JP2006043689A - 被覆油粒子、乳化物、及びそれらの製造方法 - Google Patents

被覆油粒子、乳化物、及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】油分が水難溶性無機カルシウム塩の微粒子によって被覆された平均粒径が5μm以下の安定な被覆油粒子、乳化物、およびそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】油粒子の表面に平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子を付着させて平均粒径が5μm以下の被覆油粒子を得る。前記表面に付着している微粒子状の水難溶性無機カルシウム塩と前記油粒子との重量比を、10/10以上、100/10未満の範囲とすることが好ましい。前記粒子状の油にカルボキシル基を有する化合物を含有させることが好ましい。乳化物は、前記被覆油粒子が、水分中に分散されてなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、被覆油粒子、乳化物、及びそれらの製造方法に関し、詳しくは、油粒子の表面に無機微粒子が付着されてなる、油分を安定に内包した被覆油粒子、この被覆油粒子が水分中に分散されてなる乳化物、及びそれらの製造方法に関する。
周知のように、薬効成分、化粧成分、殺菌成分、殺虫成分、香料成分等には油分が含まれているものが多数存在する。
しかしながら、上記成分中に含まれる油分は、光、酸素、熱、圧力等から影響を受けやすく、経時安定性が良くないものが多い。また、油分の中には、苦味や独特な異臭を有するものが多数存在する。
上記油分の経時安定性の不良や苦味や独特な異臭を有することは、目的とする用途における効果を保存中に低減させたり、商品価値を落としたりするという問題があった。
そこで、上記問題点を解決するために油分を被覆することが行なわれており、具体的には、油粒子を水難溶性無機カルシウム塩の粒子で被覆した被覆油粒子及びその製造方法について幾つか報告例が存在する。
例えば、固着剤を用いてカルシウム粒子を油状生理活性物質に固着させることによって生理活性物質を封入した大粒径のカルシウム粒子が提示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、油分とカルシウム粒子とを水に添加し、高速撹拌することによりO/W(Oil in Water)型エマルジョンを形成し、油粒子と水滴の摩擦によって生じる静電気により油粒子の表面にカルシウム粒子を形成固化させる工程を含む製造法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、油状生理活性物質粒子に多孔質物質を吸着させ、更にその隙間を上記多孔質物質よりも微粒な物質で塞いだ生理活性物質封入粒子も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、薬物を封入した無機微粒子も提案されている(例えば、特許文献4参照)。この無機微粒子は、薬物の存在する水溶液中でカルシウムイオンと無機イオンとの水難溶性塩形成反応を行ない、カルシウム含有水難溶性無機粒子を形成することにより、薬物を被覆したものである。
特開平7−328416号公報 特開平10−5577号公報 特開2003−63952号公報 特開2002−348234号公報
しかしながら、上記特許文献1および2で公開されている微粒子は、高速ホモジナイザーによる撹拌下で調製するため、被覆するカルシウム粒子は微細化されず、生理活性物質表面に吸着させても隙間が大きくなり、その結果、生理活性物質が漏れてしまうという問題があった。また、カルシウム粒子の生理活性物質表面への結合が弱く、固着剤や固着成分を用いてカルシウム粒子をバインドさせる必要があった。上記特許文献1の方法では、固着成分として、具体的には、被覆に用いるミルクカルシウム原料中に含まれている乳蛋白を必要とする。
被覆油粒子の粒径は、微小部分への浸透性、および滞留性向上の観点から、具体的には5μm以下が望まれている。しかしながら、上記特許文献1および2で公開されている方法では、上述したように固着剤または固着成分を用いるため、被覆粒子の層が厚くなり、必然的に粒径が大きくなり、5μm以下の被覆油粒子を製造することは困難であった。
また、特許文献3に示される微粒子の製造においては、生理活性物質の漏れを防ぐために、粒径の異なる複数の粒子で多重に被覆して隙間を埋めている。すなわち、粒径の異なる複数の粒子で多重被覆するため、膜厚が厚くなり、その結果、粒径が大きくなって5μm以下の被覆油粒子を製造することは困難であった。
また、上記特許文献4に示される薬物封入微粒子は、封入される薬剤の量がカルシウム含有水難溶性無機粒子に対して0.0001〜10重量%に制限され、カルシウム含有水難溶性無機粒子に対して薬効成分を大量には封入できないという問題があった。また、この薬物封入微粒子は、無機粒子が反応により生成して凝集する際に偶発的に薬剤をとり囲むというものである。すなわち、薬物が無機粒子によって封入されるか否かについては確率的な問題であって、粒子によっては薬物を内包しないものも存在することになり、封入粒子の均一性に欠けるという問題があった。従って、薬物が封入される確率を上げるためには、封入される薬物(生物学的活性物質)がカルシウム結合性のある物質であるか、カルシウム結合性の高い結合物を薬物に共有結合させなければならなかった。さらに、この微粒子同士が凝集して粗大粒子になってしまうという問題もあった。
本発明は、上記従来の課題及び現状等に鑑み、これらの課題を解消しようとするものである。詳しくは、固着剤等を用いることなく、油粒子を水難溶性無機カルシウム塩の微粒子により被覆した平均粒径5μm以下の微細な被覆油粒子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、以下の知見を得るに至った。
(i)水難溶性無機カルシウム塩の微粒子の平均粒径を1μm以下に調製すると、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子の表面エネルギーが高くなり、微粒子同士の凝集性が増し、被膜厚が薄くても安定な被膜が形成できる。また、この被膜には、細孔が存在する。
(ii)水難溶性無機カルシウム塩の微粒子とアニオン性官能基を有する化合物を含有させた油粒子とを混合させると、この微粒子が油粒子の表面のアニオン性官能基に吸引され、積極的に、かつ強固に付着する。そのため、固着剤なしに被覆油粒子を形成できる。また、被覆油粒子の形成効率もよい。
(iii)被覆油粒子の粒径は、粒径は小さい方が、具体的には5μm以下が、生体内等の微小部分への浸透性がよく、また、滞留性も向上する。
上記知見より、本発明者らは、「平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子」を「油粒子」に付着させることができ、それにより、安定な被膜を形成することができることを確認するに至った。
すなわち、本発明の被覆油粒子は、油粒子の表面に平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子が付着されてなり、平均粒径が5μm以下であることを特徴とする。
また、本発明の乳化物は、油粒子の表面に平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子が付着された平均粒径が5μm以下の被覆油粒子が水分中に分散されてなることを特徴とする。
また、本発明の被覆油粒子の製造方法は、水難溶性無機カルシウム塩を平均粒径1μm以下に微粒化して得られた水難溶性無機カルシウム塩の微粒子を油粒子の表面に付着させることにより平均粒径が5μm以下の被覆油粒子を得ることを特徴とする。
本発明の乳化物の製造方法は、油分を水分中に分散して油粒子分散液を得る乳化工程と、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子凝集体を水に分散させた後、上記微粒子凝集体を平均粒径1μm以下の微粒子に粉砕して無機微粒子水分散液を得る無機微粒子水分散液調製工程と、上記油粒子分散液と上記無機微粒子水分散液とを混合することにより、上記油粒子を上記水難溶性無機カルシウム塩の微粒子で被覆する混合被覆工程とを含むことを特徴とする。
本発明の被覆油粒子は、油粒子を水難溶性無機カルシウム塩の微粒子で被覆した一種の油分封入ナノカプセルまたはマイクロカプセルであり、以下に示される効果が発揮される。
本発明の被覆油粒子は、油分を安定に内包し、油分の経時安定性がよい。すなわち、油分を安定に内包し、油分が光、酸素、熱、圧力等から受ける影響を弱めることができる。
本発明の被覆油粒子は、油分(薬効成分等)を大量に内包することができる。
本発明の被覆油粒子は、被覆油粒子自体の安定性もよい。本発明の被覆油粒子は、水難溶性カルシウム含有無機微粒子で被覆しているため壊れにくく、被覆厚が薄くても安定である。また、本発明の被覆油粒子を水分散液、油分散液、乳化物の油性成分として用いても安定である。
本発明の被覆油粒子は、油分の味、匂い等をマスクすることができる。
本発明の被覆油粒子は、徐放性を有する。詳しくは、本発明の被覆油粒子は、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子が、油粒子表面に凝集して被膜を形成しているため、膜には微細孔が存在し、内包する油分の徐放が可能である。
本発明の被覆油粒子は、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子を用いているため、生体に用いた場合でも、安全性が高い。
本発明の乳化物の製造方法は、被覆厚の制御が可能である。具体的には、油分の量と水難溶性無機カルシウム塩の微粒子の量を適宜調整することにより、最終的に得られる水難溶性無機カルシウム塩の微粒子で被覆した被覆油粒子の被覆厚を制御することが可能である。
また、本発明の乳化物の製造方法によれば、被覆油粒子の粒径の制御が可能である。具体的には、油粒子の粒径を制御することにより、最終的に得られる水難溶性無機カルシウム塩の微粒子で被覆された被覆油粒子の平均粒径を、例えば、5μm以下に、制御することが可能である。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本発明の被覆油粒子は、油粒子の表面に平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子が付着されてなる平均粒径が5μm以下の被覆油粒子である。
本発明の被覆油粒子は、油粒子の表面に平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子が付着されることにより、被覆された平均粒径が5μm以下の寸法に制御される。ここで、図1は、油粒子が水難溶性無機カルシウム塩の微粒子で被覆された被覆油粒子の概念図である。図1に示すように、油粒子2aは、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子1aで被覆され、本発明の被覆油粒子3となっている。
図2は、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子が、油粒子に付着する機構を図示したものである。図2に示すように、粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子1aは、表面エネルギーが大きいため、油粒子表面に吸引されて付着し、油粒子2aを被覆する。この時、油粒子にアニオン性官能基を有する化合物2bが含まれていることにより、さらに前記吸引、付着力が高まる。従って、本発明の被覆油粒子は、固着剤を用いることなく形成することができる。
このような構造を有していることを確認する方法としては、本発明の被覆油粒子をガラス板で挟みこみ圧力をかけるという簡易な方法が可能である。この方法によると、粒子がつぶれて油分が浮き出してくるので、前記構造を確認することができる。
さらに正確には、本発明の被覆油粒子をスライスし、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)観察することによっても確認することができる。
ここで、図3および図4は、被覆油粒子をウルトラミクロトームを用いてスライスし、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影した写真である。図3に示すように、本発明の被覆油粒子3は平均粒径5μm以下である。図4は、被覆油粒子3を拡大撮影したものである。図4より、油粒子2aは、平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子1aによって被覆され、被覆油粒子を形成していることがわかる。これら図3および図4により、本発明の被覆油粒子は、油粒子の表面に平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子が付着されてなる平均粒径が5μm以下の被覆油粒子であることがわかる。
その他、水難溶性無機カルシウム塩として、酸やアルカリで溶解する水難溶性無機カルシウム塩を用いた場合には、その水難溶性無機カルシウム塩を酸やアルカリで溶解させれば、油分が浮き出てくるので、それを観察することによっても確認することができる。
本発明に用いる水難溶性無機カルシウム塩としては、アニオン性官能基を有する化合物や油分と反応しない水難溶性無機カルシウム塩であれば特に限定されない。本発明に用いる水難溶性無機カルシウム塩としては、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、フッ化カルシウム、珪酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、フッ化アパタイトなどが挙げられる。
本発明における油粒子は、1種または2種以上の油分からなる。
本発明に用いられる油分は、上記水難溶性無機カルシウム塩や後述するアニオン性官能基を有する化合物と反応しない油分であれば特に限定されない。本発明に用いられる油分としては、例えば、n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、流動パラフィン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、スチレンなどの炭化水素類、また、トリクロロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素、またパルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピルなどのエステル類、また、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの高級アルコール類、また、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸などの脂肪酸、また、サラダ油、オリーブ油、ゴマ油、ヒマシ油、大豆油、アマニ油、コーン油、パーム油、鯨ロウ、コレステロール、シリコーン油、ミネラルオイル、ラード、ミツロウ、綿実油、ラノリン、ワセリンなどの天然及び合成の油、油脂、ロウ類、また、ポリスチレン、ポリエチレンなどの高分子ポリマー、また、メントール、リモネン、テルピネン、ゲラニオール、ムスコン、レモン香料などの香料、スクワラン、セラミド、コラーゲン、パンテノール、パントテン酸などの化粧成分、トリクロサン(ジフェニルエーテル)、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、ビサボロールなどの殺菌成分、ビタミンA、ビタミンE、DHA、EPA、ヒノキチオールなどの薬効・有効成分、クルクミン、カロチノイド系色素、クロロフィル系色素、青色1号、赤色3号などの色素、その他農薬、殺虫成分、抗菌、抗カビ成分等が挙げられる。
また、上記油分に該当しない油分であっても、上記油分に溶解して本発明の被覆油粒子とすることができる。
また、上記油分に溶解しない成分であっても、水難溶性無機カルシウム塩やアニオン性官能基を有する化合物と反応しない成分であれば、油粒子の中に分散させて用いることもできる。このようにして用いることができるものとしては、例えば、アミノ酸や、タンパク質、酵素、DNA、糖類などの高分子物質が挙げられる。
このように、被覆したい物質が、油分そのものではなく、その他の成分であって、油分に溶解でも不溶でも、前述のように、水難溶性無機カルシウム塩やアニオン性官能基を有する化合物と反応しない物質であれば、上記油分中に溶解もしくは分散させることによって包含させ、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子によって被覆することができる。このような構成も本発明の被覆油粒子であり、多種多様な有効成分をナノサイズもしくはミクロンサイズに封入することが可能となる。
上記油分からなる油粒子は、上記油分がいかなる方法によって油粒子となっていてもよい。油粒子とする方法の具体的な一例としては、乳化処理が挙げられる。
上記油分からなる、水難溶性無機カルシウム塩によって被覆される油粒子の平均粒径は、好ましくは10nm〜5μm、更に好ましくは50nm〜1μmの範囲である。これは、被覆油粒子の安定性を保つためである。
乳化により油粒子を形成する場合、油粒子の粒径は、ホモジナイザー、粉砕装置、乳化装置等を用い、攪拌時間、攪拌速度、温度等を調整することによって調整することができる。
本発明では、被覆に用いる水難溶性無機カルシウム塩の平均粒径を1μm以下とし、高い表面活性を付与できているので、油粒子の粒径を適宜に制御することにより、最終的に得られる水難溶性無機カルシウム塩の微粒子で被覆された被覆油粒子の粒径を容易に制御することが可能となる。
油分は、アニオン性官能基を有する化合物を含有することが好ましい。また、アニオン性官能基を有する化合物は、油粒子の表面に存在することが望ましい。油粒子の表面にアニオン性官能基が存在すると、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子の油粒子表面への吸着性が増し、アニオン性官能基を有する化合物を含有しない場合と比較して、さらに多くの油分を安定に内包した被覆油粒子を得ることができるためである。
本発明に用いられるアニオン性官能基を有する化合物は、上記水難溶性無機カルシウム塩や上記油分と反応しないものであり、好ましくはカルボキシル基を有する化合物や硫酸基を有する化合物、スルホン酸基を有する化合物などが用いられる。さらに好ましくは、カルボキシル基を有する化合物として脂肪酸のアルカリ金属塩が、また硫酸基を有する化合物として高級アルコールの硫酸塩が、またスルホン酸基を有する化合物としてアルカンのスルホン酸塩が用いられる。そのようなカルボキシル基を有する化合物としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウムなどが挙げられる。これらの中でも、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムが特に好ましい。高級アルコールの硫酸塩としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸カリウム、パルミチル硫酸ナトリウム、パルミチル硫酸カリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸カリウム、オレイル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸カリウムなどが挙げられる。これらの中でも、ラウリル硫酸ナトリウムが特に好ましい。アルカンのスルホン酸塩としては、例えば、ドデカンスルホン酸ナトリウム、ドデカンスルホン酸カリウム、テトラデカンスルホン酸ナトリウム、テトラデカンスルホン酸カリウム、ヘキサデカンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデカンスルホン酸カリウム、オクタデカンスルホン酸ナトリウム、オクタデカンスルホン酸カリウムなどが挙げられる。また、アニオン性官能基を有する化合物として、高分子化合物であっても、上記水難溶性無機カルシウム塩や上記油分と反応しない化合物であれば用いることができ、好ましくはカルボキシル基を有する化合物や硫酸基を有する化合物、スルホン酸基を有する化合物などが用いられる。
本発明に用いられる水難溶性無機カルシウム塩の微粒子の平均粒径は、1μm以下である。この粒径の好適範囲は、被覆対象の油粒子がアニオン性官能基を含有しているか否かで幾分異なってくる。アニオン性官能基を有する化合物を含有しない油粒子を被覆する場合は、好ましくは1nm〜100nm、更に好ましくは5nm〜80nm、特に好ましくは10nm〜50nmの範囲である。
一方、上記アニオン性官能基を有する化合物を含有する油粒子を被覆する場合では、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子の平均粒径は、好ましくは1nm〜1μm、更に好ましくは5nm〜500nm、特に好ましくは10nm〜200nmの範囲である。
上記水難溶性無機カルシウム塩の微粒子による平均被覆厚は、内包油分を保持できる厚さであれば特に限定されないが、好ましくは10nm〜5μm、更に好ましくは20nm〜1μm、特に好ましくは50nm〜500nmの範囲である。これらの範囲設定は、特定条件下で内包油分を溶出可能とするためであり、被膜の物理的安定性を保つためでもある。本発明において上記水難溶性無機カルシウム塩の微粒子は1μm以下であり、表面活性が高い状態にあるため、微粒子同士の結合性が増しており、被膜厚が薄くても安定な被膜を形成することができる。そのため、水難溶性無機カルシウム塩に対する油分の重量比を大きくすることができる。また、この被膜には、細孔が存在するため、被覆された油分の徐放性に優れる。さらに、油分を放出したい場合は、被覆層を酸かアルカリにより溶解させることにより溶出させることが可能である。例えば、炭酸カルシウムの場合、酸を作用させれば、被覆層が溶解するので、油分の放出が自在となる。
被覆厚は、上記表面に付着している微粒子状の水難溶性無機カルシウム塩と上記油粒子との重量比を適宜調整することにより制御することができる。また、油粒子自体の粒径制御と、水難溶性無機カルシウム塩微粒子の被膜厚を調整することにより、最終的に得られる被覆油粒子の粒径を制御することが可能となる。
本発明の被覆油粒子の平均粒径は、好ましくは10nm〜5μm、より好ましくは50nm〜1μmの範囲である。この好適範囲の設定は、被覆油粒子の安定性を保つためである。粒径は小さい方が、生体内等の微小部分への浸透性がよく、また、その投与部分における滞留性も向上する。
上記表面に付着している微粒子状の水難溶性無機カルシウム塩と上記油粒子との重量比は、好ましくは10/10以上100/10未満、より好ましくは30/10〜90/10、特に好ましくは50/10〜80/10の範囲である。10/10未満の場合には、被覆厚が薄くなって、油粒子を水難溶性無機カルシウム塩の微粒子で安定に被覆することが困難となり、被覆油粒子が壊れやすくなるおそれがある。一方、100/10以上の場合には、得られる粒子の中には上記油粒子を内包しないものも存在する場合が生じ、被覆の均一性に欠けるおそれがある。さらに、非被覆油粒子同士が凝集して粗大な粒子が形成されてしまうというおそれがある。
上記アニオン性官能基を有する化合物の重量濃度は、油分に対して、好ましくは50重量%以下、更に好ましくは1〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。50重量%よりも大きい場合には、カルボキシル基を有する化合物が、一部ミセルを形成し、このミセルの周りを水難溶性無機カルシウム塩の微粒子が被覆する可能性が高くなり、油分を内包する被覆油粒子の存在率が下がってしまうおそれがある。この比率の下限値は、添加効果が得られない範囲を除外する値であるが、油粒子自体の物性によって若干の差が生じる。
本発明の乳化物は、上述した油粒子の表面に平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子が付着された平均粒径が5μm以下の多数の被覆油粒子が、水分中に分散されてなる。
本発明の被覆油粒子の製造方法は、水難溶性無機カルシウム塩を平均粒径1μm以下に微粒化して得られた水難溶性無機カルシウム塩の微粒子を油粒子の表面に付着させることにより平均粒径が5μm以下の被覆油粒子を得ることを特徴とする。
水難溶性無機カルシウム塩を平均粒径1μm以下に微粒化するのは、平均粒径1μm以下に微粒化できれば、いかなる装置を用いて調製しても構わないが、例えば、慣用の微粒化装置を用いて粉砕することにより調製することができる。このような微粒化装置を具体的に挙げると、ビーズミルやボールミル、各種メディアレスミル、超音波分散機などを用いることができる。本発明に用いることができる微粒化装置としては、例えば、ウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)、フィルミックス(特殊機化工業(株)製)、ディスコプレックス(ホソカワアルピネ社製)、ACM−Aパルベライザ(ホソカワミクロン(株)製)、ナノカット((株)マツボー製)、CLEAR SS−5、クレアミックス(エムテクニック(株)製)、超音波分散機UH−600SR((株)エスエムテー製)、超音波ホモジナイザー(Dr.Hielscher社製)等が挙げられる。
得られた平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩を油粒子と接触させることにより、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子が油粒子の表面に付着し、平均粒径が5μm以下の被覆油粒子となる。
本発明の乳化物の製造方法は、油粒子を水分中に分散して油粒子分散液を得る乳化工程と、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子凝集体を水に分散させた後、上記微粒子凝集体を平均粒径1μm以下の微粒子に粉砕して無機微粒子水分散液を得る無機微粒子水分散液調製工程と、上記油粒子分散液と上記無機微粒子水分散液とを混合することにより、上記油粒子を上記水難溶性無機カルシウム塩の微粒子で被覆する混合被覆工程とを含むことを特徴とする。
図5は、本発明の乳化物の製造工程における各成分の状態を模式的に表した図である。以下、この図を参照しつつ乳化物の製造方法について説明する。
まず、被覆される油分2を水4に混合して乳化装置等で攪拌し、油粒子2aを水分中に分散して油粒子分散液、すなわち乳化物(O/W乳化物)5を得る(乳化工程)。乳化装置の例としては、ホモジナイザー、ホモミキサー、ディスパーミキサー、ウルトラミキサー、ホモミックラインミル、マイルダー、クレアミックスなどの高速剪断乳化機、マイクロフルイダイザー、ゴーリン、アルティマイザー、ナノマイザーなどの高圧乳化機、超音波分散機、超音波ホモジナイザーなどの超音波乳化機などが挙げられる。一般に界面活性剤がない場合は、油分2と水4のみでは乳化物(O/W乳化物)5を得ることは困難であるが、上記の乳化装置等を用いることにより、装置内で乳化物(O/W乳化物)5を得ることが可能となる。この場合、油粒子2aを水難溶性無機カルシウム塩の微粒子でより被覆させやすくするため、油分2と水4にさらにアニオン性官能基を有する化合物を添加して混合、撹拌し、乳化物(O/W乳化物)5とすることが望ましい。
油分は、水分に対して、好ましくは1/1000〜7/10、更に好ましくは1/200〜1/2、特に好ましくは1/100〜3/10の重量比とすることが望ましい。1/1000よりも小さい場合には、水難溶性無機カルシウム塩微粒子の分散液と混合した際、被覆油粒子を形成する速度が遅くなり、水難溶性無機カルシウム塩微粒子が単独で凝集し、油分を被覆する被覆油粒子の存在率が下がってしまうおそれがある。また、7/10よりも大きい場合には、製造過程において粘度が著しく上昇し、後述する水難溶性無機カルシウム塩微粒子の分散液と混合した際に無機微粒子による均一被覆が困難になったり、凝集固化が起こったりするおそれがある。
次いで、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子凝集体1を水4に分散させた後、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子凝集体1を粉砕して平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子1aとし、無機微粒子水分散液6を得る(無機微粒子水分散液調製工程)。平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の無機微粒子水分散液6は、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子凝集体1の粒子を平均粒径1μm以下にすることができればいかなる装置を用いて調製しても構わないが、被覆油粒子の製造方法の説明で述べた微粒化装置を用いることもできる。
無機微粒子水分散液6は、通常、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子凝集体1を水4に分散した後、上記微粒化装置を用いて平均粒径1μm以下に調製する。しかし、これに限定されず、水難溶性無機カルシウム塩を平均粒径1μm以下に調製し、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子1aとした後、水4に分散させることにより調製してもよい。
上記水難溶性無機カルシウム塩の微粒子の水分散液中の水難溶性無機カルシウム塩微粒子の重量%は、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.5〜30重量%、特に好ましくは1〜10重量%の範囲である。0.1重量%よりも比率が小さい場合には、水難溶性無機カルシウム塩微粒子の濃度が小さいため、油粒子の被覆効率が低下するおそれがある。50重量%よりも大きい場合には、無機微粒子水分散液の粘度が上昇し、凝集固化が起こるおそれがあり、さらには製造効率の低下に繋がる可能性がある。
なお、無機微粒子水分散液調製工程と乳化工程とはどちらを先に行なっても構わないし、別々の微粒化装置により同時進行的に処理しても良い。
上記乳化工程で得られた乳化物(O/W乳化物)5と上記無機微粒子水分散液調製工程で得られた無機微粒子水分散液6とを混合することにより、上記乳化物中の油粒子2aに水難溶性無機カルシウム塩の微粒子1aで被覆して被覆油粒子3を得る(混合被覆工程)。この混合は、上記乳化物5と無機微粒子水分散液6とを均一撹拌できる混合装置を用いることにより行なうことができる。
本発明に用いることができる混合装置としては、上述した乳化装置、微粒化装置に加えて、パドルミキサー、プロペラミキサーなどの撹拌装置が挙げられ、スターラーチップによる撹拌でも行うことができる。また、無機微粒子水分散液6を調製する装置と同じ装置を用い、無機微粒子水分散液6に乳化物5を添加してもよい。この時、無機微粒子水分散液6を調製した装置に乳化物5を添加し、同じ装置で混合を行うことが好ましい。同じ装置で混合することにより、油粒子2aと水難溶性無機カルシウム塩の微粒子1aの微粒化、さらに乳化物5と無機微粒子水分散液6の混合を同時に行うことができ、工程の簡略化が可能となる。
なお、上記乳化物5と無機微粒子水分散液6とを混合することにより乳化物7が得られ、この乳化物7中に多数の前記被覆油粒子3が均一分散していることになる。この場合、乳化物7が本発明の乳化物である。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。以下に説明する実施例は、本発明を好適に説明する例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではない。
〔実施例1〕
純水54gに、アニオン性官能基を有する化合物としてオレイン酸ナトリウム(純正化学(株)製)0.4gを溶解させ、ここに油分としてサラダ油(日清オイリオ(株)製)2.5gを添加してホモジナイザー(IKA−WERKE製 ULTRA−TURRAX T25BASIC)を用いて撹拌(10000rpm,5分)し、O/W乳化物を調製した。
一方、炭酸カルシウム((株)白石中央研究所製ポアカル−N)14gを純水686gに分散させた。これをビーズミル(ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製))の原液タンクに仕込み、分散させながらミル内に供給して(流量10kg/hr)、ZrO2のφ0.1mmビーズを用いて23〜25℃で40分間粉砕を行なった(ミル回転数4350rpm)。
得られた炭酸カルシウム微粒子の分散液70gを直ちにビーカーに入れ、3枚プロペラ翼で400rpmで撹拌しながら、上記O/W乳化物5.7gを一気に添加し、10分間更に撹拌することにより、サラダ油を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。各物性の評価は以下に示す方法で行なった。
(評価方法)
(a)無機粒子平均粒径
水難溶性無機カルシウム塩の微粒子の平均粒径は、上記水難溶性無機カルシウム塩の粉砕条件に対し、水難溶性無機カルシウム塩とともに分散剤としてクエン酸三ナトリウム(純正化学(株)製)を水難溶性無機カルシウム塩の重量に対して3倍量添加して粉砕を行い、得られた水難溶性無機カルシウム塩微粒子の水分散液を、動的光散乱式マイクロトラックUPA−150(日機装(株)製)で測定し、無機粒子平均粒径を求めた。
(b)平均被覆厚
被覆油粒子の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子による平均被覆厚は、被覆油粒子(乳化物)に2%四酸化オスミウム水溶液を添加した後、水分をエタノール、プロピレンオキサイド・エポキシ樹脂で順に置換し、ウルトラミクロトームを用いてスライスし、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)観察し、10個の被覆油粒子それぞれの被覆層を8ヶ所測定し、算術平均により算出した。
(c)被覆油粒子平均粒径
被覆油粒子平均粒径は、上記(b)と同様に被覆油粒子(乳化物)を透過型電子顕微鏡(TEM)観察し、10個の被覆油粒子それぞれの粒径を測定し、算術平均により算出した。
(d)被覆油粒子の形成状況
被覆油粒子の形成状況は、得られたサンプルを透過型電子顕微鏡で観察すること、または分散液に油分が浮上分離していないことを観察することにより評価した。
(e)乳化粒子の安定性
得られたサンプルを室温で1ヶ月間静置し、油分の分離状況を観察することにより乳化粒子の安定性を評価した。「◎」、「○」、「×」の意味は以下のとおりである。
◎:1ヶ月後でも油分の分離は起こらない。1ヶ月後に超音波分散機US−50((株)日本精機製作所製)を用いて28kHzで超音波照射を10分間行なっても、油分の分離は起こらない。
○:1ヶ月後でも油分の分離は起こらない。1ヶ月後に超音波分散機US−50((株)日本精機製作所製)を用いて28kHzで超音波照射を10分間行うと、油分が1滴または2滴浮上分離した。
×:1ヶ月以内に油分の分離が生じた。
〔実施例2〕
アニオン性官能基を有する化合物としてステアリン酸カリウム(純正化学(株)製)を用いたこと以外は上記実施例1と同様にして、サラダ油を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例3〕
前記実施例1において、炭酸カルシウムのビーズミルによる粉砕時間を50分間とし、得られた炭酸カルシウム微粒子分散液が存在するミル原料タンク内に、実施例1に示すO/W乳化物を混合して更にビーズミル内で45分間粉砕し、サラダ油を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例4〕
前記実施例1において、炭酸カルシウムのビーズミルによる粉砕時間を5分間とした以外は同様にして、サラダ油を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例5〕
殺菌成分トリクロサン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.8gをサラダ油(日清オイリオ(株)製)2.0gに溶解させた。別途、炭酸カルシウム((株)白石中央研究所製ポアカル−N)14gを純水686gに分散した液を調製し、これをウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)で実施例1と同様の運転条件で5分間粉砕した。この粉砕した炭酸カルシウム微粒子の分散液が存在するミル原料タンク内に、上記油分(殺菌成分トリクロサンおよびサラダ油)の混合物をスポイトで滴下することにより供給し、実施例1と同様の運転条件でさらに55分間粉砕した。このようにして、トリクロサンとサラダ油を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例6〕
炭酸カルシウム((株)白石中央研究所製ポアカル−N)14gを純水686gに分散させ、超音波分散機UH−600SR((株)エスエムテー製)を用いて20kHzで超音波照射を10分間行ない、炭酸カルシウムを粉砕した。ここに、別途実施例1と同様の条件で調製したO/W乳化物を添加し、さらに20分間超音波照射を行なった。このようにして、サラダ油を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例7〕
純水54gに、アニオン性官能基を有する化合物としてオレイン酸ナトリウム(純正化学(株)製)0.4gを溶解させ、ここに油分としてトリクロサン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.8gを菜種油(商品名:キャノーラ油/日清オイリオ(株)製)2.0gに溶解させた混合物を添加してホモジナイザー(IKA−WERKE製 ULTRA−TURRAX T25BASIC)を用いて撹拌(10000rpm,5分)し、O/W乳化物を調製した。
一方、炭酸カルシウム((株)白石中央研究所製ポアカル−N)14gを純水686gに分散させた。これをビーズミル(ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製))の原液タンクに仕込み、分散させながらミル内に供給して(流量10kg/hr)、ZrO2のφ0.1mmビーズを用いて23〜25℃で50分間粉砕を行なった(ミル回転数4350rpm)。
得られた炭酸カルシウム微粒子分散液が存在するミル原料タンク内に、実施例1に示すO/W乳化物を混合して更にビーズミルで45分間粉砕し、トリクロサンと菜種油の混合物を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例8〕
油分として薬効成分ビタミンE(アルドリッチ社製)0.8gをサラダ油(日清オイリオ(株)製)2.0gに溶解させた混合物を用いたこと以外は、上記実施例7と同様にして、ビタミンEとサラダ油の混合物を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例9〕
油分として化粧成分スクワラン(アルドリッチ社製)2.5gを用いたこと以外は、上記実施例7と同様にして、スクワランを炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例10〕
油分としてレモン香料2.5gを用いたこと以外は、上記実施例7と同様にして、レモン香料を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の物性を表1に示す。さらに、この被覆油粒子について、官能評価によりレモン香料の徐放効果の評価を行なった。その結果、被覆油粒子を調製して1ヵ月後であってもレモン香料の徐放が継続した。
〔評価例1〕
上記実施例10において得た被覆油粒子(乳化物)のレモン香料の徐放効果を官能試験により評価した。評価比較例として上記実施例10と同じ量のレモン香料を同実施例10と同じ量の炭酸カルシウム((株)白石中央研究所製ポアカル−N)にガラス噴霧器を用いて噴霧し含浸させることによりサンプル(レモン香料含浸サンプル)を調製した。これら両者に対して、官能試験によりレモン香料の徐放効果の評価を行なった。その結果、実施例10で得た本発明の乳化物では、1ヶ月後においても、レモン香料の徐放が継続していた。これに対し、レモン香料含浸サンプルでは、調製して1ヵ月後にはレモン香料は全て揮発していた。
〔評価例2〕
上記実施例10において得た本発明の被覆油粒子(乳化物)10gに、1N塩酸(関東化学(株)製)10mLを加えたサンプル(塩酸処理サンプル)を調製した。その結果、すぐに炭酸カルシウムが溶解し、レモン香料が溶出した。また、上記実施例10において得た本発明の被覆油粒子(乳化物)と比較すると、強い香気が発生していた。このことより、本発明の被覆油粒子は、酸の存在下で炭酸カルシウム微粒子が溶解し、油分を放出する機能を有することが判明した。
〔実施例11〕
水難溶性無機カルシウム塩として炭酸カルシウムを20g用いたことと、油分として薬効成分ビタミンA(アルドリッチ社製)0.8gをサラダ油(日清オイリオ(株)製)2.0gに溶解した混合物を用いたこと以外は、上記実施例7と同様にして、ビタミンAとサラダ油の混合物を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例12〕
水難溶性無機カルシウム塩として炭酸カルシウムを22g用いたこと、油分として薬効成分DHA(アルドリッチ社製)0.8gを菜種油(商品名:キャノーラ油/日清オイリオ(株)製)2.0gに溶解した混合物を用いたこと以外は、上記実施例7と同様にして、DHAと菜種油の混合物を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例13〕
水難溶性無機カルシウム塩として炭酸カルシウムを13g用いたこと、油分として殺菌成分トリクロサン1.0gを菜種油1.8gに溶解した混合物を用いたこと以外は、上記実施例7と同様にして、トリクロサンと菜種油の混合物を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例14〕
水難溶性無機カルシウム塩として炭酸カルシウムを25g用いたこと、油分として薬効成分ビタミンE(アルドリッチ社製)0.8gをサラダ油(日清オイリオ(株)製)2.0gに溶解した混合物を用いたこと以外は、上記実施例7と同様にして、ビタミンEとサラダ油の混合物を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例15〕
油分として殺菌成分IPMP(大阪化成(株)製)0.8gを菜種油(商品名:キャノーラ油/日清オイリオ(株)製)2.0gに溶解させた混合物を用いたこと以外は、上記実施例7と同様にして、IPMPと菜種油の混合物を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例16〕
純水54gに、アニオン性官能基を有する化合物としてオレイン酸ナトリウム(純正化学(株)製)0.4gを溶解させ、ここに油分としてトリクロサン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.8gを菜種油(商品名:キャノーラ油/日清オイリオ(株)製)2.0gに溶解させた混合物を添加してホモジナイザー(IKA−WERKE製 ULTRA−TURRAX T25BASIC)を用いて撹拌(10000rpm,5分)し、O/W乳化物を調製した。
一方、リン酸カルシウム(白石カルシウム(株)製メカールP)14gを純水686gに分散させた。これをビーズミル(ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製))の原液タンクに仕込み、分散させながらミル内に供給して(流量10kg/hr)、ZrO2のφ0.1mmビーズを用いて23〜25℃で50分間粉砕を行なった(ミル回転数4350rpm)。
得られたリン酸カルシウム微粒子分散液が存在するミル原料タンク内に、実施例1に示すO/W乳化物を混合して更にビーズミルで45分間粉砕し、トリクロサンと菜種油の混合物をリン酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例17〕
油分として薬効成分ビタミンE(アルドリッチ社製)0.8gをサラダ油(日清オイリオ(株)製)2.0gに溶解させた混合物を用いたこと以外は、上記実施例16と同様にして、ビタミンEとサラダ油の混合物をリン酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例18〕
油分として化粧成分スクワラン(アルドリッチ社製)2.5gを用いたこと以外は、上記実施例9と同様にして、スクワランをリン酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例19〕
油分として殺菌成分IPMP(大阪化成(株)製)0.8gを菜種油(商品名:キャノーラ油/日清オイリオ(株)製)2.0gに溶解させた混合物を用いたこと以外は、上記実施例7と同様にして、IPMPと菜種油の混合物をリン酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例20〕
純水54gに、アニオン性官能基を有する化合物としてラウリル硫酸ナトリウム(純正化学(株)製)0.4gを溶解させ、ここに油分としてトリクロサン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.8gを菜種油(商品名:キャノーラ油/日清オイリオ(株)製)2.0gに溶解させた混合物を添加してホモジナイザー(IKA−WERKE製 ULTRA−TURRAX T25BASIC)を用いて撹拌(10000rpm,5分)し、O/W乳化物を調製した。
一方、炭酸カルシウム((株)白石中央研究所製ポアカル−N)14gを純水686gに分散させた。これをビーズミル(ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製))の原液タンクに仕込み、分散させながらミル内に供給して(流量10kg/hr)、ZrO2のφ0.1mmビーズを用いて23〜25℃で50分間粉砕を行なった(ミル回転数4350rpm)。
得られた炭酸カルシウム微粒子分散液が存在するミル原料タンク内に、実施例1に示すO/W乳化物を混合して更にビーズミル内で45分間粉砕し、トリクロサンと菜種油の混合物を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例21〕
油分として化粧成分スクワラン(アルドリッチ社製)2.5gを用いたこと以外は、上記実施例20と同様にして、スクワランを炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
〔実施例22〕
油分として殺菌成分IPMP(大阪化成(株)製)0.8gを菜種油(商品名:キャノーラ油/日清オイリオ(株)製)2.0gに溶解させた混合物を用いたこと以外は、上記実施例20と同様にして、IPMPと菜種油の混合物を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子を得た。この被覆油粒子の各成分の配合比と、粒子の各種物性を表1に示す。
Figure 2006043689
表1の結果から、実施例1〜22については、油粒子を炭酸カルシウム、またはリン酸カルシウムの微粒子で被覆した安定な被覆油粒子が得られ、乳化粒子の安定性が良好であることがわかった。また、評価例10より、本発明の被覆油粒子が徐放性を持つこと、評価例2より本発明の被覆油粒子は、酸による炭酸カルシウム微粒子の溶解によって、内包油分の放出が可能であることが確認された。
以上から、本発明の被覆油粒子は、1または2以上の成分からなる油分を平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子で被覆した平均粒径5μm以下の安定な被覆油粒子であることがわかった。また、この被覆油粒子は、乳化粒子の安定性が充分であり、しかも内容油分の徐放性をもち、酸の存在下で炭酸カルシウム微粒子が溶解し、油分を放出する機能を有することもわかった。
〔比較例1〕
殺菌成分トリクロサン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.8gをサラダ油(日清オイリオ(株)製)2.0gに溶解させた。別途、炭酸カルシウム((株)白石中央研究所製ポアカル−N)14gを純水686gに分散した液を調製し、これを高速ホモジナイザーを用いて8000rpmで10分間行った。この粉砕した炭酸カルシウム微粒子の分散液が存在するミル原料タンク内に、上記油分(殺菌成分トリクロサンおよびサラダ油)の混合物をスポイトで滴下することにより供給し、引き続き高速ホモジナイザーを用いて8000rpmでさらに55分間粉砕した。その結果、平均粒径2.2μmの炭酸カルシウム粒子が凝集しており、油粒子は炭酸カルシウム粒子で被覆されておらず、水分散液中に分散しており、この分散油粒子の平均粒径は20μmとなった(表1)。さらに、油粒子の一部が合一して液面に分離した混合液となった。
実施例5の結果と比較検討した結果、平均粒径2.2μmの炭酸カルシウム粒子では、油粒子を被覆できないことがわかった。すなわち、炭酸カルシウム粒子の微細化が不充分であると、油粒子を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子が形成されないことがわかった。
〔比較例2〕
炭酸カルシウム((株)白石中央研究所製ポアカル−N)10gを純水686gに分散した液を調製し、これをウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)で実施例1と同様の運転条件で5分間粉砕した。この粉砕した炭酸カルシウム微粒子の分散液が存在するミル原料タンク内に、サラダ油11gをスポイトで滴下することにより供給し、実施例1と同様の運転条件でさらに55分間粉砕した。その結果、炭酸カルシウム粒子の平均粒径は1.7μmとなり、さらに凝集が生じた。また、油粒子の平均粒径は20μmであった(表1)。しかも、油粒子の一部が合一して液面に分離した。得られた油粒子は炭酸カルシウム粒子で被覆されていなかった。
実施例5の結果と比較検討した結果、油分の量が多すぎるため、油粒子を炭酸カルシウムで被覆することができず、油粒子を炭酸カルシウムの微粒子で被覆した被覆油粒子が形成されなかったことがわかった。
以上のように、本発明にかかる被覆油粒子は、油分として薬効成分、化粧成分、殺菌成分、食用油、香料、色素、その他農薬、殺虫成分、抗菌、抗カビ成分等を安定に水難溶性無機カルシウム塩の微粒子で被覆した被覆油粒子であるため、医薬品、食品、化粧品、歯磨きや洗口剤などの口腔用製品などへの用途に用いるのに好適である。
また、本発明の被覆油粒子は、特定条件下における被覆粒子の溶解等により、内包油分を放出する機能を持つ素材、または徐放性製剤として、パーソナルケア製品やドラッグデリバリーシステムにおける薬物キャリアへの応用が可能である。
油粒子を水難溶性無機カルシウム塩の微粒子で被覆した被覆油粒子の模式図である。 水難溶性無機カルシウム塩の微粒子が油粒子に結合する機構を説明する模式図である。 実施例3で得られた被覆油粒子をスライスし、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影した写真(1万倍)を示す図である。 実施例3で得られた被覆油粒子をスライスし、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影した写真(5万倍)を示す図である。 本発明の乳化物の製造工程における各成分の状態を模式的に表した図である。
符号の説明
1 水難溶性無機カルシウム塩の微粒子凝集体
1a 水難溶性無機カルシウム塩の微粒子
2 油分
2a 油粒子
2b アニオン性官能基を有する化合物
3 被覆油粒子
4 水
5 乳化物
6 無機微粒子水分散液
7 乳化物

Claims (12)

  1. 油粒子の表面に平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子が付着されてなる平均粒径が5μm以下の被覆油粒子。
  2. 前記表面に付着している微粒子状の水難溶性無機カルシウム塩と前記油粒子との重量比が、10/10から100/10未満の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の被覆油粒子。
  3. 前記粒子状の油がアニオン性官能基を有する化合物を含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の被覆油粒子。
  4. 油粒子の表面に平均粒径1μm以下の水難溶性無機カルシウム塩の微粒子が付着された平均粒径が5μm以下の被覆油粒子が水分中に分散されてなる乳化物。
  5. 前記表面に付着している微粒子状の水難溶性無機カルシウム塩と前記油粒子との重量比が10/10から100/10未満の範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の乳化物。
  6. 前記粒子状の油がアニオン性官能基を有する化合物を含有していることを特徴とする請求項4または5に記載の乳化物。
  7. 水難溶性無機カルシウム塩を平均粒径1μm以下に微粒化して得られた水難溶性無機カルシウム塩の微粒子を油粒子の表面に付着させることにより平均粒径が5μm以下の被覆油粒子を得ることを特徴とする被覆油粒子の製造方法。
  8. 前記表面に付着させる微粒子状の水難溶性無機カルシウム塩と前記油粒子との重量比を10/10から100/10未満の範囲に設定することを特徴とする請求項7に記載の被覆油粒子の製造方法。
  9. 前記油粒子にアニオン性官能基を有する化合物を含有させることを特徴とする請求項7または8に記載の被覆油粒子の製造方法。
  10. 前記油粒子を水分中に分散させてなる乳化物中において実施することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の被覆油粒子の製造方法。
  11. 油分を水分中に分散して油粒子分散液を得る乳化工程と、水難溶性無機カルシウム塩の微粒子凝集体を水に分散させた後、前記微粒子凝集体を平均粒径1μm以下の微粒子に粉砕して無機微粒子水分散液を得る無機微粒子水分散液調製工程と、前記油粒子分散液と前記無機微粒子水分散液とを混合することにより、前記油粒子を前記水難溶性無機カルシウム塩の微粒子で被覆する混合被覆工程と、を含むことを特徴とする乳化物の製造方法。
  12. 前記乳化工程において、アニオン性官能基を有する化合物を油粒子分散液に添加して、前記油粒子に前記アニオン性官能基を有する化合物を含有させることを特徴とする請求項11に記載の乳化物の製造方法。
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