JP3561619B2 - 電動機組立方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍及び空気調和機に使用されるスクロール圧縮機の電動機部分を含む各種電動機の組立に用いられる電動機組立方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和装置等の冷凍サイクルに使用されるスクロール圧縮機の電動機組立方法および装置が、特開平8−128396号公報に提案されている。
しかし、この組立装置は、第1の軸受組立機に軸受位置決め機構と胴体位置決め機構を備え、第2の軸受組立機に軸受位置決め機構と胴体位置決め機構を備える必要があり、組立装置が複雑で値段も高くなる問題がある。
また、この電動機組立方法は、第1の軸受組立機に備わる胴体位置決め機構で胴体ケーシングと一方の軸受を位置決めした後、溶接してステータとロータのギャップを確保し、さらに第2の軸受組立機に備わる胴体位置決め機構で両軸受の中心を位置決めした後、溶接して両軸受の同軸を確保する方法であるため、主な軸受組立工程は2工程になり、組立時間と溶接時間が長くなる問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、短時間で組み立ておよび溶接ができ、かつ胴体ケーシングの寸法精度が低い場合でもステータとロータのギャップの均一性を保つことができる電動機組立方法および簡単な構成で安価な電動機組立装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記課題を解決するため請求項1の発明は、ステータ2を内挿した胴体ケーシング1の両端部内に、該胴体ケーシング1の内径より小さい外径を有する軸受5、6がそれぞれ取付けられ、該軸受5、6により胴体ケーシング1の中心部に、ロータ3を外挿した回転軸4が支持された電動機の組立方法であって、
ステータ2を内挿した胴体ケーシング1の一端部内に一方の軸受5を挿入して前記軸受5の中心を基準として組立位置に固定した後、胴体ケーシング1の他端側から中心部に、ステータ2の内側に、ステータ2の内径とロータ3の外径に適当な隙間を確保するためのギャップゲージ10を位置させ、ロータ3を外挿した回転軸4を挿入して、その一端部を前記軸受5に差し込んだ後、胴体ケーシング1の他端部内に、他方の軸受6を回転軸4の他端部に差し込んで前記軸受5の軸受中心と一致させて組立位置に固定した状態で、その胴体ケーシング1の外周側複数位置から、胴体ケーシング1を両軸受5、6に同時または別々に溶接して胴体ケーシング1の両端部に両軸受5、6を取付け、ギャップゲージ10を取り外すことにより両軸受5、6の同軸を確保すると同時にステータ2とロータ4の適当な隙間を確保することを特徴とするものである。
【0005】
本発明の請求項2の発明は、請求項1に記載の電動機組立方法において、前記電動機が、その胴体ケーシング1内に圧縮機8を収容した圧縮機の電動機部7であることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項3の発明は、ステータ2を内挿した胴体ケーシング1の両端部内に、該胴体ケーシング1の内径より小さい外径を有する軸受5、6がそれぞれ取付けられ、該軸受5、6により胴体ケーシング1の中心部に、ロータ3を外挿した回転軸4が支持された電動機の組立装置であって、
予めステータ2を内挿した胴体ケーシング1の一端部に一方の軸受5を挿入して軸受5の軸受の中心を基準として組立位置に固定して取付ける第1の軸受組立装置20と、
ステータ2内側にステータ2の内径とロータ3の外径に適当な隙間を確保するためのギャップゲージ10を複数本挿入及び取外しできるギャップゲージ装置30と、
ロータ3を外挿した回転軸4が中心部に挿入された胴体ケーシング1の他端部内に他方の軸受6を回転軸4の他端部に差し込んで前記軸受5の軸受中心と一致させて組立位置に固定して取付ける第2の軸受組立装置40と、
胴体ケーシング1の外周側複数位置から胴体ケーシング1を両軸受5、6に同時にまたは連続して溶接して両端部に両軸受5、6を取付ける溶接機構50とを具備したことを特徴とするものである。
即ち、第1の軸受組立装置20は、一方の軸受5の軸受の中心を基準として組立位置に固定する第1の軸受位置決め機構を有し、第2の軸受組立機40は、一方の軸受5の位置決めを終え、胴体ケーシング1を一方の軸受5に挿入し、ギャップゲージ装置30によりステータ2の内側にギャップゲージ10を挿入し、ロータ3を外挿した回転軸4を一方の軸受5の軸受内に挿入した後、他方の軸受6を一方の軸受5の中心を基準として組立位置に固定する第2の軸受位置決め機構を有し、組立位置に固定された胴体ケーシング1の外周複数位置から胴体ケーシングを両軸受5、6に同時または別々に溶接する溶接機構50とを有し、両軸受5、6を溶接した後にギャップゲージ装置30によりギャップゲージ10を胴体ケーシング1から取外せるようになっている。
【0007】
本発明の請求項4の発明は、請求項3に記載の電動機組立装置において、前記電動機が、その胴体ケーシング1内に圧縮機8を収納した圧縮機の電動機部7であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1〜図4に示す図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図3は、本発明の電動機組立装置の一例についてその全体構成を示す模式図である。図4は本発明の電動機組立方法および装置を用いて組立てられたスクロール圧縮機の一例である。
【0009】
図1は、一方の軸受5を取付けて軸受5の中心を基準として組立位置に固定する第1の軸受位置決め機構を有する第1の軸受組立装置20を用いて、軸受5を軸受5の中心を基準として第1の軸受組立装置20に取付けた後、予めステータ2が内挿された胴体ケーシング1の下方の一端部に挿入した状態を示す。
【0010】
図2は、ギャップゲージ装置30を用いて、ステータ2の内側にステータ2の内径とロータ3の外径に適当な隙間を確保するためのギャップゲージ10を複数本挿入し、ロータ3を外挿した回転軸4を一方の軸受5内に挿入した状態を示す。
【0011】
図3は、軸受5の軸受中心と一致させて他方の軸受6を組立位置に固定する第2の軸受位置決め機構を有する第2の軸受位置決め装置40を用いて、軸受6を電動機の組立位置に固定した後、溶接機構50を用いて、胴体ケーシング1の外周側複数位置から胴体ケーシング1を両軸受5、6に同時にまたは連続して溶接する状態を示す。
溶接終了後、ギャップゲージ装置30によりギャップゲージ10を胴体ケーシング1から取外すことで電動機組立が終了する。
【0012】
図4は、本発明の電動機組立装置を用いて本発明の電動機組立方法に従って電動機部7と圧縮機8を一体的に組み込んで組立てたスクロール圧縮機の断面説明図である。
【0013】
図1〜図3に示したように、本発明の電動機組立方法は、ステータ2を内挿した胴体ケーシング1の両端部内に、該胴体ケーシング1の内径より小さい外径を有する軸受5、6がそれぞれ取付けられ、該軸受5、6により胴体ケーシング1の中心部に、ロータ3を外挿した回転軸4が支持された電動機の組立方法であって、ステータ2が内挿された胴体ケーシング1の一端部内に一方の軸受5を挿入し、胴体ケーシング1の他端側から中心部に、ステータ2の内側に、ステータ2とロータ3との間に適当な隙間を確保するためのギャップゲージ10を位置させて、ロータ3が外挿された回転軸4を挿入して、その一端部を一方の軸受5に差し込み、胴体ケーシング1の他端部内に一方の軸受5の中心を基準とした他方の軸受6を回転軸4の他端部に差し込むことで、ステータ2とロータ4のギャップを確保しかつ両軸受の同軸を確保するものである。そして軸受5の中心を基準とした他方の軸受6を回転軸4の他端部に差し込んだ状態で、その胴体ケーシング1の外周側複数位置から、胴体ケーシング1を両軸受5、6に同時または別々に溶接して胴体ケーシング1の両端部に両軸受5、6を取付け、ギャップゲージ10を取り外す。
【0014】
このため、本発明においては、従来技術(特開平8−128396号公報)の様なステータ内面と上軸受を位置決めさせる第1の軸受組立機に胴体位置決め機構を備える必要がなくなり、組立装置のコストが安くなる上、第1の軸受組立機による胴体位置決め工程がなくなるので、組立時間を短縮することができる。
また、従来技術(特開平8−128396号公報)の溶接工程は、胴体ケーシングと上軸受を溶接し、次に胴体ケーシングと下軸受の溶接を行う2工程からなっているが、本発明においては、胴体ケーシング1と両軸受5、6を同時にまたは連続して溶接できるため、溶接時間を従来の約1/2にすることができる。
また、本発明においては、ギャップゲージ装置30を用いて、ステータ2の内側にステータ2の内径とロータ3の外径に適当な隙間を確保するためのギャップゲージ10を複数本挿入し、ロータ3を外挿した回転軸4を一方の軸受5の軸受内に挿入したのち、軸受5の軸受中心と一致させて他方の軸受6を組立位置に固定する第2の軸受位置決め機構を有する第2の軸受位置決め装置40を用いて軸受6を電動機の組立位置に精度よく固定した後、胴体ケーシング1の外周側複数位置から胴体ケーシング1を両軸受5、6に溶接するので、胴体ケーシング1の寸法精度が低い場合もステータ2とロータ3のギャップの均一性を保つことができる。
【0015】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0016】
【発明の効果】
本発明の電動機組立方法によれば、短時間で組み立ておよび溶接ができ、かつ胴体ケーシングの寸法精度が低い場合でもステータとロータのギャップの均一性を保つことができる。本発明の電動機組立装置は構成が簡単で安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動機組立装置の第1の軸受組立装置の一例についてその構成を示す模式図である。
【図2】本発明の電動機組立装置のギャップゲージ装置の一例についてその構成を示す模式図である。
【図3】本発明の電動機組立装置の第2の軸受位置決め装置の一例についてその構成を示す模式図である。
【図4】本発明の電動機組立方法および装置を用いて組立てられたスクロール圧縮機の一例を示す断面説明図である。
【符号の説明】1 胴体ケーシング
2 ステータ
3 ロータ
4 回転軸
5、6 軸受
7 電動機部
8 圧縮機
10 ギャップゲージ
20 第1の軸受組立装置
30 ギャップゲージ装置
40 第2の軸受位置決め装置
50 溶接機構
Claims (4)
- ステータ2を内挿した胴体ケーシング1の両端部内に、該胴体ケーシング1の内径より小さい外径を有する軸受5、6がそれぞれ取付けられ、該軸受5、6により胴体ケーシング1の中心部に、ロータ3を外挿した回転軸4が支持された電動機の組立方法であって、
ステータ2を内挿した胴体ケーシング1の一端部内に一方の軸受5を挿入して前記軸受5の中心を基準として組立位置に固定した後、胴体ケーシング1の他端側から中心部に、ステータ2の内側に、ステータ2の内径とロータ3の外径に適当な隙間を確保するためのギャップゲージ10を位置させ、ロータ3を外挿した回転軸4を挿入して、その一端部を前記軸受5に差し込んだ後、胴体ケーシング1の他端部内に、他方の軸受6を回転軸4の他端部に差し込んで前記軸受5の軸受中心と一致させて組立位置に固定した状態で、その胴体ケーシング1の外周側複数位置から、胴体ケーシング1を両軸受5、6に同時または別々に溶接して胴体ケーシング1の両端部に両軸受5、6を取付け、ギャップゲージ10を取り外すことにより両軸受5、6の同軸を確保すると同時にステータ2とロータ4の適当な隙間を確保することを特徴とする、電動機組立方法。 - 請求項1に記載の電動機組立方法において、前記電動機が、その胴体ケーシング1内に圧縮機8を収容した圧縮機の電動機部7であることを特徴とする電動機組立方法。
- ステータ2を内挿した胴体ケーシング1の両端部内に、該胴体ケーシング1の内径より小さい外径を有する軸受5、6がそれぞれ取付けられ、該軸受5、6により胴体ケーシング1の中心部に、ロータ3を外挿した回転軸4が支持された電動機の組立装置であって、
予めステータ2を内挿した胴体ケーシング1の一端部に一方の軸受5を挿入して軸受5の軸受の中心を基準として組立位置に固定して取付ける第1の軸受組立装置20と、
ステータ2内側にステータ2の内径とロータ3の外径に適当な隙間を確保するためのギャップゲージ10を複数本挿入及び取外しできるギャップゲージ装置30と、
ロータ3を外挿した回転軸4が中心部に挿入された胴体ケーシング1の他端部内に他方の軸受6を回転軸4の他端部に差し込んで前記軸受5の軸受中心と一致させて組立位置に固定して取付ける第2の軸受組立装置40と、
胴体ケーシング1の外周側複数位置から胴体ケーシング1を両軸受5、6に同時にまたは連続して溶接して両端部に両軸受5、6を取付ける溶接機構50とを具備したことを特徴とする電動機組立装置。 - 請求項3に記載の電動機組立装置において、前記電動機が、その胴体ケーシング1内に圧縮機8を収納した圧縮機の電動機部7であることを特徴とする電動機組立装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34543497A JP3561619B2 (ja) | 1997-12-15 | 1997-12-15 | 電動機組立方法および装置 |
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JPH11178293A JPH11178293A (ja) | 1999-07-02 |
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JP34543497A Expired - Lifetime JP3561619B2 (ja) | 1997-12-15 | 1997-12-15 | 電動機組立方法および装置 |
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