JP2017010009A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低温低湿環境下で繰り返し画像形成した場合の帯電スジが抑制された電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。【解決手段】電子写真感光体の下引き層が、結着樹脂、および、亜鉛がドープされている酸化スズで被覆された芯材粒子で構成されている複合粒子を含有し、前記複合粒子と前記結着樹脂の質量比が、1/1以上であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体、ならびに電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真装置に用いられる電子写真感光体としては、支持体上に下引き層および感光層をこの順に形成してなる電子写真感光体が用いられている。電子写真感光体の導電性の向上を図る手段としては、下引き層に金属酸化物粒子を含有させる技術が知られている。特許文献1および2には、下引き層に、リンまたはタングステンがドープされている酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子を用いる技術が開示されている。特許文献2にはまた、下引き層に、アルミニウムがドープされている酸化亜鉛粒子を用いる技術が開示されている。さらに、特許文献3および4には、支持体と感光層の間の中間層(下引き層)に、酸化スズで被覆されている硫酸バリウム粒子を用いる技術が開示されている。これら従来の金属酸化物粒子を含有する下引き層を用いた電子写真感光体は、現在求められている画像品質を満足するものである。
特開2012−18371号公報 特開2012−18370号公報 特開平06−208238号公報 特開平07−295270号公報
しかしながら、近年、電子写真装置の高速化(プロセススピードの高速化)に伴い、電子写真感光体を繰り返し使用した場合における性能のさらなる向上が求められている。本発明者らの検討の結果、上記特許文献に記載された金属酸化物粒子を含有する下引き層を有する電子写真感光体においては、電子写真装置のプロセススピードが速くなるに従って、以下のような課題が発生することがわかった。すなわち、低温低湿環境下で繰り返し画像形成を行った場合に、出力画像に帯電スジが発生しやすくなる傾向があり、改善の余地があることがわかった。帯電スジとは、電子写真感光体の表面を帯電した際の電子写真感光体の表面電位の均一性の低下(帯電ムラ)に起因する、電子写真感光体の表面の周方向に直交する方向のスジ状の画像不良のことであり、ハーフトーン画像を出力するときは、特に発生しやすい。
本発明の目的は、低温低湿環境下で繰り返し画像形成した場合の帯電スジが抑制された電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体、該支持体上の下引き層、および該下引き層上の感光層、を有する電子写真感光体であって、前記下引き層が、結着樹脂、および亜鉛がドープされている酸化スズで被覆された芯材粒子で構成されている複合粒子を含有し、前記複合粒子と前記結着樹脂の質量比が、1/1以上である、ことを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
さらに、本発明は、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置である。
本発明によれば、低温低湿環境下で繰り返し画像形成した場合の帯電スジが抑制された電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 電子写真感光体の層構成の一例を説明する図である。
本発明の電子写真感光体は、支持体、該支持体上の下引き層、および、該下引き層上の感光層を有する。感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質を単一の層に含有させた単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層した積層型感光層であってもよい。好ましくは、積層型感光層である。
図2に、本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す。図2(a)において、101は支持体であり、102は下引き層であり、103は感光層である。また、図2(b)において、101は支持体であり、102は下引き層であり、104は中間層であり、105は感光層である。
本発明は、電子写真感光体の下引き層が、結着樹脂と、亜鉛がドープされている酸化スズ(SnO)で被覆された芯材粒子で構成されている複合粒子と、を含有し、複合粒子と結着樹脂の質量比が、1/1以上であることを特徴とする。なお、亜鉛がドープされている酸化スズで被覆された芯材粒子で構成されている複合粒子を、以下、「亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子」または「複合粒子」とも称する。
本発明の電子写真感光体を用いることにより、特にプロセススピードが高速化する際に、低温低湿環境下で繰り返し画像形成した場合の帯電スジが抑制される理由を本発明者らは、次のように考察する。
以下、電子写真感光体の回転方向に対して、帯電領域(帯電手段によって電子写真感光体の表面が帯電される領域)の手前側を帯電領域上流と呼び、反対側を帯電領域下流と呼ぶ。まず、帯電領域上流で電子写真感光体の表面に電荷の付与が行われた後、帯電領域下流では電荷の付与量が少なくなる。そのため、電子写真感光体の表面において、十分に帯電された部分と十分に帯電されなかった部分が混在する場合が生じやすい。その結果、電子写真感光体の表面に電位差が発生し(帯電ムラ)、これが電子写真感光体の表面の周方向に直交する方向のスジ状の画像不良(帯電スジ)となって出力画像に現れる。
帯電スジの発生要因の1つとして、誘電分極が考えられる。誘電分極とは、電界中に置かれた誘電体に電荷の偏りが生じる現象である。この誘電分極の1つが、その誘電体を構成する分子中の双極子モーメントが向きを変えることによって起こる配向分極である。配向分極と電子写真感光体の表面電位との関係を、電子写真感光体の表面が帯電される際の電子写真感光体にかかる電界がどのように変化するかと関連させながら、以下に説明する。
帯電領域上流における電子写真感光体の表面への電荷の付与により、電界(以下、「外部電界」という。)が生じる。この外部電界により、電子写真感光体の内部の双極子モーメントは、除々に分極(配向分極)していく。分極した双極子モーメントのベクトル和は、分極によって電子写真感光体の内部で発生した電界(以下、「内部電界」という。)となる。時間の経過に従い、分極は進行し、内部電界は大きくなる。この内部電界のベクトルの向きは、外部電界に対して逆向きである。
電子写真感光体の表面の電荷量が一定である場合、その電荷により形成される外部電界は一定である。それに対して、内部電界は配向分極が進むにつれて、外部電界に対して逆向きに大きくなる。電子写真感光体全体にかかる電界強度の総和は、外部電界と内部電界を足し合わせたものであり、電界強度の総和は分極の進行とともに除々に減少すると考えられる。配向分極が進行する過程で、電位差と電界強度は比例関係にあると考えられ、配向分極の進行に従って減少する電界強度の総和は、電子写真感光体の表面電位の低下を引き起こす。
この配向分極の進行の程度を示す指標として、誘電損失tanδが用いられる。誘電損失とは、交流電場での配向分極の進行に基づくエネルギーの熱損失であり、配向分極の時間依存性の指標となるものである。ある周波数における誘電損失tanδが大きいということは、その周波数に対応する時間における配向分極の進行が大きいことを意味する。配向分極の進行による電子写真感光体の表面電位の低下には、帯電領域上流における電子写真感光体の表面への電荷の付与の開始から帯電領域下流における電子写真感光体の表面への電荷の付与までの時間(通常は1.0×10−3秒程度である。)にどれだけ分極が進むかが影響する。この時間に配向分極が完了していない場合は、帯電領域下流における電子写真感光体の表面への電荷の付与前までに配向分極が進行してしまうため、電子写真感光体の表面電位が低下すると考えられる。
特許文献1には、この誘電損失を小さくするように制御し、帯電スジ(帯電横スジ)を良化させる技術が記載されている。誘電損失を小さくすることで、配向分極の進行を早くし、帯電領域下流での表面電位の低下を抑制するという作用を奏している。つまり、電子写真装置において帯電領域上流で帯電をし、配向分極を素早く終えて、帯電領域下流での電位の低下をさせないようにすることで、帯電スジを抑制する効果を奏するものである。
本発明者らの検討の結果、プロセススピードがより高速化している場合においては、帯電スジの発生を抑制する余地があることが明らかとなった。プロセススピードがより高速化する場合は、帯電領域上流を通過する時間が短くなる。そのため、電子写真感光体には、時間が短くなった帯電領域上流で誘電分極を終え、帯電領域下流における表面電位を減衰させないことが求められる。しかしながら、繰り返し使用による帯電部材の放電劣化に起因して、そもそも帯電領域上流での帯電を完了しきれない場合もある。この場合、帯電領域下流で表面電位の低下により放電が起こり、帯電スジが発生しやすくなるという課題があることを本発明者らは見出した。
一方、本発明は、下引き層に亜鉛がドープされている酸化スズで被覆された芯材粒子で構成されている複合粒子を用いることで、従来のように電子写真感光体の誘電分極を小さくすることとは異なり、電子写真感光体の誘電分極を大きくするものである。そのため、上記、従来の帯電スジが良化する作用と、本発明の帯電スジが良化する作用は異なっていると考えられる。本発明の複合粒子を有する下引き層は、敢えて誘電分極を大きくすることによって、帯電領域上流終了から帯電領域下流で、従来と比較して、充分に大きな電位の減衰を起こしていると考えられる。そして、帯電領域上流終了時に電子写真感光体に充分な電位の減衰が生じていることで、帯電領域下流で大きな放電を発生させ、全体的に均一な放電を発生させることが可能となる。これにより、帯電領域下流で電子写真感光体が均一に帯電し、帯電スジの発生を抑制することができていると考えられる。また、本発明は、上記複合粒子を用いることで、帯電領域下流以降において、電位の減衰がほとんど起こらないという特徴を有しており、この特徴も帯電スジの発生の抑制に寄与しているものと考えられる。
ドープ種としてリン、タングステン、またはアンチモンを用いた場合は、ドープ量を増やすと、粉体抵抗が低下する傾向がある。一方で、亜鉛をドープ種とした場合、ドープ量を増やすほど粉体抵抗が上昇することが明らかとなった。この亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子を下引き層に用いても、同様な傾向がみられ、下引き層の誘電分極が大きくなっていることを示唆するものであった。その結果、帯電領域上流終了から帯電領域下流で、電位の減衰が大きくなり、上述の作用により帯電スジ(帯電横スジ)が良化していると考えている。
以下、本発明の電子写真感光体を構成する支持体、下引き層および感光層等について、詳細に説明する。
<支持体>
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属または合金で形成されている金属製支持体を用いることができる。アルミニウムやアルミニウム合金を用いる場合は、押し出し工程および引き抜き工程を含む製造方法により製造されるアルミニウム管や、押し出し工程およびしごき工程を含む製造方法により製造されるアルミニウム管を用いることができる。
<下引き層>
下引き層は、結着樹脂、および、亜鉛がドープされている酸化スズで被覆された芯材粒子で構成されている複合粒子を含有する。下引き層は、複合粒子を結着樹脂とともに溶剤に分散させることによって得られる下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。分散方法としては、例えば、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
下引き層の体積抵抗率は、5.0×1013Ω・cm以下であることが好ましい。下引き層がこの体積抵抗率を満たす場合には、画像形成時に電荷の滞留が抑制され、残留電位が抑制される。一方、下引き層の体積抵抗率は、1.0×10Ω・cm以上であることが好ましく、1.0×10Ω・cm以上であることがより好ましい。下引き層がこの体積抵抗率を満たす場合には、下引き層中を流れる電荷の量が適度になり、高温高湿環境下で繰り返し画像形成を行ったときのポチやかぶりが抑制される。また、体積抵抗率が1.0×1012Ω・cm以上である場合には、高速プロセスにおいて帯電スジの良化が顕著にみられるため特に好ましい。
(芯材粒子)
芯材粒子としては、有機樹脂粒子、無機粒子、金属酸化物粒子等が用いられる。芯材粒子を含有している本発明の亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子は、亜鉛がドープされている酸化スズ粒子と比較して、高電圧を印加したときの黒ポチの抑制効果に優れる。本発明においては、亜鉛をドープした酸化スズを被覆する観点から、芯材粒子としては無機粒子または金属酸化物粒子を用いることが好ましい。ただし、複合粒子を構成する観点から、金属酸化物粒子としては、亜鉛をドープした酸化スズ以外の金属酸化物粒子を用いることが好ましい。帯電スジ抑制の観点から、好ましい芯材粒子は、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子、硫酸バリウム粒子および酸化アルミニウム粒子からなる群より選択される少なくとも一種である。また、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子および硫酸バリウム粒子からなる群より選択される少なくとも一種であることがより好ましい。
(亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子)
亜鉛がドープされている酸化スズを上記芯材粒子に被覆することにより、亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子が得られる。亜鉛がドープされている酸化スズ(SnO)は、特表2011−506700号公報、特許4105861号公報、特許4301589号公報に記載された方法等を参考に製造することができる。
下引き層の体積抵抗率を上記範囲に調整する観点から、亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子の粉体抵抗率(粉体比抵抗)は、5.0×10Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であることが好ましく、1.0×10Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下であることがより好ましい。上記範囲の粉体抵抗率を有する亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子を下引き層用塗布液に用いて下引き層を形成することで、下引き層の体積抵抗率を上記範囲に制御することができる。また、粉体抵抗率が上記範囲内である場合は、帯電スジの抑制効果がより良好となる。
なお、本発明において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子の粉体抵抗率は、常温常湿(23℃/50%RH)環境下において測定する。本発明においては、測定装置として、(株)三菱化学アナリテック製の抵抗測定装置(商品名:ロレスタGP)を用いる。測定対象の複合粒子は、500kg/cmの圧力で固めて、ペレット状の測定用サンプルとする。印加電圧は100Vとする。
亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子の個数平均粒径は、0.03μm以上0.60μm以下であることが好ましく、0.05μm以上0.40μm以下であることがより好ましい。上記の範囲内であると、さらにクラックが抑制され、感光層への局所的な電荷注入が抑制されることによる黒ポチが低減される。
本発明において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子の個数平均粒径D[μm]は、走査型電子顕微鏡を用いて、以下のようにして求めることができる。(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡(商品名:S−4800)を用いて測定対象の粒子を観察し、得られた画像から、亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子100個の個々の粒径を測定する。そして、それらの算術平均を算出して個数平均粒径D[μm]とする。個々の粒径は、一次粒子の最長辺をaとし、最短辺をbとしたときの(a+b)/2とする。
亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子に対する酸化スズの質量比率(被覆率)は、10質量%以上60質量%以下であることが好ましく、15質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
酸化スズの被覆率を制御するためには、複合粒子を製造するときに、酸化スズの生成に必要となるスズ原材料を配合する必要がある。例えば、スズ原材料である塩化スズ(SnCl)から生成される酸化スズ(SnO)の量を考慮し、酸化スズの被覆率を制御する。なお、酸化スズの被覆率は、酸化スズにドープされている亜鉛の質量は考慮に入れず、複合粒子の全質量に対する酸化スズの質量比率として求める。酸化スズの被覆率が上記範囲内である場合には、複合粒子の粉体抵抗率を制御しやすくなり、酸化スズによる芯材粒子の被覆が均一になりやすい。
また、酸化スズにドープされる亜鉛の質量比率(ドープ量)は、酸化スズの質量(亜鉛を含まない質量)に対して0.001質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましい。このドープ量が上記範囲内である場合には、複合粒子の誘電分極が大きくなり、高速プロセススピードにおける帯電スジの抑制効果が良好となる。また、残留電位の蓄積を抑制することが可能となる。
(結着樹脂)
下引き層に用いられる結着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステルなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、他層(例えば、感光層)へのマイグレーション(溶け込み)の抑制、複合粒子の分散性・分散安定性などの観点から、硬化性樹脂が好ましい。また、硬化性樹脂の中でも、複合粒子と分散した際に適度に大きい誘電緩和を起こすことから、フェノール樹脂またはポリウレタン樹脂が好ましい。
本発明においては、クラックの抑制の観点から、亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子(P)と結着樹脂(B)との質量比(P/B)が、1/1以上である。この範囲にすることによって、電子写真感光体の誘電分極を大きくすることができ、帯電スジ抑制の効果が十分に得られる。前記質量比は、好ましくは、1/1以上4/1以下である。質量比がこの範囲内であると、上記下引き層の体積抵抗率の制御がしやすくなる。
(溶剤)
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコールや、アセトン、メチルエチルケトン、シクロへキサノンなどのケトンや、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテルや、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステルや、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
下引き層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。本発明において、下引き層を含む電子写真感光体の各層の膜厚の測定装置は、(株)フィッシャーインストルメンツ製のFISCHERSCOPE mmsを用いる。
本発明の下引き層に、亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子とは別に、さらに、亜鉛がドープされている酸化スズ粒子(以下、「亜鉛ドープ酸化スズ粒子」とも称する。)が混合されていると、パターンメモリーや明部電位の上昇がより抑制される効果がみられる。これは、下引き層中における亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子で形成される導電パスが分断される場所の隙間に、被覆していない亜鉛ドープ酸化スズ粒子が入り込むことで、導電パスを形成しやすくなるためであると考えている。
亜鉛ドープ酸化スズ粒子を混合する場合、その体積比率は、亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子に対して、亜鉛ドープ酸化スズ粒子が0.1体積%以上20体積%以下であることが好ましい。さらに、0.1体積%以上10体積%以下であることがより好ましい。亜鉛ドープ酸化スズ粒子の体積比率が20体積%以下であると、亜鉛ドープ酸化スズ粒子が凝集しにくく、抵抗が維持されやすくなる。これにより、電流が局所的に流れにくくなり、帯電時のリークがより抑制される。
亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子と亜鉛ドープ酸化スズ粒子の体積比率は、電子写真感光体の下引き層をFIB法で取り出し、FIB−SEMのSlice&Viewを用いて算出することができる。すなわち、FIB−SEMのSlice&Viewのコントラストの違いから、亜鉛ドープ酸化スズ粒子および亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子を特定し、亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子の体積および亜鉛ドープ酸化スズ粒子の体積の比率を求めることができる。
本発明では、Slice&Viewの条件を以下のように設定した。
分析用試料加工:FIB法
加工および観察装置:SII/Zeiss製NVision40
スライス間隔:10nm
観察条件;
加速電圧:1.0kV
試料傾斜:54°
WD:5mm
検出器:BSE検出器
アパーチャー:60μm、high current
ABC:ON
画像解像度:1.25nm/pixel
解析は縦2μm×横2μmの領域で行い、断面ごとの情報を積算し、縦2μm×横2μm×厚み2μm(V=8μm)当たりの体積V、Vを求める。また、測定環境は、温度:23℃、圧力:1×10−4Paである。なお、加工および観察装置としては、FEI製のStrata400S(試料傾斜:52°)を用いることもできる。
サンプリングを同様にして10回行い、サンプルを10個得て測定を行い、合計10点の8μm当たりの体積Vの平均値をV(8μm)で除した値を、測定対象の電子写真感光体の下引き層における(V/V)とした。また、合計10点の8μm当たりの体積Vの平均値をV(8μm)で除した値を、測定対象の電子写真感光体の下引き層における(V/V)の値とした。なお、断面ごとの情報から、粒子の面積を画像解析して得た。画像解析は、以下の画像処理ソフトを用いて行った。
画像処理ソフト:Media Cybernetics製、Image−Pro Plus
干渉縞の抑制の観点から、下引き層に表面粗し付与材を含有させてもよい。表面粗し付与材としては、平均粒径が1μm以上5μm以下の樹脂粒子が好ましく、1μm以上3μm以下の樹脂粒子がより好ましい。樹脂粒子としては、例えば、硬化性ゴム、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル、シリコーン樹脂、アクリル−メラミン樹脂などの硬化性樹脂の粒子が挙げられる。これらの中でも、シリコーン樹脂、アクリルメラミン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂の粒子が好ましい。表面粗し付与材の含有量は、下引き層中の結着樹脂に対して1〜80質量%であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましい。
また、下引き層用塗布液には、下引き層の表面性を高めるため、シリコーンオイル等のレベリング剤を含有させてもよい。さらに、下引き層には、下引き層の隠蔽性を向上させるための顔料粒子を含有させてもよい。
<中間層>
下引き層と感光層との間には、下引き層から感光層への電荷注入を阻止するために、電気的バリア性を付与すること目的として、中間層を設けてもよい。中間層は、樹脂(結着樹脂)を含有する中間層用塗布液を下引き層上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。中間層の膜厚は、0.1μm以上2μm以下であることが好ましい。
(樹脂)
中間層に用いられる樹脂(結着樹脂)としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリグルタミン酸、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリグルタミン酸エステルなどが挙げられる。
感光層から支持体への電荷の流れを向上させるため、中間層には、反応性官能基(重合性官能基)を有する電子輸送物質を含む組成物の重合物を含有させてもよい。該重合物を含有させることにより、中間層上に感光層を形成するときに、中間層の材料が、感光層用塗布液中の溶剤に溶出することを抑制することができる。反応性官能基を有する電子輸送物質を含む組成物の重合物は、例えば、反応性官能基を有する電子輸送物質と反応性官能基(重合性官能基)を有する樹脂を、架橋剤を用いて重合することによって得ることができる。すなわち、反応性官能基を有する電子輸送物質を含む組成物の重合物は、反応性官能基を有する電子輸送物質と、架橋剤と、反応性官能基を有する樹脂と、を含む組成物の重合物であることができる。
(電子輸送物質)
電子輸送物質としては、例えば、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物などが挙げられる。また、反応性官能基としては、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、またはメトキシ基などが挙げられる。中間層において、反応性官能基を有する電子輸送物質を含む組成物中の反応性官能基を有する電子輸送物質の含有量は、30質量%以上70質量%以下であることが好ましい。以下に、反応性官能基を有する電子輸送物質の具体例を示す。
Figure 2017010009
式(A1)〜(A17)中、R101〜R106、R201〜R210、R301〜R308、R401〜R408、R501〜R510、R601〜R606、R701〜R708、R801〜R810、R901〜R908、R1001〜R1010、R1101〜R1110、R1201〜R1205、R1301〜R1307、R1401〜R1407、R1501〜R1503、R1601〜R1605およびR1701〜R1704は、それぞれ独立に、下記式(1)もしくは(2)で示される1価の基、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環を示す。該置換のアルキル基における置換基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、カルボニル基である。該置換のアリール基または該置換の複素環基における置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、カルボニル基である。
また、Z201、Z301、Z401、Z501およびZ1601は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、または酸素原子を示す。Z201が酸素原子である場合はR209およびR210は存在せず、Z201が窒素原子である場合はR210は存在しない。Z301が酸素原子である場合はR307およびR308は存在せず、Z301が窒素原子である場合はR308は存在しない。Z401が酸素原子である場合はR407およびR408は存在せず、Z401が窒素原子である場合はR408は存在しない。Z501が酸素原子である場合はR509およびR510は存在せず、Z501が窒素原子である場合はR510は存在しない。Z1601が酸素原子である場合はR1604およびR1605は存在せず、Z1601が窒素原子である場合はR1605は存在しない。
なお、R101〜R106の少なくとも1つ、R201〜R210の少なくとも1つ、R301〜R308の少なくとも1つ、R401〜R408の少なくとも1つ、R501〜R510の少なくとも1つ、R601〜R606の少なくとも1つ、R701〜R708の少なくとも1つ、R801〜R810の少なくとも1つ、R901〜R908の少なくとも1つ、R1001〜R1010の少なくとも1つ、R1101〜R1110の少なくとも1つ、R1201〜R1205の少なくとも1つ、R1301〜R1307の少なくとも1つ、R1401〜R1407の少なくとも1つ、R1501〜R1503の少なくとも1つ、R1601〜R1605の少なくとも1つ、R1701〜R1704の少なくとも1つは、下記式(1)または(2)で示される基である。一つの化合物中に、下記式(1)で示される基が複数存在する場合、当該式(1)中の複数のAは同一でも異なっていてもよい。また、一つの化合物中に、下記式(2)で示される基が複数存在する場合、当該式(2)中の複数のB、複数のCおよび複数のDはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 2017010009
式(1)、(2)中、A、B、CおよびDの少なくとも1つは、カルボキシル基、アミノ基、または、置換基を有する基であり、該置換基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。なお、例えば、一つの化合物中に、式(2)で示される基が存在せず、式(1)で示される基が1つのみ存在する場合、当該式(1)中のAは上記例示したいずれかの基(カルボキシル基、アミノ基、または、置換基を有する基)となる。一つの化合物中に、式(2)で示される基が存在せず、式(1)で示される基が複数存在する場合、複数のAのうち少なくとも1つが上記例示したいずれかの基であればよい。また、同様に、一つの化合物中に、式(1)で示される基が存在せず、式(2)で示される基が1つ(または複数)存在する場合、(複数の)B、CおよびDのうち少なくとも1つが上記例示したいずれかの基であればよい。
Aは、カルボキシル基、アミノ基、炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基、ベンジル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基、またはフェニル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基を示す。Aが、カルボキシル基およびアミノ基を除く上記アルキル基である場合、該アルキル基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有する。上記アルキル基の主鎖中の炭素原子の1つは、OまたはNR(Rは、水素原子またはアルキル基である。)で置き換わっていてもよい。
Bは、主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基、ベンジル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基、アルコシキカルボニル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基、またはフェニル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有してもよい。上記アルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つは、OまたはNR(Rは、水素原子または、アルキル基である。)で置き換わっていてもよい。
lは、0または1である。
Cは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル基置換フェニレン基、ニトロ基置換フェニレン基、ハロゲン基置換フェニレン基、または炭素数1〜6のアルコキシ基置換フェニレン基、ベンジル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基、またはフェニル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有してもよい。
Dは、水素原子、炭素数が1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有してもよい。なお、Dが水素原子である場合、該水素原子は、Cの構造に含まれる水素原子である。
以下、反応性官能基を有する電子輸送物質の具体例を示す。表1〜18に、上記式(A1)〜(A17)で示される化合物の具体例を示す。なお、以下の表において、一つの化合物中に式(1)で示される基が2つ含まれる場合であって、当該2つの式(1)中の基Aが異なる場合は、一方を(1)、もう一方を(1)’と示している。同様に、一つの化合物中に式(2)で示される基が2つ含まれる場合であって、当該2つの式(2)中の基B、C、Dが異なる場合は、一方を(2)、もう一方を(2)’と示している。
Figure 2017010009
Figure 2017010009
Figure 2017010009
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Figure 2017010009
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(A2)〜(A6)、(A9)、(A12)〜(A15)、(A17)のいずれかの構造を有する誘導体(電子輸送物質の誘導体)は、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)、ジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能である。(A1)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能なナフタレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応により合成することが可能である。(A7)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)またはシグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能なフェノール誘導体を原料として合成することが可能である。(A8)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)やジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能なペリレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応により合成することが可能である。(A10)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能な化合物を適当な酸化剤(例えば、過マンガン酸カリウム等)を用いて、有機溶媒(例えば、クロロホルム等)中で酸化することにより、合成可能である。(A11)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能なナフタレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体とヒドラジンとの反応により合成可能である。式(A16)の構造を有する誘導体は、通常のカルボン酸イミドを合成する際に用いられている公知の方法に準じて合成可能である。
(A1)〜(A17)のいずれかで示される化合物は、架橋剤と重合することが可能な反応性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基)を有する。(A1)〜(A17)の構造を有する誘導体にこれらの反応性官能基を導入する方法としては、以下2つの方法がある。1つ目の方法は、(A1)〜(A17)の構造を有する誘導体に直接、反応性官能基を導入する方法である。2つ目の方法は、反応性官能基または、反応性官能基の前駆体と成り得る官能基を有する構造を導入する方法である。2つ目の方法としては、例えば、(A1)〜(A17)の構造を有する誘導体のハロゲン化物をもとに、例えばパラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アリール基を導入する方法がある。また、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アルキル基を導入する方法がある。その他としては、リチオ化を経た後にエポキシ化合物や二酸化炭素を作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法がある。
(架橋剤)
次に、架橋剤について説明する。架橋剤としては、反応性官能基を有する電子輸送物質と、後述の反応性官能基を有する樹脂とを重合または架橋する化合物であれば、制限されない。具体的には、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に記載されている化合物等を用いることができる。
本発明においては、架橋剤として、イソシアネート化合物を用いることが好ましい。イソシアネート化合物は、分子量が200〜1300の範囲であることが好ましい。また、イソシアネート化合物は、イソシアネート基またはブロックイソシアネート基を2個以上有していることが好ましく、3〜6個有していることがより好ましい。イソシアネート化合物としては、例えば、トリイソシアネートベンゼン、トリイソシアネートメチルベンゼン、トリフェニルメタントリイソシアネート、リジントリイソシアネートの他、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトールとのアダクト変性体等が挙げられる。これらの中でもイソシアヌレート変性体とアダクト変性体がより好ましい。
ブロックイソシアネート基は、−NHCOX(Xは保護基)で示される構造を有する基である。Xは、イソシアネート基に導入可能な保護基であれば何れでもよいが、下記式(H1)〜(H7)で示される基であることが好ましい。
Figure 2017010009
以下に、イソシアネート化合物の具体例を示す。
Figure 2017010009
(樹脂)
次に、反応性官能基(重合性官能基)を有する樹脂について説明する。反応性官能基を有する樹脂としては、下記式(D)で示される構造単位を有する樹脂が好ましい。
Figure 2017010009
式(D)中、R61は、水素原子またはアルキル基を示す。Yは、単結合、アルキレン基またはフェニレン基を示す。Wは、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、またはメトキシ基を示す。
上記式(D)で示される構造単位を有する樹脂としては、例えば、アセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、上記式(D)で示される構造単位以外に、以下の(E−1)〜(E−5)に示す特徴的な構造を有してもよい。(E−1)はアセタール樹脂の構造単位、(E−2)はポリオレフィン樹脂の構造単位、(E−3)はポリエステル樹脂の構造単位、(E−4)はポリエーテル樹脂の構造単位および(E−5)はポリアミド樹脂の構造単位である。
Figure 2017010009
式(E−1)〜(E−5)中、R71〜R75は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。R76〜R80は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基を示す。例えば、R71がCである場合、構造(E−1)はブチラールである。
また、上記式(D)で示される構造単位を有する樹脂は、一般的に購入することも可能である。購入可能な樹脂(いずれも商品名)としては、例えば、日本ポリウレタン工業(株)製AQD−457、AQD−473、三洋化成工業(株)製サンニックス(登録商標)GP−400、GP−700などのポリエーテルポリオール系樹脂;日立化成工業(株)製フタルキッド(登録商標)W2343、DIC(株)製ウォーターゾール(登録商標)S−118、CD−520、ベッコライト(登録商標)M−6402−50、M−6201−40IM、ハリマ化成(株)製ハリディップWH−1188、日本ユピカ社製ES3604、ES6538などのポリエステルポリオール系樹脂;DIC(株)製バーノック(登録商標)WE−300、WE−304などのポリアクリルポリオール系樹脂;(株)クラレ製クラレポバールPVA−203などのポリビニルアルコール系樹脂;積水化学工業(株)製KS−5、KS−5Z、BX−1、BM−1などのポリビニルアセタール系樹脂;ナガセケムテックス(株)製トレジン(登録商標)FS−350などのポリアミド系樹脂;日本触媒(株)製アクアリック(登録商標)、鉛市(株)製ファインレックス(登録商標)SG2000などのカルボキシル基含有樹脂;DIC(株)製ラッカマイド(登録商標)などのポリアミン樹脂;東レ(株)製QE−340Mなどのポリチオール樹脂などが挙げられる。これらの中でもポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルポリオール系樹脂が好ましい。式(D)で示される構造単位を有する樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000〜300000の範囲であることが好ましい。
(溶剤)
中間層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ブタノールなどのアルコールや、アセトン、メチルエチルケトン、シクロへキサノンなどのケトンや、ジメチルアセトアミドなどのアミドや、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテルや、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステルや、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中間層を形成する際は、必要に応じて触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば、ヘキサン酸亜鉛(II)やオクチル酸亜鉛(II)等が挙げられる。
本発明の電子写真感光体においては、下引き層の全体積量に対する複合粒子の体積量(体積%)が、中間層の組成物の全体積量に対する電子輸送物質の体積量(体積%)に対して、0.2倍以上2倍以下であることが好ましい。この範囲であると、帯電スジが良化する。これは、下引き層と中間層の分極が大きくなり、電子写真感光体の誘電緩和が大きくなるため帯電領域下流での電位差が大きくなり、帯電スジが良化するためであると推測している。なお、前記体積量は、温度23℃、1気圧下における体積量である。
<感光層>
下引き層または中間層上には、感光層が設けられる。感光層は、単層型感光層であっても積層型感光層であってもよいが、電荷発生層と電荷輸送層を有する積層型感光層であることが好ましい。
[電荷発生層]
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂とともに溶剤に分散させることによって得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いた方法が挙げられる。
(電荷発生物質)
電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、キサンテン色素、キノンイミン色素や、スチリル色素等が挙げられる。これらの中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニンが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(結着樹脂)
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ブチラール樹脂、ポリスチレン、ポリビニルアセタール、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン、スチレン−ブタジエン共重合体、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらは、単独、混合または共重合体として1種または2種以上を用いることができる。
電荷発生物質と結着樹脂との質量比率(電荷発生物質:結着樹脂)は、10:1〜1:10の範囲が好ましく、5:1〜1:1であることがより好ましく、3:1〜1:1であることが特に好ましい。
(溶剤)
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコールや、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電荷発生層の膜厚は、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。また、電荷発生層において電荷の流れが滞らないようにするために、電荷発生層には、電子輸送物質(アクセプターなどの電子受容性物質)を含有させてもよい。
[電荷輸送層]
感光層が積層型感光層である場合、電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液の塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送層の誘電分極は小さくし、帯電領域下流以降の暗減衰がないようにする方が、繰り返し使用時の暗減衰量の変動が少なくなるため好ましい。具体的には、結着樹脂の誘電率は3以下であることが好ましい。また、電荷輸送物質の電荷移動度は、1×10−6cm/V・sec以下であることが好ましい。
(電荷輸送物質)
具体的な電荷輸送物質としては、例えば、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、トリフェニルアミン化合物が好ましい。電荷輸送物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(結着樹脂)
具体的な結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アルキド樹脂などが挙げられる。特には、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレートが好ましい。これらは、単独、混合物または共重合体として1種または2種以上を用いることができる。電荷輸送物質と結着樹脂との質量比率(電荷輸送物質:結着樹脂)は、2:1〜1:2の範囲が好ましい。
(溶剤)
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトンや、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステルや、ジメトキシメタン、ジメトキシエタンなどのエーテルや、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素や、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電荷輸送層の膜厚は、3μm以上40μm以下であることが好ましく、5μm以上30μm以下であることがより好ましい。また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。
<保護層>
感光層上には、感光層を保護することを目的として、保護層を設けてもよい。保護層は、樹脂(結着樹脂)を含有する保護層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
(結着樹脂)
保護層に用いられる結着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アルキド樹脂、シロキサン樹脂などが挙げられる。これらは、単独、混合物または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
(溶剤)
保護層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコールや、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物などが挙げられる。
保護層の膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上8μm以下であることがより好ましい。
上記各層用の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法等の塗布方法を用いることができる。
図1に、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。図1において、円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電手段(帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(画像露光手段、不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。帯電手段3に印加する電圧は、直流電圧のみであってもよいし、交流電圧を重畳した直流電圧であってもよい。
電子写真感光体1の周面に形成された静電潜像は、現像手段5のトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の周面に形成されたトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに転写される。転写材Pは、電子写真感光体1の回転と同期して転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に給送されてくる。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の周面から分離された後、定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の周面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りのトナーの除去を受ける。さらに前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段が接触帯電手段である場合には、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、およびクリーニング手段7などから選択される構成要素のうち、複数のものを選択し、これを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。そして、このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9を構成している。
また、本発明の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を組み合わせることにより、電子写真装置を構成することができる。
本発明のプロセスカートリッジおよび電子写真装置の帯電手段には、ローラー形状の帯電部材(帯電ローラー)が好適に用いられる。帯電ローラーの構成としては、例えば、導電性基体および導電性基体上に形成された1層以上の被覆層からなる構成が挙げられる。また、被覆層の少なくとも1層には、導電性が付与される。より具体的な構成としては、導電性基体、導電性基体上に形成された導電性弾性層、および導電性弾性層上に形成された表面層を有する構成である。
帯電ローラーの表面の十点平均粗さ(Rzjis)は、5.0μm以下であることが好ましい。本発明において、帯電ローラーの表面の十点平均粗さ(Rzjis)の測定は、(株)小坂研究所製の表面粗さ測定器(商品名:SE−3400)を用いて行う。
本発明の電子写真感光体は、帯電領域上流を通過する時間が短い程、すなわち、電子写真感光体が装着される電子写真装置の回転速度(サイクルスピード)が速い程、帯電スジの抑制効果がより顕著に表れる。具体的には、電子写真装置の回転速度が0.5s/回転から、帯電スジ抑制効果がみられ、0.3s/回転になるとより効果的となり、さらに0.2s/回転になると、その効果は特に顕著となる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。以下に示す「部」は「質量部」を意味する。
〔亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子の製造〕
以下の実施例において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子は、次のようにして製造した。なお、複合粒子の芯材の種類やドープ剤の種類、量、スズ酸ナトリウムの量は、各実施例に合わせて変更した。
芯材粒子として酸化チタン粒子(平均一次粒径200nm)200gを、水に分散させた。その後、スズの含有量が41質量%であるスズ酸ナトリウム(NaSnO)208gを添加し溶解させて、混合スラリーを調製した。この混合スラリーを循環させながら、20質量%希硫酸水溶液を添加してスズの中和を行った。希硫酸水溶液は、混合スラリーのpHが2.5になるまで添加した。中和後、塩化亜鉛(II)(スズに対して4mol%分)を混合スラリーに添加し、混合スラリーを撹拌した。これによって、目的とする複合粒子の前駆体を得た。この前駆体を温水洗浄した後、脱水濾過を行い、固形物を得た。得られた固形物を、2体積%H/N雰囲気下で500℃、1時間還元焼成することによって、目的とする亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子を得た。酸化スズに対する亜鉛のドープ量は、1.51質量%であった。
酸化スズに対する亜鉛のドープ量(質量%)は、例えば、ICP発光分析装置を用いて測定することが可能である。測定対象としては、電子写真感光体の感光層、さらに必要に応じて中間層を剥離し、下引き層を削り取り、その削り取った下引き層を使用することもできる。また、下引き層と同じ材料の粉末を使用することも可能である。それらを硫酸などの酸で溶解させて得られる溶液について測定を行う。
〔実施例1〕
(支持体)
支持体として、直径24mm、長さ261mmのアルミニウムシリンダー(導電性支持体)を用いた。
(下引き層の形成)
亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子(粉体抵抗率:1.0×10Ω・cm、酸化スズ被覆率30質量%、平均一次粒径:200nm)219部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー)(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分:60%)183部、および、溶剤としての1−メトキシ−2−プロパノール106部を、直径1.0mmのガラスビーズ420部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を調製した。この分散液からメッシュでガラスビーズを取り除いた。その後、分散液に表面粗し付与材としてシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール(登録商標)120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、平均粒径2μm)23.7部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)0.024部、メタノール6部、および、1−メトキシ−2−プロパノール6部を添加して攪拌することによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を145℃で30分間乾燥させることによって、膜厚が30μmの下引き層を形成した。
(電荷発生層の形成)
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.1°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶4部、および、下記式(A)で示される化合物0.04部を、シクロヘキサノン100部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレック(登録商標)BX−1、積水化学工業(株)製)2部を溶解させた液に加えた。これを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃の雰囲気下で1時間分散した。分散後、酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上記下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を90℃で10分間乾燥させることによって、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
Figure 2017010009
(電荷輸送層の形成)
次に、下記式(B)で示されるアミン化合物50部(電荷輸送物質)、下記式(C)で示されるアミン化合物50部(電荷輸送物質)、および、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロン(登録商標)Z400、三菱ガス化学(株)製)100部を、クロロベンゼン650部およびジメトキシメタン150部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を1日間保存した後、上記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を110℃で30分間乾燥させることによって、膜厚が21μmの電荷輸送層を形成した。以上のようにして、電子写真感光体を製造した。
Figure 2017010009
(繰り返し使用時の画像評価)
製造した電子写真感光体について、繰り返し使用時の画像評価を行った。評価装置としては、ヒューレットパッカード(株)製のカラーレーザービームプリンター(商品名:CP4525、プロセススピードは可変になるように改造した。)を用いた。この評価装置のドラムカートリッジに、上記電子写真感光体を装着し、温度15℃、湿度10%RHの低温低湿環境下に上記評価装置を設置して評価を実施した。
電子写真感光体の表面電位は、評価装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位プローブ(商品名:model6000B−8、トレック社製)を固定し、表面電位計(model344:トレック社製)を使用して測定した。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置し、電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は、電子写真感光体の軸方向の中央、電子写真感光体の表面からのギャップを3mmとした。帯電条件としては、電子写真感光体の表面電位(暗部電位)が600Vになる印加バイアスを調整した。また、露光条件は、光強度が0.4μJ/cmとなるように調整した。なお、以下の実施例では、各電子写真感光体において初期に設定した帯電条件および露光条件のもとで評価を行った。
まず、電子写真感光体を温度15℃、湿度10%RHの低温低湿環境下で48時間保管した。次に、電子写真感光体を装着した現像用カートリッジを上記評価装置に取り付け、15000枚の通紙による電子写真感光体の繰り返し使用を行った。15000枚の通紙に用いた印字率は4%とした。また、15000枚の通紙は、2枚出力した後、休止することを繰り返した。繰り返し使用の際のプロセススピードは電子写真感光体が0.3s/回とした。
15000枚の通紙後、黒ステーションにあるカートリッジで単色ハーフトーンの出力を行った。単色ハーフトーンの出力は、電子写真感光体が0.5s/回、0.3s/回、0.2s/回の3つの速度で回転するプロセススピードで行った。出力された画像について、帯電スジの評価を行った。結果を表19に示す。なお、帯電スジ(横スジ)に基づく画像評価の基準は以下の通りである。
<帯電スジの評価>
A:帯電スジがまったくなし。
B:帯電スジが画像の端部にのみ少し観察される。
D:帯電スジが観察される。
E:帯電スジがはっきりわかる。
〔実施例2〕
実施例1に用いた電荷輸送層のポリカーボネート樹脂を、下記式(16−1)で示される構造単位、および下記式(16−2)で示される構造単位を5/5の割合で有し、重量平均分子量(Mw)が100000であるポリエステル樹脂に変更した。それ以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
Figure 2017010009
〔実施例3〕
実施例1の電荷輸送層上に、以下のように保護層を形成した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
(保護層の形成)
下記式で示される化合物(D)36部、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(商品名:ルブロン(登録商標)L−2、ダイキン工業(株)製)4部、および、n−プロパノール60部を混合した後、これを超高圧分散機に入れ、分散処理することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を50℃で5分間乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量8000Gyの条件で1.6秒間、支持体を回転させながら電子線を塗膜に照射した。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜が130℃になる条件で3分間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から3分間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。次に、大気中において、塗膜が100℃になる条件で30分間加熱処理を行うことによって、膜厚が5μmである保護層(第二電荷輸送層)を形成した。
Figure 2017010009
〔実施例4〕
実施例1の下引き層上に、以下のように中間層を形成した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
(中間層の形成)
N−メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス(株)製)4.5部および共重合ナイロン樹脂(商品名:アミラン(登録商標)CM8000、東レ(株)製)1.5部を、メタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を70℃で6分間乾燥させることによって、膜厚が0.65μmの中間層を形成した。
〔実施例5〕
実施例1の下引き層上に、以下のように中間層を形成した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
(中間層の形成)
反応性官能基を有する電子輸送物質として例示化合物A101を8部、架橋剤として前記式(H1)で示される基でブロックされたイソシアネート化合物(B1)10部、オクチル酸亜鉛(II)0.1部と、反応性官能基を有する樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(商品名:KS−5、積水化学株式会社製)2部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶剤に溶解し、中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を160℃で30分間加熱し、硬化(重合)させることによって、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。得られた中間層は、上記反応性官能基を有する電子輸送物質を含む組成物の重合物を含有する中間層である。
実施例5で用いた亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子の比重は、5.1g/cmであり、下引き層で用いた他の材料の比重は、1.0g/cmである。よって、下引き層の全体積量に対する複合粒子の体積量は、24.3体積%である。また、実施例5の中間層で用いた全ての材料の比重は1.0g/cmである。したがって、中間層の組成物の全体積量に対する電子輸送物質の体積量は、40体積%である。以上より、下引き層の全体積量に対する複合粒子の体積量は、中間層の組成物の全体積量に対する電子輸送物質の体積量に対して、0.61倍となる。
〔実施例6〕
実施例5の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子の芯材粒子を酸化チタン粒子から硫酸バリウム粒子に変更した。それ以外は、実施例5と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例5と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。実施例6で用いた亜鉛ドープ酸化スズ被覆硫酸バリウム粒子の比重は、5.3g/cmであった。
〔実施例7〕
実施例5の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子の芯材粒子を酸化チタン粒子から酸化亜鉛粒子に変更した。それ以外は、実施例5と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例5と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。実施例7で用いた亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化亜鉛粒子の比重は、6.1g/cmであった。
〔実施例8〕
実施例5の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子の芯材粒子を酸化チタン粒子から酸化アルミニウム粒子に変更した。それ以外は、実施例5と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例5と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。実施例8で用いた亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化アルミニウム粒子の比重は、5.0g/cmであった。
〔実施例9〕
実施例5の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子の亜鉛ドープ量を0.05質量%に変更した以外は、実施例5と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例5と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。実施例9で用いた亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子の粉体抵抗率は、2.0×10Ω・cmであった。
〔実施例10〕
実施例5の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子の亜鉛ドープ量を3.0質量%に変更した以外は、実施例5と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例5と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。実施例10で用いた亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子の粉体抵抗率は、1.0×10Ω・cmであった。
〔実施例11〕
実施例5の下引き層において、結着樹脂と溶剤を以下に変更し、乾燥条件を170℃、30分間に変更した以外は、実施例5と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例5と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
結着樹脂:ポリビニルブチラール(商品名:BM−1,積水化学工業(株)製)62.7部および、ブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール(登録商標)3175、コベストロジャパン株式会社製(旧:住友バイエルウレタン(株)))47.1部。
溶剤:メチルエチルケトン90部、シクロヘキサノン90部。
〔実施例12〕
実施例11の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子を219部から54.8部に変更した以外は、実施例11と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例11と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
〔実施例13〕
実施例11の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子を219部から164部に変更した以外は、実施例11と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例11と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
〔実施例14〕
実施例11の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子219部から438部に変更した以外は、実施例11と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例11と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
〔実施例15〕
実施例5の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子に対する酸化スズの質量比率(被覆率)を30質量%から5質量%に変更した以外は、実施例5と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例5と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
〔実施例16〕
実施例5の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子に対する酸化スズの質量比率を30質量%から10質量%に変更した以外は、実施例5と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例5と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
〔実施例17〕
実施例5の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子に対する酸化スズの質量比率を30質量%から60質量%に変更した以外は、実施例5と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例5と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
〔実施例18〕
実施例5の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子に対する酸化スズの質量比率を30質量%から65質量%に変更した以外は、実施例5と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例5と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
〔実施例19〕
実施例5の下引き層の膜厚を15μmに変更した以外は、実施例5と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例5と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
〔実施例20〕
実施例5の下引き層の膜厚を40μmに変更した以外は、実施例5と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例5と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
〔実施例21〕
実施例5の中間層において、例示化合物A101を下記式で示される電子輸送物質に変更した以外は、実施例5と同様に中間層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例5と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
Figure 2017010009
実施例21において、下引き層の全体積量に対する複合粒子の体積量は、24.3体積%になる。また、実施例21の中間層に用いた全ての材料の比重は1.0g/cmである。したがって、中間層の組成物の全体積量に対する電子輸送物質の体積量は、40体積%となる。よって、下引き層の全体積量に対する複合粒子の体積量は、中間層の組成物の全体積量に対する電子輸送物質の体積量に対して、0.61倍となる。
〔実施例22〕
実施例1の下引き層上に、以下のように中間層を形成した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
(中間層の形成)
反応性官能基を有する電子輸送物質として例示化合物A118を8.5部、架橋剤としてブロックされたイソシアネート化合物(商品名:SBN−70D、旭化成ケミカルズ(株)製)15部、反応性官能基を有する樹脂として、ポリビニルアセタール樹脂(商品名:KS−5Z、積水化学工業(株)製)0.97部、触媒としてヘキサン酸亜鉛(II)(三津和化学薬品(株)製)0.15部とを、1−メトキシ−2−プロパノール88部とテトラヒドロフラン88部の混合溶剤に溶解し、中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液を実施例1の下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を170℃で20分間加熱し、硬化(重合)させることによって、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
〔実施例23〕
実施例1の下引き層を、下記のとおり形成した下引き層に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
(下引き層の形成)
亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子(粉体抵抗率:5.0×10Ω・cm、酸化スズ被覆率35質量%、平均一次粒径:200nm)219部、亜鉛ドープ酸化スズ粒子(粉体抵抗率:5.0×10Ω・cm)36部、:結着樹脂としてのフェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー)(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分:60%)146部、および、溶剤としての1−メトキシ−2−プロパノール106部を、直径1.0mmのガラスビーズ420部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を調製した。この分散液からメッシュでガラスビーズを取り除いた。その後、分散液に、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、平均粒径2μm)23.7部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)0.024部、メタノール6部、および、1−メトキシ−2−プロパノール6部を添加して攪拌することによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を145℃で30分間乾燥させることによって、膜厚が30μmの下引き層を形成した。亜鉛ドープ酸化スズ被覆複合粒子に対して、亜鉛ドープ酸化スズ粒子の体積比率は8.5体積%であった。
〔比較例1〕
実施例1の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子をリンドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
〔比較例2〕
実施例1の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子をタングステンドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
〔比較例3〕
実施例1の下引き層において、亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子をアンチモンドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
〔比較例4〕
比較例3において、下引き層と電荷発生層との間に実施例21で用いた中間層を設けた以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。
〔比較例5〕
実施例1の下引き層を、下記のとおり形成した下引き層に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表19に示す。まず、ポリオレフィン樹脂を以下のように作製した。
(ポリオレフィン樹脂粒子分散液の調製)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、ポリオレフィン樹脂(商品名:ボンダイン(登録商標)HX−8290、住友化学工業(株)製)75.0g、イソプロパノール60.0g、トリエチルアミン(TEA)5.1g、蒸留水159.9gをガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌した。その結果、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れて加熱した。そして系内温度を140℃乃至145℃に保って、さらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散液を得た。
(下引き層の形成)
アンチモンドープ酸化スズ粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)10部、イソプロパノール(IPA)90部をボールミルにより72時間分散し、酸化スズ分散液を得た。この酸化スズ分散液に、ポリオレフィン樹脂固形分1部に対して酸化スズが4.2部となるように、上記ポリオレフィン樹脂粒子分散液を混合した。その後、溶媒比率が水/IPAが8/2、分散液中の固形分が2.5質量%になるよう溶媒を添加し、攪拌することによって下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、100℃で30分間乾燥させることによって、膜厚が30μmの下引き層を形成した。
Figure 2017010009
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

Claims (12)

  1. 支持体、該支持体上の下引き層、および該下引き層上の感光層、を有する電子写真感光体であって、
    前記下引き層が、
    結着樹脂、および
    亜鉛がドープされている酸化スズで被覆された芯材粒子で構成されている複合粒子
    を含有し、
    前記複合粒子と前記結着樹脂の質量比が、1/1以上である、
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記芯材粒子が、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子、硫酸バリウム粒子および酸化アルミニウム粒子からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記複合粒子に対する前記酸化スズの質量比率が、10質量%以上60質量%以下である、請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記複合粒子と前記結着樹脂の質量比が、4/1以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記下引き層が、さらに、亜鉛がドープされている酸化スズ粒子を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記複合粒子に対する前記亜鉛がドープされている酸化スズ粒子の体積比率が、0.1体積%以上20体積%以下である、請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 前記結着樹脂が、フェノール樹脂またはポリウレタン樹脂である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記下引き層と前記感光層の間に、反応性官能基を有する電子輸送物質を含む組成物の重合物を含有する中間層を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記反応性官能基を有する電子輸送物質を含む組成物の重合物が、前記反応性官能基を有する電子輸送物質と、架橋剤と、反応性官能基を有する樹脂と、を含む組成物の重合物である、請求項8に記載の電子写真感光体。
  10. 前記下引き層の全体積量に対する前記複合粒子の体積量が、前記中間層の前記組成物の全体積量に対する前記電子輸送物質の体積量に対して、0.2倍以上2倍以下である、請求項8または9に記載の電子写真感光体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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