JP6184773B2 - ポリイソシアネート組成物 - Google Patents
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Description
〔1〕
1−イソシアナト−6−クロロヘキサンを1〜200質量ppm含有する純度97.0質量%以上である1,6−ジイソシアナトヘキサンを、少なくとも用いて得られる、ポリイソシアネート組成物。
〔2〕
前記ポリイソシアネート組成物は、イミノオキサジアジンジオン構造とイソシアヌレート構造とを含有し、
13C−NMRにより測定された、前記イミノオキサジアジンジオン構造/前記イソシアヌレート構造のモル比が、6.0/100〜20/100である、〔1〕に記載のポリイソシアネート組成物。
〔3〕
前記ポリイソシアネート組成物は、ウレトジオン構造とイソシアヌレート構造とを含有し、
13C−NMRにより測定された、前記ウレトジオン構造/前記イソシアヌレート構造のモル比が、0.1/100〜5.0/100である、〔1〕又は〔2〕に記載のポリイソシアネート組成物。
不揮発分(質量%)=(105℃、3時間加熱後のポリイソシアネート組成物の質量)/(加熱前のポリイソシアネート組成物の質量)×100
本実施形態のポリイソシアネート組成物の原料は、少なくとも1,6−ジイソシアナトヘキサンを用いる。さらに、副原料として、アルキルモノアルコール、アルキルジオール等のアルコール化合物等も併用することができる。アルコール化合物を用いる場合には、ポリイソシアネート組成物におけるアロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比が0.1/100/〜4.0/100の範囲となるよう制御することが好ましい。アルファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比を上記範囲に制御することで、ポリオール等の樹脂との相溶性と硬化性を一層高いレベルで両立させることができる。すなわち、好適な方法により得られるポリイソシアネート組成物の一例としては、副原料(アルコール化合物等)の存在下で、少なくとも上記した1,6−ジイソシアナトヘキサンを重合反応させることで得られるポリイソシアネート組成物が挙げられる。
(1)テトラアルキルアンモニウム(例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等)のヒドロオキシド、及びその有機酸塩(例えば、酢酸、酪酸、デカン酸等の塩)、
(2)ヒドロキシアルキルアンモニウム(例えば、テトラメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等)のヒドロオキシド、及びその有機酸塩(例えば、酢酸、酪酸、デカン酸等の塩)、
(3)酢酸、カプリン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の金属塩(例えば、錫、亜鉛、鉛、ナトリウム、カリウム等)、
(4)ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート、
(5)アミノシリル基含有化合物(例えば、ヘキサメチルジジラサン等)。
(6)
フッ素化合物又はポリフッ化水素化合物(例えば、テトラメチルアンモニウムフルオリド水和物やテトラエチルアンモニウムフルオリド等のテトラアルキルアンモニウムフルオリド等)
(7)下記一般式(a)又は一般式(b)で表される構造を含む化合物(例えば、3,3,3−トリフルオロカルボン酸;4,4,4,3,3−ペンタフルオロブタン酸;5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンタン酸;3,3−ジフルオロプロパ−2−エン酸等)と、第4級アンモニウムカチオン又は第4級ホスホニウムカチオンとからなる化合物。
R1=CR’−C(O)O− ・・・(a)
R2−CR’2−C(O)O− ・・・(b)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜30のパーフルオロアルキル基を表す。R’は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、及びアリール基からなる群より選ばれるいずれか1種を表し、R1、R2、及びR’は、ヘテロ原子を含有してもよい。)
なお、R1及びR2は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。R1及びR2は、飽和パーフルオロアルキル基であってもよいし、不飽和パーフルオロアルキル基であってもよい。
HDIモノマーの純度分析は、GC−2014(SIMADZU社製)を用いたガスクロマトグラフィー(GC)による面積比で算出した。
サンプルは、秤量し、アセトンで10質量%溶液に希釈し、以下のGC条件で、測定した。
キャリアーガス:ヘリウムガス
カラム:DB−5(内径0.25mm、長さ30m、膜厚1.0μm)
オーブン条件:昇温速度10℃/分で、50℃から320℃に昇温し、320℃で3分間保持した。
注入口温度:320℃、インターフェイス温度:320℃
注入量:1.0μm、スプリット比:1/10
上記測定条件における1,6−イソシアナトヘキサンのリテンションタイムは15.0分であった。
また、上記測定条件において、リテンションタイム10.0分以前の成分は、溶剤成分と判断し、純度算出時には、その成分を除いて、算出を実施した。
粘度は、E型粘度計(トキメック社製)を用いて23℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下の通りであった。
100rpm (128mPa・s未満であった場合)
50rpm (128mPa・s以上256mPa・s未満であった場合)
20rpm (256mPa・s以上640mPa・s未満であった場合)
10rpm (640mPa・s以上1280mPa・s未満であった場合)
5rpm (1280mPa・s以上2560mPa・s未満であった場合)
なお、後述する各実施例及び各比較例で作製したポリイソシアネート組成物の不揮発分を以下に記載の方法によって調べ、その値が98.0質量%以上であったものは、そのまま測定した。そうでなかったものは、薄膜蒸発缶を用いて不揮発分の濃度を98質量%以上にして測定することとした。
不揮発分は、ポリイソシアネート組成物を105℃で3時間加熱した上で、下記式に基づき求めた。
不揮発分(質量%)=(105℃、3時間加熱後のポリイソシアネート組成物の質量)/(加熱前のポリイソシアネート組成物の質量)×100
NCO含有率(質量%)は、測定試料中のイソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。なお、後述する実施例及び比較例で作製したポリイソシアネート組成物の不揮発分を上述した方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定した。そうでなかったものは、薄膜蒸発缶を用いて不揮発分の濃度を98質量%以上にして測定することとした。
測定試料の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPCの測定方法は以下の通りであった。
使用機器:HLC−8120(東ソー社製)、
使用カラム:TSK GEL SuperH1000、TSK GEL SuperH2000、TSK GEL SuperH3000(何れも東ソー社製)、
試料濃度:5wt/vol%(試料50mgを1mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた)、
キャリア:THF、
検出方法:視差屈折計、
流出量0.6mL/分、カラム温度30℃)。
検量線の作成には、分子量1000〜20000のポリスチレンと、1,6−ジイソシアナトヘキサンのイソシアヌレート体(3量体、5量体、7量体)を用いた。なお、後述する各実施例及び各比較例で作製したポリイソシアネート組成物の不揮発分を上述した方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定した。そうでなかったものは、薄膜蒸発缶を用いて不揮発分の濃度を98質量%以上にして測定することとした。
イミノオキサジアジンジオン構造、イソシアヌレート構造、ウレトジオン構造、アロファネート構造に関する比率は、測定試料の13C−NMR測定を行うことによって求めた。具体的な測定条件は以下の通りであった。
13C−NMR装置:AVANCE600(ブルカー社製)
クライオプローブ(ブルカー社製)
Cryo Probe
CPDUL
600S3−C/H−D−05Z
共鳴周波数:150MHz
濃度:60wt/vol%
シフト基準:CDCl3(77質量ppm)
積算回数:10000回
パルスプログラム:zgpg30(プロトン完全デカップリング法、待ち時間2sec)
以下のシグナルの積分値を、測定している炭素の数で除し、その値から各モル比を求めた。
イミノオキサジアジンジオン構造:145ppm付近:積分値÷1
イソシアヌレート構造:149ppm付近:積分値÷3
ウレトジオン構造:157.5ppm付近:積分値÷2
アロファネート構造:154ppm付近:積分値÷1
まず、20mLサンプル瓶をデジタル天秤に乗せ、試料を1g精秤し加えた。次に、ニトロベンゼン(内部標準液)を0.03〜0.04g精秤し、サンプル瓶に加えた。最後に、酢酸エチル9mLをサンプル瓶に加えて、蓋を閉めた。そして、しっかり撹拌させて測定試料とした。測定試料を、以下の条件でガスクロマトグラフィー分析を行い、HDIモノマー量を定量した。
装置:SHIMADZU社製、「GC−8A」
カラム:信和化工社製、「Silicone OV−17」
カラムオーブン温度:120℃
インジェクション/ディテクター温度:160℃
ポリイソシアネート組成物中の塩素濃度、臭素濃度(質量基準)は、以下の方法によって測定した。まず、燃焼前処理装置のサンプルボードに秤量した試料約0.01〜0.06gを乗せた。その後、サンプルボードを燃焼部に移動し、自動燃焼装置で、燃焼させ、ガス化した成分を吸収液に吸収させた。さらに、吸収液をイオンクロマトグラフ装置に注入し目的成分を定量した。使用した燃焼前処理装置、イオンクロマトグラフの詳細を以下に記載する。
燃焼前処理装置:自動燃焼装置 三菱アナリティカル社製
型式:AQF−100 GA−100
炉温度:Inlet 900℃ Outlet 1000℃
ガス流量:Ar/O2:400mL/min
O2:200mL/min
測定装置 :イオンクロマトグラフ DIONEX社製
型式:ICS−1500
ガードカラム:AG12A
分離カラム:AS12A
サプレッサー:ASRS−300
流量:1.5mL/min
サプレッサー電流:50mA
溶離液:2.7mM Na2CO3
0.3mM NaHCO3
ポリイソシアネート組成物における、3個の1,6−イソシアナトヘキサンが重合したイソシアヌレート3量体(化合物αという。)に対する、2個の1,6−イソシアナトヘキサンと1個のICHが重合したイソシアヌレート3量体(化合物βという。)の存在比率を以下の方法に準拠して求めた(ポリイソシアネート組成物中のICH導入化合物の定量)。
具体的には、ポリイソシアネート組成物中の化合物α及び化合物βの末端イソシアナト基をメタノールで置換し、それを液体クロマトグラフィー−マススペクトル(LC/MS)で分析した。
以下に、サンプルの調製方法、測定方法を記載する。
(1)サンプルの調製方法
ポリイソシアネート組成物100mgを秤量し、10mg/mLになるようにメタノールを添加した。その後、3日間静置して、存在するイソシアナト基を完全にメタノールと反応させて、メタノール溶液を準備した。
(2)測定方法
上記で得たメタノール溶液について、以下の装置を用いて測定した。
・LC
装置:Agilent 1100series
カラム:Phenomenex,Kinetex 2.6μ XB−C18 100A
(内径2.1mm、長さ50mm)
カラム温度:40℃
検出:205nm
流速:0.35mL/分
移動相:以下、A、B液のグラジェント
A=水(0.05%ギ酸)、B=メタノール
注入量:2μL
・MS
装置:ThermoElectron,LCQ
イオン化:APCI
モード:Positive
スキャンレンジ:m/z250〜2000
化合物αのメタノール付加体は、リテンションタイム10.1分に、検出イオン(m/z)601で検出された。
化合物βのメタノール付加体は、リテンションタイム9.7分に、検出イオン(m/z)562で検出された。
溶剤系の2液型ウレタン塗料(ポリオール:アクリルポリオール系ウレタン;商品名「マイティラック(白)」、日本ペイント社製)を、厚さ50μmとなるようにアルミ板スプレー塗装した。その後、23℃、50%湿度の条件下で2週間静置した後、1000番のサンドペーパーで表面を研磨し、白板を作製した。
次に、以下の合成例2で得られたアクリルポリオールAc−1とポリイソシアネート組成物P−1〜P−6、C−1〜C−6を、アクリルポリオールのOH基に対するポリイソシアネート組成物のNCO基のモル比(NCO/OH)が1.0となる割合で混合し、「ソルベッソ#100」(商品名、エクソン社製の芳香族系溶剤)を用いて、固形分55質量%となるように調整して、塗料組成物を調製した。スプレーを用いて、上記で作成した白板に、乾燥膜厚で40μmとなるように塗料組成物を塗装した。これを160℃、30分間の条件で焼き付けた後、色度系「SM−T45」(スガ試験機社製)を用いて、ASTM D1925に準拠してイエローインデックス(YI)を測定した。焼付後塗膜のYIが小さい程、耐塗膜黄変性が良好であると判断した。
示差熱熱重量同時測定装置「TG/DTA6200」(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、ポリイソシアネート組成物を205℃で6時間ホールドした場合の重量減少率を測定した。重量減少率が小さい程、耐熱性に優れていることを示す。
以下の合成例2で得られたアクリルポリオールAc−1とポリイソシアネート組成物P−1〜P−6、C−1〜C−2を、アクリルポリオールのOH基に対するポリイソシアネート組成物のNCO基のモル比(NCO/OH)が1.0となる割合で混合し、「ソルベッソ#100」(商品名、エクソン社製の芳香族系溶剤)を用いて、固形分55質量%となるように調整して、塗料組成物を用意した。スプレーを用いて、ABS板(アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂;黒色、150mm×75mm)に、乾燥膜厚で50μmとなるように塗料組成物を塗装した。これを60℃、30分間の条件で焼き付けた後、23℃、湿度50%の条件で1週間静置して、ABS板上に塗膜を形成させた。
塗膜の外観(鮮鋭性と表面平滑性)は、ABS板の長辺方向に沿って、デジタル・オシロスコープ「Wave Scan DOI」(BYK Gardner社製)を使用して、測定した。「Wave Scan DOI」は、レーザーの点光源がフィルム表面に対する垂線から60°傾いた角度でレーザー光線を照射し、検出器が前記垂線に対して反対の同角度の反射光を受光する配置である。この装置は、レーザーの点光源をフィルム表面の上に移動させてスキャンすることで、反射光の明暗を決められた間隔で一点ずつ測定し、フィルム表面の光学的プロファイルを検出できる。検出された光学プロファイルは、周波数フィルターを通してスペクトル解析して、表面のストラクチャーを解析することができる。その中で、塗膜のWc域(波長1.0〜3.0mm)の値を使用し、評価した。測定値は、3回の測定値の算術平均値とした。Wcは塗膜の平滑性の指標となるものであり、値が小さい程、平滑性に優れると判断した。
窒素置換した500mLナス型フラスコに、室温でテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(10質量%メタノール溶液)(東京化成社製)200g(0.116mol)をいれ、滴下ロートでデカン酸(東京化成社製)12.1gを滴下(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド/デカン酸=1/1.1(モル比))して、室温で30分間攪拌した。その後、10Torr、50℃、30分間の条件でメタノールを留去した。これにn−ブタノール32gを添加し、テトラメチルアンモニウムデカノエートの50質量%ブタノール溶液を得た。そして、このテトラメチルアンモニウムデカノエートの50質量%ブタノール溶液10gに、n−ブタノール40gを更に加えて、テトラメチルアンモニウムデカノエートの10質量%ブタノール溶液を得た。さらに、このテトラメチルアンモニウムデカノエートの10質量%ブタノール溶液10gに、n−ブタノール15gを更に加えて、テトラメチルアンモニウムデカノエート4質量%ブタノール溶液を得た。
攪拌器、温度計、及び冷却管を備えた四つ口フラスコに、「ソルベッソ#150」(エクソン化学社製の芳香族系溶剤)120.0gとキシレン60.0gを仕込み、内部を窒素置換した後、120℃に昇温させた。その後、(メタ)アクリル系モノマー(メチルメタクリレート128.8g、n−ブチルアクリレート84.8g、シクロヘキサンメタクリレート80.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート74.4g、スチレン32.0g)とベンゾイルパーオキサイド8.0gを2時間かけて滴下し、攪拌反応させた。滴下終了後、さらに120℃で4時間反応を続け、アクリルポリオールAc−1を得た。
得られたアクリルポリオールAc−1は、不揮発分70質量%、水酸基価80mgKOH/g(樹脂分に対して、仕込み比からの計算値、JIS K1557)、ガラス転移温度(Tg)40℃、数平均分子量1700であった。なお、ガラス転移温度は、JIS K7121に準じて測定した。
純度98.8質量%のHDI 1000gに、0.01g(HDIに対して10質量ppmに相当)の1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)を添加し、これらを80℃で加熱し、テトラエチルアンモニウムフルオリド水和物(東京化成社製、CAS番号665−46−3)の10質量%n−ブタノール溶液1.5g(0.77mmol)と合成例1で作製したテトラメチルアンモニウムデカノエートの10質量%n−ブタノール溶液0.5g(0.20mmol相当)を添加し、反応液中のNCO含有率が39.3質量%になったところで、リン酸ジ−n−ブチルエステルを0.73g(3.5mmol)添加して反応を停止させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.3質量%、粘度2700mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量656、HDIモノマー質量濃度0.16質量%のポリイソシアネート組成物P−1を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−1の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/14/1.0/2.8であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、14/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、1.0/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、2.8/100であった。また、ポリイソシアネート組成物P−1の塩素成分量を測定したところ、1質量ppmであった。また、化合物αに対する化合物βの定量値(β/α)は6質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物P−1の製造条件及び物性を表1に示す。
純度98.8質量%のHDI 1000gに、0.06g(HDIに対して60質量ppmに相当)の1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)を添加し、これらを80℃で加熱し、テトラエチルアンモニウムフルオリド水和物(東京化成社製)の50質量%n−ブタノール溶液0.20g(0.51mmol)と合成例1で作製したテトラメチルアンモニウムデカノエートの50質量%n−ブタノール溶液0.10g(0.20mmol相当)を添加し、反応液のNCO含有率が39.3質量%になったところで、リン酸ジ−n−ブチルエステルを0.46g(2.2mmol)添加して反応を停止させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.4質量%、粘度2700mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量660、HDIモノマー質量濃度0.15質量%のポリイソシアネート組成物P−2を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−2の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/11/0.9/0.2であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、11/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、0.9/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、0.2/100であった。ポリイソシアネート組成物P−1の塩素成分量を測定したところ、7質量ppmであった。また、化合物αに対する化合物βの定量値(β/α)は35質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物P−2の製造条件及び物性を表1に示す。
純度98.8質量%のHDI 1000gに、0.03g(HDIに対して30質量ppmに相当)の1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)を添加し、これらを60℃で加熱し、テトラエチルアンモニウムフルオリド水和物(東京化成社製)の50質量%n−ブタノール溶液0.30g(0.77mmol相当)と合成例1で作製したテトラメチルアンモニウムデカノエートの50質量%n−ブタノール溶液(触媒濃度50質量%)0.15g(0.31mmol相当)を添加し、反応液のNCO含有率が39.2質量%になったところで、リン酸85質量%水溶液を1.25g(10.8mmol)添加して反応を停止させた。次いで、90℃に昇温させて、1時間攪拌した。その後、40℃に冷却後、発生した触媒残渣を孔径1μmのメンブランフィルターで減圧ろ過した。薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.4質量%、粘度2800mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量664、HDIモノマー質量濃度0.14質量%のポリイソシアネート組成物P−3を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−3の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/7.0/0.4/0.7であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、7.0/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、0.4/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、0.7/100であった。また、ポリイソシアネート組成物P−3の塩素成分量を測定したところ、3質量ppmであった。また、化合物αに対する化合物βの定量値(β/α)は17質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物P−3の製造条件及び物性の結果を表1に示す。
純度99.3質量%のHDI 1000gに対して初期に添加した1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)の量を0.16g(HDIに対して160質量ppmに相当)に代えた点以外は、実施例1と同様にしてポリイソシアネート組成物P−4を得た。得られたポリイソシアネート組成物P−4の製造条件及び物性を表1に示す。
純度98.8質量%のHDI 1000gに対して初期に添加した1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)の量を0.09g(HDIに対して90質量ppmに相当)に代えた点以外は、実施例1と同様にしてポリイソシアネート組成物P−5を得た。得られたポリイソシアネート組成物P−5の製造条件及び物性を表1に示す。
純度98.8質量%のHDI 1000gに、0.06g(HDIに対して60質量ppmに相当)の1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)を添加し、これらを80℃で加熱した。合成例1で作製したテトラメチルアンモニウムデカノエートの10質量%n−ブタノール溶液を、n−ブタノールで更に希釈して4.0質量%n−ブタノール溶液とした。これを2.0g(0.32mmol相当)添加し、反応液のNCO含有率が39.3質量%になったところで、リン酸ジ−n−ブチルエステルを0.73g(3.5mmol)添加して反応を停止させた。薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.5質量%、粘度2700mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量655、HDIモノマー質量濃度0.12質量%のポリイソシアネート組成物P−6を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−6の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/3.0/1.0/2.8であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、3.0/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、1.0/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、2.8/100であった。また、ポリイソシアネート組成物P−6の塩素成分量を測定したところ、7質量ppmであった。また、化合物αに対する化合物βの定量値(β/α)は35質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物P−6の製造条件及び物性を表1に示す。
純度98.8質量%のHDI 1000gに、0.06g(HDIに対して60質量ppmに相当)の1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)を添加し、これらを80℃で加熱し、テトラエチルアンモニウムフルオリド水和物(東京化成社製)の10質量%n−ブタノール溶液1.9g(1.0mmol相当)を添加し、反応液のNCO含有率が39.2質量%になったところで、リン酸ジ−n−ブチルエステルを1.05g(5.0mmol)添加して反応を停止させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.3質量%、粘度2500mPa・s(23℃)、NCO含有率22.0質量%、数平均分子量660、HDIモノマー質量濃度0.18質量%のポリイソシアネート組成物P−7を得た。
得られたポリイソシアネート組成物P−7の構造解析を行ったところ、イソシアヌレート構造/イミノオキサジアジンジオン構造/ウレトジオン構造/アロファネート構造のモル比は、100/30/1.0/2.7であった。すなわち、イミノオキサジアジンジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、30/100であり、ウレトジオン構造/イソシアヌレート構造のモル比は、1.0/100であり、アロファネート構造/イソシアヌレート構造のモル比は、2.7/100であった。また、ポリイソシアネート組成物P−7の塩素成分量を測定したところ、7質量ppmであった。また、化合物αに対する化合物βの定量値(β/α)は36質量ppmであった。ポリイソシアネート組成物P−7の製造条件及び物性を表1に示す。
純度98.8質量%のHDI 1000gに、1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)を添加しなかった点以外は、実施例1と同様にして,ポリイソシアネート組成物C−1を得た。得られたポリイソシアネート組成物C−1の製造条件及び物性を表2に示す。
純度98.8質量%のHDI 1000gに、初期に添加した1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)の量を0.25g(HDIに対して250質量ppmに相当)に変更した点以外は、実施例1と同様にしてポリイソシアネート組成物C−2を得た。得られたポリイソシアネート組成物C−2の製造条件及び物性を表2に示す。
純度98.8質量%のHDI 1000gに対して初期に添加したICHの代わりに、1,6−ジクロロヘキサン(DCH)を0.10g(HDIに対して100質量ppmに相当)添加した点以外は、実施例1と同様にしてポリイソシアネート組成物C−3を得た。得られたポリイソシアネート組成物C−3の製造条件及び物性を表2に示す。
比較例1で得られたポリイソシアネート組成物C−1に、1−イソシアナト−6−クロロヘキサン(ICH)を更に添加してポリイソシアネート組成物C−4を得た。このICHの添加量は、HDIに対して50質量ppmであった。得られたポリイソシアネート組成物C−4の製造条件及び物性を表2に示す。
純度98.8質量%のHDI 1000gに、初期に添加したICHの代わりに、塩化水素(HCl)を0.01g(HDIに対して10質量ppmに相当)添加した点以外は、実施例1と同様にして、ポリイソシアネート組成物C−5を得た。得られたポリイソシアネート組成物C−5の製造条件及び物性を表2に示す。
比較例1で得られたポリイソシアネート組成物C−1に、塩化水素(HCl)を更に添加してポリイソシアネート組成物C−6を得た。ICHの添加量は、HDI1000gに対して0.01g(HDIに対して10質量ppmに相当)であった。得られたポリイソシアネート組成物C−6の製造条件及び物性を表2に示す。
Claims (3)
- 1−イソシアナト−6−クロロヘキサンを含有する1,6−ジイソシアナトヘキサンを、少なくとも重合して得られる、ポリイソシアネート組成物であって、
3個のイソシアナト基のいずれもがクロロ基に変換されていないイソシアヌレート3量体化合物(化合物α)と、3個のイソシアナト基のうちの1個がクロロ基に変換されたイソシアヌレート3量体化合物(化合物β)と、を含み、
化合物αに対する化合物βの質量比(β/α)が、5〜100質量ppmである、ポリイソシアネート組成物。 - 前記ポリイソシアネート組成物は、イミノオキサジアジンジオン構造とイソシアヌレート構造とを含有し、
13C−NMRにより測定された、前記イミノオキサジアジンジオン構造/前記イソシアヌレート構造のモル比が、6.0/100〜20/100である、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。 - 前記ポリイソシアネート組成物は、ウレトジオン構造とイソシアヌレート構造とを含有し、
13C−NMRにより測定された、前記ウレトジオン構造/前記イソシアヌレート構造のモル比が、0.1/100〜5.0/100である、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
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