JP2012202252A - スクロール圧縮装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁性体製バランサを用いて、より大きな排除容積に対応することができるスクロール圧縮装置を提供する。
【解決手段】ケーシング3の内部に冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構11と、スクロール圧縮機構11と駆動軸15で連結され当該スクロール圧縮機構11を駆動する駆動モータ13とが収容され、スクロール圧縮機構11がメインフレーム21によりケーシング3に支持され、駆動モータ13のロータ39が駆動軸15に連結され、駆動軸15がベアリングプレート8によりケーシング3に支持され、駆動軸15のステータ37より上位の軸上に磁性体製の上バランサ63が取り付けられ、ロータ39の下端に非磁性体製の下バランサ77が取り付けられ、かつロータ39の上端と上バランサ63との間隙に非磁性体製の補助バランサが取り付けられていることを特徴とする
【選択図】図1
【解決手段】ケーシング3の内部に冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構11と、スクロール圧縮機構11と駆動軸15で連結され当該スクロール圧縮機構11を駆動する駆動モータ13とが収容され、スクロール圧縮機構11がメインフレーム21によりケーシング3に支持され、駆動モータ13のロータ39が駆動軸15に連結され、駆動軸15がベアリングプレート8によりケーシング3に支持され、駆動軸15のステータ37より上位の軸上に磁性体製の上バランサ63が取り付けられ、ロータ39の下端に非磁性体製の下バランサ77が取り付けられ、かつロータ39の上端と上バランサ63との間隙に非磁性体製の補助バランサが取り付けられていることを特徴とする
【選択図】図1
Description
本発明は、固定スクロールと揺動スクロールの噛み合いにより圧縮を行うスクロール圧縮装置に関する。
従来、密閉されたケーシング内に、互いに噛合する渦巻き状のラップを有する固定スクロールと揺動スクロールとからなる圧縮機構を備え、この圧縮機構を駆動モータで駆動させて、固定スクロールに対して揺動スクロールを自転することなく円運動させることにより圧縮を行うスクロール圧縮装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。スクロール圧縮装置においては、揺動スクロールは、駆動モータの駆動軸の軸心から偏心して設けられた偏心軸部に挿嵌される。そのため、スクロール圧縮装置では、一般的に、揺動スクロールの円運動に伴う遠心力に対向する上バランサを駆動軸の駆動モータ上方に設けると共に、この上バランサに対し逆方向を指向する下バランサを駆動軸の駆動モータ下方に設けている。
しかしながら、安価な鉄などの磁性体から形成されるバランサを用いる場合には、駆動モータのロータからの漏れ磁束を防ぐために、ロータとバランサとを互いに絶縁するために所定以上の距離を離して取り付ける必要があった。ロータとバランサとの間隙を設けるためには、バランサを大きくすることができず、磁性体から形成されるバランサを用いる場合には、排除容積を大きくすることができないといった問題があった。
本発明は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、磁性体製バランサを用いて、より大きな排除容積に対応することができるスクロール圧縮装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、磁性体製バランサを用いて、より大きな排除容積に対応することができるスクロール圧縮装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ケーシングの内部に冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構と、前記スクロール圧縮機構と駆動軸で連結され当該スクロール圧縮機構を駆動する駆動モータとが収容され、前記スクロール圧縮機構がメインフレームにより前記ケーシングに支持され、前記駆動モータのステータが直接的または間接的に前記ケーシングに支持され、前記駆動モータのロータに前記駆動軸が連結され、当該駆動軸がベアリングプレートにより前記ケーシングに支持され、前記駆動軸の前記ステータより上位の軸上に磁性体製の上バランサが取り付けられ、前記ロータの下端に非磁性体製の下バランサが取り付けられ、かつ前記ロータの上端と前記上バランサとの間隙に非磁性体製の補助バランサが取り付けられていることを特徴とする。
この発明では、ロータの漏れ磁束を防ぐために磁性体製の上バランサとロータとの間に設けた間隙に非磁性体製の補助バランサを取り付けることができるため、排除容積を大きくしても、駆動軸は、偏心して円運動する揺動スクロールとのバランスを取って回転することができ、磁性体製バランサを用いて、より大きな排除容積に対応することができるスクロール圧縮装置を提供することができる。
この発明では、ロータの漏れ磁束を防ぐために磁性体製の上バランサとロータとの間に設けた間隙に非磁性体製の補助バランサを取り付けることができるため、排除容積を大きくしても、駆動軸は、偏心して円運動する揺動スクロールとのバランスを取って回転することができ、磁性体製バランサを用いて、より大きな排除容積に対応することができるスクロール圧縮装置を提供することができる。
この構成において、前記下バランサおよび前記補助バランサが前記ロータにリベットを用いてカシメられている構成としても良い。また、前記補助バランサが前記上バランサの真下のみに取り付けられている構成としても良い。また、前記駆動モータのステータがスペーサリングにより前記ケーシングに支持されている構成としても良い。また、前記駆動モータは、インバータによって駆動するDC駆動モータである構成としても良い。
本発明によれば、駆動軸のステータより上位の軸上に磁性体製の上バランサが取り付けられ、ロータの下端に非磁性体製の下バランサが取り付けられ、かつロータの上端と上バランサとの間隙に非磁性体製の補助バランサが取り付けられているため、ロータの漏れ磁束を防ぐために磁性体製の上バランサとロータとの間に設けた間隙に非磁性体製の補助バランサを取り付けることができ、排除容積を大きくしても、駆動軸は、偏心して円運動する揺動スクロールとのバランスを取って回転することができ、磁性体製バランサを用いて、より大きな排除容積に対応することができるスクロール圧縮装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、1は内部高圧となるスクロール圧縮装置を示し、この圧縮機1は、冷媒が循環して冷凍サイクル運転動作を行う図外の冷媒回路に接続されて、冷媒を圧縮するものである。この圧縮機1は、縦長円筒状の密閉ドーム型のケーシング3を有する。
このケーシング3は、上下方向に延びる軸線を有する円筒状の胴部であるケーシング本体5と、その上端部に気密状に溶接されて一体接合され、上方に突出した凸面を有する椀状の上キャップ7と、ケーシング本体5の下端部に気密状に溶接されて一体接合され、下方に突出した凸面を有する椀状の下キャップ9とで圧力容器に構成されており、その内部は空洞とされている。ケーシング3の外周面には、ターミナルカバー52が設けられ、このターミナルカバー52の内部には、後述のステータ37に電源を供給する電源供給端子53が備えられる。
図1において、1は内部高圧となるスクロール圧縮装置を示し、この圧縮機1は、冷媒が循環して冷凍サイクル運転動作を行う図外の冷媒回路に接続されて、冷媒を圧縮するものである。この圧縮機1は、縦長円筒状の密閉ドーム型のケーシング3を有する。
このケーシング3は、上下方向に延びる軸線を有する円筒状の胴部であるケーシング本体5と、その上端部に気密状に溶接されて一体接合され、上方に突出した凸面を有する椀状の上キャップ7と、ケーシング本体5の下端部に気密状に溶接されて一体接合され、下方に突出した凸面を有する椀状の下キャップ9とで圧力容器に構成されており、その内部は空洞とされている。ケーシング3の外周面には、ターミナルカバー52が設けられ、このターミナルカバー52の内部には、後述のステータ37に電源を供給する電源供給端子53が備えられる。
ケーシング3の内部には、冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構11と、このスクロール圧縮機構11の下方に配置される駆動モータ13とが収容されている。これらのスクロール圧縮機構11と駆動モータ13とは、ケーシング3内を上下方向に延びるように配置される駆動軸15によって連結されている。また、これらのスクロール圧縮機構11と駆動モータ13との間には間隙空間17が形成されている。
ケーシング3の内部上方には、メインフレーム21が収納され、このメインフレーム21には中央にラジアル軸受部28とボス収容部26とが形成されている。ラジアル軸受部28は、駆動軸15の先端(上端)側を軸支するためのものであり、当該メインフレーム21の一方の面(下側の面)の中央から下方に突出して形成されている。ボス収容部26は後述する揺動スクロール25のボス25Cを収容するためのものであり、メインフレーム21の他方の面(上側の面)の中央を下方に凹陥することにより形成されている。駆動軸15の先端(上端)には、偏心軸部15Aが形成されている。この偏心軸部15Aは、中心が駆動軸15の軸心と偏心して設けられると共に、旋回軸受け24を介して、ボス25Cに旋回駆動可能に挿入されている。
上記スクロール圧縮機構11は、固定スクロール23と揺動スクロール25とで構成されている。固定スクロール23は、メインフレーム21の上面に密着して配置される。メインフレーム21は、ケーシング本体5の内面に取り付けられ、固定スクロール23は、メインフレーム21にねじ34で締結されて固定されている。揺動スクロール25は、固定スクロール23に噛合し、固定スクロール23と、メインフレーム21との間の形成される揺動空間12内に配置される。ケーシング3内は、メインフレーム21の下方の高圧空間27と、メインフレーム21の上方の吐出空間29とに区画される。各空間27,29は、メインフレーム21及び固定スクロール23の外周に縦に延びて形成された縦溝71を介して連通している。
ケーシング3の上キャップ7には、冷媒回路の冷媒をスクロール圧縮機構11に導く吸入管31が、またケーシング本体5には、ケーシング3内の冷媒をケーシング3外に吐出させる吐出管33がそれぞれ気密状に貫通固定されている。吸入管31は、吐出空間29を上下方向に延び、その内端部はスクロール圧縮機構11の固定スクロール23を貫通して、圧縮室35に連通し、この吸入管31により圧縮室35内に冷媒が吸入される。
駆動モータ(DC駆動モータ)13は、直流電源からの入力を受けて駆動するDC(Direct Current)モータであり、環状のステータ37と、このステータ37の内側に回転自在に構成されたロータ39とを備える。駆動モータ13は、一定の入力電圧を受け、パルス波のデューティ比、つまり、パルス波を出す周期と出した時のパルス幅と、を制御するPWM(Pulse Width Modulation)インバータによって回転トルクが制御され駆動する。
ロータ39には、駆動軸15を介してスクロール圧縮機構11の揺動スクロール25が駆動連結されている。ステータ37は、ステータコア37Aと、ステータコイル18とから成る。ステータコア37Aは、薄い鉄板を重ね合わせて形成され、内部には、図示は省略したが、複数の溝を有する。ステータコイル18は、複数相のステータ巻線が巻回されて形成され、ステータコア37Aの内部に形成された溝に嵌入されて、ステータコア37Aの上下に備えられる。ステータコイル18は、インシュレータ19の内部に収容されている。ステータコイル18は、不図示の導線を介して電源供給端子53に接続される。
ロータ39は、フェライト磁石、或いは、ネオジウム磁石から形成され着磁によって磁化される。ロータ39を磁化させる方法としては、ロータ39をステータ37に内挿した後、ステータ37のステータコイル18を形成するステータ巻き線に電流を流して着磁する巻線着磁、或いは、ロータ39を外部の着磁装置を用いて着磁させた後にステータ37に内挿する外部着磁がある。駆動軸15の内部には、ロータ39の巻線着磁を行う際に、ロータ39の位置決めに用いる、詳細は後述する、ホルダ(ピンホルダ)58が圧入されている。
ステータ37は、環状のスペーサリング38によってケーシング3の内壁面に支持される。スペーサリング38はケーシング3の内壁面に焼き嵌めによって固定され、ステータ37はスペーサリング38の内壁面に焼き嵌めによって固定される。スペーサリング38の上端面は、ステータ37の上端面よりも下方に設けられる。
ステータ37は、環状のスペーサリング38によってケーシング3の内壁面に支持される。スペーサリング38はケーシング3の内壁面に焼き嵌めによって固定され、ステータ37はスペーサリング38の内壁面に焼き嵌めによって固定される。スペーサリング38の上端面は、ステータ37の上端面よりも下方に設けられる。
駆動モータ13の下方には、駆動軸15の下端部を回転可能に嵌入支持するベアリングプレート8が備えられる。ベアリングプレート8は、図2に示すように、円筒状に形成され駆動軸15が嵌入されるボス部8Aと、このボス部8Aに略等間隔に周設され4方向に延び、ケーシング本体5に固定されるアーム部8Bとを備える。つまり、駆動軸15は、ベアリングプレート8によってケーシング3に支持される。ベアリングプレート8は、各アーム部8Bの間に形成され、上下の空間を連通する開口部8Eを有する。
図1に示す、ベアリングプレート8の下方の下部空間(油溜め)40は、高圧に保たれており、その下端部に相当する下キャップ9の内底部には油が貯留される。ベアリングプレート8と、油溜め40の間には、環状プレート59がベアリングプレート8に固定されて備えられる。また、環状プレート59の上方には、バッフル板14が環状プレート59に支持されて設けられる。バッフル板14は、例えば、多数の細孔14Dを有した、例えば薄板状のパンチングメタルによって形成される。
図1に示す、ベアリングプレート8の下方の下部空間(油溜め)40は、高圧に保たれており、その下端部に相当する下キャップ9の内底部には油が貯留される。ベアリングプレート8と、油溜め40の間には、環状プレート59がベアリングプレート8に固定されて備えられる。また、環状プレート59の上方には、バッフル板14が環状プレート59に支持されて設けられる。バッフル板14は、例えば、多数の細孔14Dを有した、例えば薄板状のパンチングメタルによって形成される。
駆動軸15内には、高圧油供給手段の一部としての給油路41が形成され、この給油路41は、駆動軸15の内部を上下に延び、揺動スクロール25の背面の油室43に連通している。この給油路41は、駆動軸15の下端に設けたオイルピックアップ45に連結される。オイルピックアップ45の奥側には、駆動軸15の径方向に延び、給油路41を貫通する横穴57が設けられる。この横穴57には、上述したホルダ58が圧入される。オイルピックアップ45は、ロータ39の着磁後に、駆動軸15に圧入される。
オイルピックアップ45は、下端に設けられた吸込口42と、この吸込口42の上方に形成されたパドル44とを備える。オイルピックアップ45の下端は、油溜め40に貯留された潤滑オイルに浸漬されて、当該給油路41の吸込口42が潤滑オイル内にて開口している。駆動軸15が回転すると、油溜め40に貯留された潤滑オイルがオイルピックアップ45の吸込口42から給油路41に入り、この給油路41のパドル44に沿って上方に汲み上げられる。そして、汲み上げられた潤滑オイルは、給油路41を通じ、ラジアル軸受部28、及び、旋回軸受24等のスクロール圧縮機構11の各摺動部分に供給される。さらに、潤滑オイルは、給油路41を通じて揺動スクロール25背面の油室43に供給され、この油室43から、揺動スクロール25に設けられた連通路51を介して、圧縮室35へ供給される。
メインフレーム21には、ボス収容部26からメインフレーム21を径方向に貫通し、縦溝71に開口する戻し油路47が形成される。給油路41を通じ、スクロール圧縮機構11の各摺動部分、及び、圧縮室35に供給される潤滑オイルのうち、過剰となった潤滑オイルは、この戻し油路47を通って油溜め40に戻される。戻し油路47の下方には、オイルコレクター46が設けられ、オイルコレクター46は、スペーサリング38の上端近傍まで延在する。ステータ37の外周面には、ステータ37の上下に亘る複数の切欠き54が形成される。戻し油路47、オイルコレクター46を通じて給油路41から戻された潤滑オイルは、この切欠き54、及び、ベアリングプレート8の各アーム部8Bの間を通って油溜め40に戻される。なお、図1の断面図において、吐出管33が説明の便宜上破線で示されているが、吐出管33は、オイルコレクター46とは、位相をずらして配置される。
固定スクロール23は、鏡板23Aと、この鏡板23Aの下面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ23Bとで構成されている。一方、揺動スクロール25は、鏡板25Aと、この鏡板25Aの上面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ25Bとで構成されている。そして、固定スクロール23のラップ23Bと、揺動スクロール25のラップ25Bとは互いに噛合しており、このことにより固定スクロール23と揺動スクロール25との間において、両ラップ23B,25Bで複数の圧縮室35が形成されている。
揺動スクロール25は、オルダムリング61を介して固定スクロール23に支持され、その鏡板25Aの下面の中心部には有底円筒状のボス25Cが突設されている。一方、駆動軸15の上端には偏心軸部15Aが設けられ、この偏心軸部15Aは、揺動スクロール25のボス25Cに回転可能に嵌入されている。
さらに、駆動軸15には、ステータ37より上位の軸上で、メインフレーム21の下側に、例えば安価な鉄等の磁性体製の上バランサ63が取り付けられる。また、ロータ39の下端には、黄銅等の非磁性体製の下バランサ77が取り付けられる。ロータ39の上端と磁性体製の上バランサ63との間には、ロータ39の漏れ磁束を防ぐために6mm以上の間隙が設けられる。この間隙には、非磁性体製の補助バランサ64が取り付けられている。駆動軸15は、詳細については後述するが、これらの上バランサ63、下バランサ77、及び、補助バランサ64によって揺動スクロール25や偏心軸部15A等と動的バランスを取っている。
さらに、駆動軸15には、ステータ37より上位の軸上で、メインフレーム21の下側に、例えば安価な鉄等の磁性体製の上バランサ63が取り付けられる。また、ロータ39の下端には、黄銅等の非磁性体製の下バランサ77が取り付けられる。ロータ39の上端と磁性体製の上バランサ63との間には、ロータ39の漏れ磁束を防ぐために6mm以上の間隙が設けられる。この間隙には、非磁性体製の補助バランサ64が取り付けられている。駆動軸15は、詳細については後述するが、これらの上バランサ63、下バランサ77、及び、補助バランサ64によって揺動スクロール25や偏心軸部15A等と動的バランスを取っている。
メインフレーム21の下側には、カウンタウェイト部63の周りを囲うようにカップ48がボルト49で固定されている。カップ48は、メインフレーム21と、駆動軸15との間のクリアランスから漏れ出た潤滑オイルが、カウンタウェイト部63の回転によって吐出管側に飛散されるのを防ぐ。
固定スクロール23の中央部には吐出孔73が設けられており、この吐出孔73から吐出されたガス冷媒は、吐出弁75を通って吐出空間29に吐出され、メインフレーム21及び固定スクロール23の各外周に設けた縦溝71を介して、メインフレーム21の下方の高圧空間27に流出し、この高圧冷媒は、ケーシング本体5に設けた吐出管33を介してケーシング3外に吐出される。
このスクロール圧縮装置1の運転動作について説明する。
駆動モータ13を駆動すると、ステータ37に対してロータ39が回転し、それによって駆動軸15が回転する。駆動軸15が回転すると、スクロール圧縮機構11の揺動スクロール25が固定スクロール23に対して自転せずに公転のみ行う。このことにより、低圧の冷媒が吸入管31を通して圧縮室35の周縁側から圧縮室35に吸引され、この冷媒は圧縮室35の容積変化に伴って圧縮される。そして、この圧縮された冷媒は、高圧となって圧縮室35から吐出弁75を通って吐出空間29に吐出され、メインフレーム21及び固定スクロール23の各外周に設けた縦溝71を介して、メインフレーム21の下方の高圧空間27に流出し、この高圧冷媒は、ケーシング本体5に設けた吐出管33を介してケーシング3外に吐出される。ケーシング3外に吐出された冷媒は、図示を省略した冷媒回路を循環した後、再度吸入管31を通して圧縮機1に吸入されて圧縮され、このような冷媒の循環が繰り返される。
駆動モータ13を駆動すると、ステータ37に対してロータ39が回転し、それによって駆動軸15が回転する。駆動軸15が回転すると、スクロール圧縮機構11の揺動スクロール25が固定スクロール23に対して自転せずに公転のみ行う。このことにより、低圧の冷媒が吸入管31を通して圧縮室35の周縁側から圧縮室35に吸引され、この冷媒は圧縮室35の容積変化に伴って圧縮される。そして、この圧縮された冷媒は、高圧となって圧縮室35から吐出弁75を通って吐出空間29に吐出され、メインフレーム21及び固定スクロール23の各外周に設けた縦溝71を介して、メインフレーム21の下方の高圧空間27に流出し、この高圧冷媒は、ケーシング本体5に設けた吐出管33を介してケーシング3外に吐出される。ケーシング3外に吐出された冷媒は、図示を省略した冷媒回路を循環した後、再度吸入管31を通して圧縮機1に吸入されて圧縮され、このような冷媒の循環が繰り返される。
潤滑オイルの流れを説明すると、ケーシング3における下キャップ9の内底部に貯留された潤滑オイルが、オイルピックアップ45により吸い上げられ、この潤滑オイルが、駆動軸15の給油路41を通じ、スクロール圧縮機構11の各摺動部分、及び、圧縮室35へ供給される。スクロール圧縮機構11の各摺動部分、及び、圧縮室35で過剰となった潤滑オイルは、戻し油路47から、オイルコレクター46に集められ、ステータ37の外周に設けられた切欠き54を通って駆動モータ13の下方に戻される。
次に、上バランサ63、下バランサ77、及び、補助バランサ64の構造について説明する。
ロータ39には、ロータ39を上下に貫通するリベット孔66が設けられる。下バランサ77、および、補助バランサ64は、このリベット孔66に挿入されるリベットを用いてロータ39にカシメられている。補助バランサ64は、上バランサ63の真下のみに取り付けられており、非磁性体から形成される補助バランサ64は、上バランサ63とロータ39との間隙を利用して取り付けられ、上バランサ63を補助する役割を果たす。よって、補助バランサ64は、上バランサ63とともに、揺動スクロール25の円運動に伴う遠心力に対向し、下バランサ77は、上バランサ63、及び、補助バランサ64に対し、逆方向を指向する。
ロータ39には、ロータ39を上下に貫通するリベット孔66が設けられる。下バランサ77、および、補助バランサ64は、このリベット孔66に挿入されるリベットを用いてロータ39にカシメられている。補助バランサ64は、上バランサ63の真下のみに取り付けられており、非磁性体から形成される補助バランサ64は、上バランサ63とロータ39との間隙を利用して取り付けられ、上バランサ63を補助する役割を果たす。よって、補助バランサ64は、上バランサ63とともに、揺動スクロール25の円運動に伴う遠心力に対向し、下バランサ77は、上バランサ63、及び、補助バランサ64に対し、逆方向を指向する。
駆動軸15は、これらの上バランサ63、下バランサ77、及び、補助バランサ64によって揺動スクロール25や偏心軸部15A等と動的バランスを取りながら回転する。揺動スクロール25は、駆動軸15がこれらの上バランサ63、下バランサ77、及び、補助バランサ64により重さのバランスを取りながら回転することで、固定スクロール23に対して公転する。そして、この揺動スクロール25の公転に伴い、圧縮室35は、両ラップ23B,25B間の容積が中心に向かって収縮することで吸入管31より吸入された冷媒を圧縮するように構成されている。また、下バランサ77の下面には、リベット65を用いて、ロータ39に下バランサ77と一体にカシメられる規制プレート55が設けられる。規制プレート55は、ロータ39の巻線着磁を行う際に、ロータ39の回転を規制するために用いられる。
図2は、ロータ39を下側から視た図である。図2に示すように、リベット孔65は、駆動軸15の軸心から同じ距離に、ロータ39の周方向に略等間隔で4つ設けられている。下バランサ77は、駆動軸15が挿入される軸孔77A、及び、リベット65が挿入される4つの取付孔77Bを備える。下バランサ77は、2箇所に形成された取付孔77Bを有し、駆動軸15の軸心を中心とする略扇形状に形成された大径部77Cと、残りの2つの取付孔77Bを有し、駆動軸15の軸心を中心に、大径部77Cよりも小さな径で形成された小径部77Dを備える。下バランサ77は、一枚の黄銅等の非磁性体から形成される。下バランサ77は、駆動軸15の回転時に働く遠心力の方向が、上バランサ63と逆方向を指向するように、大径部77Cと小径部77Dが、上バランサ63に対応付けて配置されるように、ロータ39に取付けられる。この構成によれば、上バランサ63と対応付けて非対称形状に形成される下バランサ77を、一枚の非磁性体の部材から形成することができ、例えば、重さの違う2つのバランサの組み合わせで下バランサを構成する場合に比べて、下バランサ77の取付作業を簡易化することができる。
図3は、補助バランサ64の位置で切断したスクロール圧縮装置1のロータ39を上側から視た図である。補助バランサ64は、黄銅等の非磁性体の材料から形成され、駆動軸15の軸心を中心とする略半円形状に形成される。補助バランサ64は、駆動軸15を避けるように、内周側が周方向に切り欠かれている。補助バランサ64には、リベット65が挿入される取付孔64Aが2箇所に設けられる。補助バランサ64の取付孔64Aには、下バランサ77の小径部77Dを貫通するリベット65が挿入される。これによって、補助バランサ64は、下バランサ77の大径部77Cとは対称の位置に設けられ、上バランサ63の補助の役割を果たす。
これらの構成によれば、上バランサ63とロータ39との間隙を利用して非磁性体製の補助バランサ64を取り付けたため、ロータ39の漏れ磁束を防ぐことができると共に、黄銅等の比重の大きい材料から形成された補助バランサ64を用いることで、スクロール圧縮装置1の排除容積を大きくしても、駆動軸15を揺動スクロール25や偏心軸部15A等と動的バランスを取りながら回転駆動させることができる。
また、補助バランサ64、及び、下バランサ77は、ロータ39のリベット孔66に挿入されるリベット65でロータ39に取り付けられ、ロータ39と一体に固定して、スクロール圧縮装置1に取り付けることができる。
また、補助バランサ64、及び、下バランサ77は、ロータ39のリベット孔66に挿入されるリベット65でロータ39に取り付けられ、ロータ39と一体に固定して、スクロール圧縮装置1に取り付けることができる。
以上説明したように、本発明を適用した実施形態によれば、ケーシング3の内部に冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構11と、スクロール圧縮機構11と駆動軸15で連結され当該スクロール圧縮機構11を駆動する駆動モータ13とが収容され、スクロール圧縮機構11がメインフレーム21によりケーシング3に支持され、駆動モータ13のステータ37が直接的または間接的にケーシング3に支持され、駆動モータ13のロータ39に駆動軸15が連結され、当該駆動軸15がベアリングプレート8によりケーシング3に支持され、駆動軸15のステータ37より上位の軸上に磁性体製の上バランサ63が取り付けられ、ロータ39の下端に非磁性体製の下バランサ77が取り付けられ、かつロータ39の上端と上バランサ63との間隙に非磁性体製の補助バランサ64が取り付けられている。これによって、上バランサ63とロータ39との間にロータ39の漏れ磁束を防ぐための間隙を設けて、この間隙を利用して非磁性体製の補助バランサ64を取り付けることができるため、補助バランサ64が上バランサ63の補助の役割を果たし、排除容積を大きくしても、駆動軸15を、偏心して円運動する揺動スクロールとのバランスを取りながら回転することができる。そのため、例えば安価な鉄等の磁性体製の上バランサ63を用いても、ロータ39の漏れ磁束を防ぎ、かつ、より大きな排除容積に対応することができるスクロール圧縮装置を提供することができる。
また、本発明を適用した実施形態によれば、下バランサ77および補助バランサ64がロータ39にリベット65を用いてカシメられているため、下バランサ77、及び、補助バランサ64をリベット65を用いて、ロータ39に取り付けて、駆動モータ13に一体に固定することができる。これによって、下バランサ77、及び、補助バランサ64を駆動モータ13と一体にスクロール圧縮装置1に取り付けることができ、駆動軸15を、偏心して円運動する揺動スクロールとのバランスを取りながら回転させるためのバランサの取付作業性が向上する。
また、本発明を適用した実施形態によれば、補助バランサ64が上バランサ63の真下のみに取り付けられているため、安価な鉄などで形成される上バランサ63とロータ39との間の間隙に非磁性体製の補助バランサ64を取り付けることで、ロータ39の磁束が漏れるのを防止することができる。また、補助バランサ64は、ロータ39に形成さされた、上バランサ63の真下に位置する2箇所のリベット孔66に挿入されるリベット65でロータ39に固定されるように形成することができる。これによって、ロータ39に形成された4箇所のリベット孔66に挿入されるリベット65の全てを用いて補助バランサ64を固定するような形状に形成するのに比べて、補助バランサ64の材料を減らすことができ、補助バランサ64の製造コストを低減することができる。
また、本発明を適用した実施形態によれば、駆動モータ13のステータ37がスペーサリング38によりケーシング3に支持されているため、スペーサリング38の厚さを変更するだけで、ケーシング3のサイズを変更することなく、出力の異なる駆動モータ13を搭載したスクロール圧縮装置1を形成することができる。これによって、排除容積を大きくするにあたって、出力の大きな駆動モータ13を搭載する必要がある場合にも、スペーサリング13の厚さを薄くする、或いは、スペーサリング13を取り外して容積の大きい駆動モータ13を取り付けることができ、スクロール圧縮装置1の部品の共通化を図ることができる。
また、本発明を適用した実施形態によれば、駆動モータ13は、PWMインバータによって回転トルクが制御され駆動するDC駆動モータであるため、出力効率の良いDCモータを用いることで、駆動モータ13の小型化を図ることができ、さらに、インバータによって駆動させることで、駆動モータ13の電圧の上昇/下降による無駄な熱の発生を防ぎ、駆動効率をよくすることができる。
1 スクロール圧縮装置
3 ケーシング
8 ベアリングプレート
11 スクロール圧縮機構
13 駆動モータ(DC駆動モータ)
15 駆動軸
37 ステータ
39 ロータ
63 上バランサ
64 補助バランサ
65 リベット
77 下バランサ
3 ケーシング
8 ベアリングプレート
11 スクロール圧縮機構
13 駆動モータ(DC駆動モータ)
15 駆動軸
37 ステータ
39 ロータ
63 上バランサ
64 補助バランサ
65 リベット
77 下バランサ
Claims (5)
- ケーシングの内部に冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構と、前記スクロール圧縮機構と駆動軸で連結され当該スクロール圧縮機構を駆動する駆動モータとが収容され、
前記スクロール圧縮機構がメインフレームにより前記ケーシングに支持され、
前記駆動モータのステータが直接的または間接的に前記ケーシングに支持され、
前記駆動モータのロータに前記駆動軸が連結され、当該駆動軸がベアリングプレートにより前記ケーシングに支持され、
前記駆動軸の前記ステータより上位の軸上に磁性体製の上バランサが取り付けられ、前記ロータの下端に非磁性体製の下バランサが取り付けられ、かつ前記ロータの上端と前記上バランサとの間隙に非磁性体製の補助バランサが取り付けられていることを特徴とするスクロール圧縮装置。 - 前記下バランサおよび前記補助バランサが前記ロータにリベットを用いてカシメられていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮装置。
- 前記補助バランサが前記上バランサの真下のみに取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール圧縮装置。
- 前記駆動モータのステータがスペーサリングにより前記ケーシングに支持されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のスクロール圧縮装置。
- 前記駆動モータは、インバータによって駆動するDC駆動モータであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のスクロール圧縮装置。
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