JP2014107948A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーシングの振動を低減し騒音を抑制できる圧縮機を提供する。
【解決手段】ケーシングと、ステータ52とを備える。ケーシングは、円筒状のパイプ21を含む。ステータ52は、パイプ21の内周面に焼き嵌めによって固定された状態において、内周側に、回転軸が固定されたロータが位置している。また、ステータ52は、電磁鋼板53が複数積層されることによって形成されている。電磁鋼板53は、環状のリング部54と複数のティース部55とを有する。リング部54は、ステータ52の外郭を形成している。ティース部55は、リング部54の内周面から径方向内側に突出して周方向に配列される。ティース部55の先端縁を結ぶ仮想形状の軸方向視の図心である第1図心CE1は、回転軸の中心と一致し、リング部54の外周縁の軸方向視の図心である第2図心CE2とずれている。
【選択図】図5

Description

本発明は、圧縮機に関する。
従来、円筒状のパイプの内周面にステータが焼き嵌めによって固定される圧縮機が存在する。ステータは、例えば、特許文献1(特開2010−288330号公報)に開示のように、パイプの内周面に固定された状態において、内周側に、回転軸が固定されたロータが位置しており、電磁鋼板が積層されることによって形成され、ティース部を有している。
一般に、ロータには、永久磁石が嵌め込まれている。ステータのティース部には巻線が巻かれており、巻線に通電することによってステータとロータとの間で回転磁界が発生しモータが回転するようになっている。
モータの回転時には、ロータの永久磁石と、ステータとの間で生じる吸引力及び反発力により、ステータが振動する。ステータが振動することにより、回転数によっては、ステータが固定されたパイプを含むケーシングが共振振動を起こすが、ケーシングが共振振動を起こすと騒音の発生に繋がるため、当該状況は抑制できることが好ましい。
そこで、上記特許文献1では、ステータの振動がパイプに伝播するのを抑制するために、ステータの外周面に切り欠きを形成し、その切り欠きを円周方向に回転対称とならないように設けている。しかし、特許文献1に開示のステータは、その外径が、パイプの内径とほぼ同じ大きさとなるように構成されている。このため、上記のように切り欠きを形成していたとしても、振動中、パイプとステータとの接触の状態に変化はなく、十分な振動減衰率を得ることができないと考えられる。よって、特許文献1のステータでは、依然として、ステータの振動と共にケーシングが共振を起こしやすいと考えられる。
そこで、本発明の課題は、ケーシングの振動を低減し騒音を抑制できる圧縮機を提供することにある。
本発明の第1観点に係る圧縮機は、ケーシングと、ステータとを備える。ケーシングは、円筒状のパイプを含む。ステータは、パイプの内周面に焼き嵌めによって固定された状態において、内周側に、回転軸が固定されたロータが位置している。また、ステータは、電磁鋼板が複数積層されることによって形成されている。電磁鋼板は、環状のリング部と複数のティース部とを有する。リング部は、ステータの外郭を形成している。ティース部は、リング部の内周面から径方向内側に突出して周方向に配列される。ティース部の先端縁を結ぶ仮想形状の軸方向視の図心である第1図心は、回転軸の中心と一致し、リング部の外周縁の軸方向視の図心である第2図心とずれている。
本発明の第1観点に係る圧縮機では、第1図心と回転軸の中心とが一致しており、第1図心と第2図心とが一致せずにずれている電磁鋼板を複数用いてステータを構成している。これにより、パイプとステータとの接触部分を減らすことが可能になる。よって、ステータの振動によりパイプを含むケーシングが共振振動を起こしたときに、パイプとステータとの接触部分が接触点近傍でわずかに移動し、振動減衰率が高まる。従って、ケーシングの振動を低減でき、これにより、騒音を抑制できる。
本発明の第2観点に係る圧縮機は、本発明の第1観点に係る圧縮機であって、電磁鋼板は、リング部の外周縁の一部が、パイプの内周面に接触しており、リング部の外周縁の他部は、パイプの内周面に接触していない。
本発明の第2観点に係る圧縮機では、リング部の外周縁の一部がパイプの内周面に接触していることにより、ケーシングが共振振動を起こしたときに、パイプとステータとの接触部分が接触点近傍でわずかに移動し振動減衰率が高まる。よって、ケーシングの振動をより低減できる。
本発明の第3観点に係る圧縮機は、本発明の第2観点に係る圧縮機であって、第2図心は、第1図心に対して、第1図心からリング部及びパイプの内周面の接触部分へと向かう方向にずれている。
本発明の第3観点に係る圧縮機では、潤滑油の流路を確保しやすい。よって、油上がりを抑制しやすい。
本発明の第4観点に係る圧縮機は、本発明の第2観点又は第3観点に係る圧縮機であって、電磁鋼板は、ティース部が重なるように、且つ、リング部とパイプの内周面との接触部分の軸方向視における位置がずれるように、積層される。また、軸方向視における、電磁鋼板のリング部とパイプの内周面との接触部分同士を結んだ仮想線は、第1図心を中心とした円の円周に近似する。
本発明の第4観点に係る圧縮機では、ステータのパイプによって支持される位置が、軸方向で異なり且つ軸方向視においても異なる。よって、ステータの安定性及びバランス性を向上できる。
本発明の第1観点に係る圧縮機では、ケーシングの振動をより低減できる。
本発明の第2観点に係る圧縮機では、ケーシングの振動をより低減できる。
本発明の第3観点に係る圧縮機では、油上がりを抑制しやすい。
本発明の第4観点に係る圧縮機では、ステータの安定性及びバランス性を向上できる。
圧縮機の概略縦断面図。 圧縮機の圧縮要素の概略横断面図。 ステータの横断面図。 ステータを軸方向上側から視た図(軸方向最上端の電磁鋼板だけでなく、各電磁鋼板を図示)。 ステータ及びステータが固定された状態のパイプの横断面図。 接触点を示すために、切り欠きが形成されていない状態のステータとパイプとを軸方向上側から視た図(軸方向最上端の電磁鋼板だけでなく、各電磁鋼板を図示)。 接触点を結んだ仮想線を示す模式図。
以下、本発明に係る圧縮機の実施形態について、図面に基づいて説明する。
(1)圧縮機1の全体構成
図1は、圧縮機1の概略縦断面図である。図2は、圧縮機1の圧縮要素3の概略横断面図である。なお、以下の説明において、上下方向とは、図1に示す後述する回転軸15の中心軸線O(以下、適宜単に中心軸線Oという)に沿った軸方向を意味するものとする。また、軸方向に直交する方向を径方向とし、軸方向周りの方向を周方向とする。また、以下に説明する横断面とは、軸方向に対して垂直に切断した場合の断面を意味する。
圧縮機1は、空気調和装置等の冷凍サイクル運転を行う冷媒回路に接続されて、作動ガスとしての冷媒を圧縮する揺動ピストン型のロータリ圧縮機である。
圧縮機1は、図1に示すように、主として、ケーシング2と、圧縮要素3と、モータ5とを有している。圧縮機1は、圧縮要素3及びモータ5がケーシング2内に収納された密閉型構造となっている。以下、これらの構成について説明する。
(1−1)ケーシング2
ケーシング2は、縦型円筒状の容器であり、主として、略円筒状のパイプ21と、パイプ21の上下の開口端を閉じる略椀状の上部鏡板22及び下部鏡板23とを有している。
ケーシング2には、吸入管11と、吐出管12とが設けられている。吸入管11は、パイプ21の下部を貫通する管状部材であり、アキュムレータ(図示せず)に接続されている。吸入管11は、ケーシング2の外部から圧縮要素3へ、圧縮前の冷媒ガスを導入する。吐出管12は、上部鏡板22に貫通する管状部材であり、冷媒回路を構成する冷媒管(図示せず)に接続されている。吐出管12は、高圧空間SP1からケーシング2の外部へ圧縮後の冷媒ガスを吐出する。なお、アキュムレータは、縦型円筒状の密閉容器であり、その下端に上記吸入管11が、上端に戻し管(図示せず)の下端がそれぞれ接続されている。戻し管は、冷媒回路を循環する冷媒をアキュムレータに導くためのものであり、その上端が冷媒回路を構成する図示しない冷媒管に接続可能に構成されている。
上部鏡板22には、外部電源に接続されてモータ5に電力を供給するターミナル13が設けられている。
ケーシング2の底部分には、潤滑油を貯留するための部分である油貯留部4が形成されている。なお、潤滑油は、圧縮機1の運転中において、圧縮要素3等の摺動部の潤滑性を良好に保つために使用される。
(1−2)圧縮要素3
圧縮要素3は、油貯留部4に貯留される潤滑油に浸っており、主として、シリンダ31と、ピストン32と、マフラー26とを有しており、パイプ21内の空間の下方部分に配置されている。
(1−2−1)シリンダ31
シリンダ31は、ケーシング2のパイプ21に固定されており、主として、シリンダ本体33と、フロントヘッド34と、リアヘッド35とを有している。フロントヘッド34、シリンダ本体33、及び、リアヘッド35は、軸方向に、上からこの順に並んで配置され、ボルト(図示せず)で締結されることによって、一体に組み立てられている。
シリンダ本体33は、図2に示すように、ケーシング2のパイプ21と同心に配置されている。シリンダ本体33には、シリンダ孔33aと、吸入孔33bと、吐出路33cとが形成されている。シリンダ孔33aは、横断面が略円形状の孔である。吸入孔33bは、シリンダ本体33の外周面からシリンダ本体33の内周面へと貫通する孔である。吐出路33cは、シリンダ本体33の内周面の一部が切り欠かれることによって形成されている。シリンダ本体33は、吐出路33cが、フロントヘッド34側を向くようにして配置されている。
フロントヘッド34及びリアヘッド35には、それぞれ、中央を軸方向に貫通する軸孔34a、35a(図1を参照)が形成されている。
シリンダ31には、シリンダ本体33の内周面と、フロントヘッド34の下端面と、リアヘッド35の上端面と、ピストン32の外周面とにより、圧縮室37が形成される。圧縮室37は、吸入孔33bに連通する吸入室と、吐出路33cに連通する吐出室とに区画される。
(1−2−2)ピストン32
ピストン32は、シリンダ31内に配置されており、円筒形状のローラ部32aと、ローラ部32aから径方向外側に突出するブレード部32bとを有する。
ローラ部32aは、回転軸15の偏心カム15aに、偏心カム15aと一体回転するように嵌め込まれている。よって、ローラ部32aは、回転軸15が軸回転すると、回転軸15を中心として公転する。
なお、回転軸15は、パイプ21の中心を中心軸線Oに沿って延びるように配置されており、軸孔34a、35aに回転自在に嵌め込まれている。すなわち、フロントヘッド34及びリアヘッド35は、回転軸15の下部を回転自在に支持する軸受として機能している。
ブレード部32bは、ローラ部32aの公転に伴って、その長手方向に進退する。
(1−2−3)マフラー26
マフラー26は、図1に示すように、その上面の中央部が回転軸15に貫通されている状態で、回転軸15周辺のフロントヘッド34の上面の一部を覆うように配設される部材である。マフラー26は、フロントヘッド34の上面との間に、シリンダ本体33の吐出路33cから吐出された冷媒ガスが貯留されるマフラー空間SP2を形成する。マフラー26は、その上面に、マフラー空間SP2内の冷媒ガスを高圧空間SP1に吐出するためのマフラー吐出孔26aは形成されている。マフラー吐出孔26aは、回転軸15周りに形成され、その横断面形状が環状形状を有する。
(1−3)モータ5
モータ5は、ケーシング2内に収容され、圧縮要素3の上方に配置される。モータ5は、図1に示すように、主として、例えば、希土類磁石からなる永久磁石が嵌め込まれたロータ51と、環状のステータ52と、を有している。なお、圧縮機1の運転時におけるモータ5の回転数は、例えば、数百rpm〜数千rpmである。
(1−3−1)ロータ51
ロータ51は、複数の電磁鋼板が軸方向に積層されることによって形成され、ステータ52の内周側に位置する、略円筒形状の部材である。ロータ51は、中央の孔部51aに、回転軸15が嵌め込まれるように構成されており、回転軸15は、ロータ51に固定されている。また、ロータ51は、回転軸15を介して圧縮要素3と連結されている。ロータ51の回転により回転軸15が回転することで、回転軸15が圧縮要素3に回転駆動力を付与する。これにより、圧縮要素3が駆動するようになっている。
(1−3−2)ステータ52
図3は、ステータ52の横断面図である。図4は、ステータ52を軸方向上側から視た図である。図5は、ステータ52及びステータ52が固定された状態のパイプ21の横断面図である。図6は、接触点P1を示すために、切り欠き56が形成されていない状態のステータ52とパイプ21とを軸方向上側から視た図である。図7は、接触点P1を結んだ仮想線L1を示す模式図である。なお、図4及び図6では、軸方向最上端の電磁鋼板53だけでなく、各電磁鋼板53を図示している。また、図3及び図4では、理解を容易にするために、リング部54の外周縁を点線で示している。
ステータ52は、図3等に示すように、環状形状を有し、その内周面とロータ51の外周面との間にギャップt(図1を参照)が形成されるように、パイプ21の内周面に焼き嵌めによって固定されている。
ステータ52は、複数(例えば、五十枚から数百枚)の電磁鋼板53が、幅広の平面部53aが互いに密着するように、軸方向に積層されることによって形成されている。なお、ステータ52は、各電磁鋼板53が周方向に回転されて積層されているが、これについては、後に詳述する。
電磁鋼板53は、主として、ステータ52の外郭を形成する環状のリング部54と、リング部54の内周面から径方向内側に向かって(具体的には、中心軸線Oに向かって)突出し、周方向に所定の間隔を空けて配列されている複数(本実施形態では、6つ)のティース部55とを有している。
ティース部55には、3相の巻線が装着されており、ターミナル13を介して各巻線に通電することによって回転磁界が発生している。回転磁界が発生することにより、ロータ51の永久磁石が回転磁界に吸引されてロータ51が回転駆動し、モータ5が回転するようになっている。ティース部55は、具体的には、複数の突出部55aと、円弧部55bとを有している。突出部55aは、軸方向視において、リング部54の内周面から径方向内側に向かって延びる部分である。円弧部55bは、突出部55aの内周端から円弧状に周方向に向かって延びる部分である。
また、ステータ52には、中央部に、ロータ51を収容する収容孔52aが形成されている。収容孔52aは、ティース部55(具体的には、円弧部55b)の先端縁(内周縁)に沿うように、形成されている。なお、ティース部55(円弧部55b)の先端縁(内周縁)を結ぶ仮想形状は、中心軸線O上にある中心点からティース部55(円弧部55b)の先端縁までの長さを半径r(図3を参照)とした円周CI(図3の一点差線で示す部分を参照)を描くような略円形状となる。すなわち、ティース部55(円弧部55b)の先端縁を結ぶ仮想形状の軸方向視の図心である第1図心CE1(図3を参照)は、中心軸線O上に位置する(回転軸15の中心と一致する)。
ここで、モータの稼動時には、ロータの永久磁石とステータとの間で生じる吸引力及び反発力により、ステータが振動する。そして、ステータが振動することにより、回転数によっては、ステータが固定されたパイプを含むケーシングが共振振動を起こす。ケーシングが共振振動を起こすと騒音の発生に繋がるため、例えば、特許文献1(特開2010−288330号公報)では、ステータの外周面に切り欠きを形成し、その切り欠きを円周方向に回転対称とならないように設けることにより、ステータの振動がパイプに伝播するのを抑制している。しかし、特許文献1に開示のステータは、その外径が、パイプの内径とほぼ同じ大きさとなるように構成されている。このため、ステータの外周面に切り欠きを形成していたとしても、振動中、パイプとステータとの接触の状態に変化はなく、十分な振動減衰率を得ることができないと考えられる。よって、特許文献1のステータでは、依然として、ステータの振動と共にケーシングが共振を起こしやすいことが懸念される。
そこで、本実施形態では、図3に示すように、第1図心CE1と、リング部54の外周縁(図3の点線部分を参照)の軸方向視の図心である第2図心CE2とがずれるように、電磁鋼板53を形成している。すなわち、ステータ52がパイプ21に固定された状態において、第2図心CE2は、第1図心CE1のように回転軸15の中心と一致せず、回転軸15の中心からずれている。
そして、ステータ52は、上述したように、電磁鋼板53が複数、周方向に回転されて積層されている。具体的には、電磁鋼板53は、ティース部55が軸方向視において重なるように、中心軸線O上に位置する第1図心CE1を中心として、1枚ごとに、周方向に回転されて積層されている。なお、回転角度θ(図4を参照)は、ティース部55の個数に応じて決定されている。具体的には、本実施形態では、ティース部55は、6つあるので、回転角度θは、60°となる。よって、電磁鋼板53は、第2図心CE2が、軸方向視において第1図心CE1(中心軸線O)を中心とした円C(図4の太線を参照)上を回転角度θで移動するように、積層されることになる。
なお、ステータ52は、パイプ21の内周面に焼き嵌めされた状態において、ステータ52の外周面とパイプ21の内周面との間に、コアカット空間S(図5を参照)が形成されている。コアカット空間Sとは、圧縮室37から冷媒ガスとともに高圧空間SP1に流れ冷媒ガスから分離された潤滑油を油貯留部4に戻すための流路となる空間である。コアカット空間Sは、ステータ52の外周に、軸方向視において線形状となる切り欠き56(図5を参照)が形成されることによって形成される。よって、ステータ52は、切り欠き56が形成された状態で、ケーシング2のパイプ21の内周面に焼き嵌めされていることになる。本実施形態では、切り欠き56は、一方の端面から他方の端面にかけて断面形状が平面形状となるように、形成されている。
ステータ52がパイプ21の内周面に固定された状態においては、各電磁鋼板53は、リング部54の外周縁の一部がパイプ21の内周面に接触するようになっている。具体的には、ステータ52がパイプ21の内周面に固定された状態において、各電磁鋼板53は、リング部54の外周縁と第1図心CE1に対して第2図心CE2がずれている方向(すなわち、第1図心CE1から第2図心CE2に向かう方向)に延びる直線との交点P(図3及び図4を参照)が、パイプ21の内周面に接触している状態を採る。よって、各電磁鋼板53は、ステータ52がパイプ21に固定された状態において、リング部54の外周縁において交点P以外は、パイプ21の内周面に接触していないような構成を有していることになる。言い換えれば、電磁鋼板53の外周は、パイプ21の内周よりも小さい。また、電磁鋼板53の軸方向視における外周縁上において点Pを除く点と、中心軸線Oとの距離d1(図5を参照)は、パイプ21の内径d2(図5を参照)よりも小さい。
また、本実施形態では、電磁鋼板53が1枚ごとに周方向に回転されて積層されてステータ52が構成されているので、ステータ52がパイプ21に固定された状態においては、リング部54の外周縁上の交点Pとパイプ21の内周面との接触点P1(図5〜図7を参照)を結んだ線が螺旋を描いている。また、ステータ52は、パイプ21に固定された状態において軸方向に沿って視たときに、接触点P1の位置が、パイプ21の内周縁上を、回転角度θで移動するような構成となっている(図6を参照)。よって、ステータ52がパイプ21に固定された状態においては、所定の電磁鋼板53(リング部54)の外周縁上の交点Pとパイプ21の内周面との接触箇所(接触点P1)が、この電磁鋼板53に軸方向に隣接する電磁鋼板53(リング部54)の、外周縁上の交点Pとパイプ21の内周面との接触箇所(接触点P1)と異なることになる。
ここで、パイプ21の内周面に固定されたステータ52を軸方向に沿って視ると、接触点P1を結んだ仮想線L1(図7の点線を参照)が、第1図心CE1及び中心軸線Oを中心とした円の円周に近似するようになっている。すなわち、ステータ52がパイプ21に固定された状態において、軸方向視における、接触点P1同士を結んだ仮想線L1は、パイプ21の内周縁に近似する。
(2)圧縮機1の製造方法
次に、圧縮機1の製造方法について説明する。
まず、パイプ21及びステータ52を形成する。具体的には、板状の金属部材を円筒状に曲げて、その端部同士を突き合わせ溶接することによって構成された円筒状のパイプ21を形成する。また、第1図心CE1と第2図心CE2とがずれている複数の電磁鋼板53を用意し、各電磁鋼板53を、それぞれの平面部53aを密着させて、且つ、第1図心CE1を中心として軸方向視においてティース部55が重なるように周方向に回転角度θで回転させて、積層する。そして、積層された電磁鋼板53をかしめる。
次に、かしめた複数の電磁鋼板53に、一方の端面から他方の端面にかけて、断面形状が平面形状となるように、切り欠き56を形成する。なお、切り欠き56は、交点Pを避けるように形成される。すなわち、各電磁鋼板53のパイプ21の内周面との接触を遮断しないように、切り欠き56は形成される。
次に、パイプ21を高周波加熱やオーブン等によって数分程度加熱する。これにより、パイプ21は、300℃前後まで加熱されて、その外径及び内径が膨張した状態になる。次に、加熱したパイプ21を、冶具(図示せず)に支持されたステータ52(切り欠き56が形成された状態)の外周に被せて、ステータ52の外周側に配置する。
その後、パイプ21を外部から冷風機等の冷却装置で強制的に冷却する。これにより、パイプ21は、その外径及び内径が収縮した状態になり、ステータ52の外周面に焼き嵌めされる。なお、パイプ21がステータ52の外周面に焼き嵌めされた状態においては、軸方向視においてそれぞれが周方向に所定の回転角度θをもってずれている6点の接触点P1が、形成された状態にある。さらに、ステータ52に焼き嵌めされたパイプ21に、ロータ51や圧縮要素3、鏡板22,23等の部品を取り付けることによって、圧縮機1が製造される。
(3)動作及び冷媒ガスの流れ
モータ5の駆動によって、回転軸15周りに偏心カム15aが偏心回転する。これにより、偏心カム15aに連結されているピストン32のローラ部32aは、その外周面がシリンダ本体33の内周面と接している状態で、シリンダ孔33aにおいて公転する。ローラ部32aのシリンダ孔33aにおける公転に伴って、ピストン32のブレード部32bは、その長手方向に沿って進退する。また、ローラ部32aのシリンダ孔33aにおける公転に伴って、吸入孔33bと連通する吸入室は、徐々に容積が増加されて吐出路33cとなり、この吐出室は、徐々に容積が減少されて再び吸入室となる。
これにより、図1に示すように、吸入管11から吸入孔33bを経由して吸入室に吸入された低圧の冷媒ガスは、吐出室で高圧の冷媒ガスに圧縮された後、吐出室から吐出路33cを経由してマフラー空間SP2に吐出される。マフラー空間SP2内の冷媒ガスは、マフラー吐出孔26a及びギャップtを経由して、ロータ51の上方の高圧空間SP1に吐出される。最終的に、冷媒ガスは、吐出管12を介してケーシング2の外方に吐出される。
(4)特徴
(4−1)
本実施形態では、電磁鋼板53が、ティース部55(円弧部55b)の先端縁を結ぶ仮想形状の軸方向視の図心である第1図心CE1がリング部54の外周縁の軸方向視の図心である第2図心CE2とずれるように、形成されている。また、ステータ52がケーシング2のパイプ21の内周面に固定された状態において、各電磁鋼板53は、第1図心CE1が中心軸線O上にある(すなわち、回転軸15の中心と一致している)状態を採る。
すなわち、本実施形態では、第2図心CE2が中心軸線O上にないような電磁鋼板53を用いてステータ52を構成している。
よって、ステータ52は、従来に比べて、パイプ21との接触箇所が減ることになる。これにより、モータ5の回転数によって、パイプ21を含むケーシング2が共振振動を起こしたときに、ステータ52の各電磁鋼板53とパイプ21との接触箇所(具体的には、接触点P1)がその接触点近傍でわずかに周方向に移動し、振動減衰率が高まる。従って、ケーシング2の振動を低減でき、騒音を抑制できる。
なお、本実施形態では、各電磁鋼板53は、ステータ52がパイプ21の内周面に固定された状態において、リング部54の外周縁の一部がパイプ21の内周面に接触しており、リング部54の外周縁の他の部分(他部)がパイプ21の内周面に接触していない状態を採るように、構成されている。具体的には、各電磁鋼板53は、ステータ52がパイプ21の内周面に固定された状態において、リング部54の外周縁上の交点Pのみがパイプ21の内周面に接触しており、リング部54の外周縁上の交点Pを除く部分は、パイプ21の内周面に接触しないように、構成されている。すなわち、各電磁鋼板53は、ステータ52がパイプ21の内周面に固定された状態において、リング部54の外周縁とパイプ21の内周面とが交点Pで点接触するように、構成されている。
以上のように、本実施形態の電磁鋼板53は、パイプ21の内周面と点接触するように構成されているので、ケーシング2が共振振動を起こしたときに、接触点P1がその接触点近傍でわずかに移動し振動減衰率が高まる。よって、振動を低減しやすい。
(4−2)
本実施形態では、各電磁鋼板53において、第2図心CE2が第1図心CE1に対して第1図心CE1からリング部54及びパイプ21の内周面の接触部分(接触点P1)へと向かう方向にずれるように、ステータ52が形成されている。
これにより、潤滑油を流通させるためのコアカット空間Sを形成しやすくなる。よって、油上がりを抑制できる。
(4−3)
本実施形態では、各電磁鋼板53は、ティース部55が軸方向視において重なるように、1枚ごとに、第1図心CE1(中心軸線O)を中心として周方向に回転されて積層されている。よって、本実施形態では、積層方向(軸方向)に、リング部54の外周縁上の交点Pとパイプ21の内周面との接触点P1の軸方向視における位置が異なるように、電磁鋼板53が積層されている。すなわち、ステータ52のパイプ21によって支持される位置が、軸方向で異なり且つ軸方向視においても異なっている。
また、本実施形態では、各電磁鋼板53は、ティース部55が軸方向視において重なるように、1枚ごとに、第1図心CE1(中心軸線O)を中心として周方向に回転されて積層されているので、軸方向視における接触点P1同士を結んだ仮想線L1が、第1図心(中心軸線O)を中心とした円の円周に近似する。
そして、本実施形態では、軸方向視における接触点P1同士を結んだ仮想線L1が第1図心(中心軸線O)を中心とした円の円周に近似した状態を採るステータ52の外周面にパイプ21が焼き嵌めされており、ステータ52を構成する各電磁鋼板53は、パイプ21の内周面と点接触している。
以上のことから、本実施形態では、ステータ52の安定性及びバランス性を向上しながら、振動を低減できる。
(5)変形例
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(5―1)変形例A
上記実施形態では、各電磁鋼板53を1枚ごとに周方向に回転させて積層すると説明したが、各電磁鋼板53は、軸方向視において接触点P1が第1図心CE1(中心軸線O)を中心として周方向にずれるように、積層されていればよく、積層方法は上記実施形態に記載した方法に限られるものではない。
例えば、電磁鋼板53を、所定(積層)数枚毎に、第1図心CE1を中心として、周方向に回転させて積層してもよい。この場合、電磁鋼板53の外周縁上の交点Pとパイプ21の内周面との接触箇所(接触点P1)が、積層枚数毎に異なることになる。
(5−2)変形例B
上記実施形態では、軸方向視において、ステータ52の外周縁の複数点(具体的には、6点)がパイプ21の内周面に接触するように、ステータ52を構成しているが、これに限られるものではない。例えば、ステータ52の安定性及びバランス性を考えると、軸方向視において、ステータ52とパイプ21との接触点P1が少なくとも2点以上となるように、電磁鋼板53が積層されてステータ52が形成されてもよい。
本発明は、パイプの内周面に焼き嵌めによって固定されるステータを備えた圧縮機に対して、広く適用可能である。
1 圧縮機
2 ケーシング
15 回転軸
21 パイプ
51 ステータ
52 ロータ
53 電磁鋼板
54 リング部
55 ティース部
CE1 第1図心
CE2 第2図心
L1 仮想線
特開2010−288330号公報

Claims (4)

  1. 円筒状のパイプ(21)を含むケーシング(2)と、
    前記パイプの内周面に焼き嵌めによって固定された状態において、内周側に、回転軸(15)が固定されたロータ(51)が位置し、電磁鋼板(53)が複数積層されることによって形成されているステータ(52)と、
    を備え、
    前記電磁鋼板は、前記ステータの外郭を形成する環状のリング部(54)と、前記リング部の内周面から径方向内側に突出して周方向に配列される複数のティース部(55)と、を有し、
    前記ティース部の先端縁を結ぶ仮想形状の軸方向視の図心である第1図心は、前記回転軸の中心と一致し、前記リング部の外周縁の軸方向視の図心である第2図心とずれている、
    圧縮機。
  2. 前記電磁鋼板は、
    前記リング部の外周縁の一部が、前記パイプの内周面に接触しており、
    前記リング部の外周縁の他部は、前記パイプの内周面に接触していない、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記第2図心は、前記第1図心に対して、前記第1図心から前記リング部及び前記パイプの内周面の接触部分へと向かう方向にずれている、
    請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記電磁鋼板は、前記ティース部が重なるように、且つ、前記リング部と前記パイプの内周面との接触部分の軸方向視における位置がずれるように、積層され、
    軸方向視における、前記電磁鋼板の前記リング部と前記パイプの内周面との接触部分同士を結んだ仮想線(L1)は、前記第1図心を中心とした円の円周に近似する、
    請求項2又は3に記載の圧縮機。
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