JP5070106B2 - 圧縮機 - Google Patents

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本発明は、固定子巻線が巻装された固定子と、回転軸に固定され、磁性金属が埋め込まれた回転子から成る電動要素を備えた圧縮機、特に、電動要素の固定子の固定子巻線への通電により、回転子の磁性金属を着磁する圧縮機に関するものである。
従来よりこの種圧縮機は、密閉容器内に駆動手段としての電動要素と、この電動要素の回転軸にて駆動される圧縮要素とを備えて構成されている。上記電動要素は、固定子巻線が巻装された固定子と、回転軸に固定され、永久磁石(磁性金属)が埋め込まれた回転子から成る。
ところで、このような圧縮機では、回転子に永久磁石を埋め込む際に、当該磁石の磁力が邪魔をして、埋め込み作業に手間がかかるため、回転子に磁化されていない磁性金属を埋め込んで、その後、固定子巻線に通電して、当該固定子巻線に磁束を生じさせ、この磁束により磁性金属を着磁して永久磁石としていた。
この場合、磁性金属の着磁する際に、永久磁石と成りつつある状態の磁性金属に更に磁束を通過させると永久磁石(磁性金属)に反発力が生じて、回転子が回転する不都合が生じる。そこで、係る回転子の回転を防止するため、回転軸の一端に着磁位置決め溝が形成された着磁用プレートを取り付けて、着磁を行う際に、当該位置決め溝に着磁用の治具を係合し、回転軸の回転(即ち、回転子の回転)を阻止した状態で固定子巻線に通電していた。このとき、着磁用プレートの位置決め溝に着磁用の治具を係合して通電する際に、固定子巻線に生じる最大磁束量が回転子に埋め込まれた磁性金属の中央を通過するように着磁位置決め溝を位置決めして、当該溝に治具を係合し、固定子巻線に通電していた。これにより、回転子の回転を防止して、磁性金属に所望の大きさの磁力を着磁して永久磁石とすることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−33276号公報
ところで、このような圧縮機では、固定子と回転子との間に構成されるクリアランスに偏りが生じると、回転子への磁気吸引力のアンバランスにより圧縮動作の反作用である荷重が増加し、電動要素の入力が増加するという問題が生じるので、圧縮機を組み立てる際に、固定子と回転子との間に均一なクリアランスが形成されるように取り付ける必要があった。
そこで、従来では着磁用プレートに形成された着磁位置決め溝からギャップゲージを挿入して固定子と回転子とのクリアランスを設定していたが、この場合、着磁用プレートに形成された着磁位置決め溝のみからしかギャップゲージを挿入することができないので、均一なクリアランスを設定することが困難であった。
そこで、本発明は係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、固定子と回転子間のギャップクリアランスを、均一に設定できる圧縮機を提供することを目的とする。
本発明の圧縮機は、密閉容器内に収納された電動要素及びこの電動要素の回転軸にて駆動される圧縮要素とを備え、電動要素は固定子巻線が巻装された固定子と、回転軸に固定され、磁性金属が埋め込まれた回転子とから成り、固定子の固定子巻線への通電により、回転子の磁性金属を着磁して成るものであって、回転軸に取り付けられ、磁性金属の着磁の際の回転子の回り止めとして利用される着磁用プレートを備え、固定子と回転子間にギャップゲージを挿入する際に当該ギャップゲージが通過する挿通部を、着磁用プレートに複数形成したことを特徴とする。
請求項2の発明の圧縮機は、請求項1に記載の発明において挿通部は、固定子と回転子間に対応する位置における着磁用プレートの全周に渡って複数形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、密閉容器内に収納された電動要素及びこの電動要素の回転軸にて駆動される圧縮要素とを備え、電動要素は固定子巻線が巻装された固定子と、回転軸に固定され、磁性金属が埋め込まれた回転子とから成り、固定子の固定子巻線への通電により、回転子の磁性金属を着磁して成る圧縮機において、回転軸に取り付けられ、磁性金属の着磁の際の回転子の回り止めとして利用される着磁用プレートを備え、固定子と回転子間にギャップゲージを挿入する際に当該ギャップゲージが通過する挿通部を、着磁用プレートに複数形成したので、多数箇所で固定子と回転子間のギャップクリアランスを設定でき、より均一なクリアランスを設定できるようになる。
特に、請求項2の発明の如く挿通部を、固定子と回転子間に対応する位置における着磁用プレートの全周に渡って複数形成するものとすれば、着磁位置に関わりなくギャップゲージを挿通できる。これにより、組立作業性を改善することができるようになる。
本発明は、従来の着磁用プレートに形成された着磁位置決め溝にギャップゲージを挿入して、固定子と回転子間のギャップクリアランスを設定するものでは、ギャップゲージを着磁位置決め溝からのみしか挿入することができないので、均一なクリアランスを設定することが困難であるという問題を解消するために成されたものである。このように、固定子と回転子間のギャップクリアランスを、均一に設定するというという目的を、回転軸に取り付けられ、磁性金属の着磁の際の回転子の回り止めとして利用される着磁用プレートに、固定子と回転子間にギャップゲージを挿入する際に当該ギャップゲージが通過する挿通部を複数形成することにより実現した。以下、図面に基づき本発明の実施の形態を詳述する。
図1は、本発明を適用した一実施例のスクロール圧縮機の縦断側面図である。本実施例では、本発明を図1に示すスクロール圧縮機Cに適用して説明するが、本発明の圧縮機は実施例のスクロール圧縮機Cに限定されるものでなく、密閉容器内に収納された電動要素及びこの電動要素の回転軸にて駆動される圧縮要素とを備え、電動要素は固定子巻線が巻装された固定子と、回転軸に固定され、磁性金属が埋め込まれた回転子とから成り、固定子の固定子巻線への通電により、回転子の磁性金属を着磁して成る圧縮機であればどのような圧縮機であっても本発明は有効である。例えば、本発明を電動要素の回転軸にて駆動される回転圧縮要素を備えたロータリ型の圧縮機(ロータリーコンプレッサ)に適用するものとしても差し支えない。
図1において、1は密閉容器である。この密閉容器1は、縦長円筒状を呈する容器本体1Aと、この容器本体1Aの両端(上下両端)にそれぞれ溶接固定された略椀状を呈するエンドキャップ1B及びボトムキャップ1Cとから構成されている。
この密閉容器1内には、下側に駆動手段としての電動要素3、上側に電動要素3の回転軸5にて駆動される圧縮要素がそれぞれ収納されている。この圧縮要素2と電動要素3間の密閉容器1内には、上部支持フレーム(メインフレーム)4が収納されており、この上部支持フレーム4には中央に軸受部6とボス収容部22とが形成されている。この軸受部6は、回転軸5の先端(上端)側を軸支するためのものであり、当該上部支持フレーム4の一方の面(下側の面)の中央から下方に突出して形成されるている。また、ボス収容部22は後述する揺動スクロール15のボス24を収容するためのものであり、上部支持フレーム4の他方の面(上側の面)の中央を下方に凹陥することにより形成されている。
また、電動要素3の下部の密閉容器1内には、下部支持フレーム(ベアリングプレート)7が収納されており、この下部支持フレーム7の中央には軸受け8が形成されている。この軸受け8は、回転軸5の末端(下端)側を軸支するためのものであり、当該下部支持フレーム7の一方の面(下側の面)の中央から下方に突出して形成されている。また、軸受け8の下面にはカバー8Aが設けられ、当該カバー8Aは複数(実施例では3本)のボルト9により軸受け8に固定されている。そして、当該下部支持フレーム7の下側の空間、即ち、密閉容器1内の底部は、圧縮要素2等を潤滑する潤滑油が貯留される油溜め65とされている。
前記回転軸5の先端(上端)には、偏心軸23が形成されている。この偏心軸23は、中心が回転軸5の軸心と偏心して設けられると共に、図示しないスライドブッシュ及び旋回軸受けを介して、ボス24に旋回駆動可能に挿入されている。
一方、前記圧縮要素2は、固定スクロール14と揺動スクロール15とで構成されている。固定スクロール14は、円形状の鏡板16と、この鏡板16の一方の面(下側の表面)に立設されたインボリュート状、又は、これに近似した曲線からなる渦巻状のラップ17と、このラップ17の周囲を取り囲むように立設された周壁18と、この周壁18の周囲に設けられ、外周縁が密閉容器1の容器本体1Aの内面に焼き嵌めされたフランジ19とで構成されている。固定スクロール14の鏡板16の中央部には、密閉容器1内の上側の空間11に連通する吐出孔13が形成されている。そして、固定スクロール14はラップ17の突出方向を下方とされている。
本実施例の構成では、固定スクロール14の鏡板16の他方の面(上側の面)30が密閉容器1内の上側の空間11に臨むよう構成されている。この上面30には、吐出孔13に連なる吐出弁と、この吐出弁に隣接して複数のリリース弁とが設けられている(吐出弁及びリリース弁は共に図示しない)。当該リリース弁は、冷媒の過圧縮を防止するために設けられたものであり、図示しないリリースポートを介して圧縮過程の圧縮空間25と連通されている。
具体的に、圧縮過程の冷媒圧力が吐出孔13に至る以前に吐出圧力に達すると、リリース弁が開放されて、圧縮空間25内の冷媒がリリースポートを介して外部に吐出されることとなる。
一方、前記揺動スクロール15は、上述した固定スクロール14に対して旋回するスクロールであり、円板状の鏡板20と、この鏡板20の一方の面(上側の表面)に立設されたインボリュート状、又は、これに近似した曲線からなる渦巻状のラップ21と、鏡板20の他方の面(下側の面)の中央に突出形成された前述したボス24とで構成されている。そして、揺動スクロール15はラップ21の突出方向を上方として、このラップ21が固定スクロール14のラップ17に180度回し、向かい合って噛み合うように配置され、内部のラップ17、21間に複数の圧縮空間25が形成されている。
即ち、揺動スクロール15のラップ21は、固定スクロール14のラップ17と対向し、両ラップ21、17の先端面が相手の底面に接するように噛み合い、且つ、揺動スクロール15は回転軸5の軸心から偏心して設けられた偏心軸23に嵌合されているため、2つの渦巻状のラップ21、17は、互いに偏心して、その偏心方向の線上で接して閉じこめられた複数の空間25を作り、この空間25の各々が圧縮室となる。
前記固定スクロール14は、その周壁18の周囲に設けられたフランジ19が複数のボルト(図示せず)を介して上部支持フレーム4に支持されている。また、揺動スクロール15は、オルダムリング40を介して支持フレーム4に支持されている。このオルダムリング40は、揺動スクロール15を固定スクロール14に対して自転しないように円軌道上を公転させるためのものであり、相対向する位置に上側に突出して形成された図示しない一対のオルダムキーを備える。これらオルダムキーは、固定スクロール14の下面に形成されたキー溝(図示せず)に摺動自在に係合する。この場合、オルダムリング40は、揺動スクロールの旋回に伴い固定スクロール14と上部支持フレーム4との間に形成された摺動スペース43内をオルダムキーの延出方向に沿って摺動する。
更に、揺動スクロール15は、固定スクロール14に対して偏心して公転するため、2つの渦巻状のラップの偏心方向と接触位置は回転しながら移動し、前記圧縮室は外側から内側の圧縮空間25に向かって移りながら縮小していく。最初、外側の圧縮空間25から入り込んで閉じこめられた低圧の冷媒ガスは、断熱圧縮されながら内側に移動し、最後に中央部に到達するときには、高温高圧の冷媒ガスとなる。この冷媒ガスは、当該中央部に設けられた吐出孔13を介して空間11に送り出される。
一方、前記電動要素3は、密閉容器1に固定された固定子50と、この固定子50の内側に配置され、固定子50内で回転する回転子52とから構成されており、この回転子52の中心に回転軸5が嵌合されている。固定子50は、複数枚の電磁鋼板を積層した積層体から成り、この積層体の歯部に直巻き(集中巻き)方式により巻装された固定子巻線51を有している。また、回転子52も固定子50と同様に電磁鋼板の積層体で形成され、この積層体内に永久磁石(磁性金属)53を挿入して構成されている。
当該永久磁石53は、回転子52に埋め込む前から、磁化された状態であると、磁力が邪魔をして埋め込み作業に手間がかかるため、回転子52に磁化されていない磁性金属53を埋め込んで、その後、固定子巻線51に通電し、当該固定子巻線51に磁束を生じさせて、この磁束により磁性金属53を着磁して永久磁石としている。
また、回転軸5の内部には当該回転軸5の軸方向に沿って図示しない油路が形成されており、この油路は、回転軸5の下端に位置する吸込口61を備え、当該吸込口61が油溜め65に貯留された潤滑油に浸漬されて、潤滑油中に開口している。また、油路には各軸受けに対応する位置に潤滑を給油する給油口が形成されて、係る構成により、回転軸5が回転すると、油溜め65に貯留された潤滑油が回転軸5の吸込口61から油路に入り、上方に汲み上げられる。そして、汲み上げられた潤滑油は各給油口等を介して各軸受けや圧縮要素2の摺動部に供給されることとなる。
他方、前記密閉容器1には、当該密閉容器1内の下側の空間12内に冷媒を導入するための冷媒導入管67と、圧縮要素2にて圧縮され、前記吐出孔13を介して密閉容器1内の上側の空間11に吐出された冷媒を外部に吐出するための冷媒吐出管68とが設けられている。本実施例では、冷媒導入管67は密閉容器1の容器本体1Aの側面に溶接固定され、冷媒吐出管68はエンドキャップ1Bの側面に溶接固定されている。
図2は、スクロール圧縮機Cを図1に示す一点鎖線で切断して、矢印方向から見た図である。図2において、7は前述した下部支持フレーム、8Aは下部支持フレーム7の下側に配置され、ボルト9により当該下部支持フレーム7に固定されたカバーである。更に、55は、着磁用プレートである。当該着磁用プレート55は、磁性金属53の着磁の際の前記回転子52の回り止めとして利用されるものであり、回転軸5に取り付けられている。
以上の構成で、次にスクロール圧縮機Cの組立手順を説明する。先ず、予め電動要素3の回転子52に磁化されていない状態の磁性金属53を埋め込んで組み立てておく。また、固定子50の積層体の歯部に固定子巻線51を装着(巻装)して組み立てておく。
同様に、圧縮要素2を予め組み立てておく。具体的に、固定スクロール14をラップ17を上向きとして置いた状態で、その上にラップ21を下向きとした揺動スクロール15を被せてラップ17とラップ21とを噛み合わせる。次に、オルダムリング40をオルダムキーを下側として揺動スクロール15の図示しないキー溝に係合させて、オルダムキー及びキー溝と90度ずれた位置の固定スクロール7にネジ止めし、オルダムリング40より上側に突出させた状態で各キー溝内に係合させておく。
そして、上述の如く組み立てられた圧縮要素2の固定スクロール14の揺動スクロール15が位置する側とは反対側に上記回転軸5の偏心軸23及び上部支持フレーム4を配置し、当該上部支持フレーム4と固定スクロール15のフランジ19とをボルトで固定して、圧縮要素2、上部支持フレーム4及び回転軸5とを一体化しておく。更に、上記回転軸52の末端(下端)側から回転子52を取り付ける。これにより、圧縮要素2、上部支持フレーム4、回転軸5及び回転子52とが一体化された状態となる。
そして、容器本体1A内に固定子巻線51が装着された固定子50を挿入し、容器本体1Aの内周面に固定子50の外周面を焼嵌めにて仮固定する。次に、容器本体1Aの固定子50が固定された側とは反対側(上側)の開口から上記圧縮要素2、上部支持フレーム4及び回転軸5と一体化された回転子5を固定子50内に挿入して、上部支持フレーム4と容器本体1Aとを隙間嵌め、若しくは、焼嵌めにて固定する。更に、回転軸5の末端(下端)側に着磁用プレート55を圧入、若しくは、焼嵌めによって取り付ける。そして、下部支持フレーム7を容器本体1A内に挿入する。このとき、下部支持フレーム7の軸受け8により、回転軸5の末端(下端)が軸支されるように配置した状態で下部支持フレーム7と容器本体1Aとを、隙間嵌め、若しくは、焼嵌めにて固定する。
次に、固定子50と回転子52とのクリアランスを設定する。具体的には、容器本体1Aの電動要素3側の開口から固定子50と回転子52との間にギャップゲージ58を挿入し、当該固定子50と回転子52との間のクリアランスを確保した状態で、上述した上下支持フレーム4、7を容器本体1Aに溶接固定する。そして、ギャップゲージ58を抜き取った後、回転子52に埋め込まれた磁性金属53の着磁を行う。
この場合、上述したように磁化されていない磁性金属53を予め回転子52に埋め込み、その後、固定子巻線51に通電して、磁性金属53を着磁して永久磁石とする場合、永久磁石となりつつある状態の磁性金属53に磁束を更に通過させると、永久磁石(磁性金属53)に反発力が生じて、回転子52が回転するようになる。
このため、磁性金属53を着磁する際、回転子52が回転しないように固定する必要がある。そこで、着磁用プレート55には、回転止め用の治具を係合するための着磁位置決め用溝56が形成されている。そして、磁性金属53の着磁を行う場合には、着磁位置決め溝56に着磁用の装置の治具を係合し、回転軸5の回転(即ち、回転子52の回転)を阻止した状態で固定子巻線51に通電する。この場合、着磁用プレート55の着磁位置決め溝56から着磁用の治具を係合して通電する際に、固定子巻線51に生じる最大磁束量が回転子52に埋め込まれた磁性金属53の中央を通過するように通電できるように位置決め溝56を位置決めして、当該溝56に治具を係合して、固定子巻線51に通電する。これにより、回転軸5の回転を阻止しながら、磁性金属53に所望の大きさの磁力を着磁して永久磁石とすることができる。
上述したように磁性金属53を着磁して永久磁石とした後、着磁用装置を取り外す。そして、容器本体1Aの両開口にエンドキャップ1B及びボトムキャップ1Cとを取り付けて、接続箇所を溶接固定する。これにより、スクロール圧縮機Cが組み立てられる。
ところで、従来のスクロール圧縮機では、当該スクロール圧縮機の組立において、固定子と回転子とのクリアランスを設定する場合、回転軸に着磁の際の回転軸の回転を防止するための着磁用プレートが取り付けられている関係上、当該着磁用プレートに形成された着磁位置決め溝のみからしか固定子と回転子との間にギャップゲージを挿入することができない。即ち、従来の圧縮機では、着磁用プレートに形成された着磁位置決め溝から固定子と回転子との間にギャップゲージを挿入して固定子と回転子とのクリアランスを設定していた。
図6は従来のスクロール圧縮機の密閉容器内部を底面から見た図、図7は図6のスクロール圧縮機の組立時において、ギャップゲージを挿入した状態の密閉容器内部を底面から見た図をそれそれ示している。尚、図6及び図7において、図1乃至図5と同様の符号が付されているものは、同様、或いは、類似の効果、若しくは、作用を奏するものとする。
各図(図6及び図7)において、155は回転軸5に取り付けられた従来の着磁用プレートである。当該着磁用プレート155には4箇所の着磁位置決め用溝56が形成されている。この着磁位置決め用溝56は、前述したように磁性金属を着磁する際、回転子52が回転しないように回転子52を固定するための治具を係合するための溝であり、下部支持フレーム7に重ならない位置となるように配置されている。このような従来の着磁用プレート155が回転軸5に取り付けられた圧縮機Cでは、圧縮機Cの組立時において、固定子と回転子との間のクリアランスを設定する際に、図7に示すように着磁用プレート155に形成された着磁位置決め溝56からギャップゲージ58を挿入して固定子と回転子とのクリアランスを設定していた。
しかしながら、この場合、固定子と回転子との間に挿入できるギャップゲージ58は、着磁用プレートに形成された着磁位置決め溝56のみから、即ち、4箇所のみであり、係る構成では、固定子と回転子との間に均一なクリアランスを設定することは困難であり、固定子と回転子との間に構成されるクリアランスに偏りが生じたる恐れがあった。
このように、固定子と回転子との間に構成されるクリアランスに偏りが生じると、回転子への磁気吸引力のアンバランスにより圧縮動作の反作用である荷重が増加し、電動要素の入力が増加するという不都合が生じることとなる。
そこで、本発明は着磁用プレート55に固定子50と回転子52間にギャップゲージ58を挿入する際に当該ギャップゲージ58が通過する挿通部57を形成するものとする。この挿通部57は、図2に示すように固定子50と回転子52間に対応する位置における着磁用プレート55の全周に渡って複数形成されている。実施例の挿通部57は、着磁用プレート55を軸心方向(上下方向)に貫通するよう全周に渡って形成された孔から成り、この孔が着磁用プレート55の全周に渡って複数形成されている。
そして、圧縮機Cの組立時において、固定子50と回転子52との間のクリアランスを設定する際には、図3及び図4に示すように着磁用プレート55に形成された着磁位置決め溝56及び下部支持フレーム7に重ならない位置の挿通部57にギャップゲージ58を挿入して固定子50と回転子52とのクリアランスを設定する。尚、図5は本実施例で用いるギャップゲージ58の拡大図である。
この場合、着磁位置決め溝56に加えて、下部支持フレーム7に重ならない位置に在る挿通部57であれば、何れの挿通部57にもギャップゲージ58を通して、固定子50と回転子52間に挿入することができる。従って、より多くのギャップゲージ58を固定子50と回転子52間に挿入することができる。これにより、多数箇所で固定子50と回転子52間のギャップクリアランスを設定でき、より均一なクリアランスを設定できるようになる。
特に、挿通部57を固定子50と回転子52間に対応する位置における着磁用プレート55の全周に渡って複数形成することで、着磁位置を考慮して配置されている着磁位置決め溝56意外の箇所(即ち、挿通部57)にギャップゲージ58を挿通できるので、着磁位置に関わりなくギャップゲージ58を挿通できるようになる。これにより、固定子50と回転子52との間のクリアランスの設定が容易となり、組立作業性を改善することができるようになる。
尚、本実施例では着磁を行う際に、本発明の挿通部57に加えて、着磁用プレート55に通常形成される着磁位置決め用溝56にもギャップゲージ58を挿通して、固定子50と回転子52との間のクリアランスを設定するものとした。この場合には、より多くのギャップゲージ58を固定子50と回転子52との間に挿入できるので、より均一なクリアランスを容易に設定できるという効果が得られる。しかしながら、当該クリアランスの設定時に着磁位置決め溝56ギャップゲージ58を挿入せずに、本発明の挿通部57のみに挿入するものとしても本発明は有効である。この場合には、着磁位置決め溝56にギャップゲージ58を挿入する必要が無くなる。従って、ギャップゲージ58の寸法等を考慮して着磁位置決め溝56を形成する必要が無くなるので、当該着磁位置決め用溝56の設計も容易となる。
また、本実施例では挿通部57を、着磁用プレート55を軸心方向(上下方向)に貫通する孔としたが、本発明の挿通部は、固定子と回転子間にギャップゲージを挿入する際に当該ギャップゲージが通過可能なものであれば良く、例えば、溝であっても差し支えない。
本発明を適用した一実施例のスクロール圧縮機の縦断側面図である。 図1のスクロール圧縮機の密閉容器内部を底面から見た図である。 本実施例のスクロール圧縮機にギャップゲージを挿入した状態の縦断側面図である。 図2のスクロール圧縮機の密閉容器内部を底面から見た図である。 図3に示すギャップゲージの拡大図である。 従来のスクロール圧縮機の密閉容器内部を底面から見た図である。 従来のスクロール圧縮機にギャップゲージを挿入した状態の密閉容器内部を底面から見た図である。
符号の説明
C スクロール圧縮機(圧縮機)
1 密閉容器
1A 容器本体
1B エンドキャップ
1C ボトムキャップ
2 圧縮要素
3 電動要素
4 上部支持フレーム
5 回転軸
6 軸受部
7 下部支持フレーム
8 軸受け
9 ボルト
11 上側空間
12 下側空間
13 吐出孔
14 固定スクロール
15 揺動スクロール
16、20 鏡板
17、21 ラップ
18 周壁
19 フランジ
22 ボス収容部
23 偏心軸
24 ボス
25 圧縮室
30 上面
40 オルダムリング
43 摺動スペース
50 固定子
51 固定子巻線
52 回転子
53 磁性金属(永久磁石)
55 着磁用プレート
56 着磁位置決め用溝
57 挿通部
58 ギャップゲージ
61 吸込口
65 油溜め
67 冷媒導入管
68 冷媒吐出管

Claims (2)

  1. 密閉容器内に収納された電動要素及び該電動要素の回転軸にて駆動される圧縮要素とを備え、該電動要素は固定子巻線が巻装された固定子と、前記回転軸に固定され、磁性金属が埋め込まれた回転子とから成り、前記固定子の固定子巻線への通電により、前記回転子の磁性金属を着磁して成る圧縮機において、
    前記回転軸に取り付けられ、前記磁性金属の着磁の際の前記回転子の回り止めとして利用される着磁用プレートを備え、
    前記固定子と回転子間にギャップゲージを挿入する際に当該ギャップゲージが通過する挿通部を、前記着磁用プレートに複数形成したことを特徴とする圧縮機。
  2. 前記挿通部は、前記固定子と回転子間に対応する位置における前記着磁用プレートの全周に渡って複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
JP2008090754A 2008-03-31 2008-03-31 圧縮機 Expired - Fee Related JP5070106B2 (ja)

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