JP2012014166A - 磁性トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 帯電安定性と帯電均一性に優れ、使用環境によらず安定した現像性を維持し、画像濃度の低下やカブリ及びゴースト等の画像欠陥の少ない磁性トナーを提供することである。
【解決手段】 結着樹脂、磁性体を含有する磁性トナー粒子と、無機微粉体とを含有する磁性トナーであって、
(a)該磁性トナーは、周波数100kHz、温度30℃における誘電損率(ε”)が2.5×10−1pF/m以上、7.0×10−1pF/m以下であり、誘電正接(tanδ)が3.0×10−2以下であり、
(b)該磁性トナーは、周波数100kHzにおける誘電正接(tanδ)が温度60乃至140℃の範囲に極大値(tanδ)を有し、該tanδと該tanδとが、
(tanδ−tanδ)≦3.0×10−2
を満たすことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法又はトナージェット方式記録法を利用した記録方法に用いられる磁性トナーに関する。
近年、複写機やプリンター等の画像形成装置は、使用目的及び使用環境の多様化が進むと共に、更なる高速化、高画質化、高安定化が求められている。例えば、従来はオフィス内で使用されることが主流であったプリンターなどが、過酷な環境下でも使用されるようになってきており、そのような場合でも安定した画質を提供することが重要となっている。
複写機やプリンターにおいては、設置場所や使用環境を選ばす使用できることを目指して装置の小型化や省エネ化が進んでおり、これらの点で有利な磁性トナーを用いた磁性一成分現像方式が好ましく用いられる。磁性一成分現像方式では、内部にマグネットロール等の磁界発生手段を設けたトナー担持体(以下、現像スリーブという)を用いて磁性トナーを保持し、現像領域に搬送して現像する。また、トナーへの電荷付与は、主としてトナーと現像スリーブ等の摩擦帯電付与部材との摺擦による摩擦帯電によって行われる。
トナーが帯電しやすい低温低湿の環境においては、トナーの帯電量が大きく増加するチャージアップという現象が起こり、現像性能が損なわれる場合がある。つまり、チャージアップしたトナーが現像スリーブ上に留まることで画像濃度が低下したり、トナーの帯電が不均一になることによりカブリといった画像欠陥を生じたりする。こうした問題を解決するために、外部添加剤として導電性微粒子をトナー粒子に添加することで、トナーとしての帯電性を調整する方法が数多く提案されている。例えば、トナーの過剰な帯電を抑制し帯電分布を均一化させる等の目的で、トナー表面にカーボンブラックを付着或いは固着させて用いることが広く知られている。しかし一方では、トナー表面に導電性微粒子があることで、高温高湿等の電荷がリークしやすい環境下では帯電の不均一化や帯電不足となる恐れがある。また、トナー同士あるいはトナーと規制部材との摺擦によりトナー外部添加剤の剥離や埋め込み等が発生し、帯電安定性が低下してしまう。
こうした課題を受けて、苛酷な環境においても現像性を安定させるために、外部添加剤ではなくトナーの原材料及びその分散状態を制御することにより帯電性の向上が検討されている。
本発明者らの検討の結果、トナー粒子内部に磁性体が局所的に存在し、トナー表面に本質的に磁性体が存在しないトナーは、表面が樹脂からなっているために高抵抗でありチャージアップが生じる傾向にあることがわかった。また、磁性体がトナー中において局所的に存在していたり、凝集していたりすると、トナーの帯電性が不均一になる。その結果、スリーブゴーストと呼ばれる濃淡ムラが画像上に発生したり、ベタ黒画像の濃度均一性が低下したりすることがある。
上記した問題を解決するため、トナー内における磁性体の分散状態の指標である誘電正接(tanδ)を制御し、環境変動に伴う現像性の変化を安定させるという提案もある。
特許文献1では、磁性体の表面性と形状を調整して磁性体の凝集性を低下させ、磁性体をトナー全体に分散させて、トナーの誘電正接(tanδ)を制御することにより、トナーの帯電性を制御し現像性を向上させている。また、特許文献2及び特許文献3では、高温域及び常温域における誘電正接(tanδ)を制御し、環境変動に伴うトナーの帯電性の変化を小さくするよう試みている。
しかし、これらの手法は何れも磁性体をトナー全体へ分散させる方向であるため、トナー表面への磁性体の露出を抑制することが不十分であった。磁性体がトナー表面から露出していると、露出点が電荷のリークサイトとなり帯電不足を引き起こし、さらにトナーの帯電量分布が不均一になる。この場合、選択現像が起こり、適度な帯電量のトナーだけが現像され、帯電量の低いトナーは現像器内に蓄積されていくため、カブリなどの画像欠陥を引き起こす。
一方、特許文献4及び特許文献5では、トナー表面から所定距離内に磁性体を存在させ、かつトナー表面への磁性体の露出を抑制することにより、環境変動に伴う帯電性の変動を低減している。このため、トナーは、磁性体が相対的に高密度で存在する磁性体分布層が表面近傍に存在する構造となっている。磁性体が露出することなく表面近傍に存在することで低温低湿環境においてはチャージアップを抑制しつつ、帯電量分布のブロード化に伴う選択現像を低減している。これにより画像濃度低下やカブリといった画像欠陥を抑制している。さらに、磁性体のトナー表面への露出が抑制していることで、高温高湿においては電荷のリークを抑制しており、環境変動による帯電性の安定化が図られている。
しかし、トナー表面近傍において磁性体の存在密度が高いために、トナー内で磁性体同士が凝集する場合がある。磁性体同士の凝集は、磁性体表面の疎水化処理が不均一な場合に、表面に残った親水基が相互に引き合うことで起こると考えられる。このように微視的に見た磁性体分散状態はトナーの帯電均一性に影響を及ぼし、特に帯電に厳しい環境、例えば高温高湿下にて高速で現像するような場合おいては、トナー間で帯電量に差が生じ、スリーブゴーストや濃度ムラが発生することがある。
また、特許文献6では磁性体表面のSi元素量を規定すると共に、磁性体表面を表面改質剤により改質した磁性体を用いることにより、環境安定性が良化するとの提案もなされている。しかしながら、磁性体表面を均一に疎水化するという点については更なる改善の余地がある。磁性体の疎水化は、トナー内での磁性体の分散状態に影響する他、トナーの水分吸着量にも影響を及ぼし、高温高湿下での現像性の安定性を大きく左右する。
特開2003−195560号公報 特開2005−157318号公報 特開2003−330223号公報 特開2008−015221号公報 国際公開2009/057807号公報 特開平10−239897号公報
本発明は上記従来技術の問題に鑑みなされたものである。
即ち、本発明の目的は、トナーの粒子間における帯電の均一性に優れ、また帯電安定性に優れており、使用環境によらず安定した現像性を有する磁性トナーを提供することである。また、画像濃度の低下やカブリ及びゴースト等の画像欠陥の少ない磁性トナーを提供することである。
本発明は、結着樹脂、磁性体を含有する磁性トナー粒子と、無機微粉体とを含有する磁性トナーであって、
(a)該磁性トナーは、周波数100kHz、温度30℃における誘電損率(ε”)が2.5×10−1pF/m以上、7.0×10−1pF/m以下であり、誘電正接(tanδ)が3.0×10−2以下であり、
(b)該磁性トナーは、周波数100kHzにおける誘電正接(tanδ)が温度60乃至140℃の範囲に極大値(tanδ)を有し、該tanδと該tanδとが、
(tanδ−tanδ)≦3.0×10−2
を満たすことを特徴とする磁性トナーに関する。
本発明によれば、トナーの粒子間における帯電の均一性に優れ、また帯電安定性に優れており、使用環境によらず安定した現像性を有する磁性トナーを得ることができる。また、画像濃度の低下やカブリ及びゴースト等の画像欠陥の少ない磁性トナーを得ることができる。
磁性体の流動特性を測定するための測定ブレードの説明図である。
本発明の磁性トナーは、(a)周波数100kHz、温度30℃における誘電損率(ε”)が2.5×10−1pF/m以上、7.0×10−1pF/m以下であり、誘電正接(tanδ)が3.0×10−2以下であり、(b)周波数100kHzにおける誘電正接(tanδ)が温度60乃至140℃の範囲に極大値(tanδ)を有し、該tanδと該tanδとが、(tanδ−tanδ)≦3.0×10−2の関係を満たすものである。
従来、誘電損率(ε”)の値は電荷の放逸(誘電損失)しやすさを表す指標として用いられてきた。誘電損率(ε”)が高いほど電荷を放逸しやすく、チャージアップし難いトナーといえる。しかし、誘電損率(ε”)の値が高すぎると、今度は帯電を保持できず、現像性能が低下してしまう。
本発明者らは、周波数100kHz、温度30℃におけるトナーの誘電損率(ε”)を2.5×10−1pF/m以上、7.0×10−1pF/m以下の範囲とすると、トナーのチャージアップと電荷のリークの両方を抑制できることを見出した。これにより、環境によらず安定した帯電性が得られる。
ここで誘電損率(ε”)を測定する基準として周波数を100kHzとしたのは、磁性体の分散状態を検証するために好適な周波数である為である。100kHzより低周波数であると誘電損失が小さくなるために、トナーの誘電損率(ε”)の変化がわかりにくく、また100kHzより高周波数の場合は、温度変化させた場合の誘電特性の差が小さくなるため好ましくない。また、温度30℃というのは画像形成時のカートリッジ内部の温度を想定した温度である。
誘電損率(ε”)が2.5×10−1pF/m未満であると、トナーが電荷を保持しやすく、低温低湿の環境下ではチャージアップが発生しやすい。チャージアップが著しい場合は、使用初期でカブリや濃度低下が発生するが、使用初期ではそのような画像欠陥が見られない場合でも、選択現像が進んだ長期使用後や、放置後など、トナーの帯電量分布がさらにブロード化する場合においては、カブリや濃度低下を生じることがある。特に、使用の途中で新しいトナーが補給されて、現像器内のトナーの帯電量分布がブロードになった状態で暫く放置された場合、その後出力した画像には濃度低下が見られ、また顕著なカブリが発生することがある。
誘電損率(ε”)が7.0×10−1pF/mを超えると、トナーの帯電保持能が低下し、帯電が不十分な、或いは電荷を持たないトナーが増加し、カブリが発生するようになる。使用初期では画像欠陥が見られない場合でも、長期使用後や放置後には現像器内のトナーの帯電量分布がブロード化し、カブリ等が生じることもある。この現象は、電荷がリークしやすい高温高湿環境においてより顕著に発生する。
磁性トナーにおいて、誘電損率(ε”)はトナー表面近傍の磁性体の存在状態を制御することで、上記の範囲内に制御することができる。誘電損率(ε”)の値を高くするためには、磁性体をトナーの表面或いは表面近傍に存在させればよい。樹脂と比べて低抵抗の磁性体がトナー表面或いは表面近傍に多くなることによって、電荷を適度に散逸できるようになる。但し、磁性体をトナー表面から露出させると、誘電損率(ε”)が大きくなり過ぎ、電荷のリークが顕著となるので好ましくない。本発明の誘電損率(ε”)を満たすためには、磁性体をトナー表面から露出させることなく、表層部に存在させればよい。一方、誘電損率(ε”)の値を低くするには、トナー表層における磁性体の存在量を少なくすれば良く、磁性体をトナー内部にわたって分散させればよい。
さらに、本発明において、誘電損率(ε”)が上記の範囲内であることに加え、周波数100kHz、温度30℃におけるトナーの誘電正接(tanδ)が3.0×10−2以下であると、トナーの粒子間の帯電の均一性が高まり、帯電の立ち上がりを早くすることができる。
誘電正接(tanδ)は誘電損率(ε”)/誘電率(ε’)で表され、誘電特性の指標として従来から用いられてきた。誘電正接(tanδ)が小さい場合、トナーとして誘電分極し易く、素早く均一に帯電することができる。本発明において誘電正接(tanδ)が3.0×10−2以下の範囲にあると、高温高湿下で放置されるなどして帯電量が低下した場合でも、その後にスリーブゴーストといった画像欠陥が発生することを低減することができる。
逆に、誘電正接(tanδ)が3.0×10−2より大きいとき、帯電の立ち上がりが遅く均一な帯電にならないために高温高湿下での放置後に画像欠陥が発生することがある。特に、使用の途中で新しいトナーが補給されて、現像器内のトナーの帯電量分布がブロードになった状態で暫く放置され、その後出力するような際に生じやすい。補給されたトナーと既存トナーとでは帯電量に差があり、帯電の立ち上がりに劣るトナーでは、帯電量の差を解消できず、スリーブゴーストが生じる。
磁性トナーの帯電性を改善するためには、磁性トナーの誘電損率(ε”)と誘電正接(tanδ)との両方を制御することが非常に重要である。誘電損率(ε”)が上述した範囲内にあっても、誘電正接(tanδ)が3.0×10−2を超える範囲にあると、帯電の均一性に劣るために、環境によっては画像欠陥が生じる。逆に、誘電正接(tanδ)が3.0×10−2以下であっても、誘電損率(ε”)が上述の範囲外にあると、帯電の安定性に欠けるために、選択現像に伴うカブリを引き起こす場合がある。
誘電正接(tanδ)は、トナー内における磁性体の分散状態により制御することができる。トナー内で磁性体を凝集させずに、ばらけて分散させると、誘電分極が起こり易くなり、誘電正接(tanδ)の値を小さくすることができる。逆に、凝集させ、誘電分極を起こりにくくすることによって、誘電正接(tanδ)の値を大きくすることができる。従って、トナー内で磁性体の凝集を抑制することで、誘電正接の値を3.0×10−2以下とすることができ、帯電均一性を向上させることができる。
一般的に誘電正接(tanδ)は温度依存性を有するが、本発明者らは磁性トナーにおいて温度60乃至140℃の範囲に極大値(tanδ)を持ち、該極大値(tanδ)とtanδとの差が特定の範囲内にある場合、トナー間の帯電均一性をより良好にできるということを見出した。
誘電正接(tanδ)の値は、材料の分散状態の他に、結着樹脂の組成に大きく依存する。温度が上がることで樹脂の内部状態が変化するため、誘電正接(tanδ)の値も変動する。このため、結着樹脂を選択することにより誘電正接(tanδ)の値をコントロールすることもできる。例えば、ポリエステルを結着樹脂として用いた場合には、スチレン−アクリル樹脂を用いた場合よりも(tanδ−tanδ)の値は大きくなる。
周波数100kHzにおける誘電正接(tanδ)が、温度60℃から140℃の範囲に極大値(tanδ)を有し、(tanδ−tanδ)が以下の関係を満たすことが重要である。
0<tanδ−tanδ≦3.0×10−2
尚、定着時に溶融することが求められるトナー用の樹脂では、周波数100kHzにおける誘電正接(tanδ)は一般的に60〜140℃の範囲に極大値を有する。
極大値(tanδ)は同一の結着樹脂を用いているトナーでも、磁性体の分散状態により異なる値を示すことが分かった。磁性体が凝集して存在している場合、極大値(tanδ)が大きくなる。この理由について、以下のように考えている。トナーのガラス転移温度(Tg)は60℃未満であることが多く、60℃以上の温度では、樹脂が軟化し、トナーの粒界が無くなっていく。樹脂が軟化した状態で、トナー表面近傍で高密度に存在していた磁性体は再凝集しやすくなる。磁性体の中でも凝集性の高いものは、軟化した樹脂中でさらに凝集し、極大値(tanδ)を大きくする要因となっている。
(tanδ−tanδ)が小さいということは、高温時の粒界の影響がない場合のトナーの誘電特性と、室温での粒界を有するトナーの誘電特性との差が小さいことを示している。室温でのトナー内の微視的な磁性体分散性が同等でも、高温にて粒界の影響をなくした場合に、凝集が生じる場合があり、このような高温にて磁性体の凝集が生じるような磁性トナーにおいては、(tanδ−tanδ)が大きくなる。
本発明者らの検討では、(tanδ−tanδ)が3.0×10−2以下であると、トナーの帯電均一性及び帯電の迅速性に関して、特に良好となる。高温高湿下にて高速で現像するような、帯電に特に厳しい環境であっても、画像濃度のムラの発生を抑制できる。
(tanδ−tanδ)値を小さくするには、磁性体の微視的な凝集をさらに抑制して、高温時においても、凝集が生じない程度にまで、磁性体の分散状態をばらけさせることが好ましい。
本発明においては、磁性トナーの誘電損率(ε”)、誘電正接(tanδ)及び(tanδ−tanδ)を制御することによって、帯電の均一性に優れ、環境変動における帯電の安定性に優れたトナーを達成している。
さらに本発明で使用される磁性体は、粉体流動性測定装置により測定される、撹拌速度が100rpm時のTotal Energy(TE)が500mJ以上2000mJ以下であることが好ましい。磁性体の流動性は、トナー内における磁性体の分散性と関連している。Total Energy(TE)が2000mJ以下であると、磁性体の流動性が高く、トナー中での磁性体の分散性を高度に制御しやすい。高い流動性をもつ磁性体は、結着樹脂(モノマー)中での凝集を抑制でき、良好に分散させることができる。
磁性体の流動性は、磁性体表面の疎水化処理の影響を大きく受ける。疎水化処理を施した磁性体は、未処理の磁性体に比べて水分吸着が少ないため、流動性が高くなり、トナー内での分散性が向上する。さらに、疎水化処理の条件を調製することによって、磁性体をトナー表面に露出させることなく、トナー表面近傍に磁性体を分布させることが可能となる。
また、磁性酸化鉄表面にケイ素を多数存在させた上で疎水化処理を施すと、トナー内での磁性体の分散性がより向上するため好ましい。磁性酸化鉄表面にケイ素を存在させると、疎水化処理性剤と磁性酸化鉄表面の親和性が増すために均一な処理ができ、磁性体の流動性がさらに向上する。さらに、疎水化処理剤は加水分解させて反応性を高めることで、磁性酸化鉄表面と強固に化学結合し、より均一な処理を施すことが可能である。磁性体の疎水化処理方法の詳細については、後述する。
また磁性体の粒径を大きくすると、流動性は増し、Total Energy(TE)を小さくなるため磁性体の分散性は向上する。しかし、磁性体径があまり大きいと、トナー表面から露出しやすくなるため、磁性体粒子の体積平均粒径(Dv)を0.40μm以下とすることが好ましい。
逆に磁性体粒子径を小さくすると流動性は低下し、トナー中で磁性体が微視的に凝集して存在しやすくなるため、磁性体の体積平均粒径(Dv)は、0.10μm以上であることが好ましい。
磁性体の流動性は、磁性体表面の水分吸着量に大きく影響される。磁性酸化鉄は磁性酸化鉄表面には水酸基等の官能基が存在し、これらが水分を吸着するため、流動性悪化の原因となる。よって、官能基を化学修飾(表面処理)する事により、水分の吸着を抑制することが非常に重要である。ここで、表面処理剤としては一般的にシラン化合物、チタネート化合物、アルミネート化合物等が知られているが、これらの表面処理剤はいずれも加水分解し、磁性酸化鉄表面の水酸基と縮合反応する事で強固な化学結合を有し、疎水性を発揮する。処理の均一性の点では、加水分解後の自己縮合が他の化合物よりも抑制できるため、シラン化合物が特に好ましく用いられる。
しかし、表面処理を施した磁性体においても処理が不均一であったりすると、やはり水分吸着量が多くなり、磁性体の流動性が低下するので好ましくない。本発明者の検討の結果、処理磁性体において、単位面積あたりの水分吸着量が0.3mg/m以下であることが好ましい。この場合、磁性酸化鉄表面全域が特に良好に処理されていると考えられる。
さらに、磁性酸化鉄表面には、ケイ素が特定量存在していることが好ましい。この場合、磁性酸化鉄表面とシラン化合物との親和性が向上し、シラン化合物による処理の均一性がより向上すると考えている。ケイ素量は、磁性酸化鉄を塩酸水溶液中に分散させて、鉄の溶解率が磁性酸化鉄に含まれる全鉄元素に対して5質量%になるまでに溶解させ、その時点までに溶出したケイ素の量が、磁性酸化鉄に対し0.05質量%以上0.50質量%以下が好ましい。
ここで、磁性酸化鉄の鉄元素の溶解率についてであるが、鉄元素の溶解率が100%とは磁性酸化鉄が完全に溶解した状態であり、数値が100%に近い程磁性酸化鉄が溶出したことを意味する。よって、鉄元素の溶解率が5%までに溶解する元素の量は、磁性酸化鉄表面に存在する元素の量を示していると考えられる。
磁性体表面の疎水化処理に好適に用いられるシラン化合物としてシランカップリング剤があり、中でも一般式(A)で示されるアルキルアルコキシシランに加水分解処理を施して使用するのが好ましい。アルコキシシランを加水分解すると末端がOH基になるため、未処理の磁性体表面に存在するOH基との親和性が高まる。それにより処理剤が未処理の磁性体表面に吸着されやすくなるため、十分に表面を被覆でき、未処理部分が残り難くなる。
SiY (A)
(式中、Rはアルコキシ基、或いは、水酸基を示し、mは1から3の整数を示し、Yはアルキル基、或いは、ビニル基を示し、該アルキル基は、置換基として、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基などの官能基を有していても良い。nは1から3の整数を示す。但し、m+n=4である。)
一般式(A)で示されるアルキルアルコキシシランとしては、例えば、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
この中で、高い疎水性を磁性体に付与するという観点では、下記一般式(B)で示されるアルキルトリアルコキシシランを用いることが好ましい。
2p+1−Si−(OC2q+1 (B)
(式中、pは2から20の整数を示し、qは1から3の整数を示す。)
上記式におけるpが2より小さいと、磁性体に疎水性を十分に付与することが出来ず、またpが20より大きいと疎水性は十分になるが、炭素鎖が長鎖になるほど立体障害が大きくなるため、均一で密な処理には不利になりやすい。処理均一性と十分な疎水性を満たすには、pが4以下であることが好ましく、3以上4以下が特に好ましい。3以上であると磁性体に疎水性を十分に付与できると共に、単位面積あたりに吸着できる処理剤の分子数が多いために処理磁性体表面の均一性がより高まる。また、4以下であると磁性体表面の処理剤の密度も高く維持される。つまり、pは3以上4以下であることが疎水性と処理の均一性を両立し、磁性トナーの製造において磁性トナー中の磁性体の存在態を高度に制御し、トナー表面近傍に磁性体を分布させ得る点で好ましい。qが3より大きいとアルキルアルコキシシランの反応性が低下して疎水化が十分に行われ難くなる。よって、qが1から3の整数(より好ましくは、1又は2の整数)を示すアルキルトリアルコキシシランを使用することが好ましい。
上記シランカップリング剤を用いる場合、単独で処理する、或いは複数の種類を併用して処理することが可能である。複数の種類を併用する場合、それぞれの化合物で個別に処理してもよいし、同時に処理してもよい。
また、表面処理の均一性を上げるために、シラン化合物の加水分解率は、50%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上である。加水分解率が50%以上のシラン化合物は磁性酸化鉄表面の水酸基等と水素結合を介して吸着し、これを加熱・脱水することにより強固な化学結合を形成する。一方、加水分解処理を施していないシラン化合物は、表面処理の際に100℃から120℃程度の熱がかかると、磁性酸化鉄表面から揮発してしまう。このような理由で、シラン化合物を加水分解処理することで、多くの処理剤で磁性酸化鉄表面を処理することができ、表面処理の均一性がより高まる。なお、シラン化合物の加水分解率はアルコキシシランが完全に加水分解した状態を加水分解率=100%とし、残存するアルコキシ基の割合を引いた値である。
また、アルコキシシランの加水分解は、例えば下記方法で行うことができる。
一般的に、pHが低いほど、そして液温が高いほどアルコキシシランは加水分解しやすいが、同時に自己縮合も生じやすくなる。しかし、高せん断を付与できる分散装置(例えば、ディスパー翼を用いる)を用いると、加水分解し難い条件(すなわち、自己縮合し難い条件)であってもアルコキシシランと水の接触面積が増加し、効率良く加水分解を促進させることができる。
即ち、pHを4.0以上6.5以下に調整した水溶液もしくはアルコールと水との混合溶液にアルコキシシランを徐々に投入し、ディスパー翼などを用いて均一に分散させればよい。この時、分散液の液温は35℃以上50℃以下であることが好ましい。この条件であれば、加水分解率を高めつつ、自己縮合を抑制することができる。
処理磁性体は、例えば下記の方法で製造することができる。
まず、第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量又は当量以上の水酸化ナトリウム等のアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHを7.0以上に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを5.0以上10.0以下に維持し、空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。
磁性体の形状及び磁気特性は、任意のpH及び反応温度、空気の吹込み量、撹拌条件を選択することにより、コントロールすることが可能である。なお、反応温度が低い程、そして空気量が多いほど微粒化しやすい。また、酸化反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは5.0未満にしない方が好ましい。酸化反応終了後、ケイ酸ソーダ等のケイ素源を添加し、液のpHを5.0以上8.0以下に調整する。このようにすることで、磁性酸化鉄粒子表面にケイ素の被覆層が形成される。以上のように得られた磁性酸化鉄粒子を定法によりろ過、洗浄、乾燥することにより磁性酸化鉄を得ることができる。ここで、酸化反応終了後に添加するケイ酸ソーダ等の珪素源の添加量を調整することにより、磁性酸化鉄表面に存在するケイ素元素量を制御することが出来る。
次いで、シラン化合物による表面処理を行う。表面処理には、乾式法と湿式法とがある。
湿式法にて表面処理を行う場合、酸化反応終了後、乾燥させた磁性体を水系媒体に再分散させる、又は酸化反応終了後、洗浄、ろ過して得られた磁性体を乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させ、表面処理を行えばよい。具体的には、再分散液を十分撹拌しながらアルコキシシランを添加し、加水分解後温度を上げる、或いは、加水分解後に分散液のpHをアルカリ域に調整することで表面処理を行う。
乾式と湿式の両方法とも、表面処理工程で、磁性体表面とシラン化合物とを水素結合的に吸着させた後、乾燥工程を行うことで脱水縮合反応を進め、強固な結合としている。
シラン化合物カップリング剤による処理は、気相中で行う乾式法が好ましい。この理由については、以下のように考えている。乾式法では、反応系内に水が少量しか存在しないため、シラン化合物に含まれる親水基と水とで水素結合を形成しにくい。よって、水が存在する湿式処理に比べ、磁性体表面との水素結合率が高くなり、より均一で効率的なシランカップリング剤による疎水化処理を行うことができる。
次に、乾式法について例示する。乾式法には、処理剤を揮発させて母体に付着させ処理する方法、スプレードライヤーの如き装置を用いて噴霧する方法、ヘンシェルミキサー等の装置を用いてシェアをかけながら撹拌する手法がある。中でも、ヘンシェルミキサーの如き撹拌装置を用いて、未処理の磁性体を撹拌しながら上記加水分解物を滴下し、さらに撹拌する方法が簡便であり好ましい。シラン化合物の加水分解物が表面に吸着した磁性体を得た後、加熱によって縮合反応を進行させることで、疎水化処理した磁性体が得られる。
本発明において、磁性酸化鉄を塩酸水溶液に分散させて、鉄元素の溶解率が磁性酸化鉄に含まれる全鉄元素量に対して5質量%になるまでに溶解させ、その時点までに溶出したアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の総量が、磁性酸化鉄を基準として0.010質量%以下であることが好ましい。このような金属が磁性酸化鉄表面に存在しないことにより、シラン化合物の処理がより均一になり非常に好ましい。これは、次の理由であると本発明者らは考えている。これまで述べてきたように、磁性酸化鉄表面の水酸基やシラノール基とシラン化合物との間で水素結合を生じさせ、その後、脱水することにより化学結合を生じさせた磁性酸化鉄であることが好ましい。しかし、磁性酸化鉄表面に多数のアルカリ金属、アルカリ土類金属が存在すると、水酸基やシラノール基にこれら金属元素が配位し、シラン化合物との水素結合を妨げてしまう。これは、水酸基やシラノール基は陰イオンであるのに対し、アルカリ金属、アルカリ土類金属は陽イオンであるため、電気的に配位し易いためであると考えている。このため、シラン化合物による処理の均一性が損なわれやすくなってしまう。
磁性酸化鉄表面のアルカリ金属、及び/又は、アルカリ土類金属の存在量は、磁性酸化鉄製造後にイオン交換樹脂にてイオン交換することにより制御可能である。
具体的には、上記の如く水系中にて製造した磁性酸化鉄をろ過・洗浄した後に、再度水中に投入してリスラリーする。このスラリーにイオン交換樹脂を投入し、撹拌することによりアルカリ金属、アルカリ土類金属を取り除く。その後、イオン交換樹脂をメッシュにてろ過することにより、イオン交換樹脂を取り除けばよい。ここで、撹拌する時間、投入するイオン交換樹脂の量により磁性酸化鉄表面に存在するアルカリ金属、及び/またはアルカリ土類金属の総量を制御することが可能である。
また、本発明の磁性トナーは公知のいずれの方法によっても製造することが可能であるが、本発明で規定する物性を満たす磁性トナーを得る上では、水系媒体中での製造方法が適している。
水系媒体中での製造方法としては、分散重合法、会合凝集法、溶解懸濁法、懸濁重合法等が挙げられるが、本発明のトナーは懸濁重合法で製造されることが、本発明の好適な物性を満たしやすく特に好ましい。懸濁重合法においては、先ず重合性単量体及び磁性体(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解又は分散させて重合性単量体組成物を得る。その後、分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に適当な撹拌器を用いて重合性単量体組成物を加えて、分散し、重合反応を行い、所望の粒径を有するトナー粒子を得るものである。この懸濁重合法で得られるトナー粒子は、個々の形状がほぼ球形に揃っているため、本発明の帯電量分布の均一性を高めることができる。
以下に、本発明の磁性トナーに含有される成分について述べる。
本発明の磁性トナーは、結着樹脂を含有するものである。本発明の磁性トナーに用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂を用いることができ、これらは単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。この中でも特にスチレンとアクリル系モノマーとの共重合体からなるスチレン−アクリル樹脂が現像特性の点で好ましい。
磁性トナーには、帯電特性向上のために必要に応じて荷電制御剤を配合することが好ましい。荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、帯電スピードが速く、且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が特に好ましい。更に、トナーを後述するような重合法を用いて直接製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的に無い荷電制御剤が特に好ましい。荷電制御剤のうち、ネガ系荷電制御剤として具体的には、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などの芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料又はアゾ顔料の金属塩又は金属錯体、スルホン酸基又はスルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が挙げられる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。中でもスルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体は極性が高く、懸濁重合法と組み合わせた場合に磁性トナー表面に存在させやすいため好ましい。
荷電制御剤を磁性トナーに含有させる方法としては、磁性トナー粒子内部に添加する方法がある。懸濁重合により磁性トナーの製造を行う場合には、造粒前に重合性単量体組成物中に荷電制御剤を添加する方法が一般的である。また、水中で油液滴を形成し重合を行っている最中、又は重合後に荷電制御剤を溶解、懸濁させた重合性単量体を加えることによりシード重合を行い、磁性トナー表面を均一に覆うことも可能である。また、磁性トナー粒子にこれら荷電制御剤を添加し、シェアをかけ混合・撹拌することにより磁性トナー粒子表面に導入することも可能である。
磁性トナーは、高画質化の観点から、重量平均粒径(D4)が3μm以上、10μm以下であることが好ましく、より好ましくは4μm以上、9μm以下である。
磁性トナーは、定着性と保存安定性、そして現像性のバランスをとる観点から、ガラス転移温度(Tg)は40.0℃以上70.0℃以下であることが好ましい。
磁性トナーは、耐久現像性の更なる向上のためにコア−シェル構造を有していることが好ましい。これは、シェル層を有することによりトナーの表面性が均一になり、流動性が向上すると共に帯電性が均一になるためである。
また、シェル層には非晶質の高分子量体を用いることが好ましく、帯電の安定性と言う観点から酸価は5.0mgKOH/g以上、20.0mgKOH/g以下であることが好ましい。高分子量体のシェルを用いれば、コアの表面を均一に覆うため、長期保存においても低融点物質の染み出し等の発生を抑制できる。
シェルを形成させる具体的手法としては、コア粒子にシェル用の微粒子を埋め込む方法が挙げられる。水系媒体中で磁性トナーを製造する場合には、コア粒子にシェル用の微粒子を付着させればよい。また、溶解懸濁法、懸濁重合法においては、シェル用の高分子量体として親水性の樹脂を用いれば、樹脂の親水性を利用し、水との界面、即ち、磁性トナー粒子の表面近傍にこれら高分子量体を偏在せしめ、シェルを形成することが可能である。さらには、所謂シード重合法によりコア粒子表面にモノマーを膨潤させ、重合することによりシェルを形成することができる。
シェルを形成する樹脂としては、上記効果が大きく発現されるため、非晶質ポリエステルが特に好ましい。
非晶質ポリエステル樹脂は、アルコール成分と酸成分から構成される通常のものが使用でき、両成分については以下に例示する。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ブテンジオール、オクテンジオール、シクロヘキセンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノール誘導体などが挙げられる。
2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸またはその無水物、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸またはその無水物、またさらに炭素数6から18のアルキルまたはアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸またはその無水物などが挙げられる。
さらに、多価アルコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルの如き多価アルコールが挙げられ、多価酸成分としてトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸が挙げられる。
中でもアルコール成分として、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を用いて合成した非晶質ポリエステル樹脂が、帯電特性、環境安定性の点で優れており、好ましい。この場合、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は2.0モル以上10.0モル以下であることが好ましい。
また、シェルを形成する高分子量体の数平均分子量(Mn)は2500以上20000以下が好ましい。
本発明に関わる磁性トナー粒子の製造において、重合性単量体組成物を構成する重合性単量体としては以下のものが挙げられる。重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類、その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の単量体が挙げられる。これらの単量体は単独で、又は混合して使用し得る。上述の単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独で、或いは他の単量体と混合して使用することが磁性トナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
磁性トナー粒子を水系媒体中にて重合性単量体を重合して製造する手法にて製造する場合、使用出来る重合開始剤としては重合反応時における半減期が0.5時間以上30.0時間以下であるものが好ましい。また、重合開始剤の添加量は重合性単量体100質量部に対して0.5質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。具体的な重合開始剤例としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
磁性トナー粒子の製造においては必要に応じて架橋剤を添加することが出来る。好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.01質量部以上10.00質量部以下である。ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物、例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル、ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物、及び3個以上のビニル基を有する化合物、が単独で、又は2種以上の混合物として用いられる。
磁性トナー粒子を懸濁重合法で製造する場合、上述のトナー組成物等を適宜加えて、均一に溶解又は分散させた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得られるトナー粒子の粒度分布がシャープになる。重合開始剤添加の時期としては、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体又は溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
磁性トナー粒子を製造する場合には、分散安定剤として公知の界面活性剤や有機分散安定剤・無機分散安定剤が使用できる。中でも無機分散安定剤は、有害な超微粉を生じ難く、その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナーに悪影響を与え難いため、好ましく使用できる。こうした無機分散安定剤の例としては、燐酸三カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛、ヒドロキシアパタイト等の燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物が挙げられる。これらの無機分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.20質量部以上20.00質量部以下の量を用いることが好ましい。また、上記分散安定剤は単独で用いても良いし、複数種を併用してもよい。
上記重合性単量体を重合する工程において、重合温度は40℃以上、一般には50℃以上90℃以下の温度に設定される。
上記工程終了後、得られた重合体粒子を公知の方法によってろ過、洗浄、乾燥することにより磁性トナー粒子が得られる。この磁性トナー粒子に、後述するような無機微粉体を必要に応じて混合して該磁性トナー粒子の表面に付着させる。また、製造工程(無機微粉体の混合前)に分級工程を入れ、磁性トナー粒子中に含まれる粗粉や微粉をカットすることも可能である。
本発明の磁性トナーは、無機微粉体を有するものである。無機微粉体としては、シリカ、酸化チタン、アルミナなどが使用できる。また、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体も使用することができる。
本発明において無機微粉体は疎水化処理された物であることが、磁性トナーの環境安定性を向上させることができるため好ましい。
本発明に用いられる磁性トナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末、あるいは酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤、あるいは例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末などの流動性付与剤、ケーキング防止剤、また、逆極性の有機微粒子、及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。これらの添加剤も表面を疎水化処理して用いることも可能である。
次に、本発明のトナーに係る各物性の測定方法に関して記載する。
(1)トナーの誘電損率(ε”)及び誘電正接(tanδ)
本発明に係わる磁性トナーの誘電特性は以下の方法で測定する。
4284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、1kHz及び1MHzの周波数で校正後、周波数100kHzにおける複素誘電率の測定を行い、誘電損率ε”及び誘電正接tanδを算出する。具体的には、磁性トナーを1.0g秤量し、19600kPa(200kg/cm)の荷重を2分間かけて、直径25mm,厚さ1mm以下(好ましくは0.5乃至0.9mm)の円盤状の測定試料に成型する。この測定試料を直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)に装着し、温度80℃まで加熱して溶融固定する。その後、温度25℃まで冷却し、0.49N(50g)の荷重をかけた状態で100kHzの周波数一定として、毎分2℃の昇温速度で15秒毎に測定値を取り込みながら、150℃まで加熱する。得られた測定値から、温度30℃時点の誘電損率(ε”)と誘電正接(tanδ)、誘電正接(tanδ)を求める。
(2)磁性体のTotal Energy(TE)
本発明で使用する磁性体において、撹拌速度が100回転の時のTotal Energy(TE)は、粉体流動性分析装置パウダーレオメータFT−4(Freeman Technology社製)(以下、FT−4と省略する場合がある)を用いて測定する。
具体的には、以下の操作により測定を行う。尚、全ての操作において、プロペラ型ブレードは、FT−4測定専用48mm径ブレード(図1参照;48mm×10mmのブレード板の中心に法線方向に回転軸が存在し、ブレード板は、両最外縁部分(回転軸から24mm部分)が70°、回転軸から12mmの部分が35°といったように、反時計回りになめらかにねじられたSUS製のもの(型番:C210))を用いる。
FT−4測定専用の直径50mm、容積160mlの円筒状のスプリット容器(型番:C203;容器底面からスプリット部分までの高さ82mm)に23℃、60%環境に3日以上放置された磁性体を容器底面から95mmの高さまで入れることで、磁性体の粉体層を形成する。
(I)コンディショニング操作
(a)粉体層表面に対して時計回り(ブレードの回転により粉体層がほぐされる方向)の回転方向に、ブレードの回転スピードを、ブレードの最外縁部の周速60mm/secとし、粉体層への垂直方向の進入速度を、移動中のブレードの最外縁部が描く軌跡と粉体層表面とのなす角が、5degのスピード(以降、なす角と省略する場合がある)として、粉体層表面から粉体層の底面から10mmの位置まで進入させる。その後、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、ブレードの回転スピードが60mm/sec、粉体層への垂直方向の進入速度を、なす角が、2degとなるスピードで、粉体層の底面から1mmの位置まで進入させる操作を行った後、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、ブレードの回転スピードが60mm/sec、粉体層からの抜き取り速度をなす角が、5degのスピードで、粉体層の底面から100mmの位置まで移動させ、抜き取りを行う。抜き取りが完了したら、ブレードを時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレードに付着したトナーを払い落とす。
(b)一連の上記(I)−(a)の操作を5回行うことで、粉体層中に巻き込まれている空気を取り除き、安定した粉体層を作る。
(II)スプリット操作
上述のFT−4測定専用セルのスプリット部分で粉体層をすり切り、粉体層上部のトナーを取り除くことで、同じ体積の粉体層を形成する。
(III)測定操作
(i)TEの測定
(a)上記(I)−(a)の操作を一回行う。次に粉体層表面に対して反時計回り(ブレードの回転により粉体層が押し込まれる方向)の回転方向に、ブレードの回転スピードを100mm/secとし、粉体層への垂直方向の進入速度を、なす角が5degとなるスピードで、粉体層の底面から10mmの位置まで進入させる。その後、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、ブレードの回転スピードを60mm/secとし、粉体層への垂直方向の進入速度を、なす角が2degとなるスピードで、粉体層の底面から1mmの位置まで進入させる操作を行う。その後、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、ブレードの回転スピードを60mm/secとし、粉体層からの垂直方向の抜き取り速度を、なす角が5degとなるスピードで、粉体層の底面から100mmの位置まで抜き取りを行う。抜き取りが完了したら、ブレードを時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレードに付着したトナーを払い落とす。
(b)上記(III)−(a)のブレードの侵入操作と抜き取り操作を7回繰り返し、7回目にブレードの回転スピードが100mm/secで、粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始する。底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和を、TEとする。
(3)磁性体の体積平均粒径(Dv)
エポキシ樹脂中へ観察すべき磁性体を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ硬化物を得る。得られた硬化物をミクロトームにより薄片状のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性酸化鉄の粒子径を測定する。そして、磁性体の投影面積に等しい円の相当径を基に、体積平均粒径(Dv)の算出を行う。
(4)磁性体のBET比表面積
磁性体のBET比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行う。具体的な測定方法は、以下の通りである。
測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置 TriStar3000(島津製作所社製)」を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、本装置に付属の専用ソフト「TriStar3000 Version4.00」を用いて行い、また装置には真空ポンプ、窒素ガス配管、ヘリウムガス配管が接続される。窒素ガスを吸着ガスとして用い、BET多点法により算出した値を本発明におけるBET比表面積とする。
本装置を用いた測定は、装置に付属の「TriStar3000 取扱説明書V4.0」に従うが、具体的には、以下の手順で測定する。
充分に洗浄、乾燥した専用のガラス製試料セル(ステム直径3/8インチ、容積約5ml)の風袋を精秤する。そして、ロートを使ってこの試料セルの中に約3.0gの磁性体を入れる。
磁性酸化鉄を入れた前記試料セルを真空ポンプと窒素ガス配管を接続した「前処理装置バキュプレップ061(島津製作所社製)」にセットし、23℃にて真空脱気を約10時間継続する。尚、真空脱気の際には、磁性体が真空ポンプに吸引されないよう、バルブを調整しながら徐々に脱気する。セル内の圧力は脱気とともに徐々に下がり、最終的には約0.4Pa(約3ミリトール)となる。真空脱気終了後、窒素ガスを徐々に注入して試料セル内を大気圧に戻し、試料セルを前処理装置から取り外す。そして、この試料セルの質量を精秤し、風袋との差から磁性酸化鉄の正確な質量を算出する。尚、この際に、試料セル内の磁性酸化鉄が大気中の水分等で汚染されないように、秤量中はゴム栓で試料セルに蓋をしておく。
次に、磁性酸化鉄が入った前記の試料セルのステム部に専用の「等温ジャケット」を取り付ける。そして、この試料セル内に専用のフィラーロッドを挿入し、前記装置の分析ポートに試料セルをセットする。尚、等温ジャケットとは、毛細管現象により液体窒素を一定レベルまで吸い上げることが可能な、内面が多孔性材料、外面が不浸透性材料で構成された筒状の部材である。
続いて、接続器具を含む試料セルのフリースペースの測定を行う。フリースペースは、23℃においてヘリウムガスを用いて試料セルの容積を測定し、続いて液体窒素で試料セルを冷却した後の試料セルの容積を同様にヘリウムガスを用いて測定して、これらの容積の差から換算して算出する。また、窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)は、装置に内蔵されたPoチューブを使用して、別途に自動で測定される。
次に、試料セル内の真空脱気を行った後、真空脱気を継続しながら試料セルを液体窒素で冷却する。その後、窒素ガスを試料セル内に段階的に導入して磁性酸化鉄に窒素分子を吸着させる。この際、平衡圧力P(Pa)を随時計測することにより前記した吸着等温線が得られるので、この吸着等温線をBETプロットに変換する。尚、データを収集する相対圧Prのポイントは、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30の合計6ポイントに設定する。得られた測定データに対して最小二乗法により直線を引き、その直線の傾きと切片からVmを算出する。さらに、このVmの値を用いて、前記したように磁性酸化鉄のBET比表面積を算出する。
(5)鉄元素溶解率及び、ケイ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属含有量
本発明において、磁性酸化鉄の鉄元素の溶解率及び鉄元素溶解率に対する鉄以外の金属元素の含有量は、次のような方法によって求めることができる。具体的には、5リットルのビーカーに3リットルの脱イオン水を入れ50℃になるようにウォーターバスで加温する。これに磁性体母体25gを加え撹拌する。次いで、特級塩酸を加え、3モル/Lの塩酸水溶液として、磁性酸化鉄を溶解させる。溶解開始から、すべて溶解して透明になるまでの間に数回から十数回サンプリングし、サンプリングしたそれぞれの試料を目開き0.1μmのメンブランフィルターで直ちにろ過し、ろ液を採取する。ろ液をプラズマ発光分光(ICP)によって、鉄元素及び鉄元素以外の金属元素の定量を行い、次式によって、サンプルごとの鉄元素溶解率を求める。
鉄元素溶解率(%)=
(サンプル中の鉄元素濃度/完全に溶解した時の鉄元素濃度)×100
また、各サンプルのケイ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属の含有量を求め、上記の測定により得られた鉄元素溶解率と、その時に検出された元素の含有率の関係から、鉄元素溶解率が5%までに存在するケイ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属の含有量を求める。
(6)処理磁性体の単位面積あたりの水分吸着量
本発明における処理磁性体の単位面積あたりの水分吸着量は、用いた処理磁性体のBET比表面積及び水分吸着量を測定し、それらの数値を用いて算出する。
処理磁性体の水分吸着量は、まず処理磁性体を温度30℃湿度80%の環境下に72時間放置した後に平沼産業社製の水分測定装置にて測定した。具体的には、微量水分測定装置AQ−2100、自動加熱気化水分測定システムAQS−2320、自動水分気化装置SE320を組み合わせて用い、カールフィッシャー電量滴定法によって処理磁性体中の水分量を測定した。測定方式は待ち時間(INTERVAL)制御方式を採用した。設定時間を40秒とし、加熱温度は120℃、処理磁性体の仕込み量は2.0gとした。なお、この測定によって単位質量あたりの水分吸着量が得られる。
得られた単位質量当たりの水分吸着量と、上記(4)と同様にして測定した処理磁性体のBET比表面積の値を用いて、処理磁性体の単位面積あたりの水分吸着量を算出する。
以下、本発明を製造例及び実施例により更に具体的に説明する。なお、以下の配合における部数は全て質量部を示す。
<磁性酸化鉄1の製造>
Fe2+を2.0mol/L含有する硫酸鉄第一水溶液50リットルに4.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液55リットルを混合撹拌し、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液を得た。この水溶液を85℃に保ち、20L/minで空気を吹き込みながら酸化反応を行い、コア粒子を含むスラリーを得た。得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過・洗浄した後、コア粒子を水中に再度分散させ、リスラリーした。このリスラリー液に、コア粒子100部あたりケイ素0.10部となるケイ酸ソーダを添加し、スラリー液のpHを6.0に調整し、撹拌することでケイ素リッチな表面を有する磁性酸化鉄粒子を得た。
得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過し、洗浄後、イオン交換水にてリスラリーを行った。このリスラリー液(固形分50g/L)に500g(磁性酸化鉄に対して10質量%)のイオン交換樹脂SK110(三菱化学製)を投入し、2時間撹拌してイオン交換を行った。その後、イオン交換樹脂をメッシュでろ過して除去した。更に、フィルタープレスにてろ過・洗浄し、乾燥・解砕して体積平均粒径(Dv)が0.21μmの磁性酸化鉄1を得た。得られた磁性酸化鉄1の物性を表1に示す。得られた磁性酸化鉄1のTEは5800mJであった。
<磁性酸化鉄2の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、イオン交換樹脂を投入した後の撹拌時間を1.5時間に変えたこと以外は磁性酸化鉄1の製造と同様にして、磁性酸化鉄2を得た。得られた磁性酸化鉄2の物性を表1に示す。
<磁性酸化鉄3の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、イオン交換樹脂を投入した後の撹拌時間を45分に変えたこと以外は磁性酸化鉄1の製造と同様にして、磁性酸化鉄3を得た。得られた磁性酸化鉄3の物性を表1に示す。
<磁性酸化鉄4の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、イオン交換樹脂を投入した後の撹拌時間を30分に変えたこと以外は磁性酸化鉄1の製造と同様にして、磁性酸化鉄4を得た。得られた磁性酸化鉄4の物性を表1に示す。
<磁性酸化鉄5の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、イオン交換樹脂を投入しなかったこと以外は磁性酸化鉄1の製造と同様にして、磁性酸化鉄5を得た。得られた磁性酸化鉄5の物性を表1に示す。
<磁性酸化鉄6の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を磁性体母体に対してケイ素0.30質量%となるように変え、イオン交換樹脂を投入した後の撹拌時間を30分に変えたこと以外は磁性酸化鉄1の製造と同様にして、磁性酸化鉄6を得た。得られた磁性酸化鉄6の物性を表1に示す。
<磁性酸化鉄7の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を磁性体母体に対してケイ素0.50質量%となるように変え、イオン交換樹脂を投入した後の撹拌時間を30分に変えたこと以外は磁性酸化鉄1の製造と同様にして、磁性酸化鉄7を得た。得られた磁性酸化鉄7の物性を表1に示す。
<磁性酸化鉄8乃至11の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、空気の吹き込み量と酸化反応時間を調整し、更に、イオン交換樹脂を投入した後の撹拌時間を30分としたこと以外は磁性酸化鉄1の製造と同様にして、磁性酸化鉄8乃至11を得た。得られた磁性酸化鉄8乃至11の物性を表1に示す。
<磁性酸化鉄12の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を磁性体母体に対してケイ素0.50質量%となるように変え、空気の吹き込み量と酸化反応時間を調整し、イオン交換樹脂を投入した後の撹拌時間を30分に変えたこと以外は磁性酸化鉄1の製造と同様にして、磁性酸化鉄12を得た。得られた磁性酸化鉄12の物性を表1に示す。
<磁性酸化鉄13の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を磁性体母体に対してケイ素0.05質量%になるように変え、空気の吹き込み量と酸化反応時間を調整し、イオン交換樹脂を投入した後の撹拌時間を30分に変えたこと以外は磁性酸化鉄1の製造と同様にして、磁性酸化鉄13を得た。得られた磁性酸化鉄13の物性を表1に示す。
<磁性酸化鉄14の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を磁性体母体に対してケイ素0.03質量%になるように変え、空気の吹き込み量と酸化反応時間を調整し、イオン交換樹脂を投入した後の撹拌時間を30分に変えたこと以外は磁性酸化鉄1の製造と同様にして、磁性酸化鉄14を得た。得られた磁性酸化鉄14の物性を表1に示す。
<磁性酸化鉄15の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を磁性体母体に対してケイ素0.55質量%になるように変え、空気の吹き込み量と酸化反応時間を調整し、イオン交換樹脂を投入した後の撹拌時間を30分に変えたこと以外は磁性酸化鉄1の製造と同様にして、磁性酸化鉄15を得た。得られた磁性酸化鉄15の物性を表1に示す。
<磁性酸化鉄16の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を磁性体母体に対してケイ素0.55質量%となるように変え、イオン交換樹脂を投入した後の撹拌時間を30分に変えたこと以外は磁性酸化鉄1の製造と同様にして、磁性酸化鉄16を得た。得られた磁性酸化鉄16の物性を表1に示す。
<磁性酸化鉄17の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を磁性体母体に対してケイ素0.03質量%となるように変え、イオン交換樹脂を投入した後の撹拌時間を30分に変えたこと以外は磁性酸化鉄1の製造と同様にして、磁性酸化鉄17を得た。得られた磁性酸化鉄17の物性を表1に示す。
<シラン化合物1の製造>
シランカップリング剤としてiso−CSi(OCH40部をイオン交換水60部中に撹拌しながら滴下し、その後、pH5.3、温度40℃に保持しながらディスパー翼にて周速0.46m/secで2時間分散し、iso−CSi(OCHの加水分解を行った。その後、水溶液のpHを7.0とし、10℃に冷却して加水分解反応を停止し、加水分解率が95%のシラン化合物1を含有する水溶液を得た。
<シラン化合物2〜4の製造>
シラン化合物1の製造において、ディスパー翼による分散時間をそれぞれ1.5時間、1時間、45分に変更する以外は同様にして、シラン化合物2〜4を含有する水溶液を得した。シラン化合物2〜4の加水分解率は、それぞれ70%、50%、45%であった。
<処理磁性体1の製造>
100部の磁性酸化鉄1をハイスピードミキサ(深江パウテック社製 LFS−2型)に入れ、回転数2000rpmで撹拌しながら、シラン化合物1を含有する上記水溶液8.3部を2分間かけて滴下した。その後、3分間混合・撹拌した。次いで、混合物を120℃で1時間乾燥すると共に、シラン化合物の縮合反応を進行させた。その後、解砕し、目開き100μmの篩を通し処理磁性体1を得た。得られた処理磁性体1の物性を表2に示す。
<処理磁性体2乃至20の製造>
処理磁性体1の製造において、磁性酸化鉄、シラン化合物の種類及び添加量を表2のように変更した以外は、処理磁性体1の製造と同様にして処理磁性体2乃至20を得た。得られた処理磁性体2乃至20の物性を表2に示す。
<処理磁性体21の製造>
処理磁性体1の製造において、シラン化合物1に代えて、iso−CSi(OCHの加水分解物を含有する水溶液に代えて、iso−CSi(OCHを4部添加した以外は、処理磁性体1の製造と同様にして磁性体21を得た。得られた磁性体21の物性を表2に示す。
<処理磁性体22の製造>
磁性酸化鉄4の製造において、磁性酸化鉄粒子を得た後、ろ過し、一旦含水サンプルを取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に投入し、撹拌すると共にスラリーを循環させながら十分に再分散させた。そして、撹拌しながらシラン化合物4を磁性酸化鉄100質量部に対し8.5質量部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、分散液のpHを8.6にして表面処理を行った。得られた磁性体をフィルタープレスにてろ過し、水洗した後に120℃で1時間乾燥し、処理磁性体22を得た。処理磁性体22の物性を表2に示す。
<処理磁性体23の製造>
Fe2+を2.0mol/L含有する硫酸第一鉄水溶液50L、4.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液55Lを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液をpH9に維持しながら、空気を吹き込み、80℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(水酸化ナトリウムのナトリウム成分)に対し0.9当量以上1.2当量以下となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH8に維持して、空気を吹込みながら酸化反応を進めた。酸化反応の終期にpHを約6に調整し、シランカップリング剤として、n−C13Si(OCH及びn−C17Si(OCを磁性酸化鉄100部に対しそれぞれ0.6部/0.9部添加し、十分撹拌した。生成した疎水性酸化鉄粒子を常法により洗浄、ろ過、乾燥し、次いで凝集している粒子を解砕処理し、処理磁性体23を得た。得られた処理磁性体23の物性を表2に示す。
<処理磁性体24の製造>
処理磁性体23の製造において、シラン化合物として、n−CSi(OCH及びn−C17Si(OCを磁性酸化鉄100部に対しそれぞれ0.6部/0.9部添加した。それ以外は処理磁性体23の製造と同様にして、処理磁性体24を得た。得られた処理磁性体24の物性を表2に示す。
<磁性トナー1の製造>
イオン交換水720部に0.1モル/L−NaPO水溶液450部を投入して60℃に加温した後、1.0モル/L−CaCl水溶液67.7部を添加して、分散安定剤を含む水系媒体を得た。
・スチレン 78.0部
・n−ブチルアクリレート 22.0部
・ジビニルベンゼン 0.6部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77:保土ヶ谷化学社製) 1.5部
・処理磁性体1 90.0部
・飽和ポリエステル樹脂 7.0部
(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とテレフタル酸との縮合反応により得られる飽和ポリエステル樹脂;Mn=5000、酸価=12mgKOH/g、Tg=68℃)
上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合して単量体組成物を得た。この単量体組成物を60℃に加温し、そこにフィッシャートロプシュワックス12.0部を添加混合し、溶解した後に重合開始剤としてジラウロイルパーオキサイド7.0部を溶解した。
上記水系媒体中に上記単量体組成物を投入し、60℃、N雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))を用いて12000rpmで10分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ74℃で6時間反応させた。
反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えて洗浄した後にろ過・乾燥してトナー粒子1を得た。
このトナー粒子1を100部と個数平均1次粒径12nmの疎水性シリカ微粉体1.0部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合し、重量平均粒径(D4)が6.5μmのトナー1を得た。得られた磁性トナーを分析したところ、結着樹脂100部を含有していた。得られた磁性トナー1の物性を表3に示す。
<磁性トナー2乃至25の製造>
磁性トナー1の製造において、処理磁性体1を表3にしめした処理磁性体に変更したこと以外は同様にして、磁性トナー2乃至25を得た。得られた磁性トナーの物性を表3に示す。
<磁性トナー26の製造>
・スチレンアクリル樹脂 100.0部
(スチレン75部、n−ブチルアクリレート24.5部を2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート0.5部で重合した樹脂)
・磁性酸化鉄1 90.0部
・モノアゾ鉄錯体(T−77:保土ヶ谷化学社製) 2.0部
・ポリエチレンワックス 4.0部
上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、110℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕して粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業社製)を用いて微粉砕した。得られた微粉砕物を多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で分級した。
その分級した微粉砕物に対して、表面改質装置ファカルティー(ホソカワミクロン社製)で表面改質及び微粉除去を行い、磁性トナー粒子26を得た。
この磁性トナー粒子26に対して、磁性トナー1の製造と同様にして疎水性シリカ微粉体を外添し、磁性トナー26を得た。得られた磁性トナー26の物性を表3に示す。
<磁性トナー27の製造>
磁性トナー26の製造において、原材料を以下のようにした以外は同様にして、磁性トナー27を得た。得られた磁性トナー27の物性を表3に示す。
・ポリエステル樹脂 100.0部
(ピーク分子量=6100、酸価=18.5mgKOH/g)
・磁性酸化鉄1 90.0部
・モノアゾ鉄錯体(T−77:保土ヶ谷化学社製) 2.0部
・ポリエチレンワックス 4.0部
<磁性トナー28の製造例>
磁性トナー26の製造において、原材料を以下のようにした以外は同様にして、磁性トナー28を得た。得られた磁性トナー28の物性を表3に示す。
・ポリエステル樹脂 75.0部
(ピーク分子量=6100、酸価=18.5mgKOH/g)
・スチレンアクリル樹脂 25.0部
(スチレン75部、n−ブチルアクリレート24.5部を2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート0.5部で重合した樹脂)
・磁性酸化鉄1 90.0部
・モノアゾ鉄錯体(T−77:保土ヶ谷化学社製) 2.0部
・ポリエチレンワックス 4.0部
〔実施例1〜16、比較例1〜12〕
磁性トナー1〜28を用いて以下の評価を行った。評価結果を表4に示す。
<低温低湿環境での放置試験>
評価は、キヤノン製デジタル複写機GP−405を用いて行った。評価するトナーを補給した後、低温低湿環境下(10℃、10%RH)にて24時間調温・調湿した。
印字率4%の画像を1万枚出力した後、同環境で24時間放置した。放置後に、印字紙全面にベタ画像部を形成したチャートを1枚出力し、このベタ黒画像をマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用し、反射濃度を測定し、以下の基準で評価した。評価結果は、Aが優れており、Eに近づくほど劣ることを意味する。
A:反射濃度が1.55以上
B:反射濃度が1.50以上1.55未満
C:反射濃度が1.45以上1.50未満
D:反射濃度が1.35以上1.45未満
E:反射濃度が1.35未満
また、ベタ黒画像の出力後にベタ白画像を出力して、その反射率を東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。一方、ベタ白画像形成前の転写紙(標準紙)についても同様に反射率を測定した。フィルターはグリーンフィルターを使用し、下記式にてカブリ(反射率)を算出した。
カブリ(%)=標準紙の反射率(%)−ベタ白画像サンプルの反射率(%)
なお、カブリについては、得られたカブリ値の最大値を用いて以下の判断基準に従って評価した。評価結果は、Aが優れており、Eに近づくほど劣ることを意味する。
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.0%未満
C:1.0%以上1.5%未満
D:1.5%以上2.5%未満
E:2.5%以上
<高温高湿環境での放置試験>
評価は、キヤノン製デジタル複写機GP−405を用いて行った。評価するトナーを補給した後、高温高湿環境下(32.5℃/80%RH)にて24時間調温・調湿した。
印字率4%の画像を1万枚出力した後、手動にてトナーを補給し、同環境で24時間放置した。放置後に、転写紙の先端側半分に10mm×10mmのベタ画像が複数個並び、後端側半分に2ドット3スペースのハーフトーン画像を形成したチャートを出力した。
ハーフトーン画像上に、前記ベタ画像の痕跡がどの程度出るかを目視で確認し、スリーブゴーストの評価とした。評価基準は、以下のとおりである。
A:ゴースト未発生。
B:軽微なゴーストが見られる。
C:ゴーストが見られるが、実用可能なレベル。
D:はっきりとゴーストが見られる。
次に、ベタ白画像を出力して、低温低湿環境の場合と同様にしてカブリを評価した。評価基準も同じである。
<高温高湿環境でのトナー補給時試験>
評価は、キヤノン製デジタル複写機GP−405を用いて行った。評価するトナーを補給した後、高温高湿環境下(32.5℃/80%RH)にて24時間調温・調湿した。
次に、印字率4%の画像を1万枚出力した後、主導にてトナーを補給した。補給直後に、印字紙全面にベタ画像部を形成したチャートを1枚出力し、画像内の角4点と中央の計5点の反射濃度をマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用し、測定した。
反射濃度が最も高い部分と最も低い部分との差により以下の基準で評価した。評価結果は、Aが優れており、Eに近づくほど劣ることを意味する。
A:0.03未満
B:0.03以上0.06未満
C:0.06以上0.10未満
D:0.10以上0.15未満
E:0.15以上


Claims (6)

  1. 結着樹脂、磁性体を含有する磁性トナー粒子と、無機微粉体とを含有する磁性トナーであって、
    (a)該磁性トナーは、周波数100kHz、温度30℃における誘電損率(ε”)が2.5×10−1pF/m以上、7.0×10−1pF/m以下であり、誘電正接(tanδ)が3.0×10−2以下であり、
    (b)該磁性トナーは、周波数100kHzにおける誘電正接(tanδ)が温度60乃至140℃の範囲に極大値(tanδ)を有し、該tanδと該tanδとが、
    (tanδ−tanδ)≦3.0×10−2
    を満たすことを特徴とする磁性トナー。
  2. 該磁性体は、粉体流動性測定装置により測定される撹拌速度100rpm時のTotal Energy(TE)が500mJ以上、2000mJ以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
  3. 該磁性体は疎水化処理が施されている磁性酸化鉄であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性トナー。
  4. 該磁性体は、単位面積あたりの水分吸着量が0.30mg/m以下であることを特徴とする請求項3に記載の磁性トナー。
  5. 該磁性酸化鉄はケイ素を含有しており、該磁性酸化鉄を塩酸水溶液中に分散させて、鉄元素の溶解率が磁性酸化鉄に含まれる全鉄元素量に対して5質量%になるまで溶解させ、その時点までに溶出したケイ素の量が、磁性酸化鉄に対して0.05質量%以上0.50質量%以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載の磁性トナー。
  6. 塩酸水溶液中に該磁性酸化鉄を分散させて、鉄元素の溶解率が磁性酸化鉄に含まれる全鉄元素量に対して5質量%になるまで磁性酸化鉄を溶解させ、その時点までに溶出したアルカリ金属及びアルカリ土類金属の総量が、磁性酸化鉄に対して0.010質量%以下であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の磁性トナー。
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