℃以上85℃以下の融解熱ΔHaは、トナー中のワックス成分に帰属する吸熱ピークが呈する35℃以上85℃以下の範囲での融解熱であり、同様に、トナーのDSC曲線における35℃以上60℃以下の融解熱ΔHbは、トナー中のワックス成分に帰属する吸熱ピークが呈する融解熱のうち、35℃以上65℃以下の領域での融解熱を算出することによって求められる。
<分子量測定法>
ワックスの数平均分子量及び重量平均分子量及び、結着樹脂のピーク分子量は、THF(テトラヒドロフラン)を溶媒としたGPC(ゲルパーミエションクロマトグラフィー)によって測定することができる。本発明において、ワックス及び結着樹脂のTHF(テトラヒドロフラン)を溶媒としたGPCによる分子量分布は次の条件で測定される。
試料は以下のようにして作製する。まず試料をTHF中に入れ、数時間放置した後、十分振とうし、THFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、さらに12時間以上静置する。その時THF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)等使用できる。)を通過させる。これをGPCの試料とする。又、試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。またカラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC
KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKguard columnの組み合わせを挙げることができる。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が10〜10程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。
<ワックスの水酸基価の測定法>
本発明におけるワックスの水酸基価の測定は、下記のように実施することができる。
・装置及び器具
メスシリンダー(100ml)
全量ピペット(5ml)
平底フラスコ(200ml)
グリセリン浴
・試薬
アセチル化試薬(無水酢酸25gを全量フラスコ100mlに取り、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振り混ぜる。)
フェノールフタレイン溶液
0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液
・測定法
(a)炭化水素系ワックスを0.5〜6.0g平底フラスコに精秤して、これにアセチル化試薬5mlを全量ピペットを用いて加える。
(b)フラスコの口に小さな漏斗を置き、温度95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。フラスコの首がグリセリン浴の熱を受けて温度が上がるのを防
ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円板をフラスコの首の付け根にかぶせる。
(c)1時間後フラスコをグリセリン浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。
(d)更に、分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エタノール(95)5mlで漏斗及びフラスコの壁を洗う。
(e)フェノールフタレイン溶液数滴を指示薬として加え、0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときを終点とする。
(f)空試験は、炭化水素系ワックス(a)を入れないで(a)〜(e)を行う。
(g)試料が溶解しにくい場合は、少量のピリジンを追加するか、キシレン又はトルエンを加えて溶解する。
・計算
得られた結果から下記の式によって炭化水素系ワックスの水酸基価を求める。
[数13]
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D
但し、
A:炭化水素系ワックスの水酸基価(mgKOH/g)
B:空試験に用いた0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
C:滴定に用いた0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
f:0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:炭化水素系ワックスの質量(g)
D:炭化水素系ワックスの酸価(mgKOH/g)
28.05:水酸化カリウムの式量56.11×1/2
<ワックスの酸価の測定法>
本発明におけるワックスの酸価の測定は、下記のように実施することができる。
(装置及び器具)
・三角フラスコ(300ml)
・ビュレット(25ml)
・水浴又は熱板
(試薬)
・0.1kmol/m塩酸
・0.1kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液(標定は、0.1kmol/m塩酸25mlを全ピペットを用いて三角フラスコに取り、フェノールフタレイン溶液を加え、0.1kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、中和に要した量からファクターを求める。)
・フェノールフタレイン溶液溶剤(ジエチルエーテルとエタノール(99.5)を体積比で1:1又は2:1で混合したもの。これらは、使用直前にフェノールフタレイン溶液を指示薬として数滴加え、0.1kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液で中和する。)
(測定法)
(a)ワックス1〜20gを三角フラスコに精秤する。
(b)溶剤100ml及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液を数滴加え、水浴上でワックスが完全に溶けるまで十分に振り混ぜる。
(c)0.1kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅
色が30秒間続いたときを終点とする。
(計算)
得られた結果から下記式によりワックスの酸価を算出する。
[数14]
A=5.611×B×f/S
但し、
A:ワックスの酸価(mgKOH/g)
B:滴定に用いた0.1kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
f:0.1kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:ワックスの質量(g)
5.611:水酸化カリウムの式量56.11×1/10
<ワックスのエステル価の測定法>
本発明におけるワックスのエステル価の測定は、下記のようにケン化価を用いて下記式により算出することができる。
[数15]
(ワックスのエステル価)=(ワックスのケン化価)−(ワックスの酸価)
ケン化価の測定
・装置及び器具
三角フラスコ(200〜300ml)
空気冷却器(外径6〜8mm,長さ100cmのガラス管又は環流冷却器で、いずれも三角フラスコの口にすりあわせ接続できるもの)
水浴、砂浴又は熱板(約80℃の温度に調節できるもの)
ビュレット(50ml)
全量ピペット(25ml)
・試薬
0.5kmol/m塩酸
0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液
フェノールフタレイン溶液
・測定法
(a)炭化水素系ワックス(a)1.5〜3.0gを三角フラスコに1mgの桁まで精秤する。
(b)0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液25mlを全量ピペットを用いて加える。
(c)三角フラスコに空気冷却器を取り付け、ときどき内容物を振り混ぜながら30分間水浴、砂浴又は熱板上で穏やかに加熱して反応させる。加熱するときは、環流するエタノールの環が空気冷却器の上端に達しないように加熱温度を調節する。
(d)反応が終わった後、直ちに冷却し、内容物が寒天状に固まらないうちに空気冷却器の上から少量の水、又はキシレン:エタノール=1:3混合溶液を吹き付けてその内壁を洗浄した後、空気冷却器を外す。
(e)指示薬としてフェノールフタレイン溶液1mlを加えて、0.5kmol/m塩酸で滴定し、指示薬の薄い紅色が約1分間現れなくなったときを終点とする。
(f)空試験は、炭化水素系ワックス(a)を入れないで(a)〜(e)を行う。
(g)試料が溶解しにくい場合は、予めキシレン、又はキシレン−エタノール混合溶媒を
用いて溶解する。
・計算
得られた結果から下記式によりワックスのケン化価を算出する。
[数16]
A={(B−C)×28.05×f}/S
但し、
A:炭化水素系ワックスのケン化価(mgKOH/g)
B:空試験に用いた0.5kmol/m塩酸の量(ml)
C:滴定に用いた0.5kmol/m塩酸の量(ml)
f:0.5kmol/m塩酸のファクター
S:炭化水素系ワックス(a)の質量(g)
28.05:水酸化カリウムの式量56.11×1/2
<結着樹脂の酸価の測定法>
本発明における結着樹脂の酸価の測定は、下記のように実施することができる。基本操作はJIS K0070に準ずる。
1) 結着樹脂の粉砕品0.5乃至2.0(g)を精秤し、結着樹脂の重さW(g)とする。
2) 300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
3) 0.1規定のKOHのメタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する(例えば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置AT−400(win workstation)とABP−410電動ビュレットとを用いての自動滴定が利用できる。)
4) この時のKOH溶液の使用量S(ml)とし、同時にブランクを測定しこの時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。
5) 次式により結着樹脂の酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
[数17]
酸価(mgKOH/g)=((S−B)×f×5.61)/W
<結着樹脂の水酸基価の測定法>
本発明における結着樹脂の水酸基価の測定は、JIS K0070に準じて下記のように実施することができる。
(A) 試薬
(a) アセチル化試薬:無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる。アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガス及び酸の蒸気に触れないようにし、褐色びんに保存する。
(b) フェノールフタレイン溶液 フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95vol%)100mlに溶かす。
(c) 0.5mol/m水酸化カリウム−エチルアルコール溶液 水酸化カリウム3
5gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1リットルとし、2〜3日間放置後ろ過する。
(B) 操作
試料0.5〜2.0gを丸底フラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中
に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱を受けて温度の上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エチルアルコール5mlで漏斗及びフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬として0.水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。なお、本試験と並行して空試験を行う。
(C) 計算式
次式によって結着樹脂の水酸基価を算出する。
[数18]
A={(B+C)×f×28.05}/S+D
但し、
A:結着樹脂の水酸基価
B:空試験の0.5kmol/m
水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
C:本試験の0.5kmol/m水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:0.5kmol/m水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料の質量(g)
D:結着樹脂の酸価
本発明に用いられるトナー粒子に含有される着色剤には、磁性体や非磁性の染料や顔料等、種々の公知の着色剤を用いることが可能である。本発明のトナーを磁性一成分トナーに適用する場合には、トナー粒子に磁性体が含有される。
本発明に用いられる磁性体としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物が用いられ、その磁性体表面或いは内部に非鉄元素を含有するものが好ましい。さらに本発明のトナーは、結着樹脂100質量部に対して磁性体を30〜200質量部含有する磁性トナーであることが好ましい。この場合、磁性体によって十分な着色効果が得られる。
本発明に用いられる磁性体は、異種元素を含有するマグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄及びその混合物が好ましく用いられる。中でもリチウム、ベリリウム、ボロン、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、錫、鉛、亜鉛、カルシウム、バリウム、スカンジウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、銅、ニッケル、ガリウム、カドミウム、インジウム、銀、パラジウム、金、水銀、白金、タングステン、モリブデン、ニオブ、オスミウム、ストロンチウム、イットリウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、ビスマスから選ばれる少なくとも一つ以上の元素を含有する磁性酸化鉄であることが好ましい。特にリチウム、ベリリウム、ボロン、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、ゲルマニウム、ジルコニウム、錫、第4周期の遷移金属元素が好ましい元素である。
これらの元素は酸化鉄結晶格子の中に取り込まれても良いし、酸化物として酸化鉄中に取り込まれても良いし、表面に酸化物あるいは水酸化物として存在しても良い。これらの形態の中でも、酸化物として含有されているのが好ましい形態である。
また、場合により、本発明のトナーに用いられる磁性酸化鉄は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、チタネート、アミノシラン等で、表面を疎水化する処理が施されていても良い。
これらの磁性酸化鉄は、種類によっても異なるが、着色力と現像性や搬送性に係る磁性とを両立させる観点から、結着樹脂100質量部に対し20〜200質量部で好ましく用いられる。より好ましくは40〜150質量部で用いられる。
本発明に用いられる着色剤としては、上記磁性酸化鉄の他、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。例えば顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等が挙げられる。これらは、定着画像の光学濃度を維持するために必要十分な量が用いられ、その配合量は種類等によって異なるが、結着樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部であることが好ましく、0.2〜10質量部であることがより好ましい。
また、同様の目的で、さらに染料が用いられる。染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料が挙げられ、その配合量は種類等によって異なるが、結着樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部であることが好ましく、0.3〜10質量部であることがより好ましい。
前記トナー粒子には、前述した結着樹脂、ワックス、及び着色剤以外の他の成分をさらに含有していても良い。このような他の成分としては、トナー粒子の材料として公知の材料を用いることができるが、例えば荷電制御剤が挙げられる。
本発明のトナーは、荷電制御剤を含有することが好ましい。トナーを負荷電性に制御するものとしては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体、その他にも、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類等が挙げられる。
また、トナーを負帯電性に制御する荷電制御剤としては、下記一般式(2)で表されるアゾ系金属錯体が好ましい。
Figure 2006309048
前記一般式(2)中、MはSc、Ti、V、Cr、Co、Ni、Mn、又はFe等の配位中心金属を示し、Arはニトロ基、ハロゲン基、カルボキシル基、アニリド基及び炭素
数1〜18のアルキル基、アルコキシル基等の置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基等のアリール基を示し、X、X’、Y、Y’は−O−、−CO−、−NH−、及び−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)から選ばれる、同一でも異なっていても良い一種又は二種以上を示し、Aは水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、脂肪族アンモニウムのイオン、又は、なし、を示す。
上記一般式(2)で表される荷電制御剤では、特に、中心金属としてはFe又はCrが好ましく、前記置換基としてはハロゲン、アルキル基、アニリド基が好ましく、カウンターイオンとしては水素、アルカリ金属、アンモニウム、脂肪族アンモニウムが好ましい。またカウンターイオンの異なる錯塩の混合物も好ましく用いられる。
またトナーを負帯電性に制御する荷電制御剤としては、例えば下記一般式(3)で表される塩基性有機酸金属錯体が挙げられる。
Figure 2006309048
前記一般式(3)中、Mは配位中心金属を表し、Cr、Co、Ni、Mn、Fe、Zn、Al、B等が挙げられる。Bは、下記構造式及び下記一般式から選ばれる基であって、同一でも異なっていても良い基を表す。A'は水素、ナトリウム、カリウム、アンモニ
ウム、脂肪族アンモニウムのイオン、あるいは、無し、を表す。なお、下記構造式中、構造式(A)は、アルキル基等の置換基を有していても良く、下記一般式中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基から選ばれる基であって、同一でも異なっていても良い基を示し、Rは、水素原子、C1〜C18のアルキル基、C2〜C18のアルケニル基から選ばれる基であって、同一でも異なっていても良い基を示す。
Figure 2006309048
また前記一般式(3)中、Zは、以下の構造式から選ばれる基であって、同一でも異なっていても良い基を表す。
Figure 2006309048
上記一般式(3)で表される荷電制御剤では、特に、中心金属としてはFe、Cr、Si、Zn、Alが好ましく、前記置換基としてはアルキル基、アニリド基、アリール基、ハロゲンが好ましく、前記イオンは水素イオン、アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオンが好ましい。
上記一般式(2)で表される荷電制御剤の中でもアゾ系金属錯体がより好ましく、さらには下記一般式(4)で表されるアゾ系鉄錯体が最も好ましい。
Figure 2006309048
前記一般式(4)中、X及びXは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基及びハロゲン基から選ばれる一種又は二種以上を示し、m及びm’は1〜3の整数を示し、Y及びYは水素原子、C1〜C18のアルキル基、C2〜C18のアルケニル基、スルホンアミド基、メシル基、スルホン酸基、カルボキシエステル基、ヒドロキシ基、C1〜C18のアルコキシ基、アセチルアミノ基、ベンゾイル基、アミノ基及びハロゲン基から選ばれる一種又は二種以上を示し、n及びn’は1〜3の整数を示し、Y及びYは水素原子及びニトロ基の一方又は両方を示し、Aはアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、及び水素イオンの一種又は二種以上を示す。上記のXとX、mとm’、YとY、nとn’、YとYは同一でも異なっていても良い。
上記一般式(4)で表されるアゾ系金属錯体の具体例を下記構造式(5)〜(10)を以下に示す。
Figure 2006309048
Figure 2006309048
Figure 2006309048
Figure 2006309048
Figure 2006309048
Figure 2006309048
本発明のトナーを正帯電性に制御する荷電制御剤としては、例えばニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
また、下記一般式(11)で表されるモノマーの単重合体;前述したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いることができる。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹脂(の全部又は一
部)としての作用をも有する。
Figure 2006309048
前記一般式(11)中、RはH又はCHを示し、R及びRは置換又は未置換のアルキル基(好ましくはC1〜C4)を示す。
前記正帯電性の荷電制御剤としては、特に下記一般式(12)で表される化合物が好ましい。
Figure 2006309048
前記一般式(12)中、R、R、R、R、R及びRは、各々互いに同一でも異なっていても良く、水素原子、置換又は未置換のアルキル基、及び置換又は未置換のアリー
ル基から選ばれる一種又は二種以上を示し、R、R及びRは、各々互いに同一でも異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、及びアルコキシ基から選ばれる一種又は二種以上を示し、Aは、硫酸イオン、ホウ酸イオン、リン酸イオン、カルボン酸イオン、有機ホウ酸イオン、又はテトラフルオロボレートから選択される陰イオンを示す。
荷電制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー粒子の内部に添加する方法とトナー粒子の外部に添加する方法とがある。これらの荷電制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。
本発明のトナーには、無機微粉体または疎水性無機微粉体等の外添剤が外添されることが好ましい。外添剤としては、例えば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末又はそれらの疎水化物が挙げられる。それらは、単独あるいは併用して用いることが好ましい。
シリカ微粉体としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び、水ガラス等から製造される湿式シリカの両方が挙げられる。表面及び内部にあるシラノール基が少なく、製造残渣のない乾式シリカの方が好ましい。
前記シリカ微粉体は疎水化処理されているものが好ましい。疎水化処理するには、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシラン化合物で処理した後、あるいはシラン化合物で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ素化合物で処理する方法が挙げられる。
疎水化処理に使用されるシラン化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げられる。
有機ケイ素化合物としては、シリコーンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ30〜1,000mm/sのものが用いられる。例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが好ましい。
シリコーンオイル処理の方法は、シラン化合物で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合しても良いし、ベースとなるシリカへシリコーンオイルを噴射する方法によっても良い。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、得られた溶剤とベースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去しても良い。
シリカ微粉体の好ましい疎水化処理としては、ジメチルジクロロシランで処理し、次いでヘキサメチルジシラザンで処理し、次いでシリコーンオイルで処理することにより調製する方法が挙げられる。
上記のようにシリカ微粉体を2個以上のシラン化合物で処理し、後にオイル処理することが、疎水化度を効果的に上げることができ、好ましい。
上記シリカ微粉体における疎水化処理、更には、オイル処理を酸化チタン微粉体に施したものも、シリカ系同様に好ましい。
本発明のトナーには、必要に応じてシリカ微粉体又は酸化チタン微粉体以外の添加剤を外添してもよい。例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、
熱ロール定着時の離型剤、滑剤、研磨剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。
本発明のトナーは、公知の方法によって製造することができる。本発明のトナーを製造する方法としては、トナー粒子を構成する材料をボールミルその他の混合機により十分混合した後、熱ロールニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて良く混練し、冷却固化後、機械的に粉砕し、粉砕粉を分級後、外添剤を添加混合してトナーを得る方法が好ましい。
本発明のトナーを製造する際に使用される機器としては、特に限定されないが、例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられる。
混練機としては、例えばKRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押出機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられる。
粉砕機としては、例えばイノマイザ(ホソカワミクロン社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーロータ(日清エンジニアリング社製)が挙げられる。
分級機としては、例えばクラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられる。
粗粒等をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、例えばウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
次に、本発明の特徴とするトナー粒子を得るための好ましい方法として、表面改質工程を用いたトナー粒子の製造方法について説明する。以下に、表面改質工程で使用される表面改質装置及び表面改質装置を利用したトナー粒子の製造方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
尚、本発明において表面改質とは、トナー粒子の表面を平滑化することを意味する。
図1は、本発明に使用する表面改質装置の一例を示し、図2は図1において高速回転する回転子の上面図の一例を示す。
この表面改質装置は、図1に示すように、ケーシング30と、ケーシング30内に冷風を導入するための冷風導入口35と、ケーシング30内に被処理原料である原料トナー粒子を導入するための原料供給口33と、ケーシング30内にあって中心回転軸に取り付けられ、高速で回転する円盤状の回転体である分散ロータ36と、分散ロータ36の外周に
一定間隔を保持して配置されており、表面に多数の溝が設けられているライナ34と、少なくとも分散ロータ36及びライナ34から供給される粉体から微粉を除去することにより表面改質された粉体を所定粒径に分級するための手段である分級ロータ31と、分散ロータ36及びライナ34から分級ロータ31に向けて粉体が供給され、また原料供給口33から微粉砕品が供給される空間である第一の空間41と分級ロータ31により微粉を分級除去された粒子を分散ロータ36へ導入するための第二の空間42とを仕切る案内手段である円筒形のガイドリング39と、表面改質時間を自在に調整可能となるように第一の空間41に面して開閉可能に設置される排出弁38と、排出弁38から排出された処理後の粉体をケーシング30の外に排出するための粉体排出口37と、分級ロータ31によって分けられた微粉を分級ロータ31からケーシング30の外へ排出するための微粉回収用排出口32と、ケーシング30内を冷却するための冷却水或いは不凍液を通水できるジャケット(図示しない)とから構成されている。分散ロータ36の上面には、図1及び図2に示すように、角型のディスク40或いは円筒型のピンを複数個有する。
分散ロータ36とライナ34との間隙部分が表面改質ゾーンであり、分級ロータ31及びロータ周辺部分が分級ゾーンである。尚、分級ロータ31の設置方向は図1に示したように縦型でも構わないし、横型でも構わない。また、分級ロータ31の個数は図1に示したように単体でも構わないし、複数でも構わない。
以上のように構成してなる表面改質装置では、排出弁38を閉とした状態で原料供給口33から原料トナー粒子を投入すると、投入された原料トナー粒子は、まずブロワー(図示しない)により吸引され、分級ロータ31で分級される。その際、分級された所定粒径以下の微粉は装置外へ連続的に排出除去され、所定粒径よりも大きい粗粉は遠心力によりガイドリング39の内周(第二の空間42)に沿いながら分散ロータ36により発生する循環流にのり表面改質ゾーンへ導かれる。
表面改質ゾーンに導かれた原料は、分散ロータ36とライナ34との間で機械式衝撃力を受け、表面改質処理される。表面改質された表面改質粒子は、機内を通過する冷風にのって、ガイドリング39の外周(第一の空間41)に沿いながら分級ゾーンに導かれ、分級ロータ31により、再度微粉は機外へ排出され、粗粉は、循環流にのり、再度表面改質ゾーンに戻され、繰り返し表面改質作用を受ける。一定時間経過後、排出弁38を開とし、排出口37より表面改質粒子を回収する。
本発明においては、トナー粒子の表面改質工程において、トナー粒子の表面改質と同時に微粉成分を除去できることを特徴とする。それにより、トナー粒子中に存在する超微粒子がトナー粒子の表面に固着することがなく、所望の平均円形度、平均面粗さ及び超微粒子量を有するトナー粒子を効果的に得ることができる。
表面改質と同時に微粉を除去することができない場合、表面改質後のトナー粒子中の超微粒子量が多く存在してしまう上に、トナー粒子の表面改質工程において、機械的、熱的な影響により、適正な粒径を有するトナー粒子の表面に超微粒子成分が固着してしまう。その結果、トナー粒子の表面に、固着した微粉成分による突起が生成し、所望の平均円形度及び平均面粗さを有するトナー粒子が得られないことがある。
尚、本発明において、「表面改質と同時に微粉成分を除去する」とは、トナー粒子の表面改質及び微粉除去を繰り返し行うことを意味し、それは前記のような単一装置内でそれぞれの工程を有する装置を用いても良く、また、表面改質と微粉除去を異なる装置によって行い、それぞれの工程を繰り返し行うことによっても良い。
本発明者が検討した結果、表面改質装置における表面改質時間(=サイクルタイム、原
料トナー粒子の供給が終了してから排出弁が開くまでの時間)としては、5秒以上180秒以下、更に好ましくは、15秒以上120秒以下であることが好ましい。
表面改質時間が5秒未満の場合、改質時間が短過ぎるため、表面改質されたトナー粒子が十分に得られない場合がある。また、改質時間が180秒を超えると、改質時間が長過ぎるため、表面改質時に発生する熱による機内融着の発生、及び処理能力の低下を招く場合がある。
更に、本発明のトナー粒子を製造する方法においては、前記表面改質装置内に導入する冷風温度T1を5℃以下とすることが好ましい。前記表面改質装置内に導入する冷風温度T1を5℃以下、より好ましくは、0℃以下、更に好ましくは、−5℃以下とすることは、表面改質時に発生する熱による機内融着を防止する観点から効果的である。前記表面改質装置内に導入する冷風温度T1が5℃を超えると、表面改質時に発生する熱による機内融着を起こす場合がある。
尚、前記表面改質装置内に導入する冷風は、装置内の結露防止という面から、除湿したものであることが好ましい。除湿装置としては公知のものが使用できる。給気露点温度としては、−15℃以下が好ましく、更には−20℃以下が好ましい。
更に、本発明のトナー粒子を製造する方法においては、前記表面改質装置内は、機内冷却用のジャケットを具備しており、前記ジャケットに冷媒(好ましくは冷却水、更に好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を通しながら表面改質処理することが好ましい。前記ジャケットによる機内冷却は、トナー粒子表面改質時における熱による機内融着を防止する観点から効果的である。
尚、表面改質装置の前記ジャケット内に通す冷媒の温度は5℃以下とすることが好ましい。表面改質装置内の前記ジャケット内に通す冷媒の温度を5℃以下、より好ましくは、0℃以下、更に好ましくは、−5℃以下とすることは、表面改質時に発生する熱による機内融着を防止する観点から効果的である。前記ジャケット内に導入する冷媒の温度が5℃を超えると、表面改質時に発生する熱による機内融着を起こす場合がある。
更に、本発明のトナー粒子を製造する方法においては、前記表面改質装置内の分級ロータ後方の温度T2を60℃以下とすることが好ましい。前記表面改質装置内の分級ロータ後方の温度T2を60℃以下、好ましくは50℃以下とすることは、表面改質時に発生する熱による機内融着を防止する観点から効果的である。前記表面改質装置内の分級ロータ後方の温度T2が60℃を超えると、表面改質ゾーンにおいては、それ以上の温度になっているため、表面改質時に発生する熱による機内融着を起こす場合がある。
更に、本発明のトナー粒子を製造する方法においては、適切な表面改質を効率よく行う観点から、表面改質装置内の前記分散ロータとライナとの間の最小間隔が0.5mm〜15.0mmとすることが好ましく、更には、1.0mm〜10.0mmとすることが好ましい。また、前記分散ロータの回転周速は75m/sec〜200m/secとすることが好ましく、更には、85m/sec〜180m/secとすることが好ましい。更に、表面改質装置内の前記分散ロータ上面に設置されている角型のディスク或いは円筒形のピンの上部と、前記円筒型のガイドリングの下部との間の最小間隔が2.0mm〜50.0mmとすることが好ましく、更には、5.0mm〜45.0mmとすることが好ましい。
本発明において、前記表面改質装置内の分散ロータ及びライナの粉砕面は耐摩耗処理されていることがトナー粒子の生産性上好ましい。尚、耐摩耗処理方法は何ら限定されるものではない。また、前記表面改質装置内の分散ロータ及びライナの刃形状に関しても、何
ら限定されるものではない。
本発明のトナー粒子を製造する方法としては、あらかじめ所望の粒径付近に微粒子化された原料トナー粒子を、気流式分級機を用いて微粉及び粗粉をある程度除去した上で、表面改質装置によってトナー粒子の表面改質及び超微粉成分の除去を行うことが好ましい。あらかじめ微粉を除去しておくことにより、表面改質装置内でのトナー粒子の分散が良好になる。
特に、トナー粒子中の微粉成分は、比表面積が大きく、他の大きなトナー粒子と比較して相対的に帯電量が高いために他のトナー粒子からの分離がされにくく、分級ロータで適正に超微粉成分が分級されない場合があるが、あらかじめトナー粒子中の微粉成分を除去しておくことは、表面改質装置内で個々のトナー粒子を分散させやすくし、超微粉成分を分級ロータによって適正に分級し、所望の粒度分布を有するトナー粒子を得る観点から効果的である。
気流式分級機によって微粉を除去されたトナー粒子は、コールターカウンター法を用いて測定される粒度分布において、4μm未満のトナー粒子の個数平均分布の累積値が10%以上50%未満、好ましくは15%以上45%未満、より好ましくは15%以上40%未満であることが好ましい。このような分級を予め行うことは、前記表面改質装置によって効果的に超微粉成分を除去する観点から効果的である。本発明で用いられる気流式分級機としては、エルボージェット(日鉄工業社製)等が挙げられる。
さらに、前述したこれらの方法によって得られたトナー粒子に、必要に応じ所望の外添剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により十分に混合し、本発明のトナーとすることができる。
本発明によれば、以上説明したように、低温定着性及び耐オフセット性が両立されており、また、環境変化に対しても安定しており、ページ当たりのトナー消費量が少なく、カブリや画像弊害を高度に防止された画像を長期間に渡って提供できるトナーを得ることができる。
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。なお実施例中の部数は質量部である。
まず、本実施例に用いられる結着樹脂について述べる。
[結着樹脂の製造例]
(ポリエステル樹脂の製造例1)
・テレフタル酸 : 25部
・無水トリメリット酸 : 3部
・式(A)で表されるビスフェノール誘導体(R:プロピレン基、x+yの平均値:2.2) : 72部
これらに触媒としてジブチルスズオキサイド:0.5部を添加し、220℃で縮合重合して、低分子量ポリエステル樹脂L−1(Tg:56℃、THF不溶分:0質量%、Mn:4,000、Mw:7,600、ピーク分子量(Mp):9,100、酸価:16mgKOH/g、水酸基価:38mgKOH/g)を得た。
(ポリエステル樹脂の製造例2)
(1)テレフタル酸 : 20部
(2)イソフタル酸 : 3部
(3)無水トリメリット酸 : 7部
(4)式(A)で表されるビスフェノール誘導体(R:プロピレン基、x+yの平均値:2.2) : 72部
これらの原料物質に触媒としてジブチルスズオキサイド0.5質量部を添加し、240℃で縮合重合して、架橋ポリエステル樹脂H−1(Tg:56℃、ピーク分子量(Mp):8,600、酸価:33mgKOH/g、水酸基価:25mgKOH/g)を得た。
(ポリエステル樹脂の製造例3〜6)
原料物質の質量部数を表1に示す部数に変更した以外は、ポリエステル樹脂の製造例2と同様にして、架橋ポリエステル樹脂H−2〜5を得た。それぞれの樹脂のTg、ピーク分子量(Mp)、酸価、水酸基価を表1に示す。
Figure 2006309048
(結着樹脂1〜5の製造例)
表2に示すような比率で低分子量ポリエステル樹脂と架橋ポリエステル樹脂を秤量し、ヘンシェルミキサー(混合機、三井三池化工機社製)で予備混合し、KRCニーダーS1(混練機、栗本鉄工所社製)にて吐出される樹脂の温度が150℃になるような条件で溶融ブレンドを行い、結着樹脂を得た。得られた結着樹脂1〜5の処方を表2に、結着樹脂1〜5の酸価、及び水酸基価を表3に示す。
Figure 2006309048
(ポリエステル樹脂の製造例7)
・式(A)で表されるビスフェノール誘導体(R:プロピレン基) : 39部
・式(A)で表されるビスフェノール誘導体(R:エチレン基) : 18部
・テレフタル酸 : 20部
・イソフタル酸 : 11部
・フマル酸 : 0.2部
・ドデセニル無水琥珀酸 : 12部
これらに触媒としてテトラブチルチタネート:0.1質量%を添加し、230℃で縮合重合して、THF不溶分を含まない低分子量不飽和ポリエステル樹脂L−2(Tg:59℃、ピーク分子量:7,800)を得た。
(ポリエステル樹脂の製造例8)
・式(A)で表されるビスフェノール誘導体(R:プロピレン基) : 53部
・式(A)で表されるビスフェノール誘導体(R:エチレン基) : 15部
・テレフタル酸 : 15部
・イソフタル酸 : 1部
・フマル酸 : 0.1部
・ドデセニル無水琥珀酸 : 1部
これらに触媒としてテトラブチルチタネート:0.1質量%を添加し、230℃で縮合重合して、THF不溶分を含まない低分子量不飽和ポリエステル樹脂L−3(Tg:58℃、ピーク分子量:10,100)を得た。
(結着樹脂の製造例6)
低分子量不飽和ポリエステル樹脂L−2:75質量部をメチルエチルケトン:75質量部に加熱溶解し、冷却後、スチレン:19質量部、アクリル酸ブチル:6質量部、重合開始剤としてパーカドックス12−XL25(化薬アクゾ社製):0.125質量部を混合した。モノマー混合ポリエステル溶液を、予め作製したポリビニルアルコール0.2質量%水溶液150質量部に攪拌しながら添加し、水中へ分散させて懸濁液とした。
この懸濁液を窒素気流下で加熱し、メチルエチルケトンを蒸留しながら昇温した。フラスコ内温を85℃に保ち、メチルエチルケトンを留去しながら20時間重合を行った後、冷却した。得られた懸濁スラリーを脱水・乾燥してハイブリッド樹脂(ピーク分子量:7,700、Tg:59℃、酸価:18mgKOH/g、水酸基価:35mgKOH/g)を得た。これを結着樹脂6とした。
(結着樹脂の製造例7)
低分子量不飽和ポリエステル樹脂L−2:75質量部を低分子量不飽和ポリエステル樹脂L−3:50質量部に変更する以外は結着樹脂の製造例6と同様にして、結着樹脂7(ピーク分子量:9,900、Tg:59℃、酸価:2mgKOH/g、水酸基価:53mgKOH/g)を得た。
(結着樹脂の製造例8)
表3に示すような酸価をもつスチレン・アクリル系樹脂(ピーク分子量:9,700、Tg:58℃を、結着樹脂8とした。
Figure 2006309048
(ワックスの合成例A)
原料物質としてフィッシャートロプシュワックス(数平均分子量(Mn):721、平均炭素数:49.4)1,000gをガラス製の円筒反応器に入れ、窒素ガスを少量(3.5リットル/分)円筒反応器に吹き込みながら、140℃まで昇温した。ホウ酸/無水ホウ酸:1.44(モル比)の混合触媒26.1g(0.41モル)を円筒反応器に加えた後、空気(20リットル/分)と窒素(15リットル/分)を円筒反応器に吹き込みながら、180℃で2時間反応を行った。反応終了後、反応混合物に等量の温水(95℃)を加え、反応混合物を加水分解後、静置して上層に分離した炭化水素系ワックスを分取し、分取した炭化水素系ワックスを水洗いしてワックスAを得た。ワックスAの水酸基価は60mgKOH/g、エステル価は12.5mgKOH/g、酸価は8mgKOH/g、融点は75℃、Mnは617であった。
(ワックスの合成例B)
原料物質としてポリエチレンワックス(Mn:851)1,000gを用い、合成条件を変えた以外は合成例Aと同様にしてワックスB(Mn:734)を得た。ワックスBの物性を表4に示す。
(ワックスの合成例C)
原料物質としてパラフィンワックス(Mn:399)1,000gを用い、合成条件を変えた以外は合成例Aと同様にしてワックスC(Mn:325)を得た。ワックスCの物性を表4に示す。
(ワックスの合成例D〜F)
表4に示すような物性のワックスを、ワックスD〜Fとして使用した。
Figure 2006309048
(実施例1)
・結着樹脂4 : 100部
・マグネタイト(平均粒径0.18μm) : 100部
・例示のモノアゾ鉄化合物(1) : 2部
・ワックスA : 4部
・ワックスF : 2部
上記原材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、130℃、200rpmに設定した二軸混練押し出し機(PCM−30:池貝鉄工所社製)によって混練した。得られた混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した後、ターボミル(粉砕機、ターボ工業社製)を用いて機械的に微粉砕し、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径6.4μm、平均円形度0.937の負帯電性の磁性トナー粒子を得た。このトナー
粒子100質量部に負帯電性疎水性シリカ1.3質量部をヘンシェルミキサーで外添混合しトナー1を得た。このトナーの物性を表5に、このトナーで用いられている結着樹脂及びワックスに関する物性を表6にそれぞれ示す。
(実施例2)
・結着樹脂1 : 100部
・マグネタイト(平均粒径0.18μm) : 100部
・例示のモノアゾ鉄化合物(1) : 2部
・ワックスA : 4部
・ワックスF : 2部
上記原材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、130℃、200rpmに設定した二軸混練押し出し機(PCM−30:池貝鉄工所社製)によって混練した。得られた混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した後、ターボミル(粉砕機、ターボ工業社製)を用いて機械的に微粉砕し、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級した後、表面改質処理を施し、重量平均粒径6.4μm、平均円形度0.947の負帯電性の磁性トナ
ー粒子を得た。このトナー粒子100質量部に負帯電性疎水性シリカ1.3質量部をヘンシェルミキサーで外添混合しトナー2を得た。このトナーの物性を表5に、このトナーで用いられている結着樹脂及びワックスに関する物性を表6にそれぞれ示す。
なお、前記トナー粒子の製造における表面改質処理は、具体的には、図1に示されるような表面改質装置を用いた。その際、本実施例においては、分散ロータ上部に角型のディスクを16個設置し、ガイドリングと分散ロータ上の角型ディスクとの間隔を60mm、分散ロータとライナとの間隔を4mmとした。また分散ロータの回転周速を160m/secとし、ブロワ風量を25m3/minとした。また微粉砕品の投入量を180kgと
し、サイクルタイムを75secとした。またジャケットに通す冷媒の温度を−15℃、冷風温度T1を−20℃とした。更に、分級ロータの回転数を制御することにより、0.6μm以上3μm未満の粒子比率を所望の値とした。
(実施例3)
・結着樹脂2 : 100部
・マグネタイト(平均粒径0.18μm) : 100部
・例示のモノアゾ鉄化合物(1) : 2部
・ワックスB : 4部
上記原材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、130℃、200rpmに設定した二軸混練押し出し機(PCM−30:池貝鉄工所社製)によって混練した。得られた混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した後、ターボミル(粉砕機、ターボ工業社製)を用いて機械的に微粉砕し、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級重量平均粒径6.4μmの負帯電性の磁性トナー粒子を得た。このトナー粒子100質量部に負帯電性疎水性シリカ1.3質量部をヘンシェルミキサーで外添混合しトナー3を得た。このトナーの物性を表5に、このトナーで用いられている結着樹脂及びワックスに関する物性を表6にそれぞれ示す。
(実施例4)
結着樹脂1を結着樹脂3に変更し、ワックスAをワックスCに変更した以外は、実施例
2と同様にして、重量平均粒径6.4μm、平均円形度0.945のトナー4を得た。こ
のトナーの物性を表5に、このトナーで用いられている結着樹脂及びワックスに関する物性を表6にそれぞれ示す。
(実施例5)
・結着樹脂5 : 100部
・マグネタイト(平均粒径0.18μm) : 100部
・例示のモノアゾ鉄化合物(1) : 2部
・ワックスC : 4部
上記原材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、130℃、200rpmに設定した二軸混練押し出し機(PCM−30:池貝鉄工所社製)によって混練した。得られた混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した後、ターボミル(粉砕機、ターボ工業社製)を用いて機械的に微粉砕し、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径6.4μmの負帯電性の磁性トナー粒子を得た。このトナー粒子100質量部に負帯電性疎水性シリカ1.3質量部をヘンシェルミキサーで外添混合しトナー5を得た。このトナーの物性を表5に、このトナーで用いられている結着樹脂及びワックスに関する物性を表6にそれぞれ示す。
(実施例6)
結着樹脂3を結着樹脂6に、ワックスCをワックスBに変更した以外は、実施例4と同様にして、トナー6を得た。このトナーの物性を表5に、このトナーで用いられている結着樹脂及びワックスに関する物性を表6にそれぞれ示す。
(比較例1)
・結着樹脂4 : 100部
・マグネタイト(平均粒径0.18μm) : 100部
・例示のモノアゾ鉄化合物(1) : 2部
・ワックスC : 4部
上記原材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、130℃、200rpmに設定した二軸混練押し出し機(PCM−30:池貝鉄工所社製)によって混練した。得られた混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた粉砕機で微粉砕し、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径6.4μm、平均円形度0.919の負帯電性の磁性トナー粒子を得た。このトナー粒子100質量部に負帯電
性疎水性シリカ1.3質量部をヘンシェルミキサーで外添混合しトナー7を得た。このトナーの物性を表5に、このトナーで用いられている結着樹脂及びワックスに関する物性を表6にそれぞれ示す。
(比較例2〜6)
使用する結着樹脂、ワックスの種類を表5に示すものに変更し、トナー8〜12を得た。これらのトナーの物性を表5に、これらのトナーで用いられている結着樹脂及びワックスに関する物性を表6にそれぞれ示す。
Figure 2006309048
Figure 2006309048
得られたトナー1〜12について、下記評価を実施した。評価結果を表7に示す。
(評価)
<プリントアウト試験>
高温高湿(32.5℃、80%RH)の環境下で、市販のレーザービームプリンターLaserJet9000(プロセススピード:225mm/sec;HP社製)を用い、上記レーザービームプリンター用のプロセスカートリッジに1,500gの各トナーを充填し、このプロセスカートリッジを上記の環境に1日放置して湿度と温度にトナーをなじませた後、プリントアウト試験を行った。得られた画像を下記の項目について評価した。
(1)画像濃度
高温高湿環境(32.5℃、80%RH)において、通常の複写機用普通紙(75g/m)に10,000枚/日で3日間プリントアウトし、初期、10,000枚目、20,000枚目と30,000枚終了時の画像濃度の数値を測定し、画像濃度が耐久試験中において維持されているかを評価した。なお、初期の画像濃度は概ね1.5〜1.6であ
った。画像をチェックする時以外は、5%印字率の格子パターンを2枚通紙後2秒間欠するモードで耐久を行った。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
(2)定着性
定着性は、90g/mの坪量の複写機用普通紙を用いて、低温低湿環境下(10℃、15%RH)でLBPを立ち上げ直後に得られた定着画像を、4.9kPaの圧力をかけた状態で柔和な薄紙により摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)を求め、定着性を評価した。なお、トナーの載り量を5g/mとした。評価基準を以下に示す。
A:2%未満
B:2%以上4%未満
C:4%以上8%未満
D:8%以上13%未満
E:13%以上
(3)耐オフセット性
耐オフセット性は、画像面積率約5%のサンプル画像を高温環境(32.5℃)でA5サイズの紙で1,000枚プリントアウトし、その後A4サイズの紙を通紙し、その時の画像上の汚れの程度を目視て確認し、下記の基準により評価した。試験紙として複写機用普通紙(64g/m)を使用した。
A:未発生
B:良く見るとわずかに発生している
C:オフセットはしているが見た目気にならない程度
D:明らかにオフセット発生
(4)ブロッキング
トナー10gをポリプロピレン等のカップに量り、表面を平らにならした後、薬包紙をしきその上に10gの鉄粉キャリアをのせ、50℃環境で5日間放置し、下記の基準によりトナーのブロッキング状態を評価した。
A:カップを傾けるとトナーがさらさらと流れる。
B:カップを回していると、トナー表面が少しずつ崩れだし、さらさらの粉になる。
C:ブロッキング球が発生。先のとがったものでつつくと崩れる。
D:ブロッキング球が発生。つついても崩れにくい。
(5)定着部材への磁性トナー付着に起因する画像黒ポチ評価
低温低湿環境下(温度15℃、10%RH)で30,000枚プリントアウトした後の加圧ローラー及び画像を目視で確認し、以下に示すように評価した。
A:定着ローラーのトナー付着が見られず、黒ポチも見られない。
B:定着ローラーにトナー付着が見られるが、画像上には現れない。
C:画像上に1〜2点の黒ポチが見られる。
D:画像上に3点以上の黒ポチが見られる。
(6)トナー消費量
常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で、市販のレーザービームプリンターLaserJet9000(プロセススピード 225mm/sec;HP社製)を用い、上記の環境に1日放置して湿度と温度にトナーをなじませた後、4%印字率のパターンで20,000枚耐久画出しした後のトナーの減った量を、画像1枚当たりに換算しトナー消費量とした。
Figure 2006309048
本発明に用いられるトナー粒子を製造する際に用いられる表面改質装置の一例の構成を示す概略図である。 図1に示す表面改質装置の分散ロータ36の上面図である。
符号の説明
30 ケーシング
31 分級ロータ
32 微粉回収用排出口
33 原料供給口
34 ライナ
35 冷風導入口
36 分散ロータ
37 粉体排出口
38 排出弁
39 ガイドリング
40 角型ディスク
41 第一の空間
42 第二の空間

Claims (10)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子を含有するトナーであって、
    前記結着樹脂は、少なくともポリエステルユニットを含有し、且つ酸価(RAv)が1〜50mgKOH/gであり、且つ水酸基価(ROHv)が10〜60mgKOH/gであり、
    前記ワックスは、酸価(WAv)が1〜30mgKOH/gであり、水酸基価(WOHv)が20〜100mgKOH/gであり、且つ融点が50℃〜100℃である炭化水素系ワックスを少なくとも含み、
    前記結着樹脂と前記ワックスの酸価及び水酸基価が、以下の式(1)及び(2)を満足することを特徴とするトナー。
    0 ≦ |RAv-WAv| ≦ 35 ・・・(1)
    21 ≦ WOHv-ROHv ≦ 90 ・・・(2)
  2. 前記炭化水素系ワックスの25℃における針入度が5以上、15以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 示差走査熱量計(DSC)により測定されるトナーのDSC曲線の吸熱ピークにおいて、吸熱ピークが呈する融解熱ΔH(J/g)のうち、35℃以上85℃以下の融解熱ΔH
    aに対する、35℃以上60℃以下の融解熱ΔHbの割合が1%以上20%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記トナーは、フロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下の前記トナーの平均円形度が0.935以上0.970未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 走査型プローブ顕微鏡で測定される前記トナー粒子の平均面粗さが5.0nm以上35.0nm未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記炭化水素系ワックスは、エステル価(WEv)が1〜50mgKOH/gであり、水酸基価(WOHv)とエステル価(WEv)との関係が下記式(3)に示される関係であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナー。
    WOHv>WEv ・・・(3)
  7. 前記炭化水素系ワックスは、脂肪族炭化水素系ワックスをアルコール転化して得られた炭化水素系ワックスであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 前記炭化水素系ワックスは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される炭化水素系ワックスの数平均分子量(Mn)が、ポリエチレン換算で100〜3,000であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のトナー。
  9. RAvとWAvとの関係が下記式(4)に示される関係であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のトナー。
    RAv≧0.7×WAv ・・・(4)
  10. ROHvとWOHvとの関係が下記式(5)に示される関係であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のトナー。
    ROHv≦WOHv ・・・(5)
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