JP6512841B2 - 電子写真感光体、その製造方法、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、その製造方法、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置 Download PDF

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Description

電子写真感光体、その製造方法、ならびに、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置に関する。
電子写真装置に用いられる電子写真感光体としては、支持体上に下引き層および感光層をこの順に形成してなる電子写真感光体が用いられている。
導電性の向上を目的として、下引き層に金属酸化物粒子を含有させる技術がある。特許文献1には、下引き層に酸素欠損型の酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子を用いる技術が開示されている。また、特許文献2には、下引き層に酸化スズで被覆されている硫酸バリウム粒子を用いる技術が開示されている。また、特許文献3には、下引き層にスズを含む平均一次粒子径3nm以上9nm以下のルチル型酸化チタン結晶粒子を用いる技術が開示されている。
特開2007−47736号公報 特開平06−208238号公報 特開2010−271705号公報
近年、電子写真装置の使用環境の多様化に伴い、温度や湿度などの使用環境による電子写真特性の変動が少ない電子写真感光体が求められている。
本発明者らの検討の結果、特許文献1〜3に記載された金属酸化物粒子を含有する下引き層を有する電子写真感光体では、高温高湿環境下で使用した場合、水分が金属酸化物粒子に付着することにより下引き層の抵抗が上昇することがわかった。それにより、電子の滞留が起こり、高温高湿環境下で電子写真感光体を繰り返し使用すると、明部電位の変動が生じやすくなる場合があり、さらなる改善の余地があることがわかった。
本発明の目的は、高温高湿環境下で繰り返し画像形成した場合の明部電位の変動が抑制された電子写真感光体、及び、電子写真感光体の製造方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体、該支持体上に形成された下引き層、及び該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、
該下引き層が、結着樹脂複合粒子、及び酸化スズ粒子を含有し、
該複合粒子が、芯材粒子、及び該芯材粒子を被覆している酸化スズを有し、
該複合粒子の酸化スズが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)の33.90°にピークを有し、かつCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下であり、
該酸化スズ粒子が、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)の33.90°にピークを有し、かつ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、支持体、該支持体上に形成された下引き層、及び該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、
結着樹脂複合粒子、及び酸化スズ粒子を含有する下引き層用塗布液を調製する工程、及び
該下引き層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該下引き層を形成する工程を有し、
該複合粒子が、芯材粒子、及び該芯材粒子を被覆している酸化スズを有し、
該複合粒子の該酸化スズが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)の33.90°にピークを有し、かつ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下であり、
該酸化スズ粒子が、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)の33.90°にピークを有し、かつ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
本発明によれば、高温高湿環境下で繰り返し画像形成した場合の明部電位の変動が抑制された電子写真感光体、及び、電子写真感光体の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、電子写真装置を提供することができる。
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 電子写真感光体の層構成の一例を説明する図である。 実施例1で得られた酸化スズ被覆芯材粒子のX線回折図である。
本発明の電子写真感光体は、支持体、該支持体上に形成された下引き層、及び、該下引き層上に形成された感光層を有する。感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質を単一の層に含有させた単層型感光層と、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層した積層型感光層とが挙げられる。好ましくは、積層型感光層である。
図2に、本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す。図2(a)において、101は支持体であり、102は下引き層であり、103は感光層である。また、図2(b)において、101は支持体であり、102は下引き層であり、104は中間層であり、105は感光層である。
本発明は、電子写真感光体の下引き層が、結着樹脂、及び複合粒子を含有し、複合粒子が、芯材粒子、及び芯材粒子を被覆している酸化スズを有する。そして、この複合粒子が以下の特徴を有する。即ち、複合粒子の酸化スズが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)の33.90°にピークを有する。さらに、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下である。上記特徴を有する複合粒子を、「特定のピークにおける特定の半値幅を有する酸化スズ被覆芯材粒子」とも称する。
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下である酸化スズとは、酸化スズの平均結晶子径が一定以上(およそ6nm以上)であることを意味する。
本発明が上記特徴を有することにより、高温高湿環境下で繰り返し画像形成した場合の明部電位の変動が抑制される理由を本発明者らは、次のように考えている。
明部電位の変動が発生する要因の1つとして、電子写真感光体の下引き層に電子の流れが滞留することが挙げられており、この電子の滞留によって明部電位の変動が発生しやすい傾向がある。下引き層中における電子の導電経路は、酸化スズ被覆芯材粒子中の伝導および酸化スズ被覆芯材粒子間の伝導が考えられる。高温高湿環境下では、酸化スズ被覆芯材粒子表面に水分が吸着することにより、酸化スズ被覆芯材粒子間の導電性が低下して、下引き層の抵抗変動が生じ、その結果、電子の滞留が発生しやすくなっていると推測している。
本発明の酸化スズ被覆芯材粒子は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)の33.90°にピークを有し、これが酸化スズ(SnO)のCuKα特性X線回折のピークである。そして、本発明の酸化スズ被覆芯材粒子は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下である。より好ましくは、X線回折ピークの半値幅が0.50°以上1.40°以下である。さらに、好ましくは、X線回折ピークの半値幅が0.80°以上1.30°以下である。
酸化スズのブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下とすることで、酸化スズの平均結晶子径が一定以上(およそ6nm以上)となる。酸化スズの平均結晶子径が一定以上となることにより、酸化スズの平均結晶子径が小さいときと比べて、酸化スズの単位質量当たりの表面積(比表面積)が小さくなる。これにより、比表面積が小さくなると全導伝経路中の酸化スズの表面を通る伝導の割合が小さくなる。また、比表面積が小さくなると、高温高湿環境下において、酸化スズ被覆芯材粒子の単位質量当たりの酸化スズの表面の水分の吸着量を低減していると考えられる。以上のことから、比表面積が小さくなることで、酸化スズの表面を通る伝導の割合の低下と、酸化スズの表面の水分の吸着量の低減により、高温高湿環境下における抵抗変動を抑制し、明部電位変動が改善されると考えている。
X線回折ピークの半値幅の測定には、(株)リガク製、試料水平型強力X線回折装置 「RINT TTRII」を用い、解析には上記装置に付属する解析ソフトウェアの「JADE6」を使用することが可能である。本発明の測定条件としては、線源:CuKα、平行ビーム光学系、電圧:50kV、電流300mA、開始角度:30°、終了角度:40°、係数単位:Counts、ステップ幅:0.01°、係数時間:3秒、発散スリット:開放、発散縦制限スリット:10mm、散乱スリット:開放、受光スリット:開放、で行った。サンプルは、酸化スズ被覆芯材粒子を深さ0.5mmのガラス試料板に敷き詰めることで作製した。
〔下引き層〕
下引き層には、結着樹脂、および、酸化スズのブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下である酸化スズ被覆芯材粒子を含有する。
下引き層の体積抵抗率は、5.0×1013Ω・cm以下であることがより好ましい。下引き層がこの体積抵抗率を満たすと、画像形成時に電荷の滞留が抑制され、残留電位が抑制される。一方、下引き層の体積抵抗率は、1.0×10Ω・cm以上であることが好ましく、1.0×1012Ω・cm以上であることがより好ましい。下引き層がこの体積抵抗率を満たすと、下引き層中を流れる電荷の量が適度になり、高温高湿環境下で繰り返し画像形成を行ったときのポチやかぶりが抑制される。
芯材粒子としては、有機樹脂粒子、無機粒子、金属酸化物粒子が挙げられる。酸化スズのブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下である酸化スズ被覆芯材粒子は、酸化スズ粒子を単独で用いた場合と比較して、高電界を印加したときの黒ポチの抑制効果に優れる。酸化スズを被覆する観点から、芯材粒子としては無機粒子、金属酸化物粒子を用いることが好ましい。ただし、複合粒子を構成する観点から、芯材粒子として酸化スズを用いないことが好ましい。
酸化スズを均一に被覆する観点から、芯材粒子として、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子、または硫酸バリウム粒子を用いることが好ましい。
下引き層の体積抵抗率を上記範囲に調整する観点から、上記複合粒子(酸化スズ被覆芯材粒子)の粉体抵抗率(粉体比抵抗)が、1.0×10Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であることが好ましい。上述の範囲であると、下引き層の体積抵抗率を上記範囲に制御しやすくなる。
酸化スズ被覆芯材粒子は2種以上の酸化スズ被覆芯材粒子を混合することができる。その場合、2種以上の酸化スズ被覆芯材粒子において、酸化スズのブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下であればよい。
酸化スズの質量比率(被覆率)は、複合粒子の全質量に対して10質量%以上60質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、15質量%以上55質量%以下である。
酸化スズの被覆率を制御するためには、酸化スズを生成するのに必要なスズ原材料を、複合粒子を製造するときに配合する必要がある。例えば、スズ原材料である塩化スズ(SnCl)から生成される酸化スズ(SnO)を考慮し、酸化スズの被覆率を制御する必要がある。酸化スズの被覆率の上記の範囲内であると、複合粒子の粉体抵抗率を制御しやすくなり、酸化スズによる芯材粒子の被覆が均一になりやすい。
複合粒子の粉体抵抗率は、常温常湿(23℃/50%RH)環境下において測定する。本発明においては、測定装置として、三菱化学(株)製の抵抗測定装置(商品名:ロレスタGP)を用いる。測定対象の複合粒子は、500kg/cmの圧力で固めて、ペレット状の測定用サンプルとする。印加電圧は100Vとする。
下引き層は、複合粒子を結着樹脂とともに溶剤に分散させることによって得られる下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。分散方法としては、例えば、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
下引き層に用いられる結着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルアセタール、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステルなどが挙げられる。これらは1種または2種以上用いることができる。
また、これらの中でも、他層(例えば、感光層)へのマイグレーション(溶け込み)の抑制、複合粒子の分散性・分散安定性などの観点から、硬化性樹脂が好ましい。また、硬化性樹脂の中でも、複合粒子と分散した際に適度に大きい誘電緩和を起こすことから、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシー2プロパノールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロへキサノンなどのケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。
本発明において、クラックの抑制の観点から、酸化スズ被覆芯材粒子(P)と結着樹脂(B)との質量比(P/B)は、1/1以上4/1以下であることが好ましい。また、この範囲内であると、上記の下引き層の体積抵抗率の制御がしやすくなる。
下引き層の膜厚は、10μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
本発明において、下引き層を含む電子写真感光体の各層の膜厚の測定装置は、(株)フィッシャーインストルメンツ社製のFISCHERSCOPE mmsを用いる。
酸化スズ被覆芯材粒子の個数平均粒径は、0.03μm以上0.60μm以下であることが好ましく、0.05μm以上0.40μm以下であることがより好ましい。上記の範囲内であると、さらにクラックが抑制され、感光層への局所的な電荷注入が抑制されることによる黒ポチが低減される。
本発明において、酸化スズ被覆芯材粒子の個数平均粒径D(μm)は、走査型電子顕微鏡を用いて、以下のようにして求められる。(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡(商品名:S−4800)を用いて測定対象の粒子を観察し、観察して得られた画像から、酸化スズ被覆芯材粒子100個の個々の粒径を測定する。そして、それらの算術平均を算出して個数平均粒径D(μm)とする。個々の粒径は、一次粒子の最長辺をaとし、最短辺をbとしたときの(a+b)/2とした。
下引き層には、さらに、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)の33.90°にピークを有し、かつ、ブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下である酸化スズ粒子(酸化スズ粒子)が含有することが好ましい。これにより、パターンメモリーや明部電位の上昇がより抑制される効果がみられる。下引き層において、上記酸化スズ粒子と上記複合粒子との体積比(酸化スズ粒子/複合粒子)は、1/1000以上250/1000以下であることが好ましい。より好ましくは、1/1000以上150/1000以下である。これは、下引き層中における複合粒子で形成される導電パスが分断される場所を、この酸化スズ粒子が隙間に入り込むことで、導電パスを形成しやすくなっていると考えている。
上記酸化スズ粒子と上記複合粒子との体積比は、電子写真感光体の下引き層をFIB法で取り出し、FIB−SEMのSlice&Viewで行うことができる。
FIB−SEMのSlice&Viewのコントラストの違いから、上記酸化スズ粒子および上記複合粒子を特定する。それにより、上記酸化スズ粒子の体積および上記複合粒子の体積の比率を求めることができる。Slice&Viewの条件としては本発明では以下のようにした。
分析用試料加工:FIB法
加工および観察装置:SII/Zeiss製NVision40
スライス間隔:10nm
観察条件:
加速電圧:1.0kV
試料傾斜:54°
WD:5mm
検出器:BSE検出器
アパーチャー:60μm、high current
ABC:ON
画像解像度:1.25nm/pixel
解析領域は縦2μm×横2μmで行い、断面ごとの情報を積算し、縦2μm×横2μm×厚み2μm(V=8μm)当たりの上記酸化スズ粒子の体積V、上記複合粒子の体積Vを求める。また、測定環境は、温度:23℃、圧力:1×10−4Paである。なお、加工および観察装置としてはFEI製のStrata400S(試料傾斜:52°)を用いることもできる。サンプリングを同様にして10回行い、サンプルを10個得て測定を行う。合計10点の8μm当たりの上記酸化スズ粒子の体積Vの平均値をV(8μm)で除した値を、測定対象の電子写真感光体の下引き層における上記酸化スズ粒子の体積(V/V)とした。また、合計10点の8μm当たりの上記複合粒子の体積Vの平均値をV(8μm)で除した値を、測定対象の電子写真感光体の下引き層における上記複合粒子の体積(V/V)の値とした。
なお、断面ごとの情報から、粒子の面積を画像解析して得た。画像解析は以下の画像処理ソフトを用いて行った。
画像処理ソフト:Media Cybernetics製
Image−Pro Plus
干渉縞の抑制の観点から、下引き層に表面粗し付与材を含有させてもよい。表面粗し付与材としては、平均粒径が1μm以上5μm以下(好ましくは3μm以下)の樹脂粒子が好ましい。樹脂粒子としては、例えば、硬化性ゴム、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル、シリコーン樹脂、アクリル−メラミン樹脂などの硬化性樹脂の粒子が挙げられる。これらの中でも、シリコーン樹脂、アクリルメラミン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂の粒子が好ましい。表面粗し付与材の含有量は、下引き層中の結着樹脂に対して1〜80質量%であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましい。
また、下引き層用塗布液には、下引き層の表面性を高めるためのレベリング剤を含有させてもよい。また、下引き層には、下引き層の隠蔽性を向上させるための顔料粒子を含有させてもよい。
〔支持体〕
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属または合金で形成されている金属製支持体を用いることができる。アルミニウムやアルミニウム合金を用いる場合は、押し出し工程および引き抜き工程を含む製造方法により製造されるアルミニウム管や、押し出し工程およびしごき工程を含む製造方法により製造されるアルミニウム管を用いることができる。
下引き層と感光層との間には、下引き層から感光層への電荷注入を阻止するために、電気的バリア性を付与すること目的として、中間層を設けてもよい。
〔中間層〕
中間層は、樹脂(結着樹脂)を含有する中間層用塗布液を下引き層上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
中間層に用いられる樹脂(結着樹脂)としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリグルタミン酸、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリグルタミン酸エステルなどが挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.1μm以上2μm以下であることが好ましい。
また、感光層から支持体への電荷の流れを向上させるため、中間層には、反応性官能基(重合性官能基)を有する電子輸送物質および架橋剤を含む組成物の重合物を含有させてもよい。これにより、中間層上に感光層を形成するときに、感光層用塗布液中の溶剤に対して、中間層の材料の溶出を抑制することが可能となる。
電子輸送物質としては、例えば、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物などが挙げられる。
反応性官能基としては、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、またはメトキシ基などが挙げられる。
中間層において、組成物中の反応性官能基を有する電子輸送物質の含有量は、30質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
以下に、反応性官能基を有する電子輸送物質の具体例を示す。
式(A1)〜(A9)中、R101〜R106、R201〜R210、R301〜R308、R401〜R408、R501〜R510、R601〜R606、R701〜R708、R801〜R810、R901〜R908は、は、それぞれ独立に、下記式(1)もしくは(2)で示される1価の基、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環を示す。該置換のアルキル基の置換基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、カルボニル基である。該置換のアリール基または該置換の複素環基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、カルボニル基である。Z201、Z301、Z401、およびZ501は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、または酸素原子を示す。Z201が酸素原子である場合はR209およびR210は存在せず、Z201が窒素原子である場合はR210は存在しない。Z301が酸素原子である場合はR307およびR308は存在せず、Z301が窒素原子である場合はR308は存在しない。Z401が酸素原子である場合はR407およびR408は存在せず、Z401が窒素原子である場合はR408は存在しない。Z501が酸素原子である場合はR509およびR510は存在せず、Z501が窒素原子である場合はR510は存在しない。R101〜R106の少なくとも1つ、R201〜R210の少なくとも1つ、R301〜R308の少なくとも1つ、R401〜R408の少なくとも1つ、R501〜R510の少なくとも1つ、R601〜R606の少なくとも1つ、R701〜R708の少なくとも1つ、R801〜R810の少なくとも1つ、R901〜R908の少なくとも1つは、下記式(1)または(2)で示される基である。
式(1)、(2)中、A、B、CおよびDの少なくとも1つは置換基を有する基であり、該置換基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。lは、0または1である。
Aはカルボキシル基、主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の1価の基、または置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つをNRに置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の1価の基を示す。Rは、水素原子または、アルキル基である。該置換のアルキル基の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、フェニル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種である。
Bは、主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の2価の基、または置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをNRに置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の2価の基を示す。Rは、水素原子または、アルキル基である。該置換のアルキレン基の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコシキカルボニル基、フェニル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種である。
Cは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ置換フェニレン基、ハロゲン置換フェニレン基、またはアルコキシ置換フェニレン基を示す。これら基は、さらに置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。
Dは、水素原子、または主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基を示す。該置換のアルキル基の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種である。
以下に反応性官能基を有する電子輸送物質の具体例を示す。
表1に、上記式(A1)で示される化合物の具体例を示す。
(A1)の構造を有する誘導体(電子輸送物質の誘導体)は、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能なナフタレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応で合成可能である。
(A1)〜(A9)のいずれかで示される化合物には、架橋剤と重合することが可能な反応性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基)を有する。(A1)〜(A9)の構造を有する誘導体にこれらの重合性官能基を導入する方法としては、以下2つの方法がある。1つ目の方法は、(A1)〜(A9)の構造を有する誘導体に直接、反応性官能基を導入する方法である。2つ目の方法は、反応性官能基または、反応性官能基の前駆体と成り得る官能基を有する構造を導入する方法である。2つ目の方法としては、例えば、(A1)〜(A9)の構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、例えばパラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アリール基を導入する方法がある。また、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アルキル基を導入する方法る方法がある。その他には、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCOを作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法がある。
(架橋剤)
次に、架橋剤について説明する。
架橋剤としては、反応性官能基を有する電子輸送物質、および後述の反応性官能基を有する熱可塑性樹脂と重合または架橋する化合物を用いることができる。具体的には、山下晋三,金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に記載されている化合物等を用いることができる。
本発明において架橋剤は、好ましくは、イソシアネート化合物である。イソシアネート化合物は、分子量が200〜1300の範囲であるイソシアネート化合物を用いることが好ましい。さらに、イソシアネート基またはブロックイソシアネート基を2個以上有していることが好ましい。より好ましくは、3〜6個である。例えば、トリイソシアネートベンゼン、トリイソシアネートメチルベンゼン、トリフェニルメタントリイソシアネート、リジントリイソシアネートの他、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、トリメチロールプロパンやペンタエリストールとのアダクト変性体等が挙げられる。これらの中でもイソシアヌレート変性体とアダクト変性体がより好ましい。
ブロックイソシアネート基は、−NHCOX(Xは保護基)という構造を有する基である。Xは、イソシアネート基に導入可能な保護基であれば何れでも良いが、下記式(H1)〜(H6)で示される基がより好ましい。
以下に、イソシアネート化合物の具体例を示す。
次に、反応性官能基(重合性官能基)を有する熱可塑性樹脂について説明する。反応性官能基を有する熱可塑性樹脂としては、下記式(D)で示される構造単位を有する熱可塑性樹脂(以下、樹脂Dとも称する)が好ましい。
(式(D)中、R61は、水素原子またはアルキル基を示す。Yは、単結合、アルキレン基またはフェニレン基を示す。Wは、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、またはメトキシ基を示す。)
下記式(D)で示される構造単位を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、アセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。
上記式(D)で示される構造単位は、以下に示す特徴的な構造の中に有してもよいし、特徴的な構造以外に有してもよい。特徴的な構造を以下の(E−1)〜(E−5)に示す。(E−1)はアセタール樹脂の構造単位、(E−2)はポリオレフィン樹脂の構造単位、(E−3)はポリエステル樹脂の構造単位、(E−4)はポリエーテル樹脂の構造単位および(E−5)はポリアミド樹脂の構造単位である。
式(E−1)〜(E−5)中、R21〜R25は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。R26〜R30は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基を示す。例えば、E−1において、R21がCである場合はブチラールである。
また、樹脂Dは、一般的に購入することも可能である。購入可能な樹脂としては、例えば、日本ポリウレタン工業(株)製AQD−457、AQD−473、三洋化成工業(株)製サンニックスGP−400、GP−700などのポリエーテルポリオール系樹脂、日立化成工業(株)製フタルキッドW2343、DIC(株)製ウォーターゾールS−118、CD−520、ベッコライトM−6402−50、M−6201−40IM、ハリマ化成(株)製ハリディップWH−1188、日本ユピカ社製ES3604、ES6538などのポリエステルポリオール系樹脂、DIC(株)製、バーノックWE−300、WE−304などのポリアクリルポリオール系樹脂、(株)クラレ製クラレポバールPVA−203などのポリビニルアルコール系樹脂、積水化学工業(株)製BX−1、BM−1などのポリビニルアセタール系樹脂、ナガセケムテックス(株)製トレジンFS−350などのポリアミド系樹脂、日本触媒(株)製アクアリック、鉛市(株)製ファインレックスSG2000などのカルボキシル基含有樹脂、DIC(株)製、ラッカマイドなどのポリアミン樹脂、東レ(株)製QE−340Mなどのポリチオール樹脂などが挙げられる。これらの中でもポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルポリオール系樹脂などがより好ましい。樹脂Dの重量平均分子量(Mw)は5000〜300000の範囲であることがより好ましい。
下引き層の全体積量に対する複合粒子の体積量が、中間層の組成物の全体積量に対する電子輸送物質の体積量に対して、0.2倍以上2倍以下であることが好ましい。この範囲であると、高温高湿下において明部電位変動が良化する。これは、電荷発生層から中間層、下引き層への電荷移動がスムーズに行われるためであると推測している。これらの体積量は、温度23度1気圧下における体積量が好ましい。
〔感光層〕
下引き層または中間層上には、感光層が設けられる。感光層は、電荷発生層と電荷輸送層を有する積層型感光層であることが好ましい。
電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、キサンテン色、キノンイミン色素や、スチリル色素が挙げられる。これらの中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニンが好ましい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂とともに溶剤に分散させることによって得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いた方法が挙げられる。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ブチラール樹脂、ポリスチレン、ポリビニルアセタール、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン、スチレン−ブタジエン共重合体、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらは、単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生物質と結着樹脂との質量比率(電荷発生物質:結着樹脂)は、10:1〜1:10の範囲が好まし。より好ましくは、5:1〜1:1であり、さらには、3:1〜1:1である。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。また、電荷発生層において電荷の流れが滞らないようにするために、電荷発生層には、電子輸送物質(アクセプターなどの電子受容性物質)を含有させてもよい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液の塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送層の誘電分極は小さくし、帯電領域下流以降の暗減衰がないようにするほうが、繰り返し使用時の暗減衰量の変動が少ないため好ましい。具体的には、結着樹脂の誘電率は3以下である結着樹脂が好ましい。また、電荷輸送物質の電荷移動度が1×10−6cm/V・sec以下の電荷輸送物質が好ましい。
具体的な電荷輸送物質としては、例えば、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、トリフェニルアミン化合物が好ましい。
具体的な結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アルキド樹脂などが挙げられる。特には、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレートが好ましい。これらは、単独、混合物または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送物質と結着樹脂との質量比率(電荷輸送物質:結着樹脂)は、2:1〜1:2の範囲が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトンや、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステルや、ジメトキシメタン、ジメトキシエタンなどのエーテルや、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素や、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素などが挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、3μm以上40μm以下であることが好ましく、5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。
また、感光層上には、感光層を保護することを目的として、保護層を設けてもよい。
保護層は、樹脂(結着樹脂)を含有する保護層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
保護層に用いられる結着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アルキド樹脂、シロキサン樹脂などが挙げられる。これらは、単独、混合物または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
保護層の膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上8μm以下であることがより好ましい。
上記各層用の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法の塗布方法を用いることができる。
図1に、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電手段(帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(画像露光手段、不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。帯電手段3に印加する電圧は、直流電圧のみであってもよいし、交流電圧を重畳した直流電圧であってもよい。
電子写真感光体1の周面に形成された静電潜像は、現像手段5のトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の周面に形成されたトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに転写される。転写材Pは、電子写真感光体1の回転と同期して転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に給送されてくる。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の周面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りのトナーの除去を受ける。さらに前露光手段(不図示)からの前露光光11により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段が接触帯電手段である場合には、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などから選択される構成要素のうち、複数のものを選択し、これを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。そして、このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。以下に示す「部」は「質量部」を意味する。
〔酸化スズ被覆芯材粒子の製造例〕
実施例に記載した酸化スズ被覆芯材粒子は、以下のようにして製造可能である。実施例に合わせて、複合粒子の芯材粒子の種類やドープ剤の種類、量、スズ酸ナトリウムの量は変更した。さらに、抵抗を制御するために、焼成雰囲気を調整して酸素欠損量を制御した。
4000cmの純水に分散させた1050gの酸化チタン粒子(球状、平均一次粒径160nm)を、容積10000cmの母液槽中に投入した。母液槽中に更に純水を9000cmになるまで添加した。
母液槽に872gのスズ酸ナトリウムを添加し、液温を70℃まで上昇させた後、装置内を1時間にわたって循環させて予備分散を行った。予備分散においては、超音波発生装置(570W、40kHz)により超音波処理をした。この母液を、循環させながら、pHが2〜4になるまで、20%希硫酸水溶液(質量基準)を添加した。このようにして、スラリーを得た後、導電率が500μS/cm以下となるまで洗浄した後、ヌッチェろ過を行い、ケーキを得た。このケーキを大気中150℃で10時間乾燥させた。次いで乾燥ケーキを粉砕し、その粉砕粉を1体積%H/N雰囲気下で450℃、30分焼成した。これによって目的とする酸化スズ被覆酸化チタン粒子1を得た。酸化スズ被覆酸化チタン粒子1は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)の33.90°にピークを有し、酸化スズの特徴的なピークを有していた。また、図1に得られた酸化スズ被覆酸化チタン粒子1のCuKα特性X線回折を示す。CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅は1.049°であった。
CuKα特性X線回折におけるピークの測定は、電子写真感光体の感光層、さらに必要に応じて中間層を剥離し、下引き層を削り取り、その削り取った下引き層を使用することでも可能である。また、下引き層と同じ材料の粉末を使用することでも可能である。
〔実施例1〕
支持体として、直径24mm、長さ261mmのアルミニウムシリンダー(導電性支持体)を用いた。
上記酸化スズ被覆酸化チタン粒子1(粉体抵抗率:2.3×10Ω・cm、酸化スズ被覆率35%、個数平均粒径:200nm、X線回折ピークの半値幅:1.049°)219部、
結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分:60%)146部、および、
溶剤としての1−メトキシ−2−プロパノール106部を、
直径1.0mmのガラスビーズ420部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を調製した。この分散液からメッシュでガラスビーズを取り除いた。その後、分散液に表面粗し付与材としてシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、平均粒径2μm)23.7部を添加した。さらに、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)0.024部、メタノール6部、および、1−メトキシ−2−プロパノール6部を添加して攪拌することによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間145℃で乾燥させることによって、膜厚が30μmの下引き層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス(株)製)4.5部および共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、メタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が0.65μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.1°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶4部、および、下記式(A)で示される化合物0.04部を、シクロヘキサノン100部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2部を溶解させた液に加えた。これを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃の雰囲気下で1時間分散した。分散後、酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上記下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(B)で示されるアミン化合物50部(電荷輸送物質)、下記式(C)で示されるアミン化合物50部(電荷輸送物質)、および、ポリカーボネート樹脂(商品名:
ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)100部を、クロロベンゼン650部およびジメトキシメタン150部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を1日間保存した後、電荷輸送層用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間110℃で乾燥させることによって、膜厚が21μmの電荷輸送層を形成した。このようにして、支持体、下引き層、中間層、電荷発生層、電荷輸送層を有する電子写真感光体を形成した。
次に、評価について説明する。
<繰り返し使用時の明部電位変動の評価>
評価装置としては、ヒューレットパッカード(株)製のカラーレーザービームプリンター(商品名:CP4525、プロセススピードは可変になるように改造した。)を用いた。この評価装置のドラムカートリッジに上述の電子写真感光体を装着して以下のように評価した。温度30℃、湿度80%RHの高温高湿環境下に上記評価装置を設置した。
電子写真感光体の表面電位は、評価装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位プローブ(商品名:model6000B−8、トレック社製)を固定し、表面電位計(model344:トレック社製)を使用して測定した。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置し、電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は、電子写真感光体の軸方向の中央、電子写真感光体の表面からのギャップを3mmとした。帯電条件としては、電子写真感光体の表面電位(暗部電位)が600Vになる印加バイアスを調整した。また、露光条件としては、0.4μJ/cmとなるように露光条件を調整した。
次に、評価について説明する。なお、各電子写真感光体において初期に設定した帯電条件および露光条件のもとで評価を行った。
まず、電子写真感光体を温度50℃、湿度95%RHの環境下で24時間保管する。次に、温度30℃、湿度80%RHの環境下で24時間保管する。保管後、0.4μJ/cmの露光条件で露光した際の電子写真感光体の明部電位を測定する。その後、現像用カートリッジに電子写真感光体を装着し、上記評価装置に取り付け、15000枚の通紙による電子写真感光体の繰り返し使用を行う。15000枚の通紙に用いた印字率は4%とする。また、15000枚の通紙は、2枚出力したのち休止することを繰り返すことにする。繰り返し使用の際のプロセススピードは電子写真感光体が0.3s/回とする。
15000枚の通紙後、0.4μJ/cmの露光条件で露光した際の電子写真感光体の明部電位を測定する。初期の明部電位の値と15000枚通紙後の明部電位の値の差を、明部電位変動とする。結果を表2に示す。
〔実施例2〕
酸化スズ被覆酸化チタン粒子の製造例において、pHが2〜4になるまで20%希硫酸水溶液(質量基準)を添加した後に、中和、塩化アルミニウムを添加する工程を加えることで、粉体抵抗1.3×10Ω・cmの酸化スズ被覆酸化チタン粒子を得た。実施例1の下引き層において、酸化スズ被覆酸化チタン粒子をこうして得られた酸化スズ被覆酸化チタン粒子に変更し、中間層を形成しない以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造した。酸化スズ被覆酸化チタン粒子のX線回折ピークの半値幅は1.022°であった。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例3〕
実施例1の下引き層上に、以下のように中間層を形成した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造した。
例示化合物A101を8部、式(1)で示される基でブロックされたイソシアネート化合物(B1)10部、オクチル酸亜鉛(II)0.1部と、ブチラール樹脂(KS−5,積水化学株式会社製)2部を、ジメチアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間160℃で加熱し、硬化(重合)させることによって、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例4〕
実施例1の下引き層において、酸化スズ被覆酸化チタン粒子の芯材粒子を酸化チタン粒子から硫酸バリウム粒子に変更した。それ以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。酸化スズ被覆硫酸バリウム粒子のX線回折ピークの半値幅は1.075°であった。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例5〕
実施例1の下引き層において、酸化スズ被覆酸化チタン粒子の芯材粒子を酸化チタン粒子から酸化亜鉛粒子に変更した。それ以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。酸化スズ被覆酸化亜鉛粒子のX線回折ピークの半値幅は1.091°であった。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例6〕
実施例1の下引き層において、酸化スズ被覆酸化チタン粒子の芯材粒子を酸化チタン粒子から酸化アルミニウム粒子に変更した。それ以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。酸化スズ被覆酸化アルミニウム粒子のX線回折ピークの半値幅は1.121°であった。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例7〕
実施例1の下引き層において、酸化スズ被覆酸化チタン粒子の製造におけるH濃度を増やして焼成することで、X線回折ピークの半値幅を0.839°に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例8〕
実施例1の下引き層において、酸化スズ被覆酸化チタン粒子の製造におけるH濃度を減らして焼成することで、X線回折ピークの半値幅を1.398°に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例9〕
実施例1の酸化スズ被覆酸化チタン粒子において、酸化スズ被覆酸化チタン粒子の製造における予備分散時の超音波処理をやめることで、X線回折ピークの半値幅1.434°の酸化スズ被覆酸化チタン粒子を作製した。実施例1の下引き層において、上記X線回折ピークの半値幅1.434°の酸化スズ被覆酸化チタン粒子と、実施例4で作製したX線回折ピークの半値幅1.075°の酸化スズ被覆硫酸バリウム粒子と混合した。それ以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。この混合粒子のX線回折ピークの半値幅は1.384°であった。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例10〕
実施例1の下引き層において、X線回折ピークの半値幅が1.049°である酸化スズ被覆酸化チタン粒子を218部から44部に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例11〕
実施例1の下引き層において、X線回折ピークの半値幅が1.049°である酸化スズ被覆酸化チタン粒子を218部から88部に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例12〕
実施例1の下引き層において、X線回折ピークの半値幅が1.049°である酸化スズ被覆酸化チタン粒子を218部から704部に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例13〕
実施例1の下引き層において、X線回折ピークの半値幅が1.049°である酸化スズ被覆酸化チタン粒子を218部から792部に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例14〕
実施例1の下引き層において、スズ酸ナトリウムの添加量を減らすことによって、酸化スズ被覆酸化チタン粒子に対する酸化スズの質量比率を35質量%から5質量%に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。この酸化スズ被覆酸化チタン粒子のX線回折ピークの半値幅は0.945°であった。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例15〕
実施例1の下引き層において、スズ酸ナトリウムの添加量を減らすことによって、酸化スズ被覆酸化チタン粒子に対する酸化スズの質量比率を35質量%から10質量%に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。この酸化スズ被覆酸化チタン粒子のX線回折ピークの半値幅は0.998°であった。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例16〕
実施例1の下引き層において、スズ酸ナトリウムの添加量を増やすことによって、酸化スズ被覆酸化チタン粒子に対する酸化スズの質量比率を35質量%から60質量%に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。この酸化スズ被覆酸化チタン粒子のX線回折ピークの半値幅は1.231°であった。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例17〕
実施例1の下引き層において、スズ酸ナトリウムの添加量を減らすことによって、酸化スズ被覆酸化チタン粒子に対する酸化スズの質量比率を35質量%から65質量%に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。この酸化スズ被覆酸化チタン粒子のX線回折ピークの半値幅は1.323°であった。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例18〕
実施例1の下引き層の膜厚を15μmに変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例19〕
実施例1の下引き層の膜厚を40μmに変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例20〕
実施例3の中間層において、例示化合物A101を下記式で示される電子輸送物質に変更した以外は、実施例3と同様に中間層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔実施例21〕
実施例1の下引き層を下記に変更して形成した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造した。
上記酸化スズ被覆酸化チタン粒子1 219部、酸化スズ粒子1(粉体抵抗率:1.2×10Ω・cm、X線回折ピークの半値幅:1.030°)11部、結着樹脂としてのフェノール樹脂商品名:プライオーフェンJ−325)146部、および、溶剤としての1−メトキシ−2−プロパノール106部を、直径1.0mmのガラスビーズ420部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を調製した。この分散液からメッシュでガラスビーズを取り除いた。その後、分散液に表面粗し付与材としてシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120)23.7部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA)0.024部、メタノール6部、および、1−メトキシ−2−プロパノール6部を添加して攪拌することによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間145℃で乾燥させることによって、膜厚が30μmの下引き層を形成した。上記酸化スズ粒子1は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)の33.90°にピークを有し、ブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅は1.030°であった。
酸化スズ粒子1と酸化スズ被覆酸化チタン粒子1との体積比は、上述の通り、FIB−SEMのSlice&Viewを用いて求められる。その結果、酸化スズ粒子1と酸化スズ被覆酸化チタン粒子1との体積比は、50/1000となる。
〔実施例22〕
実施例21において、酸化スズ粒子1を15部から0.3部に変更した以外は、実施例21と同様に電子写真感光体を製造した。
その結果、酸化スズ粒子1と酸化スズ被覆酸化チタン粒子1との体積比は、1/1000となる。
〔実施例23〕
実施例22において、酸化スズ被覆酸化チタン粒子1を219部から160部、酸化スズ粒子1を15部から40部に変更した以外は、実施例22と同様に電子写真感光体を製造した。
その結果、酸化スズ粒子1と酸化スズ被覆酸化チタン粒子1との体積比は、250/1000となる。
〔比較例1〕
実施例1の下引き層において、酸化スズ被覆酸化チタン粒子の製造における予備分散時の超音波処理をやめることで、X線回折ピークの半値幅を1.434°に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔比較例2〕
実施例9において、X線回折ピークの半値幅が1.434°である酸化スズ被覆酸化チタン粒子とX線回折ピークの半値幅が1.075°である酸化スズ被覆硫酸バリウム粒子の混合比を変更して半値幅1.452°の混合粉体を作製した。この半値幅1.452°の混合粉体を用いた以外は、実施例9と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔比較例3〕
実施例2の下引き層において、酸化スズ被覆酸化チタン粒子の製造における予備分散時の超音波処理を停止することで、X線回折ピークの半値幅を1.422°に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔比較例4〕
比較例1において、下引き層と電荷発生層との間に実施例20で用いた中間層を設けた以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔比較例5〕
実施例4の下引き層において、酸化スズ被覆硫酸バリウム粒子の製造時の予備分散時の超音波処理をやめることで、X線回折ピークの半値幅を1.448°に変更した以外は、実施例4と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔比較例6〕
実施例6の下引き層において、酸化スズ被覆硫酸アルミニウム粒子の製造における予備分散時の超音波処理をやめることで、X線回折ピークの半値幅を1.522°に変更した以外は、実施例6と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。
〔比較例7〕
実施例1の下引き層において、酸化スズ被覆酸化チタン粒子を特許文献1の実施例1に記載の酸化スズ被覆酸化チタン(粉体抵抗率:1.0×10Ω・cm、酸化スズ被覆酸化チタン粒子に対する酸化スズの質量比率:酸化スズ被覆率40%)に変更した。それ以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。この酸化スズ被覆酸化チタンのX線回折ピークの半値幅は、1.456°であった。明部電位変動の値を表2に示す。
〔比較例8〕
比較例7の下引き層において、酸化スズ被覆酸化チタン粒子に対する酸化スズの質量比率を35%に変更した以外は、比較例7と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。この酸化スズ被覆酸化チタンの体積抵抗率は、3.3×10Ω・cmであり、X線回折ピークの半値幅は、1.434°であった。明部電位変動の値を表2に示す。
〔比較例9〕
比較例7の下引き層において、酸化スズ被覆酸化チタン粒子に対する酸化スズの質量比率を45%に変更した以外は、比較例7と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。この酸化スズ被覆酸化チタンの体積抵抗率は、2.3×10Ω・cmであり、X線回折ピークの半値幅は、1.490°であった。明部電位変動の値を表2に示す。
〔比較例10〕
比較例7の下引き層において、実施例2と同様の操作により酸化スズ被覆酸化チタン粒子の体積抵抗率を2.3×10Ω・cmに変更し、中間層を形成しない以外は、比較例7と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。この酸化スズ被覆酸化チタンのX線回折ピークの半値幅は、1.455°であった。明部電位変動の値を表2に示す。
〔比較例11〕
実施例4の下引き層において、酸化スズ被覆硫酸バリウム粒子を特許文献2の実施例1に記載の酸化スズ被覆硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率:7.0×10Ω・cm、酸化スズ被覆酸化硫酸バリウム粒子に対する酸化スズの質量比率:50%)に変更した。それ以外は、実施例4と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。明部電位変動の値を表2に示す。この酸化スズ被覆硫酸バリウム粒子のX線回折ピークの半値幅は、1.462°であった。
〔比較例12〕
比較例11の下引き層において、酸化スズ被覆硫酸バリウム粒子に対する酸化スズの質量比率を35%に変更した以外は、比較例11と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。この酸化スズ被覆酸化チタンの体積抵抗率は、1.3×10Ω・cmであり、X線回折ピークの半値幅は、1.438°であった。明部電位変動の値を表2に示す。
〔比較例13〕
実施例1の下引き層において、酸化スズ被覆酸化チタン粒子219部を、平均粒径が30nmの酸化スズ粒子77部に変更した以外は、実施例1と同様に下引き層を形成し、電子写真感光体を製造した。評価機に設置して帯電をかけたところ、暗部電位が安定せず、明部電位変動評価ができなかった。芯材粒子が無いために酸化スズが凝集してしまい、帯電能が著しく低下したためと考えられる。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

Claims (11)

  1. 支持体、該支持体上に形成された下引き層、及び該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、
    該下引き層が、結着樹脂複合粒子、及び酸化スズ粒子を含有し、
    該複合粒子が、芯材粒子、及び該芯材粒子を被覆している酸化スズを有し、
    該複合粒子の酸化スズが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)の33.90°にピークを有し、かつ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下であり、
    該酸化スズ粒子が、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)の33.90°にピークを有し、かつ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記芯材粒子が、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子又は硫酸バリウム粒子である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記複合粒子に対する酸化スズの質量比率が10質量%以上60質量%以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記下引き層における前記複合粒子と前記結着樹脂の質量比が、1/1以上4/1以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記酸化スズ粒子と前記複合粒子との体積比(酸化スズ粒子/複合粒子)が、1/1000以上250/1000以下である請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記結着樹脂が、ポリウレタン樹脂、又はフェノール樹脂である請求項1からのいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記複合粒子の個数平均粒径が、0.03μm以上0.60μm以下である請求項1からのいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記複合粒子の酸化スズが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が0.50°以上1.40°以下である請求項1からのいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 支持体、該支持体上に形成された下引き層、及び該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、
    結着樹脂複合粒子、及び酸化スズ粒子を含有する下引き層用塗布液を調製する工程、及び
    該下引き層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該下引き層を形成する工程を有し、
    該複合粒子が、芯材粒子、及び該芯材粒子を被覆している酸化スズを有し、
    該複合粒子の該酸化スズが、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)の33.90°にピークを有し、かつ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下であり、
    該酸化スズ粒子が、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)の33.90°にピークを有し、かつ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.20°)=33.90°におけるX線回折ピークの半値幅が1.41°以下であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  10. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  11. 請求項1からのいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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