JP2012202349A - スクロール圧縮装置、及び、スクロール圧縮装置における組み立て方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータの着磁と、固定スクロールの芯出しとを容易に行うことができるスクロール圧縮装置、及び、スクロール圧縮装置における組み立て方法を提供する。
【解決手段】ケーシング3の内部に、固定スクロール23と揺動スクロール25とを有するスクロール圧縮機構11と、スクロール圧縮機構11と駆動軸15で連結され当該スクロール圧縮機構11を駆動する駆動モータ13とを備えるスクロール圧縮装置1における組み立て方法であって、スクロール圧縮機構11がメインフレーム21によケーシング3に支持され、駆動モータ13のロータ39を着磁すると共に、ロータ39の着磁後に、着磁した磁力に打ち勝って揺動スクロール25を揺動動作可能な圧縮ガスを、スクロール圧縮機構11の吐出側に作用させて、揺動スクロール25を揺動動作し、揺動スクロール25と固定スクロール23との芯出しを行った後に、固定スクロール23をメインフレーム21に位置決めする。
【選択図】図2
【解決手段】ケーシング3の内部に、固定スクロール23と揺動スクロール25とを有するスクロール圧縮機構11と、スクロール圧縮機構11と駆動軸15で連結され当該スクロール圧縮機構11を駆動する駆動モータ13とを備えるスクロール圧縮装置1における組み立て方法であって、スクロール圧縮機構11がメインフレーム21によケーシング3に支持され、駆動モータ13のロータ39を着磁すると共に、ロータ39の着磁後に、着磁した磁力に打ち勝って揺動スクロール25を揺動動作可能な圧縮ガスを、スクロール圧縮機構11の吐出側に作用させて、揺動スクロール25を揺動動作し、揺動スクロール25と固定スクロール23との芯出しを行った後に、固定スクロール23をメインフレーム21に位置決めする。
【選択図】図2
Description
本発明は、本発明は、固定スクロールと揺動スクロールの噛み合いにより圧縮を行うスクロール圧縮装置と、スクロール圧縮装置における組み立て方法に関する。
従来、密閉されたケーシング内に、互いに噛合する渦巻き状のラップを有する固定スクロールと揺動スクロールとからなる圧縮機構を備え、この圧縮機構を駆動モータで駆動させて、固定スクロールに対して揺動スクロールを自転することなく円運動させることにより圧縮を行うスクロール圧縮装置が知られている。この種のスクロール圧縮装置では、固定スクロールと揺動スクロールとを噛みあわせた状態での組み立て精度が圧縮性能や耐久性に大きく影響する。そのため、固定スクロールと揺動スクロールのラップ間のクリアランスの縮小、及び、均一化するために、揺動スクロールを固定スクロールに対して揺動動作させながら固定スクロールの芯出しを行う方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、駆動モータのロータは、ステータのステータ巻き線に電流を流して巻線着磁によって着磁される、或いは、外部の着磁装置を用いて外部着磁によって着磁されて磁化される。固定スクロールの芯出しを行う際には、圧縮機構の吐出側から圧縮ガスを流し込んで、この圧縮ガスの圧力で揺動スクロールを揺動動作させるが、ロータが磁化されている場合、その磁力によって容易に揺動スクロールを揺動動作させることができなくなり、固定スクロールの芯出しの作業効率が低下するという問題がある。
本発明は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、ロータの着磁と、固定スクロールの芯出しとを容易に行うことができるスクロール圧縮装置、及び、スクロール圧縮装置における組み立て方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、ロータの着磁と、固定スクロールの芯出しとを容易に行うことができるスクロール圧縮装置、及び、スクロール圧縮装置における組み立て方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ケーシングの内部に、固定スクロールと揺動スクロールとを有して冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構と、前記スクロール圧縮機構と駆動軸で連結され当該スクロール圧縮機構を駆動する、インバータ制御されるDCモータとを備えるスクロール圧縮装置における組み立て方法であって、前記スクロール圧縮機構がメインフレームにより前記ケーシングに支持され、前記DCモータのロータを着磁すると共に、前記ロータの着磁後に、着磁した磁力に打ち勝って前記揺動スクロールを揺動動作可能な圧縮ガスを、前記スクロール圧縮機構の吐出側に作用させて、前記揺動スクロールを揺動動作し、前記揺動スクロールと前記固定スクロールとの芯出しを行った後に、前記固定スクロールを前記メインフレームに位置決めする、ことを特徴とする。
この発明では、着磁したロータの磁力に打ち勝って揺動スクロールを揺動動作可能な圧縮ガスを、スクロール圧縮機構の吐出側に作用させて、揺動スクロールを揺動動作し、固定スクロールの芯出しを行い、固定スクロールをメインフレームに位置決めすることができるため、ロータが磁化されていても、ロータが磁化されていない状態のときと同様に、圧縮ガスの圧力で揺動スクロールを揺動動作させて固定スクロールと揺動スクロールとを組み立てることができる。
この発明では、着磁したロータの磁力に打ち勝って揺動スクロールを揺動動作可能な圧縮ガスを、スクロール圧縮機構の吐出側に作用させて、揺動スクロールを揺動動作し、固定スクロールの芯出しを行い、固定スクロールをメインフレームに位置決めすることができるため、ロータが磁化されていても、ロータが磁化されていない状態のときと同様に、圧縮ガスの圧力で揺動スクロールを揺動動作させて固定スクロールと揺動スクロールとを組み立てることができる。
この構成において、前記ロータは、前記駆動軸を所定角度回転させて停止して、前記DCモータの巻き線に電圧を印加し、再び、前記駆動軸を所定角度回転させて停止し、前記電圧を印加する操作を繰り返して着磁する構成としても良い。また、前記ロータは、前記DCモータに組み付ける前に着磁する構成としても良い。
また、上記目的を達成するために、本発明は、ケーシングの内部に、固定スクロールと揺動スクロールとを有して冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構と、前記スクロール圧縮機構と駆動軸で連結され当該スクロール圧縮機構を駆動する、インバータ制御されるDCモータとを備えるスクロール圧縮装置における組み立て方法であって、前記スクロール圧縮機構がメインフレームにより前記ケーシングに支持され、前記スクロール圧縮機構の吐出側に圧縮ガスを作用させて、前記揺動スクロールを揺動動作し、前記揺動スクロールと前記固定スクロールとの芯出しを行った後に、前記固定スクロールを前記メインフレームに位置決めすると共に、前記駆動軸を所定角度回転させて停止して、前記DCモータの巻き線に電圧を印加し、再び、前記駆動軸を所定角度回転させて停止し、前記電圧を印加する操作を繰り返して前記ロータを着磁する、ことを特徴とする。
この発明では、スクロール圧縮機構の吐出側に圧縮ガスを作用させて揺動スクロールを揺動動作し、固定スクロールの芯出しを行い、固定スクロールをメインフレームに位置決めした後に、ロータを着磁させることができるため、固定スクロールの芯出しを行う際に、揺動スクロールの揺動動作をロータの磁力の影響を受けることなく行うことができ、圧縮ガスの圧力で揺動スクロールを揺動動作させて固定スクロールの芯出しを行うことができる。
この発明では、スクロール圧縮機構の吐出側に圧縮ガスを作用させて揺動スクロールを揺動動作し、固定スクロールの芯出しを行い、固定スクロールをメインフレームに位置決めした後に、ロータを着磁させることができるため、固定スクロールの芯出しを行う際に、揺動スクロールの揺動動作をロータの磁力の影響を受けることなく行うことができ、圧縮ガスの圧力で揺動スクロールを揺動動作させて固定スクロールの芯出しを行うことができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、ケーシングの内部に、固定スクロールと揺動スクロールとを有して冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構と、前記スクロール圧縮機構と駆動軸で連結され当該スクロール圧縮機構を駆動する、インバータ制御されるDCモータとを備えるスクロール圧縮装置において、前記スクロール圧縮機構がメインフレームにより前記ケーシングに支持され、前記DCモータのロータを着磁すると共に、前記ロータの着磁後に、着磁した磁力に打ち勝って前記揺動スクロールを揺動動作可能な圧縮ガスを、前記スクロール圧縮機構の吐出側に作用させて、前記揺動スクロールを揺動動作し、前記揺動スクロールと前記固定スクロールとの芯出しを行った後に、前記固定スクロールを前記メインフレームに位置決めして組み立てたことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明は、ケーシングの内部に、固定スクロールと揺動スクロールとを有して冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構と、前記スクロール圧縮機構と駆動軸で連結され当該スクロール圧縮機構を駆動する、インバータ制御されるDCモータとを備えるスクロール圧縮装置において、前記スクロール圧縮機構がメインフレームにより前記ケーシングに支持され、前記スクロール圧縮機構の吐出側に圧縮ガスを作用させて、前記揺動スクロールを揺動動作し、前記揺動スクロールと前記固定スクロールとの芯出しを行った後に、前記固定スクロールを前記メインフレームに位置決めすると共に、前記駆動軸を所定角度回転させて停止して、前記DCモータの巻き線に電圧を印加し、再び、前記駆動軸を所定角度回転させて停止し、前記電圧を印加する操作を繰り返して前記ロータを着磁して組み立てたことを特徴とする。
本発明によれば、ロータが磁化されていても、着磁したロータの磁力に打ち勝って揺動スクロールを揺動動作可能な圧縮ガスを、スクロール圧縮機構の吐出側に作用させて、揺動スクロールを揺動動作し、固定スクロールの芯出しを行い、固定スクロールをメインフレームに位置決めするため、ロータが磁化されていても、ロータが磁化されていいない場合と同様に、圧縮ガスの圧力で揺動スクロールを揺動動作させて固定スクロールの芯出しを行うことができ、ロータの着磁、或いは、固定スクロールの芯出しのいずれを先におこなってもロータの着磁と、固定スクロールの芯出しとを行うことができる。
<第1実施形態>
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、1は内部高圧となるスクロール圧縮装置を示し、この圧縮機1は、冷媒が循環して冷凍サイクル運転動作を行う図外の冷媒回路に接続されて、冷媒を圧縮するものである。この圧縮機1は、縦長円筒状の密閉ドーム型のケーシング3を有する。
このケーシング3は、上下方向に延びる軸線を有する円筒状の胴部であるケーシング本体5と、その上端部に気密状に溶接されて一体接合され、上方に突出した凸面を有する椀状の上キャップ7と、ケーシング本体5の下端部に気密状に溶接されて一体接合され、下方に突出した凸面を有する椀状の下キャップ9とで圧力容器に構成されており、その内部は空洞とされている。ケーシング3の外周面には、ターミナルカバー52が設けられ、このターミナルカバー52の内部には、後述のステータ37に電源を供給する電源供給端子53が備えられる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、1は内部高圧となるスクロール圧縮装置を示し、この圧縮機1は、冷媒が循環して冷凍サイクル運転動作を行う図外の冷媒回路に接続されて、冷媒を圧縮するものである。この圧縮機1は、縦長円筒状の密閉ドーム型のケーシング3を有する。
このケーシング3は、上下方向に延びる軸線を有する円筒状の胴部であるケーシング本体5と、その上端部に気密状に溶接されて一体接合され、上方に突出した凸面を有する椀状の上キャップ7と、ケーシング本体5の下端部に気密状に溶接されて一体接合され、下方に突出した凸面を有する椀状の下キャップ9とで圧力容器に構成されており、その内部は空洞とされている。ケーシング3の外周面には、ターミナルカバー52が設けられ、このターミナルカバー52の内部には、後述のステータ37に電源を供給する電源供給端子53が備えられる。
ケーシング3の内部には、冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構11と、このスクロール圧縮機構11の下方に配置される駆動モータ13とが収容されている。これらのスクロール圧縮機構11と駆動モータ13とは、ケーシング3内を上下方向に延びるように配置される駆動軸15によって連結されている。また、これらのスクロール圧縮機構11と駆動モータ13との間には間隙空間17が形成されている。
ケーシング3の内部上方には、メインフレーム21が収納され、このメインフレーム21には中央にラジアル軸受部28とボス収容部26とが形成されている。ラジアル軸受部28は、駆動軸15の先端(上端)側を軸支するためのものであり、当該メインフレーム21の一方の面(下側の面)の中央から下方に突出して形成されている。ボス収容部26は後述する揺動スクロール25のボス25Cを収容するためのものであり、メインフレーム21の他方の面(上側の面)の中央を下方に凹陥することにより形成されている。駆動軸15の先端(上端)には、偏心軸部15Aが形成されている。この偏心軸部15Aは、中心が駆動軸15の軸心と偏心して設けられると共に、旋回軸受け24を介して、ボス25Cに旋回駆動可能に挿入されている。
上記スクロール圧縮機構11は、固定スクロール23と揺動スクロール25とで構成されている。固定スクロール23は、メインフレーム21の上面に密着して配置される。メインフレーム21は、外周縁がケーシング3のケーシング本体5の内面に取り付けられ、固定スクロール23は、メインフレーム21にねじ34で締結されている。揺動スクロール25は、固定スクロール23に噛合し、固定スクロール23と、メインフレーム21との間の形成される揺動空間12内に配置される。ケーシング3内は、メインフレーム21の下方の高圧空間27と、メインフレーム21の上方の吐出空間29とに区画される。各空間27,29は、メインフレーム21及び固定スクロール23の外周に縦に延びて形成された縦溝71を介して連通している。
ケーシング3の上キャップ7には、冷媒回路の冷媒をスクロール圧縮機構11に導く吸入管31が、またケーシング本体5には、ケーシング3内の冷媒をケーシング3外に吐出させる吐出管33がそれぞれ気密状に貫通固定されている。吸入管31は、吐出空間29を上下方向に延び、その内端部はスクロール圧縮機構11の固定スクロール23を貫通して、圧縮室35に連通し、この吸入管31により圧縮室35内に冷媒が吸入される。
駆動モータ(DC駆動モータ)13は、直流電源からの入力を受けて駆動するDC(Direct Current)モータであり、環状のステータ37と、このステータ37の内側に回転自在に構成されたロータ39とを備える。駆動モータ13は、一定の入力電圧を受け、パルス波のデューティ比、つまり、パルス波を出す周期と出した時のパルス幅と、を制御するPWM(Pulse Width Modulation)インバータによって回転トルクが制御され駆動する。
ロータ39には、駆動軸15を介してスクロール圧縮機構11の揺動スクロール25が駆動連結されている。ステータ37は、ステータコア37Aと、ステータコイル18とから成る。ステータコア37Aは、薄い鉄板を重ね合わせて形成され、内部には、図示は省略したが、複数の溝を有する。ステータコイル18は、複数相のステータ巻線が巻回されて形成され、ステータコア37Aの内部に形成された溝に嵌入されて、ステータコア37Aの上下に備えられる。ステータコイル18は、インシュレータ19の内部に収容されている。ステータコイル18は、不図示の導線を介して電源供給端子53に接続される。
ロータ39は、フェライト磁石、或いは、ネオジウム磁石から形成され着磁によって磁化される。ロータ39を磁化させる方法としては、ロータ39をステータ37に内挿した後、ステータ37のステータコイル18を形成するステータ巻き線に電流を流して着磁する巻線着磁、或いは、ロータ39を外部の着磁装置を用いて着磁させた後にステータ37に内挿する外部着磁がある。駆動軸15の内部には、ロータ39の巻線着磁を行う際に、ロータ39の位置決めに用いる、ホルダ(ピンホルダ)58が圧入されている。
ステータ37は、環状のスペーサリング38によってケーシング3の内壁面に支持される。スペーサリング38はケーシング3の内壁面に焼き嵌めによって固定され、ステータ37はスペーサリング38の内壁面に焼き嵌めによって固定される。スペーサリング38の上端面は、ステータ37の上端面よりも下方に設けられる。
ステータ37は、環状のスペーサリング38によってケーシング3の内壁面に支持される。スペーサリング38はケーシング3の内壁面に焼き嵌めによって固定され、ステータ37はスペーサリング38の内壁面に焼き嵌めによって固定される。スペーサリング38の上端面は、ステータ37の上端面よりも下方に設けられる。
駆動モータ13の下方には、駆動軸15の下端部を回転可能に嵌入支持するベアリングプレート8が備えられる。ベアリングプレート8は、図2に示すように、円筒状に形成され駆動軸15が嵌入されるボス部8Aと、このボス部8Aに略等間隔に周設され4方向に延び、ケーシング本体5に固定されるアーム部8Bとを備える。つまり、駆動軸15は、ベアリングプレート8によってケーシング3に支持される。ベアリングプレート8は、各アーム部8Bの間に形成され、上下の空間を連通する開口部8Eを有する。
図1に示す、ベアリングプレート8の下方の下部空間(油溜め)40は、高圧に保たれており、その下端部に相当する下キャップ9の内底部には油が貯留される。ベアリングプレート8と、油溜め40の間には、環状プレート59がベアリングプレート8に固定されて備えられる。また、環状プレート59の上方には、バッフル板14が環状プレート59に支持されて設けられる。バッフル板14は、例えば、多数の細孔14Dを有した、例えば薄板状のパンチングメタルによって形成される。
図1に示す、ベアリングプレート8の下方の下部空間(油溜め)40は、高圧に保たれており、その下端部に相当する下キャップ9の内底部には油が貯留される。ベアリングプレート8と、油溜め40の間には、環状プレート59がベアリングプレート8に固定されて備えられる。また、環状プレート59の上方には、バッフル板14が環状プレート59に支持されて設けられる。バッフル板14は、例えば、多数の細孔14Dを有した、例えば薄板状のパンチングメタルによって形成される。
駆動軸15内には、高圧油供給手段の一部としての給油路41が形成され、この給油路41は、駆動軸15の内部を上下に延び、揺動スクロール25の背面の油室43に連通している。この給油路41は、駆動軸15の下端に設けたオイルピックアップ45に連結される。オイルピックアップ45の奥側には、駆動軸15の径方向に延び、給油路41を貫通する横穴57が設けられる。この横穴57には、上述したホルダ58が圧入される。オイルピックアップ45は、ロータ39の着磁後に、駆動軸15に圧入される。
オイルピックアップ45は、下端に設けられた吸込口42と、この吸込口42の上方に形成されたパドル44とを備える。オイルピックアップ45の下端は、油溜め40に貯留された潤滑オイルに浸漬されて、当該給油路41の吸込口42が潤滑オイル内にて開口している。駆動軸15が回転すると、油溜め40に貯留された潤滑オイルがオイルピックアップ45の吸込口42から給油路41に入り、この給油路41のパドル44に沿って上方に汲み上げられる。そして、汲み上げられた潤滑オイルは、給油路41を通じ、ラジアル軸受部28、及び、旋回軸受24等のスクロール圧縮機構11の各摺動部分に供給される。さらに、潤滑オイルは、給油路41を通じて揺動スクロール25背面の油室43に供給され、この油室43から、揺動スクロール25に設けられた連通路51を介して、圧縮室35へ供給される。
メインフレーム21には、ボス収容部26からメインフレーム21を径方向に貫通し、縦溝71に開口する戻し油路47が形成される。給油路41を通じ、スクロール圧縮機構11の各摺動部分、及び、圧縮室35に供給される潤滑オイルのうち、過剰となった潤滑オイルは、この戻し油路47を通って油溜め40に戻される。戻し油路47の下方には、オイルコレクター46が設けられ、オイルコレクター46は、スペーサリング38の上端近傍まで延在する。ステータ37の外周面には、ステータ37の上下に亘る複数の切欠き54が形成される。戻し油路47、オイルコレクター46を通じて給油路41から戻された潤滑オイルは、この切欠き54、及び、ベアリングプレート8の各アーム部8Bの間を通って油溜め40に戻される。なお、図1の断面図において、吐出管33が説明の便宜上破線で示されているが、吐出管33は、オイルコレクター46とは、位相をずらして配置される。
固定スクロール23は、鏡板23Aと、この鏡板23Aの下面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ23Bとで構成されている。一方、揺動スクロール25は、鏡板25Aと、この鏡板25Aの上面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ25Bとで構成されている。そして、固定スクロール23のラップ23Bと、揺動スクロール25のラップ25Bとは互いに噛合しており、このことにより固定スクロール23と揺動スクロール25との間において、両ラップ23B,25Bで複数の圧縮室35が形成されている。
揺動スクロール25は、オルダムリング61を介して固定スクロール23に支持され、その鏡板25Aの下面の中心部には有底円筒状のボス25Cが突設されている。一方、駆動軸15の上端には偏心軸部15Aが設けられ、この偏心軸部15Aは、揺動スクロール25のボス25Cに回転可能に嵌入されている。
さらに、駆動軸15には、メインフレーム21の下側に、カウンタウェイト部(上バランサ)63が設けられ、ロータ39の下部には、下バランサ77が設けられている。駆動軸15は、これらの上バランサ63、及び、下バランサ77によって揺動スクロール25や偏心軸部15A等と動的バランスを取っている。
さらに、駆動軸15には、メインフレーム21の下側に、カウンタウェイト部(上バランサ)63が設けられ、ロータ39の下部には、下バランサ77が設けられている。駆動軸15は、これらの上バランサ63、及び、下バランサ77によって揺動スクロール25や偏心軸部15A等と動的バランスを取っている。
これらのカウンタウェイト部63、及び、下バランサ77により重さのバランスを取りながら駆動軸15が回転することで、揺動スクロール25を公転させるようになっている。そして、この揺動スクロール25の公転に伴い、圧縮室35は、両ラップ23B,25B間の容積が中心に向かって収縮することで吸入管31より吸入された冷媒を圧縮するように構成されている。また、下バランサ77の下面には、ロータ39、及び、下バランサ77と一体にカシメられる規制プレート55が設けられる。規制プレート55は、ロータ39の巻線着磁を行う際に、ロータ39の回転を規制するために用いられる。
メインフレーム21の下側には、カウンタウェイト部63の周りを囲うようにカップ48がボルト49で固定されている。カップ48は、メインフレーム21と、駆動軸15との間のクリアランスから漏れ出た潤滑オイルが、カウンタウェイト部63の回転によって吐出管側に飛散されるのを防ぐ。
固定スクロール23の中央部には吐出孔73が設けられており、この吐出孔73から吐出されたガス冷媒は、吐出弁75を通って吐出空間29に吐出され、メインフレーム21及び固定スクロール23の各外周に設けた縦溝71を介して、メインフレーム21の下方の高圧空間27に流出し、この高圧冷媒は、ケーシング本体5に設けた吐出管33を介してケーシング3外に吐出される。
このスクロール圧縮装置1の運転動作について説明する。
駆動モータ13を駆動すると、ステータ37に対してロータ39が回転し、それによって駆動軸15が回転する。駆動軸15が回転すると、スクロール圧縮機構11の揺動スクロール25が固定スクロール23に対して自転せずに公転のみ行う。このことにより、低圧の冷媒が吸入管31を通して圧縮室35の周縁側から圧縮室35に吸引され、この冷媒は圧縮室35の容積変化に伴って圧縮される。そして、この圧縮された冷媒は、高圧となって圧縮室35から吐出弁75を通って吐出空間29に吐出され、メインフレーム21及び固定スクロール23の各外周に設けた縦溝71を介して、メインフレーム21の下方の高圧空間27に流出し、この高圧冷媒は、ケーシング本体5に設けた吐出管33を介してケーシング3外に吐出される。ケーシング3外に吐出された冷媒は、図示を省略した冷媒回路を循環した後、再度吸入管31を通して圧縮機1に吸入されて圧縮され、このような冷媒の循環が繰り返される。
駆動モータ13を駆動すると、ステータ37に対してロータ39が回転し、それによって駆動軸15が回転する。駆動軸15が回転すると、スクロール圧縮機構11の揺動スクロール25が固定スクロール23に対して自転せずに公転のみ行う。このことにより、低圧の冷媒が吸入管31を通して圧縮室35の周縁側から圧縮室35に吸引され、この冷媒は圧縮室35の容積変化に伴って圧縮される。そして、この圧縮された冷媒は、高圧となって圧縮室35から吐出弁75を通って吐出空間29に吐出され、メインフレーム21及び固定スクロール23の各外周に設けた縦溝71を介して、メインフレーム21の下方の高圧空間27に流出し、この高圧冷媒は、ケーシング本体5に設けた吐出管33を介してケーシング3外に吐出される。ケーシング3外に吐出された冷媒は、図示を省略した冷媒回路を循環した後、再度吸入管31を通して圧縮機1に吸入されて圧縮され、このような冷媒の循環が繰り返される。
潤滑オイルの流れを説明すると、ケーシング3における下キャップ9の内底部に貯留された潤滑オイルが、オイルピックアップ45により吸い上げられ、この潤滑オイルが、駆動軸15の給油路41を通じ、スクロール圧縮機構11の各摺動部分、及び、圧縮室35へ供給される。スクロール圧縮機構11の各摺動部分、及び、圧縮室35で過剰となった潤滑オイルは、戻し油路47から、オイルコレクター46に集められ、ステータ37の外周に設けられた切欠き54を通って駆動モータ13の下方に戻される。
次に、スクロール圧縮装置1の組み立て工程において、固定スクロール23の芯出しを行う方法について説明する。この第1実施形態では、ロータ39は、巻線着磁によって着磁され、固定スクロール23の芯出しは、ロータ39の着磁前に行われる。つまり、固定スクロール23の芯出しを行うときには、ロータ39は磁化されていない。
固定スクロール23の芯出しは、ケーシング本体5に、スクロール圧縮機構11、及び、駆動モータ13を取り付けられた状態で行われ、上キャップ7、吸入管31、吐出弁75、及び、下キャップ9は、取り外されている。
固定スクロール23の芯出しは、ケーシング本体5に、スクロール圧縮機構11、及び、駆動モータ13を取り付けられた状態で行われ、上キャップ7、吸入管31、吐出弁75、及び、下キャップ9は、取り外されている。
固定スクロール23の中央部に設けられた吐出孔73には、配管82を介して調整装置80が連結される。調整装置80は、空気、或いは、窒素などのガスを圧縮するポンプ81と、高圧レギュレータ83と、低圧レギュレータ84と、切替弁86と、接続カプラ87と等から構成されている。
固定スクロール23が仮固定されている状態で、ケーシング本体5を調整台88の上に固定する。次に、接続カプラ87を固定スクロール23の吐出孔73に接続し、ポンプ81を作動する。切替弁86によって高圧レギュレータ83で、一定の圧力、5kg/cm2、に調整された圧縮ガス(加圧流体)を接続カプラ87を介して吐出孔73から揺動空間12内に流し込むことで、圧縮ガスをスクロール圧縮機構11の吐出側に作用させる。
固定スクロール23が仮固定されている状態で、ケーシング本体5を調整台88の上に固定する。次に、接続カプラ87を固定スクロール23の吐出孔73に接続し、ポンプ81を作動する。切替弁86によって高圧レギュレータ83で、一定の圧力、5kg/cm2、に調整された圧縮ガス(加圧流体)を接続カプラ87を介して吐出孔73から揺動空間12内に流し込むことで、圧縮ガスをスクロール圧縮機構11の吐出側に作用させる。
揺動スクロール25は、吐出孔73から揺動空間12内に流し込まれた圧縮ガスの圧力によって、通常の冷媒を圧縮する運転時とは逆の方向に揺動動作する。この揺動スクロール25の揺動動作によって、固定スクロール23は、固定スクロール23のラップ23Bが、揺動スクロール25のラップ25Bと全周に渡って接触しない位置に落ち着く。この状態で、ネジ36を均等に締め上げて、固定スクロール23を、最適な位置でメインフレーム21に締結し、固定することで、固定スクロール23の芯出しが行われる。
ロータ39は、固定スクロール23の芯出しを行い、最適な位置でメインフレーム21に締結して固定した後に、巻線着磁によって着磁される。ロータ39の着磁時には、スクロール圧縮装置1は、図示は省略したが、下キャップ9、及び、オイルピックアップ45を取り付ける前の状態で、天地を逆にして配置される。次に、駆動軸15の内部に形成された給油路41内に回転治具を挿入して、回転治具の先端を給油路41内を径方向に延びるホルダ58に係止させる。ホルダ58に回転治具を係止させた状態で、回転治具を回転駆動させて、駆動軸15を所定角度回転させてロータ39を所定位置に配置する。この状態で、駆動モータ13のステータ37のステータコイル18を構成するステータ巻線に電流を通電させて、ステータコア37Aの内側に磁界を発生させることで、ロータ39を着磁する。ロータ39は、位相を変えながら角度を変えて複数回着磁が行われることで、複数極に着磁される。
この構成によれば、ロータ39の着磁を行う前に固定スクロール23の芯出しを行うことができるため、固定スクロール23の芯出しを行う際には、揺動スクロール25は、ロータ39の磁力の影響を受けることなく揺動動作する。これによって、吐出孔73から揺動空間12内に流し込む圧縮ガスの圧力で、揺動スクロール25を容易に揺動動作させることができるため、固定スクロール23の芯出し作業を効率良く行うことができる。
<第2実施形態>
上述の第1実施形態では、固定スクロール23の芯出しを行った後に、ロータ39の着磁を巻線着磁を用いて行う場合について説明したが、この第2実施形態では、巻線着磁を用いてロータ39の着磁を行った後に、固定スクロール23の芯出しを行う。なお、この第2実施形態のスクロール圧縮装置1の構成は、図1を用いて説明した、第1実施形態のスクロール圧縮装置1の構成と同じである。
上述の第1実施形態では、固定スクロール23の芯出しを行った後に、ロータ39の着磁を巻線着磁を用いて行う場合について説明したが、この第2実施形態では、巻線着磁を用いてロータ39の着磁を行った後に、固定スクロール23の芯出しを行う。なお、この第2実施形態のスクロール圧縮装置1の構成は、図1を用いて説明した、第1実施形態のスクロール圧縮装置1の構成と同じである。
この第2実施形態では、まず、ロータ39の着磁を巻線着磁によって行う。ロータ39を巻線着磁によって着磁する方法に関しては、上述の第1実施形態で説明した方法と同じである。
ロータ39を巻線着磁を用いて着磁し、磁化させた後に、固定スクロール23の芯出しを行うために、固定スクロール23が仮固定されている状態で、ケーシング本体5を調整台88の上に固定する。次に、接続カプラ87を固定スクロール23の吐出孔73に接続し、ポンプ81を作動する。切替弁86によって高圧レギュレータ83で、一定の高圧力、8〜9kg/cm2、に調整された高圧ガスを接続カプラ87を介して吐出孔73から揺動空間12内に流し込むことで、圧縮ガスをスクロール圧縮機構11の吐出側に作用させる。
ロータ39を巻線着磁を用いて着磁し、磁化させた後に、固定スクロール23の芯出しを行うために、固定スクロール23が仮固定されている状態で、ケーシング本体5を調整台88の上に固定する。次に、接続カプラ87を固定スクロール23の吐出孔73に接続し、ポンプ81を作動する。切替弁86によって高圧レギュレータ83で、一定の高圧力、8〜9kg/cm2、に調整された高圧ガスを接続カプラ87を介して吐出孔73から揺動空間12内に流し込むことで、圧縮ガスをスクロール圧縮機構11の吐出側に作用させる。
揺動スクロール25は、吐出孔73から揺動空間12内に流し込まれた8〜9kg/cm2の高圧ガスの圧力によって、着磁したロータ39の磁力に打ち勝って、通常の冷媒を圧縮する運転時とは逆の方向に揺動動作する。この揺動スクロール25の揺動動作によって、固定スクロール23は、固定スクロール23のラップ23Bが、揺動スクロール25のラップ25Bと全周に渡って接触しない位置に落ち着く。この状態で、ネジ36を均等に締め上げて、固定スクロール23を、最適な位置でメインフレーム21に締結し、固定する。
この状態では、ロータ39の磁力の影響で揺動スクロール25が揺動動作に強い力が必要となる。しかし、この構成では、吐出孔73から揺動空間12内に流し込まれた高圧ガスにより揺動スクロール25を、ロータ39が磁化されていない場合と同様に回転させることができる。これによって、ロータ39を巻線着磁を用いて着磁した後に固定スクロール23の芯出しを行う場合でも、ロータ39が磁化されていない状態で固定スクロール23の芯出しを行う場合と同等の精度で固定スクロールと揺動スクロールとを組み立てることができる。
<第3実施形態>
上述の第2実施形態では、巻線着磁を用いてロータ39の着磁を行った後に、固定スクロール23の芯出しを行う場合について説明したが、この第3実施形態では、外部着磁を用いてロータ39の着磁を行った後に、固定スクロール23の芯出しを行う。なお、この第3実施形態のスクロール圧縮装置1の構成は、図1を用いて説明した、第1実施形態のスクロール圧縮装置1の構成と同じである。
上述の第2実施形態では、巻線着磁を用いてロータ39の着磁を行った後に、固定スクロール23の芯出しを行う場合について説明したが、この第3実施形態では、外部着磁を用いてロータ39の着磁を行った後に、固定スクロール23の芯出しを行う。なお、この第3実施形態のスクロール圧縮装置1の構成は、図1を用いて説明した、第1実施形態のスクロール圧縮装置1の構成と同じである。
この第3実施形態では、図示は省略したが、まず、ロータ39を外部の着磁装置で着磁させた後に、駆動軸15にロータ39が焼嵌め等によって固定されている状態で、ケーシング本体5内に駆動モータ13が取り付けられる。例えば、スクロール圧縮機構11の排除容積を大きくし、駆動モータ13の回転出力を高くする必要がある場合には、ステータ37が大きくなる。ステータ37が大きくなると、ロータ39は、外部着磁で着磁する必要がある。そのため、揺動スクロール25の揺動動作は、ロータ39の磁力の影響を受ける。この第3実施形態は、このように、ロータ39を外部着磁によって着磁させた場合にも、ロータ39が磁化されていない状態で固定スクロール23の芯出しを行う場合と同等の精度で固定スクロールと揺動スクロールとを組み立てるための方法である。
ロータ39が外部着磁によって着磁された後に、駆動モータ13をケーシング本体5に取り付ける。その後、固定スクロール23が仮固定されている状態で、ケーシング本体5を調整台88の上に固定する。次に、接続カプラ87を固定スクロール23の吐出孔73に接続し、ポンプ81を作動する。切替弁86によって高圧レギュレータ83で、一定の高圧力、8〜9kg/cm2、に調整された高圧ガスを接続カプラ87を介して吐出孔73から揺動空間12内に流し込むことで、圧縮ガスをスクロール圧縮機構11の吐出側に作用させる。
揺動スクロール25は、吐出孔73から揺動空間12内に流し込まれた8〜9kg/cm2の高圧ガスの圧力によって、着磁したロータ39の磁力に打ち勝って、通常の冷媒を圧縮する運転時とは逆の方向に揺動動作する。この揺動スクロール25の揺動動作によって、固定スクロール23は、固定スクロール23のラップ23Bが、揺動スクロール25のラップ25Bと全周に渡って接触しない位置に落ち着く。この状態で、ネジ36を均等に締め上げて、固定スクロール23を、最適な位置でメインフレーム21に締結し、固定する。
この構成によれば、ロータ39の磁力の影響で揺動スクロール25が容易には揺動動作しない状態になっている場合でも、吐出孔73から揺動空間12内に流し込まれた高圧ガスにより揺動スクロール25を、ロータ39が磁化されていない場合と同様に揺動動作させることができる。これによって、ロータ39を外部着磁によって着磁した後に駆動モータ13をケーシング本体5に取り付けて、固定スクロール23の芯出しを行う場合でも、ロータ39が磁化されていない状態で固定スクロール23の芯出しを行う場合と同等の精度で固定スクロールと揺動スクロールとを組み立てることができる。
以上説明したように、本発明を適用した実施形態によれば、ケーシング3の内部に、固定スクロール23と揺動スクロール25とを有して冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構11と、スクロール圧縮機構11と駆動軸15で連結され当該スクロール圧縮機構11を駆動する、インバータ制御されるDC駆動モータ13とを備えるスクロール圧縮装置1における組み立て方法であって、スクロール圧縮機構11がメインフレーム21によりケーシング3に支持され、DC駆動モータ13のロータ39を着磁すると共に、ロータ39の着磁後に、着磁した磁力に打ち勝って揺動スクロール25を揺動動作可能な圧縮ガスを、吐出孔73から揺動空間12内に流し込んで、スクロール圧縮機構11の吐出側に作用させて、揺動スクロール25を揺動動作し、揺動スクロール25と固定スクロール23との芯出しを行った後に、固定スクロール23をメインフレーム21に位置決めする。これによって、着磁したロータ39の磁力に打ち勝って揺動スクロール25を揺動動作可能な圧縮ガスを、吐出孔73から揺動空間12内に流し込んで、スクロール圧縮機構11の吐出側に作用させて、揺動スクロール25を揺動動作し、固定スクロール23の芯出しを行い、固定スクロール23をメインフレーム21に位置決めすることができるため、ロータ39が磁化されていても、ロータ39が磁化されていない状態のときと同様に、圧縮ガスの圧力で揺動スクロール25を揺動動作させて固定スクロール23と揺動スクロール25とを組み立てることができる。そのため、ロータ39の着磁、或いは、固定スクロール25の芯出しのいずれを先におこなってもロータ39の着磁と、固定スクロール25の芯出しとを行うことができる。
また、本発明を適用した実施形態によれば、ロータ39は、駆動軸15を所定角度回転させて停止して、駆動モータ13のステータ巻き線に電圧を印加し、再び、駆動軸15を所定角度回転させて停止し、電圧を印加する操作を繰り返して着磁する。これによって、ステータ37のステータコイル18を構成するステータ巻線に電流を流して、ステータコア37A内に磁界を発生させてロータ39に着磁する巻線着磁を行う場合であっても、ロータ39の着磁後に、着磁した磁力に打ち勝って揺動スクロール25を揺動動作可能な圧縮ガスを、吐出孔73から揺動空間12内に流し込んで、スクロール圧縮機構11の吐出側に作用させて、揺動スクロール25を揺動動作し、圧縮ガスの圧力で揺動スクロール25を揺動動作させることで、固定スクロール23の芯出しを行うことができる。
また、本発明を適用した実施形態によれば、ロータ39は、DC駆動モータ13に組み付ける前に着磁する。これによって、ロータ39をDC駆動モータ13に組み付ける前に外部の着磁装置を用いて着磁し、着磁した磁力に打ち勝って揺動スクロール25を揺動動作可能な圧縮ガスを、吐出孔73から揺動空間12内に流し込んで、スクロール圧縮機構11の吐出側に作用させて、揺動スクロール25を揺動動作し、圧縮ガスの圧力で揺動スクロール25を揺動動作させることで、固定スクロール23の芯出しを行うことができる。
また、本発明を適用した実施形態によれば、ケーシング3の内部に、固定スクロール23と揺動スクロール25とを有して冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構11と、スクロール圧縮機構11と駆動軸15で連結され当該スクロール圧縮機構11を駆動する、インバータ制御されるDC駆動モータ13とを備えるスクロール圧縮装置1における組み立て方法であって、スクロール圧縮機構11がメインフレーム21によりケーシング3に支持され、吐出孔73からスクロール圧縮機構11の吐出側に圧縮ガスを作用させて、揺動スクロール25を揺動動作し、揺動スクロール25と固定スクロール23との芯出しを行った後に、固定スクロール23をメインフレーム21に位置決めすると共に、駆動軸15を所定角度回転させて停止して、DC駆動モータ13の巻き線に電圧を印加し、再び、駆動軸15を所定角度回転させて停止し、電圧を印加する操作を繰り返してロータを着磁する。これによって、スクロール圧縮機構11の吐出側に圧縮ガスを作用させて揺動スクロール25を揺動動作し、固定スクロール23の芯出しを行い、固定スクロール23をメインフレーム21に位置決めした後に、ロータ39を着磁させることができるため、固定スクロール23の芯出しを行う際に、揺動スクロール25の揺動動作をロータ39の磁力の影響を受けることなく行うことができ、圧縮ガスの圧力で揺動スクロール25を揺動動作させて固定スクロール23の芯出しを行うことができる。
1 スクロール型圧縮機
3 ケーシング
11 スクロール圧縮機構
13 駆動モータ(DC駆動モータ)
15 駆動軸
21 メインフレーム
23 固定スクロール
25 揺動スクロール
37 ステータ
39 ロータ
73 吐出孔
3 ケーシング
11 スクロール圧縮機構
13 駆動モータ(DC駆動モータ)
15 駆動軸
21 メインフレーム
23 固定スクロール
25 揺動スクロール
37 ステータ
39 ロータ
73 吐出孔
Claims (6)
- ケーシングの内部に、固定スクロールと揺動スクロールとを有して冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構と、前記スクロール圧縮機構と駆動軸で連結され当該スクロール圧縮機構を駆動する、インバータ制御されるDCモータとを備えるスクロール圧縮装置における組み立て方法であって、
前記スクロール圧縮機構がメインフレームにより前記ケーシングに支持され、
前記DCモータのロータを着磁すると共に、
前記ロータの着磁後に、着磁した磁力に打ち勝って前記揺動スクロールを揺動動作可能な圧縮ガスを、前記スクロール圧縮機構の吐出側に作用させて、前記揺動スクロールを揺動動作し、前記揺動スクロールと前記固定スクロールとの芯出しを行った後に、前記固定スクロールを前記メインフレームに位置決めする、
ことを特徴とするスクロール圧縮装置における組み立て方法。 - 前記ロータは、前記駆動軸を所定角度回転させて停止して、前記DCモータのステータ巻き線に電圧を印加し、再び、前記駆動軸を所定角度回転させて停止し、前記電圧を印加する操作を繰り返して着磁する、ことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮装置における組み立て方法。
- 前記ロータは、前記DCモータに組み付ける前に着磁する、ことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮装置における組み立て方法。
- ケーシングの内部に、固定スクロールと揺動スクロールとを有して冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構と、前記スクロール圧縮機構と駆動軸で連結され当該スクロール圧縮機構を駆動する、インバータ制御されるDCモータとを備えるスクロール圧縮装置における組み立て方法であって、
前記スクロール圧縮機構がメインフレームにより前記ケーシングに支持され、
前記スクロール圧縮機構の吐出側に圧縮ガスを作用させて、前記揺動スクロールを揺動動作し、前記揺動スクロールと前記固定スクロールとの芯出しを行った後に、前記固定スクロールを前記メインフレームに位置決めすると共に、
前記駆動軸を所定角度回転させて停止して、前記DCモータの巻き線に電圧を印加し、再び、前記駆動軸を所定角度回転させて停止し、前記電圧を印加する操作を繰り返して前記ロータを着磁する、
ことを特徴とするスクロール圧縮装置における組み立て方法。 - ケーシングの内部に、固定スクロールと揺動スクロールとを有して冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構と、前記スクロール圧縮機構と駆動軸で連結され当該スクロール圧縮機構を駆動する、インバータ制御されるDCモータとを備えるスクロール圧縮装置において、
前記スクロール圧縮機構がメインフレームにより前記ケーシングに支持され、
前記DCモータのロータを着磁すると共に、
前記ロータの着磁後に、着磁した磁力に打ち勝って前記揺動スクロールを揺動動作可能な圧縮ガスを、前記スクロール圧縮機構の吐出側に作用させて、前記揺動スクロールを揺動動作し、前記揺動スクロールと前記固定スクロールとの芯出しを行った後に、前記固定スクロールを前記メインフレームに位置決めして組み立てた
ことを特徴とするスクロール圧縮装置。 - ケーシングの内部に、固定スクロールと揺動スクロールとを有して冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構と、前記スクロール圧縮機構と駆動軸で連結され当該スクロール圧縮機構を駆動する、インバータ制御されるDCモータとを備えるスクロール圧縮装置において、
前記スクロール圧縮機構がメインフレームにより前記ケーシングに支持され、
前記スクロール圧縮機構の吐出側に圧縮ガスを作用させて、前記揺動スクロールを揺動動作し、前記揺動スクロールと前記固定スクロールとの芯出しを行った後に、前記固定スクロールを前記メインフレームに位置決めすると共に、
前記駆動軸を所定角度回転させて停止して、前記DCモータの巻き線に電圧を印加し、再び、前記駆動軸を所定角度回転させて停止し、前記電圧を印加する操作を繰り返して前記ロータを着磁して組み立てた
ことを特徴とするスクロール圧縮装置。
Priority Applications (9)
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US14/007,181 US9494155B2 (en) | 2011-03-24 | 2011-12-20 | Scroll compression device |
US14/007,273 US20140161649A1 (en) | 2011-03-24 | 2011-12-20 | Scroll compression device and assembling method for scroll compression device |
PCT/JP2011/079468 WO2012127754A1 (ja) | 2011-03-24 | 2011-12-20 | スクロール圧縮装置 |
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