JP2003255621A - トナー及び該トナーを用いる画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

トナー及び該トナーを用いる画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2003255621A JP2002058188A JP2002058188A JP2003255621A JP 2003255621 A JP2003255621 A JP 2003255621A JP 2002058188 A JP2002058188 A JP 2002058188A JP 2002058188 A JP2002058188 A JP 2002058188A JP 2003255621 A JP2003255621 A JP 2003255621A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境変動によらず、画像濃度が高く、カブリ
が少なく、かつ安定した画像が得られるトナー、及び該
トナーを用いる画像形成方法、画像形成装置及びプロセ
スカートリッジを提供する。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂、着色剤、及びスル
ホアルキルアクリル酸系共重合体を含有するトナー粒子
と無機微粉体とを有し、平均円形度が0.960以上で
あり、スルホアルキルアクリル酸系共重合体は、一般式
(1)又は一般式(2)で表されるスルホアルキルアク
リル酸系単量体と、これと共重合可能な他のビニル系単
量体との共重合体であり、この共重合体の単量体組成比
率は、スルホアルキルアクリル酸系単量体が0.1〜2
0質量%であり、他のビニル系単量体が80〜99.9
質量%であるトナーを画像形成方法に使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法、トナージェット法のごとき画像形
成方法に用いられるトナー、及び該トナーを用いる画像
形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により静電荷像担持体(以下、「感光体」ともい
う)上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで
現像して可視像とし、必要に応じて紙等の転写材にトナ
ー像を転写した後、熱・圧力等により転写材上にトナー
画像を定着して複写物を得るものである。
【0003】このような画像形成方法では、主にトナー
粒子からなる一成分トナーと、トナー粒子及びキャリア
粒子からなる二成分トナーとが用いられる。カラー画像
の形成では、二成分トナーが好適に用いられているが、
近年では、高画質化、現像装置や画像形成装置本体の小
型化等の観点から、一成分トナーの利用が図られてい
る。
【0004】トナーは、摩擦によって帯電させて現像に
用いることが一般的であり、トナーの摩擦帯電を制御す
るには適度な導電性や流動状態が通常必要とされる。ト
ナーの帯電制御に関しては、トナー材料や現像条件等に
よる様々な方法が従来より考案されており、例えば荷電
制御剤が知られている。
【0005】荷電制御剤については、数多くの提案がさ
れてきており、従来よりクロム、鉄等の重金属を中心金
属とする金属錯体が主に検討されてきたが、環境への配
慮や、より安定した帯電性の要求、製造コスト等の理由
や、色等のトナーの用途に係る理由から、近年になって
荷電制御機能を有する樹脂をトナー原材料として用いる
という提案も盛んに行われている。
【0006】荷電制御機能を有する樹脂をトナー原材料
として用いるトナーとしては、例えば特開平8−179
564号公報に開示されているように、スルホアルキル
(メタ)アクリル酸1〜30質量%と、これと共重合可
能な他のビニル系単量体99〜70質量%との荷電制御
機能を有する共重合体を、結着樹脂100質量部に対し
て0.1〜10質量部含有するトナーが知られている。
このトナーは、高温、高湿環境下においても帯電量の減
衰を抑制しようとするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−17956
4号公報に記載のトナーは、帯電量の安定性や環境安定
性には優れているが、転写性が十分ではない。また上記
トナーを一成分トナーや一成分磁性トナーに適用したと
きに、例えば低温低湿環境下においてチャージアップに
よる画像濃度の低下やカブリの増大が見られる場合があ
り、さらなる高画質化の達成には検討の余地が残されて
いる。
【0008】本発明の目的は、環境変動によらず、画像
濃度が高く、カブリが少なく、かつ安定した画像が得ら
れるトナー、及び該トナーを用いる画像形成方法、画像
形成装置及びプロセスカートリッジを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のトナーは、少な
くとも結着樹脂、着色剤、及びスルホアルキルアクリル
酸系共重合体を含有するトナー粒子と無機微粉体とを有
するトナーにおいて、トナーの平均円形度が0.960
以上であり、スルホアルキルアクリル酸系共重合体は、
下記一般式(1)で表されるスルホアルキルアクリル酸
系単量体及び下記一般式(2)で表されるスルホアルキ
ルアクリル酸系単量体の少なくともいずれかと、これと
共重合可能な他のビニル系単量体との共重合体であり、
この共重合体の単量体組成比率は、スルホアルキルアク
リル酸系単量体が0.1〜20質量%であり、他のビニ
ル系単量体が80〜99.9質量%である。
【0010】
【化3】
【化4】
【0011】また本発明は、帯電部材に電圧を印加して
像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電した像担持体に
静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、像担持体に対
向して設けられるトナー担持体にトナーを担持し、像担
持体に形成された静電潜像にトナー担持体からトナーを
転移させてトナー像を形成する現像工程と、像担持体上
に形成されたトナー像を転写材に転写する転写工程と、
を含む画像形成方法において、前述したトナーを用いる
画像形成方法である。
【0012】また本発明は、導電性基体及び感光層を有
する像担持体と、電圧の印加によって像担持体を帯電さ
せる帯電部材を有する帯電手段と、帯電した像担持体に
静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、像担持体に対
向して配置されトナーを担持するトナー担持体を有しト
ナー担持体に担持されたトナーを像担持体に形成された
静電潜像に転移させてトナー像を形成する現像手段と、
トナー像を像担持体から転写材に転写させる転写手段
と、を有する画像形成装置において、前述したトナーが
用いられる画像形成装置であり、また像担持体と現像手
段とを少なくとも有し、これらを一体的にかつ画像形成
装置本体に対して着脱自在に支持して構成されるプロセ
スカートリッジにおいて、前述したトナーが用いられる
プロセスカートリッジである。
【0013】
【発明の実施の形態】<1>本発明のトナー 本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び
スルホアルキルアクリル酸系共重合体を含有するトナー
粒子と無機微粉体とを有し、平均円形度が0.960以
上である。本発明に用いられるトナー粒子において、前
記スルホアルキルアクリル酸系共重合体は、下記一般式
(1)で表されるスルホアルキルアクリル酸系単量体及
び下記一般式(2)で表されるスルホアルキルアクリル
酸系単量体の少なくともいずれかと、これと共重合可能
な他のビニル系単量体との共重合体であり、この共重合
体中の単量体組成比率は、スルホアルキルアクリル酸系
単量体が0.1〜20質量%であり、他のビニル系単量
体が80〜99.9質量%である。
【0014】
【化5】
【化6】
【0015】本発明のトナーは、前記スルホアルキルア
クリル酸系共重合体を特定量含有することから、トナー
の荷電を適度に制御し、従来より問題となっていた多数
枚のプリントアウトを行った際や、環境変動による画質
の変化を抑制することができる。
【0016】また本発明のトナーは、平均円形度が規定
されていることから、トナーの転写性をより向上させる
ことができ、環境変動によらず良好で、しかも安定した
画像濃度やカブリの少ない高画質の画像を安定して形成
することができる。またトナーの流動性をより向上させ
ることができ、トナーの摩擦帯電にトナーの流動を積極
的に利用でき、より少ない配合量の荷電制御剤でも効果
的にトナーの帯電性を改善することができる。
【0017】前記スルホアルキルアクリル酸系共重合体
は、スルホアルキルアクリル酸系単量体0.1〜20質
量%と、これと共重合可能な他のビニル系単量体80〜
99.9質量%とを共重合したものであるが、スルホア
ルキルアクリル酸系単量体の比率が0.1質量%よりも
少ないと良好な帯電性とはならず、結果として画像濃度
が低くカブリの多いものとなることがあり、20質量%
よりも多いと、環境変動により画像濃度の変化が大きく
なることがある。本発明のトナーを重合法により製造す
る場合では、前記スルホアルキルアクリル酸系単量体の
比率は0.1〜15質量%の範囲が好ましく、さらに好
ましくは0.2〜10質量%であり、15質量%を超え
ると粒度分布が広くなる場合がある。
【0018】本発明におけるスルホアルキルアクリル酸
系単量体は、少なくとも前記一般式(1)又は(2)で
表される化合物であり、より具体的にはスルホアルキル
アクリル酸、その誘導体、及びこれらの塩である。本発
明においてスルホアルキルアクリル酸系単量体は、市販
品や合成品等、公知の手法によって得られるものが用い
られる。
【0019】スルホアルキルアクリル酸系単量体と共重
合可能な他のビニル系単量体は特に限定されないが、一
例を挙げれば、スチレン及びその誘導体;アクリル酸エ
チル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−オク
チル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘ
キシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロ
ルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル
類;メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピ
ル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル
等のメタクリル酸エステル類;(メタ)アクリロニトリ
ル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等の単量体か
ら任意に選択される。
【0020】前記一般式(1)及び一般式(2)におい
て、R2は置換基を有していても良い二価の炭化水素基
であれば特に限定されない。R2が有していても良い置
換基としては、例えば水酸基等、ヘテロ原子を有する置
換基が挙げられ、二価の炭化水素基としては、飽和炭化
水素基、不飽和炭化水素基、鎖状の炭化水素基、及び環
状の炭化水素基のいずれであっても良く、例えばアルキ
レン基やアリーレン基等が挙げられ、この中でもアルキ
レン基であることが好ましい。
【0021】また前記スルホアルキルアクリル酸系共重
合体は、前記一般式(1)及び前記一般式(2)のR2
がC24又はC36であると、例えばスチレン等の他の
ビニル系単量体とスルホアルキルアクリル酸系単量体と
の共重合体が、より均一なランダム共重合体となり、画
像濃度の向上やカブリの抑制の観点からより一層良好と
なる。
【0022】また前記スルホアルキルアクリル酸系共重
合体は、スルホアルキルアクリル酸系単量体と、スチレ
ンと、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの
少なくともいずれかとを単量体とし、共重合体の単量体
組成におけるスルホアルキルアクリル酸系単量体の質量
部をM1、スチレンの質量部をM2、アクリル酸エステ
ル及びメタクリル酸エステルの質量部をM3としたとき
に、M1:(M2+M3)は0.1:99.9〜20:
80であり、(M1+M2):M3は70:30〜9
5:5であることがさらに好ましい。
【0023】ここで、M1と(M2+M3)の質量比率
において、M1の質量比率が0.1よりも少ないと、前
述したように良好な帯電性とはならず、結果として画像
濃度が低く、カブリの多いものとなることがあり、逆に
20よりも多いと、環境変動により画像濃度の変化が大
きくなることがある。また、本発明のトナーを重合法に
より製造する場合には、M1の質量比率は0.1〜15
の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.2〜10であ
り、15を超えると粒度分布が広くなる場合がある。
【0024】また、(M1+M2)とM3の質量比率に
おいて、M3の質量比率が5〜30であると、スルホア
ルキルアクリル酸系単量体、スチレン及び(メタ)アク
リル酸エステルが重合時に均一なランダム共重合をしや
すく、また適度な分子量とすることが容易であり、帯電
サイトであるスルホアルキルアクリル酸系単量体単位が
分子中で均一な分布となることから、迅速かつ安定した
帯電性能を有するトナーが得られやすい。
【0025】さらに、特定量のコモノマーM2及びM3
を導入することにより、本発明で使用されるスルホアル
キルアクリル酸系共重合体と、トナーの原材料である結
着樹脂との相溶性が向上し、トナー粒子内、トナー粒子
間での該共重合体の分布がより均一となり、カブリの少
ないトナーが得られやすい。また、特定量のコモノマー
M2及びM3の導入によりトナー粒子中のワックスとの
相溶性が向上し、低温定着性に優れたトナーが得られや
すい。
【0026】本発明のトナーに含有されるスルホアルキ
ルアクリル酸系共重合体のガラス転移温度は40〜10
0℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは50〜80℃
である。ガラス転移温度が40〜100℃の範囲である
と、優れた低温定着性と帯電安定性が発現する。ガラス
転移温度が40℃未満であると、帯電性が不足すると共
に、例えば感光ドラムへのトナーの融着等が見られる場
合があり、100℃を超えると低温定着が困難となる場
合がある。スルホアルキルアクリル酸系共重合体のガラ
ス転移温度は、後述するワックスの示差熱分析による吸
熱ピークと同様に測定することができる。
【0027】また前記スルホアルキルアクリル酸系共重
合体の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1
〜20質量部であることが好ましく、さらに好ましくは
0.2〜10質量部である。該共重合体の含有量が0.
1質量部よりも少ないと、帯電量が低くなる傾向があ
り、画像濃度が低く、カブリの多いものとなる場合があ
り、逆に20質量部よりも多いと、環境変動により画像
濃度の変化が大きくなる場合がある。また、本発明のト
ナーを重合法により製造する場合には、前記スルホアル
キルアクリル酸系共重合体の含有量は0.1〜15質量
部の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.2〜10質
量部であり、15質量部を超えると粒度分布が広くなる
場合がある。
【0028】また前記スルホアルキルアクリル酸系共重
合体のテトラヒドロフラン(THF)に可溶な成分のゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
り算出したピーク分子量は、2000〜50000の範
囲であることが好ましい。ピーク分子量が2000より
も小さいと帯電の立ち上がりが遅くなることがあり、5
0000よりも大きいと低温定着性に問題が生じる場合
がある。
【0029】尚、GPCによるTHFに可溶な成分の分
子量は、例えば以下に示す方法で測定することができ
る。
【0030】スルホアルキルアクリル酸系共重合体をT
HFに室温で24時間静置し、溶解した溶液をポア径が
0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルターで濾過して
サンプル溶液とし、以下の条件で測定する。尚、サンプ
ル調製は、スルホアルキルアクリル酸系共重合体の濃度
が0.4〜0.6質量%になるようにTHFの量を調整
する。 装置 : 高速GPC HLC8120 GPC(東ソ
ー社製) カラム: Shodex KF−801、802、80
3、804、805、806、807の7連(昭和電工
社製) 溶離液: テトラヒドロフラン 流速 : 1.0ml/min オーブン温度: 40.0℃ 試料注入量 : 0.10ml
【0031】また、試料の分子量の算出に当たっては、
標準ポリスチレン樹脂(東ソー社製TSK スタンダー
ド ポリスチレン F−850、F−450、F−28
8、F−128、F−80、F−40、F−20、F−
10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2
500、A−1000、A−500)により作成した分
子量校正曲線を使用する。
【0032】前記スルホアルキルアクリル酸系共重合体
は、前述した単量体を公知の方法で重合することによっ
て得られる。スルホアルキルアクリル酸系共重合体を製
造するに際して用いることのできる重合開始剤として
は、例えば過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤
等、様々なものが使用でき、一種又は二種以上を用いる
ことができる。
【0033】使用できる過酸化物系重合開始剤として
は、有機系としては、パーオキシエステル、パーオキシ
ジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、パーオキ
シケタール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキ
サイド、ジアシルパーオキサイドが挙げられ、無機系と
しては、過硫酸塩、過酸化水素等が挙げられる。
【0034】具体的には、t−ブチルパーオキシアセテ
ート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパ
ーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレー
ト、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキ
シルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシラ
ウレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘ
キシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘ
キシルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオ
キシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、α,α‘−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジ
イソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエ
ート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラ
メチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロ
ヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエー
ト、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキ
サノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−
1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネ
ート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネ
ート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノ
カーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、
2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイル
ベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタ
レート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t
−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノ
エート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオ
イルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル;ベ
ンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、
イソブチリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイ
ド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス
(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボ
ネート等のパーオキシジカーボネート;1,1−ジ−t
−ブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−
ヘキシルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−
ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン等のパ
ーオキシケタール;ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイ
ド等のジアルキルパーオキサイド;その他としてt−ブ
チルパーオキシアリルモノカーボネート等が挙げられ
る。
【0035】また、使用できるアゾ系重合開始剤として
は、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,
1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等
が例示される。
【0036】前記重合開始剤の使用量は、単量体100
質量部に対し0.1〜20質量部であることが好まし
く、この範囲で用いると得られるスルホアルキルアクリ
ル酸系共重合体のTHFに可溶な成分のGPCにより算
出したピーク分子量を2000〜50000とすること
ができる。
【0037】また、その重合法としては、溶液重合、懸
濁重合、乳化重合、分散重合、沈殿重合、塊状重合等い
ずれの方法を用いることも可能であり、特に限定するも
のではないが、メタノール、イソプロパノール、ブタノ
ール等の低級アルコールを含む有機溶剤中で、単量体混
合物を共重合させる溶液重合法を採用するのが特に好ま
しい。
【0038】本発明に用いられる結着樹脂は、従来公知
の材料から任意に選択されるが、例えば、スチレン−ア
クリル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が
挙げられる。
【0039】上記結着樹脂のガラス転移点温度(Tg)
は、50〜70℃であることが好ましい。50℃よりも
低いとトナーの保存性が低下することがあり、70℃よ
りも高いと定着性に劣ることがある。結着樹脂のガラス
転移温度(Tg)は、後述するワックスの示差熱分析に
よる吸熱ピークと同様に測定することができる。
【0040】前記結着樹脂を構成する重合性単量体とし
ては、例えばスチレン、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−オク
チル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘ
キシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロ
ルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル
類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸−n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メ
タクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、
メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類;ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミ
ド、酢酸ビニル等のその他の単量体;から任意に選択さ
れる。
【0041】重合性単量体の重合によって結着樹脂を得
る場合では、先に例示したような種々の重合開始剤を用
いることができ、例えばこれらの中から選ばれる一種又
は二種以上を用いることができる。重合性単量体の重合
で使用される重合開始剤は、重合性単量体100質量部
に対し0.5〜20質量部であることが、分子量1万〜
5万の間に極大を有する重合体を得、トナーに望ましい
強度と適当な溶融特性を与える上で好ましい。
【0042】また重合性単量体の重合によって結着樹脂
を得る場合では、架橋剤を添加しても良い。架橋剤の好
ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対
して0.001〜5質量部である。
【0043】ここで架橋剤としては、主として二個以上
の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような
芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二
重結合を二個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホン等のジビニル化合物;及び三個以上のビニル
基を有する化合物;が単独若しくは混合物として用いら
れる。
【0044】本発明のトナーに用いられる着色剤は、公
知の着色剤がトナーの種類に応じて用いられ、例えば磁
性トナーであれば磁性粉体が用いられ、非磁性トナーで
あれば染料や顔料等の着色剤が用いられる。なお本発明
では、形成される最終画像の外観に悪影響を与えない範
囲で、非磁性用の着色剤と磁性粉体との両方を用いても
良い。
【0045】前記非磁性用の着色剤としては、例えばニ
グロシン染料及び顔料、カーボンブラック等の他、以下
に示すシアン着色剤、マゼンタ着色剤及びイエロー着色
剤が挙げられる。
【0046】シアン着色剤としては、銅フタロシアニン
化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染
料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.
ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、
15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に
利用できる。
【0047】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、
アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代
表される化合物等が用いられる。具体的には、C.I.
ピグメントイエロー12、13、14、15、17、6
2、74、83、93、94、95、109、110、
111、128、129、147、168、180等が
好適に用いられる。
【0048】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キ
ナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール
化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合
物、ペリレン化合物等が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8;2、48;3、48;4、57;1、81;1、1
44、146、166、169、177、184、18
5、202、206、220、221、254が特に好
ましい。
【0049】これらの着色剤は、単独で用いてもよく、
複数種を併用して用いてもよい。また、前記非磁性用の
着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して1〜
20質量部を用いることが好ましい。1質量部よりも少
ないと着色力が不足することがあり、20質量部よりも
多いと定着性が悪化することがある。またこれらの着色
剤は、後述する磁性粉体と同様に、表面が疎水化処理さ
れたものを用いても良い。
【0050】前記磁性粉体は、本発明のトナーを磁性ト
ナーとするためにトナー粒子に含有させるが、通常は黒
色の着色剤としても利用することができる。磁性粉体と
しては、例えばマグネタイト、マグヘマタイト、フェラ
イト等の磁性酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケル等の金
属;或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、
銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリ
ウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、
セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属と
の合金;及びこれらの混合物等が挙げられる。より具体
的にはこれらの中でも、リン、コバルト、ニッケル、
銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素等
の元素を含んでもよい四三酸化鉄、γ−酸化鉄等の磁性
酸化鉄を主成分とするものが挙げられ、これらの一種又
は二種以上が用いられる。
【0051】磁性粉体は、モース硬度が5〜7のものが
好ましい。また磁性粉体の形状としては、8面体、6面
体、球形、針状、燐片状等があるが、8面体、6面体、
球形等の異方性の少ないものが画像濃度を高める上で好
ましい。こういった磁性粉体の形状はSEM(走査電子
顕微鏡)等によって確認することができる。
【0052】また磁性粉体の磁気特性としては、磁場7
95.8kA/m下で飽和磁化が10〜200Am2
kg、残留磁化が1〜100Am2/kg、抗磁力が1
〜30kA/mであるものが好ましい。磁性粉体の磁気
特性は、例えば振動型磁力計VSMP−1−10(東英
工業社製)を用いて測定することができ、具体的な測定
条件としては、外部磁場796kA/m、25℃が挙げ
られる。
【0053】また磁性粉体の体積平均粒径としては0.
01〜1.0μmが好ましく、さらに好ましくは0.0
5〜0.5μmである。磁性粉体の体積平均粒径が0.
01μm未満の場合、黒色度の低下が顕著となり、白黒
用トナーの着色剤としては着色力が不十分となる上に、
磁性粉体の凝集が強くなるため、分散性が悪化すること
がある。一方、体積平均粒径が1.0μmを越えてしま
うと、一般の着色剤と同様に着色力が不足することがあ
る。加えて、特に小粒径トナー用の着色剤として使用す
る場合、個々のトナー粒子に同個数の磁性粉体を分散さ
せることが確率的に困難となり、分散性が悪化しやす
い。
【0054】なお、磁性粉体の体積平均粒径は、透過型
電子顕微鏡(TEM)を用いて測定することができる。
具体的な測定方法としては、測定するトナーの粉体サン
プルを透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、視野中の
100個の磁性粉体径を測定して、体積平均粒径を求め
る方法が挙げられる。
【0055】前述のTEMによるより具体的な観察方法
としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中に観察すべき粒
子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日
間硬化させ得られた硬化物を、ダイヤモンド歯を備えた
ミクロトームにより薄片状のサンプルとして観察する方
法が挙げられる。
【0056】本発明に用いられる磁性粉体は、結着樹脂
100質量部に対して10〜200質量部を用いること
が好ましく、さらに好ましくは20〜180質量部であ
る。10質量部未満ではトナーの着色力が乏しく、カブ
リの抑制も困難であることがある。一方、200質量部
を越えると、トナー担持体への磁力による保持力が強ま
り現像性が低下したり、個々のトナー粒子において磁性
粉体の均一な分散が難しくなるだけでなく、定着性が低
下してしまうことがある。
【0057】本発明のトナーを後述する懸濁重合法等の
重合法により製造する場合には、磁性粉体は、その粒子
表面が予め疎水化処理されていることが好ましい。磁性
粉体の疎水化処理では、磁性粉体を一次粒径となるよう
分散しつつ水系媒体中でカップリング剤を加水分解する
方法を用いると、磁性粉体の表面が均一かつ適度に疎水
化処理されるため特に好ましい。
【0058】この疎水化処理方法は、気相中で乾式処理
する方法よりも磁性粉体同士の合一が生じにくく、また
疎水化処理による磁性粉体間の帯電反発作用が働き、磁
性粉体をほぼ一次粒子の状態で表面処理することができ
る。また上記疎水化処理方法は、クロロシラン類やシラ
ザン類のようにガスを発生するようなカップリング剤を
使用する必要もなく、さらに、これまで気相中では磁性
粉体同士が合一しやすくて良好な処理が困難であった高
粘性のカップリング剤も使用できるようになり、疎水化
の効果は絶大である。
【0059】前記カップリング剤としては、例えば、シ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げら
れる。より好ましく用いられるのはシランカップリング
剤であり、下記一般式(1)で表されるものである。
【0060】
【化7】RmSiYn (1) [式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を
示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メ
タクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1〜3の整数
を示す。ただしm+n=4である。]
【0061】上記一般式(1)で示されるシランカップ
リング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチル
メトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルト
リメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラ
ン等が挙げられる。
【0062】特に、シランカップリング剤としては下記
一般式(2)で表されるアルキルトリアルコキシシラン
カップリング剤が、水系媒体中で磁性粉体を疎水化処理
する上でより好ましい。
【0063】
【化8】 Cp2p+1−Si−(OCq2q+13 (2) [式中、pは2〜20の整数を示し、qは1〜3の整数
を示す。]
【0064】上記式におけるpが2より小さいと疎水化
処理は容易となるが、疎水性を十分に付与することが困
難であり、トナー粒子からの磁性粉体の露出を抑制する
のが難しくなる。また、pが20より大きいと疎水性は
十分になるが、磁性粉体同士の合一が多くなり、トナー
中へ磁性粉体を十分に分散させることが困難になり、カ
ブリや転写性が悪化することがある。
【0065】また、qが3より大きいとシランカップリ
ング剤の反応性が低下して疎水化が十分に行われにくく
なる。特に、式中のpが3〜15の整数を示し、qが1
又は2の整数を示すアルキルトリアルコキシシランカッ
プリング剤を使用することがより好ましい。
【0066】磁性粉体の表面疎水化処理における前記シ
ランカップリング剤の使用量は、磁性粉体100質量部
に対して0.05〜20質量部が好ましく、0.1〜1
0質量部がより好ましい。
【0067】前記磁性粉体の疎水化処理における水系媒
体とは、水を主要成分としている媒体でであり、水系媒
体として具体的には水そのもの、水に少量の界面活性剤
を添加したもの、水にpH調整剤を添加したもの、水に
有機溶剤を添加したもの等が挙げられる。
【0068】前記界面活性剤としては、ポリビニルアル
コールの如きノンイオン系界面活性剤が好ましい。前記
界面活性剤は、水100質量部に対して0.1〜5質量
部添加するのが良い。前記pH調整剤としては、塩酸の
如き無機酸が挙げられる。前記有機溶剤としてはメタノ
ール等が挙げられ、水に対して0〜500%添加するこ
とができる。
【0069】磁性粉体の水系媒体中での表面疎水化処理
では、磁性粉体が水系媒体中で一次粒子になるように十
分に攪拌されることが好ましく、例えば撹拌羽根を有す
る混合機等の、一般的な攪拌機を用いることができる。
【0070】こうして得られる表面処理された磁性粉体
は、粒子の凝集が見られず、個々の粒子表面が均一に疎
水化処理されているため、重合トナー用の材料として用
いた場合、トナー粒子中への分散性が非常に良好であ
る。しかもこのような磁性粉体を用いると、トナー粒子
表面からの磁性粉体の露出がほとんどなく、ほぼ球形に
近い重合トナーを得ることができる。
【0071】本発明に用いられるトナー粒子は、前述し
た材料以外にも種々の材料を含有するものであっても良
く、このような他の材料としては、例えばワックス、荷
電制御剤、樹脂化合物等が挙げられる。
【0072】前記ワックスとしては種々のワックスを用
いることができ、例えばパラフィンワックス、マイクロ
クリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワッ
クス及びその誘導体モンタンワックス及びその誘導体フ
ィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びそ
の誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワ
ックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリ
ラワックス等天然ワックス及びその誘導体等が挙げられ
る。前記誘導体には、酸化物やビニル系モノマーとのブ
ロック共重合物、グラフト変性物が含まれる。前記ワッ
クスとしては、さらに、高級脂肪族アルコール、ステア
リン酸、パルミチン酸等の脂肪酸及びその誘導体、酸ア
ミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ
油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス等
が挙げられる。
【0073】前記ワックスは、結着樹脂100質量部に
対して0.5〜50質量部含まれることが好ましい。含
有量が0.5質量部未満では低温オフセット抑制効果が
十分でなく、50質量部を超えてしまうと長期間の保存
性が悪化すると共に他のトナー材料の分散性が悪くな
り、トナーの流動性の悪化や画像特性の低下につながる
ことがある。
【0074】また前記ワックスは、示差走査熱量計によ
り測定されるDSC曲線において、昇温時に現れる吸熱
ピークが40〜110℃の範囲にあることが、トナーの
定着性と耐オフセット性とを両立させる上で好ましく、
45〜90℃の範囲にあることがより好ましい。
【0075】本発明において前記吸熱ピーク温度は、
「ASTM D 3418−8」に準じて測定すること
ができ、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用い
て測定することができる。この装置を用いる場合では、
装置検出部の温度補正にはインジウムと亜鉛の融点を用
い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用い、
測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用い、対照用
に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を
行うことが好ましい。また上記測定装置によって、トナ
ーや、結着樹脂等のトナー材料の前記吸熱ピーク温度や
ガラス転移温度(Tg)を測定することもできる。
【0076】前記荷電制御剤としては、公知のものが利
用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量
を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、
トナーを直接重合法を用いて製造する場合には、重合阻
害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない
荷電制御剤が特に好ましい。
【0077】具体的な化合物として、ネガ系荷電制御剤
としては、例えばサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジ
アルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如
き芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料あるいはア
ゾ顔料の金属塩又は金属錯体、スルホン酸又はカルボン
酸基を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素
化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が挙げら
れる。
【0078】ポジ系荷電制御剤としては、例えば四級ア
ンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高
分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合
物、イミダゾール化合物等が挙げられる。
【0079】前記荷電制御剤の使用量としては、結着樹
脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー
製造方法によって決定されるもので、一義的に限定され
るものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に
対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5
質量部の範囲で用いられる。
【0080】前記樹脂化合物は、公知の樹脂化合物から
適宜選択することができ、適当な樹脂化合物を用いるこ
とにより、トナー粒子の物性や形状等を適切に制御する
ことができる。
【0081】このような樹脂化合物としては、例えばポ
リスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその
置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、ス
チレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナ
フタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−
アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オク
チル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合
体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレ
ン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−ビニル
メチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエー
テル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプ
レン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレ
ン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合
体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレ
ート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリビニルブチラール、シリコン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル
酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノー
ル樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油
樹脂等が挙げられ、これらの中の一種又は二種以上を用
いることができる。
【0082】例えば前記樹脂化合物として、結着樹脂の
分子量範囲とは異なる分子量の樹脂化合物を用い、これ
を重合性単量体中に溶解して重合すれば、分子量分布の
広い、耐オフセット性の高いトナーを得ることができ
る。
【0083】また、例えば前記樹脂化合物として、重合
法によるトナーの製造において、重合性単量体よりも極
性の高い樹脂化合物を用い、これを重合性単量体中に溶
解して重合すれば、この樹脂化合物が表面に偏在するト
ナー粒子が得られ、後述する平均円形度やB/A、及び
D/Cとの関係等のトナー物性においてより優れたトナ
ーを得ることができる。
【0084】前記樹脂化合物の添加量としては、樹脂化
合物の用途等によっても異なるが、重合性単量体100
質量部に対し1〜20質量部が好ましい。1質量部未満
では添加効果が小さく、20質量部以上添加するとトナ
ーの種々の物性設計が難しくなることがある。
【0085】本発明のトナーの平均円形度は0.960
以上であり、さらに好ましくは0.970以上である。
平均円形度とは、下記式(II)で示されるように、下記
式(I)で求められる円形度の総和を測定粒子数で除し
た値であり、トナー粒子表面の凹凸の度合いを表し、ト
ナー粒子の形状が完全な球形の場合は1.000を示
し、トナーの表面形状が複雑になるほど平均円形度は小
さな値となる。
【0086】
【数1】
【数2】
【0087】平均円形度が0.960以上のトナーは転
写性に優れている。平均円形度が0.960以上である
と、トナー粒子が真球状に近づき、トナー粒子と感光体
との接触面積が小さくなり、鏡像力やファンデルワール
ス力等に起因するトナー粒子の感光体への付着力が低下
することにより、トナーの転写性が向上するものと考え
られる。
【0088】さらに、平均円形度が0.960以上であ
ると、本発明のトナーを磁性トナーに適用した場合に、
トナーが非常に細く密な穂をトナー担持体上に形成する
ため、トナーが迅速にかつ適度な帯電性を有しやすく、
良好な濃度で、カブリの少ない画像が長期にわたり得ら
れる。これらの観点から平均円形度が0.970以上で
あることが好ましい。
【0089】また本発明のトナーは、モード円形度が
0.99以上であることがより好ましい。モード円形度
とは、円形度の任意の範囲を分割し、これらの区分の中
で最も測定頻度が高い円形度であり、例えば円形度0.
40から1.00までを、0.400以上0.410未
満、0.410以上0.420未満、・・・・・・0.990
以上1.000未満及び1.000の如く0.01毎に
61分割し、測定した各粒子の円形度をそれぞれ各分割
範囲に割り振り、円形度頻度分布において頻度値が最大
となるピークの円形度が好適に用いられる。モード円形
度が0.99以上であると、トナー粒子の多くが真球に
近い形状を有することを意味しており、転写性がより一
層向上する。なお平均円形度及びモード円形度は、後述
するトナーの製造方法によって調整することができる。
【0090】前記平均円形度及びモード円形度は、トナ
ー粒子の撮影と撮影された画像の解析が可能であれば測
定することが可能であり、好ましい測定装置としては、
例えば東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置「FPI
A−1000」が挙げられる。
【0091】この測定装置を用いる測定方法としては、
例えば界面活性剤約0.1mgを溶解している水10m
lに、トナー約5mgを分散させて分散液を調製し、超
音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、
分散液濃度を5000〜2万個/μlとして、前記装置
により測定を行い、3μm以上の円相当径の粒子群の平
均円形度及びモード円形度を求める方法が挙げられる。
【0092】なお前記測定装置「FPIA−1000」
では、各粒子の円形度を測定し、円形度0.40〜1.
00を61分割したクラスに分け、各クラスの中心値と
頻度を用いて平均円形度を算出して算出時間の短縮や演
算の簡略化を図っているが、このような算出法で算出さ
れる値は、前述した式(II)から得られる値と実質的に
同じである。本発明では、適度なクラス分けを行うこと
で簡略化された算出法を適用することができる。
【0093】また前記測定例では、円相当径が3μm以
上のトナー粒子群についてのみ円形度を測定している
が、これは、3μm未満の円相当径の粒子群にはトナー
粒子とは独立して存在する、無機粉体等の外部添加剤の
粒子群も多数含まれ、その影響によりトナー粒子群につ
いての円形度が正確に測定できないことを防止するため
である。このように平均円形度等の測定では、トナー粒
子以外に添加される粒子状材料の粒径や、トナー粒子が
有効に作用する粒径範囲に応じて測定範囲を適宜設定す
ることが好ましい。
【0094】本発明のトナーは、示差走査熱量計により
測定されるDSC曲線において、昇温時における40〜
110℃の範囲に吸熱ピークを有することが好ましく、
45〜90℃の範囲に吸熱ピークを有することがより好
ましい。40〜110℃の範囲に吸熱ピークを有するよ
うにトナーを設計すると、高解像性と耐オフセット性を
両立させつつ感光体の削れを防止することが可能とな
る。
【0095】トナーの前記吸熱ピークが40℃よりも小
さいと耐保存安定性や帯電性に問題が生じる場合があ
り、該吸熱ピークが110℃よりも大きいと、紙等の転
写材を使用した場合に、トナー粒子が紙の繊維の隙間に
入り込み、定着装置における熱の受け取りが不十分とな
り、低温オフセットを発生することがあり、また感光体
の削れを防止することが困難となる場合がある。
【0096】示差走査熱量計により測定されるトナーの
DSC曲線において、昇温時における吸熱ピークを40
〜110℃の範囲に発現させる方法としては様々な方法
があるが、例えばトナーを製造する際に、前記ワックス
を材料の一部として使用する方法が挙げられる。
【0097】本発明のトナーは、THFに可溶な樹脂成
分のGPCにより算出したピーク分子量が2000〜5
0000の範囲であることが好ましい。前記ピーク分子
量が2000より小さいと帯電性に問題が生じる場合が
あり、50000よりも大きいと低温定着の実現が困難
となることがある。尚、ピーク分子量の測定方法は前記
したスルホアルキルアクリル酸系共重合体の分子量の測
定方法と同様である。
【0098】また、本発明のトナーは、THF不溶分
(三次元化してTHFに不溶となった結着樹脂成分)の
含有量については、特に制限されないが、結着樹脂を基
準として通常0〜50質量%、好ましくは2〜40質量
%、さらに好ましくは5〜35質量%の範囲である。T
HF不溶分は、結着樹脂のTHF不溶分であり、これが
多いと耐高温オフセット性に効果を発揮するが、低温定
着性を悪化させる弊害も大きく、50質量%を超えてし
まうと低温定着性に問題が出る場合が多い。
【0099】THF不溶分は次の条件で測定される。結
着樹脂又はトナーを秤量し、円筒ろ紙(例えばNo.8
6Rサイズ28×10mm 東洋ろ紙社製)に入れてソ
ックスレー抽出器にかける。溶媒としてTHF200m
lを用いて6時間抽出する。このとき、THFの抽出サ
イクルが約4〜5分に一回になるような還流速度で抽出
を行う。抽出終了後、円筒ろ紙を取り出し、秤量するこ
とによって不溶分を求める。トナー粒子が、顔料や磁性
粉体の如き樹脂成分以外のTHF不溶分を含有している
場合、円筒ろ紙に入れたトナーの質量をW1(g)と
し、抽出されたTHF可溶樹脂成分の質量をW2(g)
とし、トナーに含まれている樹脂成分以外のTHF不溶
成分の質量をW3(g)とすると、トナー粒子中の樹脂
成分のTHF不溶分の含有量は、下記式から求められ
る。なおW2は、抽出液からTHFを留去させた残分の
質量の測定や、処方中のTHF可溶成分の算出などによ
って求めることができる。
【数3】
【0100】本発明のトナーは、体積平均粒径が3〜1
0μmであることが好ましく、4〜8μmであることが
より好ましい。トナーの体積平均粒径が上記範囲である
と、さらなる高画質化のため、より微小な潜像ドットを
忠実に現像することができる。
【0101】体積平均粒径が3μm未満であると、転写
効率の低下から感光体上の転写残トナーが多くなり、感
光体の削れやトナー融着の抑制が難しくなる。さらに、
トナー全体の表面積が増えることに加え、粉体としての
流動性及び攪拌性が低下することからカブリや転写性が
悪化しやすく、削れや融着以外にも画像の不均一ムラの
原因となることがある。また体積平均粒径が10μmを
越える場合には、文字やライン画像に飛び散りが生じや
すく、高解像度が得られにくい。さらに高解像度の装置
に適用すると、8μm以上のトナーは1ドットの再現が
悪化する傾向にある。より安定した帯電性と現像性を維
持するためには、トナーの体積平均粒径が4μm以上8
μm以下であることが好ましい。
【0102】本発明のトナーは、個数分布における変動
係数が35%以下であることが好ましい。変動係数が3
5%を超えると、感光体表面、トナー層厚規制部材等へ
の融着が起きやすく、画像欠陥を生じることがある。
尚、トナー粒子の個数分布における変動係数S1は下式
(III)から算出される。
【0103】
【数4】 変動係数S1=(S/D1)×100 (III) (式中、Sはトナー粒子の個数分布における標準偏差値
を示し、D1は個数分布から求めた個数基準の個数平均
粒径(μm)を示す。)
【0104】本発明のトナーの体積平均粒径、個数平均
粒径及び粒度分布は、例えばコールターカウンターTA
−II型やコールターマルチサイザー(コールター社
製)等種々の装置を用いて測定することができる。例え
ばコールターマルチサイザー(コールター社製)を用
い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス
(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピュータ
(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを
用いて調整された1%NaCl水溶液を電解液として使
用する。電解液としては、例えばISOTON R−I
I(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を
使用しても良い。
【0105】このような測定装置を用いる測定方法とし
ては、例えば前記電解水溶液100〜150ml中に分
散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンス
ルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2
〜20mg加え、これを超音波分散器で約1〜3分間分
散処理し、アパーチャーとして100μmアパーチャー
を用い、2μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定し
て体積分布と個数分布とを算出する測定方法が挙げられ
る。
【0106】得られた測定結果から本発明に係わるとこ
ろの体積分布から求めた体積基準の体積平均粒径(D
4:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とす
る)、個数分布から求めた個数基準の個数平均粒径(D
1)と個数変動係数(S1)を求めることができる。後
述する本実施例においても、同様に測定できる。なお前
記体積平均粒径や変動係数は、トナーの製造方法やトナ
ー粒子の分級によって調整することが可能である。
【0107】本発明のトナーを磁性トナーに適用する場
合では、トナー粒子表面には磁性粉体が実質的に露出し
ていない状態であることが好ましい。トナー表面に磁性
粉体が露出した状態であると、露出した磁性粉体が電荷
のリークサイトとなり、トナー粒子の安定した帯電性が
得られず、また露出した磁性粉体による、画像形成装置
の部材の摩耗や削れも生じやすい。
【0108】このような観点から本発明のトナーは、ト
ナー粒子の表面に存在する炭素元素の存在量をAとし、
トナー粒子の表面に存在する鉄元素の存在量をBとした
ときに、B/Aが0.001以上であることが好まし
い。B/Aが0.001未満であると、磁性粉体がトナ
ー粒子表面に実質的にほとんど露出しておらず、感光体
の削れを著しく低減させることが可能となる。無論、接
触転写工程を組み合わせた画像形成方法においてもその
効果は絶大であり、非常に高精細な画像を長期に渡って
得ることが可能である。さらにはB/Aを0.0005
未満とすれば、高画質及び耐久安定性が格段に向上する
ことからより好ましい。なお、B/Aはトナーの製造方
法や使用する材料によって調整することが可能である。
【0109】トナー粒子表面の炭素元素及び鉄元素の含
有量は、トナー粒子の表面組成分析によって求めること
ができる。このような分析方法としては、例えばESC
A(X線光電子分光分析)によるトナー粒子表面の組成
分析が挙げられる。
【0110】前記ESCAの装置としては、例えばPH
I社製 1600S型 X線光電子分光装置が挙げら
れ、測定条件としては、例えばX線源にMgKα(40
0W)を用い、分光領域を800μmφとする測定条件
が挙げられる。なおこの分析装置を用いる場合では、P
HI社提供の相対感度因子を用い、測定された各元素の
ピーク強度から表面原子濃度を算出する。各元素のピー
クトップ範囲は以下の通りである。 C :283〜293eV Fe:706〜730eV
【0111】またESCAでは、トナー粒子表面に付着
している無機微粉体を除去して測定を行う。具体的に
は、イソプロピルアルコール等のトナー粒子が溶解しな
い溶媒中にトナーを入れて超音波洗浄し、トナー粒子と
無機微粉体を溶媒中で分離した後、磁石等を用いながら
デカンテーションを繰り返し行って、上澄み液と共に無
機微粉体を除去し、残ったトナー粒子を乾燥し、ESC
Aの測定を行う。後述する本実施例においても、同様に
測定できる。
【0112】また、本発明のトナーを磁性トナーに適用
する場合では、本発明のトナーは、磁場79.6kA/
m(1000エルステッド)における磁化の強さが10
〜50Am2/kg(emu/g)であることが好まし
い。磁性トナーは、現像装置内に磁石等の磁気力発生手
段を設けることでトナーの漏れを防止でき、トナーの搬
送性或いは攪拌性を高められる。また、トナー担持体上
に磁力が作用するように磁気力発生手段を設けること
で、磁性トナーが穂立ちを形成するためにトナーの飛散
を防止することが容易となる。
【0113】トナーの磁場79.6kA/mにおける磁
化の強さが10Am2/kg未満であると、トナー担持
体上に磁力を作用させてもトナーの穂立ちが不安定とな
り、トナーへの帯電付与が均一に行えないことによるカ
ブリ、画像濃度ムラ等の画像不良を生じる易くなる。磁
性トナーの磁場79.6kA/mにおける磁化の強さが
50Am2/kgよりも大きいと、トナーに磁力を作用
させると磁気凝集によりトナーの流動性が著しく低下
し、転写性が低下することで転写残トナーが増加した
り、トナー粒子に含有させる磁性粉体量が多いために、
定着性が低下する場合がある。
【0114】本発明において磁場79.6kA/mにお
ける磁化の強さを規定する理由は、磁性トナーに作用す
る磁場は市販されている多くの画像形成装置において数
十から百数十kA/mであり、画像形成装置内で実際に
磁性トナーに作用する磁場の、代表的な値として磁場7
9.6kA/m(1000エルステッド)を選択したこ
とによる。なおトナーの磁化の強さは、前記磁性粉体の
磁化の強さと同様に測定することができ、また磁性粉体
の種類や添加量によって調整することが可能である。
【0115】また、本発明のトナーを磁性トナーに適用
する場合では、トナー粒子の投影面積相当径をCとし、
トナー粒子の断面観察で測定されるトナー粒子表面と磁
性粉体との距離の最小値をDとしたとき、D/C≦0.
02の関係を満足するトナー粒子が50個数%以上であ
ることが、トナーのチャージアップを抑制する上で好ま
しく、65%以上がより好ましく、75%以上がさらに
好ましい。
【0116】D/C≦0.02の関係を満たすトナー粒
子数が50%未満の場合には、過半数のトナー粒子にお
いて、少なくともD/C=0.02境界線よりも外側に
は磁性粉体が全く存在しないことになる。この場合、仮
にトナー粒子を球形として想定すると、一つのトナー粒
子を全空間とした場合に、磁性粉体が存在しない空間は
トナー粒子の表面側に少なくとも11.5%は存在する
ことになる。実際には、最近接位置に磁性粉体が均一に
整列してトナー粒子内部に内壁を作るように存在するわ
けではないので12%以上になることは明らかである。
【0117】このような、トナー粒子表面近傍に磁性粉
体が存在しないトナー粒子から構成される磁性トナーに
おいては、磁性粉体が完全に覆われてしまうため摩擦帯
電量の適度な緩和がおこらず、したがって低湿環境下に
おいては帯電量が過剰となりやすいため、いわゆるチャ
ージアップによる画像濃度低下やカブリ抑制の悪化が起
こりやすい。
【0118】前記D/Cの測定方法としては、常温硬化
性のエポキシ樹脂中へ観察すべき粒子を十分に分散させ
た後に温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた
硬化物をそのまま、あるいは凍結して、ダイヤモンド歯
を備えたミクロトームにより薄片状のサンプルとして観
察する方法が好ましく、この観察には透過型電子顕微鏡
(TEM)を用いることができる。
【0119】TEMによるD/Cの測定では、例えば顕
微鏡写真での断面積から円相当径を求め、その値が数平
均粒径の±10%の幅に含まれるものを該当粒子とし、
その該当粒子について、磁性粉体表面とトナー粒子表面
との距離の最小値(D)を計測し、D/Cを計算する。
こうして計算されたD/C値が0.02以下の粒子の割
合を下記式(IV)により求める。このときの顕微鏡写真
は、精度の高い測定を行うために1万〜2万倍の倍率の
ものが好適である。
【0120】
【数5】
【0121】より具体的には、透過型電子顕微鏡(日立
製H−600型)を装置として用い、加速電圧100k
Vで観察し、拡大倍率が1万倍の顕微鏡写真を用いて観
察・測定する。後述する実施例においても同様に測定で
きる。
【0122】本発明で、D/C≦0.02の関係を満た
すトナー粒子数を50%以上とするには、磁性粉体中に
含まれる粒径0.03〜0.1μmの範囲の粒子や0.
3μm以上の粒径の粒子の比率を小さくしたり、磁性粉
体の表面処理剤の種類や処理の均一性を制御すること等
が挙げられる。
【0123】本発明のトナーは、前述した懸濁重合法に
より直接トナー粒子を製造する方法、単量体は溶解する
がその樹脂は溶解しない溶媒中で、分散安定剤の存在下
で単量体の重合を行う分散重合法により球形のトナー粒
子を得る方法、乳化重合の後に微細な粒子を凝集させ、
熱により会合させて球形のトナー粒子を得る方法、粉砕
法により製造したトナー粒子を熱により球形化する方
法、トナー原料の溶融混合物あるいは溶液を空気中に噴
霧して球形のトナー粒子を製造する方法等、様々な方法
によって製造することができる。
【0124】これらのトナー粒子の製造方法のうち、分
散重合法は、球形のトナー粒子が容易に得られ、得られ
るトナー粒子は極めてシャープな粒度分布を示すが、使
用する材料の選択の幅が狭いことや、有機溶剤を利用す
ることから、廃溶剤の処理や溶剤の引火性に関する観点
から製造装置が複雑で煩雑化しやすい。また乳化・会合
法は、会合工程における制御が必ずしも容易でなく、所
望の粒度分布や平均円形度とすることが困難な場合があ
る。さらに、粉砕トナーの平滑化及び球形化処理による
製造方法では、球形化処理に多大なコストが生じたり、
処置工程によりトナー性能の低下が生じる場合がある。
また、噴霧による方法は球形のトナー粒子が容易に得ら
れるものの、得られたトナー粒子の粒度分布が広くなり
やすい。
【0125】一方、懸濁重合法によりトナー粒子を製造
する方法は、トナー粒子の平均円形度やモード円形度の
制御が非常に容易であり、トナーの平均円形度を0.9
70以上、かつモード円形度を0.99以上とすること
ができ、特に好ましい製造方法である。
【0126】また、本発明のトナーに磁性酸化鉄粒子を
含有させ磁性トナーとする場合には、均一に表面が疎水
化処理された磁性酸化鉄粒子をトナー原料として用いれ
ば、トナー粒子表面に実質的に磁性酸化鉄粒子が露出し
ていない、磁性酸化鉄粒子がトナー粒子内部に適度に内
包化されたトナーを得やすいため、トナーと接触する部
材、例えば感光ドラムや定着ローラ、定着フィルム等の
削れや磨耗が抑制されるという点でも、懸濁重合法は特
に有利な製造方法である。
【0127】また本発明のトナーを懸濁重合法により製
造する場合では、極性が比較的高いスルホアルキルアク
リル酸系共重合体をトナー粒子表面に均一に存在させや
すく、かつ各トナー粒子間におけるスルホアルキルアク
リル酸系共重合体の含有量も一定に制御しやすいことか
ら、トナー粒子一個一個が非常に均一な帯電性を有し、
耐久を通じて、かつ環境変動によらず画像濃度、カブ
リ、及び転写性が安定して、長期間にわたって高品位な
画像を得る上で好ましい。
【0128】また、本発明のトナーを磁性トナーに適用
する場合では、結着樹脂よりも極性の高い樹脂化合物を
重合性単量体に溶解して重合を行えば、樹脂化合物がト
ナー粒子表面近傍に偏在し、良好な表面状態のトナー粒
子を得やすいため、前記B/AやD/Cをより一層好適
な範囲に制御する上で、懸濁重合法は特に有利な製造方
法であり、例えばB/Aを0.0005未満とすれば、
トナーの現像性及び耐久安定性を格段に向上させること
ができる。
【0129】本発明のトナーを懸濁重合法で製造する場
合では、前記スルホアルキルアクリル酸系共重合体、重
合性単量体、着色剤、必要に応じて架橋剤やワックス等
の他の添加剤を均一に溶解又は分散せしめて重合性単量
体組成物とし、分散安定剤を含有する水系媒体(例えば
水相)中に前記重合性単量体組成物を、適当な撹拌機を
用いて分散し、例えば重合開始剤を用いて重合反応を行
い、所望の粒径を有するトナー粒子を得る。
【0130】懸濁重合法では、重合性単量体組成物を水
系媒体中で懸濁重合することにより、直接的に、かつ個
々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っているトナー粒子
が得られる。
【0131】前記懸濁重合法では、水系媒体中における
重合性単量体組成物の分散に高速撹拌機若しくは超音波
分散機のような高速分散機を用いることが好ましい。こ
のような懸濁手段を用い、懸濁による液滴粒子の大きさ
を一気に所望のトナー粒子のサイズすることができ、所
望の粒径で粒度分布のシャープなトナー粒子を得る上で
好ましい。
【0132】また前記懸濁重合法では、重合性単量体の
重合に重合開始剤を使用することが好ましいが、重合開
始剤は重合前の任意の時期に系内に投入することがで
き、例えば重合性単量体中に他の添加剤を添加すると同
時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合
しても良いし、造粒直後、重合反応を開始する前に重合
性単量体あるいは溶媒に溶解して加えても良い。造粒後
は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され、かつ
粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行えば良
い。
【0133】また前記懸濁重合法で使用される分散安定
剤としては、公知の界面活性剤や有機・無機分散剤が使
用でき、中でも無機分散剤は、画像欠陥の原因となり得
る超微粒子の生成が抑制され、反応温度を変化させても
分散安定性が良好であり、洗浄も容易でトナーに悪影響
を与え難いので、好ましく使用できる。
【0134】こうした無機分散剤の例としては、リン酸
カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウ
ム、リン酸亜鉛等のリン酸多価金属塩、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタケイ酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化
カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、シリカ、ベントナイト、アルミナ等の無機酸化物が
挙げられる。
【0135】これらの無機分散剤は、重合性単量体10
0質量部に対して、0.2〜20質量部を使用すること
が望ましい。また、これらの無機分散剤と併用して0.
0001〜0.1質量部の界面活性剤を用いてもよい。
【0136】界面活性剤としては、例えばドデシルベン
ゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペ
ンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、
オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられ
る。
【0137】上記無機分散剤を用いる場合には、市販の
ものをそのまま使用しても良いが、水系媒体中にて該無
機分散剤の微粒子を生成させ、これを分散安定剤として
用いることもできる。例えば、リン酸カルシウムの場
合、高速撹拌下、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシ
ウム水溶液とを混合して、水不溶性のリン酸カルシウム
微粒子を生成させることができ、これを用いることによ
り、体積平均粒径が3〜10μmの範囲で、粒度分布が
シャープなトナー粒子が得られ易い。
【0138】この時、同時に水溶性の塩化ナトリウム塩
が副生するが、水系媒体中に水溶性塩が存在すると、重
合性単量体の水への溶解が抑制されて、画像欠陥の原因
ともなり得るサブミクロンサイズの超微粒子が発生し難
くなるので、より好都合である。
【0139】また、分散安定剤を用いた場合には、トナ
ー製造後にこの分散剤を除去することが望ましく、分散
剤がトナー表面に残存していると帯電性、特に環境安定
性に大きな問題が生じる場合が多いので、できる限り除
去を行うことが好ましい。
【0140】例えば、リン酸三カルシウムを分散剤とし
て用いた場合には、該分散剤が酸性で水に溶解する性質
を利用して、重合が終了した懸濁液に酸を添加すること
によりリン酸三カルシウムを溶解し、その後濾過、水洗
を繰り返すことにより、リン酸三カルシウムをほぼ完全
に除去することが可能である。リン酸三カルシウムを溶
解する際には、トナー粒子の懸濁している水系媒体のp
Hを4未満、より好ましくは2未満とすることで短時間
にリン酸三カルシウムの除去が可能である。尚、この際
に使用できる酸としては、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げら
れる。
【0141】前記懸濁重合法では、重合温度は40℃以
上、一般には50〜120℃の温度で重合が行われる。
この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられるべきワ
ックス類が相分離により析出して内包化がより完全とな
ることから好ましい。
【0142】前記懸濁重合法では、重合終了後、公知の
方法によって濾過、洗浄、乾燥を行うことによりトナー
粒子が得られ、例えばこれに無機微粉体を混合し表面に
付着させることで、一成分トナーを得ることができる。
なお、二成分トナーを製造する場合では、前記一成分ト
ナー又はトナー粒子にキャリア粒子を混合すれば良い。
【0143】また、製造過程に分級工程を入れ、粗粉や
微粉をカットし、所望の粒径及びシャープな粒度分布を
有するトナー粒子を得ることもできる。
【0144】本発明のトナーは、前述したトナー粒子と
無機微粉体とを有する。無機微粉体は、トナーの流動性
改良及び帯電均一化等のためにトナー粒子に添加、混合
され、添加された無機微粉体はトナー粒子の表面に均一
に付着した状態で存在する。
【0145】本発明における無機微粉体は、個数平均一
次粒径が4〜80nmであることが好ましい。無機微粉
体の個数平均一次粒径が80nmよりも大きい場合、或
いは80nm以下の無機微粉体が添加されていない場合
には、良好なトナーの流動性が得られず、トナー粒子へ
の帯電付与が不均一になり易く、カブリの増大、画像濃
度の低下、トナー飛散等の問題を避けられないことがあ
る。無機微粉体の個数平均一次粒径が4nmよりも小さ
い場合には、無機微粉体の凝集性が強まり、一次粒子で
はなく解砕処理によっても解れ難い強固な凝集性を持
つ、粒度分布の広い凝集体として挙動し易く、凝集体の
現像、像担持体或いは現像担持体等を傷つける等による
画像欠陥を生じ易くなる。トナー粒子の帯電分布をより
均一とするためには、無機微粉体の個数平均一次粒径は
6〜35nmであることがより好ましい。
【0146】本発明において、無機微粉体の個数平均一
次粒径は、例えば走査型電子顕微鏡により拡大撮影した
トナーの写真で、さらに走査型電子顕微鏡に付属させた
XMA等の元素分析手段によって無機微粉体の含有する
元素でマッピングされたトナーの写真を撮影し、トナー
粒子表面に付着或いは遊離して存在している無機微粉体
の一次粒子を100個以上測定し、個数平均径を求める
ことで得られる。
【0147】また、本発明で用いられる無機微粉体は、
BET法で測定した窒素吸着により比表面積が20〜3
00m2/gの範囲のものが好ましい。比表面積はBE
T法に従って、比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅
アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着
させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することに
より得ることができる。後述する本実施例においても、
同様に測定できる。
【0148】本発明で用いられる無機微粉体としては、
シリカ、酸化チタン、及びアルミナ、から選ばれる少な
くとも一種の無機微粉体又はその複酸化物等が使用でき
る。シリカの複酸化物としては、例えば、ケイ酸微粉体
が挙げられる。
【0149】ケイ酸微粉体としては、ケイ素ハロゲン化
物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒ
ュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等
から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能で
ある。表面及びケイ酸微粉体の内部にあるシラノール基
が少なく、またNa2O、SO3 2-等の製造残滓の少ない
乾式シリカの方が好ましい。また、乾式シリカにおいて
は、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化
チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合
物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物
の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含す
る。
【0150】無機微粉体の添加量は、トナー粒子100
質量部に対して0.1〜5.0質量部であることが好ま
しい。添加量が0.1質量部未満ではその効果が十分で
はなく、5.0質量部以上では定着性が悪くなることが
ある。
【0151】本発明における無機微粉体は、トナーの流
動性改良及びトナー粒子の帯電均一化のために添加され
るが、トナーに添加された無機微粉体が吸湿すると、ト
ナー粒子の帯電量が著しく低下し、トナー飛散が起こり
易くなることから、無機微粉体を疎水化処理すること
が、トナーの帯電量の調整、環境安定性の向上等の観点
からより好ましい。
【0152】無機微粉体を疎水化処理する疎水化処理剤
としては、例えばシリコーンワニス、各種変性シリコー
ンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイ
ル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機
ケイ素化合物、有機チタン化合物の如き処理剤が挙げら
れ、これらの中の一種又は二種以上を用いることができ
る。
【0153】前記無機微粉体は、シリコーンオイルによ
り処理されたものが好ましい。疎水化処理に用いられる
シリコーンオイルとしては、25℃における粘度が10
〜200,000mm2/sのものが、さらには3,0
00〜80,000mm2/sのものが好ましい。10
mm2/s未満では、無機微粉体に安定性がなく、熱及
び機械的な応力により画質が劣化することがある。20
0,000mm2/sを超える場合は、均一な処理が困
難になることがある。
【0154】このようなシリコーンオイルとしては、例
えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコ
ーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイ
ル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリ
コーンオイル等が特に好ましいものとして挙げられる。
【0155】シリコーンオイルによる無機微粉体の疎水
化処理方法としては、例えば無機微粉体とシリコーンオ
イルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混
合する方法や、噴霧機等を用いて無機微粉体にシリコー
ンオイルを噴霧する方法や、適当な溶剤にシリコーンオ
イルを溶解あるいは分散せしめた後、無機微粉体を加え
混合し、溶剤を除去する方法等、種々の方法が挙げられ
るが、無機微粉体の凝集体の生成が比較的少ない点で、
噴霧機を用いる方法がより好ましい。
【0156】シリコーンオイルの処理量は、無機微粉体
100質量部に対し、1〜23質量部、好ましくは5〜
20質量部が良い。シリコーンオイルの量が少なすぎる
と良好な疎水性が得られないことがあり、多すぎるとカ
ブリ発生等の不具合が生ずることがある。
【0157】また前記無機微粉体は、少なくともシラン
化合物で処理され、この処理と同時又はその後にシリコ
ーンオイルで疎水化処理されていることが、高湿環境下
でもトナー粒子の帯電量を高く維持し、トナー飛散を防
止する上でより好ましい。無機微粉体を処理するための
上記シラン化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシ
ラザン等の有機ケイ素化合物等が挙げられる。
【0158】前記シラン化合物による疎水化処理方法と
しては、無機微粉体の存在下でシリル化反応を行い、シ
ラノール基を化学結合により消失させて疎水化処理する
方法が挙げられる。シリコーンオイルによる疎水化処理
方法は前述した通りである。シラン化合物のシリル化反
応は、シリコーンオイルの存在下で行っても良く、この
ような処理方法によれば、シリコーンオイルによる疎水
化処理とシラン化合物による疎水化処理とを同時に行う
ことができる。またこのような処理方法によれば、シリ
コーンオイル単独での疎水化処理に比べてさらに疎水性
を高めることができる。
【0159】また、本発明のトナーには、クリーニング
性向上等の目的で、一次粒径30nmを超える(好まし
くは比表面積が50m2/g未満)、より好ましくは一
次粒径50nm以上(好ましくは比表面積が30m2
g未満)の球形に近い無機微粒子又は有機微粒子をさら
に外添しても良い。このような微粒子として具体的に
は、例えば、球状シリカ粒子、球状ポリメチルシルセス
キオキサン粒子、球状樹脂粒子等が好ましく用いられ
る。
【0160】また、本発明のトナーには、実質的な悪影
響を与えない範囲内でさらに他の添加剤、例えばポリテ
トラフルオロエチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポ
リフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末、あるいは酸化
セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウ
ム粉末等の研磨剤、あるいは例えば酸化チタン粉末、酸
化アルミニウム粉末等の流動性付与剤、ケーキング防止
剤、また、逆極性の有機微粒子や無機微粒子を現像性向
上剤として少量用いることもできる。これらの添加剤も
表面を疎水化処理して用いることも可能である。
【0161】また、本発明のトナーを二成分トナーに適
用する場合では、トナー粒子と混合されるキャリア粒子
には、磁性体粒子、樹脂被覆磁性体粒子、磁性体分散型
樹脂キャリア等の公知のキャリア粒子を用いることがで
きる。
【0162】<2>本発明の画像形成方法 本発明の画像形成方法は、帯電部材に電圧を印加して像
担持体を帯電させる帯電工程と、帯電した像担持体に静
電潜像を形成する静電潜像形成工程と、像担持体に対向
して設けられるトナー担持体にトナーを担持し、像担持
体に形成された静電潜像にトナー担持体からトナーを転
移させてトナー像を形成する現像工程と、像担持体上に
形成されたトナー像を転写材に転写する転写工程と、を
含む画像形成方法において、前述した本発明のトナーを
用いることを特徴とする。
【0163】前記画像形成方法によれば、環境変動によ
らず、画像濃度が高く、カブリが少なく、かつ安定した
画像を得ることができる。本発明の画像形成方法は、本
発明のトナーを用いること以外に特に限定されるもので
はなく、従来より知られている、種々の好適な工程を採
用することができる。
【0164】前記帯電工程は、コロナ放電を用いた帯電
装置を使用する帯電工程の如き非接触の帯電工程でも構
わないが、像担持体に接触して配置される帯電部材に電
圧を印加して像担持体を帯電させる工程であることが好
ましい。このような帯電工程によれば、省力化やオゾン
等の放電生成物の発生を防止することができ、環境面の
観点から好ましい。
【0165】前記帯電部材としては、導電性と弾性(又
は可撓性)を有する部材が用いられ、本発明では例えば
帯電ローラや、帯電ブレードや導電性ブラシ等が挙げら
れる。これらの接触帯電部材を使用することにより、像
担持体の帯電に高電圧が不要になったり、オゾンの発生
が低減するといった効果が発現する。
【0166】導電性及び弾性を有し、帯電部材を構成す
る材料としては導電性ゴムが好ましい。導電性ゴムは、
ゴム化合物が導電性を有するものであっても良いし、ゴ
ム化合物にカーボンブラックや金属酸化物粒子等を分散
して導電性を付与したものであっても良い。また、帯電
部材の表面に離型性被膜を設けてもよい。離型性被膜と
しては、ナイロン系樹脂、PVdF(ポリフッ化ビニリ
デン)、PVdC(ポリ塩化ビニリデン)、フッ素アク
リル樹脂が適用可能である。
【0167】また、前記帯電工程は、像担持体に接触し
て配置される帯電部材の表面と像担持体の表面とが、接
触部において相対的に移動することが、帯電部材と像担
持体との接触部においてより高い接触性を得る上で好ま
しい。このような帯電工程は、例えば回転駆動自在に構
成された像担持体及び帯電部材を用い、回転方向及び回
転速度を調整することで実施される。
【0168】また、前記帯電工程は、前記帯電部材の表
面と像担持体の表面とが接触部において互いに逆方向に
移動していることが、相対的速度差をより高め、接触性
をより高める上で好ましい。
【0169】帯電部材を像担持体が回転駆動する場合で
は、接触部において帯電部材及び像担持体の表面の移動
方向を同じ方向とする順方向回転で相対的速度差をもた
せることも可能であるが、逆方向回転で相対的速度差を
得る方が回転数を小さくすることができ、装置の省力化
や帯電部材及び像担持体の長寿命化等の観点から好まし
い。
【0170】また、前記帯電工程は、像担持体に接触し
て配置される帯電部材に印加する帯電バイアスは直流電
圧のみでも良好な帯電性を得ることが可能であるが、直
流電圧に交流電圧(交番電圧)を重畳してもよく、例え
ば前記帯電部材に、直流電圧又は2×Vth(Vth:
直流電圧印加における放電開始電圧)(V)未満のピー
ク間電圧を有する交流電圧を直流電圧に重畳した電圧を
印加することが好ましい。直流電圧に印加される交流電
圧のピーク電圧が、2×Vth未満でないと、像担持体
上の電位が不安定になることがあり好ましくない。前記
交流電圧としては、Vth未満のピーク間電圧を有する
交流電圧であることが、実質的な放電現象を伴うことな
く像担持体を帯電させる上でより好ましい。
【0171】前記帯電工程において、前記像担持体に接
触して配置される帯電部材として好ましい帯電部材には
帯電ローラが挙げられるが、この帯電ローラは、アスカ
ーC硬度が50度以下であることが、像担持体との接触
性を十分に保つ上で好ましい。帯電ローラのアスカーC
硬度は、アスカーCゴム硬度計(高分子計器(株)製)
により測定することができ、導電性弾性部材の種類や厚
さによって調整することが可能である。
【0172】なお帯電ローラを用いるときの好ましいプ
ロセス条件としては、帯電ローラの当接圧が4.9〜4
90N/m(5〜500g/cm)で、直流電圧に交流
電圧を重畳したものを帯電バイアスとする場合は、交流
電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50〜5kH
z、直流電圧=±0.2〜±5kVが挙げられる。
【0173】また本発明の画像形成方法において、前記
静電潜像形成工程は、像露光により像担持体に静電潜像
を形成する工程であることが好ましい。像露光には、レ
ーザー光を用いることが好ましい。
【0174】また本発明の画像形成方法において、前記
現像工程は、像担持体とは離間して配置されるトナー担
持体に、像担持体とトナー担持体との間隙よりも小さい
厚さでトナーを担持し、像担持体に形成された静電潜像
にトナー担持体からトナーを転移させてトナー像を形成
する工程(以下、「非接触現像工程」ともいう)である
ことが、より高画質の画像を形成し、かつ像担持体の摩
耗を抑制する観点から好ましい。
【0175】前記非接触現像工程は、トナー担持体と像
担持体との離間距離が100〜1000μmであること
が好ましく、120〜500μmであることがより好ま
しい。離間距離が100μmよりも小さいと、離間距離
の振れに対する、トナーの現像特性の変化が大きくなる
ため、高画質の画像を安定して形成することが困難とな
ることがある。離間距離が1000μmよりも大きい
と、像担持体上の静電潜像に対するトナーの追従性が低
下するために、解像性の低下、画像濃度の低下等の画質
低下を招いてしまうことがある。
【0176】また、前記非接触現像工程は、5〜50g
/m2のトナー層をトナー担持体上に形成することが好
ましい。トナー担持体上のトナー量が5g/m2よりも
小さいと、十分な画像濃度が得られにくく、トナーの帯
電が過剰になることによるトナー層のムラを生じること
がある。トナー担持体上のトナー量が50g/m2より
も多くなると、トナー飛散を生じ易くなる。
【0177】前記トナー量の制御には、トナー担持体に
接触して配置されるトナー層厚規制部材を用いること
が、トナー担持体上のトナーを均一帯電させる上で好ま
しく、トナー層厚規制部材は弾性部材であることがより
好ましい。
【0178】また、非接触現像工程では、トナー担持体
表面と像担持体表面を移動させ、これらの移動には速度
差をもたせることが、トナー担持体側から像担持体側へ
トナー粒子を十分に供給することができ、良好な画像を
得る上で好ましい。
【0179】より具体的には、トナー担持体表面の移動
速度は像担持体表面の移動速度に対して0.7〜7.0
倍であることが好ましい。移動速度が0.7倍未満であ
ると、画像品質が悪いことがある。移動速度比が高まれ
ば高まるほど、現像部位に供給されるトナーの量は多
く、潜像に対しトナーの脱着頻度が多くなり、不要な部
分は掻き落とされ必要な部分には付与されるという繰り
返しにより、潜像に忠実な画像が得られる。なおトナー
担持体表面及び像担持体の表面の移動方向は、同方向で
あっても良いし逆方向であっても良い。
【0180】また、前記非接触現像工程は、トナー担持
体と像担持体の間に少なくとも交流電圧を印加して静電
潜像を現像する工程であり、これにより形成される交流
電界は、少なくともピークトゥーピークの電界強度が3
×106〜1×107V/mであり、周波数100〜50
00Hzであることが、静電潜像に応じたトナー像を忠
実に形成する上で好ましい。また、さらに直流バイアス
を重畳することも好ましい形態である。
【0181】また、本発明に使用されるトナー担持体の
表面粗度Ra(JIS中心線平均粗さ)は0.2〜3.
5μmの範囲にあることが好ましい。Raが0.2μm
未満ではトナー担持体上の帯電量が高くなり、現像性が
不十分となりやすい。また、Raが3.5μmを超える
と、トナー担持体上のトナーの積層にむらが生じ、画像
上で濃度のむらとなりやすい。表面粗度Raは0.5〜
3.0μmの範囲にあることがさらに好ましい。
【0182】トナー担持体の表面粗度Raは、JIS表
面粗さ「JIS B 0601」に基づき、表面粗さ測
定器(例えばサーフコーダSE−30H、株式会社小坂
研究所社製)を用いて測定される中心線平均粗さであ
る。具体的には、粗さ曲線からその中心線の方向に測定
長さaとして2.5mmの部分を抜き取り、この抜き取
り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線
をy=f(x)で表したとき、下記式(V)によって求
められる値をマイクロメートル(μm)で表したもので
ある。
【0183】
【数6】
【0184】上記範囲の表面粗度(Ra)を有するトナ
ー担持体としては、アルミニウム、ステンレススチール
等の金属又は合金で形成される導電性円筒が好ましく使
用される。十分な機械的強度及び導電性を有する樹脂組
成物で導電性円筒が形成されていても良く、導電性のゴ
ムローラを用いても良い。また、上記のような円筒状に
限らず、回転駆動する無端ベルトの形態をしても良い。
また、これらに被覆層として樹脂層を用いても良い。ト
ナー担持体の形態については、用いるトナーの種類等に
応じて適宜選択することが好ましい。
【0185】本発明におけるトナー担持体の表面粗度
(Ra)は、例えばトナー担持体の表層の研磨によって
調整することが可能である。即ち、トナー担持体表面の
研磨を粗く行えば、その表面粗さを大きくすることがで
き、表面の研磨を細かく行えば、その表面粗さを小さく
することができる。また、樹脂層が用いられる場合、該
樹脂層に後述する導電性微粒子等を添加し、その粒径や
添加量によっても表面粗さを調整できる。さらに、本発
明に係わるトナーは高い帯電能力を有するために、現像
に際してはトナーの総帯電量をコントロールすることが
好ましい。
【0186】また、トナー担持体の表面は導電性微粒子
や滑剤を分散した樹脂層で被覆されていることが好まし
い。トナー担持体表面を被覆する樹脂層に含有される導
電性微粒子としては、カーボンブラック、グラファイ
ト、導電性酸化亜鉛等の導電性金属酸化物及び金属複酸
化物を単独で若しくは二種類以上組み合わせて用いるの
が好ましい。この導電性微粒子や滑剤が分散される樹脂
としては、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ
素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂の如き公知
の樹脂が用いられる。特に熱硬化性樹脂又は光硬化性の
樹脂が好ましい。
【0187】また本発明の画像形成方法において、前記
転写工程は、像担持体に接触して配置される転写部材と
像担持体との間に転写材を導入し、像担持体と転写材と
が接触している状態で転写部材に電圧を印加して、像担
持体に形成されたトナー像を転写材に転写する工程であ
ることが、トナー像を忠実に転写材へ転写する上で好ま
しい。
【0188】前記転写部材の当接圧力としては線圧2.
9N/m(3g/cm)以上であることが好ましく、よ
り好ましくは19.6N/m(20g/cm)以上であ
る。当接圧力としての線圧が2.9N/m未満である
と、転写材の搬送ずれや転写不良の発生が起こりやすく
なるため好ましくない。
【0189】また前記転写部材としては、転写ローラあ
るいは転写ベルトを有する装置が使用される。転写ロー
ラの一例としては、少なくとも芯金と、例えばカーボン
等の導電材を分散させたウレタンやEPDM等の、体積
抵抗106〜1010Ωcm程度の弾性体からなる導電性
弾性層とから構成され、転写バイアス電源により転写バ
イアスが印加されるローラが挙げられる。
【0190】また本発明の画像形成方法では、転写材に
転写された未定着トナー像を転写材に定着させる定着工
程や、転写後に像担持体に残留する転写残トナーを除去
するクリーニング工程、又は帯電部材によって帯電した
転写残トナーをトナー担持体に回収する回収工程(現像
兼クリーニング工程)等の種々の工程を適宜採用するこ
とが可能である。
【0191】<3>本発明の画像形成装置 本発明の画像形成装置は、前述した画像形成方法を実現
することのできる装置であり、導電性基体及び感光層を
有する像担持体と、電圧の印加によって像担持体を帯電
させる帯電部材を有する帯電手段と、帯電した像担持体
に静電潜像を形成する潜像形成手段と、像担持体に対向
して配置されトナーを担持するトナー担持体を有しトナ
ー担持体に担持されたトナーを像担持体に形成された静
電潜像に転移させてトナー像を形成する現像手段と、ト
ナー像を像担持体から転写材に転写させる転写手段と、
を有し、前述した本発明のトナーを用いることを特徴と
する。
【0192】前記像担持体は、導電性基体と感光層とを
有する。像担持体の形態は特に限定されないが、繰り返
し作像する観点からドラム状又は無端ベルト状であるこ
とが好ましい。本発明に用いられる像担持体としては、
公知のものを用いることができ、例えばa−Se、Cd
S、ZnO2、OPC(有機感光体)、a−Si等の光
導電絶縁物質で感光層が形成されるものが挙げられる。
【0193】前記像担持体は、表面の水に対する接触角
が85度以上であることが、トナーの転写性及び感光体
の耐久性を一層向上させる上で好ましく、90度以上で
あることがより好ましい。前記表面の水に対する接触角
は、水の自由表面が感光体に接する場所において、液面
と感光体表面のなす角(液の内部にある角)であり、滴
下式の接触角計(例えば、協和界面科学(株)の接触角
計CA−X型)を用いて測定することができ、室温(約
21〜25℃)で測定することが好ましい。前記接触角
は、撥水性を有する材料で感光層を形成することや、少
なくとも撥水性を有する層を感光層上に形成することに
より調整することが可能である。
【0194】前記導電性基体としては、例えばアルミニ
ウム、ステンレスの如き金属、アルミニウム合金、酸化
インジウム−酸化錫合金による被膜層を有するプラスチ
ック、導電性粒子を含侵させた紙、プラスチック、導電
性ポリマーを有するプラスチックの円筒状シリンダー及
びフィルムが用いられる。
【0195】前記導電性基体上には、感光層が形成され
る。感光層は、光導電性を有する単層構造の感光層であ
っても良いし、光導電を実現するための種々の性質を有
する複数の層で構成される積層構造の感光層であっても
良い。以下に積層構造の好適な一例を示す。
【0196】前記像担持体には、導電性基体と感光層と
の接着性の向上、塗工性の改良、基体の保護、基体上の
欠陥の被覆、基体からの電荷注入性の改良、感光層の電
気的破壊に対する保護等を目的として下引き層を設けて
も良い。下引き層は、ポリビニルアルコール、ポリ−N
−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチル
セルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、エ
チレン−アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチラー
ル、フェノール樹脂、カゼイン、ポリアミド、共重合ナ
イロン、ニカワ、ゼラチン、ポリウレタン、酸化アルミ
ニウム等の材料によって形成される。下引き層の膜厚は
通常、0.1〜10μmであり、好ましくは0.1〜3
μm程度である。
【0197】また前記像担持体には、光照射を受けて電
荷を発生する電荷発生層を設けても良い。 電荷発生層
は、例えばアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジ
ゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、スクワ
リリウム色素、ピリリウム塩類、チオピリリウム塩類、
トリフェニルメタン系色素、セレン、非晶質シリコン等
の無機物質のような電荷発生物質を適当な結着樹脂に分
散し塗工するか、又は蒸着により形成される。前記結着
樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、
シリコン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げ
られ、このような広範囲な樹脂から任意に結着樹脂を選
択できる。電荷発生層中に含有される結着樹脂の量は、
電荷発生層全体に対して80質量%以下が好ましく、0
〜60質量%がさらに好ましい。また、電荷発生層の膜
厚は5μm以下が好ましく、特には0.05〜2μmが
好ましい。
【0198】また前記像担持体には、電界の存在下にお
いて電荷発生層で発生した電荷キャリアを受け取り、こ
れを輸送する電荷輸送層を設けても良い。電荷輸送層は
電荷輸送物質を必要に応じて結着樹脂と共に溶剤中に溶
解させ、塗工することによって形成される。電荷発生層
の膜厚は一般的には5〜40μmである。電荷輸送物質
としては、例えばビフェニレン、アントラセン、ピレ
ン、フェナントレン等の構造を有する多環芳香族化合
物、インドール、カルバゾール、オキサジアゾール、ピ
ラゾリン等の含窒素環式化合物、ヒドラゾン化合物、ス
チリル化合物、セレン、セレン−テルル、非晶質シリコ
ン、硫化カドニウム等が挙げられる。また、これら電荷
輸送物質を分散させる結着樹脂としては、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステ
ル、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂
等の樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニル
アントラセン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられ
る。
【0199】また前記像担持体には、表面層としてさら
に別途保護層を設けてもよい。保護層の樹脂としては、
ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、及びこれらの樹脂とその硬
化剤、の一種又は二種以上を用いることができる。
【0200】表面層(又は保護層)は、前述したように
離型性(撥水性)を有していることが好ましく、離型性
を付与する手段としては、例えば樹脂の構成単位の構造
中にフッ素含有基、シリコーン含有基等の官能基を導入
すること等により表面層を構成する樹脂自体に表面エネ
ルギーの低いものを用いる手段や、例えば界面活性剤
等、撥水、親油性を付与するような添加剤を加える手
段、例えばフッ素原子を含む化合物、すなわちポリ4フ
ッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化カーボン
等の高い離型性を有する材料を粉体状にして表面層に分
散する手段等が挙げられる。これらの中でも、撥水性を
有する表面層としては、含フッ素樹脂等の離型性粉体の
最表面層へ分散させることが好適であり、離型性粉体と
してはポリ4フッ化エチレンを使用するのが特に好まし
い。
【0201】前記離型性粉体の添加量は、表面層全体に
対して1〜60質量%が好ましく、2〜50質量%がさ
らに好ましい。離型性粉体の添加量が1質量%より少な
いとトナーの転写性及び感光体の耐久性改善の効果が不
十分となることがあり、60質量%を越えると保護膜の
強度が低下したり、感光体への入射光量が著しく低下す
ることがあり好ましくない。
【0202】なお本発明においては、感光体と帯電部材
とが接触して配置されている接触帯電工程の採用が好ま
しく、帯電部材が感光体に接することのないコロナ放電
等による方法に比べて感光体表面に対する負荷が大きい
ので、耐久性に関する改善をより顕著なものとする観点
からも表面層を設けることは、好ましい実施形態の一つ
である。
【0203】また、本発明においては、接触帯電方法、
接触転写方法を適用することが好ましいため、直径が5
0mm以下の径が小さい感光体が特に有効に用いられ
る。即ち、画像形成において使用する感光体の径が小さ
い場合には、同一の線圧に対する曲率が大きく、当接部
における圧力の集中が起こりやすいためである。ベルト
感光体でも同一の現象があると考えられるが、本発明は
転写部での曲率半径が25mm以下の画像形成装置に対
しても有効である。
【0204】また、像担持体は静電記録誘電体等であっ
ても良い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位
に一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除
電手段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形
成する。
【0205】また、本発明の画像形成装置における静電
潜像形成手段は、像露光手段であることが好ましい。静
電潜像形成のための画像露光手段としては、デジタル的
な潜像を形成するレーザー走査露光手段に限定されるも
のではなく、通常のアナログ的な画像露光やLED等の
他の発光素子でも構わないし、蛍光灯等の発光素子と液
晶シャッター等の組み合わせによるもの等、画像情報に
対応した静電潜像を形成できるものであれば構わない。
【0206】また、本発明の画像形成装置における現像
手段は、特に限定はなく、本発明では、用いられるトナ
ーの種類や現像方式に応じて公知の現像手段の中から適
当なものを用いることができる。このような現像手段と
しては、例えばトナーを収容する現像容器と、現像容器
の開口部に回転自在に設けられるトナー担持体と、トナ
ー担持体上のトナー量を規制するトナー層厚規制部材と
を有する現像手段が挙げられ、一成分磁性トナーを用い
る場合では、トナー担持体内部に固定配置されトナー担
持体上に複数の磁極を形成する磁界形成手段をさらに有
し、一成分非磁性トナーを用いる場合では、例えば磁界
形成手段に代えて、現像容器内に配置されトナー担持体
に向けてトナーを搬送しつつ攪拌する攪拌手段をさらに
有し、二成分トナーを用いる場合では、例えば磁界発生
手段と攪拌手段に加えて、トナー粒子を現像容器に補給
する補給手段をさらに有する構成が挙げられる。
【0207】また、本発明の画像形成装置における転写
手段は、従来より知られている種々の転写手段を用いる
ことができるが、像担持体に接触して配置され導電性か
つ弾性を有する転写部材を有する接触転写手段であるこ
とが好ましい。また、転写手段は、直接転写材にトナー
像を転写するものであっても良いし、例えばドラム状や
無端ベルト状に形成され、像担持体と転写材との間に介
在し、像担持体からトナー像が転写され、このトナー像
を転写材に転写するための中間転写体を有するものであ
っても良い。
【0208】また、本発明の画像形成装置には、前述し
た部材や手段以外にも種々の手段等を適宜設けることが
でき、このような手段等としては、例えば転写材上の未
定着トナー像を転写材に定着させる定着手段や、転写後
に像担持体に残留する転写残トナーを除去するクリーニ
ング手段等が挙げられる。
【0209】本発明における一実施の形態を以下に示す
が、本発明はこれに限定されない。本実施の形態におけ
る画像形成装置は、図1に示されるように、像担持体と
しての感光ドラム100と、帯電部材としての帯電ロー
ラ117と、静電潜像形成手段としてのレーザー発生装
置121と、現像手段としての現像器140と、転写部
材としての転写ローラ114と、クリーナ116と、定
着装置126と、転写ローラ114に転写材を送るレジ
スタローラ124と、転写後の転写材を定着装置126
に送る搬送ベルト125とを有する。
【0210】感光ドラム100は、OPC(有機感光
体)であり、図3に示すように、アルミニウム基体と、
この基体上に導電性被覆層、下引き層、電荷発生層、及
び電荷輸送層を順次積層した構成とされている。
【0211】帯電ローラ117は、例えば芯金等の導電
性支持体と、この上に形成され導電性及び弾性を有する
樹脂層とから構成されており、導電性支持体には帯電で
バイアスを印加するための帯電バイアス用電源が接続さ
れている。
【0212】レーザー発生装置121は、形成すべき画
像に応じてレーザー光123を感光ドラム100に照射
する装置である。
【0213】現像器140は、図2に示すように、トナ
ーを収容する現像容器と、現像容器の開口部に回転自在
に設けられるトナー担持体102と、トナー担持体10
2内部に固定配置され複数の磁極を有するマグネットロ
ーラ104と、トナー担持体102上のトナー量を規制
するトナー層厚規制部材としての弾性ブレード103
と、現像容器内のトナーを攪拌する攪拌部材141とを
有する。
【0214】トナー担持体102は、アルミニウム、ス
テンレス等非磁性金属で作られた円筒体であり、感光ド
ラム100とトナー担持体102との間隙は、図示され
ないスリーブ−感光体間隙保持部材等により約300μ
mに維持されている。この間隙は、必要により替えるこ
とは可能である。またマグネットローラ104の磁極に
ついては、S1は現像、N1はトナーコート量規制、S
2はトナーの取り込み及び搬送、N2はトナーの吹き出
し防止に影響している。
【0215】転写ローラ114は、図4に示すように、
帯電ローラ117と同様に導電性かつ弾性を有するロー
ラ部材であり、芯金114aと、芯金114aを被覆す
る導電性弾性層114bとから構成されている。芯金1
14aには、転写バイアスを印加するための転写バイア
ス用電源115が接続されている。
【0216】なお、本実施の形態における定着装置12
6は、加熱ローラと、これに向けて付勢して配置されて
いる加圧ローラとを有する。またクリーナ116は、感
光ドラム100に当接する弾性板状部材であるクリーニ
ングブレードと、このクリーニングブレードを開口部に
有しクリーニングブレードが除去した転写残トナーを収
容する廃トナー容器とを有する。
【0217】感光ドラム100は、帯電ローラ117に
よって−700Vに帯電される(このときの印加電圧を
例えば交流電圧−2.0kVpp(Vpp:ピーク間電
位)、直流電圧−700Vdcとする)。そして、帯電
した感光ドラム100の表面には、レーザー発生装置1
21からレーザー光123が照射され、レーザー光12
3に応じて、帯電した感光ドラム100の表面電位が変
化し、感光ドラム100に静電潜像が形成される。
【0218】感光ドラム100上の静電潜像は、現像器
140によって一成分磁性トナーで現像される。まずト
ナーはトナー担持体102に塗布され、付着して搬送さ
れる。搬送されるトナーは、弾性ブレード103によっ
て規制され、現像領域(感光ドラム100とトナー担持
体102との対向部)に搬送されるトナーの量及びトナ
ー層厚が制御される。現像領域では、感光ドラム100
とトナー担持体102との間に直流電圧及び交流電圧の
現像バイアスが、図示しない現像バイアス用電源からト
ナー担持体102に印加され、トナー担持体102上の
トナーは静電潜像に応じて感光ドラム100上に飛翔
し、トナー像を形成する。
【0219】感光ドラム100のトナー像は、転写ロー
ラ114により転写材上へ転写される。トナー像をのせ
た転写材は、搬送ベルト125等により定着装置126
へ運ばれ、転写されたトナー像は転写材に定着される。
また、一部感光ドラム100上に残されたトナーはクリ
ーニング手段であるクリーナ116によりクリーニング
される。クリーニング後の感光ドラム100は再び帯電
され、このようにして帯電からクリーニングまでの画像
形成の工程が繰り返し行われる。
【0220】<4>本発明のプロセスカートリッジ 本発明のプロセスカートリッジは、導電性基体及び感光
層を有する像担持体と、像担持体に対向して配置されト
ナーを担持するトナー担持体を有しトナー担持体に担持
されたトナーを像担持体に形成された静電潜像に転移さ
せてトナー像を形成する現像手段と、を少なくとも有
し、これらを一体的にかつ画像形成装置本体に対して着
脱自在に支持して構成され、前述した本発明のトナーが
用いられることを特徴とする。
【0221】本発明のプロセスカートリッジは、前記像
担持体及び現像手段を少なくとも有していれば良く、さ
らにクリーニング手段を有していても良いし、他の部材
や手段を有していても良い。
【0222】前記手段等を一体的に支持する構成として
は、例えば像担持体や現像手段等を画像形成時の配置と
なるように支持する支持部材が挙げられ、このような支
持部材としては、樹脂製の枠体等、公知の構成が挙げら
れる。また前記手段等を画像形成装置本体に対して着脱
自在に支持する構成としては、例えば画像形成装置本体
に設けられ、像担持体等が画像形成位置に案内されるよ
うに前記支持部材を案内する案内部材が挙げられ、レー
ル等、公知の構成が挙げられる。
【0223】本発明のプロセスカートリッジによれば、
トナーの補給や部材等の交換を容易に行うことができ、
メンテナンス性に優れた画像形成装置を提供することが
可能である。
【0224】
【実施例】以下、本発明を製造例及び実施例により具体
的に説明するが、これは本発明を何ら限定するものでは
ない。
【0225】<1>磁性粉体の製造 以下のようにして、表面処理磁性粉体及び磁性粉体を得
た。
【0226】<表面処理磁性粉体の製造>硫酸第一鉄水
溶液中に、鉄元素に対して1.0〜1.1当量の苛性ソ
ーダ溶液、鉄元素に対しリン元素換算で1.0重量%の
ヘキサメタリン酸ソーダ、鉄元素に対しケイ素元素換算
で1.0重量%のケイ酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄
を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを13前後に維
持しながら前記水溶液に空気を吹き込み、80〜90℃
で酸化反応を行い、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粒
子を洗浄、濾過して一旦取り出した。この時、含水サン
プルを少量採取し、含水量を計っておいた。
【0227】次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の
水系媒体中に再分散させた後、再分散液のpHを約6に
調整し、十分攪拌しながらシランカップリング剤(n−
1021Si(OCH3)3)を磁性酸化鉄に対し2.0質
量部(磁性粒子の量は含水サンプルから含水量を引いた
値として計算した)添加し、カップリング処理を行っ
た。そして、生成した疎水性磁性粒子を水洗浄、濾過、
40℃で熱風乾燥し、次いで若干凝集している粒子を解
砕処理して、表面処理磁性粉体を得た。
【0228】<磁性粉体の製造>表面処理磁性粉体の製
造と同様に酸化反応を進め、酸化反応後に生成した磁性
酸化鉄粒子を洗浄し、濾過後、表面処理を行わずに乾燥
し、凝集している粒子を解砕処理し磁性粉体を得た。
【0229】<2>スルホアルキルアクリル酸系共重合
体の製造 <スルホアルキルアクリル酸系共重合体Aの製造>撹拌
機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した2Lフ
ラスコに、メタノール300g、トルエン50g、メチ
ルエチルケトン150g、スルホエチルアクリル酸アン
モニウム18g、アクリル酸−n−ブチル40g、メタ
クリル酸ステアリル40g、スチレン502g、アゾビ
スイソブチロニトリル18gを仕込み、窒素気流下で攪
拌しながら80℃で10時間溶液重合した。その後、内
容物をステンレス製のバットに移し、減圧下で溶剤を蒸
発させた。固形物をハンマーミルで粗粉砕後、ジェット
ミルにて微粉砕し、スルホアルキルアクリル酸系共重合
体Aを製造した。
【0230】<スルホアルキルアクリル酸系共重合体B
の製造>スルホエチルアクリル酸アンモニウムをスルホ
プロピルメタクリル酸カリウムに代える以外はスルホア
ルキルアクリル酸系共重合体Aの製造と同様にしてスル
ホアルキルアクリル酸系共重合体Bを製造した。
【0231】<スルホアルキルアクリル酸系共重合体C
の製造>スルホエチルアクリル酸アンモニウムをジスル
ホエチルアクリル酸ヒドロキシカルシウムに代える以外
はスルホアルキルアクリル酸系共重合体Aの製造と同様
にしてスルホアルキルアクリル酸系共重合体Cを製造し
た。
【0232】<スルホアルキルアクリル酸系共重合体D
の製造>スルホエチルアクリル酸アンモニウムをスルホ
オクチルアクリル酸アンモニウムに代える以外はスルホ
アルキルアクリル酸系共重合体Aの製造と同様にしてス
ルホアルキルアクリル酸系共重合体Dを製造した。
【0233】<スルホアルキルアクリル酸系共重合体E
の製造>スルホエチルアクリル酸アンモニウムの添加量
を60g、メタクリル酸ステアリル66g、スチレン4
34gに代える以外はスルホアルキルアクリル酸系共重
合体Aの製造と同様にして、スルホアルキルアクリル酸
系共重合体Eを製造した。
【0234】<スルホアルキルアクリル酸系共重合体F
の製造>スルホエチルアクリル酸アンモニウムの添加量
を120g、アクリル酸n−ブチル48g、メタクリル
酸ステアリル67g、スチレン365gに代える以外は
スルホアルキルアクリル酸系共重合体Aの製造と同様に
して、スルホアルキルアクリル酸系共重合体Fを製造し
た。
【0235】<スルホアルキルアクリル酸系共重合体G
の製造>スルホエチルアクリル酸アンモニウムの添加量
を6g、メタクリル酸ステアリル56g、スチレン49
8gに代える以外はスルホアルキルアクリル酸系共重合
体Aの製造と同様にして、スルホアルキルアクリル酸系
共重合体Gを製造した。
【0236】<スルホアルキルアクリル酸系共重合体H
の製造>スルホエチルアクリル酸アンモニウムの添加量
を0.6g、メタクリル酸ステアリル56g、スチレン
503gに代える以外はスルホアルキルアクリル酸系共
重合体Aの製造と同様にして、スルホアルキルアクリル
酸系共重合体Hを製造した。
【0237】<スルホアルキルアクリル酸系共重合体I
の製造>アゾビスイソブチロニトリルの添加量を18g
から4gに代える以外はスルホアルキルアクリル酸系共
重合体Aの製造と同様にして、スルホアルキルアクリル
酸系共重合体Iを製造した。
【0238】<スルホアルキルアクリル酸系共重合体J
の製造>アゾビスイソブチロニトリルの添加量を18g
から100gに代える以外はスルホアルキルアクリル酸
系共重合体Aの製造と同様にして、スルホアルキルアク
リル酸系共重合体Jを製造した。
【0239】<スルホアルキルアクリル酸系共重合体K
の製造>スルホエチルアクリル酸アンモニウムの添加量
を120g、アクリル酸n−ブチル15g、メタクリル
酸ステアリル21g、スチレン444gに代える以外は
スルホアルキルアクリル酸系共重合体Iの製造と同様に
して、スルホアルキルアクリル酸系共重合体Kを製造し
た。
【0240】<スルホアルキルアクリル酸系共重合体L
の製造>スルホエチルアクリル酸アンモニウムの添加量
を6g、アクリル酸n−ブチル70g、メタクリル酸ス
テアリル70g、スチレン454gに代える以外はスル
ホアルキルアクリル酸系共重合体Aの製造と同様にし
て、スルホアルキルアクリル酸系共重合体Lを製造し
た。
【0241】<スルホアルキルアクリル酸系共重合体M
の製造>スルホエチルアクリル酸アンモニウムの添加量
を6g、メタクリル酸n−ブチル360g、スチレン2
34gに代える以外はスルホアルキルアクリル酸系共重
合体Aの製造と同様にして、スルホアルキルアクリル酸
系共重合体Mを製造した。
【0242】<スルホアルキルアクリル酸系共重合体N
の製造>スルホエチルアクリル酸アンモニウムの添加量
を0.3g、メタクリル酸ステアリル56g、スチレン
504gに代える以外はスルホアルキルアクリル酸系共
重合体Aの製造と同様にして、スルホアルキルアクリル
酸系共重合体Nを製造した。
【0243】<スルホアルキルアクリル酸系共重合体O
の製造>スルホエチルアクリル酸アンモニウムの添加量
を150g、アクリル酸n−ブチル85g、メタクリル
酸ステアリル102g、スチレン263gに代える以外
はスルホアルキルアクリル酸系共重合体Aの製造と同様
にして、スルホアルキルアクリル酸系共重合体Oを製造
した。上記スルホアルキルアクリル酸系共重合体A〜O
の物性等を表1に示す。
【0244】
【表1】
【0245】<3>磁性トナーの製造 <磁性トナーA1の製造>イオン交換水292質量部
に、1.0MのNa3PO4水溶液46質量部を投入し、
80℃に加温した後、1.0MのCaCl2水溶液67
質量部を徐々に添加してCa3(PO4)2を含む水系媒体
を得た。
【0246】 ・スチレン 83質量部 ・アクリル酸n−ブチル 17質量部 ・飽和ポリエステル樹脂 10質量部 ・不飽和ポリエステル樹脂 1質量部 ・スルホアルキルアクリル酸系共重合体A 5質量部 ・表面処理磁性粉体 90質量部 アトライター(三井三池化工機(株))を用いて上記処
方を均一に分散混合して単量体組成物を得た。この単量
体組成物を80℃に加温し、そこに示差熱分析における
吸熱ピーク温度が80℃のエステルワックス8質量部を
添加混合し、これに重合開始剤としてベンゾイルパーオ
キサイド6質量部を溶解した。
【0247】前記水系媒体中に上記単量体組成物を投入
し、80℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー
(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで10
分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつ
つ、80℃で4時間反応させ、無水炭酸ナトリウム4質
量部を系内に添加した。その後、系内を、大気圧をゼロ
としたときの相対圧力で−50KPaに減圧して4時間
蒸留を行った。蒸留終了後、懸濁液を冷却し、アルカリ
性の懸濁液のろ過を行った。次いでトナー粒子の水洗を
3回繰り返し、含水磁性トナーを得た。その後、室温下
1000質量部の希塩酸(pH1.0)の中に攪拌しな
がら含水磁性トナーを投入し、3時間攪拌を継続した。
さらに、この懸濁液をろ過し、トナーの水洗を5回行っ
た。その後、この含水磁性トナーを40℃で3日間熱風
乾燥して体積平均粒径6.9μmの磁性トナー粒子A1
を得た。
【0248】この磁性トナー粒子A1の100質量部
と、ヘキサメチルジシラザンで表面を処理した後シリコ
ーンオイルで処理した個数平均粒子径10nm、BET
190m2/gの疎水性シリカ微粉体1質量部とをヘン
シェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合し、磁
性トナーA1を得た。磁性トナーA1の物性を表2に示
す。
【0249】<磁性トナーA2の製造>スルホアルキル
アクリル酸系共重合体Aの使用量を5部から1部に代え
る以外は磁性トナーA1の製造と同様にして磁性トナー
A2を調製した。磁性トナーA2の物性を表2に示す。
【0250】<磁性トナーA3の製造>スルホアルキル
アクリル酸系共重合体Aの使用量を5部から0.5部に
代える以外は磁性トナーA1の製造と同様にして磁性ト
ナーA3を調製した。磁性トナーA3の物性を表2に示
す。
【0251】<磁性トナーA4の製造>スルホアルキル
アクリル酸系共重合体Aの使用量を5部から10部に代
える以外は磁性トナーA1の製造と同様にして磁性トナ
ーA4を調製した。磁性トナーA4の物性を表2に示
す。
【0252】<磁性トナーA5の製造>スルホアルキル
アクリル酸系共重合体Aの使用量を5部から15部に代
える以外は磁性トナーA1の製造と同様にして磁性トナ
ーA5を調製した。磁性トナーA5の物性を表2に示
す。
【0253】<磁性トナーBの製造>スルホアルキルア
クリル酸系共重合体Aに代えてスルホアルキルアクリル
酸系共重合体Bを用いる以外は磁性トナーA1の製造と
同様にして磁性トナーBを調製した。磁性トナーBの物
性を表2に示す。
【0254】<磁性トナーCの製造>スルホアルキルア
クリル酸系共重合体Aに代えてスルホアルキルアクリル
酸系共重合体Cを用いる以外は磁性トナーA1の製造と
同様にして磁性トナーCを調製した。磁性トナーCの物
性を表2に示す。
【0255】<磁性トナーDの製造>スルホアルキルア
クリル酸系共重合体Aに代えてスルホアルキルアクリル
酸系共重合体Dを用いる以外は磁性トナーA1の製造と
同様にして磁性トナーDを調製した。磁性トナーDの物
性を表2に示す。
【0256】<磁性トナーEの製造>スルホアルキルア
クリル酸系共重合体Aに代えてスルホアルキルアクリル
酸系共重合体Eを用いる以外は磁性トナーA1の製造と
同様にして磁性トナーEを調製した。磁性トナーEの物
性を表2に示す。
【0257】<磁性トナーFの製造>スルホアルキルア
クリル酸系共重合体Aに代えてスルホアルキルアクリル
酸系共重合体Fを用いる以外は磁性トナーA1の製造と
同様にして磁性トナーFを調製した。磁性トナーFの物
性を表2に示す。
【0258】<磁性トナーGの製造>スルホアルキルア
クリル酸系共重合体Aに代えてスルホアルキルアクリル
酸系共重合体Gを用いる以外は磁性トナーA1の製造と
同様にして磁性トナーGを調製した。磁性トナーGの物
性を表2に示す。
【0259】<磁性トナーHの製造>スルホアルキルア
クリル酸系共重合体Aに代えてスルホアルキルアクリル
酸系共重合体Hを用いる以外は磁性トナーA1の製造と
同様にして磁性トナーHを調製した。磁性トナーHの物
性を表2に示す。
【0260】<磁性トナーIの製造>スルホアルキルア
クリル酸系共重合体Aに代えてスルホアルキルアクリル
酸系共重合体Iを用いる以外は磁性トナーA1の製造と
同様にして磁性トナーIを調製した。磁性トナーIの物
性を表2に示す。
【0261】<磁性トナーJの製造>スルホアルキルア
クリル酸系共重合体Aに代えてスルホアルキルアクリル
酸系共重合体Jを用いる以外は磁性トナーA1の製造と
同様にして磁性トナーJを調製した。磁性トナーJの物
性を表2に示す。
【0262】<磁性トナーKの製造>スルホアルキルア
クリル酸系共重合体Aに代えてスルホアルキルアクリル
酸系共重合体Kを用いる以外は磁性トナーA1の製造と
同様にして磁性トナーKを調製した。磁性トナーKの物
性を表2に示す。
【0263】<磁性トナーLの製造>スルホアルキルア
クリル酸系共重合体Aに代えてスルホアルキルアクリル
酸系共重合体Lを用いる以外は磁性トナーA1の製造と
同様にして磁性トナーLを調製した。磁性トナーLの物
性を表2に示す。
【0264】<磁性トナーMの製造>スルホアルキルア
クリル酸系共重合体Aに代えてスルホアルキルアクリル
酸系共重合体Mを用いる以外は磁性トナーA1の製造と
同様にして磁性トナーMを調製した。磁性トナーMの物
性を表2に示す。
【0265】<磁性トナーNの製造>エステルワックス
の使用量を0.4質量部とする以外は、磁性トナーA1
の製造と同様にして磁性トナーNを得た。磁性トナーN
の物性を表2に示す。
【0266】<磁性トナーOの製造>エステルワックス
の使用量を51質量部とする以外は、磁性トナーA1の
製造と同様にして磁性トナーOを得た。磁性トナーOの
物性を表2に示す。
【0267】<磁性トナーPの製造>エステルワックス
に代えて、示差熱分析における吸熱ピーク温度が110
℃の低分子量ポリエチレンワックスを8質量部用いる以
外は、磁性トナーA1の製造と同様にして磁性トナーP
を得た。磁性トナーPの物性を表2に示す。
【0268】<磁性トナーQの製造>表面処理磁性粉体
の使用量を50質量部とする以外は、磁性トナーA1の
製造と同様にして磁性トナーQを得た。磁性トナーQの
物性を表2に示す。
【0269】<磁性トナーRの製造>表面処理磁性粉体
の使用量を150質量部とする以外は、磁性トナーA1
の製造と同様にして磁性トナーRを得た。磁性トナーR
の物性を表2に示す。
【0270】<磁性トナーSの製造>ビスフェノールA
のPO付加物369.5g、ビスフェノールAのEO付
加物146.4g、テレフタル酸126.0g、ドデセ
ニルコハク酸40.2g、無水トリメリット酸77.7
gをガラス製2リットルの4つ口フラスコに入れ、温度
計、ステンレス製攪拌棒、コンデンサー、及び窒素導入
管を取り付け、マントルヒーター中に設置し、窒素気流
下にて220℃にて反応せしめた。重合度は、ASTM
E28−67に準拠した軟化点より追跡し、軟化点が
110℃に達したときに反応を終了した。その後このポ
リエステルを再沈殿により精製し、50℃で3日間真空
乾燥した。
【0271】次に、スチレン65質量部、アクリル酸n
−ブチル35質量部、ジビニルベンゼン0.25質量
部、吸熱ピーク80℃のエステルワックス8質量部、表
面処理磁性粉体110質量部に、上記にて合成したポリ
エステル樹脂を10質量部、スルホアルキルアクリル酸
系共重合体Aを5質量部、ベンゾイルパーオキサイド5
質量部を添加し、アトライターに投入し、10℃にて5
時間分散し、重合性組成物を得た。
【0272】次いで、2リットルのガラス製セパラブル
フラスコに予め調製したリン酸三カルシウム4質量%の
水性コロイド溶液650gに対して、前記の重合性組成
物212.3gを添加し、TKホモミキサーを用いて室
温にて、回転数10000rpmで2分間造粒した。
【0273】次に、4つ口ガラス製の蓋をし、還流冷却
管、温度計、窒素導入管、ステンレス製攪拌棒を取り付
け、電熱マントルヒーター中に設置した。窒素下にて攪
拌を続けながら、1段目の重合として80℃まで昇温
し、5時間反応を行い種粒子とした。これを室温まで冷
却して前駆体粒子を得た。
【0274】次に、該前駆体粒子の水系懸濁液中に超音
波発振機にて調製したスチレン13質量部、アクリル酸
n−ブチル7質量部、ベンゾイルパーオキサイド1質量
部、ジビニルベンゼン0.10質量部、ラウリル硫酸ナ
トリウム0.1質量部、炭酸ナトリウム10質量部、水
20質量部からなる水乳濁液を滴下し、該前駆体粒子を
膨潤させた。
【0275】その後、窒素下にて攪拌を続けながら2段
目の重合として85℃まで昇温し、10時間反応せしめ
た。懸濁液を冷却し、アルカリ性の懸濁液のろ過を行っ
た。次いでトナー粒子の水洗を3回繰り返し、含水磁性
トナーを得た。その後、室温下1000質量部の希塩酸
(pH1.0)の中に攪拌しながら含水磁性トナーを投
入し、3時間攪拌を継続した。さらに、この懸濁液をろ
過し、トナーの水洗を5回行った。その後、この含水磁
性トナーを40℃で3日間熱風乾燥して体積平均粒径
7.6μmの磁性トナー粒子Sを得た。
【0276】この磁性トナー粒子Sの100質量部と、
磁性トナーA1の製造の際に使用した疎水性シリカ微粉
体1質量部とをヘンシェルミキサーで混合し、磁性トナ
ーSを得た。磁性トナーSの物性を表2に示す。
【0277】<磁性トナーTの製造>エマルゲン950
(花王(株)製)を1質量部、ネオゲンR(第一工業製
薬(株)製)を1質量部含有する水100質量部に、以
下の物質を添加、混合した。 ・スチレン 75質量部 ・n−ブチルアクリレート 20質量部 ・スルホアルキルアクリル酸系共重合体A 5質量部
【0278】過硫酸カリウム5質量部を触媒として用
い、攪拌下70℃で8時間重合させて固形分50%の樹
脂エマルジョンを得た。
【0279】次に、下記混合物をディスパーを用いて攪
拌しながら25℃に加熱した。 ・上記樹脂エマルジョン 200質量部 ・磁性粉体 90質量部 ・製造例1で使用したエステルワックス 8質量部 ・水 300質量部
【0280】次いでこの分散溶液を約2時間攪拌した後
60℃まで加熱し、これをアンモニアによってpH8.
0に調整した。さらに、この分散液を90℃まで加熱
し、5時間この温度を保ったところ、約8μmの粒子が
得られた。この粒子の分散液を冷却、分離、水洗したの
ち乾燥させ、磁性トナー粒子Tを得た。この粒子を電子
顕微鏡で観察したところ、重合体粒子と磁性粉体微粒子
との二次粒子の会合粒子から成り立っていることが観察
された。
【0281】この磁性トナー粒子Tの100質量部と、
磁性トナーA1の製造の際に使用した疎水性シリカ微粉
体1質量部とをヘンシェルミキサーで混合して、磁性ト
ナーTを調製した。磁性トナーTの物性を表2に示す。
【0282】<磁性トナーUの製造>反応容器にキシレ
ン200重量部を入れ還流温度まで昇温した。これにス
チレン82質量部、2−エチルヘキシルアクリレート1
8質量部、及び、ジ−tert−ブチルパーオキサイド
3.0質量部の混合液を滴下後、キシレン還流下、7時
間で溶液重合を完了し、低分子量樹脂溶液を得た。
【0283】一方、スチレン82質量部、2−エチルヘ
キシルアクリレート18質量部、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート2質量部、ポリビニルアル
コール0.2質量部、脱気水200質量部を混合し、懸
濁分散させた。上記懸濁分散溶液を加熱し、窒素雰囲気
下において80℃に24時間保持して重合を完結させ、
高分子量樹脂を得た。
【0284】該高分子量樹脂25重量部を、前記の低分
子量樹脂75重量部を含有する溶液重合終了時の溶液中
に投入し、溶媒中に完全に溶解せしめ混合を行い、その
後、溶媒を留去して結着樹脂(1)を得た。該結着樹脂
(1)を分析したところ、低分子量側ピーク分子量は9
000、高分子量側ピーク分子量は870000、重量
平均分子量(Mw)は400000、数平均分子量(M
n)は52000であった。
【0285】 ・結着樹脂(1) 100重量部 ・飽和ポリエステル樹脂 10質量部 ・スルホアルキルアクリル酸系共重合体A 5質量部 ・磁性粉体 90質量部 ・磁性トナーA1の製造で使用したエステルワックス 8質量部 上記材料をブレンダーにて混合し、150℃に加熱した
二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物を
ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をターボミル(ター
ボ工業社製)で微粉砕後、得られた微粉砕物を風力分級
した。その後、衝撃式表面処理装置を繰り返し用いて、
トナー粒子の平均円形度が0.960以上となるように
球形化処理を行い、体積平均粒径7.8μmの球形化処
理された磁性トナー粒子Uを得た。
【0286】この磁性トナー粒子Uの100質量部に対
して、磁性トナーA1の製造の際に使用した疎水性シリ
カ1質量部を加え、この混合物をヘンシェルミキサーで
混合し、磁性トナーUを調製した。磁性トナーUの物性
を表2に示す。
【0287】<磁性トナーVの製造>スルホアルキルア
クリル酸系共重合体Aの代わりにスルホアルキルアクリ
ル酸系共重合体Nを用い、表面処理磁性粉体の代わりに
磁性粉体を用いる以外は、磁性トナーA1の製造と同様
にして、比較用の磁性トナーVを得た。磁性トナーVの
物性を表2に示す。
【0288】<磁性トナーWの製造>スルホアルキルア
クリル酸系共重合体Nの代わりにスルホアルキルアクリ
ル酸系共重合体Oを用いる以外は、磁性トナーVの製造
と同様にして、比較用の磁性トナーWを得た。磁性トナ
ーWの物性を表2に示す。
【0289】 <磁性トナーXの製造> ・前記結着樹脂(1) 100重量部 ・飽和ポリエステル樹脂 10質量部 ・スルホアルキルアクリル酸系共重合体O 5質量部 ・磁性粉体 90質量部 ・磁性トナーA1の製造で使用したエステルワックス 8質量部 上記材料をブレンダーにて混合し、150℃に加熱した
二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物を
ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微
粉砕後、得られた微粉砕物を風力分級し、体積平均粒径
7.8μmの磁性トナー粒子Xを得た。
【0290】この磁性トナー粒子Xの100質量部に対
して、磁性トナーA1の製造の際に使用した疎水性シリ
カ1質量部を加え、この混合物をヘンシェルミキサーで
混合し、比較用の磁性トナーXを調製した。磁性トナー
Xの物性を表2に示す。
【0291】尚、得られた磁性トナーの磁場79.6k
A/mにおける磁化の強さは、磁性トナーQは17.8
Am2/kg、磁性トナーRは35.2Am2/kgであ
り、他の磁性トナーはいずれも26〜30Am2/kg
であった。
【0292】
【表2】
【0293】<4>感光体の製造 <感光体の製造>感光体としては、直径30mmのアル
ミニウムシリンダーを基体とし、これに、図3に示すよ
うな構成の層を順次浸漬塗布により積層したものを作製
し用いた。 (1)第1層は導電被覆層(導電層)であり、酸化錫及
び酸化チタンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを
主体とする。膜厚15μm。 (2)第2層は下引き層であり、変性ナイロン及び共重
合ナイロンを主体とする。膜厚0.6μm。 (3)第3層は電荷発生層であり、長波長域に吸収を持
つアゾ顔料をブチラール樹脂に分散したものを主体とす
る。膜厚0.6μm。 (4)第4層は電荷輸送層であり、ホール搬送性トリフ
ェニルアミン化合物をポリカーボネート樹脂(オストワ
ルド粘度法による分子量2万)に8:10の質量比で溶
解したものを主体とし、さらにポリ4フッ化エチレン粉
体(体積平均粒径0.2μm)を総固形分に対して10
質量%添加し、均一に分散した。膜厚25μm。
【0294】第4層の水に対する接触角は95度であっ
た。なお、接触角は純水を用いて測定し、装置には協和
界面科学(株)接触角計CA−X型を用いた。
【0295】<5>磁性トナーを用いた画像形成方法 <実施例1〜25及び比較例1〜3>画像形成装置とし
て、LBP−1760(キヤノン製)を改造し、概ね図
1に示されるものを用いた。像担持体としての感光ドラ
ム100には、前述した<4>で作製した感光体(有機
感光体(OPC)ドラム)を用いた。
【0296】帯電部材には、導電性カーボンを分散しナ
イロン樹脂で被覆された帯電ローラ117を用いた。帯
電ローラ117は、感光ドラム100に60g/cmの
当接圧で当接させた。また帯電時には、直流電圧−68
0Vdcに交流電圧2.0kVppを重畳したバイアス
によって感光ドラム100を一様に帯電させる。
【0297】潜像形成には、レーザー光を用いた。潜像
は、帯電した感光ドラム100の画像部分となる部分を
レーザ光で露光することにより形成される。この時の暗
部電位Vdは−680V、明部電位VLは−170Vと
した。
【0298】静電潜像の現像には、図2に示す現像器1
40を用いた。またトナー担持体102には、表面をブ
ラストした直径16mmのアルミニウム円筒上に、下記
の構成の樹脂層を、層厚約7μm、JIS中心線平均粗
さ(Ra)1μmに形成したものを用いた。 ・フェノール樹脂 100質量部 ・グラファイト(体積平均粒径約7μm) 90質量部 ・カーボンブラック 10質量部
【0299】また、マグネットローラ104によって現
像磁極90mT(900ガウス)を形成した。また、弾
性ブレード103には、厚み1.8mm、自由長0.5
mmのウレタンゴム製ブレードを用い、これを20.6
N/m(21g/cm)の線圧でトナー担持体102に
当接させた。
【0300】感光ドラム100とトナー担持体102と
の間隙は290μmとした。また、現像バイアスには、
−480Vの直流電圧と周波数1900Hz、ピーク間
電圧1700Vの交流電圧を重畳したものを用いた。ま
た、トナー担持体102の周速は感光体周速(100m
m/sec)に対して順方向に110%のスピード(1
10mm/sec)とした。
【0301】また、転写手段としては、図4に示す転写
ローラ114を用いた。導電性弾性層114bは、導電
性カーボンを分散したエチレン−プロピレンゴム製であ
り、体積抵抗値は1×108Ω・cmであり、表面ゴム
硬度は24度である。帯電ローラ114の直径は20m
mであり、59N/m(60g/cm)の当接圧で感光
ドラム100に当接しており、感光体周速(100mm
/sec)に対して等速で回転する。また転写時に転写
バイアス用電源115から印加される転写バイアスは直
流電圧1.5kVとした。
【0302】定着手段としては、図5、6に示す、フィ
ルムを介してヒータにより加熱加圧定着する方式の定着
装置を用いた。この定着装置はオイル塗布機能のない定
着装置である。加圧ローラ33は、下層にシリコーンゴ
ムの発泡体を有し、フッ素系樹脂の表面層を有する直径
30mmのローラであり、加熱体31と加圧ローラ33
間の総圧は88.2N(9kg)、加圧ローラとフィル
ムのニップは6mmとし、定着フィルム32には、転写
材との接触面にPTEF(高分子量タイプ)に導電性物
質を分散させた低抵抗の離型層を有する厚さ50μmの
耐熱性ポリイミドフィルムを使用した。また、加熱体3
1の検温素子31dの表面温度は200℃とした。
【0303】画像形成は、現像剤として磁性トナーA〜
U、比較用磁性トナーV〜Xを使用し、まず常温、常湿
(25℃、60%RH)環境下において、印字面積比率
3%の縦ラインのみからなる画像パターンを3000枚
プリントアウトした。プリントアウトは、16枚/分
(A4サイズ)のプリントアウト速度で行い、間歇モー
ド(すなわち、1枚プリントアウトする毎に10秒間現
像器を休止させ、再起動時の現像装置の予備動作でトナ
ーの劣化を促進させるモード)で行った。また500枚
毎に、印字面積比率100%のベタ画像パターンと印字
面積比率0%のベタ白画像パターンのプリントアウトを
行った。
【0304】次に、高温、高湿(32℃、80%RH)
環境下に現像剤と画像形成装置を一晩放置した後、印字
面積比率5%の縦ラインのみからなる画像パターンを間
歇モードで3000枚プリントアウトした。さらに、低
温、低湿(15℃、10%RH)環境下に現像剤と画像
形成装置を3日間放置した後、印字面積比率2%の縦ラ
インのみからなる画像パターンを間歇モードで3000
枚のプリントアウトした。尚、転写材としては70g/
2の紙を使用した。
【0305】得られた画像、及びトナーと画像形成装置
とのマッチングを以下のようにして評価した。評価結果
を表3にまとめる。
【0306】[プリントアウト画像の評価] 1)画像濃度 常温、常湿環境下における、1000枚目、2000枚
目、3000枚目のベタ黒プリントアウト画像につい
て、マクベス反射濃度計RD918(マクベス社製)に
より、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト
画像に対する相対濃度をそれぞれ求め、その平均値を算
出し、以下のように評価した。 A:非常に良好(1.40以上) B:良好(1.35以上1.40未満) C:普通(1.20以上1.35未満) D:悪い(1.20未満)
【0307】2)カブリ 常温、常湿環境下における、1001枚目、2001枚
目、3001枚目のベタ白プリントアウト画像につい
て、白地部分の白色度と転写紙の白色度の差からカブリ
濃度(%)をそれぞれ求め、その平均値を算出し、以下
のように評価した。尚、カブリ濃度は「リフレクトメー
ター」(東京電色社製)により測定した。 A:非常に良好(1.5%未満) B:良好(1.5%以上2.5%未満) C:普通(2.5%以上4.0%未満) D:悪い(4.0%以上)
【0308】3)転写性 常温、常湿環境下における1000枚目、2000枚
目、3000枚目の、ベタ画像形成時における感光体上
の転写残トナーをマイラーテープによりテーピングして
はぎ取り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に貼ったも
ののマクベス濃度から、マイラーテープのみを紙上に貼
ったもののマクベス濃度を差し引いた転写残濃度をそれ
ぞれ求め、その平均値を算出し、以下のように評価し
た。 A:非常に良好(0.05未満) B:良好(0.05以上0.1未満) C:普通(0.1以上0.2未満) D:悪い(0.2以上)
【0309】4)定着性 低温、低湿環境下における1000枚目のベタ黒プリン
トアウト画像に50g/cm2の荷重をかけ、柔和な薄
紙により定着画像を摺擦し、摺擦前後での画像濃度(マ
クベス濃度)の低下率(%)を算出して、以下のように
評価した。 A:非常に良好(5%未満) B:良好(5%以上10%未満) C:普通(10%以上20%未満) D:悪い(20%以上)
【0310】5)画像濃度安定性 各環境下(常温常湿、高温高湿、低温低湿)における3
000枚目のベタ黒プリントアウト画像について、マク
ベス反射濃度計RD918により、原稿濃度が0.00
の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度をそ
れぞれ測定してその平均値を算出し、その平均値と各環
境下での画像濃度との差をそれぞれ算出し、最も大きい
差の値によって以下のように評価した。 A:非常に良好(0.05未満) B:良好(0.05以上0.1未満) C:普通(0.1以上0.2未満) D:悪い(0.2以上)
【0311】6)カブリ安定性 各環境下(常温常湿、高温高湿、低温低湿)における3
001枚目のベタ白プリントアウト画像について、白地
部分の白色度と転写紙の白色度の差からカブリ濃度
(%)をそれぞれ求めてその平均値を算出し、その平均
値と各環境下でのカブリ濃度との差をそれぞれ算出し、
最も大きい差の値によって以下のように評価した。A:
非常に良好(0.3%未満) B:良好(0.3%以上0.8%未満) C:普通(0.8%以上1.5%未満) D:悪い(1.5%以上)
【0312】7)転写安定性 各環境下(常温常湿、高温高湿、低温低湿)における2
500枚目の、ベタ黒画像形成時における感光体上の転
写残トナーをマイラーテープによりテーピングしてはぎ
取り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に貼ったものの
マクベス濃度から、マイラーテープのみを紙上に貼った
もののマクベス濃度を差し引いた転写残濃度をそれぞれ
求めてその平均値を算出し、その平均値と各環境下での
転写残濃度との差をそれぞれ算出し、最も大きい差の値
によって以下のように評価した。 A:非常に良好(0.05未満) B:良好(0.05以上0.1未満) C:普通(0.1以上0.2未満) D:悪い(0.2以上)
【0313】[画像形成装置とのマッチング評価] 1)スリーブとのマッチング 全てのプリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面の
傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像
への影響を目視で観察し、以下のように評価した。 A:未発生 B:わずかに傷の発生が見られる C:固着や傷がある D:固着が多い
【0314】2)感光体とのマッチング 全てのプリントアウト試験終了後、感光体表面の傷や残
留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影
響を目視で観察し、以下のように評価した。 A:未発生 B:わずかに傷の発生が見られる C:固着や傷がある D:固着が多い
【0315】3)定着器とのマッチング 全てのプリントアウト試験終了後、定着フィルム表面の
傷や残留トナーの固着状況を目視で観察し、以下のよう
に評価した。 A:未発生 B:わずかに固着が見られる C:固着や傷がある D:固着が多い
【0316】
【表3】
【0317】<6>非磁性トナーの製造 <非磁性トナーαの製造>イオン交換水292質量部
に、1.0MのNa3PO4水溶液46質量部を投入し、
80℃に加温した後、1.0MのCaCl2水溶液67
質量部を徐々に添加してCa3(PO4)2を含む水系媒体
を得た。
【0318】 ・スチレン 83質量部 ・アクリル酸n−ブチル 17質量部 ・飽和ポリエステル樹脂 10質量部 ・不飽和ポリエステル樹脂 1質量部 ・スルホアルキルアクリル酸系共重合体A 5重量部 ・ピグメントブルー15:3 6質量部 上記処方をアトライターを用いて均一に分散混合して単
量体組成物を得た。この単量体組成物を80℃に加温
し、そこに示差熱分析における吸熱ピーク温度が80℃
のエステルワックス8質量部を添加混合し、これに重合
開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6質量部を溶解
した。
【0319】前記水系媒体中に上記単量体組成物を投入
し、80℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー
にて10,000rpmで10分間撹拌し、造粒した。
その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃で4時間反応
させ、無水炭酸ナトリウム4質量部を系内に添加した。
その後、さらに4時間反応を継続した後、懸濁液を冷却
し、アルカリ性の懸濁液のろ過を行った。次いでトナー
粒子の水洗を3回繰り返し、含水非磁性トナーを得た。
その後、室温下1000質量部の希塩酸(pH1.0)
の中に攪拌しながら含水非磁性トナーを投入し、3時間
攪拌を継続した。さらに、この懸濁液をろ過し、トナー
の水洗を5回行った。その後、この含水非磁性トナーを
40℃で3日間熱風乾燥して体積平均粒径7.0μmの
非磁性トナー粒子αを得た。
【0320】この非磁性トナー粒子αの100質量部
と、ヘキサメチルジシラザンで表面を処理した後シリコ
ーンオイルで処理した個数平均粒子径10nm、BET
190m2/gの疎水性シリカ微粉体1質量部とをヘン
シェルミキサーで混合し、非磁性トナーαを得た。非磁
性トナーαの物性を表4に示す。
【0321】 <非磁性トナーβの製造> ・前記結着樹脂(1) 100重量部 ・飽和ポリエステル樹脂 10質量部 ・スルホアルキルアクリル酸系共重合体A 5重量部 ・ピグメントブルー15:3 6質量部 ・示差熱分析における吸熱ピーク温度が80℃のエステ
ルワックス 8質量部上記材料をブレンダーにて混合
し、150℃に加熱した二軸エクストルーダーで溶融混
練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉
砕物をジェットミルで微粉砕後、得られた微粉砕物を風
力分級し、体積平均粒径8.1μmの非磁性トナー粒子
βを得た。
【0322】この非磁性トナー粒子βの100質量部に
対して、非磁性トナーαの製造の際に使用した疎水性シ
リカ1質量部を加えた混合物をヘンシェルミキサーで混
合し、比較用の非磁性トナーβを調製した。非磁性トナ
ーβの物性を表4に示す。
【0323】
【表4】
【0324】<7>非磁性トナーを用いた画像形成方法 <実施例26及び比較例4>画像形成装置として、市販
のカラー複写機PIXEL L(キヤノン製)を単色モ
ードで使用し、前記非磁性トナーα及び非磁性トナーβ
を現像剤として用いて以下のように評価を行った。
【0325】まず常温、常湿(25℃、60%RH)環
境下において、印字面積比率3%の縦ラインのみからな
る画像パターンを24枚/分のプリントアウト速度で1
500枚プリントアウトした。また、500枚毎に、印
字面積比率100%のベタ画像パターンと印字面積比率
0%のベタ白画像パターンのプリントアウトを行った。
【0326】次に、高温、高湿(32℃、80%RH)
環境下に現像剤と画像形成装置を一晩放置した後、印字
面積比率5%の縦ラインのみからなる画像パターンを1
500枚プリントアウトした。さらに、低温、低湿(1
5℃、10%RH)環境下に現像剤と画像形成装置を3
日間放置した後、印字面積比率2%の縦ラインのみから
なる画像パターンを1500枚プリントアウトした。
尚、転写材としては80g/m2の紙を使用した。
【0327】得られた画像、及びトナーと画像形成装置
とのマッチングを以下のようにして評価した。評価結果
を表5にまとめる。
【0328】[プリントアウト画像の評価] 1)画像濃度 常温、常湿環境下における、500枚目、1000枚
目、1500枚目のベタ画像について、マクベス反射濃
度計RD918により、原稿濃度が0.00の白地部分
のプリントアウト画像に対する相対濃度をそれぞれ求
め、その平均値を算出し、以下のように評価した。 A:非常に良好(1.40以上) B:良好(1.35以上1.40未満) C:普通(1.20以上1.35未満) D:悪い(1.20未満)
【0329】2)カブリ 常温、常湿環境下における、501枚目、1001枚
目、1501枚目のベタ白プリントアウト画像につい
て、白地部分の白色度と転写紙の白色度の差からカブリ
濃度(%)をそれぞれ求め、その平均値を算出し、以下
のように評価した。尚、カブリ濃度は「リフレクトメー
ター」により測定した。 A:非常に良好(1.5%未満) B:良好(1.5%以上2.5%未満) C:普通(2.5%以上4.0%未満) D:悪い(4.0%以上)
【0330】3)転写性 常温、常湿環境下における500枚目、1000枚目、
1500枚目の、ベタ画像形成時における感光体上の転
写残トナーをマイラーテープによりテーピングしてはぎ
取り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に貼ったものの
マクベス濃度から、マイラーテープのみを紙上に貼った
もののマクベス濃度を差し引いた転写残濃度をそれぞれ
求め、その平均値を算出し、以下のように評価した。 A:非常に良好(0.05未満) B:良好(0.05以上0.1未満) C:普通(0.1以上0.2未満) D:悪い(0.2以上)
【0331】4)定着性 低温、低湿環境下における5000枚目のベタ画像に5
0g/cm2の荷重をかけ、柔和な薄紙により定着画像
を摺擦し、摺擦前後での画像濃度(マクベス濃度)の低
下率(%)を算出して、以下のように評価した。 A:非常に良好(5%未満) B:良好(5%以上10%未満) C:普通(10%以上20%未満) D:悪い(20%以上)
【0332】5)画像濃度安定性 各環境下(常温常湿、高温高湿、低温低湿)における1
000枚目のベタ画像について、マクベス反射濃度計R
D918により、原稿濃度が0.00の白地部分のプリ
ントアウト画像に対する相対濃度をそれぞれ測定してそ
の平均値を算出し、その平均値と各環境下での画像濃度
との差をそれぞれ算出し、最も大きい差の値によって以
下のように評価した。 A:非常に良好(0.05未満) B:良好(0.05以上0.1未満) C:普通(0.1以上0.2未満) D:悪い(0.2以上)
【0333】6)カブリ安定性 各環境下(常温常湿、高温高湿、低温低湿)における1
501枚目のベタ白プリントアウト画像について、白地
部分の白色度と転写紙の白色度の差からカブリ濃度
(%)をそれぞれ求めてその平均値を算出し、その平均
値と各環境下でのカブリ濃度との差をそれぞれ算出し、
最も大きい差の値によって以下のように評価した。 A:非常に良好(0.3%未満) B:良好(0.3%以上0.8%未満) C:普通(0.8%以上1.5%未満) D:悪い(1.5%以上)
【0334】7)転写安定性 各環境下(常温常湿、高温高湿、低温低湿)における1
500枚目の、ベタ画像形成時における感光体上の転写
残トナーをマイラーテープによりテーピングしてはぎ取
り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に貼ったもののマ
クベス濃度から、マイラーテープのみを紙上に貼ったも
ののマクベス濃度を差し引いた転写残濃度をそれぞれ求
めてその平均値を算出し、その平均値と各環境下での転
写残濃度との差をそれぞれ算出し、最も大きい差の値に
よって以下のように評価した。 A:非常に良好(0.05未満) B:良好(0.05以上0.1未満) C:普通(0.1以上0.2未満) D:悪い(0.2以上)
【0335】[画像形成装置とのマッチング評価] 1)スリーブとのマッチング 全てのプリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面の
傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像
への影響を目視で観察し、以下のように評価した。 A:未発生 B:わずかに傷の発生が見られる C:固着や傷がある D:固着が多い
【0336】2)感光体とのマッチング 全てのプリントアウト試験終了後、感光体表面の傷や残
留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影
響を目視で観察し、以下のように評価した。 A:未発生 B:わずかに傷の発生が見られる C:固着や傷がある D:固着が多い
【0337】3)定着器とのマッチング 全てのプリントアウト試験終了後、定着ローラー表面の
傷や残留トナーの固着状況を目視で観察し、以下のよう
に評価した。 A:未発生 B:わずかに固着が見られる C:固着や傷がある D:固着が多い
【0338】
【表5】
【0339】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも結着樹脂、
着色剤、及びスルホアルキルアクリル酸系共重合体を含
有するトナー粒子と無機微粉体とを有するトナーにおい
て、トナーの平均円形度が0.960以上であり、スル
ホアルキルアクリル酸系共重合体は、前述した一般式
(1)で表されるスルホアルキルアクリル酸系単量体及
び前述した一般式(2)で表されるスルホアルキルアク
リル酸系単量体の少なくともいずれかと、これと共重合
可能な他のビニル系単量体との共重合体であり、この共
重合体の単量体組成比率は、スルホアルキルアクリル酸
系単量体が0.1〜20質量%であり、他のビニル系単
量体が80〜99.9質量%と規定することから、環境
変動によらず安定した画像濃度を維持し、感光体等の部
材の摩耗も抑制されて高画質が長期にわたり維持され、
転写性や定着性の優れたトナー、画像形成方法、画像形
成装置及びプロセスカートリッジを提供することができ
る。
【0340】また本発明では、一般式(1)及び一般式
(2)のR2はC24又はC36であると、画像濃度を
高め、かつカブリを抑制する上でより一層効果的であ
る。
【0341】また本発明では、スルホアルキルアクリル
酸系共重合体は、スルホアルキルアクリル酸系単量体
と、スチレンと、アクリル酸エステル及びメタクリル酸
エステルの少なくともいずれかとを単量体とし、共重合
体の単量体組成におけるスルホアルキルアクリル酸系単
量体の質量部をM1、スチレンの質量部をM2、アクリ
ル酸エステル及びメタクリル酸エステルの質量部をM3
としたときに、M1:(M2+M3)は0.1:99.
9〜20:80であり、(M1+M2):M3は70:
30〜95:5であり、かつスルホアルキルアクリル酸
系共重合体のガラス転移温度は40〜100℃である
と、カブリが少なく、低温安定性及び帯電安定性を向上
させる上でより一層効果的である。
【0342】また本発明は、スルホアルキルアクリル酸
系共重合体は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜
20質量部含まれると、帯電安定性、環境安定性、カブ
リの抑制及び画像濃度の維持においてより一層効果的で
ある。
【0343】また本発明では、スルホアルキルアクリル
酸系共重合体のテトラヒドロフランに可溶な成分のゲル
パーミエーションクロマトグラフィーにより算出される
ピーク分子量が2000〜50000であると、良好な
帯電性及び低温安定性を両立させる上でより一層効果的
である。
【0344】また本発明では、トナーの平均円形度が
0.970以上であり、モード円形度が、0.99以上
であると、転写性を向上させる上でより一層効果的であ
る。
【0345】また本発明では、トナー粒子はワックスを
含有し、このワックスは結着樹脂100質量部に対して
0.5〜50質量部含まれると、定着性、流動性及び安
定性を向上させる上でより一層効果的である。
【0346】また本発明では、示差走査熱量計により測
定されるDSC曲線において、昇温時における40〜1
10℃の範囲に吸熱ピークを有すると、高解像性と耐オ
フセット性を両立させつつ感光体の削れを防止する上で
より効果的であり、45〜90℃の範囲であるとより一
層効果的である。
【0347】また本発明では、ワックスは、示差走査熱
量計により測定されるDSC曲線において、昇温時にお
ける40〜110℃の範囲に吸熱ピークを有すると、高
解像性と耐オフセット性を両立させつつ感光体の削れを
防止できるトナーを設計する上でより一層効果的であ
る。
【0348】また本発明では、トナー粒子は磁性粉体を
含有し、トナー粒子の表面に存在する炭素元素の存在量
をAとし、トナー粒子の表面に存在する鉄元素の存在量
をBとしたときに、B/Aが0.001未満であり、磁
場79.6kA/mにおける磁化の強さが10〜50A
2/kgであると、トナーの帯電性、搬送性、及び攪
拌性を向上させ、感光体の削れ、トナーの漏れ、及びト
ナー飛散を防止する上でより一層効果的である。
【0349】また本発明では、トナー粒子の投影面積相
当径をCとし、トナー粒子の断面観察で測定されるトナ
ー粒子表面と磁性粉体との距離の最小値をDとしたと
き、D/C≦0.02の関係を満足するトナー粒子が5
0個数%以上であると、チャージアップによる画像濃度
の低下やカブリを防止する上でより一層効果的である。
【0350】また本発明では、磁性粉体は、結着樹脂1
00質量部に対して10〜200質量部含まれると、カ
ブリを抑制し、かつ現像性及び定着性を向上させる上で
より一層効果的である。
【0351】また本発明では、無機微粉体は、個数平均
一次粒径が4〜80nmであり、疎水化処理された無機
微粉体であると、トナーの流動性及び環境安定性を向上
させる上でより一層効果的である。
【0352】また本発明では、無機微粉体は、シリカ、
酸化チタン、及びアルミナから選ばれる少なくとも一種
の無機微粉体又はその複酸化物であると、トナーの流動
性を向上させる上でより一層効果的である。
【0353】また本発明では、無機微粉体は、少なくと
もシリコーンオイルで疎水化処理されていると、高湿環
境下でもトナー粒子の帯電量を高く維持し、かつトナー
飛散を防止する上でより効果的であり、少なくともシラ
ン化合物で処理され、この処理と同時又はその後にシリ
コーンオイルで処理されていると、より一層効果的であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置における一実施の形態を
示す概略構成図である。
【図2】図1に示される現像器及びその周辺を示す図で
ある。
【図3】本発明に用いられる像担持体の断面構造の一部
を示す図である。
【図4】図1に示される転写ローラ及びその周辺を示す
図である。
【図5】本発明の実施例で用いられた定着装置を示す図
である。
【図6】本発明の実施例で用いられた定着装置を示す図
である。
【符号の説明】
100 感光ドラム 102 トナー担持体 103 弾性ブレード 104 マグネットローラ 114 転写ローラ 114a 芯金 114b 導電性弾性層 115 転写バイアス用電源 116 クリーナ 117 帯電ローラ 121 レーザー発生装置 123 レーザ光 124 レジスタローラ 125 搬送ベルト 126 定着装置 140 現像器 141 攪拌部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/083 G03G 15/02 102 15/02 101 15/08 504A 102 506A 15/08 504 15/16 103 506 9/08 344 15/16 103 101 (72)発明者 柳瀬 恵理子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 中村 達哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 AA08 AA15 CA12 CA14 CA26 CB07 CB13 DA01 EA02 EA03 EA05 EA07 EA10 2H077 AB01 AD02 AD06 AD13 AD17 BA07 BA09 EA11 FA19 GA02 2H200 FA01 GA15 GA23 GA34 GA44 GA46 GA49 HA02 HA28 HB12 HB22 HB48 JA02 JA28 NA01 NA06

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤、及びスル
    ホアルキルアクリル酸系共重合体を含有するトナー粒子
    と無機微粉体とを有するトナーにおいて、 前記トナーの平均円形度が0.960以上であり、 前記スルホアルキルアクリル酸系共重合体は、下記一般
    式(1)で表されるスルホアルキルアクリル酸系単量体
    及び下記一般式(2)で表されるスルホアルキルアクリ
    ル酸系単量体の少なくともいずれかと、これと共重合可
    能な他のビニル系単量体との共重合体であり、この共重
    合体の単量体組成比率は、前記スルホアルキルアクリル
    酸系単量体が0.1〜20質量%であり、前記他のビニ
    ル系単量体が80〜99.9質量%であることを特徴と
    するトナー。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)及び前記一般式(2)
    のR2はC24又はC36であることを特徴とする請求
    項1記載のトナー。
  3. 【請求項3】 前記スルホアルキルアクリル酸系共重合
    体は、前記スルホアルキルアクリル酸系単量体と、スチ
    レンと、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル
    の少なくともいずれかとを単量体とし、前記共重合体の
    単量体組成における前記スルホアルキルアクリル酸系単
    量体の質量部をM1、スチレンの質量部をM2、アクリ
    ル酸エステル及びメタクリル酸エステルの質量部をM3
    としたときに、M1:(M2+M3)は0.1:99.
    9〜20:80であり、(M1+M2):M3は70:
    30〜95:5であり、 かつ前記スルホアルキルアクリル酸系共重合体のガラス
    転移温度は40〜100℃であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のトナー。
  4. 【請求項4】 前記スルホアルキルアクリル酸系共重合
    体は、前記結着樹脂100質量部に対して0.1〜20
    質量部含まれることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか一項に記載のトナー。
  5. 【請求項5】 前記スルホアルキルアクリル酸系共重合
    体のテトラヒドロフランに可溶な成分のゲルパーミエー
    ションクロマトグラフィーにより算出されるピーク分子
    量が2000〜50000であることを特徴とする請求
    項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 【請求項6】 平均円形度が0.970以上であり、モ
    ード円形度が、0.99以上であることを特徴とする請
    求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 【請求項7】 前記トナー粒子はワックスを含有し、こ
    のワックスは前記結着樹脂100質量部に対して0.5
    〜50質量部含まれることを特徴とする請求項1乃至6
    のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 【請求項8】 示差走査熱量計により測定されるDSC
    曲線において、昇温時における40〜110℃の範囲に
    吸熱ピークを有することを特徴とする請求項1乃至7の
    いずれか一項に記載のトナー。
  9. 【請求項9】 示差走査熱量計により測定されるDSC
    曲線において、昇温時における45〜90℃の範囲に吸
    熱ピークを有することを特徴とする請求項1乃至8のい
    ずれか一項に記載のトナー。
  10. 【請求項10】 前記ワックスは、示差走査熱量計によ
    り測定されるDSC曲線において、昇温時における40
    〜110℃の範囲に吸熱ピークを有することを特徴とす
    る請求項8又は9に記載のトナー。
  11. 【請求項11】 前記トナー粒子は磁性粉体を含有し、
    前記トナー粒子の表面に存在する炭素元素の存在量をA
    とし、前記トナー粒子の表面に存在する鉄元素の存在量
    をBとしたときに、B/Aが0.001未満であり、 磁場79.6kA/mにおける磁化の強さが10〜50
    Am2/kgであることを特徴とする請求項1乃至10
    のいずれか一項に記載のトナー。
  12. 【請求項12】 前記トナー粒子の投影面積相当径をC
    とし、前記トナー粒子の断面観察で測定されるトナー粒
    子表面と磁性粉体との距離の最小値をDとしたとき、D
    /C≦0.02の関係を満足するトナー粒子が50個数
    %以上であることを特徴とする請求項11に記載のトナ
    ー。
  13. 【請求項13】 前記磁性粉体は、前記結着樹脂100
    質量部に対して10〜200質量部含まれることを特徴
    とする請求項11又は12に記載のトナー。
  14. 【請求項14】 前記無機微粉体は、個数平均一次粒径
    が4〜80nmであり、疎水化処理された無機微粉体で
    あることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項
    に記載のトナー。
  15. 【請求項15】 前記無機微粉体は、シリカ、酸化チタ
    ン、及びアルミナから選ばれる少なくとも一種の無機微
    粉体又はその複酸化物であることを特徴とする請求項1
    乃至14のいずれか一項に記載のトナー。
  16. 【請求項16】 前記無機微粉体は、少なくともシリコ
    ーンオイルで疎水化処理されていることを特徴とする請
    求項1乃至15のいずれか一項に記載のトナー。
  17. 【請求項17】 前記無機微粉体は、少なくともシラン
    化合物で処理され、この処理と同時又はその後にシリコ
    ーンオイルで処理されていることを特徴とする請求項1
    乃至16のいずれか一項に記載のトナー。
  18. 【請求項18】 帯電部材に電圧を印加して像担持体を
    帯電させる帯電工程と、帯電した像担持体に静電潜像を
    形成する静電潜像形成工程と、前記像担持体に対向して
    設けられるトナー担持体にトナーを担持し、前記像担持
    体に形成された静電潜像にトナー担持体からトナーを転
    移させてトナー像を形成する現像工程と、前記像担持体
    上に形成されたトナー像を転写材に転写する転写工程
    と、を含む画像形成方法において、 前記トナーは、請求項1〜17のいずれか一項に記載の
    トナーであることを特徴とする画像形成方法。
  19. 【請求項19】 前記帯電工程は、前記像担持体に接触
    して配置される前記帯電部材に電圧を印加して像担持体
    を帯電させる工程であることを特徴とする請求項18記
    載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 前記現像工程は、前記像担持体とは離
    間して配置される前記トナー担持体に、像担持体とトナ
    ー担持体との間隙よりも薄い厚さでトナーを担持し、像
    担持体に形成された静電潜像にトナー担持体からトナー
    を転移させてトナー像を形成する工程であることを特徴
    とする請求項18又は19に記載の画像形成方法。
  21. 【請求項21】 前記転写工程は、前記像担持体に接触
    して配置される転写部材と像担持体との間に前記転写材
    を導入し、像担持体と転写材とが接触している状態で前
    記転写部材に電圧を印加して、像担持体に形成されたト
    ナー像を転写材に転写する工程であることを特徴とする
    請求項18〜20のいずれか一項に記載の画像形成方
    法。
  22. 【請求項22】 導電性基体及び感光層を有する像担持
    体と、電圧の印加によって前記像担持体を帯電させる帯
    電部材を有する帯電手段と、帯電した像担持体に静電潜
    像を形成する静電潜像形成手段と、前記像担持体に対向
    して配置されトナーを担持するトナー担持体を有しトナ
    ー担持体に担持されたトナーを像担持体に形成された静
    電潜像に転移させてトナー像を形成する現像手段と、前
    記トナー像を前記像担持体から転写材に転写させる転写
    手段と、を有する画像形成装置において、 前記トナーは、請求項1〜17のいずれか一項に記載の
    トナーであることを特徴とする画像形成装置。
  23. 【請求項23】 導電性基体及び感光層を有する像担持
    体と、前記像担持体に対向して配置されトナーを担持す
    るトナー担持体を有しトナー担持体に担持されたトナー
    を像担持体に形成された静電潜像に転移させてトナー像
    を形成する現像手段と、を少なくとも有し、これらを一
    体的にかつ画像形成装置本体に対して着脱自在に支持し
    て構成されるプロセスカートリッジにおいて、 前記トナーは、請求項1〜17のいずれか一項に記載の
    トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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