JP2004184853A - 画像形成方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、像担持体1上に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーで現像して顕像化した後、像担持体上のトナー像を、転写ローラ52を用いて転写体に静電的に転写する画像形成方法(装置)において、転写ローラと像担持体間にバネ57b等により1〜10N/cmの圧力を加え、像担持体と転写ローラ間に硬度の異なる2層の弾性層を設け、その表面層52aは柔らかく、内部層52bは硬い弾性層であり、像担持体と転写ローラ間の転写バイアス電流が0.05〜0.2μA/cmであり、トナーが変性ポリエステルからなる重合トナーであることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成方法、及びその画像形成方法を用いた複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものであり、特に、画像形成に用いるトナーと、像担持体上のトナー像を中間転写体や転写材(普通紙等)などの転写体に転写する際の転写方式及び転写手段に特徴を有する画像形成方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式のカラー画像形成方法及びそれを用いたカラー画像形成装置においても高画質が要求され、トナーの小径化、現像の改良などで改善されてきている。しかし、作像工程毎に観察すると、潜像形成、現像、中間転写、転写紙転写、定着と各工程で劣化していることが明らかである。特に転写工程での劣化が大きいことがあげられる。現象としては、転写進入時のプレ転写と転写後の剥離時の放電によるチリが大きな問題である。
【0003】
そこで、これらの課題に対し多くの提案がなされてきた。例えば下記の特許文献1では、少なくとも中間転写ベルトのベルト横方向における感光体ドラムとの当接領域で、中間転写ベルトを内周面側から感光体ドラムに向けて押圧する押圧ローラを設け、感光体ドラムと中間転写ベルトの密着を向上させ、接触ニップ部でトナーの凝集力を高め、感光体ドラムと中間転写ベルトとの密着不足に起因する部分的な転写不良及び転写チリを防止することが提案されている。
【0004】
また、下記の特許文献2ではカラー画像形成方法において、感光体から中間転写ベルトへの転写における転写チリや、虫喰い状の転写不良を解決するため、転写プロセスとして当接圧15g/cm以上の押圧力を加え、中間転写ベルトと感光体の線速比を0.85〜1.10とし、中間転写ベルト特性として、表面/体積抵抗、等を規定し、さらにトナー特性として凝集度、嵩密度、粒径を規定し、トナー間の付着力、転写ギャップ、中間転写ベルトの電荷保持力等を最適化することが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−221800号公報
【特許文献2】
特開2001−209255号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
最近、さらに画像形成装置の高画質化が進み、トナーとしては重合トナーが用いられるようになってきている。トナー特性としては更なる小径化、球形化、形状均一化、帯電量均一化等の特性が得られやすくなり画質の向上につながっている。
しかし、上記の従来例では、重合トナーを用いた場合、転写チリが多く、一見滑らかさはあるが鮮鋭度が悪く、シャープ性に欠けた画像になるという不具合がある。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、表面弾性層を有する転写ローラを用い、転写圧を加え転写するに十分な転写電界を維持するためにエアーギャップ(空隙)を小さくし、重合トナーを使用した場合でも転写チリの発生を最小限に抑えることができる画像形成方法及び装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、請求項1に係る発明は、像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーで現像して顕像化した後、該像担持体上のトナー像を、転写ローラを用いて転写体に静電的に転写する画像形成方法において、前記転写ローラと像担持体間に1〜10N/cmの圧力を加え、該像担持体と転写ローラ間に硬度の異なる2層の弾性層を設け、その表面層は柔らかく、内部層は硬い弾性層であり、前記像担持体と転写ローラ間の転写バイアス電流が0.05〜0.2μA/cmであり、前記トナーが変性ポリエステルからなる重合トナーであることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の画像形成方法において、前記転写ローラの2層の弾性層として、表面層に硬度が15〜40°で厚さが0.05〜0.2mmの弾性層、内部層に硬度が60〜80°で厚さが0.5〜5.0mmの弾性層を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の画像形成方法において、前記像担持体上のトナー層の層厚みが10μm〜20μmに、トナー層の表面粗さ(Ra:中心線平均粗さ)が6.0μm以下の値になるように現像することを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1,2または3記載の画像形成方法において、前記重合トナーの形状係数SF−1が100〜135であることを特徴とするものである。
また、請求項5に係る発明は、請求項1,2または3記載の画像形成方法において、前記重合トナーの平均円形度が0.93以上であることを特徴とするものである。
さらに請求項6に係る発明は、請求項1,2または3記載の画像形成方法において、前記重合トナーの分散度(重量平均粒径/個数平均粒径)が1.35以下であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項7に係る発明は、像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該静電潜像をトナーで現像して顕像化する現像手段と、該像担持体上のトナー像を、転写ローラを用いて転写体に静電的に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、請求項1〜6のいずれか一つに記載の画像形成方法を用いたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す画像形成装置全体の概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、周知の電子写真方式の画像形成方法を用いた複写機(またはプリンタ)の例であり、内部に像担持体であるドラム状の感光体1を備えている。感光体1の周囲には矢印で示す回転方向に沿って、電子写真方式の画像形成工程を実施するための帯電手段2、露光手段(潜像形成手段)3、現像手段4、転写手段5、クリーニング手段6および定着手段7が配置されている。
【0013】
帯電手段2としては、帯電チャージャ、帯電ローラ、帯電ブラシ、固体帯電器等の種々の帯電器が用いられ、感光体1の表面を均一に帯電する。
露光手段(潜像形成手段)3は、例えばレーザ光源とポリゴンミラー等の光偏向器および走査結像光学系を備えた露光装置(光走査装置)32であり、光源からのレーザ光をポリゴンミラーでスキャンさせ、ミラー33で反射して感光体1に照射し、原稿読取部31で読み取られた画像信号(あるいは装置外部の機器(パーソナルコンピュータ等)から入力された画像信号)を基に感光体1上に静電潜像を形成する。この感光体1は有機感光体の他、アモルファス・シリコン等、既存の感光体を用いることができる。
【0014】
現像手段4は、現像剤担持体(例えば現像ローラ)41で一成分現像剤(トナー)または二成分現像剤(トナーとキャリア)を担持搬送し、感光体1上に形成された静電潜像をトナーで現像し顕像化する。このトナー像の形成にタイミングを合わせて、転写紙等の転写材の貯蔵されている転写材バンク101(または106)から、転写材が給紙ローラ102(または107)で給紙され給紙コロ103(または108)で給送される。コロ104は感光体上のトナー像と同期を取って転写材を搬送するためのレジストコロ104であり、転写材は転写手段5に送られトナー像が静電転写される。即ち、転写手段5としては、金属ローラ(芯金)51にゴム層を設けた転写ローラ52を用い、転写ローラ52によって転写材を感光体1に押圧すると共に転写ローラ52に転写バイアスを印加することによってトナー像が静電転写される。トナー像が載った転写材は、搬送ベルト53を通して定着手段7に搬送され、定着手段7で定着された後に、機外へ排出される。一方、未転写部や汚れの付着した感光体1は、例えばクリーニングブレード61とブラシローラ62を有するクリーニング手段6によりクリーニングされ、次の作像ステップに入る。
【0015】
定着手段7の基本構成としては、ハロゲンランプ等の加熱手段74(以下「ヒータ」と言う)を有する定着ローラ71と、その定着ローラ71に圧接される加圧ローラ72とを備えている。また、加圧ローラ72の内部にもヒータ73を設けてもよい。
このような構成の定着器において、定着ローラ71と加圧ローラ72とが、面圧:9.3N/cm2の加圧力で圧接されて定着ニップ幅:約10mmを構成している。定着手段7は駆動手段(図示せず)により駆動を受けて転写材を挟持搬送する。この際、定着ローラ71はヒータ74によって所定の温度に制御されており、転写材上のトナー像は、両ローラ間を通過するときに、圧力を受けながら熱溶融し、ローラ対を出て冷却されることによって永久像として転写材に定着される。定着後の転写材は排紙コロ105で機外の排紙トレイ等に排紙される。
【0016】
さて、以上のような構成の画像形成装置において、転写工程での課題として、転写チリが発生するという問題がある。ここで、転写チリについて図3を参照して考察する。
図3に示すように、転写工程では、転写領域Bの前後に転写紙と感光体が接触していない領域A,Cがあり、このA,C領域で電界の影響により転写チリが発生する。まずA領域では転写最適領域前での転写紙上の電荷と電界によりトナーが感光体から転写紙上に飛翔しチリの原因となる。また、C領域では転写により帯電した転写紙は感光体と静電的に付着している。このため、転写後に分離する際に放電が発生する。以上のように転写チリの原因は近接した時の放電現象が主なものであると考えられている。
【0017】
感光体と転写紙間にあるトナーは下記の式(1)で表される力で転写(転移)する。また、感光体と転写紙間(トナーの周り)の電界は下記の式(2)で表され、「転写紙と感光体間の電位差」を、「転写紙の誘電厚み」と「トナー層の誘電厚み」と「感光体層の誘電厚み」と「トナー周りの空隙」の和で割ったもので表される。
トナーを転移する力:F=qE (1)
q:トナーの電荷量
E:感光体と転写紙間(トナー周り)の電界
E=(Vp−Vpc)/(dp/εp+dt/εt+dpc/εpc+g) (2)
Vp−Vpc:転写紙と感光体間の電位差
dp/εp:転写紙の誘電厚み
dt/εt:トナー層の誘電厚み
dpc/εpc:感光体層の誘電厚み
g:空隙(空気層)
【0018】
図1のAとC領域での放電を少なくするためには、トナー周りの電界Eは現状維持のまま、感光体と転写紙(転写ローラ(または転写ベルト))間の電位差を小さくすることが必要となる。そのために、転写構成材料の誘電厚みを小さくすることがあげられる。
また、本方式はネガ・ポジ方式で作像している。ネガ・ポジ方式の場合、地肌部の感光体電位(例えば−900V)が高く、画像部の電位(例えば−150V)が低い方式である。図3の画像部と非画像部で比較すると転写紙は一様に帯電しているとすれば、地肌部の方の電位が画像部の電位よりも絶対値で750V高いことになる。この電位差は転写工程後の分離時に画像部より、非画像部で放電が発生しやすいことになる。このため、分離時に画像部と非画像部の境界部で放電が発生し、画像部のトナーにも影響を与えトナーチリの原因となっている。
【0019】
以上のような原因から、その改善策として、以下の手段が提案される。
転写紙と感光体の間にあるトナーの周りの電界Eを一定に保ちながら感光体と転写紙間のエアーギャップ(空隙)gを小さくすると、上記の式(2)から感光体と転写紙間の電位差Vp−Vpcを小さくすることができる。実際の手段としてはゴム状の表面層を持った転写ローラと感光体間に圧力を加え、転写紙と感光体の密着を多くし、実質の平均エアーギャップgを小さくすることで達成できる。このような手段でトナー周りの電界Eは十分な値となり、転写紙上の電荷量が小さくなる。このことにより、転写後の剥離時に感光体と転写紙間の電位差が小さくなり、放電が起きにくい条件が得られる。
【0020】
次に、本発明の特徴的な転写構成について図2を参照して説明する。図2は転写手段5の構成例を示す図であって、転写ローラ52は図2に示すようにステンレススチール(SUS)や鉄(Fe)等からなる直径φが20〜30mmの金属ロール(芯金)51上にEPDM、シリコーン、NBR、ウレタン等のソリッド状の2層の弾性層52a,52bを設け、そのうちの表面層52aは0.05〜0.2mmの厚みで硬度が15〜40度(アスカー(Asker)C/1kg荷重時)、体積抵抗が1×109〜1×1011Ωcmの弾性層であり、内部層52bは0.05〜5.0mmの厚みで硬度が60〜80度(アスカーC/1kg荷重時)の弾性層であり、内部層の体積抵抗は表面層より1桁程度高い抵抗の範囲が最適である。転写ローラ52の加圧は、転写ローラ52の金属ロール(芯金)51の両端の軸部に軸受け57aを設け、その軸受57aをバネ57bで加圧することにより行い、転写ローラ52が感光体1に押圧される。加圧力の測定は転写ローラ52の前後のバネ押圧力の合計を転写ローラ52の長さで割った値で提示する。単位はN/cmで示す(1000gf≒9.8N)。
【0021】
次に、転写工程で転写ローラ52を感光体1に加圧した時のトナー周りの空隙について説明する。
図4は従来の加圧力1N/cm以下の圧力時の転写の様子を模式的に示す図である。転写紙は微小面積では硬く、広い面積では変形(曲がり)する特性がある。図4に示すように転写ローラ52の圧力が弱い状態のときは、転写紙の繊維の凹凸で表面、裏面で数点の凸部で受けて搬送される。その結果、トナーや感光体と転写紙の接触点が少なく、感光体と転写ローラ表面の間の空隙が多い状態になる。測定は感光体とゴム層のないローラ間に0.5N/cmを加圧し、転写紙として(株)リコー社製Type6200を挟みギャップを測定した。また、2.5N/cmの加圧で同様に測定した結果20μmの差があった。つまり、加圧によって20μmの空隙が減ったことになる。
【0022】
次に、図5は2層の弾性層52a,52bを有する転写ローラ52を用い、加圧力2.5N/cmの圧力時の転写の様子を模式的に示す図である。加圧によって転写紙の凸部と感光体、転写ローラ52が多く接触するようになる。転写ローラ52の表面層52aの軟弾性層は転写紙裏面とローラ間の空隙を埋める。また、内部層52bの硬いゴム層は転写紙を感光体に押しつけ、その結果、転写紙とトナー及び感光体との接点が多くなり、空隙が小さくなり、トナーと感光体の距離が平均的に狭くなり、前記の式(2)の分母項の「空隙g」が小さくなる。
以上のように、感光体と転写紙、転写ローラ間の空隙を小さくすることで、転写紙と感光体間の電位差を小さくしても、式(2)のE(トナー周りの電界)は従来と同様の電界が得られ、分離時の放電による転写チリを減少させることができる。
【0023】
次に、本発明の画像形成方法及び装置で用いるトナーについて説明する。
本発明で用いられるトナーは変性ポリエステルからなる重合トナーであることが重要である。従来の重合法に使用される樹脂はスチレン−アクリル系が主体であったが、スチレン−アクリル系樹脂はポリエステル系樹脂に比べ、低温定着性に劣っていた。この原因は、定着温度と溶融温度(Tg)のバランスにあることが判明した。同一定着温度を有する、スチレン−アクリル系樹脂から成るトナーと、ポリエステル系樹脂から成るトナーのTgを比較すると、スチレン−アクリル系樹脂から成るトナーのTgが明らかに低くなる。このため、スチレン−アクリル系樹脂から成るトナーの耐熱保存性は、ポリエステル系樹脂から成るトナーに比べ悪くなる。尚、使用するポリエステル系樹脂は、アクリル、エポキシ、ウレタンなどで変性して用いる。変性することにより、ポリエステルの分子量分布を広くとれるため、トナー物性のコントロールが容易となるほか、製造性も向上する。
【0024】
本発明に用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜135であることが重要である。形状係数を示すSF−1は、例えば日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い、1000倍に拡大した2μm以上のトナー粒子像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して、例えばニコレ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入し解析を行い、下記の式、
SF−1=(MXLNG)2/AREA×π/4×100 (3)
により算出し、得られた値を形状係数SF−1と定義する。図6に示すように、式中のMXLNGは粒子の絶対最大長(外接円の長さ)、AREAは粒子の投影面積を示す。また、式(3)の形状係数SF−1はトナー粒子の丸さの度合いを示しており、100は真球を表す。
【0025】
一般に、形状係数SF−1は耐久性に影響し、100<SF−1≦135好ましくは、100<SF−1≦120とすることがより好ましい。
135<SF−1の場合、球形から離れて不定形に近づき、トナー層の層厚と表面が均一とはならないため、トナーと転写紙、感光体の接触が少なくなるため、転写効率が低下する。その結果、転写電流が大きくなり、分離時の放電が増大する。
【0026】
また、本発明に用いられるトナーは、平均円形度が0.93以上であることが好ましい。トナーの平均円形度が0.93以下の場合、SF−1と同様にトナー層の層厚と表面が均一とはならないため、トナーと転写紙、感光体の接触が少なくなるため、転写効率が低下する。その結果、転写電流が大きくなり、分離時の放電が増大する。
【0027】
トナーの平均円形度の測定は(株)SYSMEX製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて測定することができる。測定は、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液に調整した後、0.45μmのフィルターを通した液50〜100mlに分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、試料のトナーを1〜10mg加える。これを、超音波分散機で1分間の分散処理を行い、粒子濃度を5000〜15000個/μlに調整した分散液を用いて測定を行なった。CCDカメラで撮像した2次元の画像面積と、同一の面積を有する円の直径を円相当径として、円相当径で0.6μm以上をCCDの画素の精度から有効とし平均円形度の算出に用いた。平均円形度は、各粒子の円形度の算出を行い、この各粒子の円形度を足し合わせ、全粒子数で割り算することによって得ることができる。各粒子の円形度は、粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割ることにより算出することができる。
【0028】
また、本発明に用いられるトナーの分散度(重量平均粒径:Xw/個数平均粒径:Xn)は1.35以下が好ましい。トナーの分散度が1.35以上の場合、SF−1と同様にトナー層の層厚と表面が均一とはならないため、トナーと転写紙、感光体の接触が少なくなり、転写効率が低下する。その結果、転写電流が大きくなり、分離時の放電が増大する。
尚、トナー粒径の測定はCoulter MULTISIZER IIeを使用した。また、アパーチャー径は100μmである。
【0029】
次に、本発明の重合トナーの製法を例示する。トナーバインダーは以下の方法などで製造することができる。ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、変性されたポリエステル(i)を得る。(3)を反応させる際および(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。ウレア結合で変性されていないポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記の変性ポリエステル(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
【0030】
(水系媒体中でのトナー製造法)
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分散体を、アミン類(B)と反応させて形成しても良いし、あらかじめ製造した変性ポリエステル(i)を用いても良い。水系媒体中で変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中に変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。例えば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
【0031】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温なほうが、変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
【0032】
変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)を含むトナー組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
【0033】
トナー組成物が分散された油性相を水が含まれる液体に乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0034】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果を上げることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及ぴその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガーフルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガーフルオロアルカノイル(C6〜C8)一N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及ぴ金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及ぴその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0035】
具体的な商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(タイキン工莱社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F−150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0036】
カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また、水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いることができる。
【0037】
尚、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ピニル、プロピオン酸ピニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0038】
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
【0039】
尚、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他、酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および(または)架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
【0040】
さらに、トナー組成物の粘度を低くするために、変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマー(A)100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。溶剤を使用した場合は、伸長および(または)架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
【0041】
伸長および(または)架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0042】
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
【0043】
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際、微粒子または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
【0044】
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
【0045】
また、トナーの流動性を改善する外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
【0046】
この他、高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0047】
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤などが好ましい表面処理剤として挙げられる。
【0048】
次に、本発明での評価方法について説明する。
<転写率評価方法>
評価用の画像形成装置は(株)リコー社製の複写機(イマジオMF7070)の転写部を改造して用いた。ユニット構成は図1の装置の概略図と同じである。現像手段4として二成分現像方式の現像装置を用い、転写工程は転写手段5に転写ローラ52を用いたローラ転写で行い、転写後は搬送ベルト53で搬送され、定着工程は定着ローラ71と加圧ローラ72からなる定着器7を用い、面圧:9.3N/cm2の加圧力、温度は165〜185℃で定着を行った。この評価用の画像形成装置を用いて、画素密度が600dpi(ドット/インチ)のドットから形成されたグレースケールを中心としたテストチャート(図7参照)をプリントアウトしてサンプル画像を得た。評価項目は転写率、転写チリ、転写白抜けの3項目である。評価方法の詳細な説明を以下に示す。
【0049】
<転写率の評価>
現像された感光体上のチャートを転写紙に転写し、転写紙が搬送ベルト上にある時に機械を停止する。チャートの黒ベタ部に着目し、感光体上の黒ベタ部の転写残トナー量を粘着テープで剥がし、感光体上残トナー量を求める。一方、転写されたトナーは黒ベタ部を切り取り、トナーを圧縮エアーで吹き飛ばす。吹き飛ばし前後の重さより転写されたトナー量を求め、
転写率=(転写トナー量/(転写トナー+残トナー量))×100(%)
で転写率(%)を求める。転写率の許容値は一般の環境下で70%以上である。
【0050】
<転写チリ、転写白抜けの評価>
転写チリと転写白抜けは汎用的な評価法が確立していないため、サンプルとランク見本とを目視での官能評価法で行った。転写白抜けのランク見本は図8に、転写チリのランク見本は図9に示した。ランク3の画像が許容レベルであり、3に満たないものは「NG」である。
【0051】
<トナーの層厚とトナー層の表面粗さ>
キーエンス社製の超深度表面顕微鏡Vk8500を用いた。平均段差測定モードで感光体表面とトナー層表面の段差を比べることでトナーの層厚を求め、面粗さ測定モードの算術平均粗さ(Ra)でトナー層の表面粗さを求めた。
【0052】
【実施例】
以下、具体的な実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、実施例で用いた試作トナーの合成例を示す。尚、「部」は重量部を示す。
【0053】
[トナー(1)]
(トナーバインダーの合成)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマーを得た。次いでプレポリマー267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステルを得た。上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステルを得た。ウレア変性ポリエステル200部と変性されていないポリエステル800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダーの酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(1)を単離した。トナーバインダー(1)のTgは62℃で酸価は10であった。
【0054】
(トナーの作成)
ビーカー内に前記のトナーバインダー(1)の酢酸エチル/MEK溶液240部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)20部、カーボンブラック10部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。次いで60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。次いでこの混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して一部溶剤を除去し、室温に戻してから同ホモミキサーで12000rpmで攪拌を行いトナーの形状を球形から変形させ、さらに溶剤を完全に除去した。その後、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、母体トナー粒子を得た。次いで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明のトナー(1)を得た。このトナー(1)のSF−1は140、平均円形度は0.92、分散度は1.39であった。
【0055】
[トナー(2)]
(トナーバインダーの合成)
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物354部およびイソフタル酸166部をジブチルチンオキサイド2部を触媒として重縮合し、ピーク分子量4000の比較トナーバインダー(2)を得た。比較トナーバインダー(2)のTgは57℃であった。
【0056】
(トナーの作成)
ビーカー内に前記の比較トナーバインダー(2)100部、酢酸エチル溶液200部、カーボンブラック10部を入れ、50℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。次いでトナー(1)と同様にトナー化し、トナー(2)を得た。このトナー(2)のSF−1は140、平均円形度は0.92、分散度は1.38であった。
【0057】
[トナー(3)]
(トナーバインダーの合成)
トナー(1)と同様にして、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物334部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物334部イソフタル酸274部および無水トリメリット酸20部を重縮合した後、イソホロンジイソシアネート154部を反応させプレポリマーを得た。次いでプレポリマー213部とイソホロンジアミン9.5部およびジブチルアミン0.5部を実施例1と同様に反応し、重量平均分子量79000のウレア変性ポリエステルを得た。ウレア変性ポリエステル200部と変性されていないポリエステル800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダーの酢酸エチル溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(3)を単離した。トナーバインダー(3)のピーク分子量は5000、Tgは62℃、酸価は10であった。
【0058】
(トナーの作成)
トナーバインダー(1)をトナーバインダー(3)に変え、溶解温度および分散温度を50℃に変える以外はトナー(1)と同様にし、本発明の母体トナーを得た。さらに本母体トナー100重量部に、帯電制御剤としてサリチル酸誘導体の亜鉛塩を1.0重量部を混合し、加温雰囲気中で攪拌し、トナーの表面に帯電制御剤を固着させた。トナー粒子100部に疎水性シリカ1.0部と疎水性酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明のトナー(3)を得た。このトナー(3)のSF−1は130、平均円形度は0.92、分散度は1.38であった。
【0059】
[トナー(4)]
(トナーバインダーの作成)
ウレア変性ポリエステルを30部と変性されていないポリエステル970部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダーの酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(4)を単離した。トナーバインダー(4)のピーク分子量は5000、Tgは62℃、酸価は10であった。
【0060】
(トナーの作成)
トナーバインダー(1)をトナーバインダー(4)に変える以外はトナー(1)と同様にし、着色剤をカーボンブラック8部に変える以外はトナー(2)と同様に本発明のトナー(4)を得た。このトナー(4)のSF−1は128、平均円形度は0.96、分散度は1.37であった。
【0061】
[トナー(5)]
(トナーバインダーの合成)
ウレア変性ポリエステルを500部と変性されていないポリエステル500部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダーの酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(5)を単離した。トナーバインダー(5)のピーク分子量は5000、Tgは62℃、酸価は10であった。
【0062】
(トナーの作成)
トナーバインダー(1)をトナーバインダー(5)に変え、カーボンブラック8部をトナー材料として用いる以外はトナー(1)と同様にし、本発明のトナー(5)を得た。このトナー(5)のSF−1は120、平均円形度は0.97、分散度は1.21であった。
【0063】
[トナー(6)]
(トナーバインダーの合成)
ウレア変性ポリエステルを750部と変性されていないポリエステル250部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダーの酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(6)を単離した。トナーバインダー(6)のピーク分子量は5000、Tgは62℃、酸価は10であった。
【0064】
(トナーの作成)
トナーバインダー(1)をトナーバインダー(6)に変える以外はトナー(1)と同様にしトナー(6)を得た。このトナー(6)のSF−1は115、平均円形度は0.97、分散度は1.20であった。
【0065】
[実施例1]
まず、実施例の装置条件を示す。評価用の画像形成装置は(株)リコー社製の複写機(イマジオMF7070)の転写部を改造して用いた。ユニット構成は図1の装置の概略図と同様である。感光体1と転写ローラ52の接触が安定するように、転写ローラ52の表面層52aの弾性層として硬度が25°(アスカーC/1kg荷重時)で、厚みが0.1mm、体積抵抗が1×109〜1×1011Ωcmのゴム層を設けた。さらに、その下に内部層52bの弾性層として硬度が70°(アスカーC/1kg荷重時)で、厚みが2.0mm、抵抗が表面層の抵抗と同等から1桁小さい値のものを用いた。
【0066】
現像手段4としては二成分現像方式の現像装置を用い、現像剤には前述のトナー(5)のトナーとキャリアからなる二成分現像剤を用いた。この時のキャリアには重量平均粒径50μmの球形フェライトを用い、表面にシリコーン樹脂をコートし、熱乾燥させてから使用した。現像剤中のトナー濃度はキャリアに対して5.0wt%である。現像条件は現像ポテンシャル300V、地肌ポテンシャル150Vとした。
【0067】
また、評価用のテスト機は、図1に示すようにクリーニング手段6内に感光体1に潤滑剤(例えばステアリン酸亜鉛)を塗布する塗布機構を備えており、棒状または板状の潤滑剤(例えばステアリン酸亜鉛棒)63とブラシローラ62の接触幅を変えることにより、ステアリン酸亜鉛の塗布量を変化させることができる。ステアリン酸亜鉛の塗布量により、感光体1の表面摩擦係数は変化する。尚、本実施例の実験時の感光体の表面摩擦係数は0.40であった。
【0068】
転写ローラ52の加圧は、図2に示すように、転写ローラ52の金属ローラ(芯金)51の両端の軸部に軸受け57aを設け、その軸受57aをバネ57bで加圧することにより行い、転写ローラ52を感光体1に押圧する。
本実施例では図2に示す加圧機構のバネ57bで転写圧力を0.05、1.0、5.0、10.0(N/cm)の4水準とし、転写ローラと感光体間に印加する電圧を制御して、流れる電流を0.03、0.05、0.20、0.30(μA/cm)の4水準として、評価用のテスト機により、図7のテストチャートをプリントした。評価は転写率、転写チリ(図9参照)、転写白ぬけ(図8参照)で確認した。評価結果を下記の表1,2,3に示す。尚、現状値は転写電流0.3〜0.4μA/cmで圧力は1N/cm前後の条件である。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
以上の表1,2,3の結果から、転写率は0.05μA未満では電流不足で規格外に低下していることが分かる。また、圧力が小さく、電流も小さいと転写率が低下する。転写チリでは、転写電流が0.3μA以上で放電によるチリが大きくなる。また、転写圧力が10N/cmでは転写白ぬけが発生しかかっている。以上の結果、最適条件として、圧力で1〜10N/cm、転写バイアス電流で0.05〜0.2μA/cmの組み合わせが良い条件であった。より好ましくは圧力で1.0〜5.0N/cm、電流で0.1〜0.2μA/cmが最適であった(請求項1)。
【0073】
転写ローラ特性は、転写ローラの表面層の弾性層として硬度が15〜40°、厚みが0.05〜0.2mmが最適であり、硬度が15°以下では軟らかすぎて変形してしまう。また、硬度が40°を大きく超えると、転写紙の繊維の凹凸に対応できなくなり、エアーギャップが大きくなる。内部層の弾性層の特性では硬度が60〜80°、厚みが0.5〜5.0mmが良い。硬度が軟らかく薄い弾性層では転写紙を押す力が小さくなり、ニップが大きくなりトナーの転写ずれを起こしてしまう。また、硬すぎた場合、転写紙に圧力を加えても接触点が増えず、実質のエアーギャップの低減には効果が薄くなる。
以上の結果より、転写ローラの2層構成を持つ弾性層の良好な条件としては、表面層に硬度が15〜40°で厚さが0.05〜0.2mmの弾性層、内部層に硬度が60〜80°で厚さが0.5〜5.0mmの弾性層を設けるという条件となる(請求項2)。
【0074】
[実施例2]
実施例1の条件にて、転写圧力を5.0N/cm、転写電流を0.20μA/cmとし、地肌ポテンシャルは150Vのまま、現像ポテンシャルを100V、200V、300V、400V、500Vの4水準として、評価用のテスト機により図7のテストチャートをプリントした。定着後、画像に対し転写率、転写チリ(図9参照)で評価した。また、作像途中でマシンを止め、感光体上に残った画像のトナー層厚さ、トナー層粗さを測定した。評価結果を下記の表4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】
表4の結果から、現像ポテンシャルを変えることで、トナー層粗さはほとんど変らずトナー層厚さだけが変化していることが分かる。感光体上のトナー層厚さが薄いときは転写チリが良いが、トナー層厚さが20μmになったところで転写チリが悪化し始め、23μmではランク見本で規格外になっている。また、トナー層が厚いと転写紙と感光体の密着性が悪くなり、転写時の印加電圧が上がることにより放電チリが増える効果が、トナー層厚20μmを境に発生していることが分かる。よって本発明において転写チリの無い良好な画像を保つためには、トナー層厚さが20μm以下を保つことが必要である。
さらにトナー層厚さが10μmより低いと、画像濃度が足りず不適である。よって感光体上のトナー層厚が10μm〜20μmになるように現像することが必要である(請求項3)。
【0077】
[実施例3]
実施例1の条件にて、転写圧力を5.0N/cm、転写電流を0.20μA/cmとし、トナーをトナー(1)からトナー(6)まで変えて、評価用のテスト機により図7のテストチャートをプリントした。定着後、画像に対し転写率、転写チリ(図9参照)で評価した。
また、作像途中でマシンを止め、感光体上に残った画像のトナー層厚さ、トナー層粗さを測定した。評価結果を下記の表5に示す。
【0078】
【表5】
【0079】
表5の結果から、トナーを変えることで、感光体上のトナー層厚さはそれほど変化しないが、トナー層粗さは変化していることが分かる。そしてトナー層粗さが大きいほど、転写チリが悪くなっている。これはトナー層が粗くなるほど、転写ニップ部の空隙が増え、転写時の印加電圧が上がることから放電の程度が増すためである。トナー層粗さが6.0μmを境にチリのランクが急激に悪化している。よって本発明において転写チリをランク3以上に保つためには、トナー層粗さを6.0μm以下に保つ必要がある(請求項3)。
【0080】
尚、トナー層粗さを小さくする手段として、トナー物性が重要であることが分かる。トナー(2)とトナー(3)を比べると、SF−1が140と130の差がある以外は有意な差が無く、トナー層粗さが6.8μmから6.1μmに変化している。よってSF−1を135以下に下げることはトナー層粗さを小さく保ち、転写チリを良好に保つために有効である(請求項4)。
また、トナー(3)とトナー(4)を比べると、平均円形度が0.92と0.96の差がある以外は有意な差が無く、トナー層粗さが6.1μmから5.7μmに変化している。よって、平均円形度を0.92以上に上げることは、トナー層粗さを小さく保ち、転写チリを良好に保つために有効である(請求項5)。
さらに、トナー(4)とトナー(5)を比べると、分散度が1.37と1.21の差がある以外は有意な差が無く、トナー層粗さが5.7μmから3.3μmに変化している。よって、分散度を1.35以下にすることは、トナー層粗さを小さく保ち、転写チリを良好に保つために有効である(請求項6)。
【0081】
【発明の効果】
電子写真方式の画像形成方法(装置)において、転写チリは像担持体(感光体)と転写体(転写紙)を挟んで配置された転写ローラ間の電位差が大きいとき、剥離時に放電を起こし、転写紙に一度転写したトナーが放電による電界の乱れで電気的に移動することで起こる。そこで本発明では、感光体と転写ローラ間に2層の弾性層を設け、転写紙と感光体の密着を良くすることで、お互いの接触点を多くして転写効率を上げ、さらに従来の粉砕トナーよりも転写チリの発生しやすい重合トナーにおいても、変性ポリエステル系樹脂を用いることにより分子量分布を広くとれるのでトナー物性のコントロールが容易となり、転写チリの発生を抑制することができる(請求項1,7)。
【0082】
本発明では、転写ローラと転写紙間の空隙をなくすため、転写ローラの表層に軟弾性層を設け、さらに内部に硬度の高い弾性層を設け、転写時に圧力を加え、転写紙と感光体との接触点を多くして、実質的に転写ローラと感光体間のエアーギャップを小さくするので、トナー周りの電界は一定で良いために転写電流を低く設定することができる。その結果、転写紙の帯電量が小さくなり、プレ転写や分離時の放電による転写チリを改善することができる(請求項2,7)。
尚、トナー層の厚みを薄くすることで転写紙と感光体間の距離を小さくでき、また、トナー層の表面を均一にすることでトナー層と転写紙間の平均の空隙を小さくできるので、どちらもより低電圧で有効な転写電界を得られるようになる効果がある(請求項3,7)。
【0083】
さらに本発明では、トナーの形状係数SF−1を規定することでトナー層の層厚と表面を均一にすることができ、その結果、トナーと転写紙およびトナーと感光体の接触が多くなるため、転写効率の向上や転写電流過多による分離時の放電の防止が可能となる(請求項4,7)。
また、本発明では、トナーの平均円形度を高く規定することで、請求項3と同様にトナー層の層厚と表面を均一にすることができ、その結果、トナーと転写紙およびトナーと感光体の接触が多くなるため、転写効率の向上や転写電流過多による分離時の放電の防止が可能となる(請求項5,7)。
さらにまた、本発明では、トナーの分散度を規定することで、請求項3と同様にトナー層の層厚と表面を均一にすることができ、その結果、トナーと転写紙およびトナーと感光体の接触が多くなるため、転写効率の向上や転写電流過多による分離時の放電の防止が可能となる(請求項6,7)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す画像形成装置全体の概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の転写手段の構成例を示す図である。
【図3】電子写真方式の画像形成装置における転写チリ発生のメカニズムの説明図である。
【図4】従来の転写方式による転写の様子を模式的に示す図である。
【図5】本発明の加圧転写方式による転写の様子を模式的に示す図である。
【図6】形状係数SF−1の説明図である。
【図7】評価用のテストチャートの一例を示す図である。
【図8】転写白抜けランク見本を示す図である。
【図9】転写チリランク見本を示す図である。
【符号の説明】
1:感光体(像担持体)
2:帯電手段
3:露光手段(潜像形成手段)
4:現像手段
5:転写手段
6:クリーニング手段
7:定着手段
31:原稿読取部
32:露光装置(光走査装置)
33:ミラー
41:現像ローラ
51:金属ローラ(芯金)
52:転写ローラ
52a:表面層
52b:内部層
53:搬送ベルト
54:駆動ローラ
55:従動ローラ
56:ベルトクリーニング手段
57a:軸受
57b:バネ
61:クリーニングブレード
62:ブラシローラ
63:潤滑剤
71:定着ローラ
72:加圧ローラ
73,74:ヒータ
101,106:転写材バンク
102,107:給紙ローラ
103,108:給紙コロ
104:レジストコロ
105:排紙コロ
Claims (7)
- 像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーで現像して顕像化した後、該像担持体上のトナー像を、転写ローラを用いて転写体に静電的に転写する画像形成方法において、
前記転写ローラと像担持体間に1〜10N/cmの圧力を加え、該像担持体と転写ローラ間に硬度の異なる2層の弾性層を設け、その表面層は柔らかく、内部層は硬い弾性層であり、前記像担持体と転写ローラ間の転写バイアス電流が0.05〜0.2μA/cmであり、前記トナーが変性ポリエステルからなる重合トナーであることを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1記載の画像形成方法において、
前記転写ローラの2層の弾性層として、表面層に硬度が15〜40°で厚さが0.05〜0.2mmの弾性層、内部層に硬度が60〜80°で厚さが0.5〜5.0mmの弾性層を設けたことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1または2記載の画像形成方法において、
前記像担持体上のトナー層の層厚みが10μm〜20μmに、トナー層の表面粗さ(Ra:中心線平均粗さ)が6.0μm以下の値になるように現像することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1,2または3記載の画像形成方法において、
前記重合トナーの形状係数SF−1が100〜135であることを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1,2または3記載の画像形成方法において、
前記重合トナーの平均円形度が0.93以上であることを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1,2または3記載の画像形成方法において、
前記重合トナーの分散度(重量平均粒径/個数平均粒径)が1.35以下であることを特徴とする画像形成方法。 - 像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該静電潜像をトナーで現像して顕像化する現像手段と、該像担持体上のトナー像を、転写ローラを用いて転写体に静電的に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、
請求項1〜6のいずれか一つに記載の画像形成方法を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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