JP7237705B2 - 磁性トナー及び該磁性トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
また、高画質に関するニーズも依然として高い。低温定着性を向上させる手段としては、トナー中に結晶性樹脂を含有させる手段がある。結晶性樹脂は、融点において可塑し、速やかに結着樹脂と相溶し、トナーの溶融変形を促進させる。
よって、結晶性樹脂を多量に含有させることで、低温定着性を大幅に向上することができる。その一方、結晶性樹脂は電気抵抗が低いため、結晶性樹脂を多量に含有したトナーは、帯電保持性及び帯電均一性に劣り、現像性が低下する。
また、磁性トナーの場合には、さらに電気抵抗の低い磁性体も電荷のリーク源となるため、現像性の低下は顕著となる。その結果、感光体上の非画像領域へ低い帯電量を持つトナーが現像される「カブリ」や、横ライン画像の後端部のトナー載り量が多くなる「尾引き」といった画像弊害が発生する。
また、結晶性樹脂を多量に含有したトナーにおいては、耐熱保存性を担保するため、結晶化度が高いことが求められる。
また、同様の目的で、特許文献2では疎水性の高いロジン骨格を有する非晶質ポリエステルと結晶性ポリエステルを含有するトナーが提案されている。
一方、特許文献2に記載された電子写真用トナーは、耐熱保存性の向上には一定の効果があったものの、トナーの電気抵抗を高めることが難しく、帯電性に関しては不十分であった。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、低温定着性、現像性、及び耐熱保存性のすべてを満足する磁性トナー及び該磁性トナーの製造方法を提供するものである。
結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子を有する磁性トナーであって、
該結着樹脂が、
第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、及び、
該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニ
ット
を有する重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
該重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
該重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であり、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm3)0.5とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm3)0.5としたとき、下記式(1)を満足し、
該磁性体の吸油量が、5ml/100g~40ml/100gであることを特徴とする磁性トナーである。
3.00≦(SP21-SP11)≦25.00 (1)
結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子を有する磁性トナーであって、
該結着樹脂が、
第一の重合性単量体、及び、
該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体
を含有する組成物の重合体である重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
該組成物中の該第一の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
該組成物中の該第二の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であり、
該第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm3)0.5とし、該第二の重合性単量体のSP値をSP22(J/cm3)0.5としたとき、下記式(2)を満足し、
該磁性体の吸油量が、5ml/100g~40ml/100gであることを特徴とする磁性トナーである。
0.60≦(SP22-SP12)≦15.00 (2)
前記磁性トナーの製造方法であって、
前記結着樹脂及び前記磁性体を含有する混合物を溶融混練して混練物を得る工程、及び、
該混練物を粉砕して粉砕物を得る工程を含む、
磁性トナーの製造方法である。
本発明において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
本発明において、「モノマーユニット」とは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形
態をいう。
結晶性樹脂とは、示差走査熱量計(DSC)測定において明確な吸熱ピークを示す樹脂を指す。
そのため、低温定着性の向上を狙って、結晶性樹脂を多量に含有させた磁性トナーは、帯電保持性及び帯電均一性が低下し、カブリや尾引きといった画像弊害が生じやすい。
よって、結晶性樹脂を含有する磁性トナーにおいて、低温定着性を向上させつつ、高い現像性を達成させるためには、帯電性能の高い結晶性材料を用いつつ、結晶性樹脂と比較して電気抵抗の低い磁性体を、トナー粒子表面に露出させないことが必要である。
また、結晶性樹脂を多量に含有させたトナーは、耐熱保存性を担保させるために、結晶化度が高いことも要求される。
結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子を有する磁性トナーであって、
該結着樹脂が、
第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、及び、
該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニット
を有する重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
該重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
該重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であり、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm3)0.5とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm3)0.5としたとき、下記式(1)を満足し、
該磁性体の吸油量が、5ml/100g~40ml/100gであることを特徴とする。
3.00≦(SP21-SP11)≦25.00 (1)
結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子を有する磁性トナーであって、
該結着樹脂が、
第一の重合性単量体、及び、
該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体
を含有する組成物の重合体である重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
該組成物中の該第一の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
該組成物中の該第二の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であり、
該第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm3)0.5とし、該第二の重合性単量体のSP値をSP22(J/cm3)0.5としたとき、下記式(2)を満足し、
該磁性体の吸油量が、5ml/100g~40ml/100gであることを特徴とする。
0.60≦(SP22-SP12)≦15.00 (2)
これら部位はブロックポリマーのような形態を取りやすい。また、結晶性部位が疎水性を示しやすく、高極性部位が親水性を示しやすい。
重合体Aが、親水性を示す部位を有することで、帯電性が向上する。
また、該重合体Aを含有する結着樹脂と、吸油量を制御し表面を疎水化した磁性体を組み合わせた場合、重合体Aの疎水性を示す結晶性部位と疎水化された磁性体表面が相互作用しやすく、磁性体表面が重合体Aにより被覆されると推察する。
磁性体が重合体Aにより被覆されることによって、磁性体のトナー粒子表面への露出が抑制され、トナー粒子に帯電した電荷のリークが低減される。その結果、トナーの帯電保持性及び帯電均一性(以下、併せて帯電性ともいう)が向上し、良好な現像性が得られる。
該結着樹脂は、第一の重合性単量体、及び、該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体を含有する組成物の重合体である重合体Aを含有する。
該第一の重合性単量体は、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つである。該第一のモノマーユニットを有することで、重合体Aは結晶性を示す樹脂となる。
炭素数が上記範囲であれば、重合体Aの融点が50℃以上80℃以下となり、良好な低温定着性及び耐熱保存性が得られる。
該第一のモノマーユニットの含有割合は、10.0モル%~60.0モル%であることが好ましく、20.0モル%~40.0モル%であることがより好ましい。
該含有割合が5.0モル%未満である場合、低温定着性が低下し、60.0モル%を超える場合、現像性が低下する。
また、該組成物中の該第一の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%である。
該第一の重合性単量体の含有割合は、10.0モル%~60.0モル%であることが好ましく、20.0モル%~40.0モル%であることがより好ましい。
該含有割合が5.0モル%未満である場合、低温定着性が低下し、60.0モル%を超える場合、現像性が低下する。
該第二のモノマーユニットの含有割合は、40.0モル%~95.0モル%であることが好ましく、40.0モル%~70.0モル%であることがより好ましい。
また、該組成物中の該第二の重合性単量体の含有割合は、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%である。
該第二の重合性単量体の含有割合は、40.0モル%~95.0モル%であることが好ましく、40.0モル%~70.0モル%であることがより好ましい。
該含有割合が上記範囲である場合、重合体A中の第一のモノマーユニットの結晶化度が良好になり、低温定着性と耐熱保存性が向上する。また、高極性部位が十分に帯電性を担保することができ、現像性が向上する。
なお、重合体Aが、2種以上の炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来するモノマーユニットを有する場合、第一のモノマーユニットの含有割合は、それらの合計のモル比率を表す。また、重合体Aに用いる組成物が2種以上の炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む場合も同様に、第一の重合性単量体の含有割合は、それらの合計のモル比率を表す。
また、重合体Aにおいて、式(1)を満足する第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットが2種類以上存在する場合、第二のモノマーユニットの割合は、それらの合計のモル比率を表す。また、重合体Aに用いる組成物が2種以上の第二の重合性単量体を含む場合も同様に、第二の重合性単量体の含有割合は、それらの合計のモル比率を表す。
該第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm3)0.5とし、該第二の重合性単量体のSP値をSP22(J/cm3)0.5としたとき、下記式(2)を満足する。3.00≦(SP21-SP11)≦25.00 (1)
0.60≦(SP22-SP12)≦15.00 (2)
本発明におけるSP値の単位は、(J/m3)0.5であるが、1(cal/cm3)0.5=2.045×103(J/m3)0.5によって(cal/cm3)0.5の単位に換算することができる。
SP11=(SP111×A+SP112×(100-A))/100
である。第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニットが3以上含まれる場合も同様に計算する。一方、SP12も同様に、それぞれの第一の重合性単量体のモル比率で算出した平均値を表す。
一方、第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットは、上記方法で算出したSP11に対して式(1)を満たすSP21を有するモノマーユニット全てが該当する。同様に、第二の重合性単量体は、上記方法で算出したSP12に対して式(2)を満たすSP2
2を有する重合性単量体全てが該当する。
すなわち、該第二の重合性単量体が2種類以上の重合性単量体である場合、SP21はそれぞれの重合性単量体に由来するモノマーユニットのSP値を表し、SP21-SP11はそれぞれの第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットに対して決定される。同様に、SP22はそれぞれの重合性単量体のSP値を表し、SP22-SP12はそれぞれの第二の重合性単量体に対して決定される。
炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、炭素数18~36の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ヘンエイコサニル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸リグノセリル、(メタ)アクリル酸セリル、(メタ)アクリル酸オクタコサ、(メタ)アクリル酸ミリシル、(メタ)アクリル酸ドトリアコンタンなど]及び炭素数18~36の分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸2-デシルテトラデシルなど]が挙げられる。
これらの内、トナーの保存安定性の観点から、好ましくは炭素数18~36の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つである。より好ましくは炭素数18~30の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つである。さらに好ましくは直鎖の(メタ)アクリル酸ステアリル及び(メタ)アクリル酸ベヘニルからなる群から選択される少なくとも一つである。
第一の重合性単量体は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
第二の重合性単量体は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ニトリル基を有する単量体;例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど。
ヒドロキシ基を有する単量体;例えば、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピルなど。
アミド基を有する単量体;例えば、アクリルアミド、炭素数1~30のアミンとエチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のカルボン酸(アクリル酸及びメタクリル酸など)を公知の方法で反応させた単量体。
アネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート及び水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど)、及び芳香族ジイソシアネート化合物(フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネートなど)]とを公知の方法で反応させた単量体、及び
炭素数1~26のアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t-ブチルアルコール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セタノール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ノナデシルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコールなど)と、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のイソシアネート[2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2-(0-[1’-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチル(メタ)アクリレート及び1,1-(ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートなど]とを公知の方法で反応させた単量体など。
カルボキシ基を有する単量体;例えば、メタクリル酸、アクリル酸、(メタ)アクリル酸-2-カルボキシエチル。
中でも、ニトリル基、アミド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、又はウレア基を有する単量体を使用することが好ましい。より好ましくは、第二の重合性単量体は、ニトリル基、アミド基、ヒドロキシ基、ウレタン基、及びウレア基からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体である。
そのため、重合体Aにおいて第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットが集合して結合している状態を形成させやすくなると考えられる。
すなわち、第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットのブロック化の度合いが高まり、第一の重合性単量体に由来する部位の結晶性を向上させやすく、低温定着性と耐熱保存性がより両立しやすくなる。
第二の重合性単量体は、エチレン性不飽和結合を有することが好ましく、エチレン性不飽和結合を一つ有することがより好ましい。
また、第二の重合性単量体が、下記式(A)及び(B)からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
R1は、ニトリル基(-C≡N)、
アミド基(-C(=O)NHR10、該R10は水素原子、若しくは炭素数1~4のアルキル基)、
ヒドロキシ基、
-COOR11(該R11は炭素数1~6(好ましくは1~4)のアルキル基、若しくは炭素数1~6(好ましくは1~4)のヒドロキシアルキル基)、
ウレア基(-NH-C(=O)-N(R13)2、該R13はそれぞれ独立して、水素原子、若しくは炭素数1~6(好ましくは1~4)のアルキル基)、
-COO(CH2)2NHCOOR14(該R14は炭素数1~4のアルキル基)、又は
-COO(CH2)2-NH-C(=O)-N(R15)2(該R15はそれぞれ独立して、水素原子、若しくは炭素数1~6(好ましくは1~4)のアルキル基)
を示し、
R2は、炭素数1~4のアルキル基を示し、
R3は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を示す。
本発明におけるモノマーユニットとは、ポリマー中のビニル系モノマーが重合した主鎖中の炭素-炭素結合1区間を1ユニットとする。
ビニル系モノマーとは下記式(Z)で示すことができる。
[式(Z)中、RZ1は、水素原子、又はアルキル基(好ましくは炭素数1~3のアルキ
ル基であり、より好ましくはメチル基)を表し、RZ2は、任意の置換基を表す。]
また、第一の重合性単量体、及び、該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体を含有する組成物には、該組成物中の該第一の重合性単量体の含有割合、及び第二の重合性単量体の含有割合を損ねない範囲で、上記式(1)又は式(2)の範囲に含まれない第三の重合性単量体が含まれていてもよい。
また、以下の単量体も用いることができる。例えば、スチレン、o-メチルスチレンなどのスチレン及びその誘導体、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸-t-ブチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステル類。なお、該単量体は極性基を有さないためにSP値が低く、式(1)又は式(2)を満たしにくい。しかし、式(1)又は式(2)を満たす場合には、第二の重合性単量体として用いることができる。
第三の重合性単量体は、トナーの保存性を良化させるため、スチレン、メタクリル酸メチル及びアクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
該重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあることで、室温付近での弾性が維持しやすい。
該重合体Aの融点は、50℃~80℃であることが好ましく、53℃~70℃であることがより好ましい。該融点が上記範囲にある場合、耐熱保存性及び低温定着性がより向上する。
重合体Bとしては、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。中でも、高温での粘弾性を制御する目的から、架橋密度を制御しやすいビニル系樹脂、ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
耐熱保存性の観点で、重合体Bのガラス転移点(Tg)が、55℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、65℃以上であることがさらに好ましい。また、重合体Aの低温定着性を阻害しないという観点で、ガラス転移点(Tg)が90℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましい。
結着樹脂中の重合体Aの含有量は、50.0質量%以上であることが好ましい。50.0質量%以上であることで、トナー粒子のシャープメルト性が維持されやすく、低温定着性が向上する。該含有量は、60.0質量%~100.0質量%であることがより好ましく、70.0質量%~90.0質量%であることがさらに好ましい。
結着樹脂中の重合体Bの含有量は、0.0質量%~40.0質量%であることが好ましく、10.0質量%~30.0質量%であることがより好ましい。
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合体Bにビニル系樹脂を用いる場合には、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有することが好ましい。この場合に用いられる架橋剤としては、以下のものが挙げられる。
芳香族ジビニル化合物(ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン);アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(エチレングリコールジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,5-ペンタンジオールアクリレート、1,6-へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレー卜をメタクリレートに代えたもの);芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で緒ばれたジアクリレート化合物類[ポリオキシエチレン(2)-2,2-ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)-2,2-ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの];ポリエステル型ジアクリレート化合物類。
これらの架橋剤は、架橋剤以外のモノマー成分100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上10.00質量部以下、より好ましくは0.03質量部以上5.00質量部以下用いることができる。
これらの架橋剤のうち、結着樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール及び1,3-プロピレングリコール);アルキレンエーテルグリコール(ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール);脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール);ビスフェノール類(ビスフェノールA);脂環式ジオール又はビルフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド)付加物。
アルキレングリコール及びアルキレンエーテルグリコールのアルキル部分は直鎖状であ
っても、分岐していてもよい。さらに、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトール等。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、酸価や水酸基価の調整を目的として、必要に応じて酢酸及び安息香酸のような1価の酸、シクロヘキサノール及びベンジルアルコールのような1価のアルコールも使用することができる。
下記式(5)及び(6)を満たすことが好ましい。
0 (J/cm3)0.5 ≦SP21-SP(B)≦4.0 (J/cm3)0.
5 (5)
SP11≦SP(B)≦SP21 (6)
上記式を満たすことで、重合体Bと重合体Aの親水性部位が相互作用しやすくなり、磁性体と重合体Aの疎水性部位の相互作用を維持したまま、重合体Aの分散性を良化させることができる。その結果、トナーの帯電保持性及び帯電均一性が向上し、より良好な現像性が得られる。
さらに、該重合体Bの酸価は0.1mgKOH/g~25.0mgKOH/gであることが好ましく、2.0mgKOH/g~20.0mgKOH/gであることがより好ましく、5.0mgKOH/g~15.0mgKOH/gであることがさらに好ましい。
重合体Bの酸価が上記範囲であれば、耐湿性が良化し、耐熱保存性と現像性を両立することができる。
該吸油量は、10ml/100g~35ml/100gであることが好ましく、20ml/100g~30ml/100gであることがより好ましい。
該吸油量は、磁性体の化学的、物理的結合による複雑な凝集であるストラクチャーの程度をはかるための指標であるが、油成分への馴染み易さ、つまり疎水化度を表す指標にもなると考えられる。
吸油量が上記範囲であれば、磁性体表面と、重合体Aの第一のモノマーユニットに由来する疎水性部位との相互作用が高まり、また結着樹脂中での磁性体の分散性が良好となるため、現像性が向上する。
該BET比表面積は、磁性体の形状、磁性体の個数平均粒径などを制御することにより、上記範囲に調整することができる。
好ましい。この条件を満たすことで、磁性トナーの帯電保持性及び帯電均一性をより向上させることができ、現像性がより向上する。
また、該体積抵抗率は、1.0×1015Ω・cm以下であることが好ましく、1.0×1014Ω・cm以下であることがより好ましい。
なお、上記数値範囲は任意に組み合わせることができる。
磁性体の含有量が上記範囲であれば、体積抵抗率を適切な値に制御することができ、トナーに適切な磁気特性を付与することができるため、現像性がより向上する。
該被覆層は、磁性体コア粒子の表面の全域が均一に被覆されていてもよいし、磁性体コア粒子の表面が一部露出した状態で被覆されていてもよい。いずれの被覆態様であっても、被覆層は、最外層であることが好ましく、磁性体コア粒子の表面を薄く被覆していることが好ましい。
また、該磁性体表面のX線光電子分光分析を用いた測定において、下記式(3)及び(4)を満たすことが好ましく、下記式(3)’及び(4)’を満たすことがより好ましい。
0.10≦dSi/dFe≦4.00 式(3)
0.50≦dSi/dFe≦2.50 式(3)’
0.03≦dAl/dFe≦2.00 式(4)
0.10≦dAl/dFe≦1.00 式(4)’
なお、式3及び式4中、dSiはケイ素原子のatomic%を示し、dAlはアルミニウム原子のatomic%を示し、dFeは鉄原子のatomic%を示す。
磁性体表面のケイ素原子及びアルミニウム原子の含有量を上記範囲にすることで、磁性体の吸油量を適切に制御でき、また、磁性トナーの流動性が良好となるため、現像性がより向上する。
磁性体の形状、個数平均粒径を制御する方法は従来公知の方法を採用することができる。
磁性体の形状を八面体にする方法としては、例えば、磁性体コア粒子の製造において湿式酸化反応時のpHを9以上にすることが挙げられる。
該磁性体の交流インピーダンス測定により得られる体積抵抗率は、1.0×104Ω・cm以上であることが好ましく、1.0×105Ω・cm以上であることがより好ましい。この条件を満たすことで、磁性トナーの体積抵抗率を上記範囲に制御することができ、現像性が向上する。
また、該磁性体の交流インピーダンス測定により得られる体積抵抗率は、1.0×108Ω・cm以下であることが好ましく、1.0×107Ω・cm以下であることがより好
ましい。
なお、上記数値範囲は任意に組み合わせることができる。
該ワックスの種類は特に限定されず、従来公知のワックスを用いることができる。
具体的には以下のものを挙げることができる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;又は、それらのブロック共重合物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうのような植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうのような動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムのような鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスのような脂肪族エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪族エステルを一部又は全部を脱酸化したもの。
トナー粒子中のワックスの含有量は、1.0質量%~30.0質量%であることが好ましく、2.0質量%~25.0質量%であることがより好ましい。
該荷電制御剤としては、該結着樹脂の末端に存在する酸基あるいは水酸基と中心金属が相互作用し易い、有機金属錯体、キレート化合物が有効である。
具体例としては、モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体;芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩が挙げられる。
ここで、磁性トナーは、溶融混練トナーであることが好ましい。
該磁性トナーの製造方法は、
結着樹脂及び磁性体を含有する混合物を溶融混練して混練物を得る工程、及び、
該混練物を粉砕して粉砕物を得る工程を含む、ことを特徴とする。
(i)トナー粒子を構成する結着樹脂及び磁性体、並びに必要に応じてワックス、及びその他の添加剤などを、ヘンシェルミキサー、ボールミルのような混合機により充分に混合し、結着樹脂及び磁性体を含有する混合物を調製する。
(ii)得られた混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶した中に、磁性体及びその他の添加剤を分散又は溶解して、混練物を調製する。
(iii)得られた混練物を冷却固化後、粉砕し粉砕物を調製する。
(iv)得られた粉砕物を、分級などを行うことによって、トナー粒子を得る。
また、トナー粒子の形状及び表面性の制御のために、粉砕又は分級後に、連続的に機械的衝撃力を加える表面処理装置内を通過させる表面処理工程を有してもよい。
この表面処理工程の処理時間を制御することによりトナー粒子の表面形状を制御することも可能である。
さらに、必要に応じて、トナー粒子に所望の外添剤をヘンシェルミキサーのような混合機により混合し、トナーとすることもできる。
FMミキサー(日本コークス工業社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
混練機としては、以下のものが挙げられる。
KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。
カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、以下のものが挙げられる。
クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
表面改質装置としては、以下のものが挙げられる。
ファカルティー(ホソカワミクロン社製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイザー(奈良機械社製)、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)、メカノミル(岡田精工社製)。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。
ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
外添剤としては、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフウルオロエチレン微粉末のようなフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ又は乾式製法シリカのようなシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、それらをシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理微粒子;酸化亜鉛、酸化スズのような酸化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジルコン酸カルシウムのような複酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのような炭酸塩化合物が挙げられる。
これらのうち、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粒子が好ましい。該蒸気相酸化の具体例としては、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次のようなものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタンなどの他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粒子を得ることも可能であり、シリカ微粒子としてはそれらも包含する。
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粒子としては、以下のものを例示できる。
AEROSIL 130、200、300、380、TT600、MOX170、MOX80、COK84(以上、日本アエロジル社);Ca-O-SiLM-5、MS-7、MS-75、HS-5、EH-5(以上、CABOT Co.社);Wacker HDK N 20、V15、N20E、T30、T40(以上、WACKER-CHEMIE
GMBH社);D-C Fine Silica(ダウコーニングCo.社);Fransol(Fransil社)。
該外添剤の含有量は、トナー粒子100.0質量部に対して、0.1質量部~4.0質量部であることが好ましく、0.2質量部~3.5質量部であることがより好ましい。
<重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合の測定方法>
重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合の測定は、1H-NMRにより以下の条件にて行う。
・測定装置 :FT NMR装置 JNM-EX400(日本電子社製)
・測定周波数:400MHz
・パルス条件:5.0μs
・周波数範囲:10500Hz
・積算回数 :64回
・測定温度 :30℃
・試料 :測定試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
得られた1H-NMRチャートより、第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークの中から、他に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値S1を算出する。
同様に、第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークの中から、他に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値S2を算出する。
さらに、第三の重合性単量体を使用している場合は、第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークから、他に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値S3を算出する。
第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合は、上記積分値S1、S2及びS3を用いて、以下のようにして求める。なお、n1、n2、n3はそれぞれの部位について着眼したピークが帰属される構成要素における水素の数である。
第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S1/n1)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
同様に、第二の重合性単量体、第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合は以下のように求める。
第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S2/n2)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S3/n3)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
なお、重合体Aにおいて、ビニル基以外の構成要素に水素原子が含まれない重合性単量体が使用されている場合は、13C-NMRを用いて測定原子核を13Cとし、シングルパルスモードにて測定を行い、1H-NMRにて同様にして算出する。
SP12、SP22は、Fedorsによって提案された算出方法に従い、以下のようにして求める。
それぞれの重合性単量体について、分子構造中の原子又は原子団に対して、「poly
m.Eng.Sci.,14(2)、147-154(1974)」に記載の表から蒸発エネルギー(Δei)(cal/mol)及びモル体積(Δvi)(cm3/mol)を求め、(4.184×ΣΔei/ΣΔvi)0.5をSP値(J/cm3)0.5とする。
なお、SP11、SP21は、該重合性単量体の二重結合が重合によって開裂した状態の分子構造の原子又は原子団に対して、上記と同様の算出方法によって算出する。
重合体Aの融点は、DSC Q1000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料5mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、示差走査熱量測定を行う。リファレンスとしては銀製の空のパンを用いる。
1回目の昇温過程における最大吸熱ピークのピーク温度を、融点とする。
なお、最大吸熱ピークとは、ピークが複数あった場合に、吸熱量が最大となるピークのことである。
重合体Aのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
・装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
・カラム:Shodex KF-801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:1.0mL/min
・オーブン温度:40.0℃
・試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
磁性体の吸油量は、JIS K 5101-1978(顔料試験方法)に記載されている方法に従って測定する。
具体的には、100gの試料をガラス板にとってアマニ油を滴下し、試料がペースト状になった時の最小アマニ油量をもって吸油量とする。
磁性体の個数平均粒径は走査型電子顕微鏡(倍率40000倍)を用い、磁性体を観察し、200個の粒子の最大フェレ径を計測し、その算術平均値を個数平均粒径とする。
また、観察像より磁性体の形状を判断した。走査型電子顕微鏡としては、S-4700(日立製作所製)を用いる。
磁性体のBET比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行う。
具体的な測定方法は、以下の通りである。
測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置 TriStar3000(島津製作所社製)」を用いる。
測定条件の設定及び測定データの解析は、本装置に付属の専用ソフト「TriStar3000 Version4.00」を用いて行う。
また、装置には真空ポンプ、窒素ガス配管、ヘリウムガス配管が接続される。
窒素ガスを吸着ガスとして用い、BET多点法により算出した値を本発明におけるBET比表面積とする。
まず、磁性体に窒素ガスを吸着させ、その時の試料セル内の平衡圧力P(Pa)と磁性体の窒素吸着量Va(mol・g-1)を測定する。そして、試料セル内の平衡圧力P(Pa)を窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)で除した値である相対圧Prを横軸とし、窒素吸着量Va(mol・g-1)を縦軸とした吸着等温線を得る。
次いで、磁性体の表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量である単分子層吸着量Vm(mol・g-1)を、下記のBET式を適用して求める。
Pr/Va(1-Pr)=1/(Vm×C)+(C-1)×Pr/(Vm×C)
(ここで、CはBETパラメータであり、測定サンプル種、吸着ガス種、吸着温度により変動する変数である。)
直線の傾き=(C-1)/(Vm×C)
直線の切片=1/(Vm×C)
Prの実測値とPr/Va(1-Pr)の実測値をグラフ上にプロットして最小二乗法により直線を引くと、その直線の傾きと切片の値が算出できる。これらの値を用いて上記の傾きと切片の連立方程式を解くと、VmとCが算出できる。
さらに、上記で算出したVmと窒素分子の分子占有断面積(0.162nm2)から、下記の式に基づいて、磁性体のBET比表面積S(m2/g)を算出する。
S=Vm×N×0.162×10-18
(ここで、Nはアボガドロ数(mol-1)である。)
充分に洗浄、乾燥した専用のガラス製試料セル(ステム直径3/8インチ、容積約5mL)の風袋を精秤する。そして、ロートを使ってこの試料セルの中に約1.5gの磁性体を入れる。
磁性体を入れた前記試料セルを真空ポンプと窒素ガス配管を接続した「前処理装置 バキュプレップ061(島津製作所社製)」にセットし、23℃にて真空脱気を約10時間継続する。なお、真空脱気の際には、磁性体が真空ポンプに吸引されないよう、バルブを調整しながら徐々に脱気する。セル内の圧力は脱気とともに徐々に下がり、最終的には約0.4Pa(約3ミリトール)となる。
真空脱気終了後、窒素ガスを徐々に注入して試料セル内を大気圧に戻し、試料セルを前処理装置から取り外す。そして、この試料セルの質量を精秤し、風袋との差から磁性体の
正確な質量を算出する。なお、この際に、試料セル内の磁性体が大気中の水分などで汚染されないように、秤量中はゴム栓で試料セルに蓋をしておく。
続いて、接続器具を含む試料セルのフリースペースの測定を行なう。フリースペースは、23℃においてヘリウムガスを用いて試料セルの容積を測定し、続いて液体窒素で試料セルを冷却した後の試料セルの容積を、同様にヘリウムガスを用いて測定して、これらの容積の差から換算して算出する。また、窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)は、装置に内蔵されたPoチューブを使用して、別途に自動で測定される。
次に、試料セル内の真空脱気を行った後、真空脱気を継続しながら試料セルを液体窒素で冷却する。その後、窒素ガスを試料セル内に段階的に導入して磁性体に窒素分子を吸着させる。この際、平衡圧力P(Pa)を随時計測することにより前記した吸着等温線が得られるので、この吸着等温線をBETプロットに変換する。
なお、データを収集する相対圧Prのポイントは、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30の合計6ポイントに設定する。
得られた測定データに対して最小二乗法により直線を引き、その直線の傾きと切片からVmを算出する。さらに、このVmの値を用いて、前記したように磁性体のBET比表面積を算出する。
トナー1g程度(試料の比重により可変する。)を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機を用いて20MPaで、60秒間圧縮成形し、直径25mm、高さ0.95mm~1.05mmの円柱状としたものを測定試料とする。
インピーダンス測定装置としては、Solartron社製1260型周波数応答解析装置(FRA)及び、同社製1296型誘電率測定インターフェイスを用いる。
Solartron社製インピーダンス測定ソフトウエアSMaRTを用いて、インピーダンスの自動測定を行う。SMaRTでは、所定の周波数fの正弦波電圧と正弦波電圧に対する応答電流から、周波数fに対する複素インピーダンスを測定することができる。Z(ω)=Re[Z(ω)]+iIm[Z(ω)]
ただし、Re[Z(ω)]はインピーダンスの実部、Im[Z(ω)]はインピーダンスの虚部である。また、ωは角周波数であり、周波数fとは、ω=2πfの関係がある。
測定条件は、以下の通りである。
電極面積:0.00031m2
DC電圧:0V
AC電圧:1Vp-p
荷重 :10N
ω :100Hz
体積抵抗率(R、単位:Ω・cm)は、下記式(7)から求める。
R=(Re[Z]2+ Im[Z]2)×S/(Re[Z]×d) (7)
ただし、Re[Z]は、100Hzにおけるインピーダンスの実部を、
Im[Z]は、100Hzにおけるインピーダンスの虚部を、
dはサンプル膜厚(cm)を、
Sは電極面積(cm2)を示す。
磁性体表面に存在する元素量をESCAによる表面組成分析で算出する。
ESCAの装置及び測定条件は、下記の通りである。
使用装置:アルバック-ファイ社製 Quantum 2000
分析方法:ナロー分析
(測定条件)
X線源:Al-Kα
X線条件:100μm、25W、15kV
光電子取り込み角度:45°
PassEnergy:58.70eV
測定範囲:φ100μm
以上の条件により測定を行い、炭素1s軌道のC-C結合に由来するピークを285eVに補正する。その後、下記範囲に検出されるピーク面積を算出する。
・94eV以上114eV以下にピークトップが検出されるケイ素2p軌道のSiO結合のピーク
・68eV以上78eV以下にピークトップが検出されるアルミニウム2p軌道のAlO結合のピーク
・705eV以上720eV以下にピークトップが検出される鉄2p軌道のFeO結合のピーク
・278eV以上298eV以下にピークトップが検出される炭素1s軌道のCO結合のピーク
・524eV以上542eV以下にピークトップが検出される酸素1s軌道のO結合のピーク
それぞれのピーク面積からアルバック-ファイ社提供の相対感度因子を用いることで、構成元素の総量に対する鉄原子のatomic%(dFe)、アルミニウム原子のatomic%(dAl)、ケイ素原子のatomic%(dSi)を算出する。
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。
酸価はJIS K 0070-1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。
得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。該水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、該フェノールフタレイン溶液を数滴加え、該水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した該水酸化カリウム溶液の量から求める。該0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001-1998に準じて作製されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
試料(例えば、粉砕した重合体A)2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。
次いで、指示薬として該フェノールフタレイン溶液を数滴加え、該水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C-B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料の質量(g)である。
メタノール50.0部を反応容器に仕込んだ。その後、撹拌下、40℃にてカレンズMOI[2-イソシアナトエチルメタクリレート](昭和電工株式会社)5.0部を滴下した。滴下終了後、40℃を維持しながら2時間撹拌を行った。その後、エバポレーターにて未反応のメタノールを除去することで、ウレタン基を有する単量体を調製した。
ジブチルアミン50.0部を反応容器に仕込んだ。その後、撹拌下、室温にてカレンズMOI[2-イソシアナトエチルメタクリレート]5.0部を滴下した。滴下終了後、2時間撹拌を行った。その後、エバポレーターにて未反応のジブチルアミンを除去することで、ウレア基を有する単量体を調製した。
還流冷却管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を投入した。
・トルエン 100.0部
・ベヘニルアクリレート(第一の重合性単量体) 67.0部
・メタクリロニトリル(第二の重合性単量体) 22.0部
・スチレン(第三の重合性単量体) 11.0部
・t-ブチルパーオキシピバレート(日油社製:パーブチルPV) 3.0部
上記反応容器内を200rpmで撹拌しながら、70℃に加熱して12時間重合反応を行い、単量体組成物の重合体がトルエンに溶解した溶解液を得た。
続いて、上記溶解液を25℃まで降温した後、1000.0部のメタノール中に上記溶解液を撹拌しながら投入し、メタノール不溶分を沈殿させた。
得られたメタノール不溶分をろ別し、さらにメタノールで洗浄後、40℃で24時間真空乾燥して重合体A1を得た。重合体A1の重量平均分子量は20100、酸価は0.0mgKOH/g、融点は62℃であった。
上記重合体A1をNMRで分析したところ、ベヘニルアクリレート由来のモノマーユニットが28.9モル%、メタクリロニトリル由来のモノマーユニットが53.8モル%、スチレン由来のモノマーユニットが17.3モル%含まれていた。
モノマー処方を表1の記載に変更する以外は重合体A1の製造例と同様にして、重合体A2~A30を得た。重合体A1~A30の物性を表2に示す。
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(2.0mol付加) 10.0部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2.0mol付加) 10.0部
・エチレングリコール 20.0部
・テレフタル酸 15.0部
・コハク酸 38.0部
・トリメリット酸 7.0部
上記ポリエステルモノマー混合物を5Lのオートクレーブに仕込み、ポリエステルモノマー混合物総量に対して、0.05質量%のテトライソブチルチタネートを添加した。還流冷却器、水分分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を付し、オートクレーブ内に窒素ガスを導入しながら230℃で重縮合反応を行った。表4に記載の重量平均分子量になるように反応時間を調整した。反応終了後、容器から取り出し、冷却、粉砕して重合体B1を得た。得られた重合体B1の酸価は、9.6mgKOH/gであった。
モノマー処方を表3のように変更する以外は重合体B1の製造例と同様にして、重合体B2~B4を得た。重合体B1~B4の物性を表4に示す。
(1)磁性体コア粒子の製造
Fe2+濃度が1.79mol/Lの硫酸第一鉄水溶液92Lと、3.74mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液88Lを加えて混合撹拌した。この溶液のpHは6.5であった。
この溶液を温度89℃、pH9~12に維持しながら、20L/minの空気を吹き込み、酸化反応を起こさせてコア粒子を生成させた。水酸化第一鉄が完全に消費された時点で、空気の吹き込みを停止し、酸化反応を終了させた。得られたマグネタイトからなる磁性体コア粒子は八面体形状を有するものであった。
0.70mol/Lのケイ酸ナトリウム水溶液2.50Lと0.90mol/Lの硫酸第一鉄水溶液2.00Lを混合した後、水を加え、5.00Lの水溶液とし、13500
gの磁性体コア粒子を含む上記反応後のスラリーに、pH7~9を維持しながら添加した。その後、スラリー中のFe2+が残存しなくなるまで10L/minの空気を吹き込んだ。
続いて、1.50mol/Lの硫酸アルミニウム水溶液0.70Lと0.90mol/Lの硫酸第一鉄水溶液2.00Lを混合した後、水を加え、5.00Lの水溶液とし、磁性体コア粒子を含む上記反応後のスラリーに、pH7~9を維持しながら添加した。
その後、スラリー中のFe2+が残存しなくなるまで10L/minの空気を吹き込んだ。
スラリーの温度は89℃に維持した。30分間混合撹拌した後にスラリーを濾過して、洗浄、乾燥させて、磁性体C1を得た。
磁性体C1の形状は八面体であり、個数平均粒径(D1)は120nmであった。また、吸油量は25ml/100gであった。得られた磁性体C1の諸物性を表5に示す。
得られる磁性体の個数平均粒径や、形状が表5の値となるように、磁性体コア粒子の製造条件を適宜調整した以外は、磁性体C1の製造例と同様にして磁性体コア粒子を得た。
調整した製造条件は各溶液の濃度及び添加量、酸化反応時の温度及びpH、空気の吹き込む速度及び量である。
その後、表6に示す条件で被覆層を形成し、磁性粒子C2~C9を得た。諸物性を表5に示す。
[粉砕法によるトナーの製造例]
・重合体A1 80.0部
・重合体B1 20.0部
・磁性体C1 60.0部
・ワックス 4.0部
(フィッシャートロプシュワックス C105、サゾール社製)
・荷電制御剤 2.0部
(T-77:保土谷化学工業(株)製)
上記材料をFMミキサー(日本コークス工業(株)製)で前混合した後、二軸混練押し出し機(池貝鉄工(株)製PCM-30型))によって、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T-250)で粉砕し、得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)8.0μmのトナー粒子を得た。
該トナー粒子100部に対して、疎水化処理シリカ微粒子[BET比表面積150m2/g、シリカ微粒子100部に対して、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)30部及びジメチルシリコンオイル10部で疎水化処理したもの]1.2部をFMミキサー(日本コークス工業(株)製FM-75型)で外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。
交流インピーダンス測定により、トナー1の体積抵抗率を算出したところ、2.5×1012Ω・cmであった。
トナー1の製造例において、処方を表7のように変更する以外は同様にして、トナー2~32、40~47を得た。各トナーの体積抵抗率を表8に示す。
[乳化凝集法によるトナーの製造例]
(重合体分散液の調製)
・トルエン 300.0部
・重合体A1 100.0部
上記材料を秤量・混合し、90℃で溶解させた。
別途、イオン交換水700.0部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.0部、及びラウリン酸ナトリウム10.0部を加え90℃で加熱溶解させた。
次いで、前記のトルエン溶液と該水溶液を混ぜ合わせ、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス(プライミクス製)を用いて7000rpmで攪拌した。
さらに、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)用いて200MPaの圧力で乳化した。その後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、イオン交換水で濃度調整を行い重合体微粒子の濃度が20質量%の重合体分散液を得た。
・ワックス 100.0部
(フィッシャートロプシュワックス C105、サゾール社製)
・アニオン界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬製) 5.0部
・イオン交換水 395.0部
上記材料を秤量し、攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック製)へ循環させて分散処理を60分間行った。分散処理の条件は、以下のようにした。
・ローター外径3cm
・クリアランス0.3mm
・ローター回転数19000r/min
・スクリーン回転数19000r/min
分散処理後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、ワックス微粒子の濃度が20質量%のワックス分散液を得た。
・磁性体C1 50.0部
・イオン交換水 450.0部
上記材料を秤量・混合し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、磁性体微粒子の濃度が10質量%の磁性体分散液を得た。
・重合体分散液 400.0部
・ワックス分散液 16.0部
・磁性体分散液 480.0部
・イオン交換水 100.0部
前記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入し、混合した。
続いて、ホモジナイザー ウルトラタラックスT50(IKA社製)を用いて5000r/minで10分間分散した。1.0%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで58℃まで加熱した。
形成された凝集粒子の体積平均粒径を、コールターマルチサイザーIIIを用い、適宜確認し、体積平均粒径が約6.0μmである凝集粒子が形成されたところで、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。
その後、攪拌を継続しながら、75℃まで加熱した。そして、75℃で1時間保持することで凝集粒子を融合させた。
その後、50℃まで冷却し、3時間保持することで重合体の結晶化を促進させた。
その後、25℃まで冷却し、ろ過・固液分離した後、イオン交換水で洗浄を行った。
洗浄終了後に真空乾燥機を用いて乾燥することで、重量平均粒径(D4)が6.1μmのトナー粒子を得た。
該トナー粒子100部に対して、疎水化処理シリカ微粒子[BET比表面積150m2/g、シリカ微粒子100部に対して、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)30部及びジメチルシリコンオイル10部で疎水化処理したもの]1.2部をFMミキサー(日本コークス工業(株)製FM-75型)で外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー33を得た。
交流インピーダンス測定により、トナー33の体積抵抗率を算出したところ、6.0×1012Ω・cmとなった。
[懸濁重合法によるトナーの製造例]
(トナー粒子の製造)
・単量体組成物 100.0部
(単量体組成物は以下のベヘニルアクリレート、メタクリロニトリル及びスチレンを以下に示す割合で混合したものとする)
・ベヘニルアクリレート(第一の重合性単量体) 67.0部(28.9モル%)
・メタクリロニトリル(第二の重合性単量体) 22.0部(53.8モル%)
・スチレン(第三の重合性単量体) 11.0部(17.3モル%)・磁性体C4 60.0部
・ワックス 4.0部
(フィッシャートロプシュワックス C105、サゾール社製)
・トルエン 100.0部
からなる混合物を調製した。上記混合物をアトライター(日本コークス社製)に投入し、直径5mmのジルコニアビーズを用いて、200rpmで2時間分散することで原材料分散液を得た。
一方、高速撹拌装置ホモミクサー(プライミクス社製)及び温度計を備えた容器に、イオン交換水735.0部とリン酸三ナトリウム(12水和物)16.0部を添加し、12000rpmで撹拌しながら60℃に昇温した。
そこに、イオン交換水65.0部に塩化カルシウム(2水和物)9.0部を溶解した塩化カルシウム水溶液を投入し、60℃を保持しながら12000rpmで30分間撹拌した。そこに、10%塩酸を加えてpHを6.0に調整し、分散安定剤を含む水系媒体を得た。
続いて、上記原材料分散液を撹拌装置及び温度計を備えた容器に移し、100rpmで撹拌しながら60℃に昇温した。そこに、重合開始剤としてt-ブチルパーオキシピバレート(日油社製:パーブチルPV)8.0部を添加して60℃を保持しながら100rpmで5分間撹拌した後、上記高速撹拌装置にて12000rpmで撹拌している水系媒体中に投入した。60℃を保持しながら上記高速撹拌装置にて12000rpmで20分間撹拌を継続し、造粒液を得た。
上記造粒液を還流冷却管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に移し、窒素雰囲気下において150rpmで撹拌しながら70℃に昇温した。70℃を保持しながら150rpmで10時間重合反応を行った。その後、反応容器から還流冷却管を外し、反応液を95℃に昇温した後、95℃を保持しながら150rpmで5時間撹拌することでトルエンを除去し、トナー粒子分散液を得た。
得られたトナー粒子分散液を150rpmで撹拌しながら20℃まで冷却した後、撹拌を保持したままpHが1.5になるまで希塩酸を加えて分散安定剤を溶解させた。
固形分をろ別し、イオン交換水で充分に洗浄した後、40℃で24時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
該トナー粒子100部に対して、疎水化処理シリカ微粒子[BET比表面積150m2/g、シリカ微粒子100部に対して、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)30部及びジメチルシリコンオイル10部で疎水化処理したもの]1.2部をFMミキサー(日本コークス工業(株)製FM-75型)で外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー34を得た。
交流インピーダンス測定により、トナー34の体積抵抗率を算出したところ、6.6×1012Ω・cmとなった。
トナー34の製造例において、処方を表7のように変更すること以外は同様にして、トナー35~39、48、49を得た。各トナーの体積抵抗率を表8に示す。
トナー1について下記の評価を行った。評価結果を表9に示す。
評価に際して、HP LaserJet Enterprise M609dnのプロ
セススピードを410mm/secに改造して使用した。
上記評価機の定着器を外部に取り出し、定着器の温度を任意に設定可能にし、プロセススピードを410mm/secとなるように改造した外部定着器を用いた。
また、評価紙はVitality(Xerox社製、坪量75g/cm2、レターサイズ)を用いた。
トナー2~39を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表9に示す。
トナー40~49を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表9に示す。
上記装置を用い、温度23℃、湿度60%RH環境下において、単位面積当たりのトナー載り量を0.5mg/cm2に設定したベタ黒の未定着画像を、設定温度に温調した上記定着器に通した。
得られた定着画像を4.9kPa(50g/cm2)の荷重をかけたシルボン紙で5往復摺擦し、こすり試験前後での濃度低下率が10%以下となる温度を定着温度とした。
(評価基準)
A:定着温度が120℃未満
B:定着温度が120℃以上130℃未満
C:定着温度が130℃以上140℃未満
D:定着温度が140℃以上
上記装置を用い、低温低湿環境下(温度15℃、湿度10%RH)で印字率1%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、合計10000枚の画出しをした。
10000枚出力後にベタ白画像を出力し、以下の基準でカブリを評価した。
なお、測定は反射率計(リフレクトメーター モデル TC-6DS 東京電色社製)を用いて行い、画像形成後の白地部反射濃度の最悪値をDs、画像形成前の評価紙の反射平均濃度をDrとし、Dr-Dsをカブリ量としてカブリの評価を行った。
したがって、数値が小さいほどカブリが抑制されていることを示す。
(評価基準)
A:カブリ量が1.0未満
B:カブリ量が1.0以上2.0未満
C:カブリ量が2.0以上3.0未満
D:カブリ量が3.0以上4.0未満
E:カブリ量が4.0以上
トナーを充填したカートリッジを300回タッピングし、苛酷環境(温度40℃、湿度95%RH)に30日間静置した。その後、低温低湿環境下(温度15℃、湿度10%RH)に1日間静置した。
その後、印字率2%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、合計20000枚の画出しをした。
その後、電子写真感光体の表面にレーザー露光により600dpiの8dot縦及び横
線パターン潜像(静電潜像のライン幅が420μmである。)を1cm間隔で書いた画像をPET製OHP上に1枚プリンアウトし、尾引き画像とした。
プリントアウトしたライン画像のライン幅を測定した。尾引きの評価は得られた縦及び横線パターン画像を、(株)小坂研究所製の表面粗さ計(商品名:サーフコーダーSE-30H)を用い、縦及び横線ラインのトナーの乗り方を表面粗さのプロフィールとして得た。そして、このプロフィールの幅からそれぞれのライン幅を求め、縦/横ライン比を算出した。尾引きは静電潜像担持体の回転方向に沿って発生するため、横ラインの幅は、縦ラインと比較して尾引きの影響を受けやすく、ライン幅が太くなる。よって、通常、縦/横ライン比は1以下となり、値が1に近いほど、尾引きは抑制されていると考えられる。(評価基準)
A:縦/横ライン比が0.95以上1.00以下
B:縦/横ライン比が0.90以上0.95未満
C:縦/横ライン比が0.80以上0.90未満
D:縦/横ライン比が0.70以上0.80未満
E:縦/横ライン比が0.70未満
保存時の安定性を評価するために耐熱保存性の評価を実施した。
約5gのトナーを100mLのポリプロピレン製カップに入れ、温度50℃、湿度20%RH環境下で10日放置した後、トナーの凝集度を以下のようにして測定し、下記の基準にて評価を行った。
測定装置としては、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)の振動台側面部分に、デジタル表示式振動計「デジバイブロ MODEL 1332A」(昭和測器社製)を接続したものを用いた。
そして、パウダーテスターの振動台上に下から、目開き38μm(400メッシュ)の篩、目開き75μm(200メッシュ)の篩、目開き150μm(100メッシュ)の篩の順に重ねてセットした。測定は、温度23℃、湿度60%RH環境下で、以下の様にして行った。
(1)デジタル表示式振動計の変位の値を0.60mm(peak-to-peak)になるように振動台の振動幅を予め調整した。
(2)上記のように10日放置したトナーを、予め、温度23℃、湿度60%RH環境下において24時間放置し、そのうちトナー5gを精秤し、最上段の目開き150μmの篩上に静かにのせた。
(3)篩を15秒間振動させた後、各篩上に残ったトナーの質量を測定して、下式にもとづき凝集度を算出した。評価結果を表9に示す。
凝集度(%)={(目開き150μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100
+{(目開き75μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.6
+{(目開き38μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.2
評価基準は下記の通り。
A:凝集度が20%未満
B:凝集度が20%以上25%未満
C:凝集度が25%以上30%未満
D:凝集度が30%以上
Claims (19)
- 結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子を有する磁性トナーであって、
該結着樹脂が、
第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、及び、
該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニット
を有する重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
該重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
該重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であり、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm3)0.5とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm3)0.5としたとき、下記式(1)を満足し、
該磁性体の吸油量が、5ml/100g~40ml/100gであることを特徴とする磁性トナー。
3.00≦(SP21-SP11)≦25.00 (1) - 結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子を有する磁性トナーであって、
該結着樹脂が、
第一の重合性単量体、及び、
該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体
を含有する組成物の重合体である重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
該組成物中の該第一の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
該組成物中の該第二の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モ
ル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であり、
該第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm3)0.5とし、該第二の重合性単量体のSP値をSP22(J/cm3)0.5としたとき、下記式(2)を満足し、
該磁性体の吸油量が、5ml/100g~40ml/100gであることを特徴とする磁性トナー。
0.60≦(SP22-SP12)≦15.00 (2) - 前記重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、前記重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、40.0モル%~95.0モル%である、請求項1に記載の磁性トナー。
- 前記組成物中の前記第二の重合性単量体の含有割合が、前記組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、40.0モル%~95.0モル%である、請求項2に記載の磁性トナー。
- 前記結着樹脂中の前記重合体Aの含有量が、50.0質量%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の磁性トナー。
- 前記第二の重合性単量体が、下記式(A)及び(B)からなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1~5のいずれか一項に記載の磁性トナー。
(式(A)中、Xは単結合又は炭素数1~6のアルキレン基を示し、
R1は、ニトリル基(-C≡N)、
アミド基(-C(=O)NHR10、該R10は水素原子、若しくは炭素数1~4のアルキル基)、
ヒドロキシ基、
-COOR11(該R11は炭素数1~6のアルキル基、若しくは炭素数1~6のヒドロキシアルキル基)、
ウレア基(-NH-C(=O)-N(R13)2、該R13はそれぞれ独立して、水素原子、若しくは炭素数1~6のアルキル基)、
-COO(CH2)2NHCOOR14(該R14は炭素数1~4のアルキル基)、又は
-COO(CH2)2-NH-C(=O)-N(R15)2(該R15はそれぞれ独立して、水素原子、若しくは炭素数1~6のアルキル基)
を示し、
R3は、水素原子又はメチル基を示す。)
(式(B)中、R2は、炭素数1~4のアルキル基を示し、
R3は、式(A)におけるR3と同義である。) - 前記重合体Aが、前記第一の重合性単量体、及び第二の重合性単量体とは異なる第三の重合性単量体に由来する第三のモノマーユニットをさらに含有し、前記第三のモノマーユニットがスチレン、メタクリル酸メチル、及びアクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つの重合性単量体に由来するモノマーユニットである、請求項1~6のいずれか一項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性体の個数平均粒径が、50nm~400nmである、請求項1~7のいずれか一項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性体のBET比表面積が、5m2/g~25m2/gである、請求項1~8のいずれか一項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性体の吸油量が、10ml/100g~35ml/100gである、請求項1~9のいずれか一項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性トナーの交流インピーダンス測定により得られる体積抵抗率が、1.0×1011Ω・cm以上である、請求項1~10のいずれか一項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性体の含有量が、前記結着樹脂100質量部に対して、30質量部~100質量部である、請求項1~11のいずれか一項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性体は、磁性体コア粒子と該磁性体コア粒子表面の被覆層とを有し、
該被覆層が、ケイ素原子及びアルミニウム原子を含有し、
前記磁性体表面のX線光電子分光分析を用いた測定において、下記式(3)及び(4)を満たす、請求項1~12のいずれか一項に記載の磁性トナー。
0.10≦dSi/dFe≦4.00 式(3)
0.03≦dAl/dFe≦2.00 式(4)
(式3及び式4中、dSiはケイ素原子のatomic%を示し、dAlはアルミニウム原子のatomic%を示し、dFeは鉄原子のatomic%を示す。) - 前記磁性体の形状が八面体である、請求項1~13のいずれか一項に記載の磁性トナー。
- 前記結着樹脂が、前記重合体Aとは異なる重合体Bをさらに含有し、該重合体BのSP値をSP(B)としたとき、
下記式(5)及び(6)を満足する、請求項1~14のいずれか一項に記載の磁性トナー。
0 (J/cm3)0.5 ≦SP21-SP(B)≦4.0 (J/cm3)0.
5 (5)
SP11≦SP(B)≦SP21 (6) - 前記重合体Bの酸価が、0.1mgKOH/g~25.0mgKOH/gである、請求項15に記載の磁性トナー。
- 前記重合体Aがビニル重合体である、請求項1~16のいずれか一項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性トナーが溶融混練トナーである、請求項1~17のいずれか一項に記載の磁性トナー。
- 請求項1~18のいずれか一項に記載の磁性トナーの製造方法であって、
前記結着樹脂及び前記磁性体を含有する混合物を溶融混練して混練物を得る工程、及び、
該混練物を粉砕して粉砕物を得る工程を含む、
磁性トナーの製造方法。
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