JP2015028163A - ポリイソシアネート組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】スズ含有化合物を添加して保存した場合であっても着色を抑制できるポリイソシアネート組成物を提供すること。
【解決手段】少なくとも1,6−ジイソシアナトヘキサンを用いて得られるポリイソシアネート組成物であって、塩素含有化合物を、塩素成分として1〜100質量ppm含有する、ポリイソシアネート組成物とすること。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイソシアネート組成物に関する。
1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI;ヘキサメチレンジイソシアネートともいう。)から得られ、イソシアヌレート構造を含有するポリイソシアネート組成物が知られている(例えば、特許文献1〜3)。このようなイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート組成物は広く使用されている。
しかし、1,6−ジイソシアナトヘキサンから得られるポリイソシアネート組成物は、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)やTDI(トリレンジイソシアナート)等の芳香族系ポリイソシアネート組成物と比較して、硬化性に劣るという問題がある。
特公昭45−027982号公報 特開昭55−038380号公報 特開昭57−150677号公報
ポリイソシアネート組成物の硬化性を改善するために、硬化促進用の触媒として、ジブチルスズジラウレート等のスズ含有化合物を添加すること等が行われている。しかし、このようなスズ含有化合物が添加されたポリイソシアネート組成物は、その保存時等に着色してしまうという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、スズ含有化合物を添加して保存した場合であっても着色を抑制できるポリイソシアネート組成物を提供することを目的とする。
本発明者が、鋭意研究した結果、少なくとも1,6−ジイソシアナトヘキサンから得られ、塩素含有化合物を、塩素成分として1〜100質量ppm含有するポリイソシアネート組成物が上記課題を解決できることを発見し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
少なくとも1,6−ジイソシアナトヘキサンを用いて得られるポリイソシアネート組成物であって、
塩素含有化合物を、塩素成分として1〜100質量ppm含有する、ポリイソシアネート組成物。
〔2〕
下記式(a)で表される化合物(a)と、下記式(b)で表される化合物(b)と、を含有する、〔1〕に記載のポリイソシアネート組成物。
Figure 2015028163
Figure 2015028163
〔3〕
前記化合物(b)/前記化合物(a)の質量比が、5×10-6〜100×10-6である、〔2〕に記載のポリイソシアネート組成物。
〔4〕
臭素含有化合物を、臭素成分として1〜100質量ppmを更に含有する、〔1〕又は〔2〕に記載のポリイソシアネート組成物。
〔5〕
前記ポリイソシアネート組成物は、イミノオキサジアジンジオン構造とイソシアヌレート構造とを含有し、
13C−NMRにより測定された、前記イミノオキサジアジンジオン構造/前記イソシアヌレート構造のモル比が、6.0/100〜20/100である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
〔6〕
前記ポリイソシアネート組成物は、ウレトジオン構造とイソシアヌレート構造とを含有し、
13C−NMRにより測定された、前記ウレトジオン構造/前記イソシアヌレート構造のモル比が、0.1/100〜5.0/100である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
本発明によれば、スズ含有化合物を添加して保存した場合であっても着色を抑制できるポリイソシアネート組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。なお、特に断りがない限り、「(メタ)アクリル」はメタクリルとアクリルを包含し、「(メタ)アクリレート」はメタクリレートとアクリレートを包含するものとする。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、少なくとも1,6−ジイソシアナトヘキサンを用いて得られるポリイソシアネート組成物であって、塩素含有化合物を、塩素成分として1〜100質量ppm含有するポリイソシアネート組成物である。かかるポリイソシアネート組成物は、少なくとも、スズ含有化合物を添加して保存した場合等であっても着色を抑制できる。そして、良好な硬化性を維持することもできる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、イソシアヌレート構造を含有することが好ましい。イソシアヌレート構造を含有することで、ポリイソシアネート組成物の耐候性や耐熱性を優れたものにできる。イソシアヌレート構造は式(1)で表される構造である。
Figure 2015028163
イソシアヌレート構造の好適例としては、下記式(a)で表される化合物(a)、下記式(b)で表される化合物(b)等が挙げられる。化合物(a)や化合物(b)は、1,6−ジイソシアナトヘキサンから生成されうるものでもある。さらに、本実施形態のポリイソシアネート組成物は、化合物(a)と化合物(b)の両方を含有することがより好ましい。このような化合物を含有することで、塗料等を配合する際に各種添加剤の相溶性を一層向上させることができる。
さらに、化合物(a)に対する化合物(b)の質量比(化合物(b)/化合物(a))は、5×10-6〜100×10-6であることが好ましい。この質量比(化合物(b)/化合物(a))の上限値は、80×10-6以下であることがより好ましく、60×10-6以下であることが更に好ましく、50×10-6以下であることがより更に好ましい。この質量比(化合物(b)/化合物(a))の下限値は、10×10-6以上であることがより好ましく、15×10-6以上であることが更に好ましく、20×10-6以上であることがより更に好ましい。化合物(a)に対する化合物(b)の質量比(化合物(b)/化合物(a))が上記範囲であるポリイソシアネート組成物は、少なくとも、高温焼付時の塗膜の黄変を効果的に抑制できる(耐塗膜黄変性)。
Figure 2015028163
Figure 2015028163
また、この質量比(化合物(b)/化合物(a))が上記に示した範囲内に制御する方法としては、例えば、1,6−ジイソシアナトヘキサンに1−イソシアナト−6−クロロヘキサンをある一定量添加し、その後、イソシアヌレート化反応させる方法等が挙げられる。
1,6−ジイソシアナトヘキサンの3個のイソシアネート基が重合した化合物(a)の中に、例えば、1−イソシアナト−6−クロロヘキサンの1個のイソシアネート基と1,6−ジイソシアナトヘキサンの2個のイソシアネート基が重合した場合、化合物(b)を一定量生成させることができる。
質量比(化合物(b)/化合物(a))を5×10-6〜100×10-6とするためには、1,6−ジイソシアナトヘキサンに対する1−イソシアナト−6−クロロヘキサンの含有量を調整することが好ましい。具体的には、1,6−ジイソシアナトヘキサンに対する1−イソシアナト−6−クロロヘキサンの含有量が、質量比で1×10-6〜200×10-6であることが好ましい。
1,6−ジイソシアナトヘキサンに対する1−イソシアナト−6−クロロヘキサンの含有量の下限値は、高温焼付時の耐塗膜黄変性の観点から、好ましくは質量比で3×10-6以上であり、より好ましくは5×10-6以上であり、更に好ましくは10×10-6以上であり、より更に好ましくは20×10-6以上である。1−イソシアナト−6−クロロヘキサンの含有量の上限値は、好ましくは質量比で150×10-6以下であり、より好ましくは125×10-6以下であり、更に好ましくは100×10-6以下であり、より更に好ましくは75×10-6以下である。
化合物(a)及び化合物(b)の定量は、液体クロマトグラフィー−マススペクトル(LC/MS)により行うことができる。具体的には実施例に記載の方法に準じて測定することができる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、イミノオキサジアジンジオン構造を含有することが好ましい。非対称構造のイミノオキサジアジンジオン構造を含有することで、ポリイソシアネート組成物を用いて作製した塗膜の平滑性(塗膜平滑性)を優れたものにできる。イミノオキサジアジンジオン構造は下記一般式(2)で表される構造である。本実施形態のポリイソシアネート組成物は、イソシアヌレート構造とイミノオキサジアジンジオン構造の両方を含有することがより好ましい。両構造を含有することで、上述した効果を併せ持つことができる。
Figure 2015028163
本実施形態のポリイソシアネート組成物中のイミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、特に限定されないが、6.0/100〜25/100であることが好ましい。イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比の上限値は、好ましくは25/100以下であり、より好ましくは20/100以下であり、更に好ましくは17/100以下であり、より更に好ましくは15/100以下である。イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比の下限値は、好ましくは6.0/100以上であり、より好ましくは7.0/100以上であり、更に好ましくは8.5/100以上であり、より更に好ましくは10/100以上である。イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比が上記上限値以下であると、ポリイソシアネート組成物の耐熱性が一層向上する。イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比が上記下限値以上であると、塗膜作製時の平滑性が一層向上する。
本実施形態のポリイソアネート組成物は、ウレトジオン構造を含有することが好ましい。イソシアヌレート構造とウレトジオン構造とを含有することがより好ましく、イミノオキサジアジンジオン構造とイソシアヌレート構造とウレトジオン構造とを含有することが更に好ましい。
ウレトジオン構造は下記一般式(3)で表される構造である。ウレトジオン構造だけでなくイソシアヌレート構造も含有する場合、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、特に限定されないが、0.1/100〜5.0/100であることが好ましい。ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比の上限値は、好ましくは5.0/100以下であり、より好ましくは3.0/100以下であり、更に好ましくは2.0/100以下である。ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比の下限値は、好ましくは0.1/100以上であり、より好ましくは0.2/100以上であり、更に好ましくは0.5/100以上である。ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比が上記上限値以下であると、ポリイソシアネート組成物の硬化性が一層向上するとともに、保存後のHDIモノマーの増加を一層低減でき、ポリイソシアネート組成物の耐熱性が一層向上する。ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比が上記下限値以上であると、塗膜平滑性が一層向上する。
Figure 2015028163
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、粘度等の観点から、アロファネート構造を含有することが好ましい。アロファネート構造は下記一般式(4)で表される構造である。アロファネート構造だけでなく、イソシアヌレート構造も含有する場合、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、特に限定されないが、0.1/100〜4.0/100であることが好ましい。アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比の上限値は、好ましくは4.0/100以下であり、より好ましくは3.0/100以下であり、更に好ましくは2.0/100以下である。アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比の下限値は、好ましくは0.1/100以上であり、より好ましくは0.2/100以上であり、更に好ましくは0.5/100以上である。アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比が上記上限値以下であると、硬化性が一層向上する。アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比が上記下限値以上であると、ポリオール等の樹脂との相溶性が一層向上する。
Figure 2015028163
上記したイミノオキサジアジンジオン構造、イソシアヌレート構造、ウレトジオン構造、及びアロファネート構造に関する各比率は、13C−NMR測定によって求めることができる。具体的には実施例に記載の方法に準じて測定することができる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、着色を抑制する観点から、塩素含有化合物を塩素成分として、1〜100質量ppm含有する。
塩素含有化合物の含有量の下限値は、塩素成分として、好ましくは3質量ppm以上であり、より好ましくは6質量ppm以上であり、更に好ましくは10質量ppm以上であり、より更に好ましくは15質量ppm以上である。塩素成分が1質量ppm未満であると、着色抑制効果が十分には得られない場合がある。
塩素含有化合物の含有量の上限値は、塩素成分として、好ましくは80質量ppm以下であり、より好ましくは70質量ppm以下であり、更に好ましくは60質量ppm以下であり、より更に好ましくは50質量ppm以下である。塩素成分が100質量ppmを超えると、着色抑制効果が十分には得られない場合や、使用する添加剤によっては、その添加剤との相互作用により濁りの原因となる場合がある。
塩素含有化合物を上記範囲に制御する方法としては、例えば、ポリイソシアネート組成物の原料である1,6−ジイソシアナトヘキサンに、塩素含有化合物を事前に添加しておく方法や、ポリイソシアネート組成物を製造した後に、塩素含有化合物を添加する方法等が挙げられる。これらの中でも、塩素含有量をより正確に制御する観点から、ポリイソシアネート組成物を製造した後に、塩素含有化合物を添加することが好ましい。
本実施形態の塩素含有化合物は、塩素成分を含有するものであれば、特に限定されないが、保存時の着色抑制効果や相溶性等の観点から、炭素数1〜20の直鎖又は分岐したアルキル基を有する化合物が好ましい。上記のアルキル基の炭素数の下限は、より好ましくは2以上であり、更に好ましくは3以上である。上記アルキル基の炭素数の上限は、より好ましくは16以下であり、更に好ましくは12以下である。アルキル基の炭素数が20以下であると、ポリイソシアネート組成物中での相溶性が一層向上することが期待される。
上記の塩素含有化合物の具体例としては、例えば、カルバミルクロリド基含有化合物、カルボニルクロリド基含有化合物、アルキルクロリド基含有化合物、シリルクロリド基含有化合物等が挙げられる。これらの中でも、カルバミルクロリド基含有化合物が好ましい。カルバミルクロリド基含有化合物は、下記一般式(5)で表される構造である。
Figure 2015028163
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐のアルキル基、フェニル基、又はアルキルフェニル基を表し、これらには官能基が結合していてもよい。)
カルバミルクロリド基含有化合物は、第1級アミン化合物又は第2級アミン化合物に、ホスゲンを反応させる方法、あるいは、イソシアネート基含有化合物に塩化水素を反応させる方法等により得られるが、製造の容易さの観点から、イソシアネート基含有化合物に塩化水素を反応させる方法が好ましい。
上記一般式(5)におけるR1及びR2は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐のアルキル基、フェニル基、又はアルキルフェニル基を表す。R1及びR2は、それぞれ独立して、末端若しくは直鎖構造中に官能基が結合していてもよい。官能基としては、例えば、ハロゲン基(クロロ基、ブロモ基、ヨウ素基等)、カルボニルクロリド基、カルボニルブロミド基、カルバミルクロリド基、カルバミルブロミド基、イソシアネート基、ニトリル基、エステル基、ケト基、ケトエステル基、水酸基、エーテル基等が挙げられる。
カルバミルクロリド基含有化合物の具体例としては、例えば、ウレトジオン二量体、イソシアヌレート三量体、ポリイソシアネート類のイソシアネート基の少なくとも1つがカルバミルクロリド基に変換された化合物等が挙げられる。
ウレトジオン二量体としては、例えば、1−(6−イソシアナトヘキシル)−3−(6−カルバミルクロリドヘキシル)−1,3−ジアゼチジン、1,3−ビス(6−カルバミルクロリドヘキシル)−1,3−ジアゼチジン等が挙げられる。
イソシアヌレート三量体としては、例えば、1,3−ジ(6−イソシアナトヘキシル)−5−(6−カルバミルクロリドヘキシル)−1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオン、1,3−ジ(6−カルバミルクロリドヘキシル)−5−(6−イソシアナトヘキシル)−1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオン、1,3,5−トリ(6−カルバミルクロリドヘキシル)−1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオン等が挙げられる。
カルバミルクロリド基を含有しない化合物としては、例えば、カルボニルクロリド基、アルキルクロリド基、及びシリルクロリド基等からなる群より選ばれるいずれかの構造を少なくとも有し、かつ、カルバミルクロリド基を含有しない化合物が挙げられる。カルバミルクロリド基を含有しない化合物は、炭素数1〜20の直鎖又は分岐したアルキル基を有することが好ましい。カルバミルクロリド基を含有しない化合物には、ハロゲン基(クロロ基、ブロモ基、ヨウ素基等)、カルボニルクロリド基、カルボニルブロミド基、カルバミルブロミド基、イソシアネート基、ニトリル基、エステル基、ケト基、ケトエステル基、水酸基、エーテル基等の官能基が結合していてもよい。
カルボニルクロリド基含有化合物の具体例としては、エタン酸クロリド、プロパン酸クロリド、ブタン酸クロリド、ペンタン酸クロリド、ヘキサン酸クロリド、ヘプタン酸クロリド、オクタン酸クロリド等の飽和モノカルボン酸のクロリド塩化合物;オレイン酸クロリド、リノール酸クロリド、リノレン酸クロリド等の不飽和カルボン酸のクロリド塩化合物;シュウ酸モノクロリド、シュウ酸ジクロリド、マロン酸モノクロリド、マロン酸ジクロリド、コハク酸モノクロリド、コハク酸ジクロリド、アジピン酸モノクロリド、アジピン酸ジクロリド等のジカルボン酸のクロリド塩化合物等が挙げられる。これらの中でも、保存時の着色抑制効果や相溶性等の観点から、飽和モノカルボン酸のクロリド塩化合物が好ましい。
アルキルクロリド基含有化合物の具体例としては、クロロエタン、ジクロロエタン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1−クロロペンタン、2−クロロペンタン、3−クロロペンタン、1−クロロヘキサン、2−クロロヘキサン、3−クロロヘキサン、1−クロロヘプタン、2−クロロヘプタン、3−クロロヘプタン、4−クロロヘプタン、1−クロロオクタン、2−クロロオクタン、1−クロロノナン、2−クロロノナン、1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(以下、ICHと記載する場合がある。)等のモノクロリド化合物やジクロリド化合物が挙げられる。これらの中でも、1−クロロペンタン、2−クロロペンタン、1−クロロヘキサン、2−クロロヘキサン、3−クロロヘキサン、1−クロロヘプタン、3−クロロヘプタン、4−クロロヘプタン、1−クロロオクタン、2−クロロオクタン、1−イソシアナト−6−クロロヘキサン等のモノクロリド化合物が好ましく、1,6−ジクロロヘキサン、1−イソシアナト−6−クロロヘキサンがより好ましい。
シリルクロリド基含有化合物の具体的としては、トリエチルシリルクロリド、トリプロピルシリルクロリド、tert−ブチルジメチルシリルクロリド、トリメチルクロロメチルシラン等が挙げられる。
1,6−ジイソシアナトヘキサンから得られるポリイソシアネート組成物は、一般に、黄変の程度が低いため、自動車用、建築外壁等の塗料用硬化剤として、広く使用されている。しかし、このようなポリイソシアネート組成物は、塗膜とする際に焼付けると黄変してしまうという問題がある。このような問題は、160℃程度の高温で焼付けた場合に顕著となる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、臭素含有化合物を更に含有することが好ましい。本実施形態のポリイソシアネート組成物は、塩素含有化合物だけでなく臭素含有化合物も含有することで、着色を一層効果的に抑制できる。かかる観点から、ポリイソシアネート組成物中における臭素含有化合物の含有量は、臭素成分として、1〜100質量ppmであることが好ましい。臭素含有化合物の含有量の上限値は、臭素成分として、より好ましくは75質量ppm以下であり、更に好ましくは50質量ppm以下であり、より更に好ましくは30質量ppm以下であり、一層好ましくは20質量ppm以下である。臭素含有化合物の含有量の下限値は、臭素成分として、より好ましくは2質量ppm以上であり、更に好ましくは3質量ppm以上である。塩素含有化合物だけでなく、臭素含有化合物も上記割合で含有することにより、添加剤との相互作用等による濁り等を一層効果的に防止できるものと考えられる(但し、本実施形態の作用はこれらに限定されない)。臭素含有化合物の含有量は、実施例に記載の方法によって測定できる。
臭素含有化合物の含有量を上記範囲に制御する方法としては、例えば、ポリイソシアネート組成物の原料である1,6−ジイソシアナトヘキサンに臭素含有化合物を事前に添加しておく方法や、ポリイソシアネート組成物を製造した後に、臭素含有化合物を添加する方法が挙げられる。これらの中でも、臭素含有量を正確に制御するという観点から、ポリイソシアネート組成物を製造した後に、臭素含有化合物を添加することが好ましい。
本実施形態の臭素含有化合物は、臭素成分を含有するものであれば、特に限定されないが、保存時の着色の抑制効果や相溶性等の観点から、炭素数2〜20の直鎖又は分岐したアルキル基を有する化合物が好ましい。上記のアルキル基の炭素数の下限は、より好ましくは3以上であり、更に好ましくは、4以上である。上記アルキル基の炭素数の上限は、より好ましくは16以下であり、更に好ましくは12以下である。アルキル基の炭素数が20以下であると、ポリイソシアネート組成物中での相溶性が一層向上することが期待される。
臭素含有化合物の具体例としては、例えば、カルバミルブロミド基含有化合物、カルボニルブロミド基含有化合物、アルキルブロミド基含有化合物、シリルブロミド基含有化合物等が挙げられる。これらの中でも、カルバミルブロミド化合物が好ましい。カルバミルブロミド基含有化合物は、下記一般式(6)で表される構造である。
Figure 2015028163
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐のアルキル基、フェニル基、又はアルキルフェニル基を表し、これらには官能基が結合していてもよい。)
カルバミルブロミド基含有化合物は、第1級アミン化合物又は第2級アミン化合物に、臭化カルボニルを反応する方法、あるいは、イソシアネート基含有化合物に臭化水素を反応させる方法等により得られるが、製造の容易さの観点から、イソシアネート基含有化合物に臭化水素を反応させる方法が好ましい。
上記式(6)におけるR3及びR4は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐のアルキル基、フェニル基、又はアルキルフェニル基を表す。R3及びR4は、それぞれ独立して、末端若しくは直鎖構造中に官能基が結合していてもよい。官能基としては、例えば、ハロゲン基(クロロ基、ブロモ基、ヨウ素基等)、カルボニルクロリド基、カルボニルブロミド基、カルバミルクロリド基、カルバミルブロミド基、イソシアネート基、ニトリル基、エステル基、ケト基、ケトエステル基、水酸基、エーテル基等が挙げられる。
カルバミルブロミド基含有化合物の具体例としては、例えば、ウレトジオン二量体、イソシアヌレート三量体、ポリイソシアネート類のイソシアネート基の少なくとも1つがカルバミルブロミド基に変換された化合物等が挙げられる。
ウレトジオン二量体としては、例えば、1−(6−イソシアナトヘキシル)−3−(6−カルバミルブロミドヘキシル)−1,3−ジアゼチジン、1,3−ビス(6−カルバミルブロミドヘキシル)−1,3−ジアゼチジン等が挙げられる。
イソシアヌレート三量体としては、例えば、1,3−ジ(6−イソシアナトヘキシル)−5−(6−カルバミルブロミドヘキシル)−1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオン、1,3−ジ(6−カルバミルブロミドヘキシル)−5−(6−イソシアナトヘキシル)−1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオン、1,3,5−トリ(6−カルバミルブロミドヘキシル)−1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオン等が挙げられる。
カルバミルブロミド基を含有しない化合物としては、例えば、カルボニルブロミド基、アルキルブロミド基、及びシリルブロミド基等からなる群より選ばれるいずれかの構造を少なくとも有し、かつ、カルバミルブロミド基を含有しない化合物が挙げられる。カルバミルブロミド基を含有しない化合物は、炭素数1〜20の直鎖又は分岐したアルキル基を有することが好ましい。カルバミルブロミド基を含有しない化合物には、ハロゲン基(クロロ基、ブロモ基、ヨウ素基等)、カルボニルクロリド基、カルボニルブロミド基、カルバミルクロリド基、イソシアネート基、ニトリル基、エステル基、ケト基、ケトエステル基、水酸基、エーテル基等の官能基が結合していてもよい。
カルボニルブロミド基含有化合物の具体例としては、例えば、エタン酸ブロミド、プロパン酸ブロミド、ブタン酸ブロミド、ペンタン酸ブロミド、ヘキサン酸ブロミド、ヘプタン酸ブロミド、オクタン酸ブロミド等の飽和モノカルボン酸のブロミド塩化合物;オレイン酸ブロミド、リノール酸ブロミド、リノレン酸ブロミド等の不飽和カルボン酸のブロミド塩化合物;シュウ酸モノブロミド、シュウ酸ジブロミド、マロン酸モノブロミド、マロン酸ジブロミド、コハク酸モノブロミド、コハク酸ジブロミド、アジピン酸モノブロミド、アジピン酸ジブロミド等のジカルボン酸のブロミド塩化合物等が挙げられる。これらの中でも、保存時の着色抑制効果や相溶性等の観点から、飽和モノカルボン酸のブロミド塩化合物が好ましい。
アルキルブロミド基含有化合物の具体例としては、ブロモエタン、ジブロモエタン、1−ブロモプロパン、2−ブロモプロパン、1,2−ジブロモプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1−ブロモブタン、2−ブロモブタン、1−ブロモペンタン、2−ブロモペンタン、3−ブロモペンタン、1−ブロモヘキサン、2−ブロモヘキサン、3−ブロモヘキサン、1−ブロモヘプタン、2−ブロモヘプタン、3−ブロモヘプタン、4−ブロモヘプタン、1−ブロモオクタン、2−ブロモオクタン、1−ブロモノナン、2−ブロモノナン、1−イソシアナト−6−ブロモヘキサン等のモノブロミド化合物やジブロミド化合物等が挙げられる。これらの中でも、1−ブロモペンタン、2−ブロモペンタン、1−ブロモヘキサン、2−ブロモヘキサン、3−ブロモヘキサン、1−ブロモヘプタン、3−ブロモヘプタン、4−ブロモヘプタン、1−ブロモオクタン、2−ブロモオクタン、1−イソシアナト−6−ブロモヘキサン等のモノブロミド化合物が好ましく、1,6−ジブロモヘキサン、1−イソシアナト−6−ブロモヘキサンがより好ましい。
シリルブロミド基含有化合物の具体的としては、トリエチルシリルブロミド、トルプロピルシリルブロミド、tert−ブチルジメチルシリルブロミド、トリメチルブロモメチルシラン等が挙げられる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、上記のカルバミルブロミド基含有化合物とカルバミルブロミド基を含有しない化合物のいずれか一方を含有してもよいし、その両方を含有してもよい。これらの中でも、カルバミルブロミド基含有化合物を少なくとも含有することが好ましい。
1,6−ジイソシアナトヘキサンを準備する方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用してもよい。例えば、特許第4859255号公報等に記載されているような、非ホスゲン法を採用することもできる。具体的には、ヘキサメチレンジアミンと炭酸ビス(3−メチルブチル)を反応させた後、2,4−ジ−tert−アミルフェノールとエステル交換反応させ、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸アリール化合物を熱分解させることにより、1,6−ジイソシアナトヘキサンを得ることもできる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物中の1,6−ジイソシアナトヘキサンモノマー質量濃度(HDIモノマー濃度)は、好ましく2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、更に好ましくは0.5質量%以下である。HDIモノマー濃度が2質量%以下であると、取り扱い時の危険性を一層低減でき、かつ、塗料組成物としたときの硬化性を一層向上させることができる。なお、HDIモノマー濃度は、実施例に記載の方法によって求めることができる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基の含有率(NCO含有率)は、不揮発分98質量%以上の条件で、好ましくは19.0〜24.0質量%である。NCO含有率の下限値は、より好ましくは20.0質量%以上であり、更に好ましくは21.0質量%以上である。NCO含有率の上限値は、より好ましくは23.0質量%以下であり、更に好ましくは22.5質量%以下である。NCO含有率を19.0質量%以上とすることで、ポリイソシアネート組成物の架橋性を一層向上させることができる。NCO含有率が24.0質量%以下であると、ポリイソシアネート組成物のHDIモノマー濃度を低減でき、危険性を一層低減することができる。なお、NCO含有率は、ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めることができる。なお、不揮発分は、ポリイソシアネート組成物を105℃、3時間加熱した場合の残存量から求めることができる。

不揮発分(質量%)=(105℃、3時間加熱後のポリイソシアネート組成物の質量)/(加熱前のポリイソシアネート組成物の質量)×100
本実施形態のポリイソシアネート組成物中の固形分の25℃における粘度は、不揮発分98質量%以上の条件で、好ましくは1000〜4000mPa・sである。粘度の上限値は、より好ましくは3500mPa・s以下であり、更に好ましくは3000mPa・s以下である。粘度の下限値は、より好ましくは1500mPa・s以上であり、更に好ましくは2000mPa.s以上である。ポリイソシアネート組成物の粘度が上記上限値以下であると、得られる塗膜の光沢が一層向上する。ポリイソシアネート組成物の粘度が上記下限値以上であると、ポリイソシアネート組成物の収率が一層向上する。粘度は、E型粘度計(トキメック社製)を用いて測定することができる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物中の固形分の数平均分子量は、不揮発分98質量%以上の条件で、550〜800である。数平均分子量の上限値は、より好ましくは750以下であり、更に好ましくは700以下である。数平均分子量の下限値は、より好ましくは600以上であり、更に好ましくは630以上である。数平均分子量が上記上限値以下であると、得られる塗膜の光沢が一層向上する。数平均分子量が上記下限値以上であると、得られるポリイソシアネート組成物の収率が一層向上する。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって求めることができる。具体的には実施例に記載の方法に準じて測定することができる。
以下、本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法の一例を説明する。
本実施形態のポリイソシアネート組成物の原料は、少なくとも1,6−ジイソシアナトヘキサンを用いる。さらに、副原料として、アルキルモノアルコール、アルキルジオール等のアルコール化合物等も併用することができるが、アルコール化合物を用いる場合には、ポリイソシアネート組成物におけるアロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比が0.1/100/〜4.0/100の範囲となるよう制御することが好ましい。製造時におけるアロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比を上記範囲に制御することで、ポリオール等の樹脂との相溶性と硬化性をより高いレベルで両立させることができる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物に含有される塩素含有化合物は、原料の1,6−ジイソシアナトヘキサンや上記した副原料とともに、重合反応前に混合した後、重合反応させても構わない。
1,6−ジイソシアナトヘキサンや上記した副原料に、重合触媒を添加し、所定の重合度に到達するまで反応を進行させた後、必要に応じて未反応の1,6−ジイソシアナトヘキサンを除去することによってポリイソシアネート組成物を得ることができる。
重合触媒としては、特に限定されないが、ポリイソシアネート組成物のイミノオキサジアジンジオン構造、イソシアヌレート構造、ウレトジオン構造等の構造を制御できるものが好ましい。このような重合触媒の具体例としては、以下のA成分とB成分を、B成分に対するA成分の質量比(A/B)として、5/100〜100/5の割合で含む混合物が好ましい。B成分に対するA成分の質量比(A/B)は、好ましくは15/100〜100/15であり、より好ましくは30/100〜100/30である。
A成分:以下の(1)〜(5)のいずれか1種を少なくとも含む成分。
(1)テトラアルキルアンモニウム(例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等)のヒドロオキシド、及びその有機酸塩(例えば、酢酸、酪酸、デカン酸等の塩)、
(2)ヒドロキシアルキルアンモニウム(例えば、テトラメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等)のヒドロオキシド、及びその有機酸塩(例えば、酢酸、酪酸、デカン酸等の塩)、
(3)酢酸、カプリン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の金属塩(例えば、錫、亜鉛、鉛、ナトリウム、カリウム等)、
(4)ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート、
(5)アミノシリル基含有化合物(例えば、ヘキサメチルジジラサン等)。
B成分:以下の(6)〜(7)のいずれか1種を少なくとも含む成分。
(6)フッ素化合物又はポリフッ化水素化合物(例えば、テトラメチルアンモニウムフルオリド水和物やテトラエチルアンモニウムフルオリド等のテトラアルキルアンモニウムフルオリド等)
(7)下記一般式(i)又は一般式(ii)で表される構造を含む化合物(例えば、3,3,3−トリフルオロカルボン酸;4,4,4,3,3−ペンタフルオロブタン酸;5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンタン酸;3,3−ジフルオロプロパ−2−エン酸等)と、第4級アンモニウムカチオン又は第4級ホスホニウムカチオンとからなる化合物。

5=CR’−C(O)O− ・・・(i)

6−CR’2−C(O)O− ・・・(ii)

(式中、R5及びR6は、それぞれ独立して、炭素数1〜30のパーフルオロアルキル基を表す。R’は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、及びアリール基からなる群より選ばれるいずれか1種を表し、R5、R6、及びR’は、ヘテロ原子を含有してもよい。)
なお、R5及びR6は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。R5及びR6は、飽和パーフルオロアルキル基であってもよいし、不飽和パーフルオロアルキル基であってもよい。
上記したA成分の中では、触媒効率の観点から上記(1)及び(2)が好ましい。上記したB成分の中では、入手容易性の観点から上記(6)が好ましく、安全性の観点から(7)が好ましい。
1,6−ジイソシアナトヘキサンに対する重合触媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは5〜5000質量ppmである。重合触媒の使用量の上限値は、生成物の着色や変色の抑制及び反応制御の観点から、より好ましくは2000質量ppm以下であり、更に好ましくは500質量ppm以下である。重合触媒の使用量の下限値は、反応性の観点から、より好ましくは10質量ppm以上であり、更に好ましくは20質量ppm以上である。
重合反応温度は、特に限定されないが、好ましくは40〜150℃である。重合反応温度の上限値は、生成物の着色や変色の抑制の観点から、より好ましくは120℃以下であり、更に好ましくは110℃以下である。重合反応温度の下限値は、反応速度の観点から、より好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60℃以上である。
重合反応が所望の重合度に達した時点で、重合反応を停止させる。重合反応の停止は、例えば、リン酸、酸性リン酸エステル、硫酸、塩酸、スルホン酸化合物等の酸性化合物を反応液に添加することで、重合反応触媒を中和、熱分解、又は化学分解等により不活性化させることで達成できる。反応停止後、必要に応じて、ろ過を行ってもよい。
反応停止直後の反応液は、通常、未反応のHDIモノマーを含むため、これを薄膜蒸発缶や抽出等によって除去することが好ましい。このような後処理を行うことで、ポリイソシアネート組成物に含有されるHDIモノマー濃度を1質量%以下に制御することが好ましい。HDIモノマー濃度の上限値は、より好ましくは0.7質量%以下であり、更に好ましくは0.5質量%以下であり、より更に好ましくは0.3質量%以下であり、一層好ましくは0.1質量%以下である。HDIモノマー濃度を上記上限値以下とすることで、ポリイソシアネート組成物の毒性を一層低減でき、安全性を向上させることができる。
重合後に塩素含有化合物をポリイソシアネート組成物に別途添加する場合は、上記HDIモノマー除去工程後に、添加することが好ましい。カルバミルクロリド基含有化合物やカルバミルブロミド基含有化合物の添加に関しては、カルバミルクロリド基含有化合物やカルバミルブロミド基含有化合物を直接添加してもよいし、ポリイソシアネート組成物に塩化水素及び/又は臭化水素を添加し、ポリイソシアネート組成物中の一部のイソシアネート基とこれらを反応させることで、カルバミルクロリド基及び/又はカルバミルブロミド基を形成させてもよい。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、塗料組成物の硬化剤等として好適に用いることもできる。すなわち、本実施形態のポリイソシアネート組成物を含有する塗料組成物とすることができる。その塗料組成物の樹脂成分としては、イソシアネート基との反応性を有する活性水素を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましい。活性水素を分子内に2個以上有する化合物としては、例えば、ポリオール、ポリアミン、ポリチオール等が挙げられる。これらの中でも、ポリオールが好ましい。ポリオールの具体例としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール等が挙げられる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物を用いた塗料組成物は、いわゆる溶剤ベースの塗料組成物、水系ベースの塗料組成物のどちらにも適用することができる。
溶剤ベースの塗料組成物とした場合には、活性水素を分子内に2個以上有する化合物を含有する樹脂、あるいはその溶剤希釈物に、必要に応じて他の樹脂、触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を加えたものに、本実施形態のポリイソシアネート組成物を硬化剤として添加し、必要に応じて、更に溶剤を添加して、粘度を調整した後、手攪拌、あるいはマゼラー等の攪拌機器を用いて攪拌することによって、溶剤ベースの塗料組成物を得ることができる。
水系ベースの塗料組成物とした場合には、活性水素を分子内に2個以上有する化合物を含有する樹脂の水分散体、又は水溶物に、必要に応じて他の樹脂、触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を加えたものに、本実施形態のポリイソシアネート組成物を硬化剤として添加し、必要に応じて、水や溶剤を更に添加した後、攪拌機器により強制攪拌することのよって水系ベースの塗料組成物を得ることができる。
ポリエステルポリオールは、例えば、二塩基酸(コハク酸、アジピン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のカルボン酸等)と、多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチルペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、2−メチロールプロパンジオール、エトキシ化トリメチロールプロパン等)とを、縮合反応させることによって得ることができる。二塩基酸及び多価アルコールのそれぞれについては、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
例えば、上記の成分を混合し、約160〜220℃で加熱することによって、縮合反応させて、ポリエステルポリオールを得ることもできる。このような、ポリエステルポリオールとしては、例えば、ε−カプロラクトン等のラクトン類を、多価アルコールによって開環重合させて得られるポリカプロラクトン類等が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及びこれらから得られるポリイソシアネートのいずれかを用いて変性させることもできる。このような変性ポリイソシアネートとしては、脂肪族ジイソシアネートや脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネートを変性させたものが、耐候性及び耐黄変性等の観点から好ましい。
水系ベース塗料として用いる場合には、二塩基酸等のカルボン酸残基を、アミン、アンモニア等の塩基で中和することで、水溶性あるいは水分散性の樹脂とすることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、多価ヒドロキシ化合物の単独又は混合物に、例えば、水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、強塩基性触媒(アルコラート、アルキルアミン等)、複合金属シアン化合物錯体(金属ポルフィリン、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛錯体等)等を使用して、アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド等)の単独又は混合物を、多価ヒドロキシ化合物にランダム又はブロック付加して、得られるポリエーテルポリオール類;ポリアミン化合物(エチレンジアミン類等)にアルキレンオキシドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類;これらポリエーテルポリオール類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類等が挙げられる。
上記多価ヒドロキシ化合物としては、(i)例えば、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価ヒドロキシ化合物(ii)例えば、エリトリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等の糖アルコール系化合物、(iii)例えば、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類、(iv)例えば、トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース等の二糖類、(v)例えば、ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトース等の三糖類、(vi)例えば、スタキオース等の四糖類、等が挙げられる。
アクリルポリオールは、例えば、一分子中に1個以上の活性水素を有する重合性モノマーと、当該重合性モノマーと共重合可能な他のモノマーとを、共重合させることによって得ることができる。
アクリルポリオールは、例えば、活性水素を有するアクリル酸エステル類(アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル等)、又は活性水素を有するメタクリル酸エステル類(メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル等)、グリセリンやトリメチロールプロパン等のトリオールの(メタ)アクリル酸モノエステル等の多価活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエーテルポリオール類(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等)と上記の活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類とのモノエーテル;グリシジル(メタ)アクリレートと一塩基酸(酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸等)との付加物;上記の活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類の活性水素にラクトン類(ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等)を開環重合させることにより得られる付加物からなる群より選ばれる1種以上を必須成分として、必用に応じて(メタ)アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル等)、不飽和カルボン酸類(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等)、不飽和アミド類(アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等)、又は加水分解性シリル基を有するビニルモノマー類(ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロプロピルトリメトキシシラン等)、及びその他の重合性モノマー(スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリルニトリル、フマル酸ジブチル等)からなる群より選ばれる1種以上を、常法により共重合させて得ることができる。
例えば、上記の単量体成分を、公知の過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合し、必要に応じて有機溶剤等で希釈することによって、アクリルポリオールを得ることができる。水系ベースアクリルポリオールを得る場合には、オレフィン性不飽和化合物を溶液重合し、水層に転換する方法や乳化重合等の公知の方法で製造することができる。その場合、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸含有モノマーやスルホン酸含有モノマー等の酸性部分をアミンやアンモニアで中和することによって水溶性、あるいは水分散性を付与することができる。
フッ素ポリオールとは、分子内にフッ素を含むポリオールであり、例えば、特開昭57−341075号公報、特開昭61−215311号公報等で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体等が挙げられる。
上記ポリオールの水酸基価は、特に限定されないが、通常、30〜200mgKOH/gであり、酸価は0〜30mgKOH/gである。水酸基価は、JIS K1557に準拠して測定することができる。
上記の中でも、ポリオールとしては、耐候性、耐薬品性、及び硬度の観点から、アクリルポリオールが好ましく、機械強度及び耐油性の観点から、ポリエステルポリオールが好ましい。
上記した活性水素を分子内に2個以上有する化合物の水酸基に対する、本実施形態のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基の当量比(NCO/OH比)は、好ましくは0.2〜5.0であり、より好ましくは0.4〜3.0であり、更に好ましくは0.5〜2.0である。この当量比が0.2以上であると、一層強靱な塗膜を得ることが可能となる。この当量比が5.0以下であると、塗膜平滑性を一層向上させることができる。
塗料組成物には、必要に応じて完全アルキル型、メチロール型アルキル、イミノ基型アルキル等のメラミン系硬化剤を添加することができる。
上記活性水素を分子内に2個以上有する化合物、本実施形態のポリイソシアネート組成物及び塗料組成物は、いずれも、有機溶剤と混合して使用することができる。有機溶剤としては、水酸基及びイソシアネート基と反応する官能基を有していない方が好ましい。また、ポリイソシアネート組成物と相溶する方が好ましい。このような有機溶剤としては、一般に塗料溶剤として用いられているエステル化合物、エーテル化合物、ケトン化合物、芳香族化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル系の化合物、ポリエチレングリコールジカルボキシレート系の化合物、炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤等が挙げられる。
上記活性水素を分子内に2個以上有する化合物、本実施形態のポリイソシアネート組成物及び塗料組成物は、いずれも、目的及び用途に応じて、本実施形態の効果を損なわない範囲で、触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤等の当該技術分野で使用されている各種添加剤を混合して使用することもできる。
硬化促進用の触媒の具体例としては、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、2−エチルヘキサン酸スズ、2−エチルヘキサン酸亜鉛、コバルト塩、等の金属塩;トリエチルアミン、ピリジン、メチルピリジン、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’−エンドエチレンピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、等の3級アミン類等が挙げられるが、硬化促進効果の観点から、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、2−エチルヘキサン酸スズ等のスズ含有化合物が好ましい。
本実施形態のポリイソシアネート組成物を硬化剤として用いた塗料組成物は、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の塗料として用いることができる。例えば、金属(鋼板、表面処理鋼板等)、プラスチック、木材、フィルム、無機材料等の素材に対するプライマーや上中塗り塗料として有用である。また、防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車塗装等に美粧性、耐候性、耐酸性、防錆性、耐チッピング性等を付与するための塗料としても有用である。また、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、表面処理剤等のウレタン原料としても有用である。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
<粘度>
粘度は、E型粘度計(トキメック社製)を用いて23℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下の通りであった。
100rpm (128mPa・s未満であった場合)
50rpm (128mPa・s以上、256mPa・s未満であった場合)
20rpm (256mPa・s以上、640mPa・s未満であった場合)
10rpm (640mPa・s以上、1280mPa・s未満であった場合)
5rpm (1280mPa・s以上、2560mPa・s未満であった場合)

なお、後述する各実施例及び各比較例で作製したポリイソシアネート組成物の不揮発分を以下に記載の方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定した。そうでなかったものは、薄膜蒸発缶を用いて不揮発分の濃度を98質量%以上にして測定することとした。
<不揮発分>
不揮発分は、ポリイソシアネート組成物を105℃で3時間加熱した上で、下記式に基づき求めた。

不揮発分(質量%)=(105℃、3時間加熱後のポリイソシアネート組成物の質量)/(加熱前のポリイソシアネート組成物の質量)×100
<NCO含有率(NCO%)>
NCO含有率(質量%)は、測定試料中のイソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。なお、後述する実施例及び比較例で作製したポリイソシアネート組成物の不揮発分を上述した方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定した。そうでなかったものは、薄膜蒸発缶を用いて不揮発分の濃度を98質量%以上にして測定することとした。
<数平均分子量>
測定試料の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPCの測定方法は以下の通りであった。
使用機器:HLC−8120(東ソー社製)、
使用カラム:TSK GEL SuperH1000、TSK GEL SuperH2000、TSK GEL SuperH3000(何れも東ソー社製)、
試料濃度:5wt/vol%(試料50mgを1mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた。)、
キャリア:THF、
検出方法:視差屈折計、
流出量0.6mL/分、カラム温度30℃)。
検量線の作成には、分子量1000〜20000のポリスチレンと、1,6−ジイソシアナトヘキサンのイソシアヌレート体(3量体、5量体、7量体)を用いた。なお、後述する各実施例及び各比較例で作製したポリイソシアネート組成物の不揮発分を上述した方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定した。そうでなかったものは、薄膜蒸発缶を用いて不揮発分の濃度を98質量%以上にして測定することとした。
<イソシアヌレート構造、イミノキサジアジンジオン構造、ウレトジオン構造、及びアロファネート構造のモル比>
イミノオキサジアジンジオン構造、イソシアヌレート構造、ウレトジオン構造、アロファネート構造に関する比率は、測定試料の13C−NMR測定を行うことによって求めた。具体的な測定条件は以下の通りであった。
13C−NMR装置:AVANCE600(ブルカー社製)
クライオプローブ(ブルカー社製)
Cryo Probe
CPDUL
600S3−C/H−D−05Z
共鳴周波数:150MHz
濃度:60wt/vol%
シフト基準:CDCl3(77質量ppm)
積算回数:10000回
パルスプログラム:zgpg30(プロトン完全デカップリング法、待ち時間2sec)
以下のシグナルの積分値を、測定している炭素の数で除し、その値から各モル比を求めた。
イミノオキサジアジンジオン構造:145ppm付近:積分値÷1
イソシアヌレート構造:149ppm付近:積分値÷3
ウレトジオン構造:157.5ppm付近:積分値÷2
アロファネート構造:154ppm付近:積分値÷1
<HDIモノマー質量濃度の測定>
まず、20mLサンプル瓶をデジタル天秤に乗せ、試料1gを精秤し加えた。次に、ニトロベンゼン(内部標準液)を0.03〜0.04g精秤し、サンプル瓶に加えた。最後に、酢酸エチル9mLをサンプル瓶に加えて、蓋を閉めた。そして、しっかり撹拌させて測定試料とした。測定試料を、以下の条件でガスクロマトグラフィー分析を行い、HDIモノマー量を定量した。
装置:SHIMADZU社製、「GC−8A」
カラム:信和化工社製、「Silicone OV−17」
カラムオーブン温度:120℃
インジェクション/ディテクター温度:160℃
<ポリイソシアネート組成物中の塩素濃度と臭素濃度の測定>
ポリイソシアネート組成物中の塩素濃度と臭素濃度(質量基準)は、以下の方法によって測定した。まず、燃焼前処理装置のサンプルボードに秤量した試料約0.01〜0.06gを乗せた。その後、サンプルボードを燃焼部に移動させ、自動燃焼装置で燃焼させて、ガス化した成分を吸収液に吸収させた。吸収液をイオンクロマトグラフ装置に注入して目的成分を定量した。使用した燃焼前処理装置、イオンクロマトグラフの詳細を以下に記載する。
燃焼前処理装置:自動燃焼装置 三菱アナリテック社製
型式:AQF−100 GA−100
炉温度:Inlet 900℃ Outlet 1000℃
ガス流量:Ar/O2:400mL/min
2:200mL/min
測定装置 :イオンクロマトグラフ DIONEX社製
型式:ICS−1500
ガードカラム:AG12A
分離カラム:AS12A
サプレッサー:ASRS−300
流量:1.5mL/min
サプレッサー電流:50mA
溶離液:2.7mM Na2CO3
0.3mM NaHCO3
<化合物(a)、化合物(b)の定量方法>
ポリイソシアネート組成物における、3個の1,6−ジイソシアナトヘキサンが重合したイソシアヌレート3量体(化合物(a)、式(a)参照)に対する、2個の1,6−ジイソシアナトヘキサンと1個のICHが重合したイソシアヌレート3量体(化合物(b)、式(b)参照)の存在比率を、以下の方法に準拠して求めた。
具体的には、ポリイソシアネート組成物中の化合物(a)及び化合物(b)の末端イソシアナト基をメタノールで置換し、それを液体クロマトグラフィー−マススペクトル(LC/MS)で分析した。
以下に、サンプルの調製方法及び測定方法を記載する。
(1)サンプルの調製方法
ポリイソシアネート組成物100mgを秤量し、10mg/mLになるようにメタノールを添加した。その後、3日間静置して、存在するイソシアナト基を完全にメタノールと反応させて、メタノール溶液を準備した。
(2)測定方法
上記で得たメタノール溶液について、以下の装置を用いて測定した。
・LC
装置:Agilent 1100series
カラム:Phenomenex,Kinetex 2.6μ XB−C18 100A
(内径2.1mm、長さ50mm)
カラム温度:40℃
検出:205nm
流速:0.35mL/分
移動相:以下、A、B液のグラジェント
A=水(0.05%ギ酸)、B=メタノール
注入量:2μL
・MS
装置:ThermoElectron,LCQ
イオン化:APCI
モード:Positive
スキャンレンジ:m/z250〜2000
化合物(a)のメタノール付加体(下記式(a−1)参照)に対する、化合物(b)のメタノール付加体(下記式(b−1)参照)の定量比を、化合物(a)/化合物(b)の質量比として、算出した。
下記式化合物(a−1)は、リテンションタイム10.1分に、検出イオン(m/z)601で検出された。
下記式化合物(b−1)は、リテンションタイム9.7分に、検出イオン(m/z)562で検出された。
Figure 2015028163
Figure 2015028163
<保存安定性評価>
得られたポリイソシアネート組成物を酢酸n−ブチルで希釈し、60質量%の溶液を作製した。さらに、ポリイソシアネート組成物に対し、1,000質量ppmのジオクチルスズジラウレートを添加し、保存安定性評価溶液を調製した(調製液)。
この調製液をサンプル瓶に入れて、60℃、30日間保存した。保存後の調製液の着色度(ハーゼン色数)を測定し、以下の基準で評価した。ハーゼン色数は、JIS K0071−1に準じて測定した。
<焼付時の耐塗膜黄変性評価>
溶剤系の2液型ウレタン塗料(ポリオール:アクリルポリオール系ウレタン;商品名「マイティラック(白)」、日本ペイント社製)を、厚さ50μmとなるようにアルミ板スプレー塗装した。その後、23℃、50%湿度の条件下で2週間静置した後、1000番のサンドペーパーで表面を研磨し、白板を作製した。
次に、以下の合成例2で得られたアクリルポリオールAc−1とポリイソシアネート組成物P−10〜P−16、C−4〜C−5を、アクリルポリオールのOH基に対するポリイソシアネート組成物のNCO基のモル比(NCO/OH)が1.0となる割合で混合し、「ソルベッソ#100」(商品名、エクソン社製の芳香族系溶剤)を用いて、固形分55質量%となるように調整して、塗料組成物を調製した。スプレーを用いて、上記で作成した白板に、乾燥膜厚で40μmとなるように塗料組成物を塗装した。これを160℃、30分間の条件で焼き付けた後、色度系「SM−T45」(スガ試験機社製)を用いて、ASTM D1925に準拠してイエローインデックス(YI)を測定した。焼付後塗膜のYIが小さい程、耐塗膜黄変性が良好であると判断した。
<重量減少率評価>
示差熱熱重量同時測定装置「TG/DTA6200」(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、ポリイソシアネート組成物を205℃で6時間ホールドした場合の重量減少率を測定した。重量減少率が小さい程、耐熱性に優れていることを示す。
<塗膜の平滑性評価>
以下の合成例2で得られたアクリルポリオールAc−1とポリイソシアネート組成物P−1〜P−20、C−1〜C−5を、アクリルポリオールのOH基に対するポリイソシアネート組成物のNCO基のモル比(NCO/OH)が1.0となる割合で混合し、「ソルベッソ#100」(商品名、エクソン社製の芳香族系溶剤)を用いて、固形分55質量%となるように調整して、塗料組成物を用意した。スプレーを用いて、ABS板(アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂;黒色、150mm×75mm)に、乾燥膜厚で50μmとなるように塗料組成物を塗装した。これを60℃、30分間の条件で焼き付けた後、23℃、湿度50%の条件で1週間静置して、ABS板上に塗膜を形成させた。
塗膜の外観(表面平滑性)は、ABS板の長辺方向に沿って、デジタル・オシロスコープ「Wave Scan DOI」(BYK Gardner社製)を使用して、測定した。「Wave Scan DOI」は、レーザーの点光源がフィルム表面に対する垂線から60°傾いた角度でレーザー光線を照射し、検出器が前記垂線に対して反対の同角度の反射光を受光する配置である。この装置は、レーザーの点光源をフィルム表面の上に移動させてスキャンすることで、反射光の明暗を決められた間隔で一点ずつ測定し、フィルム表面の光学的プロファイルを検出できる。検出された光学プロファイルは、周波数フィルターを通してスペクトル解析して、表面のストラクチャーを解析することができる。その中で、塗膜のWcの値を使用し、評価した。測定値は、3回の測定値の算術平均値とした。Wcは、波長域1.0〜3.0mmにおける上記スペクトル解析により、各塗膜波長における凹凸の程度を表した値であり、小さい値であるほど、表面の凹凸が小さく、平滑性に優れることを示す。
(合成例1;触媒の合成)
窒素置換した500mLナス型フラスコに、室温でテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(10質量%メタノール溶液)(東京化成社製)200g(0.116mol)をいれ、滴下ロートでデカン酸(東京化成社製)12.1gを滴下(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド/デカン酸=1/1.1(モル比))して、室温で30分間攪拌した。その後、10Torr、50℃、30分間の条件でメタノールを留去した。これにn−ブタノール32gを添加し、テトラメチルアンモニウムデカノエートの50質量%ブタノール溶液を得た。そして、このテトラメチルアンモニウムデカノエートの50質量%ブタノール溶液10gに、n−ブタノール40gを更に加えて、テトラメチルアンモニウムデカノエートの10質量%ブタノール溶液を得た。さらに、このテトラメチルアンモニウムデカノエートの10質量%ブタノール溶液10gに、n−ブタノール15gを更に加えて、テトラメチルアンモニウムデカノエートの4質量%ブタノール溶液を得た。
(合成例2;アクリルポリオールの合成)
攪拌器、温度計、及び冷却管を備えた四つ口フラスコに、「ソルベッソ#150」(エクソン化学社製の芳香族系溶剤)120.0gとキシレン60.0gを仕込み、内部を窒素置換した後、120℃に昇温させた。その後、(メタ)アクリル系モノマー(メチルメタクリレート128.8g、n−ブチルアクリレート84.8g、シクロヘキシルメタクリレート80.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート74.4g、スチレン32.0g)とベンゾイルパーオキサイド8.0gを2時間かけて滴下し、攪拌反応させた。滴下終了後、さらに120℃で4時間反応を続け、アクリルポリオールAc−1を得た。
得られたアクリルポリオールAc−1は、不揮発分70質量%、水酸基価80mgKOH/g(樹脂分に対して、仕込み比からの計算値、JIS K1557)、ガラス転移温度(Tg)40℃、数平均分子量1700であった。なお、ガラス転移温度は、JIS K7121に準じて測定した。
(実施例1)
HDI 1000gを80℃で加熱し、テトラエチルアンモニウムフルオリド水和物(東京化成社製、CAS番号665−46−3)の10質量%n−ブタノール溶液1.5g(0.77mmol)と合成例1で作製したテトラメチルアンモニウムデカノエートの10質量%n−ブタノール溶液0.5g(0.20mmol相当)を添加し、反応液中のNCO含有率が39.3質量%になったところで、リン酸ジ−n−ブチルエステル0.73g(3.5mmol)を添加して反応を停止させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.3質量%、HDIモノマー質量濃度0.16質量%のポリイソシアネート組成物p−aを得た。
その後、上記で得られたポリイソシアネート組成物p−aを攪拌しながら、HDIに対して3質量ppmの塩化水素(HCl)と2質量ppmの臭化水素(HBr)を滴下した。滴下終了後、さらに室温で30分間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−1を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−1の各種物性を測定したところ、不揮発分99.3質量%、粘度2700mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量656、HDIモノマー質量濃度0.16質量%であった。
さらに、得られたポリイソシアネート組成物P−1の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/14/1.0/2.8であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、14/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、1.0/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、2.8/100であった。得られたポリイソシアネート組成物P−1の塩素成分量と臭素成分量を測定したところ、塩素成分量が2質量ppmであり、臭素成分量が2質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物P−1の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例2)
HDI 1000gを80℃で加熱し、テトラエチルアンモニウムフルオリド水和物(東京化成社製)の50質量%n−ブタノール溶液0.20g(0.51mmol)と合成例1で作製したテトラメチルアンモニウムデカノエートの50質量%n−ブタノール溶液0.10g(0.20mmol相当)を添加し、反応液のNCO含有率が39.3質量%になったところで、リン酸ジ−n−ブチルエステル0.46g(2.2mmol)を添加して反応を停止させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.4質量%、HDIモノマー質量濃度0.15質量%のポリイソシアネート組成物p−bを得た。
その後、上記で得られたポリイソシアネート組成物p−bを攪拌しながら、HDIに対して14質量ppmの塩化水素(HCl)と6質量ppmの臭化水素(HBr)を滴下した。滴下終了後、さらに30分間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−2を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−2の各種物性を測定したところ、不揮発分99.4質量%、粘度2700mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量660、HDIモノマー質量濃度0.15質量%であった。
さらに、得られたポリイソシアネート組成物P−2の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/11/0.9/0.2であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、11/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、0.9/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、0.2/100であった。ポリイソシアネート組成物P−2の塩素成分量と臭素成分量を測定したところ、塩素成分量が13質量ppmであり、臭素成分量が6質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物P−2の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例3)
HDI 1000gを60℃で加熱し、テトラエチルアンモニウムフルオリド水和物(東京化成社製)の50質量%n−ブタノール溶液0.30g(0.77mmol相当)と合成例1で作製したテトラメチルアンモニウムデカノエートの50質量%n−ブタノール溶液(触媒濃度50質量%)0.15g(0.31mmol相当)を添加し、反応液のNCO含有率が39.2質量%になったところで、リン酸85質量%水溶液1.25g(10.8mmol)を添加して反応を停止させた。次いで、90℃に昇温し、1時間攪拌した。その後、40℃に冷却後、発生した触媒残渣を孔径1μmのメンブランフィルターで減圧ろ過した。薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.4質量%、HDIモノマー質量濃度0.14質量%のポリイソシアネート組成物p−cを得た。
その後、上記で得られたポリイソシアネート組成物p−cを攪拌しながら、HDIに対して40質量ppmの塩化水素(HCl)と54質量ppmの1−イソシアネート−6−クロロヘキサン(ICH)と15質量ppmの臭化水素(HBr)を滴下した。滴下終了後、さらに30分間攪拌した後、ポリイソシアネート組成物P−3を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−3の各種物性を測定したところ、不揮発分99.4質量%、粘度2800mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量664、HDIモノマー質量濃度0.14質量%であった。
さらに、得られたポリイソシアネート組成物p−3の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/7.0/0.4/0.7であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、7.0/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、0.4/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、0.7/100であった。ポリイソシアネート組成物P−3の塩素成分量と臭素成分量を測定したところ、塩素成分量が52質量ppmであり、臭素成分量が13質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物P−3の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例4)
実施例1で得られたポリイソシアネート組成物p−a200gを攪拌しながら、HDIに対して43質量ppmの塩化水素(HCl)と16質量ppmの臭化水素(HBr)を滴下しながら添加し、添加終了後、室温で30分間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−4を得た。その後、得られたポリイソシアネート組成物P−4の各種物性測定、構造解析を実施した。最後に、塩素成分量と臭素成分量を測定したところ、塩素成分量が40質量ppmであり、臭素成分量が15質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物P−4の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例5)
実施例1で得られたポリイソシアネート組成物p−a200gを攪拌しながら、HDIに対して85質量ppmの塩化水素(HCl)と27質量ppmの臭化水素(HBr)を滴下しながら添加し、添加終了後、室温で30分間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−5を得た。その後、得られたポリイソシアネート組成物P−5の各種物性測定及び構造解析を実施した。ポリイソシアネート組成物P−5の塩素成分量と臭素成分量を測定したところ、塩素成分量が80質量ppmであり、臭素成分量が26質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物P−5の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例6)
実施例1で得られたポリイソシアネート組成物p−a200gを攪拌しながら、HDIに対して25質量ppmの塩化水素(HCl)と11質量ppmの1,6−ジクロロヘキサン(DCH)、9質量ppmの臭化水素(HBr)を滴下しながら添加し、添加終了後、室温で30分間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−6を得た。その後、得られたポリイソシアネート組成物P−6の各種物性測定及び構造解析を実施した。ポリイソシアネート組成物P−6の塩素成分量と臭素成分量を測定したところ、塩素成分量が30質量ppmであり、臭素成分量が8質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物P−6の製造条件及び物性の結果を下記表に示す。
(実施例7)
HDI 1000gを80℃で加熱した。合成例1で作製したテトラメチルアンモニウムデカノエートの10質量%n−ブタノール溶液を、n−ブタノールで更に希釈して4.0質量%n−ブタノール溶液とした。これを2.0g(0.32mmol相当)添加し、反応液のNCO含有率が39.3質量%になったところで、リン酸ジ−n−ブチルエステル0.73g(3.5mmol)を添加して反応を停止させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.5質量%、HDIモノマー質量濃度0.12質量%のポリイソシアネート組成物p−gを得た。
その後、上記で得られたポリイソシアネート組成物p−gを攪拌しながら、HDIに対して42質量ppmの塩化水素(HCl)と15質量ppmの臭化水素(HBr)を滴下した。滴下終了後、さらに30分間攪拌した後、ポリイソシアネート組成物P−7を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−7の各種物性を測定したところ、不揮発分99.5質量%、粘度2700mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量655、HDIモノマー質量濃度0.12質量%であった。
さらに、ポリイソシアネート組成物p−7の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/3.0/1.0/2.8であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、3.0/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、1.0/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、2.8/100であった。
ポリイソシアネート組成物P−7の塩素成分量と臭素成分量を測定したところ、塩素成分量が39質量ppmであり、臭素成分量が14質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物P−7の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例8)
HDI 1000gを80℃で加熱し、テトラエチルアンモニウムフルオリド水和物(東京化成社製)の10質量%n−ブタノール溶液1.9g(1.0mmol相当)を添加し、反応液のNCO含有率が39.2質量%になったところで、リン酸ジ−n−ブチルエステル1.05g(5.0mmol)を添加して反応を停止させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.3質量%、HDIモノマー質量濃度0.18質量%のポリイソシアネート組成物p−hを得た。
その後、上記で得られたポリイソシアネート組成物p−hを攪拌しながら、HDIに対して43質量ppmの塩化水素(HCl)と、15質量ppmの臭化水素(HBr)を滴下した。滴下終了後、さらに30分間攪拌した後、ポリイソシアネート組成物P−8を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−8の各種物性を測定したところ、不揮発分99.3質量%、粘度2500mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量660、HDIモノマー質量濃度0.18質量%であった。
さらに、得られたポリイソシアネート組成物p−8の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/30/1.0/2.7であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、30/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、1.0/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、2.7/100であった。ポリイソシアネート組成物P−8の塩素成分量と臭素成分量を測定したところ、塩素成分量が40質量ppmであり、臭素成分量が14質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物P−8の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例9)
実施例1で得られたポリイソシアネート組成物p−a200gを攪拌しながら、HDIに対して43質量ppmの塩化水素(HCl)を滴下した。滴下終了後、室温で30分間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−9を得た。その後、得られたポリイソシアネート組成物P−9の各種物性測定及び構造解析を実施した。
ポリイソシアネート組成物P−9の塩素成分量と臭素成分量を測定したところ、塩素成分量が40質量ppmであり、臭素成分量が1質量ppm未満であった。ポリイソシアネート組成物P−7の製造条件及び物性の結果を下記表に示す。
(比較例1)
実施例1で得られたポリイソシアネート組成物p−aを30分間攪拌し、ポリイソシアネート組成物C−1を得た。その後、得られたポリイソシアネート組成物C−1の各種物性測定及び構造解析を実施した。ポリイソシアネート組成物C−1の塩素成分量と臭素成分量を測定したところ、それぞれ、1質量ppm未満であった。ポリイソシアネート組成物C−1の製造条件及び物性を下記表に示す。
(比較例2)
実施例1で得られたポリイソシアネート組成物p−a200gを攪拌しながら、HDIに対して124質量ppmの塩化水素(HCl)と23質量ppmの臭化水素(HBr)を滴下した。滴下終了後、室温で30分間攪拌し、ポリイソシアネート組成物C−2を得た。その後、得られたポリイソシアネート組成物C−2の各種物性測定及び構造解析を実施した。ポリイソシアネート組成物C−2の塩素成分量と臭素成分量を測定したところ、塩素成分量が120質量ppmであり、臭素成分量が20質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物C−2の製造条件及び物性を下記表に示す。
(比較例3)
実施例1で得られたポリイソシアネート組成物p−a200gを攪拌しながら、HDIに対して43質量ppmの臭化水素(HBr)を滴下した。滴下終了後、室温で30分間攪拌し、ポリイソシアネート組成物C−3を得た。その後、得られたポリイソシアネート組成物C−3の各種物性測定及び構造解析を実施した。ポリイソシアネート組成物C−3の塩素成分量と臭素成分量を測定したところ、塩素成分量が1質量ppm未満であり、臭素成分量が39質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物C−3の製造条件及び物性を下記表に示す。
Figure 2015028163
HCl:塩化水素、ICH:1−イソシアネート−6−クロロヘキサン、DCH:1,6−ジクロロヘキサン、HBr:臭化水素、HDI:1,6−ジイソシアナトヘキサン
Figure 2015028163
(実施例10)
純度98.8質量%のHDI 1000gに、0.01g(HDIに対して10質量ppmに相当)の1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)を添加し、これらを80℃で加熱し、テトラエチルアンモニウムフルオリド水和物(東京化成社製、CAS番号665−46−3)の10質量%n−ブタノール溶液1.5g(0.77mmol)と合成例1で作製したテトラメチルアンモニウムデカノエートの10質量%n−ブタノール溶液0.5g(0.20mmol相当)を添加し、反応液中のNCO含有率が39.3質量%になったところで、リン酸ジ−n−ブチルエステルを0.73g(3.5mmol)添加して反応を停止させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.3質量%、粘度2700mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量656、HDIモノマー質量濃度0.16質量%のポリイソシアネート組成物P−10を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−10の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/14/1.0/2.8であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、14/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、1.0/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、2.8/100であった。また、ポリイソシアネート組成物P−10の塩素成分量を測定したところ、1質量ppmであった。また、化合物(b)/化合物(a)の質量比は6×10-6であった。ポリイソシアネート組成物P−10の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例11)
純度98.8質量%のHDI 1000gに、0.06g(HDIに対して60質量ppmに相当)の1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)を添加し、これらを80℃で加熱し、テトラエチルアンモニウムフルオリド水和物(東京化成社製)の50質量%n−ブタノール溶液0.20g(0.51mmol)と合成例1で作製したテトラメチルアンモニウムデカノエートの50質量%n−ブタノール溶液0.10g(0.20mmol相当)を添加し、反応液のNCO含有率が39.3質量%になったところで、リン酸ジ−n−ブチルエステルを0.46g(2.2mmol)添加して反応を停止させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.4質量%、粘度2700mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量660、HDIモノマー質量濃度0.15質量%のポリイソシアネート組成物P−11を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−11の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/11/0.9/0.2であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、11/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、0.9/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、0.2/100であった。ポリイソシアネート組成物P−11の塩素成分量を測定したところ、7質量ppmであった。また、(b)/(a)の質量比は35×10-6であった。ポリイソシアネート組成物P−11の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例12)
純度98.8質量%のHDI 1000gに、0.03g(HDIに対して30質量ppmに相当)の1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)を添加し、これらを60℃で加熱し、テトラエチルアンモニウムフルオリド水和物(東京化成社製)の50質量%n−ブタノール溶液0.30g(0.77mmol相当)と合成例1で作製したテトラメチルアンモニウムデカノエートの50質量%n−ブタノール溶液(触媒濃度50質量%)0.15g(0.31mmol相当)を添加し、反応液のNCO含有率が39.2質量%になったところで、リン酸85質量%水溶液を1.25g(10.8mmol)添加して反応を停止させた。次いで、90℃に昇温させて、1時間攪拌した。その後、40℃に冷却後、発生した触媒残渣を孔径1μmのメンブランフィルターで減圧ろ過した。薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.4質量%、粘度2800mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量664、HDIモノマー質量濃度0.14質量%のポリイソシアネート組成物P−12を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−12の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/7.0/0.4/0.7であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、7.0/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、0.4/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、0.7/100であった。また、ポリイソシアネート組成物P−12の塩素成分量を測定したところ、3質量ppmであった。また、化合物(b)/化合物(a)の質量比は17×10-6であった。ポリイソシアネート組成物P−12の製造条件及び物性の結果を下記表に示す。
(実施例13)
純度99.3質量%のHDI 1000gに対して初期に添加した1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)の量を0.16g(HDIに対して160質量ppmに相当)に代えた点以外は、実施例10と同様にしてポリイソシアネート組成物P−13を得た。得られたポリイソシアネート組成物P−13の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例14)
純度98.8質量%のHDI 1000gに対して初期に添加した1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)の量を0.09g(HDIに対して90質量ppmに相当)に代えた点以外は、実施例10と同様にしてポリイソシアネート組成物P−14を得た。得られたポリイソシアネート組成物P−14の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例15)
純度98.8質量%のHDI 1000gに、0.06g(HDIに対して60質量ppmに相当)の1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)を添加し、これらを80℃で加熱した。合成例1で作製したテトラメチルアンモニウムデカノエートの10質量%n−ブタノール溶液を、n−ブタノールで更に希釈して4.0質量%n−ブタノール溶液とした。これを2.0g(0.32mmol相当)添加し、反応液のNCO含有率が39.3質量%になったところで、リン酸ジ−n−ブチルエステルを0.73g(3.5mmol)添加して反応を停止させた。薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.5質量%、粘度2700mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量655、HDIモノマー質量濃度0.12質量%のポリイソシアネート組成物P−15を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−15の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/3.0/1.0/2.8であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、3.0/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、1.0/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、2.8/100であった。また、ポリイソシアネート組成物P−15の塩素成分量を測定したところ、7質量ppmであった。また、化合物(b)/化合物(a)の質量比は35×10-6であった。ポリイソシアネート組成物P−15の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例16)
純度98.8質量%のHDI 1000gに、0.06g(HDIに対して60質量ppmに相当)の1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)を添加し、これらを80℃で加熱し、テトラエチルアンモニウムフルオリド水和物(東京化成社製)の10質量%n−ブタノール溶液1.9g(1.0mmol相当)を添加し、反応液のNCO含有率が39.2質量%になったところで、リン酸ジ−n−ブチルエステルを1.05g(5.0mmol)添加して反応を停止させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.3質量%、粘度2500mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量660、HDIモノマー質量濃度0.18質量%のポリイソシアネート組成物P−16を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−16の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/30/1.0/2.7であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、30/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、1.0/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、2.7/100であった。また、ポリイソシアネート組成物P−16の塩素成分量を測定したところ、7質量ppmであった。また、化合物(b)/化合物(a)の質量比は36×10-6であった。ポリイソシアネート組成物P−16の製造条件及び物性を下記表に示す。
(比較例4)
純度98.8質量%のHDI 1000gに、1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)を添加しなかった点以外は、実施例10と同様にして,ポリイソシアネート組成物C−4を得た。得られたポリイソシアネート組成物C−4の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例17)
純度98.8質量%のHDI 1000gに、初期に添加した1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)の量を0.25g(HDIに対して250質量ppmに相当)に変更した点以外は、実施例10と同様にしてポリイソシアネート組成物P−17を得た。得られたポリイソシアネート組成物P−17の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例18)
比較例4で得られたポリイソシアネート組成物C−4に、1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)を更に添加してポリイソシアネート組成物P−18を得た。ICHの添加量は、HDIに対して50質量ppmであった。得られたポリイソシアネート組成物P−18の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例19)
純度98.8質量%のHDI 1000gに、初期に添加したICHの代わりに、塩化水素(HCl)を0.01g(HDIに対して10質量ppmに相当)添加した点以外は、実施例10と同様にして、ポリイソシアネート組成物P−19を得た。得られたポリイソシアネート組成物P−19の製造条件及び物性を下記表に示す。
(実施例20)
比較例4で得られたポリイソシアネート組成物C−4に、塩化水素(HCl)を添加してポリイソシアネート組成物P−20を得た。HClの添加量は、HDI 1000gに対して0.01g(HDIに対して10質量ppmに相当)であった。得られたポリイソシアネート組成物P−20の製造条件及び物性を下記表に示す。
(比較例5)
純度98.8質量%のHDI 1000gに対して初期に添加したICHの代わりに、1,6−ジクロロヘキサン(DCH)を0.10g(HDIに対して100質量ppmに相当)添加した点以外は、実施例10と同様にしてポリイソシアネート組成物C−5を得た。得られたポリイソシアネート組成物C−5の製造条件及び物性を下記表に示す。
Figure 2015028163
Figure 2015028163
本発明のポリイソシアネート組成物は、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の塗料として利用することができる。また、鋼板、表面処理鋼板等の金属、及びプラスチック、木材、フィルム、無機材料等の素材へのプライマーや上中塗り塗料として用いることができる。さらには、防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車塗装等に耐熱性、美粧性(表面平滑性、鮮鋭性)等を付与する塗料としても有用である。またさらに、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、表面処理剤等のウレタン原料としても有用である。更には、水系塗料の硬化剤に用いた場合、VOC成分(volatile organic compound)を減らすことも可能となるため、水系のプラスチック用塗料、水系の自動車塗料の原料等としても幅広い分野において利用できる。

Claims (6)

  1. 少なくとも1,6−ジイソシアナトヘキサンを用いて得られるポリイソシアネート組成物であって、
    塩素含有化合物を、塩素成分として1〜100質量ppm含有する、ポリイソシアネート組成物。
  2. 下記式(a)で表される化合物(a)と、下記式(b)で表される化合物(b)と、を含有する、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
    Figure 2015028163
    Figure 2015028163
  3. 前記化合物(b)/前記化合物(a)の質量比が、5×10-6〜100×10-6である、請求項2に記載のポリイソシアネート組成物。
  4. 臭素含有化合物を、臭素成分として1〜100質量ppmを更に含有する、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
  5. 前記ポリイソシアネート組成物は、イミノオキサジアジンジオン構造とイソシアヌレート構造とを含有し、
    13C−NMRにより測定された、前記イミノオキサジアジンジオン構造/前記イソシアヌレート構造のモル比が、6.0/100〜20/100である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
  6. 前記ポリイソシアネート組成物は、ウレトジオン構造とイソシアヌレート構造とを含有し、
    13C−NMRにより測定された、前記ウレトジオン構造/前記イソシアヌレート構造のモル比が、0.1/100〜5.0/100である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
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