JP2003107790A - トナーおよび画像形成方法 - Google Patents

トナーおよび画像形成方法

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JP2003107790A
JP2003107790A JP2001301976A JP2001301976A JP2003107790A JP 2003107790 A JP2003107790 A JP 2003107790A JP 2001301976 A JP2001301976 A JP 2001301976A JP 2001301976 A JP2001301976 A JP 2001301976A JP 2003107790 A JP2003107790 A JP 2003107790A
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Masanori Ito
雅教 伊藤
Marekatsu Mizoe
希克 溝江
Takeshi Takiguchi
剛 瀧口
Fumihiro Arataira
文弘 荒平
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高転写性を有しているために転写残トナーが
少なく、また転写残トナーの回収性が高く、感光体表面
へのトナー融着が抑制され、長期間の使用においても優
れた画像が安定して得られるトナーおよび画像形成方法
を提供する。 【解決手段】 トナー粒子と、前記トナー粒子表面に存
在する微粒子とを有するトナーにおいて、微粒子は、異
種元素を含有する酸化亜鉛と、この酸化亜鉛を担持する
母体粒子とを有し、酸化亜鉛中の亜鉛元素の前記母体粒
子に対する質量比(Zn/母体粒子)が0.01〜2で
あり、亜鉛元素に対する異種元素のモル比(異種元素/
Zn)が0.001〜0.3であり、微粒子は体積平均
径が0.1〜5μmであり且つ粒径5μm以上の粒子の
微粒子全体に対する個数%が3%未満であり、トナーの
円形度の平均値が、0.950〜0.995である構成
とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法、トナージェット方式記録法などを
利用した記録方法に用いられるトナーおよび画像形成方
法に関するものである。詳しくは、本発明は、予め静電
荷像担持体上にトナー像を形成後、転写材上に転写させ
て画像形成する、複写機、プリンター、ファックスに用
いられるトナーおよび画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により静電荷像担持体(以下「感光体」という)
上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像
して可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー
像を転写した後、熱・圧力等により転写材上にトナー画
像を定着して複写物を得るものである。
【0003】電気的潜像を可視化、すなわち現像する方
法としては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像法、加
圧現像方法等が知られている。
【0004】米国特許第3,909,258号明細書に
は導電性を有する磁性トナーを用いて電気的に現像する
方法が提案されている。これは、内部に磁性を有する円
筒状の導電性スリーブ上に導電性磁性トナーを支持し、
これを静電像に接触させて現像するものである。この
際、現像部において、記録体表面とスリーブ表面との間
にトナー粒子により導電路が形成され、この導電路を経
てスリーブよりトナー粒子に電荷が導かれ、静電像の画
像部との間のクーロン力によりトナー粒子が画像部に付
着して現像される。この導電性磁性トナーを用いる現像
方法は従来の二成分現像方法にまつわる問題点を回避し
た優れた方法であるが、反面、トナーが導電性であるた
め、現像した画像を、記録体から普通紙等の最終的な支
持部材へ静電的に転写することが困難であるという問題
を有している。
【0005】静電的に転写することが可能な高抵抗の磁
性トナーを用いる現像方法として、トナー粒子の誘電分
極を利用した現像方法がある。しかし、この方法は本質
的に現像速度が遅い、現像画像の濃度が十分に得られな
い等の問題点を有しており、実用上困難である。
【0006】高抵抗の絶縁性の磁性トナーを用いる他の
現像方法として、トナー粒子相互の摩擦、トナー粒子と
スリーブ等との摩擦等によりトナー粒子を摩擦帯電し、
これを静電像保持部材に接触して現像する方法が知られ
ている。しかし、この方法は、トナー粒子と摩擦部材と
の接触回数が少なく、また、用いられる磁性トナーはト
ナー粒子表面に磁性体が多く露出しているため、摩擦帯
電が不十分となりやすく帯電不良による画像不良などの
問題があった。
【0007】例えば、特開昭54−43027号公報及
び特開昭55−18656号公報等においては、現像剤
担持体上に磁性現像剤を薄く塗布し、これを摩擦帯電さ
せ、次いでこれを磁界の作用下で静電潜像に極めて近接
させ、かつ接触することなく対向させて現像する方法、
所謂ジャンピング現像方法が開示されている。この方法
によれば、磁性現像剤を現像剤担持体上に薄く塗布する
ことにより現像剤の十分な摩擦帯電を可能とし、しかも
現像剤を磁力によって支持しつつ静電潜像に接すること
なく現像が行われるため、非画像部への現像剤の転移、
いわゆるカブリが抑制されて高精細な画像を得ることが
可能となる。
【0008】このような一成分現像方式は二成分方式の
ようにガラスビーズや鉄粉等のキャリア粒子が不要な
為、現像装置自体を小型化・軽量化出来る。さらには、
二成分現像方式は現像剤中のトナー濃度を一定に保つ必
要がある為、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給
する装置が必要である。よって、ここでも現像装置が大
きく重くなる。一成分現像方式ではこのような装置は必
要とならない為、小さく軽く出来るため好ましい。
【0009】しかしながら、絶縁性磁性トナーを用いる
現像方法には、用いる絶縁性磁性トナーに関わる不安定
要素がある。それは、絶縁性磁性トナー中には微粉末状
の磁性体が相当量混合分散されており、該磁性体の一部
がトナー粒子の表面に露出しているため、磁性トナーの
流動性及び摩擦帯電性に影響し、結果として磁性トナー
の現像特性、耐久性等の磁性トナーに要求される種々の
特性の変動あるいは劣化を引き起こすというものであ
る。
【0010】従来の磁性体を含有する磁性トナーを用い
た場合に、上述した問題が生じてしまうのは、磁性トナ
ーの表面に磁性体が露出していることがその大きな原因
と考えられる。すなわち、磁性トナーの表面に、トナー
を構成する樹脂に比して相対的に抵抗の低い磁性体微粒
子が露出することにより、トナー帯電性能の低下、トナ
ー流動性の低下、その上、長期間の使用においては、ト
ナー同士あるいは規制部材との摺擦による磁性体の剥離
に伴う画像濃度の低下やスリーブゴーストと呼ばれる濃
淡のムラの発生などの現像剤の劣化などが引き起こされ
るのである。
【0011】このように、従来より、磁性トナーに含有
される磁性酸化鉄に関する提案は出されているが、いま
だ改良すべき点を有している。
【0012】例えば、特開昭62−279352号公報
においては、ケイ素元素を含有する磁性酸化鉄を含有す
る磁性トナーが提案されている。かかる磁性酸化鉄は、
意識的にケイ素元素を磁性酸化鉄内部に存在させている
が、該磁性酸化鉄を含有する磁性トナーの流動性に、い
まだ改良すべき点を有している。
【0013】また、特公平3−9045号公報において
は、ケイ酸塩を添加することで、磁性酸化鉄の形状を球
形に制御する提案がされている。この方法で得られた磁
性酸化鉄は、粒子形状の制御のためにケイ酸塩を使用す
るため磁性酸化鉄内部にケイ素元素が多く分布し、磁性
酸化鉄表面におけるケイ素元素の存在量が少なく、磁性
酸化鉄の平滑度が高いため、磁性トナーの流動性はある
程度改良されるが、磁性トナーを構成する結着樹脂と磁
性酸化鉄との密着性が不十分である。
【0014】また、特開昭61−34070号公報にお
いては、四三酸化鉄への酸化反応中にヒドロシソケイ酸
塩溶液を添加して四三酸化鉄を製造する方法が提案され
ている。この方法で得られる四三酸化鉄は、表面近傍に
Si元素を有するものの、Si元素が四三酸化鉄表面近
傍に層を成して存在し、表面が摩擦などの機械的衝撃に
対して弱いという問題点を有している。
【0015】一方、トナーは、結着樹脂、着色剤等を溶
融混合し、均一に分散した後、微粉砕装置により粉砕
し、分級機により分級して、所望の粒径を有するトナー
として製造されてきた(これを粉砕法という)が、トナ
ーの微小粒径化には材料の選択範囲に制限がある。例え
ば、樹脂着色剤分散体が充分に脆く、経済的に使用可能
な製造装置で微粉砕し得るものでなくてはならない。こ
の要求から、樹脂着色剤分散体を脆くするため、この樹
脂着色剤分散体を実際に高速で微粉砕する場合に、広い
粒径範囲の粒子が形成され易く、特に比較的大きな割合
の微粒子(過度に粉砕された粒子)がこれに含まれると
いう問題が生ずる。更に、このように高度に脆性の材料
は、複写機等において現像用トナーとして使用する際、
しばしば、更なる微粉砕または粉化を受ける。
【0016】また、粉砕法では、磁性粉または着色剤等
の固体微粒子を樹脂中へ完全に均一に分散することは困
難であり、その分散の度合によっては、カブリの増大、
画像濃度の低下の原因となる。さらに、粉砕法は、本質
的にトナーの表面に磁性酸化鉄粒子が露出してしまうた
め、トナーの流動性や過酷環境下での帯電安定性にどう
しても問題が残る。
【0017】すなわち、粉砕法においては、高精細・高
画質化で要求されるトナーの微粒子化に限界があり、そ
れに伴い粉体特性、特にトナーの均一帯電性および流動
性が著しく減衰する。
【0018】上述の様な粉砕法によるトナーの問題点を
克服するため、更には上記のような要求を満たすため懸
濁重合法によるトナーの製造方法が提案されている。懸
濁重合によるトナー(以後、重合トナーと呼ぶ)は、ト
ナーの微粒子化が容易に可能であり、更には、得られる
トナーの形状が球状であることから流動性に優れ、高画
質化に有利となる。
【0019】しかしながら、この重合トナー中に磁性体
を含有させることにより、その流動性及び帯電特性は著
しく低下する。これは、磁性粒子は一般的に親水性であ
るためにトナー表面に存在しやすいためであり、この問
題を解決するためには磁性体の有する表面特性の改質が
重要となる。
【0020】重合トナー中の磁性体の分散性向上のため
の表面改質に関しては、数多く提案されている。例え
ば、特開昭59−200254号公報、特開昭59−2
00256号公報、特開昭59−200257号公報及
び特開昭59−224102号公報等に磁性体の各種シ
ランカップリング剤処理技術が提案されており、特開昭
63−250660号公報では、ケイ素元素含有磁性粒
子をシランカップリング剤で処理する技術が開示されて
おり、また特開平7−72654号公報では、磁性酸化
鉄をアルキルトリアルコキシシランで処理する技術が開
示されている。
【0021】しかしながら、これらの処理によりトナー
中の分散性はある程度向上するものの、磁性体表面の疎
水化を均一に行うことが困難であるという問題があり、
したがって、磁性体同士の合一や疎水化されていない磁
性体粒子の発生を避けることができず、トナー中の分散
性を良好なレベルにまで向上させるには不十分である。
【0022】また、粒子内部の特定の部分のみに磁性体
粒子が含有されている特殊なトナーに関しても、特開平
7−209904号公報において既に開示されている。
しかしながら、特開平7−209904号公報では、開
示されているトナーの円形度に関する言及はなされてい
ない。
【0023】さらに、特開平7−209904号公報に
おいて開示されているトナー構成を要約すれば、トナー
粒子表面付近に磁性体粒子の存在しない樹脂層が一定量
以上の厚みで形成されている構造から成るものであり、
これは、磁性体粒子が存在しないトナー表層部分がかな
りの割合で存在することを意味している。しかしながら
言い換えると、このような現像剤は、例えば平均粒径が
10μmと小さい場合、磁性体粒子が存在しうる容積が
小さくなるため、十分な量の磁性体粒子を内包しにくい
ということでもある。しかも、このような現像剤では、
現像剤の粒度分布において粒径の大きい現像剤粒子と小
さい現像剤粒子とでは磁性体粒子の存在しない表面樹脂
層の割合が異なってしまい、この相違に対応して内包さ
れる磁性体含有量も異なり、現像性や転写性も現像剤の
粒径によって異なることになる、即ち粒径に依存する選
択現像性が見られやすい。従って、粒径が均一でない磁
性現像剤で長期にわたり印刷を行うと、磁性体を多く含
み現像されにくい粒子、即ち粒径の大きな現像剤粒子が
残りやすく、画像濃度及び画質の低下さらには定着性の
悪化にもつながる。
【0024】また、プリンター装置はLED、LBPプ
リンターが最近の市場の主流になっており、技術の方向
としてより高解像度即ち、従来240、300dpiで
あったものが400、600、800dpiとなって来
ている。従って現像方式もこれに伴って、より高精細が
要求されてきている。また、複写機においても高機能化
が進んでおり、そのためデジタル化の方向に進みつつあ
る。この方向は、静電潜像をレーザーで形成する方法が
主である為、やはり高解像度の方向に進んでおり、ここ
でもプリンターと同様に高解像・高精細の現像方式が要
求されてきている。このためトナーの小粒径化が進んで
おり、特開平1−112253号公報、特開平1−19
1156号公報、特開平2−214156号公報、特開
平2−284158号公報、特開平3−181952号
公報、特開平4−162048号公報などでは特定の粒
度分布を有する粒径の小さいトナーが提案されている。
【0025】また、近年では環境保護の観点より、コロ
ナ放電を利用した一次帯電及び転写プロセスから、感光
体当接部材を用いた一次帯電、転写プロセスが主流とな
りつつある。
【0026】コロナ放電を利用した一次帯電及び転写プ
ロセスでは、コロナ放電、特に負コロナを生成する際に
多量のオゾンを発生することから、電子写真装置にオゾ
ン捕獲のためのフィルタを具備する必要性があり、装置
の大型化、又はランニングコストがアップするなどの問
題点があった。また、こういったコロナ帯電方法によっ
て引き起こされる画像上の問題点としては、たとえば、
窒素酸化物等の付着により感光体表面抵抗が低くなるこ
とで生じる所謂画像流れ、または、電子写真装置が停止
中に帯電器内に残存するイオンが原因となる感光体のメ
モリ現象等が挙げられる。
【0027】このような問題点を解決するための技術と
して、ローラ又はブレードなどの帯電部材又は転写部材
を感光体表面に接触させることにより、その接触部分近
傍に狭い空間を形成し所謂パッシェンの法則で解釈でき
るような放電を形成させて、オゾン発生を極力抑さえた
接触帯電方法又は接触転写方法が開発され、例えば、特
開昭57−178257号公報、特開昭56−1043
51号公報、特開昭58−40566号公報、特開昭5
8−139156号公報、特開昭58−150975号
公報で公知技術となっている。これらの中でも特に、特
開昭63−149669号公報や特開平2−12338
5号公報に記載されているように、導電性弾性ローラー
を用いた帯電方式及び転写方式が、安定性という点から
好ましく用いられている。
【0028】しかしながら、接触帯電方法または接触転
写方法を用いると、コロナ放電を用いる場合とは異な
り、憂慮すべき問題点があることがわかった。具体的に
は、まず接触転写方法の場合、転写部材が転写時に転写
部材を介して感光体に当接されるため、感光体上に形成
されたトナー像を転写材へ転写する際にトナー像が圧接
され、所謂転写中抜けと称される部分的な転写不良の問
題が生じる。更に、近年の技術の方向として、より高解
像度で高精細の現像方式が要求されてきており、こうい
った要求に答えるために、トナーの粒径を小さくする方
向に進んでいる。このようにトナー粒径が小さくなるほ
ど、転写工程でトナー粒子にかかるクーロン力に比べ
て、トナー粒子の感光体への付着力(鏡像力やファンデ
ルワールス力など)が大きくなり、結果として転写残ト
ナーが増加することになり、転写不良が一層悪化する傾
向にある。
【0029】一方、接触帯電方法においては、帯電部材
が押接圧をもって感光体表面に圧接されている。そのた
め、未転写の残留トナー、すなわち転写残トナーが感光
体表面に押し付けられることにより、感光体表面の削れ
による摩耗あるいは削れの部分が発生核となるトナー融
着が発生しやすく、この傾向は転写残トナーが多い程顕
著となって現れる。
【0030】こういった感光体の削れやトナー融着は静
電荷像担持体の静電潜像形成に重大な欠損を生じさせ
る。具体的には、感光体の削れは一次帯電を不可とする
ため、削れた部分がハーフトーン画像上に黒く現れてし
まう。また、トナー融着は露光による潜像形成を不可と
するため、融着部分がハーフトーン画像上に白く現れて
しまう。さらにはトナーの転写性も悪化させてしまうこ
とになる。そのため、前述の転写不良と相まって、著し
い画像欠陥となって現れ、場合によっては相乗的に画質
の悪化が早まることとなる。
【0031】このような感光体の削れや転写不良という
問題は、不定形トナー粒子から成る現像剤を用いた場合
に発生しやすい。これは、不定形トナーの転写性が低い
ことに加え、トナー粒子のエッジ部が感光体表面を引っ
掻きやすいためと思われる。更に、削れの問題はトナー
粒子表面に磁性体が露出している磁性現像剤を用いる場
合特に顕著となる。これは露出した磁性体が感光体に直
接圧接されることを考えれば容易に納得されることであ
る。
【0032】さらには、転写残トナーが多くなると接触
帯電部材と感光体とが十分な接触を保つことが難しくな
り、帯電性が悪化するため、反転現像などにおいては非
画像部へのトナーの転移、すなわちカブリが発生しやす
くなる。この現象は部材の抵抗が上がりやすい低湿下に
おいてよく見受けられる。
【0033】このように、環境を考慮すると非常に好ま
しい接触帯電方法及び接触転写方法を用いる画像形成方
法においては、転写性が高く、かつ、感光体の削れやト
ナー融着の起こりにくい磁性現像剤の開発が望まれてい
る。
【0034】一方、現像工程で感光体上に形成されたト
ナー像が転写工程で転写材に転写される際、上述したよ
うに感光体上に転写残トナーが残る場合は、クリーニン
グ工程でクリーニングされ、廃トナー容器に蓄えられ
る。このクリーニング工程については、通常、ブレード
クリーニング、ファーブラシクリーニング、ローラクリ
ーニング等が用いられる。いずれの方法も力学的に転写
残余のトナーを掻き落とすか、またはせき止めて廃トナ
ー容器へと捕集するものである。しかしながら、このよ
うな部材を感光体表面に押し当てることによって感光体
が摩耗してしまい、短命化するという問題が生じてしま
う。また、転写残トナーは、クリーニング工程におい
て、クリーニング部材と感光体表面との間で押圧されな
がら捕集されるため、プロセススピードの高速化や高温
環境での使用などの際にはクリーニング部における感光
体へのトナー融着を生じやすい。そのうえ、装置面から
見ると、かかるクリーニング装置を具備するために装置
が必然的に大きくなり装置のコンパクト化を目指すとき
のネックになっていた。さらには、エコロジーの観点よ
り、トナーの有効活用という意味で廃トナーの少ない高
転写効率トナーまたは廃トナーの出ないシステムが望ま
れている。
【0035】また、特開昭61−279864号公報に
おいては形状係数SF−1及びSF−2を規定したトナ
ーが提案されている。しかしながら、この公報には転写
に関してなんの記載もなく、また、実施例を追試した結
果、転写効率が低く、さらなる改良が必要である。
【0036】さらに、特開昭63−235953号公報
においては機械的衝撃力により球形化した磁性トナーが
提案されている。しかしながら、転写効率はいまだ不十
分であり、さらなる改良が必要である。
【0037】なお、本質的にクリーニング装置を有さな
い現像兼クリーニング構成においては、感光体表面をト
ナー及びトナー担持体により擦り、非画像部のトナーを
トナー担持体で回収し、画像部をトナーで現像する構成
が必要となる。この摺擦時に、転写残余トナーあるいは
カブリトナーといった逆帯電トナーを、容易に正帯電に
反転させることができれば電位的な回収が容易となる。
【0038】従来、現像兼クリーニング構成において磁
性体を含有するトナーを用いた場合、トナー表面に磁性
体が露出しているため、現像時にトナーを介して感光体
とトナー担持体との間に一部導通が起こり、感光体上の
静電荷増が乱され高精細な画像を得ることが困難であっ
た。また、トナー表面に磁性体が露出している磁性トナ
ーは、転写残余トナーの帯電が不十分となるために、現
像工程における感光体上のトナーのスムーズな回収が阻
害されてしまう。さらには、感光体とトナー及びトナー
担持体との摺擦時に、トナー表面に露出している磁性体
による感光体の摩耗が激しく、感光体の短命化が引き起
こされてしまう。その結果、本来は画像の無い領域がト
ナーによって画像状に汚れた印刷画像、いわゆるゴース
ト画像となってしまう。
【0039】このように、現像兼クリーニング構成にお
いて使用される磁性体含有トナーには、トナー表面に磁
性体が露出していないことが望まれる。
【0040】従来の磁性体を含有する磁性トナーを用い
た場合に、上記した問題が生じてしまうのは、従来の磁
性トナーは、いずれもそのトナー表面に磁性体が露出し
ていることが大きな原因である。トナー表面に磁性体が
露出している磁性トナーの場合、磁性体の抵抗がトナー
の有する樹脂の抵抗に比して低いため高湿下での帯電特
性が不良となりやすく、カブリ抑制の悪化、転写性の低
下、さらには感光体との摺擦による感光体の削れによる
感光体性能の劣化といった好ましからざる弊害を引き起
こしてしまう。
【0041】また、トナーの帯電特性を改善し、トナー
のトリボ分布を均一化することにより、高い転写性能を
得る目的で、トナーに外部添加剤として導電性微粒子を
添加する方法が数多く提案されている。
【0042】例えば、導電性微粒子としてのカーボンブ
ラックは、トナーに導電性を付与するため、またはトナ
ーの過剰な帯電を抑制しトリボ分布を均一化させるため
等の目的で、トナー表面に付着或いは固着させるための
外部添加剤として用いることが広く知られている。ま
た、特開昭57−151952号公報、特開昭59−1
68458号公報、特開昭60−69660号公報で
は、高抵抗磁性トナーにそれぞれ酸化スズ、酸化亜鉛、
酸化チタン等の導電性微粒子を外部添加することが開示
されている。また、特開昭56−142540号公報で
は、高抵抗磁性トナーに酸化鉄、鉄粉、フェライトの如
き導電性磁性粒子を添加し、導電性磁性粒子に磁性トナ
ーへの電荷誘導を促進させることで現像性と転写性を両
立するトナーが提案されている。更に、特開昭61−2
75864号公報、特開昭62−258472号公報、
特開昭61−141452号公報、特開平02−120
865号公報では、トナーにグラファイト、マグネタイ
ト、ポリピロール導電性粒子、ポリアニリン導電性粒子
を添加することが開示されているほか、多種多様な導電
性微粒子をトナーに添加することが知られている。
【0043】しかしながら、これらの導電性微粒子を用
いることにより、トナーのトリボ分布の均一性はある程
度向上するものの、環境に伴う帯電特性の変動や、多数
枚印刷時のトナーの流動性低下、部材汚れ、感光体の削
れ、さらには感光体への融着などの問題については、未
だ十分な性能が得られていない。
【0044】また、特開平6−175392では、体積
抵抗値が1×105〜1×108Ωcmの公知の金属酸化
物(アルミナ、酸化亜鉛、酸化スズなど)をトナーを構
成する結着樹脂中に添加している。さらに、金属酸化物
の還元体(特公平07−113781号公報)、アンチ
モン含有酸化スズ(特開平06−118693号公
報)、カーボンブラック粉体、金属粒子などの低抵抗化
粒子をトナーに外添させる技術も開示されている。
【0045】しかしながら、アルミナ、酸化亜鉛、酸化
スズなどの公知の金属酸化物は、常温常湿の環境下で
は、表面の水酸基の影響で1×106〜1×107Ωcm
程度の抵抗値を示すものの、抵抗の湿度依存性が高く絶
えず変動してしまうため、トナーに含有しても物性が安
定しないことがある。
【0046】また、アンチモンを含有する酸化スズは、
大気雰囲気下の焼成で容易に導電性を発現させることが
できるので湿度による抵抗変動は防止されるが、焼成品
は青色から黒青色を呈しており、トナーに外添して用い
た場合、画像形成工程でトナーから遊離した酸化スズが
転写紙に転写されると、有色による画質低下を引き起こ
す。また、カラートナーへの添加では、色再現性を低下
させる要因にもなる。
【0047】また、酸化スズ、酸化チタンなどの金属酸
化物を水素ガスなどの還元性雰囲気下で焼成しスズ成分
の一部を還元することにより導電性を発現させた酸化
物、もしくはカーボンブラック等は、還元処理により焼
成品は黒色を帯びてしまい、上述のアンチモンを含有す
る酸化スズと同様にトナーの色再現性、画質低下を引き
起こす。
【0048】また、金属粒子のような低抵抗物質は、高
電界を必要とする現像工程においてリーク現象を引き起
こす要因になることがある為に長期安定性に欠ける。
【0049】また、特開平5−173372号公報で
は、導電処理剤などで表面処理した無機微粒子をトナー
表面・キャリア表面・キャリア被覆樹脂に含有させるこ
とについての記載があるが、具体的な実施形態の記載が
無く、また本発明の技術思想および構成とも全く異なる
ものである。
【0050】さらに、特開平5−61244号公報およ
び特開平5−188633号公報では、有機樹脂微粒子
を含有するトナーにおいて、有機樹脂微粒子を必要に応
じて、金属を蒸着・メッキ、あるいは導電性酸化亜鉛の
ような金属酸化物をイオン吸着・外添などする方法で表
面処理をすることについての記載があるが、ここでも具
体的な実施形態の記載が無く、また本発明の構成とも全
く異なるものである。
【0051】これらの導電性微粒子は、単一粒子構成で
あり、凝集性が高く、粒度分布がブロードなことが多
く、目的の粒径や粒度分布を達成するには、造粒管理技
術はもちろんのこと、機械的な粉砕、解砕、分級などの
後工程に多くの時間を要することになる。また、粒径に
よっては、造粒管理では対応困難な場合があったり、小
径粒子の生産では粒子の凝集性から粉砕や分級の効率が
低下することもあり、さらには、公知の製造方法では、
凝集性を改良するには限界も指摘されていた。このよう
な粒子を含有するトナーは、流動性が不均一になること
があり、画像形成時に濃度の変動や画像カブリを引き起
こす要因になる。
【0052】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決すべくなされたものであり、環境に左右されにく
く、安定した帯電性能を有し、長時間の使用においても
カブリの発生が抑制され、画像濃度の低下も無く、ま
た、高転写性を有しているために転写残トナーが少な
く、感光体表面の削れキズを生じにくいために感光体表
面へのトナー融着が抑制され、さらには、転写残余トナ
ーの回収性を良好にしてゴースト画像が生じることな
く、長期間の使用においても画像欠陥の発生しにくいト
ナーを提供することを課題とする。
【0053】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、特定の微粒子を含有するトナーを用いることによ
り、トナーに優れた流動性および分散性を付与すること
ができるため、安定した摩擦帯電性を有するトナーを提
供することができることを見いだした。
【0054】即ち、本発明は以下の通りである。
【0055】(1)結着樹脂と着色剤とを少なくとも含
有するトナー粒子と、前記トナー粒子表面に存在する微
粒子とを有するトナーであって、前記微粒子は、異種元
素を含有する酸化亜鉛と、この酸化亜鉛を担持する母体
粒子とを有し、前記酸化亜鉛中の亜鉛元素の前記母体粒
子に対する質量比(Zn/母体粒子)が0.01〜2で
あり、亜鉛元素に対する異種元素のモル比(異種元素/
Zn)が0.001〜0.3であり、前記微粒子は体積
平均径が0.1〜5μmであり且つ粒径5μm以上の粒
子の微粒子全体に対する個数%が3%未満であり、前記
トナーの下記式により求められる円形度の平均値が、
0.950〜0.995であることを特徴とするトナ
ー。
【0056】
【数2】円形度 a=Lo/L (式中、Loは粒子の投影像と同じ面積を持つ円の周囲
長を示し、Lは粒子の投影像の周囲長を示す。) (2)前記微粒子は抵抗が1×109Ωcm以下である
ことを特徴とする(1)のトナー。
【0057】(3)前記異種元素が、アルミニウム、ガ
リウム、インジウム、スズ、ゲルマニウムから選ばれる
1または2以上の元素であることを特徴とする(1)ま
たは(2)のトナー。
【0058】(4)前記母体粒子が無機粒子であること
を特徴とする(1)〜(3)のいずれかのトナー。
【0059】(5)前記微粒子は、前記トナー粒子1個
当たり0.3個以上の割合で前記トナー粒子表面に存在
することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかのトナ
ー。
【0060】(6)前記トナー粒子の平均径(T)に対
する前記微粒子の平均径(Z)の比(Z/T)が0.5
以下であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか
のトナー。
【0061】(7)前記トナーの前記円形度の分布にお
ける標準偏差が、0.04以下であることを特徴とする
(1)〜(6)のいずれかのトナー。
【0062】(8)前記着色剤がマグネタイトを主成分
とする磁性粉体であり、且つ前記トナー粒子の表面に前
記磁性粉体が実質的に露出していないことを特徴とする
(1)〜(7)のいずれかのトナー。
【0063】(9)X線光電子分光分析により測定され
る、前記トナー粒子の表面に存在する炭素元素の含有量
(A)に対する鉄元素の含有量(B)の比(B/A)
が、0.001未満であることを特徴とする(8)のト
ナー。
【0064】(10)前記トナーの体積平均粒径をCと
し、前記トナーの透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた
断層面観察による、前記磁性粉体とトナー粒子表面との
距離の最小値をDとしたとき、D/C≦0.02の関係
を満たすトナーが50個数%以上であるであることを特
徴とする(8)または(9)のトナー。
【0065】(11)前記D/C≦0.02の関係を満
たすトナー粒子が65個数%以上であることを特徴とす
る(10)のトナー。
【0066】(12)前記D/C≦0.02の関係を満
たすトナー粒子が75個数%以上であることを特徴とす
る(10)のトナー。
【0067】(13)前記磁性粉体が、前記結着樹脂1
00質量部に対して10〜200質量部含有されること
を特徴とする(8)〜(12)のいずれかのトナー。
【0068】(14)前記磁性粉体が、前記結着樹脂1
00質量部に対して20〜180質量部含有されている
ことを特徴とする(8)〜(13)のいずれかのトナ
ー。
【0069】(15)前記トナー粒子が重合法によって
得られたものであることを特徴とする(1)〜(14)
のいずれかのトナー。
【0070】(16)前記磁性粉体が、水系媒体中でカ
ップリング剤を加水分解することにより表面処理された
ものであることを特徴とする(8)〜(14)のいずれ
か一項のトナー。
【0071】(17)ワックスをトナー全体に対して
0.5〜50質量%含有することを特徴とする(1)〜
(16)のいずれかのトナー。
【0072】(18)前記ワックスの示差熱分析による
吸熱ピークが40〜110℃であることを特徴とする
(17)のトナー。
【0073】(19)前記ワックスの示差熱分析による
吸熱ピークが45〜90℃であることを特徴とする(1
7)のトナー。
【0074】(20)電圧が印加された帯電部材によっ
て静電荷像担持体を帯電する帯電工程と、露光により前
記静電荷像担持体上に静電荷像を形成する露光工程と、
前記静電荷像をトナー担持体に担持された(1)〜(1
8)のトナーによって現像してトナー画像を形成する現
像工程と、前記トナー画像を転写材に転写する転写工程
とを有する画像形成方法。
【0075】(21)前記現像工程が、前記静電荷像担
持体上の静電荷像と前記トナー担持体に担持されたトナ
ーとを接触させながら現像を行う接触現像工程であるこ
とを特徴とする(20)の画像形成方法。
【0076】(22)前記トナー担持体が弾性ローラで
あることを特徴とする(20)または(21)の画像形
成方法。
【0077】(23)前記現像工程において、トナー担
持体表面の現像領域における移動速度が、前記静電荷像
担持体表面の移動速度に対して1.05〜3.0倍の速
度であることを特徴とする(20)〜(22)のいずれ
かの画像形成方法。
【0078】(24)前記トナー担持体の表面粗度Ra
が0.2〜3.0μmであることを特徴とする(20)
〜(23)のいずれかの画像形成方法。
【0079】(25)前記転写工程後に静電荷像担持体
上に残存する転写残トナーを、前記現像工程においてト
ナー担持体で回収することを特徴とする(20)〜(2
4)のいずれかの画像形成方法。
【0080】(26)前記帯電工程が、前記帯電部材を
前記静電荷像担持体に接触させて帯電を行う工程である
ことを特徴とする(20)〜(25)のいずれかの画像
形成方法。
【0081】(27)前記転写工程が、前記転写材を介
して前記静電荷像担持体に接触する転写部材により前記
トナー画像を前記転写材に転写する工程であることを特
徴とする(20)〜(26)のいずれかの画像形成方
法。
【0082】(28)前記転写材に転写されたトナー画
像を前記転写材に定着する定着工程をさらに有すること
を特徴とする(20)〜(27)のいずれかの画像形成
方法。
【0083】
【発明の実施の形態】〈トナー〉まず、本発明のトナー
について説明する。本発明のトナーは、結着樹脂と着色
剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、このトナー粒
子表面に存在する微粒子とを有する。本発明のトナー
は、上記微粒子が異種元素を含有する酸化亜鉛と、この
酸化亜鉛を担持する母体粒子とを有し、酸化亜鉛中の亜
鉛元素の母体粒子に対する質量比(Zn/母体粒子)が
0.01〜2であり、亜鉛元素に対する異種元素のモル
比(異種元素/Zn)が0.001〜0.3であること
を特徴とする。また、上記本発明のトナーにおいて、微
粒子は体積平均径が0.1〜5μmであり且つ粒径5μ
m以上の粒子の微粒子全体に対する個数%が3%未満で
あることを特徴とする。さらに、上記本発明のトナー
は、下記式(1)により求められる円形度の平均値(以
下、「平均円形度」と表記する)が、0.950〜0.
995であることを特徴とする。
【0084】
【数3】円形度 a=Lo/L ・・・(1) (式中、Loは粒子の投影像と同じ面積を持つ円の周囲
長を示し、Lは粒子の投影像の周囲長を示す。) 本発明者らは、これまでのトナーの帯電の均一化および
安定化について鋭意検討した結果、トナーを上記構成と
することが、トナーの帯電性の均一化および安定化に極
めて有効であり、且つ転写性に優れ、さらに静電荷像担
持体としての感光体表面へのトナー融着および感光体表
面削れが抑制され、長期間の使用においてもカブリその
他の画像欠陥の無い高精細な画像が安定して得られるこ
とを見い出した。
【0085】これは、従来より一般に用いられる導電性
微粒子を用いたトナーでは達成が困難であったものであ
る。その理由は、従来のトナーに含有される導電性微粒
子は単一粒子構成であり、凝集性が高く、また、抵抗の
環境安定性が不十分であり、さらに粒度分布がブロード
であったことに起因する。
【0086】これに対し本発明のトナーは、微粒子を異
種元素を含有する酸化亜鉛を母体粒子に担持させてなる
2層構成とすることにより、微粒子の粒子間の凝集を抑
制させ、優れた流動性を有するものとすることができ
る。これにより、画像形成時に画像濃度の変動や画像カ
ブリの発生を防ぐことができる。
【0087】本発明における微粒子を構成する母体粒子
としては、樹脂で構成された有機系粒子や金属または金
属化合物などの無機系粒子など公知の粒子が使用される
が、中でも無機系粒子が好ましい。より好ましくは金属
酸化物または酸素を含む金属化合物であり、金属は2価
もしくはそれ以上の価数のものであることが好ましい。
このような材質としては、例えば、酸化チタン、シリ
カ、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、酸化スズ、硫酸バリウム、チタン酸化合物などが挙
げられる。
【0088】焼成は、トンネルキルン、ロータリーキル
ン、電気炉、マッフル炉、減圧乾燥機等が使用できる。
焼成雰囲気は、必要により大気雰囲気、酸素分圧を調整
した酸化雰囲気、水素ガス等を導入する還元性雰囲気、
不活性ガスを導入する不活性雰囲気などが採用できる。
中でも低い抵抗値を再現良く発現させる還元性雰囲気が
好ましい。
【0089】本発明において微粒子は、酸化亜鉛中の亜
鉛元素の母体粒子に対する質量比(Zn/母体粒子)が
0.01〜2であり、亜鉛元素に対する異種元素のモル
比(異種元素/Zn)が0.001〜0.3であること
を特徴する。(Zn/母体粒子)を上記範囲とすること
により、良好な摩擦帯電性をトナー粒子へ安定して付与
することができる。また、(異種元素/Zn)を上記範
囲とすることにより、微粒子の抵抗値を湿度に依らず安
定させることができるため、トナーのトリボ分布を安定
化させることができる。
【0090】(Zn/母体粒子)の値が0.01より小
さすぎると、酸化亜鉛とトナー粒子との接触性が低下し
てトナー粒子への摩擦帯電性の付与能力が不安定にな
り、2を大きく越えると微粒子の凝集性が変動して2層
構成の特徴が反映されなくなる。(Zn/母体粒子)の
値は、好ましくは0.02〜2であり、より好ましくは
0.02〜1.8である。
【0091】また、(異種元素/Zn)が0.001よ
り小さすぎると、異種元素を酸化亜鉛に含有させる効果
が急激に低下し特に抵抗値の湿度依存が発現することが
あり、逆に0.3を大きく越えると酸化亜鉛の結晶強度
に変化が発生し機械的な強度が低下することがある。
【0092】本発明における微粒子の抵抗は109Ωc
m以下であることが好ましい。微粒子の抵抗が1×10
9Ωcmを超えると、抵抗の環境差が大きくなる傾向と
なる。
【0093】微粒子の抵抗を上記範囲とするためには、
酸化亜鉛中に含有される異種元素として、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、価数3価のAl、Inなど、価
数4価のTi、Zr、Snなど、価数5価のV、P、N
bなどの元素が好ましく用いられる。これらの中でも安
定な導電性が得られるAl、Ga、In、Sn、Geが
好ましく、更に好ましくは、抵抗の湿度依存性が小さい
Alである。このような異種元素の種類および含有量を
適宜選択することにより、微粒子の抵抗を調整すること
ができる。尚、本発明では、このような効果を損なわな
い範囲でその他の元素を併用しても良い。
【0094】本発明において微粒子は、異種元素を含有
する酸化亜鉛を母体粒子に担持させた2層構成であり、
粒子間の凝集が起こりにくく流動性に優れた特徴を有し
ていることから、この特性を十分に発揮させるために、
体積平均径が0.1〜5μmであることを特徴とする。
より好ましくは、0.3〜3μm未満である。微粒子の
体積平均径が0.1μmより小さすぎると母体粒子への
酸化亜鉛の担持状態が不均一になり抵抗値が変動するこ
とがある。また、上記抵抗が5μmより大きすぎると、
微粒子のトナーへの混合・分散性が低下してトナーの摩
擦帯電性が不均一化することがあり、トナーからの微粒
子の飛散が目立ち機内の汚染を引き起こすことがある。
【0095】さらに、本発明で用いられる微粒子は、粒
度分布測定で得られた粒径5μm以上の粒子の微粒子全
体に対する個数%が3%未満であることを特徴とする。
粒径5μm以上の粒子が3%以上混在すると、摩擦帯電
性の立ち上がりが弱くなったり、あるいは、トナーの流
動性が一部で変動し濃度が変化することがある。
【0096】また、本発明において微粒子は、トナー粒
子1個当たり0.3個以上の割合でトナー粒子表面に存
在することが好ましく、より好ましくはトナー粒子1個
当たり1.0〜50.0個の割合でトナー粒子表面に存
在することである。0.3個未満では、トナーの流動性
を向上させる効果が低下し、摩擦帯電性の分布がブロー
ドになることがある。50.0個を越えると、摩擦帯電
性が低下することがあるので好ましくない。
【0097】トナー粒子表面に存在する微粒子は、例え
ば、トナー粒子表面の直接撮影により確認できる。即
ち、微粒子を含有するトナー粒子を走査型電子顕微鏡
(SEM)を用いて観察し、トナー粒子10個を一つの
集合体として捉え、各トナー粒子の表面に存在する微粒
子を測定する。微粒子の特定は、例えばSEMに併設さ
せた定性分析装置を用い、Zn元素のマッピングから行
うことができる。この方法で10体の集合体(トナー総
計100個)について測定を行い、トナー粒子1個当た
りの微粒子の存在割合を算出する。
【0098】本発明において微粒子は、異種元素を含有
する酸化亜鉛が、母体粒子の表面に担持された構造を有
する。微粒子の構成成分の定性定量は誘導結合高周波プ
ラズマ分光分析(ICP)、X線構造回折などの機器分
析により検証することが可能である。更に、微粒子表面
を酸性溶液や電子線などで段階的にエッチングし、逐
次、表面を定性定量することにより、酸化亜鉛中に異種
元素が含有されていることが検証される。このような表
面の分析には電子分光法(ESCA)などが用いられ
る。
【0099】以下、本発明における微粒子の製造方法を
説明する。微粒子の母体粒子に上記したような無機粒子
を用いた場合には、例えば、亜鉛の塩類化合物と異種元
素の塩類化合物の混合溶液を無機粒子にコート/含浸し
た後に加水分解し次いで焼成する方法、異種元素の塩類
化合物を添加した酸化亜鉛の水性スラリーに無機粒子を
混合させ加水分解させながら熟成させた後に焼成する方
法などが挙げられる。酸化亜鉛のスラリーから製造する
場合には、酸化亜鉛をエッチング(浸食)する材料を併
用することができる。これは、スラリー中の酸化亜鉛の
結晶を微小化し分散性を良くすることで異種元素と効率
よく接触させることができる。同時に、針状や片状など
の酸化亜鉛の結晶形態に係わらず、無機粒子表面に均一
な酸化亜鉛のコート層を堆積させることもできる。
【0100】このようなエッチング剤としては、弱酸性
化合物やアルカリ化合物などの公知のものが使用できる
が、中でも安定なスラリーが得られる炭酸系や硝酸系の
アンモニア化合物が好ましい。
【0101】亜鉛の塩類化合物としては、溶液の得られ
る水溶性の無機塩類または有機塩類が使用される。塩類
としては、例えば、フッ化亜鉛、塩化亜鉛、塩素酸亜
鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、リン酸亜鉛、炭酸亜鉛、シア
ン化亜鉛、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、ステアリン酸亜
鉛、硫酸亜鉛カリウム、硫酸亜鉛アンモニウムなどが挙
げられる。これら2種以上の亜鉛化合物を混合して用い
ることもできる。
【0102】本発明においてトナーは、トナーの平均径
(T)に対する微粒子の平均径(Z)の比(Z/T)
は、0.5以下であることが好ましい。より好ましくは
0.01〜0.3である。ここで、トナーおよび微粒子
の平均径(Z,T)とは、上記の微粒子のトナー表面で
の存在割合を測定する方法と同様に、走査型顕微鏡など
により微粒子およびトナー粒子の粒子径を直接測定し、
100個の平均値とした値である。
【0103】さらに、トナーの上記式(1)により求め
られる平均円形度が0.950〜0.995であること
もまた、本発明のトナーに必要な態様の一つである。
【0104】以下、本発明におけるトナーの円形度につ
いて説明する。静電荷像担持体上の非画像部へのトナー
付着や転写残余のトナー量を低減するには、トナー粒子
の帯電性が十分で且つ均一であることが必要である。さ
らに、高画質化の観点から微小粒径のトナーを用いる場
合は、トナー粒子の静電荷像担持体への付着力が増大す
るため、トナー粒子の形状も静電荷像担持体上の非画像
部へのトナー付着に大きな影響を及ぼす。すなわち、ト
ナー粒子が球形に近く、形状が揃っているほど粒子の付
着面積が減少するため、静電荷像担持体上の非画像部へ
のトナー付着や転写残余トナー量が低減され、本発明の
効果が一層向上し、高画質及び画像形成方法の耐久安定
性が達成される。
【0105】上述したように、本発明では、トナーの平
均円形度は0.950以上であることが好ましく、さら
に0.970以上であることがより好ましい。このと
き、本発明の効果は一層向上し、高画質や高安定性が達
成される。平均円形度が0.970以上のトナーはトナ
ー粒子表面のエッジ部がほとんど無いため、帯電部材と
感光体との圧接部において感光体表面を引っ掻くことが
無いことから、感光体表面の削れが抑制されることも効
果として挙げられる。
【0106】本発明において、トナーの円形度分布の標
準偏差は0.04以下であることが好ましい。トナーの
円形度分布の標準偏差は、トナー粒子間での円形度のば
らつきを表しており、値が0.04を越える場合は、形
状が不均一なトナー粒子の存在により、長期間の使用に
おいては感光体へのトナー融着や、感光体表面の削れな
どの問題を生じやすく好ましくない。特に、接触帯電方
式の画像形成方法において、より顕著な問題となって生
じやすい。
【0107】また、これらの効果は、転写中抜けの発生
しやすい接触転写工程を含む画像形成方法においても、
顕著となって現れる。
【0108】本発明のトナーに含有される着色剤は、磁
性あるいは非磁性無機化合物、公知の顔料及び染料を用
いることができる。
【0109】ブラックトナーに用いられる着色剤として
は、例えば、コバルト、ニッケル等の強磁性金属粒子、
またはこれらにクロム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニ
ウム、希土類元素を加えた合金、マグネタイト、ヘマタ
イト、チタンブラック、ニグロシン染料/顔料、カーボ
ンブラック、フタロシアニンが挙げられる。
【0110】イエロートナーに用いられる着色剤として
は、例えば黄鉛,カドミウムイエロー,ミネラルファス
トイエロー,ネーブルイエロー,ナフトールイエロー
S,ハンザイエローG,パーマネントイエローNCG,
ベンジジンイエロー縮合アゾ化合物,イソインドリノン
化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン
化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物、具体
的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、1
4、15、17、62、74、83、93、94、9
5、109、110、111、128、129、14
7、168等が挙げられる。
【0111】マゼンタトナーに用いられる着色剤として
は、例えば縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合
物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レ
ーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化
合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が挙げら
れる。具体的には、C.I.ピグメントレッド1、2、
3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、1
3、14、15、16、17、18、19、21、2
2、23、30、31、32、37、38、39、4
0、41、48、49、50、51、52、53、5
4、55、57、58、60、62、63、64、6
8、74、81、83、87、88、89、90、9
3、94、95、109、110、111、112、1
14、122、123、128、129、146、14
7、150、163、168、184、202、20
6、207、209、238;C.I.ピグメントバイ
オレット19;C.I.バットレッド1、2、10、1
3、15、23、29、35等である。
【0112】シアントナーに用いられる着色剤として
は、例えば銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、塩
基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には、C.
I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:
2、15:3、15:4、60、62、66等である。
【0113】また、本発明のトナーに含有される着色剤
を上記強磁性金属粒子またはマグネタイトあるいはγ−
酸化鉄を主成分とする磁性酸化鉄とすることにより、本
発明のトナーを磁性トナーとして使用することができ
る。上記磁性酸化鉄は、リン、コバルト、ニッケル、
銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素等
の元素を含んでもよく、これらを1種または2種以上を
併用して用いられる。
【0114】本発明においては、着色剤がマグネタイト
を主成分とする磁性粉体である場合、且つトナー粒子表
面にこの磁性粉体が実質的に露出していないことが好ま
しい。トナー粒子の表面に磁性粉体が露出しているトナ
ーを用いた場合、感光体表面の削れなどの問題を生じや
すく好ましくない。また、トナー粒子表面に磁性粉体が
実質的に露出していないトナーは、本発明における微粒
子を添加することによる帯電特性向上効果が相乗的に増
大し、トナーの帯電特性の環境安定性が飛躍的に向上す
る。
【0115】上記磁性粉体に使用される磁性酸化鉄は、
窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは2〜30
2/g、より好ましくは3〜28m2/gであり、更に
モース硬度が5〜7のものが好ましい。
【0116】また、磁性酸化鉄の形状としては、8面
体、6面体、球状、針状、鱗片状などがあるが、8面
体、6面体、球状、不定形等の異方性の少ないものが画
像濃度を高める上で好ましい。こういった形状は、SE
Mなどによって確認することができる。磁性酸化鉄の粒
度としては、0.03μm以上の粒径を有する粒子を対
象とした粒度の測定において、体積平均粒径が、0.1
〜0.3μmであり、かつ0.03〜0.1μmの粒子
が40個数%以下であることが好ましい。
【0117】平均粒径が0.1μm未満の磁性酸化鉄を
用いたトナーから画像を得ると、画像の色味が赤味にシ
フトし、画像の黒色度が不足したり、ハーフトーン画像
ではより赤味が強く感じられる傾向が強くなるなど、一
般的に好ましいものではない。また、磁性酸化鉄の表面
積が増大するために分散性が低下し、製造時に要するエ
ネルギーが増大し、効率的ではない。また、磁性酸化鉄
の着色剤としての効果が弱くなり、画像の濃度が不足す
ることもあり、好ましいものではない。
【0118】一方、磁性酸化鉄の平均粒径が0.3μm
を超えると、一粒子あたりの質量が大きくなるため、製
造時にバインダーとの比重差の影響でトナー表面に露出
する確率が高まったり、製造装置の摩耗などが著しくな
る可能性が高まったり、分散物の沈降安定性などが低下
するため好ましくない。
【0119】また、トナー中において、磁性酸化鉄の粒
子径が0.1μm以下の粒子が40個数%を超えると、
酸化鉄の表面積が増大して分散性が低下し、トナー中に
て凝集塊を生じやすくなりトナーの帯電性を損なった
り、着色力が低下したりする可能性が高まるため40個
数%以下であることが好ましい。さらに、30個数%以
下とすると、その傾向はより小さくなるため、より好ま
しい。
【0120】尚、粒子径が0.03μm未満の酸化鉄
は、粒子径が小さいことに起因してトナー製造時に受け
る応力が小さいため、トナー粒子の表面へ出る確率が低
くなる。さらに、仮に粒子表面に露出してもリークサイ
トとして作用することはほとんど無く実質上問題となら
ない。そのため、本発明では、0.03〜0.1μmの
粒子に注目し、その個数%を定義するものである。
【0121】また、磁性酸化鉄中の粒子径が0.3μm
以上の粒子が10個数%を超えると、着色力が低下し、
画像濃度が低下する傾向になることに加え、同じ使用量
であっても個数的に少ないためにトナー粒子表面の近傍
まで存在させること及び各トナー粒子に均一個数を含有
させることが確率的に難しくなり、好ましくない。より
好ましくは5個数%以下とするのが良い。
【0122】本発明においては、前述の粒度分布の条件
を満たすよう、磁性酸化鉄の製造条件を設定したり、予
め粉砕及び分級の如き粒度分布の調整を行ったものを使
用することが好ましい。分級方法としては、例えば、遠
心分離やシックナーといった沈降分離を利用したもの
や、例えばサイクロンを利用した湿式分級装置などの手
段が好適である。
【0123】磁性酸化鉄の体積平均粒径及び粒度分布の
決定は、以下の測定方法によって行う。粒子を十分に分
散させた状態で、透過型電子顕微鏡(TEM)において
3万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の酸化鉄粒
子のそれぞれ投影面積を測定し、測定された各粒子の投
影面積に等しい円の相当径を各粒子径として求めた。さ
らに、その結果を基に、体積平均粒径の算出ならび0.
03〜0.1μmの粒子と、0.3μm以上の粒子の個
数%を計算した。尚、粒度の測定は、0.03μm以上
の粒径を有する粒子を対象とした。
【0124】トナー粒子中の磁性酸化鉄の体積平均粒径
及び粒度分布を決定する場合には、以下の測定方法によ
り行う。
【0125】エポキシ樹脂中へ観察すべきトナー粒子を
十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬
化させ得られた硬化物を、ミクロトームにより薄片状の
サンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において
1万〜4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の酸
化鉄の粒子径のそれぞれ投影面積を測定し、測定された
各粒子の投影面積に等しい円の相当径を磁性酸化鉄の粒
子径として求めた。さらに、その結果を基に、0.03
〜0.1μmの粒子と、0.3μm以上の粒子の個数%
を計算した。
【0126】さらにまた、磁性酸化鉄以外に他の着色剤
を併用しても良い。併用し得る着色材料としては、磁性
あるいは非磁性無機化合物、公知の染料及び顔料が挙げ
られる。具体的には、例えば、コバルト、ニッケルの如
き強磁性金属粒子、またはこれらにクロム、マンガン、
銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素を加えた合金、ヘ
マタイト、チタンブラック、ニグロシン染料/顔料、カ
ーボンブラック、フタロシアニンが挙げられる。これら
もまた、表面を処理して用いても良い。
【0127】上記マグネタイトを主成分とする磁性粉体
を着色剤として本発明のトナーに用いる際には、X線光
電子分光分析により測定される、トナー粒子の表面に存
在する炭素原素の含有量(A)に対する鉄元素の含有量
(B)の比(B/A)が、0.001未満であることが
好ましい。
【0128】(B/A)の値を上記範囲とすることによ
り、トナーを、トナー粒子表面に磁性粉体が実質的に存
在しない構成とすることができるため、上述したように
トナーに環境安定性に優れた帯電特性を付与することが
できる。
【0129】また、上記磁性トナーを製造するときに
は、表面が疎水化処理された磁性酸化鉄を用いることが
好ましい。このような磁性酸化鉄を使用すれば、トナー
の結着樹脂中への磁性酸化鉄粒子の分散性を向上するこ
とができる。また、トナー粒子表面に磁性酸化鉄が多く
露出している場合にも、磁性酸化鉄の表面が十分且つ均
一に疎水化処理されていればどのような環境下において
もトナーの帯電性能を損ないにくくなる。
【0130】そこで以前より、磁性酸化鉄粒子の表面を
疎水化する方法が種々提案されている。しかしながら、
これまでの方法では、十分に且つ均一に疎水化された磁
性酸化鉄はなかなか得られにくかった。また、処理剤等
を多量に使用したり、高粘性の処理剤等を使用した場
合、磁性酸化鉄の疎水化度は確かに上がるものの、粒子
同士の合一等が生じ、疎水性と分散性の両立は必ずしも
達成されていなかった。
【0131】一般に、未処理の酸化鉄表面は親水性を有
しているので、疎水性の酸化鉄を得るには親水性の酸化
鉄を疎水化する必要があるが、従来一般の表面処理法で
は疎水化の均一性が不十分であり、そのような酸化鉄を
用いた場合、トナーは湿度などに応じて帯電性が変動し
やすく、安定性に欠けるため、本発明における微粒子を
用いることによる帯電特性向上の効果の一部が損なわれ
やすくなる。
【0132】本発明において、磁性粉体として使用され
る酸化鉄は、高いレベルでの疎水化の均一性が図られて
いるものが好ましい。酸化鉄を均一且つ十分に疎水化す
る方法としては、例えば、疎水化する際、水系媒体中
で、酸化鉄を一次粒径となるよう分散し、カップリング
剤を加水分解しながら表面処理する方法がある。水系媒
体中での疎水化処理方法は、気相中での処理に比べ、酸
化鉄粒子同士の合一が生じにくく、また疎水化処理によ
る酸化鉄粒子間の帯電反発作用が働き、酸化鉄はほぼ一
次粒子の状態で表面処理されるようになるため、高い均
一性の疎水化が達成される。
【0133】カップリング剤を水系媒体中で加水分解し
ながら酸化鉄表面を処理する方法は、クロロシラン類や
シラザン類のようにガスを発生するようなカップリング
剤を使用する必要もなく、さらに、これまで気相中では
酸化鉄粒子同士が合一しやすくて、良好な処理が困難で
あった高粘性のカップリング剤も使用できるようにな
り、疎水化の効果は絶大である。
【0134】使用できるカップリング剤としては、例え
ば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が挙
げられる。より好ましく用いられるのはシランカップリ
ング剤であり、下記一般式
【0135】
【化1】RmSiYn [式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を
示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メ
タクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1〜3の整数
を示す。]で示されるものである。例えばビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタク
リルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリア
セトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジ
メチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメ
トキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキ
サデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメ
トキシシランを挙げることができる。
【0136】特に、下記式
【0137】
【化2】Cp2p+1−Si−(OCq2q+13 [式中、pは2〜20の整数を示し、qは1〜3の整数
を示す]で示されるアルキルトリアルコキシシランカッ
プリング剤を使用して水系媒体中で酸化鉄を疎水化処理
するのが良い。
【0138】上記式におけるpが2より小さいと、疎水
化処理は容易となるが、疎水性を十分に付与することが
困難となることがあり、またpが20より大きいと、疎
水性は十分になるが、酸化鉄粒子同士の合一が多くな
り、トナー中へ酸化鉄粒子を十分に分散させることが困
難になることがある。また、qが3より大きいと、シラ
ンカップリング剤の反応性が低下して疎水化が十分に行
われにくくなることがある。
【0139】特に、上記式中のpが2〜20の整数(よ
り好ましくは、3〜15の整数)を示し、qが1〜3の
整数(より好ましくは、1又は2の整数)を示すアルキ
ルトリアルコキシシランカップリング剤を使用すること
が好ましい。その処理量は酸化鉄100質量部に対して
0.05〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部
とするのが良い。
【0140】本発明において、水系媒体とは、水を主要
成分としている媒体である。具体的には、水系媒体とし
て水そのもの、水に少量の界面活性剤を添加したもの、
水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加し
たものが挙げられる。界面活性剤としては、ポリビニル
アルコール等のノンイオン系界面活性剤が好ましい。界
面活性剤は、水に対して0.1〜5質量%添加するのが
良い。pH調整剤としては、塩酸等の無機酸が挙げられ
る。
【0141】撹拌は、例えば撹拌羽根を有する混合機
(具体的には、アトライター(三井三池化工機
(株))、TKホモミキサー(特殊機化工業(株)製)
の如き高剪断力混合装置)を用い、酸化鉄微粒子が水系
媒体中で一次粒子になるように充分に行うのが良い。
【0142】このようにして得られる酸化鉄粒子は表面
が均一に疎水化処理されているため、トナー材料として
用いた場合、トナー中への分散性が非常に良好であり、
しかもトナー表面からの露出が無い。
【0143】従って、上記のように疎水化された磁性酸
化鉄を用いることにより、X線光電子分光分析により測
定される、トナー粒子の表面に存在する炭素元素の含有
量(A)に対する鉄元素の含有量(B)の比(B/A)
が0.001未満のトナーを得ることが可能となる。こ
のようなトナーを用いることで、本発明の効果がより大
きくなる。さらには、(B/A)を0.0005未満と
することで、本発明の効果がより一層向上する。
【0144】上述のように表面が均一且つ十分に疎水化
された磁性酸化鉄は、具体的には、例えば下記に示す方
法(水溶液法)で製造される。
【0145】硫酸第一鉄水溶液に、鉄成分に対して当量
または当量以上の水酸化ナトリウム等のアルカリを加
え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水
溶液のpHを7以上(好ましくはpH8〜10)に維持
しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温し
ながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い磁性酸化鉄粒子の
芯となる種晶をまず生成する。
【0146】次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に
加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第
一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6〜10に維持
しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進
め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。酸化
反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していく
が、液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反応
の終期に液のpHを調整し、磁性酸化鉄が一次粒子にな
るよう十分に撹拌し、カップリング剤を添加して十分に
混合撹拌する。磁性酸化鉄を撹拌後に濾過し、乾燥し、
軽く解砕することで疎水性処理磁性酸化鉄粒子が得られ
る。または、酸化反応終了後、洗浄、濾過して得られた
磁性酸化鉄粒子を、乾操せずに別の水系媒体中に再分散
させた後、再分散液のpHを調整し、十分撹拌しながら
シランカップリグ剤を添加してカップリング処理を行っ
ても良い。
【0147】いずれにせよ、水溶液中で生成した未処理
の磁性酸化鉄粒子を、乾燥工程を経る前の含水スラリー
の状態で疎水化することが肝要である。これは、未処理
の磁性酸化鉄粒子をそのまま乾燥してしまうと粒子同士
の凝集による合一が避けられず、こういった凝集状態の
粉末にたとえ湿式疎水化処理を行なっても均一な疎水化
処理が難しいためであり、このような表面処理磁性酸化
鉄を用いたトナーでは、上記したB/A<0.001を
達成することは困難だからである。
【0148】第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン
製造に副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生す
る硫酸鉄の利用が可能であり、更に塩化鉄等が利用可能
である。
【0149】上記水溶液法による磁性酸化鉄の製造方法
においては、一般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと、及
び、硫酸鉄の溶解度から鉄濃度0.5〜2mol/リッ
トルの硫酸第一鉄が用いられる。硫酸鉄の濃度は一般に
薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向を有する。また、
反応に際しては、空気量が多い程、そして反応温度が低
いほど微粒化しやすい。
【0150】このようにして製造された疎水性磁性酸化
鉄粒子を着色剤としてトナーに使用することにより、磁
性トナーであっても画像特性及び安定性に優れた本発明
のトナーを得ることが可能となる。
【0151】なお、特公昭60−3181号公報におい
ても、表面をシランカップリング剤で湿式処理した磁性
体微粒子を含有する磁性重合トナーの製造方法が開示さ
れている。しかしながら、特公昭60−3181号公報
は、乾燥粉末状の未処理磁性体をシランカップリング剤
で湿式表面処理することに関して記載しているものであ
る。
【0152】このような未処理の乾燥磁性体粉末は、前
述したように、乾燥時の一次凝集による粒子同士の合一
が避けられないため、湿式表面処理を行っても個々の磁
性体粒子の均一な疎水化は困難である。従って、このよ
うな表面処理磁性体を用いて重合トナーを製造しても、
B/A<0.001を達成することは困難である。
【0153】また、本発明では、トナーの投影面積相当
径をCとし、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた断層
面観察による、上記磁性粉体とトナー粒子表面との距離
の最小値をDとしたとき、D/C≦0.02の関係を満
たすトナーが50個数%以上であることが好ましい。こ
のD/C≦0.02の関係を満たすトナーが65個数%
以上であることがより好ましく、75個数%以上である
ことがさらに好ましい。
【0154】D/C≦0.02の関係を満たすトナー数
が50%未満の場合には、過半数のトナーにおいて少な
くともD/C=0.02境界線よりも外側には磁性粉体
が全く存在しないことになる。仮にこのような粒子を球
形として想定すると、1つのトナーを全空間とした場合
に酸化鉄の存在しない空間は、トナーの表面に少なくと
も11.5%は存在することになる。実際には、最近接
位置に酸化鉄が均一に整列してトナー内部に内壁を作る
ように存在するわけではないので12%以上になること
は明らかである。この様な粒子から構成されるトナーに
おいては、前述したような様々な弊害が生じやすい。
【0155】本発明において、TEMによる具体的なD
/Cの測定方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中
へ観察すべき粒子を十分に分散させた後に温度40℃の
雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を、そのま
ま、あるいは凍結してダイヤモンド歯を備えたミクロト
ームにより薄片状のサンプルとして観察する方法が好ま
しい。
【0156】該当する粒子数の割合の具体的な決定方法
については、以下のとおりである。TEMにてD/Cを
決定するためのトナー粒子は、顕微鏡写真での断面積か
ら円相当径を求め、その値がコールターカウンターを用
いる後述の方法により求めた数平均粒径の±10%の幅
に含まれるものを該当粒子とし、その該当粒子100個
について、磁性粉体表面とトナー粒子表面との距離の最
小値(D)を計測し、D/Cを求め、D/C値が0.0
2以下の粒子の割合を計算する。このときの顕微鏡写真
は精度の高い測定を行うために、1万〜2万倍の倍率が
好適である。本発明では、透過型電子顕微鏡(日立製H
−600型)を装置として用い、加速電圧100kVで
観察し、拡大倍率が1万倍の顕微鏡写真を用いて観察、
測定している。
【0157】B/A<0.001を満足し、D/C≦
0.02の関係を満足するトナー数が50%以上である
ようなトナーとは、磁性体がトナー表面に局在していた
り、また逆に極端に内包化されてトナー内部に偏在して
いたりしているようなトナーではなく、磁性体がトナー
中に、実質的に均一に分散されつつ、トナー表面への磁
性体の露出が抑制されているトナーである。磁性体の分
散状態が不均一であるような場合には、本願発明にかか
る規定を満足することは困難である。
【0158】また、本発明において、上記磁性粉体がト
ナー粒子表面にほとんど露出していない磁性トナーとし
て用いた場合に、本発明の効果が一層向上し、帯電部材
や転写部材等によりトナーが静電荷像担持体表面に圧接
される様な画像形成方法においても、静電荷像担持体表
面を削ることはほとんど無く、長期にわたり静電荷像担
持体の削れやトナー融着を著しく低減させることが可能
となる。
【0159】本発明のトナーに用いられる磁性粉体は、
結着樹脂100質量部に対して10〜200質量部用い
られることが好ましく、20〜180質量部用いること
がより好ましい。酸化鉄の含有量が10質量部未満では
トナーの着色力が乏しく、カブリの抑制も困難なことが
あり、一方、200質量部を越えるとトナー担持体への
磁力による保磁力が強くなりすぎて現像性が低下した
り、個々のトナー粒子への酸化鉄の均一な分散が難しく
なるだけでなく、定着性が低下してしまうことがある。
【0160】本発明のトナーは、質量平均粒径が2〜1
0μmであることが好ましい。トナーの質量平均粒径が
10μmを超えるような場合、微小ドット画像の再現性
が低下するため、本発明により得られる過酷環境下での
トナーの帯電安定性が十分発揮し得ない。一方、トナー
の質量平均粒径が2μmより小さい場合には、本発明の
特殊な酸化鉄を用いてもトナーの流動性は著しく低くな
り、帯電不良によるカブリ、濃度うす等の問題が発生し
やすくなる。
【0161】つまり、本発明のトナーにおいて帯電安定
性や流動性の改善等、従来例と比較して顕著な効果が画
像上に現れるのは、質量平均粒径が2〜10μm(より
好ましくは、3〜10μm)であり、さらに、より一層
の高画質化という点では3.5〜8.0μmが好まし
い。
【0162】次に、本発明のトナーの製造方法を説明す
る。本発明のトナーは、粉砕法によって製造することも
可能であるが、粉砕法においてトナーの平均円形度や円
形度分布の標準偏差を制御する場合には、機械的、熱的
あるいは何らかの特殊な処理を行うことが必要となるこ
とから、懸濁重合法により製造することが好ましい。
【0163】本発明に使用される重合性単量体系を構成
する重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
【0164】重合性単量体としては、スチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレンの如き
スチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アク
リル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アク
リル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プ
ロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ス
テアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの
如きメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、アクリルアミドが挙げられる。
【0165】これらの単量体は単独または混合して使用
し得る。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチレ
ン誘導体を単独で、あるいはほかの単量体と混合して使
用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ま
しい。
【0166】また、本発明のトナーは、結着樹脂に対し
て0.5〜50質量%の離型剤を含有することも好まし
い使用形態の一つである。通常、トナー像は、転写工程
で転写材上に転写され、そして、このトナー像はその
後、熱・圧力等のエネルギーにより転写材上に定着さ
れ、半永久的な画像が得られる。この際の定着方法とし
ては、熱ロール式定着が一般に良く用いられる。上記の
ように、質量平均粒径が10μm以下のトナーを用いれ
ば非常に高精細な画像を得ることができるが、粒径の細
かいトナー粒子は紙等の転写材を使用した場合に紙の繊
維の隙間に入り込み、熱定着用ローラーからの熱の受け
取りが不十分となり、低温オフセットが発生しやすい。
しかしながら、本発明のトナーにおいて、離型剤として
適正量のワックスを含有させることにより、高解像性と
耐オフセット性を両立させつつ感光体の削れを防止する
ことが可能となる。
【0167】本発明のトナーに使用可能なワックスとし
ては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワッ
クス、ペトロラクタムの如き石油系ワックス及びその誘
導体、モンタンワックスびその誘導体、フィッシャート
ロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポ
リエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びそ
の誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等
の天然ワックス及びその誘導体などが含まれる。ここで
の誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック
共重合物、グラフト変性物が含まれる。さらに、高級脂
肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂
肪酸またはその化合物、酸アミドワックス、エステルワ
ックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系
ワックス、動物性ワックスも使用できる。
【0168】これらのワックス成分の内では、示差走査
熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時に
40〜110℃の領域に最大吸熱ピークを有するものが
好ましく、45〜90℃の領域に最大吸熱ピークを有す
るものが更に好ましい。上記の温度領域に最大吸熱ピー
クを有することにより、低温定着に大きく貢献しつつ、
離型性をも効果的に発現することができる。この最大吸
熱ピークが40℃未満であるとワックス成分の自己凝集
力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性が悪化す
る。一方、この最大吸熱ピークが110℃を越えると定
着温度が高くなり低温オフセットが発生しやすくなり好
ましくない。さらに、水系媒体中で造粒/重合を行い重
合方法により直接トナーを得る場合、この最大吸熱ピー
ク温度が高いと、主に造粒中にワックス成分が析出する
等の問題が生じるため好ましくない。
【0169】ワックス成分の最大吸熱ピーク温度の測定
は、「ASTM D 3418−8」に準じて行う。測
定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用い
る。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を
用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用い
る。測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用い、対
照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測
定を行う。
【0170】本発明のトナーにおいて、上記ワックスの
含有量は、結着樹脂に対して0.5〜50質量%の範囲
であるのが好ましい。ワックスの含有量が0.5質量%
未満では低温オフセット抑制効果に乏しく、50質量%
を超えてしまうと長期間の保存性が低下すると共に、他
のトナー材料の分散性が悪くなり、トナーの流動性の劣
化や画像特性の低下につながる。
【0171】本発明では、単量体系に樹脂を添加して重
合しても良い。例えば、単量体では水溶性のため水性懸
濁液中では溶解して乳化重合を起こすため使用できない
アミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルフォン酸基、グ
リシジル基、ニトリル基の如き親水性官能基含有の単量
体成分をトナー中に導入したい時には、これらとスチレ
ンあるいはエチレン等ビニル化合物とのランダム共重合
体、ブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体の如
き共重合体の形にして、またはポリエステル、ポリアミ
ドの如き重縮合体、ポリエーテル、ポリイミンの如き重
付加重合体の形で使用が可能となる。こうした極性官能
基を含む高分子重合体をトナー中に共存させると、前述
のワックス成分を相分離させ、より内包化が強力とな
り、耐オフセット性、耐ブロッキング性、低温定着性の
良好なトナーを得ることができる。その使用量として
は、重合性単量体100質量部に対して1〜20質量部
が好ましい。使用量が1質量部未満では添加効果が小さ
く、一方20質量部を超えて使用された場合には、重合
トナーの種々の物性設計が難しくなってしまう。またこ
れら極性官能基を含む高分子重合体の平均分子量は30
00以上が好ましく用いられる。分子量3000未満、
特に2000以下では、本重合体が表面付近に集中し易
いことから、現像性、耐ブロッキング性等に悪い影響が
起こり易くなり好ましくない。また、単量体を重合して
得られるトナーの分子量範囲とは異なる分子量の重合体
を単量体中に溶解して重合すれば、分子量分布の広い、
耐オフセット性の高いトナーを得ることができる。
【0172】本発明のトナーには、荷電特性を安定化す
るために荷電制御剤を配合しても良い。荷電制御剤とし
ては、公知のものが利用できるが、特に帯電スピードが
速く、且つ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制
御剤が好ましい。
【0173】さらに、トナーを直接重合法を用いて製造
する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可
溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。具体
的な化合物としては、ネガ系荷電制御剤としてサリチル
酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフ
トエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属
化合物、アゾ染料もしくはアゾ顔料の金属塩または金属
錯体、スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子
型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、
カリックスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御剤と
して四級アンモニウム塩、その四級アンモニウム塩を側
鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロ
シン系化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。これ
らの荷電制御剤は、重合性単量体100質量部に対して
0.5〜10質量部使用することが好ましい。しかしな
がら、本発明のトナーは、荷電制御剤の添加は必須では
なく、トナーの層圧規制部材やトナー担持体との摩擦帯
電を積極的に利用することでトナー中に必ずしも荷電制
御剤を含む必要はない。
【0174】本発明に使用する重合開始剤としては重合
反応時に半減期0.5〜30時間であるものを、重合性
単量体の0.5〜20質量%の添加量で重合反応を行な
うと、分子量1万〜10万の間に極大を有する重合体を
得、トナーに望ましい強度と適当な溶融特性を与えるこ
とができる。重合開始剤の例としては、2,2'−アゾ
ビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'
−アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス
(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−
アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジ
アゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチル
エチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキ
シカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4
−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
【0175】本発明では、トナーを製造する際は、架橋
剤を添加しても良く、好ましい添加量としては、0.0
01〜15質量%である。
【0176】ここで架橋剤としては、主として2個以上
の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような
芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二
重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル
基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用いら
れる。
【0177】懸濁重合法によりトナーを製造する際に
は、一般に上述のトナー組成物、すなわち結着樹脂を構
成する重合性単量体中に、酸化鉄、着色剤、離型剤、可
塑剤、結着剤、荷電制御剤、架橋剤等トナーとして必要
な成分及びその他の添加剤、例えば重合反応で生成する
重合体の粘度を低下させるために入れる有機溶媒、分散
剤等を適宜加えて、ホモジナイザー、ボールミル、コロ
イドミル、超音波分散機等の分散機によって均一に溶解
または分散させた単量体系を、分散安定剤を含有する水
系媒体中に懸濁する。この時、高速撹拌機もしくは超音
波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のト
ナー粒子のサイズとするほうが、得られるトナー粒子の
粒径がシャープになる。重合開始剤添加の時期として
は、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時に同時に
加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合して
も良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合
性単量体または溶媒に溶解した重合開始剤を加えること
もできる。
【0178】造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状
態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の
撹拌を行なえば良い。
【0179】本発明の懸濁重合法においては、分散安定
剤として公知の界面活性剤や有機・無機分散剤が使用で
き、中でも無機分散剤が有害な超微粉を生じ難く、その
立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を
変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナーに
悪影響を与え難いので、好ましく使用できる。こうした
無機分散剤の例としては、燐酸カルシウム、燐酸マグネ
シウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛等の燐酸多価金属
塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;メ
タ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の
無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナ等の
無機酸化物が挙げられる。
【0180】これらの無機分散剤は、重合性単量体10
0質量部に対して、0.2〜20質量部を単独でまたは
2種類以上組み合わせて使用することが好ましい。平均
粒径が5μm以下である様な、より微粒化されたトナー
を目的とする場合には、0.001〜0.1質量部の界
面活性剤を併用しても良い。
【0181】界面活性剤としては、例えばドデシルベン
ゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペ
ンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、
オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムが挙げられ
る。
【0182】これら無機分散剤を用いる場合には、その
まま使用しても良いが、より細かい粒子を得るため、水
系媒体中にて該無機分散剤粒子を生成させることができ
る。例えば、燐酸カルシウムの場合、高速撹拌下、燐酸
ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合し
て、水不溶性の燐酸カルシウムを生成させることがで
き、より均一で細かな分散が可能となる。この時、同時
に水溶性の塩化ナトリウム塩が副生するが、水系媒体中
に水溶性塩が存在すると、重合性単量体の水への溶解が
抑制されて、乳化重合による超微粒トナーが発生し難く
なるので、より好都合である。重合反応終期に残存重合
性単量体を除去する時には障害となることから、水系媒
体を交換するか、イオン交換樹脂で脱塩したほうが良
い。無機分散剤は、重合終了後に酸またはアルカリで溶
解して、ほぼ完全に取り除くことができる。
【0183】上記重合工程においては、重合温度を40
℃以上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を
行う。この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられる
べき離型剤やワックスの類が、相分離により析出して内
包化がより完全となる。残存する重合性単量体を消費す
るために、重合反応終期ならば、反応温度を90〜15
0℃にまで上げることは可能である。
【0184】本発明のトナーには、流動性向上剤とし
て、無機微粉末または疎水性無機微粉末を混合して用い
ても良い。
【0185】無機微粉末としては、シリカ、チタニア、
アルミナなど公知のものが使用可能である。例えば、シ
リカ微粉体としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化
により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカ
と称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造される
いわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及
びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、ま
たNa2O,SO3-等の製造残滓の少ない乾式シリカの
方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程に
おいて例えば、塩化アルミニウム,塩化チタン等他の金
属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いる
ことによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を
得ることも可能でありそれらも包含する。
【0186】本発明においては、平均1次粒子径4〜8
0nmの無機微粉末をトナーに添加することが好まし
い。無機微粉末は、トナーの流動性改良及びトナー粒子
の帯電均一化のために添加されるが、無機微粉末を疎水
化処理するなどの処理によってトナーの帯電量の調整、
環境安定性の向上等の機能を付与することも好ましい。
【0187】無機微粉末の平均1次粒子径が80nmよ
りも大きい場合、または80nm以下の無機微粒子が添
加されていない場合には、転写残トナーが帯電部材へ付
着した際に帯電部材に固着し易くなり、安定して良好な
帯電特性を得ることが困難である。また、良好なトナー
の流動性が得られず、トナー粒子への帯電付与が不均一
になり易く、カブリの増大、画像濃度の低下、トナー飛
散等の問題を避けられない。一方、無機微粒子の平均一
次粒径が4nmよりも小さい場合には、無機微粒子の凝
集性が強まり、一次粒子ではなく解砕処理によっても解
れ難い強固な凝集性を持つ粒度分布の広い凝集体として
挙動し易く、凝集体の現像、像担持体或いは現像担持体
等を傷つけるなどによる画像欠陥を生じ易くなる。トナ
ー粒子の帯電分布をより均一とするためには無機微粒子
の平均一次粒径は6〜35nmであることがより良い。
【0188】本発明において、無機微粉末の平均1次粒
子径の測定法は、走査型電子顕微鏡により拡大撮影した
トナーの写真で、更に走査型電子顕微鏡に付属させたX
MA等の元素分析手段によって無機微粉末の含有する元
素でマッピングされたトナーの写真を対照しつつ、トナ
ー表面に付着或いは遊離して存在している無機微粉末の
1次粒子を100個以上測定し、個数平均径を求めるこ
とができる。
【0189】平均一次粒径が4〜80nmの無機微粉末
の添加量は、トナー粒子に対して0.1〜3.0質量%
であることが好ましい。添加量が0.1質量%未満では
その効果が十分ではなく、3.0質量%以上では定着性
が悪くなる。
【0190】無機微粉末は、疎水化処理された物である
ことが高温高湿環境下での特性から好ましい。トナーに
添加された無機微粒子が吸湿すると、トナー母粒子の帯
電量が著しく低下し、トナー飛散が起こり易くなるため
である。
【0191】疎水化処理の処理剤としては、シリコーン
ワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイ
ル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シラン
カッブリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化
合物の如き処理剤を単独でまたは併用して処理しても良
い。
【0192】その中でも、シリコーンオイルにより処理
したものが好ましく、より好ましくは、無機微粉体を疎
水化処理すると同時或いは処理した後に、シリコーンオ
イルにより処理したものが高湿環境下でもトナー粒子の
帯電量を高く維持し、トナー飛散を防止する上でよい。
【0193】上記無機微粉末の処理条件としては、例え
ば第一段反応としてシリル化反応を行いシラノール基を
化学結合により消失させた後、第二段反応としてシリコ
ーンオイルにより表面に疎水性の薄膜を形成することが
できる。
【0194】上記シリコーンオイルは、25℃における
粘度が10〜200,000mm2/sのものが、さら
には3,000〜80,000mm2/sのものが好ま
しい。粘度が10mm2/s未満では、無機微粉末に安
定性が無く、熱および機械的な応力により画質が劣化す
る傾向がある。粘度が200,000mm2/sを超え
る場合は、均一な処理が困難になる傾向がある。
【0195】使用されるシリコーンオイルとしては、例
えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコ
ーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイ
ル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリ
コーンオイル等が特に好ましい。
【0196】シリコーンオイルの処理の方法としては、
例えばシラン化合物で処理された無機微粉末とシリコー
ンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直
接混合してもよいし、無機微粉末にシリコーンオイルを
噴霧する方法を用いてもよい。あるいは適当な溶剤にシ
リコーンオイルを溶解あるいは分散させた後、シリカ微
粉体を加え混合し溶剤を除去する方法でもよい。無機微
粉末の凝集体の生成が比較的少ない点で噴霧機を用いる
方法がより好ましい。
【0197】シリコーンオイルの処理量は無機微粉末1
00質量部に対し1〜23質量部、好ましくは5〜20
質量部が良い。シリコーンオイルの量が少なすぎると良
好な疎水性が得られず、多すぎるとカブリ発生等の不具
合が生ずる。
【0198】本発明で用いられる平均一次粒径が80n
m以下の無機微粉末は、BET法で測定した窒素吸着に
より比表面積が20〜250m2/g範囲内のものが好
ましく、より好ましくは40〜200m2/gのものが
更に良い。
【0199】比表面積はBET法に従って、比表面積測
定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用い
て試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用い
て比表面積を算出した。
【0200】本発明のトナーには、必要に応じて流動性
向上剤以外の外部添加剤を添加してもよい。例えば、ク
リーニング性を向上させる等の目的で、球状に近い無機
微粒子または有機微粒子をさらに添加することもでき
る。これらのクリーニング性向上剤は、一次粒径が30
nmを超える(好ましくは比表面積が50m2/g未
満)微粒子であることが好ましく、さらに一次粒径が5
0nm以上(好ましくは比表面積が30m2/g未満)
であることがより好ましい。クリーニング性向上剤とし
ては、例えば球状のシリカ粒子、球状のポリメチルシル
セスキオキサン粒子、球状の樹脂粒子を用いることがで
きる。
【0201】本発明のトナーには、実質的な悪影響を与
えない範囲内でさらに他の添加剤、例えばテフロン(登
録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニ
リデン粉末等の滑剤粉末;または酸化セリウム粉末、炭
化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末等の研磨剤;
ケーキング防止剤;また、逆極性の有機微粒子及び無機
微粒子を現像性向上剤として少量加えることもできる。
これらの添加剤も、その表面を疎水化処理して用いるこ
とも可能である。
【0202】上述したような外部添加剤は、トナー10
0質量部に対して0.01〜5質量部(好ましくは0.
02〜3質量部)使用するのが良い。
【0203】本発明のトナーを粉砕法により製造する場
合は公知の方法が用いることができる。公知の方法とし
ては、例えば、結着樹脂、着色剤、磁性体、離型剤、荷
電制御剤等のトナーとして必要な成分及びその他の添加
剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器中で
十分混合した後、加熱ロール、ニーダー、エクストルー
ダーのような熱混練機を用いて溶融混練して、樹脂類を
お互いに相溶させた中に磁性体等の他のトナー材料を分
散又は溶解させ、冷却固化、粉砕後に、分級、必要に応
じて表面処理を行ってトナー粒子を得、必要に応じて微
粉体等を添加して混合することによってトナーを得るこ
とが出来る。分級及び表面処理の順序はどちらが先でも
よい。分級工程においては生産効率の点からは、多分割
分級機を用いることが好ましい。
【0204】粉砕工程は、機械衝撃式、ジェット式等の
公知の粉砕装置を用いて行うことができる。本発明に係
わる特定の円形度を有するトナーを得るためには、さら
に熱をかけて粉砕したり、または補助的に機械的衝撃を
加える処理をすることが好ましい。また、微粉砕(必要
に応じて分級)されたトナー粒子を熱水中に分散させる
湯浴法,熱気流中を通過させる方法などを用いてもよ
い。
【0205】機械的衝撃力を加える方法としては、例え
ば川崎重工社製のクリプトロンシステムやターボ工業社
製のターボミル等の機械衝撃式粉砕機を用いる方法があ
る。また、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシ
ステムや奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシ
ステム等の装置のように、高速回転する羽根によりトナ
ーをケーシングの内側に遠心力により押しつけ、圧縮
力、摩擦力等の力によりトナーに機械的衝撃力を加える
方法を用いてもよい。
【0206】機械的衝撃を加える処理をする場合には、
処理時の雰囲気温度をトナーのガラス転移点Tg付近の
温度(すなわち、ガラス転移点Tgの±30℃の範囲の
温度)とすることが、凝集防止と生産性の観点から好ま
しい。さらに好ましくは、トナーのガラス転移点Tgの
±20℃の範囲の温度で処理を行うことが、転写効率を
向上させるのに特に有効である。
【0207】さらにまた、本発明のトナーは、特公昭5
6−13945号公報等に記載のディスク又は多流体ノ
ズルを用いて溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを
得る方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な
水系有機溶剤を用いて直接トナーを生成する分散重合方
法、又は水溶性の極性重合開始剤の存在下で直接重合さ
せてトナーを生成するソープフリー重合方法に代表され
る乳化重合方法等を用いてトナーを製造する方法でも製
造が可能である。
【0208】本発明のトナーを粉砕法により製造する場
合の結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリビニルトル
エンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレ
ン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共
重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸
エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合
体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン
−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン
−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアク
リル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエ
チル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合
体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレ
ン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン
−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル
共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタク
リレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラ
ール、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性
ロジン、テンペル樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または
脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、パラフィンワ
ックス、カルナバワックスを単独または混合して使用で
きる。特に、スチレン系共重合体及びポリエステル樹脂
が現像特性、定着性等の点で好ましい。
【0209】結着樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、
50〜70℃であることが好ましく、50℃よりも低い
とトナーの保存性が低下し、70℃よりも高いと定着性
に劣る。
【0210】〈画像形成方法〉次に、本発明の画像形成
方法の各工程について説明する。本発明の画像形成方法
は、(i)電圧が印加された帯電部材によって静電荷像
担持体を帯電する帯電工程と、(ii)露光により静電荷
像担持体上に静電荷像を形成する露光工程と、(iii)
静電荷像をトナー担持体に担持された上記本発明のトナ
ーによって現像してトナー画像を形成する現像工程と、
(iv)トナー画像を転写材に転写する転写工程とを特徴
とする。
【0211】まず、現像工程について説明する。本発明
においては、静電荷像担持体上の静電荷像とトナー担持
体に担持されたトナー像とを接触させて現像を行う、い
わゆる接触現像方法を用いることが好ましい。この接触
現像方法においては、反転現像を用いることが好まし
い。
【0212】さらに、後述する転写工程後に静電荷像担
持体上に残存する転写残トナーを現像工程においてトナ
ー担持体で回収する、いわゆるクリーナレスプロセスを
併用することも好ましい形態であり、装置の大幅な小型
化が可能となる。このとき、現像時または現像前後の空
白時には、直流または交流成分のバイアスを印加して、
現像と感光体上の残余のトナーを回収できるような電位
に制御される。このとき直流成分は、明部電位と暗部電
位の間に位置する。
【0213】トナー担持体としては、弾性ローラを用い
ることが好ましく、表面にトナーをコーティングし、こ
れを静電荷像担持体と接触させる。この場合、静電荷像
担持体とトナーを介して静電荷像担持体表面に対向する
弾性ローラ間に働く電界によって現像されるので、弾性
ローラ表面または表面近傍が電位をもち、静電荷像担持
体表面とトナー担持体表面の狭い間隙で電界を有する必
要性がある。このため、弾性ローラの弾性ゴムが中抵抗
領域に抵抗制御されて静電荷像担持体表面との導通を防
ぎつつ電界を保つか、または導電性ローラの表面層に薄
層の絶縁層を設ける方法が利用できる。さらには、導電
性ローラの感光体表面に対向する側を絶縁性物質により
被覆した導電性樹脂スリーブ、または絶縁性スリーブの
感光体に対向しない側に導電層を設ける構成も可能であ
る。また、トナー担持体として剛体ローラを用い、感光
体をベルト等のフレキシブルな物とした構成も可能であ
る。トナー担持体としての弾性ローラの抵抗としては1
2〜109Ω・cmの範囲が好ましい。
【0214】トナー担持体の表面形状として、表面粗度
Ra(μm)を0.2〜3.0となるように設定する
と、高画質及び高耐久性を両立できる。表面粗度Raは
トナー搬送能力及びトナー帯電能力と相関する。該トナ
ー担持体の表面粗度Raが3.0を超えると、該トナー
担持体上のトナー層の薄層化が困難となるばかりか、ト
ナーの帯電性が改善されないので画質の向上は望めな
い。表面粗度Raを3.0以下にすることでトナー担持
体表面のトナーの搬送能力を抑制し、該トナー担持体上
のトナー層を薄層化すると共に、該トナー担持体とトナ
ーの接触回数が多くなるため、該トナーの帯電性も改善
されるので相乗的に画質が向上する。一方、表面粗度R
aが0.2よりも小さくなると、トナーコート量の制御
が難しくなる。
【0215】接触現像方法においては、トナー担持体は
静電荷像担持体の周速同方向に回転していてもよいし、
逆方向に回転していてもよい。その回転が同方向である
場合、トナー担持体の周速を感光体の周速に対し1.0
5〜3.0倍となるように設定することが好ましい。
【0216】トナー担持体の周速が、静電荷像担持体の
周速に対し1.05倍未満であると、静電荷像担持体上
のトナーの受ける撹拌効果が不十分となり、良好な画像
品質が望めない。また、ベタ黒画像等、広い面積にわた
って多くのトナー量を必要とする画像を現像する場合、
静電荷像へのトナー供給量が不足し画像濃度が薄くな
る。周速比が高まれば高まるほど、現像部位に供給され
るトナーの量は多く、静電荷像に対しトナーの脱着頻度
が多くなり、不要な部分は回収され必要な部分には付与
されるという繰り返しにより、潜像に忠実な画像が得ら
れる。但し、逆に周速比が3.0を超える場合には、上
記の如きトナーの過剰な帯電によって引き起こされる種
々の問題(トナーの過度なチャージアップによる画像濃
度低下等)の他に、機械的ストレスによるトナーの劣化
やトナー担持体へのトナー固着が発生、促進され、好ま
しくない。
【0217】次に帯電工程について説明する。
【0218】本発明においては、コロナ放電を用いた帯
電装置を使用する帯電工程のような非接触の帯電工程で
も構わないが、帯電部材を感光体に当接させる接触帯電
法が好ましい帯電法である。この場合、接触帯電部材と
しては、帯電ローラを用いることが好ましい。
【0219】帯電ローラを用いたときの好ましいプロセ
ス条件としては、ローラの当接圧が4.9〜490N/
m(5〜500g/cm)で、直流電圧または直流電圧
に交流電圧を重畳したものが用いられる。直流電圧に交
流電圧を重畳したものを用いる場合は、交流電圧=0.
5〜5kVpp、交流周波数=50〜5kHz、直流電
圧=±0.2〜±5kVが好ましい。
【0220】この他の帯電手段としては、帯電ブレード
を用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。こ
れらの接触帯電手段を使用する場合にも、高電圧が不要
になったり、オゾンの発生が低減するといった効果があ
る。
【0221】接触帯電手段としての帯電ローラ及び帯電
ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その
表面に離型性被膜を設けてもよい。離型性被膜として
は、ナイロン系樹脂、PVdF(ポリフッ化ビニリデ
ン)、PVdC(ポリ塩化ビニリデン)、フッ素アクリ
ル樹脂が適用可能である。
【0222】次に転写工程について説明する。
【0223】本発明においては、コロナ放電を用いた転
写装置を使用する転写工程のような非接触の転写工程で
も構わないが、好ましくは転写手段を転写材を介して感
光体に当接させて転写を行う接触転写方法である。
【0224】転写手段の当接圧力としては線圧2.9N
/m(3g/cm)以上であることが好ましく、より好
ましくは19.6N/m(20g/cm)以上である。
当接圧力としての線圧が2.9N/m(3g/cm)未
満であると、転写材の搬送ずれや転写不良の発生が起こ
りやすくなるため好ましくない。
【0225】また、接触転写工程における転写手段とし
ては、転写ローラあるいは転写ベルトを有する装置が使
用される。図5に転写ローラの構成の一例を示す。転写
ローラ34は少なくとも芯金34aと導電性弾性層34
bからなり、導電性弾性層はカーボン等の導電材を分散
させたウレタンやEPDM等の、体積抵抗106〜10
10Ωcm程度の弾性体で作られており、転写バイアス電
源35により転写バイアスが印加されている。
【0226】以下、本発明において用いられる静電荷像
担持体について説明する。静電荷像担持体として用いら
れる感光体としては、a−Se、CdS、ZnO2、O
PC(有機感光体)、a−Si等の光導電絶縁物質層を
持つ感光ドラムまたは感光ベルトが好適に使用される。
【0227】特に、本発明においては感光体表面が高分
子結着剤を主体として構成されている感光体を用いるこ
とが好ましい。例えば、セレン、アモルファスシリコン
などの無機感光体の上に、樹脂を主体とした保護膜(保
護層)を設ける場合、または機能分離型の有機感光体の
電荷輸送層として電荷輸送材と樹脂からなる表面層を設
ける場合、またその表面層の上に樹脂を主体とした保護
層を設ける場合等がある。これらの表面層(または保護
層)は離型性を有していることが好ましく、実際に離型
性を付与する手段としては、 膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低いものを
用いる、 撥水、親油性を付与するような添加剤を加える、 高い離型性を有する材料を粉体状にして分散させる、
などが挙げられる。の例としては、樹脂の構成単位の
構造中にフッ素含有基、シリコーン含有基の如き官能基
を導入することが挙げられる。の撥水、親油性を付与
するような添加剤としては、例えば、界面活性剤が挙げ
られる。の高い離型性を有する材料としては、フッ素
原子を含む化合物、すなわちポリ4フッ化エチレン、ポ
リフッ化ビニリデン、フッ化カーボンが挙げられる。
【0228】これらの手段によって、感光体表面の水に
対する接触角を85度以上とすることができ、トナーの
転写性及び感光体の耐久性を一層向上させることができ
る。感光体表面の水に対する接触角は、90度以上であ
ることが好ましい。本発明においては、上記〜の手
段の中では、のように含フッ素樹脂の離型性粉体の最
表面層へ分散させることが好適であり、離型性粉体とし
てはポリ4フッ化エチレンを使用するのが特に好まし
い。
【0229】これらの粉体を表面に含有させるために
は、バインダー樹脂中に離型性粉体を分散させた層を感
光体最表面に設けるか、または、感光体自体が樹脂を主
体として構成されている有機感光体であれば、新たに表
面層を設けなくても、最上層に離型性粉体を分散させれ
ばよい。離型性粉体の添加量は、表面層総量に対して、
1〜60質量%が好ましく、2〜50質量%が更に好ま
しい。離型性粉体の添加量が1質量%より少ないとトナ
ーの転写性及び感光体の耐久性改善の効果が不十分であ
り、60質量%を越えると保護膜の強度が低下したり、
感光体への入射光量が著しく低下したりするため好まし
くない。
【0230】本発明においては、帯電手段が帯電部材を
感光体に当接させる接触帯電法が好ましい帯電方法であ
るが、帯電手段が感光体に接することのないコロナ放電
等による方法にくらべて感光体表面に対する負荷が大き
いので、感光体の表面に保護層(保護膜)を設けること
が耐久性に関する改善効果が顕著であり、好ましい適用
形態の一つである。
【0231】また、本発明においては、接触帯電方法、
接触転写方法を適用することが好ましいため、直径が5
0mm以下の径が小さい感光体を有する画像形成装置に
対し特に有効に用いられる。即ち、画像形成において使
用する感光体の径が小さい場合には、同一の線圧に対す
る曲率が大きく、当接部における圧力の集中が起こりや
すいためである。ベルト感光体でも同一の現象があると
考えられるが、本発明は転写部での曲率半径が25mm
以下の画像形成装置に対しても有効である。
【0232】本発明に用いられる感光体の好ましい様態
の一つを以下に説明する。
【0233】導電性基体としては、アルミニウム・ステ
ンレス等の金属、アルミニウム合金、酸化インジウム−
酸化錫合金による被膜層を有するプラスチック、導電性
粒子を含侵させた紙、プラスチック、導電性ポリマーを
有するプラスチックの円筒状シリンダー及びフィルムが
用いられる。
【0234】これら導電性基体上には、感光層の接着性
の向上、塗工性の改良、基体の保護、基体上の欠陥の被
覆、基体からの電荷注入性の改良、感光層の電気的破壊
に対する保護等を目的として下引き層を設けても良い。
下引き層は、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニル
イミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロー
ス、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチレン−
アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチラール、フェノ
ール樹脂、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニ
カワ、ゼラチン、ポリウレタン、酸化アルミニウムの如
き材料によって形成される。下引き層の膜厚は通常、
0.1〜10μmであり、好ましくは0.1〜3μm程
度である。
【0235】電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニ
ン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノ
ン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオ
ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素、セレン、
非晶質シリコン等の無機物質の様な電荷発生物質を適当
な結着剤に分散し塗工するか、または蒸着により形成さ
れる。結着剤としては、例えば、ポリカーボネート樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェ
ノール樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル
樹脂が挙げられ、このような広範囲な樹脂から任意に結
着剤を選択できる。電荷発生層中に含有される結着剤の
量は、電荷発生層全体に対して80質量%以下が好まし
く、0〜60質量%が更に好ましい。また、電荷発生層
の膜厚は5μm以下が好ましく、特には0.05〜2μ
mが好ましい。
【0236】電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層
から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有
している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結
着樹脂と共に溶剤中に溶解させ、塗工することによって
形成される。電荷発生層の膜厚は一般的には5〜40μ
mである。電荷輸送物質としては、主鎖または側鎖にビ
フェニレン、アントラセン、ピレン、フェナントレンの
如き構造を有する多環芳香族化合物、インドール、カル
バゾール、オキサジアゾール、ピラゾリンの如き含窒素
環式化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、セレ
ン、セレン−テルル、非晶質シリコン、硫化カドニウム
が挙げられる。
【0237】また、これら電荷輸送物質を分散させる結
着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、
アクリル樹脂、ポリアミド樹脂の如き樹脂、ポリ−N−
ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンの如き有
機光導電性ポリマーが挙げられる。
【0238】更に、表面層として、更に別途保護層を設
けてもよい。保護層の樹脂としては、ポリエステル、ポ
リカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、またはこれらの樹脂の硬化剤を単独または2
種以上組み合わせて用いることができる。
【0239】また、保護層の樹脂中に導電性の微粒子を
分散してもよい。このような微粒子の例としては、金
属、金属酸化物が挙げられ、好ましくは、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウ
ム、酸化ビスマス、酸化スズ被膜酸化チタン、スズ被膜
酸化インジウム、アンチモン被膜酸化スズ、酸化ジルコ
ニウムの超微粒子が挙げられる。これらの微粒子は単独
で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
一般的に保護層に微粒子を分散させる場合、分散粒子に
よる入射光の散乱を防ぐために入射光の波長よりも粒子
の粒径の方が小さいことが必要であり、本発明における
保護層に分散される微粒子の粒径は0.3μm以下であ
ることが好ましい。また、保護層中での微粒子の含有量
は、保護層総重量に対して2〜90質量%が好ましく、
5〜80質量%がより好ましい。保護層の膜厚は、0.
1〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。
【0240】表面層の塗工は、樹脂分散液をスプレーコ
ーティング、ビームコーティングまたは浸透(ディッピ
ング)コーティングすることによって行うことができ
る。
【0241】次に、本発明のトナーおよび画像形成方法
を適用可能な画像形成装置の概略について図に沿って具
体的に説明する。
【0242】図1は本発明のトナーおよび画像形成方法
が適用される画像形成装置の一例を示す模式図である。
この画像形成装置において、100は感光ドラムで、そ
の周囲に一次帯電ローラー117、現像器140、転写
帯電ローラー114、クリーナ116、レジスタローラ
ー124等が設けられている。感光体100は一次帯電
ローラー117によって、例えば−700Vに帯電され
る。(印加電圧は交流電圧−2.0kVpp、直流電圧
−700Vdc)そして、レーザー発生装置121によ
りレーザー光123を感光体100に照射することによ
って露光される。感光体100上の静電荷像は現像器1
40によって一成分磁性トナーで現像され、転写材を介
して感光体に当接された転写ローラー114により転写
材上へ転写される。トナー画像をのせた転写材は搬送ベ
ルト125等により定着器126へ運ばれ転写材上に定
着される。また、一部感光体上に残されたトナーはクリ
ーニング手段116によりクリーニングされる。
【0243】現像器140は、図2に示すように、感光
体100に近接してアルミニウム、ステンレス等の非磁
性金属で作られた円筒状のトナー担持体102(以下現
像スリーブと称す)が配設され、感光体100と現像ス
リーブ102との間隙は図示されないスリーブ/感光体
間隙保持部材等により約300μmに維持されている。
現像スリーブ102内にはマグネットローラー104が
現像スリーブ102と同心的に固定、配設されている。
但し、現像スリーブ102は回転可能である。マグネッ
トローラー104には図示のように複数の磁極が具備さ
れており、S1は現像、N1はトナーコート量規制、S
2はトナーの取り込み/搬送、N2はトナーの吹き出し
防止に寄与している。トナーは、トナー塗布ローラー1
41によって、現像スリーブ102上に塗布され、付着
して搬送される。搬送されるトナー量を規制する部材と
して弾性ブレード103が配設され、弾性ブレード10
3の現像スリーブ102に対する当接圧により現像領域
に搬送されるトナー量が制御される。現像領域では、感
光体100と現像スリーブ102との間に直流及び交流
の現像バイアスが印加され、現像スリーブ上のトナーは
静電荷像に応じて感光体100上に飛翔し可視像とな
る。
【0244】また、本発明のトナーおよび画像形成方法
は、上述したようにクリーナレスプロセスを用いた画像
形成装置にも好適に使用できる。クリーナレスプロセス
を適用した本発明の画像形成方法を図3及び図4を参照
しながら以下に説明する。
【0245】図3は、クリーナレスプロセスを用いた画
像形成装置の概略を示しており、40は現像装置、1は
静電荷像担持体としての感光体、27は紙などの被転写
体(転写材)、14は転写部材、26は定着用加圧ロー
ラー、28は定着用加熱ローラー、17は感光体1に接
触して直接帯電を行う一次帯電部材を示す。一次帯電部
材17には、感光体1表面を一様に帯電するようにバイ
アス電源31が接続されている。
【0246】現像装置40はトナー42を収容してお
り、感光体1と接触して矢印方向に回転するトナー担持
体4を具備する。さらに、トナー量規制及び帯電付与の
ための現像ブレード43,トナー42をトナー担持体4
に付着させ、かつトナー担持体4との摩擦でトナーヘの
帯電付与を行うため矢印方向に回転する塗布ローラ41
も備えている。トナー担持体4には現像バイアス電源3
3が接続されている。塗布ローラ41にもバイアス電源
32が接続されており、負帯電性トナーを使用する場合
は現像バイアスよりも負側に、正帯電性トナーを使用す
る場合は現像バイアスよりも正側に電圧が設定される。
【0247】転写部材14には感光体1と反対極性の転
写バイアス電源34が接続されている。
【0248】ここで、感光体1とトナー担持体4の接触
部分における回転方向の長さ、いわゆる現像ニップ幅は
0.2〜8.0mmが好ましい。0.2mm未満では現
像量が不足して満足な画像濃度が得られず、転写残トナ
ーの回収も不十分となる。8.0mmを超えてしまう
と、トナーの供給量が過剰となり、カブリ抑制が悪化し
やすく、また、感光体1の摩耗にも悪影響を及ぼす。
【0249】トナー担持体4としては、表面に弾性層を
有する、いわゆる弾性ローラが好ましく用いられる。使
用される弾性層の材料の硬度としては、20〜65度
(JIS A)のものが好適に使用される。
【0250】また、トナー担持体4の抵抗としては、体
積抵抗値で102〜109Ω・cm程度の範囲が好まし
い。102Ω・cmよりも低い場合は、例えば感光体1
の表面にピンホール等があると過電流が流れる恐れがあ
る。反対に109Ω・cmよりも高い場合は、摩擦帯電
によるトナーのチャージアップが起こりやすく、画像濃
度の低下を招きやすい。
【0251】トナー担持体4上のトナーコート量は、
0.l〜2.0mg/cm2が好ましい。0.lmg/
cm2よりも少ないと十分な画像濃度が得にくく、2.
0mg/cm2よりも多くなると個々のトナー粒子全て
を均一に摩擦帯電することが難しくなり、カブリ抑制の
悪化の要因となる。さらに、0.2〜1.4mg/cm
2がより好ましい。
【0252】トナーコート量は現像ブレード43により
制御されるが、この現像ブレード43はトナー層を介し
てトナー担持体4に接触している。この時の接触圧は、
5〜50g/cmが好ましい範囲である。5g/cmよ
りも小さいとトナーコート量の制御に加え均一な摩擦帯
電も難しくなり、カブリ抑制の悪化等の原因となる。一
方、50g/cmよりも大きくなるとトナー粒子が過剰
な負荷を受けるため、粒子の変形や現像ブレード43ま
たはトナー担持体4へのトナーの融着等が発生しやすく
なり、好ましくない。
【0253】トナーコート量の規制部材としては、トナ
ーを圧接塗布するための弾性ブレード以外にも、金属ブ
レードまたはローラを用いても良い。弾性を有する規制
部材には、所望の極性にトナーを帯電させるのに適した
摩擦帯電系列の材質を選択することが好ましく、シリコ
ーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体、ポ
リエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体、ステ
ンレス、銅、リン青銅の如き金属弾性体が使用できる。
また、それらの複合体であっても良い。
【0254】また、弾性の規制部材とトナー担持体に耐
久性が要求される場合には、金属弾性体に樹脂やゴムを
スリーブ当接部に当たるように貼り合わせたり、コーテ
ィング塗布したものが好ましい。
【0255】更に、弾性の規制部材中に有機物や無機物
を添加してもよく、溶融混合させても良いし、分散させ
ても良い。例えば、金属酸化物、金属粉、セラミック
ス、炭素同素体、ウィスカー、無機繊維、染料、顔料、
界面活性剤を添加することにより、トナーの帯電性をコ
ントロールできる。特に、弾性体がゴムや樹脂等の成型
体の場合には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、
ジルコニア、酸化亜鉛等の金属酸化物微粉末、カーボン
ブラック、一般にトナーに用いられる荷電制御剤を含有
させることも好ましい。
【0256】またさらに、規制部材に直流電場及び/ま
たは交流電場を印加することによっても、トナーヘのほ
ぐし作用のため、均一薄層塗布性、均一帯電性がより向
上し、充分な画像濃度の達成及び良質の画像を得ること
ができる。
【0257】図3において、一次帯電部材17は矢印方
向に回転する感光体1を一様に帯電する。ここで用いて
いる一次帯電部材は、中心の芯金17bとその外周を形
成した導電性弾性層17aとを基本構成とする帯電ロー
ラである。帯電ローラ17は、感光体1の一面に押圧力
を持って当接され、感光体1の回転に伴い従動回転す
る。
【0258】帯電ローラ17を用いたときの好ましいプ
ロセス条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/
cmであり、印加電圧としては直流電圧あるいは直流電
圧に交流電圧を重畳したもの等が用いられ、特に限定さ
れないが、本発明においては直流電圧のみの印加電圧が
好適に用いられ、この場合の電圧値としては±0.2〜
±5kVの範囲で使用される。
【0259】この他の帯電手段としては、帯電ブレード
を用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。こ
れらの接触帯電手段は、非接触のコロナ帯電に比べて、
高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減すると
いった効果がある。接触帯電手段としての帯電ローラお
よび帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好まし
く、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜
としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニ
リデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)が適用可能
である。
【0260】一次帯電工程に次いで、発光素子21から
の露光23によって感光体1上に情報信号に応じた静電
荷像を形成し、トナー担持体4と当接する位置において
トナーにより静電荷像を現像し可視像化する。さらに、
本発明の画像形成方法において、特に感光体上にデジタ
ル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、
潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像す
ることが可能となる。次に、該可視像を芯金14aとそ
の外周を形成した導電性弾性層14bとを基本構成とす
る転写部材14により転写材としての被転写体27上に
転写し、更に転写トナー29は被転写体27と共に、搬
送ローラ25によって定着用加圧ローラー26と定着用
加圧ローラー28とを有する定着装置に搬送して定着さ
れ、永久画像を得る。なお、加熱加圧定着手段として
は、ここに示したハロゲンヒーターの如き発熱体を内蔵
した加熱ローラーとこれと押圧力をもって圧接された弾
性体の加圧ローラーを基本構成とする熱ローラー方式以
外に、フィルムを介してヒーターにより加熱定着する方
式も用いられる。
【0261】一方、転写されずに感光体1上に残った転
写残トナーは、感光体1と一次帯電部材17の間を通過
して、再び現像ニップ部(感光体1表面とトナー担持体
4表面との最近接部分)に到達し、トナー担持体4によ
って現像器40内に回収される。
【0262】以下、本発明における各種物性データの測
定法を以下に詳述する。
【0263】(1)トナー粒子表面に存在する炭素元素
の含有量(A)に対する鉄元素の含有量(B)の比(B
/A) 本発明におけるトナー粒子表面に存在する炭素元素の含
有量(A)に対する鉄元素の含有量(B)の比(B/
A)は、ESCA(X線光電子分光分析)により表面組
成分析を行い算出する。
【0264】本発明では、ESCAの装置および測定条
件は、下記の通りである。
【0265】使用装置:PHI社(Physical
Electronics Industries,In
c.)製 1600S型 X線光電子分光装置 測定条件:X線源 MgKα(400W)分光領域80
0μmφ 本発明では、測定された各元素のピーク強度から、PH
I社提供の相対感度因子を用いて表面原子濃度(原子
%)を算出する。
【0266】測定試料としてはトナーを用いるが、トナ
ーに外添剤が添加されている場合には、イソプロパノー
ルの如きトナーを溶解しない溶媒を用いて、トナーを洗
浄し、外添剤を取り除いた後に測定を行う。
【0267】(2)トナーの平均円形度 本発明における円形度は、粒子の形状を定量的に表現す
る簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜
医用電子社製フロー式粒子像分析装置FPIA−100
0を用いて粒子形状の測定を行い、円形度を下記式によ
り求める。更に下式で示すように、測定された全粒子の
円形度の総和を全粒子数(n)で除した値を平均円形度
(am)と定義する。
【0268】
【数4】円形度 a=Lo/L (式中、Loは粒子の投影像と同じ面積を持つ円の周囲
長を示し、Lは粒子の投影像の周囲長を示す。)
【0269】
【数5】 なお、本発明で用いる測定装置である「FPIA−10
00」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出
に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形度
0.400〜1.000を0.010間隔で、0.40
0以上0.410未満、0.410以上0.420未満
・・・0.990以上1.000未満及び1.000の
ように61分割した分割範囲に分け、分割点の中心値と
頻度を用いて平均円形度の算出を行う算出法を用いてい
る。
【0270】この算出法で算出される平均円形度の各値
と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によっ
て算出される平均円形度の各値との誤差は、非常に少な
く、実質的には無視できる程度であるため、本発明にお
いては、算出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如き
データの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度
を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこの
様な算出法を用いている。
【0271】本発明における円形度は、粒子の凹凸の度
合いを示す指標であり、粒子が完全な球形の場合に1.
000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さ
な値となる。
【0272】円形度の具体的な測定方法としては、ノニ
オン型界面活性剤約0.1mgを溶解している水10m
lにトナー約5mgを分散させ分散液を調整し、超音波
(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散
液濃度を5000〜20000個/μlとして、上記フ
ロー式粒子像測定装置を用い、3μm以上の円相当径を
有する粒子の円形度分布を測定する。
【0273】測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行
のFPIA−1000のカタログ(1995年6月
版)、測定装置の操作マニュアル及び特開平8−136
439号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0274】試料分散液は、フラットで扁平な透明フロ
ーセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って
広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対し
て交差して通過する光路を形成するように、ストロボと
CCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に
位置するように装着される。試料分散液が流れている間
に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を
得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それ
ぞれの粒子はフローセルに平行な一定範囲を有する2次
元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像
の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径と
して算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積
及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各
粒子の円形度を算出する。
【0275】(3)トナーの粒度分布 測定装置としてはコールターカウンターTA−II型
(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力
するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パーソ
ナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、電解液は1
級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製す
る。例えば、ISOTON R−II(コールターサイ
エンティフィックジャパン社製)を使用できる。測定法
としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤
として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホ
ン酸塩)を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜
20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器
で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウン
ターTA−II型により、アパチャーとして100μm
アパチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定して2
〜40μmの粒子の体積分布と個数分布とを算出する。
それから数平均粒径(D1)体積分布から求めた質量基
準の質量平均径D4(各チャンネルの中央値をチャンネ
ルごとの代表値とする)、体積分布から求めた質量基準
の12.7μm以上の質量分布を求める。
【0276】(4)微粒子の粒度分布 本発明の微粒子の粒径の測定は、コールター社製のLS
−230型レーザー回折式粒度分布測定装置にリキッド
モジュールを取り付けて0.04〜2000μmの粒径
を測定範囲とし、得られる体積基準の粒度分布により微
粒子の体積平均径、5μm以上の個数%を算出する。測
定は、水10ccに微量の界面活性剤を添加し、これに
微粒子10mgを加え、超音波分散機で10分間分散し
た後、測定時間90秒間、測定回数1回の条件で測定を
行う。
【0277】(5)微粒子の抵抗 微粒子の抵抗の測定は、以下の通りである。円筒形の金
属製セルに試料を充填し、試料に接するように上下に電
極を配し、上部電極には荷重7kgf/cm2を加え
る。この状態で電極間に電圧V(100V)を印加し、
その時に流れる電流I(A)から微粒子の抵抗(体積抵
抗率RV)を測定する。電極と試料の接触面積をSc
2、試料厚み(電極間距離)をMcmとすると、RV
(単位:Ωcm)=100V×Scm2/I(A)/M
(cm)である。
【0278】
【実施例】以下、本発明を製造例および実施例により具
体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するもの
ではない。実施例に記載されている部数または%は、質
量部または質量%をそれぞれ示す。
【0279】〈微粒子の製造例1〉Al/Zn(モル
比)=0.07の比率で酸化亜鉛の水分散液に硫酸アル
ミニウム水溶液を加え、更に炭酸アンモニウム水溶液を
添加し十分に攪拌を行って均一なスラリーを作製した。
このスラリーに、母体粒子として球状シリカを加え、6
0℃で1時間加熱を行った。スラリーは、ろ過水洗した
後、乾燥させてから仮焼成を行った後に水素雰囲気の還
元焼成炉(750℃)で1時間焼成した。
【0280】焼成体を解砕してから分級を行い、シリカ
粒子に対するZn元素の質量比(Zn/母体粒子)は
0.21、体積平均径1.0μm、粒径5μm以上の粒
子が0個数%、一次粒子径0.5μm、体積抵抗7×1
5Ωcmの白色系粉体を得た。これを微粒子1とす
る。
【0281】〈微粒子の製造例2〉酸化亜鉛に水を加え
十分に攪拌した後、酸化チタン粒子を加え、更にKOH
を添加して加熱した。このスラリーにAl/Zn(モル
比)=0.10の比率で塩化アルミニウムを溶解したK
OH水溶液を加え、70℃で1時間加熱した。加熱後、
スラリーをろ過水洗し、十分に乾燥してから、水素雰囲
気の還元焼成炉(700℃)で1時間焼成した。
【0282】焼成体は、解砕してから分級を行い、Zn
/母体粒子は0.17、体積平均径1.8μm、粒径5
μm以上の粒子が0個数%、一次粒子径1.5μm、体
積抵抗1×106Ωcmの白色系粉体を得た。これを微
粒子2とする。
【0283】〈微粒子の製造例3〉Al/Zn(モル
比)=0.15の比率で混合した硫酸亜鉛と硫酸アルミ
ニウムの水溶液を球状シリカに含侵させ120℃で乾燥
した。これを水酸化ナトリウム溶液に分散させ60℃で
1時間加熱した。
【0284】その後、ろ過水洗し、乾燥させてから水素
雰囲気の還元焼成炉(600℃)で1時間焼成した。焼
成体は、解砕してから分級を行い、Zn/母体粒子は
0.29、体積平均径0.5μm、粒径5μm以上の粒
子が0個数%、一次粒子径0.3μm、体積抵抗7×1
4Ωcmの白色系粉体を得た。これを微粒子3とす
る。
【0285】〈微粒子の製造例4〉微粒子の製造例2に
おいて、塩化アルミニウムを添加しなかった以外は微粒
子の製造例2と同様の方法を用いて、体積平均径1.7
μm、粒径5μm以上の粒子が0個数%の微粒子4を得
た。体積抵抗値は、常温常湿(23℃/相対湿度60
%)では1×107Ωcm、低湿度(15℃/5%)で
は1×1010Ωcmであった。
【0286】〈微粒子の製造例5〉微粒子の製造例1に
おいて、球状シリカの粒径、および焼結後の解砕と分級
の条件を調整して、体積平均径2.5μm、粒径5μm
以上の粒子が9個数%の酸化亜鉛微粒子5を得た。
【0287】〈微粒子の製造例6〉微粒子の製造例1に
おいて、球状シリカの粒径、および焼結後の解砕と分級
の条件を調整して、体積平均径5.7μmの酸化亜鉛微
粒子6を得た。
【0288】微粒子1〜6の物性を表1に示す。
【0289】
【表1】 〈疎水性酸化鉄の製造例1〉硫酸第一鉄水溶液中に、鉄
イオンに対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液を
混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液
をpH9に維持しながら、空気を吹き込み、80〜90
℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調
製した。
【0290】次いで、このスラリー液に当初のアルカリ
量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.91〜
0.99当量となるよう硫酸第一鉄濃度を調整した後、
スラリー液をpH8に維持して、空気を吹込みながら酸
化反応を進め、酸化反応の終期にpHを約6に調整し、
シランカップリング剤[n−C49Si(OCH33
を磁性酸化鉄100部に対して0.5部添加し、十分撹
拌した。生成した疎水性酸化鉄粒子を常法により洗浄、
濾過、乾燥し、次いで凝集している粒子を解砕処理し、
疎水性酸化鉄1を得た。疎水性酸化鉄1の物性を表2に
示す。
【0291】〈疎水性酸化鉄の製造例2〉上記製造例1
と同様の酸化反応を行い、酸化反応後に生成した磁性酸
化鉄粒子を洗浄、濾過して一旦取り出し、乾燥せずに別
の水中に再分散させた後、再分散液のpHを調整し、十
分撹拌しながらシランカップリング剤[n−C613
i(OCH33]を0.5部添加し、カップリング処理
を行った。生成した疎水性酸化鉄粒子を常法により洗
浄、濾過、乾燥し、次いで凝集している粒子を軽く解砕
処理し、疎水性酸化鉄2を得た。
【0292】〈疎水性酸化鉄の製造例3〉シランカップ
リング剤としてn−C1021Si(OCH33を使用し
た以外は上記製造例2と同様の方法により疎水性酸化鉄
3を得た。
【0293】〈疎水性酸化鉄の製造例4〉シランカップ
リング剤としてγ−グリシジルトリメトキシシランを使
用した以外は上記製造例2と同様の方法により疎水性酸
化鉄4を得た。
【0294】〈疎水性酸化鉄の製造例5〉硫酸第一鉄水
溶液中に、鉄イオンに対して1.0〜1.1当量の苛性
ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製
した。水溶液をpH9に維持しながら、空気を吹き込
み、80〜90℃で酸化反応を行い、種晶を生成させる
スラリー液を調製した。
【0295】次いで、このスラリー液に当初のアルカリ
量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.91〜
0.99当量となるよう硫酸第一鉄濃度を調整した後、
スラリー液をpH8に維持して、空気を吹込みながら酸
化反応をすすめ、酸化反応の終期にpHを調整し、酸化
反応を終了した。生成した粒子を常法により洗浄、濾
過、乾燥し、次いで凝集している粒子を解砕処理し酸化
鉄粒子aを得た。得られた酸化鉄粒子aを気相中にてメ
タノールで10倍希釈したシランカップリング剤[n−
613Si(OCH33](酸化鉄100部に対し
て、カップリング剤が0.5部となる様に調整)で疎水
化することにより疎水性酸化鉄5を得た。
【0296】〈疎水性酸化鉄の製造例6〉疎水性酸化鉄
の製造例5で得られた酸化鉄粒子aを水中に分散し、酸
化鉄分散水溶液のpHを調整して、シランカップリング
剤[n−C613Si(OCH3 3]0.5部を添加
し、十分に混合撹拌を行った。生成した疎水性酸化鉄粒
子を常法により洗浄、濾過、乾燥し、次いで凝集してい
る粒子を解砕処理し、疎水性酸化鉄6を得た。
【0297】上記各疎水性酸化鉄2〜6の物性を表2に
示す。
【0298】
【表2】 〈トナー粒子の製造例1〉イオン交換水709質量部に
0.1mol/リットル−Na3PO4水溶液451質量
部を投入して60℃に加温した後、1.0mol/リッ
トル−CaCl2水溶液67.7質量部を徐々に添加し
てCa3(PO42を含む水系媒体を得た。
【0299】一方、 ・スチレン 80部 ・n−ブチルアクリレート 20部 ・ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物及びエチレンオキサイド付加 物とフマル酸の縮合反応により得られる不飽和ポリエステル樹脂 2部 ・負荷電性制御剤(下記の式に示すモノアゾ染料系のFe化合物) 4部 ・疎水性酸化鉄1 100部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合した。この単量体組成物を60℃に
加温し、そこにDSCにおける吸熱ピーク温度が70℃
のエステルワックス20部を混合溶解し、これに重合開
始剤2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル[t1/2=140分,60℃条件下]8質量部及
びジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート[t1/2
=270分,60℃条件下;t1/2=80分,80℃条
件下]2質量部を溶解した。
【0300】上記水系媒体中に上記重合性単量体系を投
入し、60℃,N2雰囲気下においてTK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで1
5分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌し
つつ、60℃で1時間反応させた。その後液温を80℃
とし更に10時間撹拌を続けた。反応終了後、懸濁液を
冷却し、塩酸を加えてCa3(PO42を溶解し、濾
過,水洗,乾燥してトナー粒子1を得た。
【0301】
【化3】 〈トナー粒子の製造例2〉トナー粒子の製造例1におい
て、疎水性酸化鉄1を100部の疎水性酸化鉄2に変
え、造粒時の撹拌速度を変えた以外は上記製造例1と同
様にしてトナー粒子2を得た。
【0302】〈トナー粒子の製造例3〉トナー粒子の製
造例1において、疎水性酸化鉄1を150部の疎水性酸
化鉄3に変えた以外は上記製造例1と同様にしてトナー
粒子3を得た。
【0303】〈トナー粒子の製造例4〉トナー粒子の製
造例1において、疎水性酸化鉄1を190部の疎水性酸
化鉄4に変えた以外は上記製造例1と同様にしてトナー
粒子4を得た。
【0304】〈トナー粒子の製造例5、6〉トナー粒子
の製造例3において、疎水性酸化鉄3の使用量を40部
又は200部に変更し、Na3PO4水溶液とCaCl2
水溶液の投入量を変更した以外は、上記製造例3と同様
にして、トナー粒子5および6を得た。
【0305】〈トナー粒子の製造例7〉イオン交換水7
09質量部に0.1mol/リットル−Na3PO4水溶
液451質量部を投入し60℃に加温した後、1.0m
ol/リットル−CaCl2水溶液67.7質量部を徐
々に添加してCa3(PO42を含む水系媒体を得た。
【0306】一方、 ・スチレン 82部 ・n−ブチルアクリレート 18部 ・ポリエステル樹脂 5部 ・疎水性酸化鉄1 100部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合した。この単量体組成物を60℃に
加温し、これに重合開始剤2,2'−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル[t1/2=140分,60℃
下]8質量部及びジメチル−2,2'−アゾビスイソブ
チレート[t1/2=270分,60℃下;t1/2=80
分,80℃下]2質量部を溶解した。
【0307】上記水系媒体中に上記重合性単量体系を投
入し、60℃,N2雰囲気下においてTK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで1
5分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌し
つつ、60℃で1時間反応させた。その後液温を80℃
とし更に10時間撹拌を続けた。反応終了後、懸濁液を
冷却し、塩酸を加えてCa3(PO42を溶解し、濾
過,水洗,乾燥して質量平均粒径10.0μmの酸化鉄
含有樹脂粉を得た。
【0308】次に、 ・上記酸化鉄含有樹脂粉 205部 ・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 0.8部 ・エチレン−プロピレン共重合体(Mw=6000) 3部 を混合し、140℃に加熱された二軸エクストルーダー
で溶融混練し、混練物を冷却した後ハンマーミルで粗粉
砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し得られた微粉
砕物を風力分級してトナー粒子7を得た。
【0309】〈トナー粒子の製造例8〉トナー粒子の製
造例7で得られたトナー粒子7を機械的衝撃力により表
面処理しトナー粒子8を得た。
【0310】〈トナー粒子の製造例9〉トナー粒子の製
造例1において、疎水性酸化鉄1を100部の疎水性酸
化鉄5に変えた以外は上記製造例1と同様にしてトナー
粒子9を得た。
【0311】〈トナー粒子の製造例10〉トナー粒子の
製造例1において、疎水性酸化鉄1を150部の疎水性
酸化鉄6に変えた以外は上記製造例1と同様にしてトナ
ー粒子10を得た。
【0312】〈トナー粒子の製造例11〉トナー粒子の
製造例1において、使用するワックスを、DSCにおけ
る吸熱ピーク温度が75℃のエステルワックス10部と
した以外は、上記製造例1と同様にして質量平均粒径
7.0μmのトナー粒子11を得た。
【0313】〈トナー粒子の製造例12〉トナー粒子の
製造例11において、エステルワックスの使用量を51
部とした以外は上記製造例11と同様の方法により、質
量平均粒径8.2μmのトナー粒子12を得た。
【0314】〈トナー粒子の製造例13〉トナー粒子の
製造例11において、エステルワックスの使用量を0.
4部とした以外は上記製造例11と同様の方法により、
質量平均粒径6.8μmのトナー粒子13を得た。
【0315】〈トナー粒子の製造例14〉トナー粒子の
製造例11において、エステルワックスに代えてDSC
における吸熱ピーク温度が115℃の低分子量ポリエチ
レンワックスを10部用いた以外は上記製造例11と同
様の方法により、質量平均粒径8.4μmのトナー粒子
14を得た。
【0316】〈トナーの製造例1〜8〉表3に示した内
容で、トナー粒子1、微粒子およびシリカ微粒子を、ヘ
ンシェルミキサー(三井三池化工機(株))にて、適宜
混合条件を調節して混合し、トナー1〜8を製造した。
トナー1〜8の物性を表4に示す。
【0317】ここで、透過型電子顕微鏡(TEM)を用
いたトナー粒子の断層面観察により、トナー1のトナー
粒子内部での疎水性酸化鉄の分散状態を評価した。TE
Mによる具体的な評価方法としては、上述したトナー粒
子中の酸化鉄の体積平均粒径及び粒度分布を決定する場
合と同様の方法で行った。
【0318】トナー粒子内部での疎水性酸化鉄の分散状
態の具体的評価は以下のように行った。トナーの数平均
粒径の±10%の径を有する粒子断層面を抽出し、その
断層面と中心を同じにして径が半分の相似図形を書く
(相似図形の面積は粒子断層面面積の1/4となる)。
【0319】次に、粒子断層面内(相似図形内も含む)
に存在する粒径0.03μm以上の疎水性酸化鉄粉末の
個数を数え、その個数をaとする。同様に相似図形内に
存在する0.03μm以上の疎水性酸化鉄粉末の個数を
数え、その個数をbとする。こうして得られたa、bに
ついてその比b/aを計算する。
【0320】比b/aの値がそれぞれの面の面積比であ
る1/4に近いほど、疎水性酸化鉄粉末がトナー粒子の
中心から表層付近まで同じ存在量であること、即ち、ト
ナー粒子内での疎水性酸化鉄の分散状態が均一であるこ
とを意味し、b/aの値が3/8〜1/5の範囲にあれ
ば、ほぼ良好な分散がなされているといえる。
【0321】トナー1についてb/aを求めたところ、
ほぼ1/4であり、トナー粒子内での疎水性酸化鉄の分
散状態が非常に均一であることが分かった。
【0322】〈トナーの製造例9〜21〉表3に示した
内容で、トナー粒子2〜14、微粒子およびシリカ微粒
子とを、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))
にて、適宜混合条件を調節して混合し、トナー9〜21
を製造した。トナー9〜21の物性を表4に示す。
【0323】
【表3】
【0324】
【表4】 〈実施例1〉トナー1を用いて、常温常湿環境下(23
℃、相対湿度(以下、「RH」と表記する)60%)
で、印字面積比率2%の縦ラインのみからなる画像パタ
ーンにて、8000枚の画出し試験を行った。カブリ
量、画像濃度、画像濃度の立ち上がり性、及び転写効率
の評価結果を表5に示す。
【0325】ここで、本実施例の評価に用いた画像形成
装置について説明する。非接触の現像方法によって現像
を行う市販のレーザービームプリンターLBP−SX
(キヤノン製)を以下に示すように改造して用いた。す
なわち、図1に示すように、プロセスカートリッジ部分
のトナー層厚規制部材をウレタンゴム製の弾性ブレード
に変え、トナー塗布ローラーおよびクリーニング用マグ
ネットローラを設置し、トナー担持体(現像スリーブ)
102に内包されている磁石を取り除いたLBPプリン
ターを用いた。
【0326】画出し条件を以下に示す。図7は、使用さ
れる交番電圧を説明したものである。Vdcは直流電源電
圧を示し、Vdは静電荷像担持体上の暗部電位、VLは明
部電位をそれぞれ表す。fは交番電圧の周波数、Vpp
交番電圧のピーク間の電圧を示す。Vdを−670Vと
して静電荷像を形成し、感光ドラム3と現像スリーブ1
5上のトナー層を非接触に間隙(300μm)を設定
し、現像スリーブ102にはバイアス印加手段(図示せ
ず)により、交流バイアス(f=3200Hz、Vpp
1800V)及び直流バイアス(Vdc=−400V)と
を印加し、VLを−150Vに設定して画出しを行っ
た。また、感光ドラムに対する現像スリーブの周速比を
200%に設定した。
【0327】なお、評価方法は次の通りである。
【0328】a)画像濃度の測定はマクベス濃度計RD
918(マクベス社製)で測定した。
【0329】b)カブリの測定は、東京電色社製のRE
FLECTMETER MODELTC−6DSを使用
して測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用
い、下記の式より算出した。
【0330】
【数6】カブリ(反射率)(%)=標準紙上の反射率
(%)−サンプル非画像部の反射率(%) カブリは、2.0%以下であれば良好な画像である。
【0331】c)画像濃度の立ち上がり性は、常温常湿
にて、耐久初期および200枚印刷後の画像濃度の差で
評価した。
【0332】 A:画像濃度の差が、0.03以下 B:画像濃度の差が、0.06以下 C:画像濃度の差が、0.09以下 D:画像濃度の差が、0.12以下 d)耐久初期(100枚時)の転写効率は、ベタ黒画像
転写後の感光体上の転写残トナーをマイラーテープによ
りテーピングしてはぎ取り、紙上に貼ったもののマクベ
ス濃度の値をC、転写後定着前のトナーの載った紙上に
マイラーテープを貼ったもののマクベス濃度をE、未使
用の紙上に貼ったマイラーテープのマクベス濃度をDと
した時、近似的に以下の式で計算した。
【0333】
【数7】 転写効率は90%以上であれば問題のない画像である。
【0334】また、同様にして、高温高湿環境下(3
2.5℃、90%RH)及び低温低湿環境下(10℃、
10%RH)において画出し試験を行った。結果を表5
に示す。
【0335】〈実施例2〜11〉トナー1の代わりに表
5に示すトナーをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様
の画出し耐久試験を行った。結果を表5に示す。
【0336】〈実施例12〉トナー1の代わりにトナー
16を用いた以外は実施例1と同様の画出し耐久試験を
行った。結果を表5に示す。
【0337】また、トナー16について、トナー1の場
合と同様にTEM観察により粒子内部での酸化鉄の分散
状態を評価したところ、b/aが約1/8であり、トナ
ー粒子内での酸化鉄の分散状態が不均一であって、特に
トナー粒子表面に多く存在していることが分かった。こ
れは、酸化鉄の疎水性が不均一なため、疎水性の低い酸
化鉄粉末が懸濁重合時にトナー粒子表面に多く集まって
しまったためと思われる。
【0338】〈実施例13〉トナー1の代わりにトナー
17を用いた以外は実施例1と同様の画出し耐久試験を
行った。結果を表5に示す。
【0339】また、トナー17について、トナー1の場
合と同様にTEM観察により粒子内部での酸化鉄の分散
状態を評価したところ、b/aが約1/6であり、トナ
ー粒子内での酸化鉄の分散状態が不均一であって、特に
トナー粒子表面に非常に多く存在していることが分かっ
た。
【0340】〈実施例14〜17〉トナー1の代わりに
表5に示すトナーをそれぞれ用いた以外は実施例1と同
様の画出し耐久試験を行った。結果を表5に示す。
【0341】〈比較例1〜4〉トナー1の代わりに表5
に示すトナーをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様の
画出し試験を行った。結果を表5に示す。
【0342】また、常温常湿での上記画出し試験終了
後、ベタ黒画像を印字し、ドラム上へのトナー融着に伴
う白抜けの数をカウントしてドラム融着の評価を行った
ところ、実施例1〜8ではいずれも良好なベタ黒画像が
得られ評価Aであったが、比較例1〜3では白抜けが発
生しており、評価はいずれもCであった。
【0343】ここで、ドラム融着の評価基準は以下の通
りとした。
【0344】 A:ベタ黒紙上の白抜けが、2個以下 B:ベタ黒紙上の白抜けが、3〜5個 C:ベタ黒紙上の白抜けが、6〜8個 D:ベタ黒紙上の白抜けが、9個以上 る。
【0345】
【表5】 〈実施例18〉トナー1を用いて、常温常湿環境下(2
3℃、60%RH)で、印字面積比率2%の縦ラインの
みからなる画像パターンにて、8000枚の画出し耐久
試験を行なった。カブリ量、画像濃度、転写効率、及び
現像工程でのトナーの回収性の評価結果を表6に示す。
【0346】ここで、本実施例の評価に用いた画像形成
装置について説明する。図1のような構成を有する電子
写真装置として600dpiレーザービームプリンター
(キヤノン製:LBP−860)を用意した。この電子
写真装置は図4に示すような構成の感光体を有してい
る。また、プロセススピードは、60mm/sに改造し
てある。
【0347】このプロセスカートリッジにおけるクリー
ニングブレードを取りはずし、装置の帯電方式をゴムロ
ーラを当接して行う直接帯電とし、印加電圧を直流成分
のみ(−1200V)とした。
【0348】次に、プロセスカートリッジにおける現像
部分を改造した。トナー担持体であるステンレススリー
ブの代わりに、カーボンブラックを分散したシリコーン
ゴムからなる中抵抗ゴムローラ(直径16mm、硬度A
SKER C45度、抵抗105Ω・cm)を用いて、
感光体に当接させた。この時の現像当接幅は約3mmと
なるようにした。該トナー担持体の回転周速は、感光体
との接触部分において同方向であり、該感光体回転周速
に対し140%となるように駆動する。
【0349】ここで用いる感光体としては、直径30m
m,長さ254mmのAlシリンダーを基体としたもの
で、これに、以下に示すような構成の層を順次浸漬塗布
により積層して、感光体を作製した(図6参照)。 (1)導電性被覆層:酸化錫及び酸化チタンの粉末をフ
ェノール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚15μ
m。 (2)下引き層:変性ナイロン、及び共重合ナイロンを
主体とする。膜厚0.6μm。 (3)電荷発生層:長波長域に吸収を持つチタニルフタ
ロシアニン顔料をブチラール樹脂に分散したものを主体
とする。膜厚0.6μm。 (4)電荷輸送層:ホール搬送性トリフェニルアミン化
合物をポリカーボネート樹脂(オストワルド粘度法によ
る分子量2万)に8:10の質量比で溶解したものを主
体とする。膜厚20μm。
【0350】トナー担持体にトナーを塗布する手段とし
て、現像器内に発泡ウレタンゴムからなる塗布ローラを
設け、該トナー担持体に当接させた。塗布ローラには、
約−550Vの電圧を印加する。さらに、該トナー担持
体上トナーのコート層制御のために樹脂をコートしたス
テンレス製ブレードを、トナー担持体との接触圧が線圧
約20g/cmとなるように取り付けた。概略を図3に
示す。また、現像時の印加電圧を直流成分(−450
V)のみとした。
【0351】これらのプロセスカートリッジの改造に適
合するよう電子写真装置に以下のように改造及びプロセ
ス条件設定を行った。
【0352】改造された装置はローラ帯電器(直流のみ
を印加)を用い感光体を一様に帯電する。帯電に次い
で、レーザー光で画像部分を露光することにより静電潜
像を形成し、トナーで現像するにより可視画像とした後
に、電圧を+700V印加したローラによりトナー像を
転写材に転写するプロセスを持つ。
【0353】また、感光体帯電電位は、暗部電位を−6
30Vとし、明部電位を−150Vとした。転写材とし
ては、75g/m2の紙を用いた。
【0354】なお、評価方法は次の通りである。
【0355】a)画像濃度の測定はマクベス濃度計RD
918(マクベス社製)で測定した。
【0356】b)カブリの測定は、東京電色社製のRE
FLECTMETER MODELTC−6DSを使用
して測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用
い、下記の式より算出した。
【0357】
【数8】カブリ(反射率)(%)=標準紙上の反射率
(%)−サンプル非画像部の反射率(%) カブリは、2.0%以下であれば良好な画像である。
【0358】c)画出し耐久初期(100枚時)の転写
効率は、ベタ黒画像転写後の感光体上の転写残トナーを
マイラーテープによりテーピングしてはぎ取り、紙上に
貼ったもののマクベス濃度の値をC、転写後定着前のト
ナーの載った紙上にマイラーテープを貼ったもののマク
ベス濃度をE、未使用の紙上に貼ったマイラーテープの
マクベス濃度をDとした時、近似的に以下の式で計算し
た。
【0359】
【数9】 転写効率は90%以上であれば問題のない画像である。
【0360】d)現像工程でのトナーの回収性は、得ら
れた画像サンプル上において、非印刷部での画像(いわ
ゆるゴースト画像)が発生するか否かで判断した。即
ち、転写されずに感光体上に残ったトナーが現像工程で
回収されれば、非印刷部に画像は発生しないが、トナー
の回収性が良くない場合、未回収のトナーは再度転写工
程を通過し、紙上に転写され、ゴースト画像が発生する
ことになる。
【0361】 A:ゴースト全く発生せず B:良好(画像を凝視しなければ確認できないレベル) C:ゴーストは発生するが、実用可能レベル また、同様にして、高温高湿環境下(32.5℃、90
%RH)及び低温低湿環境下(10℃、10%RH)に
おいて画出し耐久試験を行った。評価結果を表6に示
す。
【0362】〈実施例19〜34〉トナー1の代わりに
表6に示すトナーをそれぞれ用いた以外は、実施例18
と同様の画出し耐久試験を行った。評価結果を表6に示
す。
【0363】〈比較例5〜8〉トナー1の代わりに表6
に示すトナーをそれぞれ用いた以外は、実施例18と同
様の画出し耐久試験を行った。評価結果を表6に示す。
【0364】また、常温常湿での上記画出し耐久試験終
了後、ベタ黒画像を印字し、ドラム上へのトナー融着に
伴う白抜けの数をカウントしてドラム融着の評価を行っ
たところ、実施例18〜25ではいずれも良好なベタ黒
画像が得られ評価Aであったが、比較例5〜7では白抜
けが発生しており、評価はいずれもCであった。
【0365】ここで、ドラム融着の評価基準は以下の通
りとした。
【0366】 A:ベタ黒紙上の白抜けが、2個以下 B:ベタ黒紙上の白抜けが、3〜5個 C:ベタ黒紙上の白抜けが、6〜8個 D:ベタ黒紙上の白抜けが、9個以上
【0367】
【表6】
【0368】
【発明の効果】本発明によれば、環境に左右されにく
く、安定した帯電性能を有し、長時間の使用においても
カブリの発生が抑制され、画像濃度の低下も無く、ま
た、高転写性を有しているために転写残トナーが少な
く、さらには感光体表面の削れキズを生じにくいために
感光体表面へのトナー融着が抑制され、さらには、転写
残余トナーの回収性を良好にしてゴースト画像が生じる
ことなく、長期間の使用においても画像欠陥のない高品
位で解像性に優れた画像が長期間安定して得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーおよび画像形成装置が適用でき
る、非接触現像方式を用いた画像形成装置の一例を示す
【図2】図1の現像器部分の部分的拡大図
【図3】本発明のトナーおよび画像形成装置が適用でき
る、クリーナレスプロセスを用いた画像形成装置の一例
を示す図
【図4】 図1の現像器部分の部分的拡大図である。
【図5】 接触転写部材の一例を示す図
【図6】 感光体の構成の一例を示す図
【図7】 現像バイアスのパターンを示す図
【符号の説明】
1、100 感光体 17、117 一次帯電ローラー 21 発光素子 26 定着用加圧ローラー 28 40、140 現像器 114 転写帯電ローラー 116 クリーナー 121 レーザー発生装置 126 定着器
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/02 103 G03G 15/08 501D 15/08 501 9/08 301 384 507 302 15/08 507L 507B (72)発明者 瀧口 剛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 荒平 文弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA02 AA03 AA06 AA08 AA15 AB02 AB06 CA14 CB03 CB07 CB10 DA07 EA01 EA03 EA05 EA07 FA06 FB02 FC03 2H077 AA37 AB13 AB14 AB15 AC04 AC16 AD02 AD06 AD13 AD14 AD17 AD23 AD31 AD36 AD37 BA03 EA12 EA13 EA15 FA01 FA22 FA26 GA04 2H200 FA02 FA08 FA12 FA18 FA19 GA16 GA18 GA23 GA28 GA34 GA46 GA49 GA53 GB12 GB22 GB25 GB37 GB50 HA02 HA28 HB08 HB12 HB14 HB22 HB45 HB46 HB47 HB48 JA02 JA25 JA26 JA27 JA28 JB06 JB10 LA18 LA23 MA03 MA04 MA14 MB01 MB04 MC01 MC18 NA02 NA06 NA09 NA10

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂と着色剤とを少なくとも含有す
    るトナー粒子と、前記トナー粒子表面に存在する微粒子
    とを有するトナーであって、 前記微粒子は、異種元素を含有する酸化亜鉛と、この酸
    化亜鉛を担持する母体粒子とを有し、 前記酸化亜鉛中の亜鉛元素の前記母体粒子に対する質量
    比(Zn/母体粒子)が0.01〜2であり、 亜鉛元素に対する異種元素のモル比(異種元素/Zn)
    が0.001〜0.3であり、 前記微粒子は体積平均径が0.1〜5μmであり且つ粒
    径5μm以上の粒子の微粒子全体に対する個数%が3%
    未満であり、 前記トナーの下記式により求められる円形度の平均値
    が、0.950〜0.995であることを特徴とするト
    ナー。 【数1】円形度 a=Lo/L (式中、Loは粒子の投影像と同じ面積を持つ円の周囲
    長を示し、Lは粒子の投影像の周囲長を示す。)
  2. 【請求項2】 前記微粒子は抵抗が1×109Ωcm以
    下であることを特徴とする請求項1記載のトナー。
  3. 【請求項3】 前記異種元素が、アルミニウム、ガリウ
    ム、インジウム、スズ、ゲルマニウムから選ばれる1ま
    たは2以上の元素であることを特徴とする請求項1また
    は2記載のトナー。
  4. 【請求項4】 前記母体粒子が無機粒子であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 【請求項5】 前記微粒子は、前記トナー粒子1個当た
    り0.3個以上の割合で前記トナー粒子表面に存在する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    トナー。
  6. 【請求項6】 前記トナー粒子の平均径(T)に対する
    前記微粒子の平均径(Z)の比(Z/T)が0.5以下
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に
    記載のトナー。
  7. 【請求項7】 前記トナーの前記円形度の分布における
    標準偏差が、0.04以下であることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 【請求項8】 前記着色剤がマグネタイトを主成分とす
    る磁性粉体であり、且つ前記トナー粒子の表面に前記磁
    性粉体が実質的に露出していないことを特徴とする請求
    項1〜7のいずれか一項に記載のトナー。
  9. 【請求項9】 X線光電子分光分析により測定される、
    前記トナー粒子の表面に存在する炭素元素の含有量
    (A)に対する鉄元素の含有量(B)の比(B/A)
    が、0.001未満であることを特徴とする請求項8記
    載のトナー。
  10. 【請求項10】 前記トナーの粒径をCとし、前記トナ
    ーの透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた断層面観察に
    よる、前記磁性粉体とトナー粒子表面との距離の最小値
    をDとしたとき、D/C≦0.02の関係を満たすトナ
    ーが50個数%以上であることを特徴とする請求項8ま
    たは9記載のトナー。
  11. 【請求項11】 前記D/C≦0.02の関係を満たす
    トナー粒子が65個数%以上であることを特徴とする請
    求項10記載のトナー。
  12. 【請求項12】 前記D/C≦0.02の関係を満たす
    トナー粒子が75個数%以上であることを特徴とする請
    求項10記載のトナー。
  13. 【請求項13】 前記磁性粉体が、前記結着樹脂100
    質量部に対して10〜200質量部含有されることを特
    徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載のトナ
    ー。
  14. 【請求項14】 前記磁性粉体が、前記結着樹脂100
    質量部に対して20〜180質量部含有されていること
    を特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載のト
    ナー。
  15. 【請求項15】 前記トナー粒子が重合法によって得ら
    れたものであることを特徴とする請求項1〜14のいず
    れか一項に記載のトナー。
  16. 【請求項16】 前記磁性粉体が、水系媒体中でカップ
    リング剤を加水分解することにより表面処理されたもの
    であることを特徴とする請求項8〜14のいずれか一項
    に記載のトナー。
  17. 【請求項17】 ワックスをトナー全体に対して0.5
    〜50質量%含有することを特徴とする請求項1〜16
    のいずれか一項に記載のトナー。
  18. 【請求項18】 前記ワックスの示差熱分析による吸熱
    ピークが40〜110℃であることを特徴とする請求項
    17記載のトナー。
  19. 【請求項19】 前記ワックスの示差熱分析による吸熱
    ピークが45〜90℃であることを特徴とする請求項1
    7記載のトナー。
  20. 【請求項20】 電圧が印加された帯電部材によって静
    電荷像担持体を帯電する帯電工程と、 露光により前記静電荷像担持体上に静電荷像を形成する
    露光工程と、 前記静電荷像をトナー担持体に担持された請求項1〜1
    9記載のトナーによって現像してトナー画像を形成する
    現像工程と、 前記トナー画像を転写材に転写する転写工程とを有する
    画像形成方法。
  21. 【請求項21】 前記現像工程が、前記静電荷像担持体
    上の静電荷像と前記トナー担持体に担持されたトナーと
    を接触させながら現像を行う接触現像工程であることを
    特徴とする請求項20記載の画像形成方法。
  22. 【請求項22】 前記トナー担持体が弾性ローラである
    ことを特徴とする請求項20または21記載の画像形成
    方法。
  23. 【請求項23】 前記現像工程において、トナー担持体
    表面の現像領域における移動速度が、前記静電荷像担持
    体表面の移動速度に対して1.05〜3.0倍の速度で
    あることを特徴とする請求項20〜22のいずれか一項
    に記載の画像形成方法。
  24. 【請求項24】 前記トナー担持体の表面粗度Raが
    0.2〜3.0μmであることを特徴とする請求項20
    〜23のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  25. 【請求項25】 前記転写工程後に静電荷像担持体上に
    残存する転写残トナーを、前記現像工程においてトナー
    担持体で回収することを特徴とする請求項20〜24の
    いずれか一項に記載の画像形成方法。
  26. 【請求項26】 前記帯電工程が、前記帯電部材を前記
    静電荷像担持体に接触させて帯電を行う工程であること
    を特徴とする請求項20〜25のいずれか一項に記載の
    画像形成方法。
  27. 【請求項27】 前記転写工程が、前記転写材を介して
    前記静電荷像担持体に接触する転写部材により前記トナ
    ー画像を前記転写材に転写する工程であることを特徴と
    する請求項20〜26のいずれか一項に記載の画像形成
    方法。
  28. 【請求項28】 前記転写材に転写されたトナー画像を
    前記転写材に定着する定着工程をさらに有することを特
    徴とする請求項20〜27のいずれか一項に記載の画像
    形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006234914A (ja) * 2005-02-22 2006-09-07 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
CN100458575C (zh) * 2004-10-08 2009-02-04 佳能株式会社 磁性调色剂
JP2011027775A (ja) * 2009-07-21 2011-02-10 Canon Inc トナー
JP2015172739A (ja) * 2014-02-18 2015-10-01 キヤノン株式会社 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

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