JP6555877B2 - 電子写真感光体、及び、該電子写真感光体の製造方法、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、及び、該電子写真感光体の製造方法、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、及び、該電子写真感光体の製造方法、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
プロセスカートリッジや電子写真装置に搭載される電子写真感光体としては、有機光導電性物質(電荷発生物質)を含有する電子写真感光体がある。電子写真感光体は、一般的に、支持体、および支持体上に形成された感光層(電荷発生層および正孔輸送層)を有する。そして、支持体から感光層側への電荷注入を抑制し、カブリなどの画像欠陥の発生を抑えることを目的として、支持体と感光層との間には中間層を形成することが行われている。特許文献1では、中間層に小粒径の金属酸化物粒子を含有させることによって、電荷注入を抑制する技術が開示されている。
また、近年、電荷発生物質としては、より高い感度特性を有するものが用いられている。しかしながら、電荷発生物質が高感度化するのに伴い、電荷の発生量が多くなることによって、露光部における中間層に電荷が滞溜しやすい。そして、長期間繰り返して画像形成を行った場合、電位変動が大きくなりやすい。このような、中間層の電荷の滞溜を抑制する技術として、特許文献2、3には、中間層に、酸化錫被覆酸化チタンを含有する層と電子輸送物質を含有する層の積層構造を用いて電位変動を抑制する技術が開示されている。特許文献4には、金属酸化物粒子を含有する層上にポリマー型の電子輸送物質を含有する層を用いることによって、電位変動を抑制する技術が開示されている。
特開2006−268011号公報 特開2008−250082号公報 特開2008−299344号公報 特表2009−505156号公報
しかしながら、本発明者らの検討の結果、上記のように中間層に小粒径の金属酸化物粒子を含有する中間層と電子輸送物質を含有する中間層を積層した中間層を用いた場合、以下のような課題があることがわかった。すなわち、高温高湿環境下において、露光部における電位変動と黒点発生の抑制に対して十分な効果が得られない場合があり、さらなる改善の余地があることがわかった。
すなわち、本発明の目的は、積層した中間層を有する電子写真感光体において、高温高湿環境下での繰り返し画像形成における露光部の電位変動と黒点発生を抑制した電子写真感光体、及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体、該支持体上に第一中間層、該第一中間層上に第二中間層、該第二中間層上に感光層を有する電子写真感光体において、
該第一中間層が、個数平均一次粒子径が30nm以上450nm以下である金属酸化物粒子を含有しており、
該第二中間層が、
式(1)で示される重合性官能基または式(2)で示される重合性官能基を有し、かつ、分子量が100以上1000以下である電子輸送物質、および
該式(1)で示される重合性官能基または該式(2)で示される重合性官能基と反応する基を3〜6個有し、かつ、分子量が200以上1300以下である架橋剤
を含む組成物の重合物を含有し、
該架橋剤が、イソシアネート基もしくはブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物であり、
該組成物における該電子輸送物質と該架橋剤との質量比は1/9〜9/1の範囲内であることを特徴とする電子写真感光体に関する。
Figure 0006555877
(式(2)中のB、CおよびDの少なくとも1つは重合性官能基を有する基であり、該重合性官能基は、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。
Aは、カルボキシル基、アミノ基、主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基の少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えた基、置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の1価の基の少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えた基、置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つを硫黄原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の1価の基の少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えた基、または置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つをNRに置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の1価の基の炭素原子が有する少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えた基を示す。Rは、水素原子、またはアルキル基である。Aで示される基が有する重合性官能基は、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。Aで示される基が有する該置換のアルキル基が有する置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、またはフェニル基である。
Bは、単結合、主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の2価の基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つを硫黄原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の2価の基、または置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをNRに置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の2価の基、または単結合を除くこれらの基の炭素原子が有する少なくとも1つの水素原子を、重合性官能基重合性官能基で置き換えて得られる基を示す。Rは、水素原子、またはアルキル基である。Bで示される基が有する該置換のアルキレン基が有する置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコシキカルボニル基、またはフェニル基である。
Cは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ置換フェニレン基、ハロゲン置換フェニレン基、またはアルコキシ基置換フェニレン基またはこれらの基の炭素原子が有する少なくとも1つの水素原子を、重合性官能基で置き換えて得られる基を示す。
Dは、水素原子、NR、炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキル基、または水素原子を除くこれらの基の炭素原子が有する少なくとも1つの水素原子を、重合性官能基で置き換えて得られる基を示す。RおよびRは、水素原子、またはアルキル基である。)
また、本発明は、前記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジに関する。
また、本発明は、前記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真装置に関する。
また、本発明は、支持体、該支持体上に第一中間層、該第一中間層上に第二中間層、該第二中間層上に感光層を有する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、
個数平均一次粒子径が30nm以上450nm以下である金属酸化物粒子を含有する第一中間層用塗布液の塗膜を形成する工程、
該塗膜を加熱することにより、該第一中間層を形成する工程、
式(1)で示される重合性官能基または(2)で示される重合性官能基を有し、かつ、分子量が100以上1000以下である電子輸送物質、および該式(1)で示される重合性官能基または該式(2)で示される重合性官能基と反応する基を3〜6個有し、かつ、分子量が200以上1300以下である架橋剤を、該電子輸送物質と該架橋剤との質量比が1/9〜9/1の範囲内で含む組成物を含有する第二中間層用塗布液の塗膜を形成する工程、および
該塗膜を加熱および硬化させることにより、該第二中間層を形成する工程
を有し、
該架橋剤が、イソシアネート基もしくはブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
本発明によれば、高温高湿環境下で繰り返し画像形成における露光部の電位変動と黒点発生が抑制された電子写真感光体、その製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、前記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図である。 電子写真感光体の層構成の例を示す図である。
(第一中間層)
本発明の電子写真感光体は、支持体、支持体上に第一中間層、第一中間層上に第二中間層、第二中間層上に感光層を有する。そして、第一中間層が、個数平均一次粒子径が30nm以上450nm以下である金属酸化物粒子を含有することを特徴とする。この特徴に加えて、第二中間層が、式(1)または(2)で示される重合性官能基を有する分子量が100以上1000以下の電子輸送物質と、上記重合性官能基と反応する基を3〜6個有し、かつ分子量が200以上1300以下である架橋剤を含む組成物の硬化物を含有することを特徴とする。上記特徴を有する電子写真感光体が、高温高湿環境における繰り返し使用による露光部の電位変動と黒点発生の抑制に優れる理由について本発明者らは以下のように推測している。
第一中間層中に個数平均一次粒子径が30nm以上450nm以下である金属酸化物粒子(小粒径金属酸化物粒子とも称する。)を用いることにより、局所的な導電パスが形成されることによる黒点の発生を抑制することができる。しかしながら、小粒径金属酸化物粒子は、単位質量当たりの酸素欠損部の量が多くなるため、高温高湿環境下での繰り返し使用による露光部の電位変動が起こりやすいと考えられる。
この電位変動が起こる理由としては、電子写真プロセスにおける通電劣化により小粒径金属酸化物粒子の酸素欠損部が酸化され、小粒径金属酸化物粒子が水分をより吸着しやすい状態になるためであると考えられる。小粒径金属酸化物粒子の酸素欠損部が酸化されると、酸素欠損部に水分が吸着して第一中間層の抵抗が上昇し、露光により発生した電荷が中間層中に滞留しやすくなるために電位変動が起こると考えられる。
そこで、本発明では、第二中間層に電子輸送部位(電子局在化部位)を均一に存在させることで、小粒径金属酸化物粒子への還元作用がおこなっていると推測している。また、第二中間層の膜均一性が向上し、黒点が抑制されていると考えられる。このとき、電子局在化部位を多く均一に存在させるため、架橋剤の反応基は2官能よりも、3官能〜6官能であると良く、還元作用が高まると考えられる。ここで反応基とは、式(1)または(2)で示される重合性官能基と反応する基のことである。さらに、特定の電子輸送物質と架橋剤を重合させて得られる結合部位を持たせ、かつ電子輸送物質の非電子輸送部位(電子非局在部位)と架橋剤の結合部位との原子間距離を近づけることで、電子の局在化を可能となる。それにより、還元作用の効果を高めることができると考えられる。そのため、高温高湿環境下での繰り返し使用における金属酸化物粒子の酸素欠損部位の酸化を抑制し、第一中間層の抵抗の上昇を抑制して、露光部の電位変動を抑制していると推測している。
(金属酸化物)
本発明の第一中間層は、個数平均一次粒子径が30nm以上450nm以下である金属酸化物粒子を含有する。金属酸化物粒子の個数平均一次粒径は、第一中間層の断面をSEM観察して観察し、個数平均一次粒径を算出することが可能である。
金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径は、黒点抑制の観点から、30nm以上250nm以下であることがより好ましい。また、この金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径の測定方法は以下のとおりである。
SEM(走査型顕微鏡)により拡大撮影した第一中間層の断面写真の金属酸化物粒子と、SEMに付属させたXMA(X線マイクロアナライザ)などの元素分析手段によって金属酸化物粒子の元素でマッピングされた断面写真を対照する。次に、金属酸化物粒子100個の一次粒子の投影面積を測定し、測定された各金属酸化物粒子の投影面積に等しい円の相当径を、各金属酸化物粒子径として求める。その結果に基づいて、金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径の算出を行ない、これを個数平均一次粒子径とする。
金属酸化物粒子は、第一中間層に導電性を付与する目的で用いられるものであれば特に限定されない。中でも、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子が、適切な導電性の付与をする観点から、好ましい。
金属酸化物粒子は、表面処理をしてもよい。表面処理方法は公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法または湿式法が用いられる。
表面処理をする材料としては、有機化合物では、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性材等が挙げられる。特に、アルコキシシラン基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、またはチオール基を有するカップリング剤が好ましい。
第一中間層中の金属酸化物粒子に対して表面処理される有機化合物量は電子写真特性の観点から、金属酸化物粒子に対して0.5質量%以上20質量%以下が好ましい。
また、金属酸化物粒子は、金属酸化物種の異なるもの、表面処理の異なるもの、または粒子径の異なるもの等を2種類以上混合して用いることもできる。
第一中間層には、第一中間層の電気特性の向上、膜形状安定性の向上、画質向上などを目的として、各種の添加物をさらに含有させてもよい。添加物としては、例えば、カーボンブラックなどの導電性粒子や、キノン化合物、フルオレノン化合物、オキサジアゾール系化合物、ジフェノキノン化合物、アントラキノン化合物、ベンゾフェノン化合物、多環縮合化合物、アゾ化合物などの電子輸送物質や、金属キレート化合物などが挙げられる。特に、ベンゾフェノン化合物を用いることが好ましい。
第一中間層には、結着樹脂を含有することが好ましい。結着樹脂としては公知の樹脂であればいずれの樹脂でも良いが、感光層形成時の上層への溶出や抵抗変動が小さいといった観点から硬化性樹脂が好ましい。
硬化性樹脂として例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂あるいはポリエステル等が好ましいが、特にブロックイソシアネート化合物とポリオールとの硬化物からなるポリウレタン樹脂がより好ましい。ブロックイソシアネート化合物としては、例えば、2,4トリレンジイソシアネート、2,6トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、HDI−トリメチロールプロパンアダクト体、HDI−イソシアヌレート体、HDI−ビウレット体などをオキシムでブロックしたものが挙げられる。オキシムの例としては、ホルムアルデヒドオキシム、アセトアルドオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムが挙げられる。ポリオールとしては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール、フッ素系ポリオールが挙げられる。
第一中間層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アルコール系、ケトン系、エーテル系、エステル系、ハロゲン化炭化水素系、及び芳香族系等から任意に選択することができる。これらの溶剤は、単独、あるいは2種以上のものを混合して用いることができる。
第一中間層は、必要に応じて有機樹脂微粒子、レべリング剤を含有させてもよい。有機樹脂粒子としては、シリコーン粒子等の疎水性有機樹脂粒子や、架橋型ポリメタクリレート樹脂(PMMA)粒子等の親水性有機樹脂粒子を用いることができる。
第一中間層の膜厚は、0.5〜40μm程度が好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
(第二中間層)
第二中間層は電子輸送能を有する硬化膜である。第二中間層は、以下で説明する組成物の重合物(硬化物)を含有する。組成物は、下記式(1)または(2)で示される重合性官能基を有する分子量が100以上1000以下である電子輸送物質と、下記式(1)または(2)で示される重合性官能基と反応する基を3〜6個有し、分子量が200以上1300以下である架橋剤を含む。
Figure 0006555877
式(1)、(2)中、A、B、CおよびDの少なくとも1つは重合性官能基を有する基であり、該重合性官能基は、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。lは、0または1である。
Aは、カルボキシル基、主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の1価の基、置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つを硫黄原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の1価の基、または置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つをNRに置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の1価の基を示す。これらの基は、重合性官能基として、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有する。Rは、水素原子、またはアルキル基である。該置換のアルキル基の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、またはフェニル基である。
Bは、主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の2価の基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つを硫黄原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の2価の基、または置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをNRに置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の2価の基を示す。これらの基は、重合性官能基として、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有していても良い。Rは、水素原子、またはアルキル基である。該置換のアルキレン基の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコシキカルボニル基、またはフェニル基である。
Cは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ置換フェニレン基、ハロゲン置換フェニレン基、またはアルコキシ基置換フェニレン基を示す。これら基は、重合性官能基として、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有していても良い。
Dは、水素原子、炭素数が1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキル基を示す。これらの基は、重合性官能基として、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有していても良い。
電子輸送物質としては、例えば、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物などが挙げられる。
下記式(A1)〜(A17)に電子輸送物質の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006555877
式(A1)〜(A17)中、R101〜R106、R201〜R210、R301〜R308、R401〜R408、R501〜R510、R601〜R606、R701〜R708、R801〜R810、R901〜R908は、R1001〜R1010、R1101〜R1110、R1201〜R1205、R1301〜R1307、R1401〜R1407、R1501〜R1503、R1601〜R1605、R1701〜R1704は、それぞれ独立に、上記式(1)もしくは(2)で示される1価の基、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環を示す。該置換アルキル基の置換基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、カルボニル基である。該置換アリール基の置換基、該置換の複素環基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、カルボニル基である。Z201、Z301、Z401、Z501およびZ1601は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、または酸素原子を示す。Z201が酸素原子である場合はR209およびR210は存在せず、Z201が窒素原子である場合はR210は存在しない。Z301が酸素原子である場合はR307およびR308は存在せず、Z301が窒素原子である場合はR308は存在しない。Z401が酸素原子である場合はR407およびR408は存在せず、Z401が窒素原子である場合はR408は存在しない。Z501が酸素原子である場合はR509およびR510は存在せず、Z501が窒素原子である場合はR510は存在しない。Z1601が酸素原子である場合はR1604およびR1605は存在せず、Z1601が窒素原子である場合はR1605は存在しない。R101〜R106の少なくとも1つ、R201〜R210の少なくとも1つ、R301〜R308の少なくとも1つ、R401〜R408の少なくとも1つ、R501〜R510の少なくとも1つ、R601〜R606の少なくとも1つ、R701〜R708の少なくとも1つ、R801〜R810の少なくとも1つ、R901〜R908の少なくとも1つ、R1001〜R1010の少なくとも1つ、R1101〜R1110の少なくとも1つ、R1201〜R1205の少なくとも1つ、R1301〜R1307の少なくとも1つ、R1401〜R1407の少なくとも1つ、R1501〜R1503の少なくとも1つ、R1601〜R1605の少なくとも1つ、R1701〜R1704の少なくとも1つは、上記式(1)または(2)で示される基である。
表1に、上記式(A1)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表2に、上記式(A2)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表3に、上記式(A3)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表4に、上記式(A4)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表5に、上記式(A5)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表6に、上記式(A6)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表7に、上記式(A7)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表8に、上記式(A8)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表9に、上記式(A9)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表10に、上記式(A10)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表11に、上記式(A11)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表12に、上記式(A12)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表13に、上記式(A13)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表14に、上記式(A14)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表15に、上記式(A15)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表16に、上記式(A16)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
表17に、上記式(A17)で示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
(A2)〜(A6)、(A9)、(A12)〜(A15)、(A17)のいずれか構造を有する誘導体(電子輸送物質の誘導体)は、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)やジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能である。(A1)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)やジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能なナフタレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応で合成可能である。(A7)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)またはシグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能なフェノール誘導体を原料として合成することが可能である。(A8)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)やジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能なペリレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応で合成することが可能である。(A10)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能な化合物を適当な酸化剤(例えば、過マンガン酸カリウム等)を用いて、有機溶媒(例えば、クロロホルム等)中で酸化することにより、合成可能である。(A11)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能なナフタレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体とヒドラジンとの反応で合成可能である。式(A16)の構造を有する誘導体は、通常のカルボン酸イミドを合成する際に用いられている公知の方法に準じて合成可能である。
(A1)〜(A17)のいずれかで示される化合物には、架橋剤と重合することが可能な重合性官能基(ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基)を有する。(A1)〜(A17)のいずれかの構造を有する誘導体にこれらの重合性官能基を導入する方法としては、以下2つの方法がある。1つ目の方法は、(A1)〜(A17)のいずれかの構造を有する誘導体に直接重合性官能基を導入する方法である。2つ目の方法は、(A1)〜(A17)のいずれかの構造を有する誘導体に、重合性官能基または、重合性官能基の前駆体と成り得る官能基を有する構造を導入する方法である。2つ目の方法としては、例えば、(A1)〜(A17)の構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、パラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アリール基を導入する方法がある。また、(A1)〜(A17)の構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アルキル基を導入する方法る方法がある。また、(A1)〜(A17)の構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCOを作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法がある。
(架橋剤)
次に、架橋剤について説明する。
架橋剤としては、上述の電子輸送物質の重合性官能基、および後述の重合性官能基を有する熱可塑性樹脂と重合または架橋する化合物を用いることができる。具体的には、山下晋三,金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に記載されている化合物等を用いることができる。
本発明の架橋剤は、分子量が200以上1300以下であり、かつ、電子輸送物質の重合性官能基と反応する基が3〜6個有する。
上記架橋剤としては、例えば、イソシアネート基もしくはブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、N−メチロール基もしくはアルキルエーテル化されたN−メチロール基を有するアミン化合物が好ましい。
イソシアネート化合物としては、例えば、トリイソシアネートベンゼン、トリイソシアネートメチルベンゼン、トリフェニルメタントリイソシアネート、リジントリイソシアネートの他、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、トリメチロールプロパンやペンタエリストールとのアダクト変性体等が挙げられる。これらの中でもイソシアヌレート変性体とアダクト変性体がより好ましい。
ブロックイソシアネート基は、−NHCOX(Xは保護基)という構造を有する基である。Xは、イソシアネート基に導入可能な保護基であれば何れでも良いが、下記式(H1)〜(H6)で示される基がより好ましい。
Figure 0006555877
以下に、イソシアネート化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
アミン化合物としては、例えば、下記式(C1)〜(C5)のいずれかで示される化合物、および下記式(C1)〜(C5)のいずれかで示される化合物のオリゴマーが好ましい。
Figure 0006555877
式(C1)〜(C5)中、R101〜R106、R202〜R205、R301〜R304、R401〜R404、およびR501〜R504は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、アシル基または−CH−ORを示される1価の基を示す。R101〜R106の少なくとも1つ、R202〜R205の少なくとも1つ、R301〜R304の少なくとも1つ、R401〜R404の少なくとも1つ、およびR501〜R504の少なくとも1つは、−CH−ORを示される1価の基である。Rは、水素原子または炭素数1以上10以下のアルキル基を示す。R201は、アリール基、アルキル基置換のアリール基、シクロアルキル基、またはアルキル基置換のシクロアルキル基を示す。
以下に、式(C1)〜(C5)のいずれかで示される化合物の具体例を示す。
Figure 0006555877
Figure 0006555877
Figure 0006555877
Figure 0006555877
Figure 0006555877
上記式(C1)で示される化合物の一般的に購入可能なものとしては、例えば、スーパーメラミNo.90(商品名;日本油脂社製)、スーパーベッカミン(R)TD−139−60、L−105−60、L127−60、L110−60、J−820−60、G−821−60(商品名;DIC社製)、ユーバン2020(商品名:三井化学)、スミテックスレジンM−3(商品名:住友化学工業)、ニカラックMW−30、MW−390、MX−750LM(商品名:日本カーバイド社製)などが挙げられる。上記式(C2)で示される化合物の一般的に購入可能なものとしては、例えば、”スーパーベッカミン(R)L−148−55、13−535、L−145−60、TD−126(商品名:DIC社製)、ニカラックBL−60、BX−4000(商品名:日本カーバイド社製)などが挙げられる。上記式(C3)で示される化合物の一般的に購入可能なものとしては、例えば、ニカラックMX−280(商品名:日本カーバイド社製)などが挙げられる。上記式(C4)で示される化合物の一般的に購入可能なものとしては、例えば、ニカラックMX−270(商品名:日本カーバイド社製)などが挙げられる。上記式(C5)で示される化合物の一般的に購入可能なものとしては、例えば、ニカラックMX−290(商品名:日本カーバイド社製)などが挙げられる。
電子輸送物質と架橋剤との分子量の比が3/20〜50/20の範囲内であることが好ましい。この範囲内であると、電子輸送部位が膜中に均一に存在し、金属酸化物粒子への還元作用に偏りが小さくなると考えられる。さらに好ましくは12/20〜28/20の範囲内である。さらに膜構造均一性の観点から、第二中間層の組成物における重合性官能基を有する電子輸送物質と架橋剤との質量比は1/9〜9/1の範囲内であることが好ましく。さらに好ましくは3/7〜7/3の範囲内である。
また、第二中間層の組成物は、さらに、重合性官能基を有する熱可塑性樹脂を含有していることが好ましい。重合性官能基を有する熱可塑性樹脂としては、下記式(D)で示される構造単位を有する熱可塑性樹脂が好ましい。
Figure 0006555877
(式(D)中、R11は、水素原子またはアルキル基を示し、Yは、単結合、アルキレン基またはフェニレン基を示し、Wは、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基またはカルボキシル基を示す。)
式(D)で示される構造単位を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、アセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、上記式(D)で示される構造単位以外に、以下に示す特徴的な構造をさらに有していてもよい。特徴的な構造を以下の(E−1)〜(E−5)に示す。(E−1)はアセタール樹脂の構造単位、(E−2)はポリオレフィン樹脂の構造単位、(E−3)はポリエステル樹脂の構造単位、(E−4)はポリエーテル樹脂の構造単位および(E−5)はポリアミド樹脂の構造単位である。
Figure 0006555877
式(E−1)〜(E−5)中、R21〜R25は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。R26〜R30は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基を示す。例えば、E−1において、R21がCである場合はブチラールを示す。
式(D)で示される構造単位を有する樹脂(以下樹脂Dとも称する)は、例えば、例えばシグマアルドリッチジャパン(株)や東京化成工業(株)から購入可能な、重合性官能基を有するモノマーを重合させることで得ることができる。
また、樹脂として、一般的に購入することも可能である。購入可能な樹脂としては、例えば、日本ポリウレタン工業(株)製のAQD−457、AQD−473(商品名)、三洋化成工業(株)製のサンニックスGP−400、GP−700(商品名)などのポリエーテルポリオール系樹脂、日立化成工業(株)製のフタルキッドW2343(商品名)、DIC(株)製のウォーターゾールS−118、CD−520、ベッコライトM−6402−50、M−6201−40IM(商品名)、ハリマ化成(株)製のハリディップWH−1188(商品名)、日本ユピカ社製のES3604、ES6538(商品名)などのポリエステルポリオール系樹脂、DIC(株)製のバーノックWE−300、WE−304(商品名)などのポリアクリルポリオール系樹脂、(株)クラレ製のクラレポバールPVA−203(商品名)などのポリビニルアルコール系樹脂、積水化学工業(株)製のBX−1、BM−1(商品名)などのポリビニルアセタール系樹脂、ナガセケムテックス(株)製のトレジンFS−350(商品名)などのポリアミド系樹脂、日本触媒(株)製のアクアリック(商品名)、(株)鉛市製のファインレックスSG2000(商品名)などのカルボキシル基含有樹脂、DIC(株)製のラッカマイド(商品名)などのポリアミン樹脂、東レ(株)製のQE−340M(商品名)などのポリチオール樹脂などが挙げられる。
樹脂Dの重量平均分子量(Mw)は5000〜400000の範囲内であることがより好ましい。
樹脂中の重合性官能基の定量法としては、以下の方法が挙げられる。例えば、水酸化カリウムを用いたカルボキシル基の滴定、亜硝酸ナトリウムを用いたアミノ基の滴定、無水酢酸と水酸化カリウムを用いた水酸基の滴定がある。また、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)を用いたチオール基の滴定、重合性官能基導入比率を変化させた試料のIRスペクトルから得られる検量線法がある。
以下、表18に樹脂Dの具体例を示す。表18中、「その他の部位」の欄は、特徴的な構造のことをいい、上記(E−1)〜(E−5)のいずれかで示される構造単位を示す。
Figure 0006555877
第二中間層には、上記重合物以外にも、第二中間層の成膜性や電気的特性を高めるために、他の樹脂、有機粒子、無機粒子、レベリング剤などを含有させてもよい。ただし、第二中間層におけるそれらの物質の含有量は、第二中間層の全質量に対して50質量%未満であることが好ましく、20質量%未満であることがより好ましい。
第二中間層の膜厚は、0.1μm以上1.5μm以下が好ましく、0.2μm以上0.7μm以下がより好ましい。
第一中間層の金属酸化物粒子の含有量に対する第二中間層の組成物中の電子輸送物質の含有量が、0.2質量%以上15質量%以下であることが好ましい。また、第一中間層の金属酸化物粒子含有量に対する、第二中間層の組成物中の電子輸送物質と架橋剤とを合計した含有量が0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。これらの範囲内であると、高温高湿環境下での繰り返し画像形成における露光部の電位変動がより抑制される。
以下に、本発明の電子写真感光体の層構成ついて説明する。本発明の電子写真感光体は、支持体、該支持体上に設けた第一中間層、該第一中間層上に設けた第二中間層、該第二中間層上に設けた感光層を有する電子写真感光体である。感光層は、電荷発生物質を有する電荷発生層と正孔輸送物質を含有する正孔輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であることが好ましい。
図2は、本発明に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。図2中、21は支持体であり、22は第一中間層であり、23は第二中間層であり、24は電荷発生層であり、25は正孔輸送層である。
(第一中間層)
第一中間層は、上述のとおりである。
(第二中間層)
第二中間層は、上述のとおりである。
(支持体)
支持体としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製、合金製の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、支持体の形状としては、円筒状やベルト状が挙げられるが、円筒状が好ましい。また、支持体の表面には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として、切削処理、粗面化処理、またはアルマイト処理を施してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、スチリル色素が挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
また、これら電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料やアゾ顔料が好ましく、特にフタロシアニン顔料がより好ましい。
また、フタロシアニン顔料の中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニンあるいはクロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが優れた電荷発生効率を示す。さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、電位特性の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θが7.4°±0.3°および28.2°±0.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。
感光層が積層型である場合、電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、ポリアクリレート、ポリアセタール、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリルエーテル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリビニルアセタール、ポリブタジエン、ポリプロピレン、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂が挙げられる。これらの中でも、特には、ブチラール樹脂が好ましい。これらは、単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生物質と結着樹脂との割合は、質量比で0.3:1〜10:1の範囲内であることが好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、正孔輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる正孔輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
正孔輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられる。これらの中でも、電荷の高移動化という観点から、トリアリールアミン化合物が好ましい。
感光層が積層型である場合、正孔輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリルエーテル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリプロピレン、メタクリル樹脂などが挙げられる。特に、ポリアリレート、ポリカーボネートが好ましい。これらは、単独で、あるいは混合物または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
正孔輸送物質と結着樹脂との含有量の割合は、質量比で0.3:1〜10:1の範囲であることが好ましい。また、クラックを抑制する観点から、乾燥温度は60℃以上150℃以下であることが好ましく、特に80℃以上120℃以下がより好ましい。また、乾燥時間は10分以上60分以下が好ましい。
正孔輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アルコール(特に炭素原子数3以上のアルコール)、アニソール、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどが挙げられる。
正孔輸送層を積層構成とする場合は、感光体の表面側の正孔輸送層については、機械的強度を高めるために、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送物質を重合および/または架橋させることによって硬化させてなる層とすることが好ましい。連鎖重合性官能基としては、例えば、アクリル基、アルコキシシリル基、エポキシ基などが挙げられる。連鎖重合性官能基を有する正孔輸送物質を重合および/または架橋させるためには、熱、光、放射線(電子線など)を用いることができる。
電子写真感光体の正孔輸送層が1層である場合、その正孔輸送層の膜厚は5μm以上40μm以下であることが好ましく、特に8μm以上30μm以下であることがより好ましい。
正孔輸送層を積層構成とした場合の電子写真感光体の支持体側の正孔輸送層の膜厚は、5μm以上30μm以下であることが好ましく、電子写真感光体の表面側の正孔輸送層については、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
また、正孔輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
また、電子写真感光体の最表面の層(表面層)には、シリコーンオイル、ワックス、ポリテトラフルオロエチレン粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素などの潤滑剤を含有させてもよい。
〔プロセスカートリッジおよび電子写真装置〕
図1に、本発明に係る電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略的構成を示す。
図1において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の表面(周面)は、帯電手段3(一次帯電手段:帯電ローラーなど)により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを選択して容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1に示す例では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化している。そして、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下に、実施例に基づき、本願発明をより具体的に説明するが、これら実施例は本願発明を何ら限定するものではない。なお、実施例中の「%」及び「部」は、それぞれ「質量%」及び「質量部」を意味する。
次に、電子写真感光体の製造および評価について示す。
−第一中間層用塗布液1−
酸化亜鉛粒子(個数平均一次粒子径:50nm;比表面積(以下、BET値):19m/g;粉体抵抗:3.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と攪拌混合し、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM602;信越化学工業(株)製)1.25部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、表面処理された酸化亜鉛粒子M1を得た。
次に、ポリビニルアセタール樹脂(商品名:BM−1;積水化学工業(株)製)15部及びブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175;住友バイエルウレタン社製)10部をメチルエチルケトン85部と1−ブタノール36.5部の混合溶媒に溶解させた。この液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子M1を67.5部、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.7部を加え、これを直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、樹脂粒子として架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(積水化成品工業社製;商品名:SSX−103)を3.4部、シリコーンオイルSH28PA(商品名;東レダウコーニングシリコーン社製)0.007部を加えて攪拌し、第一中間層用塗布液1を調整した。
第一中間層用塗布液1を用いて第一中間層を形成し、下記のように電子写真感光体を製造した。この第一中間層を有する電子写真感光体について、下記の方法により、金属酸化物粒子の個数平均一次粒径を測定した。その結果、金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径は55nmであった。
−第一中間層用塗布液2−
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンを用いなかったこと以外は第一中間層用塗布液1と同様にして第一中間層用塗布液2を得た。
第一中間層用塗布液1と同様に第一中間層用塗布液2を用いて第一中間層を形成し、金属酸化物粒子の個数平均一次粒径を測定した。その結果、金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径は55nmであった。
−第一中間層用塗布液3−
酸化亜鉛粒子(個数平均一次粒子径:50nm;比表面積(以下、BET値):19m/g;粉体抵抗:3.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と攪拌混合し、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM603;信越化学工業(株)製)1.25部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、表面処理された酸化亜鉛粒子M2を得た。
次に、ポリビニルアセタール樹脂(BM−1)15部及びブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175;住友バイエルウレタン社製)10部をメチルエチルケトン85部と1−ブタノール36.5部の混合溶媒に溶解させた。この液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子M2を67.5部、1,2−ジヒドロキシアントラキノン(東京化成工業(株)製)0.7部を加え、これを直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、触媒としてジオクチルスズジラウレート(触媒) 0.005部及びシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール145;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製)を4.0部加えて攪拌し、第一中間層用塗布液3を調製した。
第一中間層用塗布液1と同様に第一中間層用塗布液3を用いて第一中間層を形成し、金属酸化物粒子の個数平均一次粒径を測定した。その結果、金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径は55nmであった。
−第一中間層用塗布液4−
酸化チタン粒子(石原産業(株)製;商品名:TTO−55(B);個数平均一次粒子径30〜50nm)100部をトルエン500部と攪拌混合し、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM603;信越化学工業(株)製)1.25部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、表面処理された酸化チタン粒子N1を得た。
次に、金属酸化物粒子として酸化チタン粒子N1を用いた以外は第一中間層用塗布液1と同様にして第一中間層用塗布液4を得た。
第一中間層用塗布液1と同様に第一中間層用塗布液4を用いて第一中間層を形成し、金属酸化物粒子の個数平均一次粒径を測定した。その結果、金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径は40nmであった。
−第一中間層用塗布液5−
酸化チタン粒子(石原産業(株)製;商品名:CR−EL;個数平均一次粒子径250nm)100部をトルエン500部と攪拌混合し、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM60;信越化学工業(株)製)1.25部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、表面処理された酸化チタン粒子N2を得た。
次に、金属酸化物粒子として酸化チタン粒子N2を用いた以外は第一中間層用塗布液1と同様にして第一中間層用塗布液5を得た。
第一中間層用塗布液1と同様に第一中間層用塗布液5を用いて第一中間層を形成し、金属酸化物粒子の個数平均一次粒径を測定した。その結果、金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径は260nmであった。
−第一中間層用塗布液6−
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンを用いなかったこと以外は第一中間層用塗布液5と同様にして第一中間層用塗布液6を得た。
第一中間層用塗布液1と同様に第一中間層用塗布液6を用いて第一中間層を形成し、金属酸化物粒子の個数平均一次粒径を測定した。その結果、金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径は260nmであった。
−第一中間層用塗布液7−
酸化チタン粒子(石原産業(株)製;商品名:EC−100;個数平均一次粒子径320〜400nm)100部をトルエン500部と攪拌混合し、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM603;信越化学工業(株)製)1.25部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、表面処理された酸化チタン粒子N3を得た。
次に、金属酸化物粒子として酸化チタン粒子N3を用いた以外は第一中間層用塗布液1と同様にして第一中間層用塗布液7を得た。
第一中間層用塗布液1と同様に第一中間層用塗布液7を用いて第一中間層を形成し、金属酸化物粒子の個数平均一次粒径を測定した。その結果、金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径は400nmであった。
−第一中間層用塗布液8−
酸化チタン粒子(石原産業(株)製;商品名:TTO−55(A);個数平均一次粒子径10〜30nm)100部をトルエン500部と攪拌混合し、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM603)1.25部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、表面処理された酸化チタン粒子N4を得た。
次に、金属酸化物粒子として酸化チタン粒子N4を用いた以外は第一中間層用塗布液1と同様にして第一中間層用塗布液8を得た。
第一中間層用塗布液1と同様に第一中間層用塗布液8を用いて第一中間層を形成し、金属酸化物粒子の個数平均一次粒径を測定した。その結果、金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径は20nmであった。
−第一中間層用塗布液9−
酸化チタン粒子(石原産業(株)製;商品名:EC−210;個数平均一次粒子径450〜500nm)100部をトルエン500部と攪拌混合し、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM603)1.25部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、表面処理された酸化チタン粒子N5を得た。
次に、金属酸化物粒子として酸化チタン粒子N5を用いた以外は第一中間層用塗布液1と同様にして第一中間層用塗布液9を得た。第一中間層用塗布液1と同様に第一中間層用塗布液9を用いて第一中間層を形成し、金属酸化物粒子の個数平均一次粒径を測定した。その結果、金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径は510nmであった。
−第一中間層用塗布液10−
酸化亜鉛粒子(個数平均一次粒子径:50nm;比表面積(以下、BET値):19m/g;粉体抵抗:3.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と攪拌混合し、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM602;信越化学工業(株)製)1.25部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、表面処理された酸化亜鉛粒子M1を得た。
次に、ポリビニルアセタール樹脂(商品名:BM−1;積水化学工業(株)製)10.5部及びブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175;住友バイエルウレタン社製)25部をメチルエチルケトン65.5部と1−ブタノール65.5部の混合溶媒に溶解させた。この液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子M1を85部、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.85部を加え、これを直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、樹脂粒子として架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(積水化成品工業社製;商品名:SSX−103)を5.7部、シリコーンオイルSH28PA(商品名;東レダウコーニングシリコーン社製)0.011部を加えて攪拌し、第一中間層用塗布液10を調整した。
第一中間層用塗布液10を用いて第一中間層を形成し、下記のように電子写真感光体を製造した。この第一中間層を有す電子写真感光体について、下記の方法により、金属酸化物粒子の個数平均一次粒径を測定した。その結果、金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径は55nmであった。
−第一中間層用塗布液11−
酸化亜鉛粒子(個数平均一次粒子径:50nm;比表面積(以下、BET値):19m/g;粉体抵抗:3.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と攪拌混合し、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM603;信越化学工業(株)製)1.25部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、表面処理された酸化亜鉛粒子M2を得た。
次に、ポリビニルアセタール樹脂(BM−1)10.5部及びブロック化イソシアネート(スミジュール3175)25部をメチルエチルケトン65.5部と1−ブタノール65.5部の混合溶媒に溶解させた。この液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子M2を85部、1,2−ジヒドロキシアントラキノン(東京化成工業(株)製)0.85部を加え、これを直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、触媒としてジオクチルスズジラウレート(触媒) 0.005部及びシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール145;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製)を5.7部加えて攪拌し、第一中間層用塗布液11を調製した。
第一中間層用塗布液1と同様に第一中間層用塗布液11を用いて第一中間層を形成し、金属酸化物粒子の個数平均一次粒径を測定した。その結果、金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径は55nmであった。
〔実施例1〕
直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003;アルミニウム合金;長さ:357.5mm)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、第一中間層用塗布液1を上記支持体に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間、180℃で乾燥させることによって、膜厚が30μmの第一中間層を形成した。
次に、電子輸送物質(A101)を4部、架橋剤(B1:保護基(H1)=5.1:2.2(質量比))を5.5部、樹脂(D1)を0.3部、触媒としてのジオクチルスズラウレート0.05部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、第二中間層用塗布液を調製した。この第二中間層用塗布液を第一中間層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間、160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.5μmの第二中間層を形成した。樹脂D1における特徴的な構造(E−1)のR21は、Cである。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶10部、下記式(3)で示される化合物0.1部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1;積水化学工業(株)製)5部およびシクロヘキサノン250部を、直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、1.5時間分散処理した。次に、これに酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
Figure 0006555877
この電荷発生層用塗布液を、電子輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間、100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(CTM−1)示されるトリアリールアミン化合物、および式(CTM−2)で示されるベンジジン化合物をそれぞれ4部ずつ、およびビスフェノールZ型のポリカーボネート(商品名:Z400;三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部を、ジメトキシメタン40部およびクロロベンゼン60部の混合溶剤に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。この正孔輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間、120℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの正孔輸送層を形成した。
Figure 0006555877
このようにして、電位変動および黒点評価用の電子写真感光体を製造した。
(個数平均一次粒子径測定)
作製した電子写真感光体を切断し、クロスセクションポリッシャー(断面試料作製装置)を用いて断面観察用のサンプルを作製した。SEM(走査型顕微鏡)により拡大撮影した第一中間層の断面写真の金属酸化物粒子と、SEMに付属させたXMA(X線マイクロアナライザ)などの元素分析手段によって金属酸化物粒子の元素でマッピングされた断面写真を対照した。次に、金属酸化物粒子100個の一次粒子の投影面積を測定し、測定された各金属酸化物粒子の投影面積に等しい面積の円の相当径を、各金属酸化物粒子径として求めた。その結果に基づいて、金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径の算出を行ない、これを個数平均一次粒子径とした。
(黒点評価)
製造した評価用の電子写真感光体を、キヤノン(株)製のレーザービームプリンター(商品名:LBP−2510)の改造機に装着して評価を行った。詳しくは以下のとおりである。
改造点としては、温度35℃、湿度85%RHの環境下で、電子写真感光体の表面電位が、初期暗部電位−550V、露光部電位−150Vになるように、帯電条件とレーザー露光量を設定した。表面電位測定は、カートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(商品名:model6000B−8;トレック・ジャパン(株)製)を装着した。そして、電子写真感光体中央部の電位を表面電位計(商品名:model344;トレック・ジャパン(株)製)を用いて測定した。
黒点の評価としては、A4サイズのグロス紙を用い、全面ベタ白の画像を出力した。その出力画像の電子写真感光体1周分の面積(縦をA4用紙の長辺長である297mm、横を電子写真感光体の1周分である94.2mmとした長方形の領域)に含まれる黒ポチの数を目視によって以下の基準で評価した。評価結果を表21に示す。
ランクA:黒ポチは見当たらない
ランクB:直径が0.3mmより大きい黒ポチが1〜3個見られる
ランクC:直径が0.3mmより大きい黒ポチが4〜5個見られる
ランクD:直径が0.3mmより大きい黒ポチが6〜7個見られる
ランクE:直径が0.3mmより大きい黒ポチが8個以上見られる
(電位変動評価)
製造した評価用の電子写真感光体を、キヤノン(株)製のレーザービームプリンター(商品名:LBP−2510)の改造機に装着して評価を行った。詳しくは以下のとおりである。
改造点としては、高温高湿(温度35℃;湿度85%RH)環境下で、電子写真感光体の表面電位が、初期暗部電位−550V、露光部電位−150Vになるように、帯電条件とレーザー露光量を設定した。通紙時は、シアン単色で印字率1%の文字画像をA4サイズの普通紙を用いて、10000枚の繰り返し画像形成を行った。この時の初期の露光部電位と10000枚繰り返し画像形成後の露光部電位を比較し、電位変動の値(ΔVl)とする。評価結果を表21に示す。
(実施例2〜49)
実施例1において、第一中間層用塗布液の種類、第一中間層の膜厚、電子輸送物質、第二中間層の膜厚、電子輸送物質含有量、架橋剤、樹脂を表19に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。
(実施例50)
第二中間層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表21に示す。
電子輸送物質(A117)を5部、架橋剤(C1−3)を3.5部、樹脂(D1)を3.4部、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.1部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、第二中間層用塗布液を調製した。この第二中間層用塗布液を第一中間層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間、160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.5μmの第二中間層を形成した。
(実施例51〜97)
実施例50において、第一中間層用塗布液の種類、第一中間層の膜厚、電子輸送物質、第二中間層の膜厚、電子輸送物質含有量、架橋剤、樹脂を表20に示すように変更した以外は、実施例50と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。
(実施例98、99)
電子輸送物質をA119に変更し、第一中間層用塗布液の種類を表20に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。
(比較例1)
実施例1において、第一中間層用塗布液1を第一中間層用塗布液8に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。評価結果を表22に示す。
(比較例2)
実施例1において、第一中間層用塗布液1を第一中間層用塗布液9に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。評価結果を表22に示す。
(比較例3)
実施例1において、電子輸送物質を下記式で示す化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。評価結果を表22に示す。
Figure 0006555877
(比較例4)
実施例1において、電子輸送物質を1,2―ジヒドロキシアントラキノン(和光純薬社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。評価結果を表22に示す。
(比較例5)
第一中間層を、米国特許出願公開第2006/0009563号に記載されるように、酸化スズ粒子(商品名:SN100D;石原産業社製)を含有する膜厚6μmの第一中間層として形成した。次に、第二中間層を、下記式で示されるブロック共重合体、ブロックイソシアネート、および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いて第二中間層用塗布液を作製し、厚さ0.5μmの層を形成した。それ以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。評価結果を表22に示す。
Figure 0006555877
(比較例6)
実施例1において、架橋剤をヘキサメチレンジイソシアネートに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。評価結果を表22に示す。
(比較例7)
実施例1において、電子輸送物質を下記式で示す化合物(分子量1254)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。評価結果を表22に示す。
Figure 0006555877
(比較例8)
実施例1において、架橋剤をポリアリルアミン(商品名:PAA−05;日東紡(株)製;分子量5000)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。評価結果を表22に示す。
(比較例9)
実施例1において、第二中間層として、メトキシメチル化ナイロン(重量平均分子量32,000)5部とアルコール可溶性共重合ナイロン(重量平均分子量29,000)10部をメタノール95部に溶解した液を浸漬塗布し、100℃、20分乾燥後の膜厚が0.5μmの下引き層を形成した以外は、実施例1と同様に製造し、同様の評価を行った。評価結果を表22に示す。
Figure 0006555877
Figure 0006555877
Figure 0006555877
Figure 0006555877
実施例と比較例1との比較により、第一中間層に含有される金属酸化物の個数平均一次粒子径が小さい場合、高温高湿環境での電位変動と黒点抑制に十分な効果が得られない場合があることが分かった。これは金属酸化物粒子の個数平均一次粒子径が小さいと金属酸化物の単位質量当たりの酸素欠損濃度が高くなるため、高温高湿環境下での繰り返し使用による露光部の電位変動が起きやすいためと考えられる。
実施例と比較例2との比較により、第一中間層に含有される金属酸化物の個数平均一次粒子径が大きい場合、黒点抑制に十分な効果が得られない場合があることが分かった。これは、金属酸化物の個数平均一次粒子径が大きいと局所的な導電パスが形成されやすくなるため、黒点が発生しやすいためと考えられる。
実施例と比較例3との比較により、電子輸送物質の電子非局在部位と架橋剤の結合部位が離れていると、高温高湿環境での電位変動抑制に十分な効果が得られない場合があることが分かった。
実施例と比較例4との比較により、電子輸送物質の重合性官能基部分の構造によっては、高温高湿環境での電位変動と黒点抑制に十分な効果が得られない場合があることが分かった。これは、重合性官能基の構造によっては、電子輸送物質の膜内での均一性が低下しやすいためと考えられる。
実施例と比較例5〜8との比較により、電子輸送物質および架橋剤の分子量によっては、高温高湿環境での電位変動抑制に十分な効果が得られない場合があることが分かった。
これは、電子輸送物質および架橋剤の分子量が適切な範囲内でないと、電子輸送物質と架橋剤で均一な3次元架橋構造をとりにくくなるためと考えられる。
実施例と比較例9との比較により、第二中間層に電子輸送物質を含まない場合、高温高湿環境での電位変動と黒点抑制に十分な効果が得られない場合があることが分かった。

Claims (10)

  1. 支持体、該支持体上に第一中間層、該第一中間層上に第二中間層、該第二中間層上に感光層を有する電子写真感光体において、
    該第一中間層が、個数平均一次粒子径が30nm以上450nm以下である金属酸化物粒子を含有しており、
    該第二中間層が、
    式(1)で示される重合性官能基または式(2)で示される重合性官能基を有し、かつ、分子量が100以上1000以下である電子輸送物質、および
    該式(1)で示される重合性官能基または該式(2)で示される重合性官能基と反応する基を3〜6個有し、かつ、分子量が200以上1300以下である架橋剤
    を含む組成物の重合物を含有し、
    該架橋剤が、イソシアネート基もしくはブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物であり、
    該組成物における該電子輸送物質と該架橋剤との質量比は1/9〜9/1の範囲内であることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0006555877
    (式(2)中のB、CおよびDの少なくとも1つは重合性官能基を有する基であり、該重合性官能基は、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。
    Aは、カルボキシル基、アミノ基、主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基の少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えた基、置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の1価の基の少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えた基、置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つを硫黄原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の1価の基の少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えた基、または置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つをNRに置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の1価の基の炭素原子が有する少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えた基を示す。Rは、水素原子、またはアルキル基である。Aで示される基が有する重合性官能基は、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。Aで示される基が有する該置換のアルキル基が有する置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、またはフェニル基である。
    Bは、単結合、主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の2価の基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つを硫黄原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の2価の基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをNRに置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の2価の基、または単結合を除くこれらの基の炭素原子が有する少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えて得られる基を示す。Rは、水素原子、またはアルキル基である。Bで示される基が有する該置換のアルキレン基が有する置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコシキカルボニル基、またはフェニル基である。
    Cは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ置換フェニレン基、ハロゲン置換フェニレン基、アルコキシ基置換フェニレン基またはこれらの基の炭素原子が有する少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えて得られる基を示す。
    Dは、水素原子、NR、炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキル基、または水素原子を除くこれらの基の炭素原子が有する少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えて得られる基を示す。RおよびRは、水素原子、またはアルキル基である。)
  2. 前記組成物における前記電子輸送物質と前記架橋剤との分子量の比は12/20〜28/20の範囲内である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記第一中間層の前記金属酸化物粒子に対する、前記第二中間層の組成物中の前記電子輸送物質の含有量が、0.2質量%以上15質量%以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記第一中間層の前記金属酸化物粒子に対する、前記第二中間層の組成物中の前記電子輸送物質と前記架橋剤とを合計した含有量が、0.5質量%以上20質量%以下である請求項1から3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記第二中間層の組成物が、さらに、重合性官能基を有する熱可塑性樹脂を含有する請求項1からのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記熱可塑性樹脂の重合性官能基が、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、またはメトキシ基である請求項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記金属酸化物粒子が、酸化チタン粒子、または酸化亜鉛粒子である請求項1からのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  8. 支持体、該支持体上に第一中間層、該第一中間層上に第二中間層、該第二中間層上に感光層を有する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、
    個数平均一次粒子径が30nm以上450nm以下である金属酸化物粒子を含有する第一中間層用塗布液の塗膜を形成する工程、
    該塗膜を加熱することにより、該第一中間層を形成する工程、
    式(1)で示される重合性官能基または式(2)で示される重合性官能基を有し、かつ、分子量が100以上1000以下である電子輸送物質、および該式(1)で示される重合性官能基または該式(2)で示される重合性官能基と反応する基を3〜6個有し、かつ、分子量が200以上1300以下である架橋剤を、該電子輸送物質と該架橋剤との質量比が1/9〜9/1の範囲内で含む組成物を含有する第二中間層用塗布液の塗膜を形成する工程、及び
    該塗膜を加熱および硬化させることにより、該第二中間層を形成する工程、
    を有し、
    該架橋剤が、イソシアネート基もしくはブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0006555877
    (式(2)中のB、CおよびDの少なくとも1つは重合性官能基を有する基であり、該重合性官能基は、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。
    Aは、カルボキシル基、アミノ基、主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基の少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えた基、置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の1価の基の少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えた基、置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つを硫黄原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の1価の基の少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えた基、または置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つをNRに置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の1価の基の炭素原子が有する少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えた基を示す。Rは、水素原子、またはアルキル基である。Aで示される基が有する重合性官能基は、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。Aで示される基が有する該置換のアルキル基が有する置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、またはフェニル基である。
    Bは、単結合、主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の2価の基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つを硫黄原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の2価の基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをNRに置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の2価の基、または単結合を除くこれらの基の炭素原子が有する少なくとも1つの水素原子を、重合性官能基で置き換えて得られる基を示す。Rは、水素原子、またはアルキル基である。Bで示される基が有する該置換のアルキレン基が有する置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコシキカルボニル基、またはフェニル基である。
    Cは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ置換フェニレン基、ハロゲン置換フェニレン基、アルコキシ基置換フェニレン基またはこれらの基の炭素原子が有する少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えて得られる基を示す。
    Dは、水素原子、NR、炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキル基、または水素原子を除くこれらの基の炭素原子が有する少なくとも1つの水素原子を重合性官能基で置き換えて得られる基を示す。RおよびRは、水素原子、またはアルキル基である。)
  9. 請求項1からのいずれか一項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 請求項1からのいずれか一項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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