JP2022148607A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】騒音がさらに低減された圧縮機を提供する。【解決手段】圧縮機は、圧縮機本体と、軸線に沿って延びる回転軸を有し、回転軸によって圧縮機本体を駆動する電動機と、圧縮機本体と電動機とを収容するハウジングと、を備え、電動機は、軸線回りに回転可能なロータと、軸線を中心とする環状のステータと、を有し、ハウジングは、ハウジング本体と、ハウジング本体の外側で直径方向に対向する位置に設けられ、他の部分よりも剛性の高い一対の高剛性部と、を有し、ステータは、一対の高剛性部を結ぶ第一直線、及び第一直線に直交する第二直線とハウジングの交点とは異なる位置に設けられた複数の固定点でハウジングの内周面に固定されている。【選択図】図2

Description

本開示は、圧縮機に関する。
例えば自動車に搭載される圧縮機の一種として、スクロール圧縮機が知られている。スクロール圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体を駆動する電動機と、これら圧縮機本体、及び電動機を収容するハウジングと、を備えている。電動機は、軸線回りに回転可能なロータと、ロータを外周側から覆うステータと、を有している。ステータは、軸線を中心とする環状をなし、ハウジングの内周面に対してボルト止めや焼き嵌めによって固定されている(例えば下記特許文献1)。
ハウジングの外周面には、当該スクロール圧縮機を自動車の所定位置に固定するための取付脚が形成されている。このため、取付脚が形成されている部分では、他の部分よりも剛性が高くなっている。通常、取付脚はハウジングの直径方向に対向する位置に一対と、その他の位置にさらに1つ設けられる。モータの駆動に伴う振動モードを考えた場合、直径方向に対向する一対の取付脚を結ぶ第一直線と、この第一直線に直交する第二直線を短軸、又は長軸とする楕円モードの振動が生じることが知られている。さらに、環状であることから、ステータにも楕円モードの振動が発生することが知られている。
特許第2719819号公報
上記のようなハウジングとステータの振動モードが重畳された場合、振動が発散してしまい、圧縮機の騒音が大きくなる虞がある。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、騒音がさらに低減された圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示に係る圧縮機は、圧縮機本体と、軸線に沿って延びる回転軸を有し、該回転軸によって該圧縮機本体を駆動する電動機と、前記軸線を中心とする円筒状をなし、前記圧縮機本体と前記電動機とを収容するハウジングと、
を備え、前記電動機は、前記軸線回りに回転可能なロータと、前記軸線を中心とする環状のステータと、を有し、前記ハウジングは、ハウジング本体と、該ハウジング本体の外側で前記軸線に対する直径方向に対向する位置に設けられ、他の部分よりも剛性の高い一対の高剛性部と、を有し、前記ステータは、前記一対の高剛性部を結ぶ第一直線、及び該第一直線に直交する第二直線と前記ハウジングの交点とは異なる位置に設けられた複数の固定点で前記ハウジングの内周面に固定されている。
本開示によれば、騒音がさらに低減された圧縮機を提供することができる。
本開示の実施形態に係る圧縮機の構成を示す断面図である。 図1のII-II線における断面図である。 本開示の実施形態に係る圧縮機の変形例を示す断面図である。
(圧縮機の構成)
以下、本開示の実施形態に係る圧縮機としてのスクロール圧縮機100について、図1と図2を参照して説明する。スクロール圧縮機100は、例えば車両用の空調装置の冷媒を圧縮するために用いられる。図1に示すように、スクロール圧縮機100は、シャフト1(回転軸)と、モータ2(電動機)と、圧縮機本体3と、ハウジング4と、カバー5と、上部軸受6と、下部軸受7と、ドライブブッシュ8と、を備えている。
(シャフトの構成)
シャフト1は、軸線Oに沿って延びるとともに、当該軸線O回りに回転可能とされている。シャフト1は、シャフト本体10と、小径部11と、大径部12と、偏芯軸部13と、を有している。シャフト本体10は、軸線Oを中心とする円柱状をなしている。シャフト本体10は、軸線O方向の全域にわたって一様な径寸法を有している。シャフト本体10の外周面には、モータ2のロータ21(後述)が取り付けられている。
軸線O方向におけるシャフト本体10の一方側(下側)には、小径部11が設けられている。小径部11は、軸線Oを中心とする円柱状をなすとともに、シャフト本体10よりも小さな径寸法を有している。小径部11は、ハウジング4に取り付けられた下部軸受7によって軸線O方向一方側(下側)から支持されている。
シャフト本体10の軸線O方向他方側(上側)には、大径部12が設けられている。大径部12は、軸線Oを中心とする円柱状をなすとともに、シャフト本体10よりも大きな径寸法を有している。大径部12は、ハウジング4に固定された上部軸受6によって径方向から支持されている。
大径部12のさらに上側(軸線O方向他方側)には、偏芯軸部13が設けられている。偏芯軸部13は、大径部12から軸線O方向他方側に向かって突出している。偏芯軸部13は、軸線Oと平行をなすとともに、当該軸線Oから径方向にずれた位置に延びる偏芯軸Aを中心とする円柱状をなしている。したがって、シャフト1が回転するとき、偏芯軸部13は軸線O回りに公転(旋回)する。
(モータの構成)
モータ2は、シャフト1に回転駆動力を与える。モータ2は、ロータ21と、ステータ22と、を有している。ロータ21は、シャフト本体10に固定されている。ロータ21は、軸線Oを中心とする円筒状をなしている。詳しくは図示しないが、ロータ21は、複数の磁石を有している。ステータ22は、このロータ21を外周側から覆っている。ステータ22は、複数の鋼板を軸線O方向に積層し、さらに銅線を巻回する(コイルを構成する)ことで形成されている。ステータ22に通電することで、ステータ22とロータ21との間に電磁力が発生し、ロータ21に軸線O回りの回転力が与えられる。これにより、シャフト1が軸線O回りに回転する。
(圧縮機本体の構成)
圧縮機本体3は、モータ2によるシャフト1の回転によって駆動する。圧縮機本体3は、固定スクロール31と、可動スクロール32と、を有している。固定スクロール31は、軸線Oを中心とする円盤状の第一端板31aと、この第一端板31aの軸線O方向一方側(下側)に設けられた第一渦巻板31bと、を有している。第一渦巻板31bは、軸線Oを中心として渦巻状に延びている。固定スクロール31は、ハウジング4に固定されている。
可動スクロール32は、円盤状の第二端板32aと、この第二端板32aの軸線O方向他方側(上側)に設けられた第二渦巻板32bと、ボス部32cと、を有している。第二渦巻板32bは、軸線Oを中心として渦巻状に延びている。第二渦巻板32bの軸線O方向の寸法は、上述した第一渦巻板31bの軸線O方向の寸法と同等である。このように第一渦巻板31bと第二渦巻板32bとが軸線O方向から噛み合うことで、両者の間に圧縮室が形成されている。
ボス部32cは、第二端板32aから軸線O方向一方側(下側)に向かって突出する円筒状の部分である。ボス部32cは、ドライブブッシュ8を介してシャフト1の偏芯軸部13に取り付けられている。偏芯軸部13が軸線O回りに旋回することで、ドライブブッシュ8を通じて旋回力が可動スクロール32に伝達される。これにより、可動スクロール32は軸線O回りに旋回する。なお、詳しくは図示しないが、可動スクロール32自身の回転(自転)は、オルダムリングによって規制されている。
可動スクロール32が旋回することによって、上述の圧縮室の容積が時間変化し、当該圧縮室内を径方向外側から内側に冷媒が送られる中途で圧縮され、圧力が上がる。高圧状態となった冷媒は、固定スクロール31の第一端板31aに形成された開口部Hを通じてハウジング4内に導かれる。
ハウジング4は、ハウジング本体41と、取付脚42(高剛性部)と、を有している。ハウジング本体41は、シャフト1、モータ2、及び圧縮機本体3を収容する有底円筒状の容器である。取付脚42は、スクロール圧縮機100を所定の位置に固定するための部材である。取付脚42は、図2に示すように、軸線Oを通る直径方向に対向する位置に一対設けられている。ハウジング本体41のうち、取付脚42が設けられている部分では、肉厚となる分だけ他の部分よりも剛性が高くなっている。
カバー5は、ハウジング本体41の軸線O方向一方側(下側)に取り付けられている。詳しくは図示しないが、カバー5の内側には、IPM(インテリジェントパワーモジュール)等を含む電装品が収容される。
(ステータとハウジングの関係)
図2に示すように、モータ2のステータ22は、ハウジング4の内周面4sに対して、焼き嵌めによって固定されている。より詳細には、ステータ22の外周面22sは、ハウジング4の内周面4sに対して、等間隔をあけて正方形状に配置された4つの固定点Pによって締まり嵌めされた状態となっている。ここで、上述した一対の取付脚42を結ぶ直線を第一直線L1と呼び、当該第一直線L1に直交する直線を第二直線L2と呼ぶ。
ハウジング本体41は円形断面を有することから、これら第一直線L1、及び第二直線L2を長軸、又は短軸とする楕円モードの振動が生じやすい。4つの固定点Pは、これら第一直線L1、及び第二直線L2とハウジング本体41との交点とは異なる位置にそれぞれ配置されている。言い換えれば、4つの固定点Pは、第一直線L1、第二直線L2上には位置していない。また、これら固定点Pは、第一直線L1と第二直線L2に対して45°回転した位置に設けられている。したがって、いずれの固定点Pも第一直線L1、第二直線L2とハウジング本体41との交点から幾何的に最も離間している。
(作用効果)
ここで、スクロール圧縮機100の運転中には、ハウジング本体41に加えて、ステータ22にも上述した楕円モードの振動が生じることが知られている。ハウジング本体41の楕円モードと、ステータ22の楕円モードとが重畳されてしまった場合(つまり、これら2つの楕円モードの長軸方向と短軸方向とが互いに一致している場合)、両者の振動が合成されてしまい、最終的に発散してしまう虞がある。
そこで、本実施形態では、4つの固定点Pは、これら第一直線L1、及び第二直線L2とハウジング本体41との交点とは異なる位置にそれぞれ配置されている。これにより、ハウジング本体41の楕円モードと、ステータ22の楕円モードとの間で短軸と長軸が互いに重なることがない。これにより、振動が発散してしまう可能性を低減することができる。その結果、スクロール圧縮機100の騒音を低減することができる。
また、上記構成によれば、複数の固定点Pが等間隔に配置されていることから、ステータ22の変形に周方向の偏りが生じにくくなる。その結果、楕円モードの振動の発生をさらに抑制することができる。
ここで、電動機は3相交流で駆動されることが一般的である。このため、仮に固定点の個数が3の倍数である場合、それぞれの電流に基づく電磁力によって励起される振動が時間経過とともに共振したり、発達したりしてしまう可能性がある。しかしながら、上記の構成によれば、3の倍数ではなく、正方形状に4つの固定点が設けられていることから、このような可能性を低減することができる。
以上、本開示の実施形態について説明した。なお、本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、上記実施形態では、固定点Pによってステータ22をハウジング4に焼き嵌めした例について説明した。しかしながら、固定点Pの態様は焼き嵌めに限定されず、ボルトによってステータ22をハウジング4に締結する構成を採ることも可能である。
さらに、上記実施形態では、4つの固定点Pが正方形状に配置されている例について説明した。しかしながら、変形例として図3に示すように、正五角形状に5つの固定点Pを配置することも可能である。この場合も、いずれの固定点Pも第一直線L1、第二直線L2上には位置していない。この構成によっても、正方形状に配置された4つの固定点Pと同様に、3相交流に基づく振動に対して共振を生じる可能性を低減することができる。
<付記>
各実施形態に記載の圧縮機(スクロール圧縮機100)は、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係る圧縮機は、圧縮機本体3と、軸線Oに沿って延びる回転軸(シャフト1)を有し、該回転軸によって該圧縮機本体3を駆動する電動機(モータ2)と、前記軸線Oを中心とする円筒状をなし、前記圧縮機本体3と前記電動機とを収容するハウジング4と、を備え、前記電動機は、前記軸線O回りに回転可能なロータ21と、前記軸線Oを中心とする環状のステータ22と、を有し、前記ハウジング4は、ハウジング本体41と、該ハウジング本体41の外側で前記軸線Oに対する直径方向に対向する位置に設けられ、他の部分よりも剛性の高い一対の高剛性部(取付脚42)と、を有し、前記ステータ22は、前記一対の高剛性部を結ぶ第一直線L1、及び該第一直線L1に直交する第二直線L2と前記ハウジング4の交点とは異なる位置に設けられた複数の固定点Pで前記ハウジング4の内周面に固定されている。
上記構成によれば、ハウジング4の振動の楕円モードと、ステータ22の振動の楕円モードが互いに重なることがない。これにより、振動が発散してしまう可能性を低減することができる。
(2)第2の態様に係る圧縮機では、前記複数の固定点Pは、前記軸線Oに対する周方向に等間隔をあけて配置されている。
上記構成によれば、複数の固定点Pが等間隔に配置されていることから、ステータ22の変形に周方向の偏りが生じにくくなる。その結果、楕円モードの振動の発生をさらに抑制することができる。
(3)第3の態様に係る圧縮機では、前記複数の固定点Pは、正方形状に配置されている。
ここで、電動機は3相交流で駆動されることが一般的である。このため、仮に固定点Pの個数が3の倍数である場合、それぞれの電流に基づく電磁力によって励起される振動が時間経過とともに発達してしまう可能性がある。しかしながら、上記の構成によれば、3の倍数ではなく、正方形状に4つの固定点Pが設けられていることから、このような可能性を低減することができる。
(4)第4の態様に係る圧縮機では、前記複数の固定点Pは、正五角形状に配置されている。
ここで、電動機は3相交流で駆動されることが一般的である。このため、仮に固定点Pの個数が3の倍数である場合、それぞれの電流に基づく電磁力によって励起される振動が時間経過とともに発達してしまう可能性がある。しかしながら、上記の構成によれば、3の倍数ではなく、正五角形状に5つの固定点Pが設けられていることから、このような可能性を低減することができる。
100 スクロール圧縮機
1 シャフト
2 モータ
3 圧縮機本体
4 ハウジング
4s 内周面
5 カバー
6 上部軸受
7 下部軸受
8 ドライブブッシュ
10 シャフト本体
11 小径部
12 大径部
13 偏芯軸部
21 ロータ
22 ステータ
22s 外周面
31 固定スクロール
31a 第一端板
31b 第一渦巻板
32 可動スクロール
32a 第二端板
32b 第二渦巻板
32c ボス部
41 ハウジング本体
42 取付脚
A 偏芯軸
H 開口部
L1 第一直線
L2 第二直線
O 軸線
P 固定点

Claims (4)

  1. 圧縮機本体と、
    軸線に沿って延びる回転軸を有し、該回転軸によって該圧縮機本体を駆動する電動機と、
    前記軸線を中心とする円筒状をなし、前記圧縮機本体と前記電動機とを収容するハウジングと、
    を備え、
    前記電動機は、
    前記軸線回りに回転可能なロータと、
    前記軸線を中心とする環状のステータと、
    を有し、
    前記ハウジングは、
    ハウジング本体と、
    該ハウジング本体の外側で前記軸線に対する直径方向に対向する位置に設けられ、他の部分よりも剛性の高い一対の高剛性部と、
    を有し、
    前記ステータは、前記一対の高剛性部を結ぶ第一直線、及び該第一直線に直交する第二直線と前記ハウジングの交点とは異なる位置に設けられた複数の固定点で前記ハウジングの内周面に固定されている圧縮機。
  2. 前記複数の固定点は、前記軸線に対する周方向に等間隔をあけて配置されている請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記複数の固定点は、正方形状に配置されている請求項1又は2に記載の圧縮機。
  4. 前記複数の固定点は、正五角形状に配置されている請求項1又は2に記載の圧縮機。
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