JP2016164657A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 低温低湿環境下や長期繰り返し使用時においても、ゴーストを抑制し、かつ、帯電能と感度を高度に両立させた電子写真感光体ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。
【解決手段】 支持体と、下引き層と、電荷発生層と、正孔輸送層と、をこの順に有する電子写真感光体であって、下引き層が、電子輸送物質を含有し、電荷発生層が、ガリウムフタロシアニン結晶及び式(N1)で示されるアミド化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
現在、電子写真分野における像露光手段としてよく用いられている半導体レーザーの発振波長は、650〜820nmと長波長であるため、これらの長波長の光に高い感度を有する電子写真感光体の開発が進められている。また、最近は、高解像度化に向けて、発振波長が短波長である半導体レーザーの光に高い感度を有する電子写真感光体の開発も進められている。
フタロシアニン顔料は、こうした長波長領域から短波長領域までの光に高い感度を有する電荷発生物質として知られている。特にオキシチタニウムフタロシアニンやガリウムフタロシアニンは、優れた感度特性を有しており、これまでに様々な結晶形が報告されている。
しかしながら、ガリウムフタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体は、フォトキャリア(正孔及び電子)の発生量が多いため、正孔輸送物質によって移動した正孔の対としての電子が感光層(電荷発生層)中に滞留しやすい。このため、ガリウムフタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体には、ゴーストと呼ばれる現象が発生しやすいという課題がある。具体的には、出力画像中、前回転時に光が照射された部分のみ濃度が濃くなるポジゴーストや、前回転時に光が照射された部分のみ濃度が薄くなるネガゴーストが見られる。
特許文献1では、電荷発生層に特定のアミン化合物を添加することによりゴーストが改善できることを報告している。
一方で、電荷発生層からの電子の引き抜き、及び支持体から感光層側への電荷注入抑制を目的として、下引き層または中間層に電子輸送物質を含有させて電子輸送層とすることが知られている。電子輸送物質を含有させた下引き層は、導電性のあるイオンや金属酸化物微粒子を用いた下引き層と比べて、抵抗が高く、支持体側から感光層側への電荷注入の抑制力は高い。
特許文献2では、バインダー樹脂と電子輸送物質としてテトラカルボン酸イミド化合物のみからなる下引き層(電子輸送層)が開示されている。下引き層として移動度は高く、さらに電荷注入の抑制力も高い。一方で、電子輸送物質が溶剤に可溶であるため、下引き層上に感光層を塗布して形成する場合、特に浸漬塗布を行う場合、電子輸送物質が感光層や塗布液に溶出する場合がある。そのため、本来の電子輸送能を得ることができずに、電子移動能が不十分である場合があった。また、感光層(電荷発生層)への電子輸送物質の溶出により、感光層が本来持っている帯電能などの電子写真特性を低下させる場合があった。
そこで、電子輸送物質を架橋させる技術がある。特許文献3では、下引き層に非加水分解性重合性官能基を有する電子輸送物質の重合物を含有させることが開示されている。
これにより電子輸送物質を架橋させることで、溶出の発生は抑えられる。しかしながら、架橋させたことによって、感光層(電荷発生層)から十分に電子の引き抜きが行われないことにより電荷の滞留が生じ、感度が不十分である場合があった。
特開2012−32781号公報 特開2010−145506号公報 特開2003−330209号公報
現在、様々な環境下においてゴーストを抑制するとともに、長期繰り返し使用時における帯電能や感度などの電子写真特性の維持が求められている。また、下引き層上に感光層(電荷発生層)を塗布により形成する場合、下引き層中の電子輸送物質の溶出による電子写真特性の低下と、感光層(電荷発生層)と下引き層の界面における電荷の滞留という課題を同時に解決するのは困難であった。
本発明の目的は、低温低湿環境下や長期繰り返し使用時においても、ゴーストを抑制し、かつ、帯電能と感度を高度に両立させた電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体と、下引き層と、電荷発生層と、正孔輸送層と、をこの順に有する電子写真感光体であって、下引き層が、電子輸送物質を含有し、電荷発生層が、ガリウムフタロシアニン結晶及び式(N1)で示されるアミド化合物を含有することを特徴とする。
(式(N1)中、Rは、メチル基、プロピル基、またはビニル基を示す。)
また、本発明は、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を有し、かつ、該電子写真感光体と、該帯電手段、該現像手段、及び該クリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とは、一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
本発明によれば、低温低湿環境下や長期繰り返し使用時においてもゴーストが抑制され、かつ帯電能と感度に優れた、高画質で高安定な電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。 ゴースト評価用画像を示す図である。 実施例1−3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶のH−NMRスペクトルを示す図である。
<電子写真感光体>
本発明の電子写真感光体は、支持体と、下引き層と、電荷発生層と、正孔輸送層と、をこの順に有する電子写真感光体である。そして、下引き層が、電子輸送物質を含有し、電荷発生層が、ガリウムフタロシアニン結晶及び式(N1)で示されるアミド化合物を含有することを特徴とする。
(式(N1)中、Rは、メチル基、プロピル基、またはビニル基を示す。)
本発明の上記特徴を有する電子写真感光体が、ゴースト抑制に優れ、かつ帯電能及び感度を両立させる理由について、本発明者らは以下のように推測している。
上記式(N1)に示す化合物の強い極性と、カルボニル基の電子求引性によって、ガリウムフタロシアニン結晶の分子内から電子を引き抜くことで、ガリウムフタロシアニン結晶からの電子の流れを良好にする。これと同時に、下引き層が電子輸送物質を含むことで、下引き層中の電子の流れが良好となる。
これらに加えて、電荷発生層と下引き層の界面近傍に上記式(N1)に示す化合物と電子輸送物質が双方存在することで、ガリウムフタロシアニン結晶から支持体まで電子が滞留することなく流れ、ゴーストが抑制される。さらに、ガリウムフタロシアニン結晶から電子輸送物質への、あるいは電荷発生層から下引き層への、電子の引き出しが十分に行われるため、感度が良化する。
さらに、上記式(N1)に示す化合物がガリウムフタロシアニン分子の近傍に存在することで、ガリウムフタロシアニン分子のエネルギー準位を変化させる。その結果、下引き層から電荷発生層へ電子輸送物質が溶出して電荷発生層内に未露光状態における電荷のパスが形成されて暗電流が増大し、帯電能が低下してしまうのを抑制すると考えている。
また、上記式(N1)で示されるアミド化合物の含有量は、前記電荷発生層の全質量に対して0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましい。上記式(N1)で示されるアミド化合物の含有量が上記範囲内であることで、さらにゴースト抑制効果が得られる。
また、ゴースト抑制及び感度向上の観点から、前記ガリウムフタロシアニン結晶は、上記式(N1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶であることが好ましい。上記式(N1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶は、結晶内に上記式(N1)で示されるアミド化合物を取り込んでいることを意味する。
さらに、前記ガリウムフタロシアニン結晶内における上記式(N1)で示されるアミド化合物の含有量は、前記ガリウムフタロシアニン結晶中のガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.1質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましい。
また、上記式(N1)中のRはメチル基であることが好ましい。
また、前記ガリウムフタロシアニン結晶は、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°及び28.2°±0.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶であることが高画質の点で特に好ましい。
また、前記下引き層は、電子輸送物質と架橋剤を含む組成物の重合物を含有すること、即ち、電子輸送性硬化膜であることが好ましい。
溶出の発生を抑えるために重合性官能基を有する電子輸送物質と架橋剤を重合させた下引き層は、樹脂と電子輸送物質を含有させた下引き層(溶出の発生が抑制された場合)と比較すると感度に劣りやすい。この理由として、本発明者らは、下引き層が電子輸送物質の架橋構造をとることで、ガリウムフタロシアニン結晶から電子輸送物質への電子注入が低減されるからと考えられる。
そこで上記のとおり、電荷発生層と下引き層の界面近傍に上記式(N1)に示す化合物と電子輸送物質が双方存在させることで、架橋構造をとることで低減された電子注入分を補い、電荷発生層から下引き層への電子の引き出しが十分に行われる。その結果、架橋構造をとらせることによる溶出の抑制と併せて、ゴースト抑制及び帯電能と感度の両立をより高度に実現することが出来ると考えられる。
また、前記電子輸送物質の含有量は、前記下引き層の全質量に対して30質量%以上70質量%以下であることが好ましい。電子輸送物質の含有量が上記範囲内であることによって、さらにゴースト抑制や感度の向上をより高度に達成できる。
さらに、前記下引き層の全質量に対する前記電子輸送物質の含有量をPA質量%、前記電荷発生層の全質量に対する上記式(N1)で示されるアミド化合物の含有量をPN質量%としたとき、PN/PAは0.005以上0.080以下であることが好ましい。PN/PAが上記範囲内であることで、ガリウムフタロシアニン結晶から下引き層への電子の移動速度と、下引き層内での電子の移動速度がより適切な関係となるため、電子移動あるいは電子注入の改善効果がより発揮されやすくなる。
本発明の電子写真感光体は、上記のとおり、支持体、該支持体上に形成された下引き層、該下引き層上に形成された電荷発生層及び該電荷発生層上に形成された正孔輸送層を有する電子写真感光体である。
図1は、電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図1中、101は支持体であり、102は下引き層であり、103は電荷発生層であり、104は正孔輸送層であり、105は感光層(積層型感光層)である。
〔支持体〕
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、例えば、アルミニウム、鉄、銅、金、ステンレス鋼、ニッケルなどの金属(合金)製の支持体や、表面に導電性皮膜を設けた金属、絶縁物の支持体などが挙げられる。絶縁物支持体としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂などのプラスチック、ガラス、紙製の支持体などがある。また、導電性皮膜としては、アルミニウム、クロム、銀、金などの金属薄膜や、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの導電性材料薄膜、銀ナノワイヤーを加えた導電性インクの薄膜などが挙げられる。
また、支持体の形状としては、例えば、円筒状、フィルム状などが挙げられる。これらの中でも、円筒状のアルミニウム製の支持体が、機械強度、電子写真特性及びコストの点で優れている。また、素管のまま支持体として用いてもよいが、電気的特性の改善や干渉縞の抑制のため素管の表面に対して切削、ホーニング、ブラスト処理などの物理処理や、陽極酸化処理や、酸などを用いた化学処理などを施したものを支持体として用いてもよい。素管に対して切削、ホーニング、ブラスト処理などの物理処理を行うことにより、表面粗さをJIS B0601:2001で規定される十点平均粗さRzjis値で0.8μm以上に処理した支持体は、優れた干渉縞抑制機能を有している。
〔導電層〕
支持体と下引き層との間には、必要に応じて、導電層を設けてもよい。特に、素管のまま支持体として用いる場合、これの上に導電層を形成することにより、簡便な方法により干渉縞抑制機能を付与することができる。このため、生産性、コストの面から非常に有用である。
導電層は、導電層用塗布液を支持体上に塗布した後、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。導電層用塗布液は、導電性粒子、結着樹脂及び溶剤を分散処理することによって調製することができる。分散方法としては、例えば、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉や、酸化スズ粒子、酸化インジウム粒子、酸化チタン粒子、硫酸バリウム粒子のような金属酸化物紛体が挙げられる。結着樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂及びアルキッド樹脂が挙げられる。溶剤としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロへキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル系溶剤及びトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。また、必要に応じて、導電層用塗布液に導電層表面に凹凸を付与する目的で粒子を加えてもよい。
導電層の膜厚は、干渉縞抑制機能、支持体上の欠陥の隠蔽(被覆)などの観点から、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
〔下引き層〕
支持体または導電層上には、下引き層が設けられる。
下引き層は、電子輸送物質を含有する電子輸送膜であり、電子を感光層側から支持体側へと流す役割を果たす。具体的には、以下の電子輸送膜が好ましい。
・電子輸送物質または電子輸送物質を含む組成物を硬化させて得られた硬化膜、
・電子輸送物質を溶解させた電子輸送膜用塗布液の塗膜を乾燥させて形成された膜、
・電子輸送物質(例えば、電子輸送性顔料)を分散させた電子輸送膜用塗布液の塗膜を乾燥させて形成された膜。
これらの中でも、電子輸送物質の電荷発生層への溶出をより低減する観点から、硬化膜であることがより好ましい。前記硬化膜は、前記組成物中にさらに架橋剤を含有し、この組成物を硬化させて得られた硬化膜であることがより好ましく、前記組成物中にさらに架橋剤と樹脂を含有し、この組成物を硬化させて得られた硬化膜であることがさらに好ましい。硬化膜の場合、電子輸送物質及び樹脂は、重合性官能基を有する電子輸送物質、重合性官能基を有する樹脂であることが好ましい。重合性官能基としては、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、メトキシ基が挙げられる。また、架橋剤としては、前記重合性官能基を有する電子輸送物質、及び前記重合性官能基を有する樹脂のいずれか一方あるいは両方と重合又は架橋する化合物を用いることができる。
前記電子輸送物質の含有量は、前記下引き層の全質量に対して30質量%以上70質量%以下であることが好ましい。電子輸送物質の含有量が上記範囲内であることによって、ゴースト抑制や感度の向上がより高いレベルで達成することが可能となる。なお、前記重合性官能基を有する電子輸送物質が重合している場合、下引き層中の電子輸送物質の含有量は、重合性官能基部分を除いた電子輸送に寄与する部分から算出する。
(電子輸送物質)
電子輸送物質としては、例えば、キノン化合物、イミド化合物、ベンゾイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物などが挙げられる。電子輸送物質は、重合性官能基を有する電子輸送物質であることが好ましい。重合性官能基としては、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、又はメトキシ基が挙げられる。以下に、電子輸送物質の具体例として、下記式(A−1)〜(A−11)のいずれかで示される化合物を示す。
式(A1)〜(A11)中、R11〜R16、R21〜R30、R31〜R38、R41〜R48、R51〜R60、R61〜R66、R71〜R78、R81〜R90、R91〜R98は、R101〜R110は、R111〜R120は、それぞれ独立に、下記式(A)で示される1価の基、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換の複素環を示す。アルキル基の主鎖中の炭素原子の1つがO、S、NH又はNR1001(R1001はアルキル基)で置き換わっていても良い。該置換のアルキル基の置換基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、カルボニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルケニル基である。該置換のアリール基の置換基、該置換の複素環基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、カルボニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルケニル基である。Z21、Z31、Z41及びZ51は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、又は酸素原子を示す。Z21が酸素原子である場合はR29及びR30は存在せず、Z21が窒素原子である場合はR30は存在しない。Z31が酸素原子である場合はR37及びR38は存在せず、Z31が窒素原子である場合はR38は存在しない。Z41が酸素原子である場合はR47及びR48は存在せず、Z41が窒素原子である場合はR48は存在しない。Z51が酸素原子である場合はR59及びR60は存在せず、Z51が窒素原子である場合はR60は存在しない。
式(A)中、α、β、及びγの少なくとも1つは置換基を有する基であり、該置換基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。l及びmは、それぞれ独立に、0又は1であり、lとmの和は、0以上2以下である。
αは、主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、ベンジル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、アルコシキカルボニル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、又はフェニル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。アルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つは、O、S、NR1002(式中、R1002は、水素原子、又はアルキル基を示す。)で置き換わっても良い。
βは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ置換フェニレン基、ハロゲン基置換フェニレン基、又はアルコキシ基置換フェニレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。
γは、水素原子、主鎖の原子数が1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキル基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。アルキル基の主鎖中の炭素原子の1つは、O又はS又はNR1003(式中、R1003は、水素原子又はアルキル基を示す。)で置き換わっていても良い。
また、これら式(A1)〜(A11)は多量体、重合体及び共重合体を形成していてもよい。
前記電子輸送膜が硬化膜である場合、R11〜R16の少なくとも1つ、R21〜R30の少なくとも1つ、R31〜R38の少なくとも1つ、R41〜R48の少なくとも1つ、R51〜R60の少なくとも1つ、R61〜R66の少なくとも1つ、R71〜R78の少なくとも1つ、R81〜R90の少なくとも1つ、R91〜R98の少なくとも1つ、R101〜R110の少なくとも1つ、R111〜R120の少なくとも1つは、式(A)で示される1価の基を有していることが好ましい。
以下の表1−1〜1−6、表2〜6、表7−1〜7−2、表8〜11において、重合性官能基を有する電子輸送物質の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。表中、Aa及びAは、式(A)で示される1価の基を意味し、Aa及びAの欄は、上記式(A)で示される1価の基の具体例を示す。なお、AとAaの両方が存在することは、異なる式(A)で示される基が存在することを意味する。表中、γが「−」である場合は、水素原子を示し、そのγの水素原子は、α又はβの欄に示す構造に含めて表示する。A101〜A120は、上記式(A1)で示される化合物の具体例である。A201〜A206は、上記式(A2)で示される化合物の具体例である。A301〜A305は、上記式(A3)で示される化合物の具体例である。A401〜A405は、上記式(A4)で示される化合物の具体例である。A501〜A504は、上記式(A5)で示される化合物の具体例である。A601〜A605は、上記式(A6)で示される化合物の具体例である。A701〜A705は、上記式(A7)で示される化合物の具体例である。A801〜A805は、上記式(A8)で示される化合物の具体例である。A901〜A907は、上記式(A9)で示される化合物の具体例である。A1001〜A1005は、上記式(A10)で示される化合物の具体例である。A1101〜A1105は、上記式(A11)で示される化合物の具体例である。
(A2)〜(A6)、(A9)のいずれか構造を有する誘導体(電子輸送物質の誘導体)は、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)、又はジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能である。(A1)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)、又はジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能なナフタレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応で合成可能である。(A7)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)又はシグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能なフェノール誘導体を原料として合成可能である。(A8)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能なペリレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応で合成することが可能である。(A10)の構造を有する誘導体は、例えば特許第3717320号公報記載の公知の合成方法を用いて、ヒドラゾン構造を有するフェノール誘導体を、有機溶媒中、過マンガン酸カリウム等の適当な酸化剤で酸化する事によって合成可能である。(A11)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)又はジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能なナフタレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体とヒドラジンとの反応で合成可能である。
(A1)〜(A11)のいずれかで示される化合物の一部は、架橋剤と重合可能な重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基またはメトキシ基)を有する。(A1)〜(A11)のいずれかの構造を有する誘導体に重合性官能基を導入して、(A1)〜(A11)のいずれかで示される化合物を合成する方法として、以下のような方法が挙げられる。
例えば、(A1)〜(A11)のいずれかの構造を有する誘導体を合成した後、直接重合性官能基を導入する方法がある。また、重合性官能基又は重合性官能基の前駆体と成り得る官能基を有する構造を導入する方法がある。後述の方法としては、(A1)〜(A11)のいずれかの構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、例えばパラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基を有するアリール基を導入する方法がある。また、(A1)〜(A11)のいずれかの構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基を有するアルキル基を導入する方法がある。また、(A1)〜(A11)のいずれかの構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCOを作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法がある。
耐溶剤性が高く、強固な架橋構造を形成する観点から、重合性官能基を有する電子輸送物質としては、同一分子内に2つ以上重合性官能基を有することが好ましい。
(架橋剤)
架橋剤としては、通常架橋剤として用いられる化合物を使用することができる。具体的には、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に記載されている化合物等を用いることができる。
架橋剤を用いる場合、前記重合性官能基を有する電子輸送物質、及び前記重合性官能基を有する樹脂のいずれか一方あるいは両方と重合又は架橋するための重合性官能基を有していることが好ましい。
下引き層が電子輸送物質、架橋剤、樹脂を含有する組成物を重合して得られる電子輸送性硬化膜の場合、架橋剤の重合性官能基は3〜6個であることが好ましい。重合性官能基は3〜6個とすることで、電子輸送物質、架橋剤、樹脂が重合する際に、樹脂の分子鎖同士の凝集(偏在)が抑えられると考えられる。さらに、偏在が抑制された樹脂の分子鎖に結合している架橋剤に電子輸送物質が結合しているため、電子輸送物質も偏在することなく下引き層に均一に存在することになる。これにより、電子輸送物質、架橋剤、樹脂に由来する均一な3次元構造が得られ、下引き層中の電子の滞留が大幅に減少し、より高いレベルのゴースト抑制効果が得られると考えている。また同時に、電荷発生層と下引き層の界面近傍の電子輸送物質も均一に存在するようになることで、電荷発生層から下引き層への電子の引き出しが十分に行われるようになり、感度が良化すると考えられる。
本発明に用いられる架橋剤はイソシアネート化合物、またはアミノ化合物が好ましい。
本発明に用いられるイソシアネート化合物は、イソシアネート基またはブロックイソシアネート基が3〜6個有しているものが好ましい。例えば、トリイソシアネートベンゼン、トリイソシアネートメチルベンゼン、トリフェニルメタントリイソシアネート、リジントリイソシアネートの他、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、トリメチロールプロパンやペンタエリストールとのアダクト変性体等の変性体各種が挙げられる。中でもイソシアヌレート変性体とアダクト変性体がより好ましい。
ブロックイソシアネート基は、−NHCOX(Xは保護基)の形を取る。Xはイソシアネート基に導入可能な保護基であれば何れでも良いが、下記(H1)〜(H6)で示される基がより好ましい。
以下表12−1〜12−3に、イソシアネート化合物の具体例を示す。
本発明に用いられるアミノ化合物は、下記式(C1)〜(C5)に示される化合物が好ましく、また、分子量が200〜1000の範囲がより均一な硬化膜形成の観点で好ましい。
式(C1)〜(C5)中、R121〜R126、R131〜R135、R141〜R144、R151〜R154、R161〜R164はいずれもそれぞれ独立に、水素原子、−CH,−OH,−CH−O−R1004を示し、R1004は炭素数1以上10以下の、分岐してもよいアルキル基を示す。アルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基などが特に重合性の観点から好ましい。
以下に、一般式(C1)〜(C5)で示される化合物の具体例を示すが、これらに限られるわけではない。また、以下の具体例は、単量体のものを示すが、これらを構造単位とする多量体であるオリゴマーを含有していても良い。本発明において、前述の均一な3次元重合膜を得るには前記単量体が一般式(C1)〜(C5)の含有中、10質量%以上含有している事が樹脂鎖同士の凝集が抑制され、好ましい。
前記多量体の重合度は2以上100以下である事が好ましい。また、前記多量体及び単量体は、2種以上混合して用いる事ができる。一般式(C1)で示される化合物の一般的に購入可能なものをしては、例えば、スーパーメラミNo.90(日本油脂社製)、スーパーベッカミン(R)TD−139−60、L−105−60、L127−60、L110−60、J−820−60、G−821−60(DIC社製)、ユーバン2020(三井化学)、スミテックスレジンM−3(住友化学工業)、ニカラックMW−30、MW−390、MX−750LM(日本カーバイド社製)、などが挙げられる。一般式(C2)で示される化合物の一般的に購入可能なものをしては、例えば、スーパーベッカミン(R)L−148−55、13−535、L−145−60、TD−126(DIC社製)、ニカラックBL−60、BX−4000(日本カーバイド社製)、などが挙げられる。一般式(C3)で示される化合物の一般的に購入可能なものをしては、例えば、ニカラックMX−280(日本カーバイド社製)、などが挙げられる。一般式(C4)で示される化合物の一般的に購入可能なものをしては、例えば、ニカラックMX−270(日本カーバイド社製)、などが挙げられる。一般式(C5)で示される化合物の一般的に購入可能なものをしては、例えば、ニカラックMX−290(日本カーバイド社製)、などが挙げられる。
以下表13に、式(C1)の化合物の具体例を示す。
以下表14−1と表14−2に、式(C2)の化合物の具体例を示す。
以下表15に、式(C3)の化合物の具体例を示す。
以下表16に、式(C4)の化合物の具体例を示す。
以下表17に、式(C5)の化合物の具体例を示す。
(樹脂)
下引き層に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂、アガロース樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
下引き層に用いられる樹脂は、重合性官能基を有する熱可塑性樹脂であることが好ましい。重合性官能基を有する熱可塑性樹脂としては、下記式(D)で示される構造単位を有する熱可塑性樹脂が好ましい。
式(D)中、Rは、水素原子又はアルキル基を示す。Yは、単結合、アルキレン基又はフェニレン基を示す。Wは、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、又はメトキシ基を示す。
式(D)で示される構造単位を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、アセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。上記式(D)で示される構造単位は、以下に示す特徴的な構造の中に有してもよいし、特徴的な構造以外に有してもよい。特徴的な構造を以下の(E−1)〜(E−5)に示す。(E−1)は、アセタール樹脂の構造単位である。(E−2)は、ポリオレフィン樹脂の構造単位である。(E−3)は、ポリエステル樹脂の構造単位である。(E−4)は、ポリエーテル樹脂の構造単位である。(E−5)は、ポリアミド樹脂の構造単位である。
上記式中、R201〜R210は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を示す。R201がC(ブチル基)である場合はブチラールと示す。
式(D)で示される構造単位を有する樹脂(以下樹脂Dとも称する)は、例えば、シグマアルドリッチジャパン(株)や東京化成工業(株)から購入可能な、重合性官能基を有するモノマーを重合させることで得られる。重合性官能基としては、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、メトキシ基が挙げられる。
また、樹脂Dは、一般的に購入することも可能である。購入可能な樹脂としては、例えば、日本ポリウレタン工業(株)製AQD−457、AQD−473、三洋化成工業(株)製サンニックスGP−400、GP−700などのポリエーテルポリオール系樹脂、日立化成工業(株)製フタルキッドW2343、DIC(株)製ウォーターゾールS−118、CD−520、ベッコライトM−6402−50、M−6201−40IM、ハリマ化成(株)製ハリディップWH−1188、日本ユピカ社製ES3604、ES6538などのポリエステルポリオール系樹脂、DIC(株)製、バーノックWE−300、WE−304などのポリアクリルポリオール系樹脂、(株)クラレ製クラレポバールPVA−203などのポリビニルアルコール系樹脂、積水化学工業(株)製BX−1、BM−1などのポリビニルアセタール系樹脂、ナガセケムテックス(株)製トレジンFS−350などのポリアミド系樹脂、日本触媒(株)製アクアリック、鉛市(株)製ファインレックスSG2000などのカルボキシル基含有樹脂、DIC(株)製、ラッカマイドなどのポリアミン樹脂、東レ(株)製QE−340Mなどのポリチオール樹脂などが挙げられる。これらの中でもポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルポリオール系樹脂などが重合性、電子輸送層の均一性の観点からより好ましい。
樹脂Dの重量平均分子量(Mw)は5000〜400000の範囲であることがより好ましい。
樹脂中の重合性官能基の定量法は、例えば以下の方法が挙げられる。
・水酸化カリウムを用いたカルボキシル基の滴定、
・亜硝酸ナトリウムを用いたアミノ基の滴定、
・無水酢酸と水酸化カリウムを用いた水酸基の滴定、
・5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)を用いたチオール基の滴定。また、重合性官能基導入比率を変化させた試料のIRスペクトルから得られる検量線法が挙げられる。
以下表18に、樹脂Dの具体例を示す。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサン、メチラール、テトラヒドロフラン、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、メトキシプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
下引き層中に少なくとも電子輸送物質と架橋剤が含まれる場合、電子輸送物質と架橋剤と樹脂の1g当たりの(重合性)官能基mol数をそれぞれM、M、M、重合に関与できなかった未反応の1g当たりの(重合性)官能基mol数をMとする。このとき、未反応の電子輸送物質や架橋剤が電荷発生層に溶出することをより抑制するという観点から、M/(M+M+M)は50%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。例えば、電子輸送物質と樹脂の持つ重合性官能基が全て−OH基、架橋剤の持つ重合性官能基が全て−NCO基であるような場合については、以下のものが好ましい。
すなわち、M、M2、の下引き層用塗布液中での存在比率が|(M+M−M)/(M+M+M)|≦1/2を満たすことが好ましく、|(M+M−M)/(M+M+M)|≦1/5を満たすことがより好ましい。
下引き層の膜厚は、0.1〜30.0μmであることが好ましい。
〔電荷発生層〕
下引き層の上には電荷発生層が設けられる。電荷発生層はガリウムフタロシアニン結晶と下記式(N1)で示されるアミド化合物を含有する。
上記式(N1)で示されるアミド化合物の含有量は、上記電荷発生層の全質量に対して0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましい。前記アミド化合物の含有量が上記範囲内であることで、ゴースト抑制効果をさらに向上させることができる。
また、ゴースト抑制及び感度向上の観点から、上記ガリウムフタロシアニン結晶は、上記式(N1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶であることが好ましい。上記式(N1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶は、結晶内に上記式(N1)で示されるアミド化合物を取り込んでいることを意味する。
さらに、上記ガリウムフタロシアニン結晶内における上記式(N1)で示されるアミド化合物の含有量は、上記ガリウムフタロシアニン結晶中のガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.1質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましい。より好ましくは、0.1質量%以上1.7質量%以下である。
さらに、上記下引き層の全質量に対する前記電子輸送物質の含有量をPA質量%、上記電荷発生層の全質量に対する上記式(N1)で示されるアミド化合物の含有量をPN質量%としたとき、PN/PAは0.005以上0.080以下であることが好ましい。PN/PAが上記範囲内であることで、ガリウムフタロシアニン結晶を有する電荷発生層から下引き層への電子の移動をさらに効率よく行うことができる。
また、上記式(N1)中のRはメチル基であることが好ましい。Rがメチル基である式(N1)で示されるアミド化合物は、ガリウムフタロシアニンとの相溶性が高く、特に分極しやすい特性を有する。そのため、ガリウムフタロシアニン結晶に取り込まれやすく、かつ、結晶内でのゴースト現象の原因となる電荷の滞留を更に改善することができるためであると考えられる。なお、以下、Rはメチル基である式(N1)で示される化合物をN−メチルホルムアミドとも称する。
上記ガリウムフタロシアニン結晶としては、例えば、ガリウムフタロシアニン分子のガリウム原子に軸配位子としてハロゲン原子、ヒドロキシ基、または、アルコキシ基を有するものが挙げられる。また、フタロシアニン環にハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
また、ガリウムフタロシアニン結晶の中でも、優れた感度を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、クロロガリウムフタロシアニン結晶、ブロモガリウムフタロシアニン結晶、ヨードガリウムフタロシアニン結晶であることが好ましい。中でもヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶またはクロロガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、ガリウム原子が軸配位子としてヒドロキシ基を有するものである。ブロモガリウムフタロシアニン結晶は、ガリウム原子が軸配位子として臭素原子を有するものである。ヨードガリウムフタロシアニン結晶は、ガリウム原子が軸配位子としてヨウ素原子を有するものである。
さらに、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°及び28.2°±0.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶であることが高画質の点で特に好ましい。
電荷発生層は、ガリウムフタロシアニン結晶と上記式(N1)で示されるアミド化合物を結着樹脂とともに溶剤に分散させた電荷発生層用塗布液の塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、上記のとおり、ガリウムフタロシアニン結晶は、上記式(N1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶であってもよい。
上記分散の際には、サンドミルやボールミルなどのメディア型分散機や、液衝突型分散機などの分散機を用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、0.05〜1μmであることが好ましく、0.05〜0.2μmであることがより好ましい。
また、電荷発生層におけるガリウムフタロシアニン結晶の含有量は、電荷発生層の全質量に対して30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリロニトリル共重合体及びポリビニルベンザール樹脂などの樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルベンザール樹脂が好ましい。
本発明に係るガリウムフタロシアニン結晶は、アシッドペースティング法により得られたガリウムフタロシアニン、及び上記式(N1)で示されるアミド化合物を湿式ミリング処理により結晶変換する工程により得られる。上記式(N1)で示されるアミド化合物は、N−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、または、N−ビニルホルムアミドである。
ここで行うミリング処理とは、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボールなどの分散剤とともにサンドミル、ボールミルなどのミリング装置を用いて行う処理である。ミリング処理で用いる分散剤の量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの10〜50倍が好ましい。また、用いられる溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、上記式(N1)で示される化合物、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオアミドなどのアミド系溶剤、クロロホルムなどのハロゲン系溶剤、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤などが挙げられる。溶剤の使用量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの5〜30倍であることが好ましい。
本発明者らは、結晶変換時間を長くしていくと、ガリウムフタロシアニン結晶に取り込まれる上記式(N1)に示される化合物の量が減少していくことを新たに発見した。そして、本発明者らの検討の結果、特定量の上記式(N1)で示される化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶が、ゴースト抑制効果の観点から特に好ましいことがわかった。
本発明のガリウムフタロシアニン結晶が、上記式(N1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有しているかどうかについて、得られたガリウムフタロシアニン結晶をH−NMR測定のデータを解析することにより決定した。また、H−NMR測定の結果をデータ解析することにより、上記式(N1)で示されるアミド化合物の結晶中への含有量を決定した。
例えば、上記式(N1)で示されるアミド化合物を溶解できる溶剤によるミリング処理、またはミリング後の洗浄工程を行った場合、得られたガリウムフタロシアニン結晶をH−NMR測定を行う。上記式(N1)で示されるアミド化合物が検出された場合は、上記式(N1)で示されるアミド化合物が結晶内に含有されていると判断することができる。
本発明の電子写真感光体に含有されるガリウムフタロシアニン結晶のH−NMR測定、及びX線回折は、次の条件で行ったものである。
H−NMR測定]
使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII 500
溶媒:重硫酸(DSO
積算回数:2,000
[粉末X線回折測定]
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
〔正孔輸送層〕
電荷発生層上には正孔輸送層が形成される。正孔輸送層は、正孔輸送物質と結着樹脂を含有する正孔輸送層用塗布液の塗膜を形成し、塗膜を乾燥させて形成することができる。
正孔輸送物質の含有量は、正孔輸送層の全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、特には30〜60質量%であることが好ましい。
正孔輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、トリフェニルアミンなどが挙げられる。また、これらの化合物から誘導される基を主鎖または側鎖に有するポリマーも挙げられる。これらの中でも正孔輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、スチリル化合物またはベンジジン化合物が好ましく、特にトリアリールアミン化合物が好ましい。また、正孔輸送物質は単独または混合して1種または2種以上用いることができる。
正孔輸送層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化ビニリデン樹脂及びアクリロニトリル共重合体などの樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂は単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。その共重合形態は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体などのいずれの形態であってもよい。また、結着樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10,000〜300,000であることが好ましい。
正孔輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、特には10〜25μmであることが好ましい。
〔保護層〕
正孔輸送層上には、電荷発生層及び正孔輸送層を保護することを目的として、保護層を設けてもよい。保護層は、樹脂を有機溶剤に溶解させて得られた保護層用塗布液の塗膜を電荷輸送層上に形成し、塗膜を乾燥させることによって形成できる。保護層に用いられる樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートZ樹脂、変性ポリカーボネート樹脂など)、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体及びスチレン−アクリロニトリル共重合体が挙げられる。また、保護層は、保護層用塗布液の塗膜を電荷輸送層上に形成し、塗膜を加熱、電子線、紫外線などによって硬化させることによっても形成できる。
保護層の膜厚は、0.05〜20μmであることが好ましい。
また、保護層中に導電性粒子や紫外線吸収剤やフッ素原子含有樹脂微粒子などの潤滑性粒子などを含ませてもよい。導電性粒子としては、例えば酸化スズ粒子などの金属酸化物粒子が好ましい。
各層の塗布方法としては、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法及びビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布法が好ましい。
<プロセスカートリッジ及び電子写真装置>
図2に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。図2において、円筒状(ドラム状)の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。像露光光4は、例えば、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像または反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写されていく。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写材7が紙である場合、転写材7は給紙部(不図示)から取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して給送される。
電子写真感光体1からトナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離された後、定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。
転写材7にトナー像を転写した後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9により、トナー(転写残りトナー)などの付着物の除去を受けて清浄される。近年開発されているクリーナレスシステムにより、転写残りトナーを直接、現像器などで除去することもできる。さらに、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数の構成要素を容器に納めて一体に支持してプロセスカートリッジを形成する。このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することができる。例えば、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9から選択される少なくとも1つを電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化する。電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光であってもよい。または、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動もしくは液晶シャッターアレイの駆動などにより放射される光であってもよい。
本発明の電子写真感光体1は、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プリンター及びレーザー製版などの電子写真応用分野にも幅広く適用することができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。以下に記載の「部」は、「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例の電子写真感光体の各層の膜厚は、渦電流式膜厚計(Fischerscope、フィッシャーインスツルメント社製)を用いる方法、または、単位面積当たりの質量から比重換算する方法で求めた。
<ガリウムフタロシアニン顔料の合成>
〔合成例1〕
窒素フローの雰囲気下、フタロニトリル5.46部及びα−クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させ、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分濃度は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を4.65部(収率71%)得た。
〔合成例2〕
前記合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて濾過した。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返し、その後、固形分23%の含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得た。
得られた含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料6.6kgをハイパー・ドライ乾燥機(商品名:HD−06R、周波数(発振周波数):2455MHz±15MHz、日本バイオコン(株)製)を用いて以下のように乾燥させた。
前記含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、専用円形プラスチックトレイにフィルタープレスから取り出したままの固まりの状態(含水ケーキ厚4cm以下)で載せ、遠赤外線はオフ、乾燥機の内壁の温度は50℃になるように設定した。そして、マイクロ波照射時は真空ポンプとリークバルブを調整し、真空度を4.0〜10.0kPaに調整した。
まず、第1工程として、4.8kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に50分間照射し、次に、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は88%であった。
第2工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を上記設定値内(4.0〜10.0kPa)に調整した。その後、1.2kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に5分間照射し、また、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第2工程をさらに1回繰り返した(計2回)。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は98%であった。
さらに第3工程として、第2工程でのマイクロ波の出力を1.2kWから0.8kWに変更した以外は第2工程と同様にしてマイクロ波照射を行った。この第3工程をさらに1回繰り返した(計2回)。
さらに第4工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を上記設定値内(4.0〜10.0kPa)に復圧した。その後、0.4kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に3分間照射し、また、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第4工程をさらに7回繰り返した(計8回)。
以上、合計3時間で、含水率1%以下のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を1.52kg得た。
<実施例1−1〜1−7>
〔実施例1−1〕
合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部と、N−メチルホルムアミド9.5部を、直径0.8mmのガラスビーズ15部とともに、室温(23℃)下で2000時間、ボールミルを用いてミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品コード:PS−6、柏洋硝子(株)製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。この分散液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過器によって濾過し、さらに濾過器に残った濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図3に示す。
また、H−NMR測定により、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチルホルムアミドが0.6質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−2〕
実施例1−1において、ボールミルで2000時間のミリング処理を、ボールミルで1000時間のミリング処理に変更したこと以外は同様にして、実施例1−2のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折図は図3と同様であった。
また、実施例1−1と同様にして、H−NMR測定によりヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中にN−メチルホルムアミドが0.7質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−3〕
実施例1−1において、ボールミルで2000時間のミリング処理を、ボールミルで100時間のミリング処理に変更した以外は同様にして、実施例1−3のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折図は図3と同様であった。
また、実施例1−1と同様にして、H−NMR測定によりヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中にN−メチルホルムアミドが2.1質量%含有されていることが確認された。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶のH−NMRスペクトルを図5に示す。
〔実施例1−4〕
実施例1−1において、ボールミルで2000時間のミリング処理を、ボールミルで30時間のミリング処理に変更したこと以外は同様にして、実施例1−4のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折図は図3と同様であった。
また、実施例1−1と同様にして、H−NMR測定によりヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中にN−メチルホルムアミドが3.3質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−5〕
合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部と、N,N−ジメチルホルムアミド9.5部を、直径0.8mmのガラスビーズ15部とともに、室温(23℃)下で100時間、ボールミルを用いてミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品コード:PS−6、柏洋硝子(株)製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。この分散液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過器によって濾過し、さらに濾過器に残った濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は図3と同様であった。
また、実施例1−1と同様にして、H−NMR測定によりヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中にN,N−ジメチルホルムアミドが2.1質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−6〕
合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部及びN−プロピルホルムアミド9.5部を、直径0.8mmのガラスビーズ15部とともに、室温(23℃)下で1100時間、ボールミルを用いてミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品コード:PS−6、柏洋硝子(株)製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。この分散液にN−プロピルホルムアミドを30部添加した後、濾過器によって濾過し、さらに濾過器に残った濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.46部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は図3と同様であった。
また、実施例1−1と同様にして、H−NMR測定によりヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中にN−プロピルホルムアミドが0.7質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−7〕
実施例1−6において、ボールミルで1100時間のミリング処理をボールミルで300時間のミリング処理に変更した以外は同様にして、実施例1−7のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折図は図3と同様であった。
また、実施例1−1と同様にして、H−NMR測定によりヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中にN−プロピルホルムアミドが1.4質量%含有されていることが確認された。
<実施例2−1〜2−55、及び、比較例2−1〜2−6>
〔実施例2−1〕
直径24mm、長さ257mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
次に、
酸化スズで被覆されている硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、
酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、
レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、DIC(株)製、固形分70質量%)43部、
シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)0.015部、
シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル東芝シリコーン(株)製)3.6部、
2−メトキシ−1−プロパノール50部、及び、
メタノール50部
をボールミルに入れ、20時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を150℃で1時間加熱し、塗膜を硬化させることによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に、
電子輸送物質(A117)4.5部、
架橋剤(B1:保護基(H1)=5.1:2.2(質量比))5.5部、
樹脂(D1(式(D)中、Rが水素原子、Yが単結合、Wがヒドロキシ基)で示される部分構造と、R201がCである(E−1)示される部分構造を有するポリビニルブチラール樹脂)0.3部、
触媒としてのヘキサン酸亜鉛(II)0.05部
をテトラヒドロフラン50部と1−メトキシ−2−プロパノール50部の混合溶媒に溶解し、撹拌することによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を60分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.6μmの下引き層を形成した。
下引き層全質量に対する電子輸送物質の含有量をPAとすると、PA=44質量%であった。
次に、実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)20部、
ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)10部、
シクロヘキサノン519部
を直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、4時間分散処理した後、酢酸エチル764部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を100℃で10分間乾燥させることによって、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生層の全質量に対する上記式(N1)で示されるアミド化合物の含有量をPNとすると、PN=0.37質量%であった。また、PN/PA=0.008であった。
次に、下記式(T1)で示されるトリアリールアミン化合物(正孔輸送物質)70部、
下記式(T2)で示されるトリアリールアミン化合物(正孔輸送物質)10部、
及び、ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ−200、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)100部を、モノクロロベンゼン630部に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を125℃で1時間乾燥させることによって、膜厚が18μmの正孔輸送層を形成した。
導電層、下引き層、電荷発生層及び正孔輸送層の塗膜の加熱処理は、各温度に設定されたオーブンを用いて行った。以下同様である。
以上のようにして、円筒状(ドラム状)の実施例2−1の電子写真感光体を製造した。
〔実施例2−2〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液の調製を以下のように変更した以外は同様にして、実施例2−2の電子写真感光体を製造した。
実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)20部、
N−メチルホルムアミド0.9部、
ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)10部、
シクロヘキサノン519部
を直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、4時間分散処理した。その後、酢酸エチル764部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
電荷発生層全質量に対する上記式(N1)で示されるアミド化合物の含有量をPNとすると、PN=3.27質量%であった。また、PN/PA=0.075であった。
〔実施例2−3〜2−50〕
下引き層用塗布液と電荷発生層用塗布液を表19−1及び表19−3になるように調製し塗布した以外は実施例2−2と同様にして、実施例2−3〜2−48の電子写真感光体を製造した。なお、表19−3において、「添加アミド化合物」とは、ガリウムフタロシアニン結晶内に含まれるアミド化合物以外の、電荷発生層用塗布液を調製する際に別途添加されたアミド化合物のことである。
〔実施例2−51〕
下引き層を以下のように形成した以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−51の電子写真感光体を製造した。
100mL三つ口フラスコに乾燥窒素ガスを送りながら、電子輸送物質(A124)1gとN,Nジメチルアセトアミド10gを加えた。これを25℃で激しく撹拌し、重合開始剤AIBN5mgを加えた。引き続き、窒素を送りながら50時間65℃で重合反応を行った。反応終了後、500mLのメタノール中に激しく撹拌しながら滴下し、析出した析出物を濾取した。この析出物を10gのN,N−ジメチルアセトアミドに溶解、濾過を行った後、濾液をメタノール500mL中に滴下し、重合物を析出させた。析出した重合物を濾取し、メタノール1Lで分散洗浄した後に乾燥を行い、電子輸送物質の重合物0.89gを得た。得られた電子輸送物質の重合物の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により測定したところ、その重量平均分子量は84,000だった。
得られた電子輸送物質の重合物6部、
クロロベンゼン10部、
触媒としてのオクチル酸亜鉛(II)0.03部、
テトラヒドロフラン90部
からなる下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間125℃で加熱硬化させることによって、膜厚が0.6μmの硬化膜である下引き層を形成した。
下引き層全質量に対する電子輸送物質の含有量をPAとすると、PA=100質量%である。
〔実施例2−52〕
下引き層を以下のように形成した以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−52の電子写真感光体を製造した。
電子輸送物質(A122)9部、
ポリアミド樹脂(商品名:トレジンEF30T、ナガセケムテックス(株)製)11部、
触媒としてのオクチル酸亜鉛(II)0.1部
をメタノール200部と1−ブタノール200部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で加熱することによって、膜厚が0.6μmの下引き層を形成した。
下引き層全質量に対する電子輸送物質の含有量をPAとすると、PA=45質量%である。
〔実施例2−53〕
下引き層を以下のように形成した以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−53の電子写真感光体を製造した。
電子輸送物質(A122)10部、
架橋剤(B1:保護基(H5))23部、
ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)3部、オクチル酸亜鉛(II)0.15部
をテトラヒドロフラン250部とシクロヘキサノン250部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間160℃で加熱することによって、膜厚が0.6μmの下引き層を形成した。
下引き層全質量に対する電子輸送物質の含有量をPAとすると、PA=28質量%である。
〔実施例2−54〕
下引き層を以下のように形成した以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−54の電子写真感光体を製造した。
攪拌機を備えたヒーター付きで密閉できる耐圧1L用ガラス容器に、ポリオレフィン樹脂、2−プロパノール90部、樹脂中の無水マレイン酸のカルボキシル基に対して1.2倍当量のトリエチルアミン及び200部の蒸留水を添加した。そして、攪拌機の撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌した。なお、上記ポリオレフィン樹脂は、商品名:ボンダインHX−8290、住友化学工業(株)製のものである。その結果、容器底部に樹脂粒状物の沈殿は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこで、この状態を保ちつつ、15分後にヒーターの電源を入れて加熱した後、系内温度を145℃に保って、更に60分間撹拌した。その後、水浴につけて回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(温度約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、固形分濃度が20質量%の乳白色の均一なポリオレフィン樹脂分散液を得た。このポリオレフィン樹脂の構成は、下記式(P1)/(P2)/(P3)=80/2/18(質量%)であった。
電子輸送物質(A121)20部、
作製したポリオレフィン樹脂分散液50部、
オクチル酸亜鉛(II)0.4部
を2−プロパノール250部と蒸留水150部に加え、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間処理した。次に、2−プロパノール250部で希釈し、電子輸送物質を溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を20分間90℃で加熱することによって、膜厚が0.6μmの下引き層を形成した。
下引き層全質量に対する電子輸送物質の含有量をPAとすると、PA=67質量%である。
〔実施例2−55〕
下引き層を以下のように形成した以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−55の電子写真感光体を製造した。
電子輸送物質として、下記式(A1201)と(A1202)の共重合体を用いた。この共重合体の比率は、式(A1201)/(A1202)=5/1(モル比)であり、重量平均分子量は10,000である。
この電子輸送物質の共重合体の粒子(電子輸送性顔料)20部、
オクチル酸亜鉛(II)0.01部
に分散媒として蒸留水150部、メタノール250部及びトリエチルアミン4部を加え、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散処理を行い、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間120℃で加熱し、電子輸送性顔料を融解若しくは凝集、乾燥させることによって、膜厚が0.6μmの下引き層を形成した。
また、この下引き層用塗布液調製前後での電子輸送性顔料の粒径測定を、(株)堀場製作所製の粒度分布計(商品名:CAPA700)を用いて、メタノールを分散媒とし回転数7,000rpmにて遠心沈降法で行った。結果は、調製前が3.5μmであり、調製後が0.3μmであった。
下引き層全質量に対する電子輸送物質の含有量をPAとすると、PA=100質量%である。
〔比較例2−1〕
実施例2−1において、下引き層用塗布液を調製する際に使用した電子輸送物質(A117)を、下記式(J1)で示される化合物に変更した。また、電荷発生層用塗布液を調製する際に使用した実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を、実施例1−5で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これらの変更以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−1の電子写真感光体を製造した。
〔比較例2−2〕
比較例2−1において、下引き層用塗布液を以下のように調製したこと以外は同様にして、比較例2−2の電子写真感光体を製造した。
下記式(J2)に示される化合物4部、
ポリカーボネートZ型樹脂(三菱瓦斯化学社製Z型ポリカーボネートユーピロンZ400)4.8部、
ジメチルアセトアミド100部、
テトラヒドロフラン100部
を用いて下引き層用塗布液を調製した。
〔比較例2−3〕
比較例2−1において、下引き層用塗布液を調製する際に使用した上記式(J1)で示される化合物を下記式(J3)で示される化合物に変更したこと以外は同様にして、比較例2−3の電子写真感光体を製造した。
〔比較例2−4〕
比較例2−1において、下引き層を以下のように形成したこと以外は同様にして、比較例2−4の電子写真感光体を製造した。
N−メトキシメチル化ナイロン6(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス(株)製)25部、
下記式(J4)で示される化合物15部
をメタノール/n−ブタノール=2/1混合溶液480部に溶解(65℃での加熱溶解)させてなる溶液を冷却した。その後、溶液をメンブランフィルター(商品名:FP−022、孔径:0.22μm、住友電気工業(株)製)で濾過して、下引き層用塗布液を調製した。このようにして調製した下引き層用塗布液を上述の導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度100℃のオーブンで10分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.6μmの下引き層を形成した。
〔比較例2−5〕
比較例2−4において、下引き層用塗布液を調製する際に使用した上記式(J4)で示される化合物を使用しなかったこと以外は同様にして、比較例2−5の電子写真感光体を製造した。
〔比較例2−6〕
比較例2−1において、電荷発生層を以下のように形成したこと以外は同様にして、比較例2−6の電子写真感光体を製造した。
下記式(J5)で示されるビスアゾ顔料20部、
N−メチルホルムアミド0.5部、
ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)8部、シクロヘキサノン380部
を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、20時間分散処理した後、酢酸エチル640部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を80℃で10分間乾燥させることによって、膜厚が0.28μmの電荷発生層を形成した
電荷発生層全質量に対する上記式(N1)で示されるアミド化合物の含有量をPNとすると、PN=1.75質量%であった。また、PN/PA=0.040であった。
〔実施例及び比較例の評価〕
実施例及び比較例の電子写真感光体について、23℃/50%RHの常温常湿環境下及び15℃/10%RHの低温低湿環境下でゴーストの評価、及び23℃/50%RHの常温常湿環境下での暗減衰評価と感度評価を行った。
評価用の電子写真装置として、ヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンター(商品名:Color Laser Jet CP3525dn)の改造機を用いた。改造点としては、前露光を点灯せず、帯電条件とレーザー露光量は可変で作動するようにした。また、上記製造した電子写真感光体をシアン色用のプロセスカートリッジに装着して、シアン色用のプロセスカートリッジのステーションに取り付けた。他の色(マゼンタ、シアン、ブラック)用のプロセスカートリッジをレーザービームプリンター本体に装着しなくても作動するようにした。
画像の出力に際しては、シアン色用のプロセスカートリッジのみをレーザービームプリンター本体に取り付け、シアントナーのみによる単色画像を出力した。
電子写真感光体の表面電位は、初期暗部電位が−500V、明部電位が−105Vとなるように設定した。
電位設定の際の電子写真感光体の表面電位の測定には、まず、プロセスカートリッジの現像位置に電位プローブ(商品名:model6000B−8、トレック・ジャパン(株)製)を装着したものを用いた。そして、電子写真感光体の長手方向中央部の電位を表面電位計(商品名:model344、トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。
<ゴースト評価>
まず、23℃/50%RHの常温常湿環境下で、ゴーストの評価を行った。その後、同環境下で1,000枚の通紙耐久試験を行い、耐久試験直後でのゴーストの評価を行った。常温常湿環境下における評価結果を表20−1、表20−2に示す。
次に、電子写真感光体を評価用の電子写真装置とともに15℃/10%RHの低温低湿環境下で3日間放置した後、ゴーストの評価を行った。そして、同環境下で1,000枚の通紙耐久試験を行い、耐久試験直後でのゴーストの評価を行った。低温低湿環境下における評価結果を表20−1、表20−2に示す。
通紙耐久試験時は、印字率1%のE文字画像を、A4サイズの普通紙にシアン単色で形成した。
評価の基準は、以下のとおりである。
ゴースト評価用画像は、図4に示すように、画像の先頭部にベタ黒301で四角の画像を出した後、1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像304を出力することによって形成した。まず、1枚目にベタ白画像を出力し、その後、ゴースト評価用画像を連続して5枚出力し、次に、ベタ黒画像を1枚出力した後、再度、ゴースト評価用画像を5枚出力する、という順番で画像出力を行い、合計10枚のゴースト評価用画像で評価した。
ゴーストの評価は、1ドット桂馬パターン画像濃度とゴースト部(ゴーストが生じうる部分)の画像濃度との濃度差を、分光濃度計(商品名:X−Rite504/508、X−Rite(株)製)で測定することで行った。1枚のゴースト評価用画像で10点測定し、それら10点の平均をとって1枚の結果とした。そして、10枚のゴースト評価用画像すべてを同様に測定した後、それらの平均値を求め、各実施例及び各比較例の濃度差とした。この濃度差は、値が小さいほど、ゴーストの程度が小さく、良好であることを意味する。表20−1、表20−2中、「初期」とは、常温常湿環境下または低温低湿環境下での1,000枚の通紙耐久試験を行う前における濃度差を意味し、「耐久後」とは、常温常湿環境下または低温低湿環境下での1,000枚の通紙耐久試験を行った後における濃度差を意味する。
<暗減衰評価>
暗減衰の測定にはジェンテック社製ドラム試験機SYNTHIA90を用いた。帯電にはコロナ帯電を用いた。
まず、帯電器の設定を行った。帯電から0.1秒後の表面電位を−500Vになるように帯電器を設定した。
その設定条件で再度帯電させ、帯電から0.1秒後の表面電位と帯電から1.0秒後の表面電位を測定し、0.1秒後の表面電位に対する1.0秒後の表面電位の比率を暗減衰(%)と定義した。暗減衰(%)の評価結果を表20−1、表20−2に示す。
<感度評価>
感度の評価は同一光量を照射したときの明部電位によって行った。明部電位が低ければ感度が良く、高ければ感度が悪い。
初期暗部電位−500Vに帯電し、光量を0.3μJ/cmに設定し、明部電位を測定した。明部電位の評価結果を表20−1、表20−2に示す。
101 導電性基体
102 下引き層
103 電荷発生層
104 正孔輸送層
105感光層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (11)

  1. 支持体と、下引き層と、電荷発生層と、正孔輸送層と、をこの順に有する電子写真感光体であって、
    該下引き層が、電子輸送物質を含有し、
    該電荷発生層が、ガリウムフタロシアニン結晶及び式(N1)で示されるアミド化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。

    (式(N1)中、Rは、メチル基、プロピル基、またはビニル基を示す。)
  2. 前記式(N1)で示されるアミド化合物の含有量が、前記電荷発生層の全質量に対して0.1質量%以上3.0質量%以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記ガリウムフタロシアニン結晶が、前記式(N1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記式(N1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶における、前記式(N1)で示されるアミド化合物の含有量が、前記ガリウムフタロシアニン結晶中のガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.1質量%以上3.0質量%以下である請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記式(N1)中のRがメチル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記ガリウムフタロシアニン結晶が、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°及び28.2°±0.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記下引き層が、電子輸送物質と架橋剤を含む組成物の重合物を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記電子輸送物質の含有量が、前記下引き層の全質量に対して30質量%以上70質量%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記下引き層の全質量に対する前記電子輸送物質の含有量をPA質量%、前記電荷発生層の全質量に対する前記式(N1)で示されるアミド化合物の含有量をPN質量%としたとき、
    PN/PAが0.005以上0.080以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  10. 電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を有し、かつ、
    該電子写真感光体と、該帯電手段、該現像手段、及び該クリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とは、一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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