JP2014148916A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、運転時の騒音を低減することができる圧縮機を提供することである。
【解決手段】ロータリ圧縮機101は、駆動モータ16と、圧縮機構15とを備える。駆動モータ16は、ロータ52と、ロータ52の外周側を囲むように配置されるステータ51とを有する。圧縮機構15は、駆動モータ16によって駆動され、かつ、冷媒を圧縮する。ロータ52は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒が通過する冷媒流路61を有する。冷媒流路61は、大径路62と、入口側小径路63と、出口側小径路64とを有する。入口側小径路63は、大径路62と連通し、かつ、大径路62の流路断面積より小さい流路断面積を有する。出口側小径路64は、大径路62と連通し、かつ、大径路62の流路断面積より小さい流路断面積を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、圧縮機に関する。
従来、空気調和装置等に用いられる圧縮機は、冷媒回路を流れるガス冷媒を圧縮する圧縮機構を有する。圧縮機構は、ステータとロータとを有するモータによって駆動される。ロータは、クランク軸を介して圧縮機構に連結されている。ロータの軸回転によって、圧縮機構に回転力が伝達されて、圧縮機構が駆動する。
特許文献1(特開2009−264175号公報)に開示されているロータリ式の圧縮機では、モータのロータは、回転軸方向に沿って形成されている冷媒流路を有する。この冷媒流路は、圧縮機構から吐出された圧縮冷媒が通過する流路であり、かつ、圧縮冷媒に混入している潤滑油が通過する流路である。圧縮冷媒は、冷媒流路を、鉛直方向下方から上方に向かって流れる。潤滑油は、冷媒流路を落下して、圧縮機のケーシング底部の油溜まりに到達する。
しかし、このロータリ式の圧縮機では、圧縮機構から吐出された圧縮冷媒が冷媒流路を通過することにより、音が発生するおそれがある。この音の主な原因は、圧縮機構から吐出される圧縮冷媒の圧力脈動によって冷媒流路で発生する共鳴である。ロータの冷媒流路を通過する冷媒に起因する音は、圧縮機の運転時における騒音の原因となる。
本発明の目的は、運転時の騒音を低減することができる圧縮機を提供することである。
本発明の第1観点に係る圧縮機は、モータと、圧縮機構とを備える。モータは、ロータと、ロータの外周側を囲むように配置されるステータとを有する。圧縮機構は、モータによって駆動され、かつ、冷媒を圧縮する。ロータは、圧縮機構によって圧縮された冷媒が通過する冷媒流路を有する。冷媒流路は、大径路と、入口側小径路と、出口側小径路とを有する。入口側小径路は、大径路と連通し、かつ、大径路の流路断面積より小さい流路断面積を有する。出口側小径路は、大径路と連通し、かつ、大径路の流路断面積より小さい流路断面積を有する。
この圧縮機は、空気調和装置等が備える冷媒回路を循環するガス冷媒を圧縮する。冷媒回路を流れる低圧の冷媒は、圧縮機に吸入され、圧縮機構によって圧縮される。圧縮された冷媒は、モータのロータに形成される冷媒流路を通過して、圧縮機から吐出される。ロータの冷媒流路において、冷媒は、入口側小径路、大径路および出口側小径路の順に通過する。ロータの冷媒流路は、全体として、膨張型消音器の形状を有している。断面積が小さい入口側小径路を通過した冷媒は、断面積が大きい大径路に流入する際に膨張し、これにより、冷媒の速度および圧力が減少する。大径路を流れる冷媒の一部は、断面積が小さい出口側小径路に流入し、冷媒の残りは、大径路と出口側小径路との境界において反射する。反射した冷媒は、入口側小径路と大径路との境界においても反射する。すなわち、ロータの冷媒流路を通過する冷媒の一部は、音響インピーダンスが変化する、大径路の両端部において反射する。冷媒流路では、圧縮機構から周期的に吐出される冷媒により、冷媒の圧力脈動が発生する。すなわち、冷媒流路において、冷媒は疎密波として伝達される。冷媒流路の大径路において、反射した冷媒の波が互いに干渉すると、冷媒の波のエネルギーが低減される。これにより、ロータの冷媒流路において、圧縮機構から吐出される冷媒の圧力脈動が低減され、冷媒流路で発生する共鳴に起因する音が抑制される。従って、この圧縮機は、運転時の騒音を低減することができる。
本発明の第2観点に係る圧縮機は、第1観点に係る圧縮機であって、ロータは、鋼板が積層された積層鋼板と、一対の端板とを有する。一対の端板は、鋼板の積層方向における積層鋼板の両端部に取り付けられる。冷媒流路は、積層方向に沿って、積層鋼板および端板に形成される。
この圧縮機では、ロータの冷媒流路は、ロータの回転軸に沿って積層鋼板に形成される貫通孔、および、一対の端板に形成される貫通孔から構成される。積層鋼板を構成する一部の鋼板の貫通孔の断面積を、他の鋼板の貫通孔の断面積より大きくすることで、積層鋼板に形成される貫通孔の一部の断面積を大きくすることができる。貫通孔の一部の断面積を、他の部分の断面積より大きくすることで、冷媒流路の大径路、入口側小径路および出口側小径路を形成することができる。従って、この圧縮機では、膨張型消音器の形状を有する冷媒流路を、ロータに簡便に形成することができる。
本発明の第3観点に係る圧縮機は、第2観点に係る圧縮機であって、大径路は、積層鋼板に形成される。入口側小径路は、端板の一方に形成される。出口側小径路は、端板の他方に形成される。
この圧縮機では、大径路は、ロータの回転軸に沿って積層鋼板に形成される貫通孔であって、断面積が一定である貫通孔である。入口側小径路および出口側小径路は、端板に形成される貫通孔であって、積層鋼板の貫通孔を一部塞ぐ貫通孔である。従って、この圧縮機では、膨張型消音器の形状を有する冷媒流路を、ロータに簡便に形成することができる。
本発明の第4観点に係る圧縮機は、第3観点に係る圧縮機であって、積層鋼板は、磁石が配置される磁石配置空間と、磁石配置空間に隣接する磁気障壁空間とを有する。磁気障壁空間は、積層方向に沿って積層鋼板を貫通する空間である。端板は、積層方向に沿ってロータを見た場合において、磁気障壁空間の一部を覆う。
この圧縮機では、ロータは、磁石による磁束の短絡を抑制するために形成される磁気障壁空間を有する。磁気障壁空間は、ロータの回転軸に沿って積層鋼板に形成される貫通孔である。磁気障壁空間は、冷媒流路の大径路として用いられる。入口側小径路および出口側小径路は、一対の端板にそれぞれ形成される貫通孔であって、磁気障壁空間の開口の一部を塞ぐ貫通孔である。従って、この圧縮機は、膨張型消音器の形状を有する冷媒流路を、ロータに簡便に形成することができる。
本発明の第5観点に係る圧縮機は、第1観点または第2観点に係る圧縮機であって、ロータは、圧縮機構によって圧縮された冷媒が通過し、かつ、複数の冷媒流路が直列に連結された多段冷媒流路を有する。
この圧縮機では、ロータは、ロータの回転軸に沿って直列に連結された複数の冷媒流路を有する。ロータは、例えば、大径路の長さ、および、大径路の断面積と入口側小径路の断面積との比が互いに異なる複数の冷媒流路を有する。これにより、ロータは、膨張型消音器の形状によって効果的に抑制される音の周波数領域、および、消音量等が互いに異なる複数の冷媒流路を有することができる。従って、この圧縮機は、運転時の騒音をより効果的に低減することができる。
第1観点に係る圧縮機は、運転時の騒音を低減することができる。
第2観点乃至第4観点に係る圧縮機は、膨張型消音器の形状を有する冷媒流路を、ロータに簡便に形成することができる。
第5観点に係る圧縮機は、運転時の騒音をより効果的に低減することができる。
第1実施形態に係るロータリ圧縮機の縦断面図である。 図1の線分II−IIにおける圧縮機構の横断面図である。 図1の線分III−IIIにおけるステータの横断面図である。 ロータの上面図である。 ロータの下面図である。 図4の線分VI−VIにおけるロータの縦断面図である。 冷媒流路の模式図である。 第2実施形態に係るロータリ圧縮機のロータコアの上面図である。 ロータの上面図である。 ロータの下面図である。 図9の線分XI−XIにおけるロータの縦断面図である。 変形例Aに係るロータの縦断面図である。 変形例Bに係るロータの縦断面図である。
本発明の実施形態に係る圧縮機について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る圧縮機は、ロータリ圧縮機である。ロータリ圧縮機は、空気調和装置等の冷凍サイクル運転を行う冷媒回路に接続される。ロータリ圧縮機は、シリンダの内部でピストンを偏心回転させて、シリンダの内部の空間の容積を変化させることにより、冷媒回路を循環する冷媒を圧縮する圧縮機である。
―第1実施形態―
(1)圧縮機の構成
図1は、第1実施形態に係るロータリ圧縮機101の縦断面図である。ロータリ圧縮機101は、主として、ケーシング10と、圧縮機構15と、駆動モータ16と、クランク軸17と、吸入管19と、吐出管20とを備える。図1に示される点線の矢印は、冷媒の流れを表す。図1に示される線分Xは、クランク軸17の回転軸を表す。以下、ロータリ圧縮機101の各構成要素について説明する。
(1−1)ケーシング
ケーシング10は、略円筒状の胴部ケーシング部11と、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部13とを有する。ケーシング10は、ケーシング10の内部および外部において圧力や温度が変化した場合に、変形および破損が起こりにくい剛性部材で成型されている。ケーシング10は、胴部ケーシング部11の略円筒状の軸方向が鉛直方向に沿うように設置されている。ケーシング10の底部には、潤滑油が貯留される油貯留部10aが設けられている。潤滑油は、ロータリ圧縮機101内部の摺動部を潤滑するために用いられる冷凍機油である。
ケーシング10は、主として、圧縮機構15と、圧縮機構15の上方に配置される駆動モータ16と、鉛直方向に沿って配置されるクランク軸17とを収容する。圧縮機構15および駆動モータ16は、クランク軸17を介して連結されている。吸入管19および吐出管20は、ケーシング10と気密状に接合されている。
(1−2)圧縮機構
圧縮機構15は、主として、フロントヘッド23と、シリンダ24と、リアヘッド25と、ピストン21とから構成されている。フロントヘッド23、シリンダ24およびリアヘッド25は、レーザ溶接によって一体的に締結されている。圧縮機構15の上方の空間は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒が吐出される高圧空間S1である。
図2は、図1の線分II−IIにおける圧縮機構の横断面図である。図1に示されるように、圧縮機構15は、フロントヘッド23、シリンダ24およびリアヘッド25によって囲まれた空間である圧縮室40を有する。図2に示されるように、圧縮室40は、ピストン21によって、吸入管19と連通する吸入室41と、高圧空間S1と連通する吐出室42とに区画される。
ピストン21は、クランク軸17の偏心軸部17aに嵌合されている。クランク軸17の軸回転によって、ピストン21は、圧縮室40において、クランク軸17の回転軸Xを中心とする公転運動を行う。ピストン21の公転運動によって、圧縮室40の吸入室41および吐出室42の容積が変化する。
(1−3)駆動モータ
駆動モータ16は、ケーシング10の内部に収容され、圧縮機構15の上方に設置されるブラシレスDCモータである。駆動モータ16は、主として、ケーシング10の内周面に固定されるステータ51と、ステータ51の内側にエアギャップを設けて回転自在に収容されるロータ52とから構成される。駆動モータ16は、6個の集中巻きコイルを有する三相モータであり、インバータ制御によって駆動される可変速モータである。駆動モータ16の構成の詳細については、後述する。
(1−4)クランク軸
クランク軸17は、その中心軸である回転軸Xが鉛直方向に沿うように配置されている。クランク軸17は、偏心軸部17aを有している。クランク軸17の偏心軸部17aは、圧縮機構15のピストン21と連結されている。クランク軸17の鉛直方向上側の端部は、駆動モータ16のロータ52と連結されている。クランク軸17は、フロントヘッド23およびリアヘッド25によって、回転自在に支持されている。
(1−5)吸入管
吸入管19は、ケーシング10の胴部ケーシング部11を貫通する管である。ケーシング10の内部にある吸入管19の端部は、圧縮機構15に嵌め込まれている。ケーシング10の外部にある吸入管19の端部は、冷媒回路に接続されている。吸入管19は、冷媒回路から圧縮機構15に冷媒を供給するための管である。
(1−6)吐出管
吐出管20は、ケーシング10の上壁部12を貫通する管である。ケーシング10の内部にある吐出管20の端部は、駆動モータ16の上方の高圧空間S1に位置している。ケーシング10の外部にある吐出管20の端部は、冷媒回路に接続されている。吐出管20は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒を冷媒回路に供給するための管である。
(2)駆動モータの構成
駆動モータ16の構成の詳細について説明する。図3は、図1の線分III−IIIにおけるステータ51の横断面図である。図4は、ロータ52の上面図である。図5は、ロータ52の下面図である。図6は、図4の線分VI−VIにおけるロータ52の縦断面図である。
(2−1)ステータ
ステータ51は、図1に示されるように、ステータコア51aと、ステータコア51aの鉛直方向の両端面に取り付けられる一対のインシュレータ51bとを有している。
ステータコア51aは、ステータコア51aの外周面とケーシング10の内周面とが溶接されることにより、ケーシング10に固定されている。ステータコア51aは、図3に示されるように、円筒部51cと、6個のティース51dとを有する。それぞれのティース51dは、円筒部51cの内周面から、円筒部51cの径方向内側に向かって突出している。円筒部51cの径方向は、鉛直方向に直交する水平面内にある。6個のティース51dは、円筒部51cの周方向に沿って、等間隔に配置されている。6個のティース51dは、円筒部51cの中心軸に対して6回対称となる位置に配置されている。円筒部51cの中心軸は、クランク軸17の回転軸Xと一致する。
ステータコア51aの円筒部51cの外周面には、図3に示されるように、6個のコアカット51eが形成されている。それぞれのコアカット51eは、円筒部51cの上端面から下端面に亘り、円筒部51cの中心軸に沿って切欠形成されている溝である。それぞれのコアカット51eは、ティース51dから見て、円筒部51cの径方向外側に位置している。6個のコアカット51eは、円筒部51cの周方向に沿って、等間隔に配置されている。6個のコアカット51eは、円筒部51cの中心軸に対して6回対称となる位置に配置されている。
インシュレータ51bは、ステータコア51aの鉛直方向の両端面に接している絶縁体である。インシュレータ51bは、例えば、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミドおよびポリエステル等の高い耐熱性を有する樹脂から成型される。
ステータコア51aのティース51dは、インシュレータ51bと共に、導線が巻き付けられている。これにより、ステータコア51aの各ティース51dには、コイル51fが形成されている。コイル51fは、複数のティース51dに亘って巻き付けられておらず、各ティース51dに独立して巻き付けられている集中巻きコイルである。インシュレータ51bは、ステータコア51aと、コイル51fの導線とを絶縁している。コイル51fの中性点は、絶縁キャップ(図示せず)に収納され、隣接する2個のティース51d間の空間に挿入されている。
(2−2)ロータ
ロータ52は、クランク軸17と連結されている。クランク軸17は、ロータ52を鉛直方向に貫通している。ロータ52の回転軸は、クランク軸17の回転軸Xと一致する。ロータ52は、クランク軸17を介して、圧縮機構15と接続されている。ロータ52は、図1に示されるように、ロータコア72と、ロータコア72の鉛直方向の両端面に取り付けられる一対の端板73a,73bと、端板73a,73bのそれぞれに取り付けられる一対のバランスウェイト74a,74bとを有している。ロータ52は、鉛直方向に貫通する孔である6個の冷媒流路61を有している。図7は、ロータ52に形成される冷媒流路61の模式図である。
(2−2−1)ロータコア
ロータコア72は、その回転中心にクランク軸17が嵌め込まれる略円筒形状の部材である。ロータコア72は、鉛直方向に積層された複数の電磁鋼板71から構成される積層鋼板である。
ロータコア72は、複数の磁石72dを有している。本実施形態では、図4乃至図6に示されるように、6個の板状の磁石72dが、ロータコア72に嵌め込まれている。6個の磁石72dは、ロータコア72の周方向に沿って、等間隔に配置されている。6個の磁石72dは、ロータコア72の中心軸に対して6回対称となる位置に配置されている。ロータコア72の中心軸は、クランク軸17の回転軸Xと一致する。
ロータコア72は、クランク軸17が貫通する軸孔72aと、一対の端板73a,73bをロータコア72に固定するためのリベット(図示せず)が嵌め込まれる貫通孔である6個のリベット孔72bと、後述する冷媒流路61の一部である6個の貫通孔72cとを有している。図4および図5に示されるように、各リベット孔72bは、ロータコア72の周方向に隣接する2個の磁石72dの間の内側に形成される。各貫通孔72cは、各磁石72dの内側に形成される。貫通孔72cは、鉛直方向に沿ってロータコア72を貫通する孔である。
(2−2−2)端板
一対の端板73a,73bは、ロータコア72の鉛直方向の両端面に固定される環状の板部材である。一対の端板73a,73bは、ロータコア72の上端面に取り付けられる上部端板73aと、ロータコア72の下端面に取り付けられる下部端板73bとから構成される。図4は、上部端板73aの平面図を表す。図5は、下部端板73bの平面図を表す。図4および図5において、バランスウェイト74a,74bは、点線でハッチングされた領域である。
上部端板73aは、クランク軸17が貫通する軸孔75aと、上部端板73aをロータコア72に固定するためのリベットが嵌め込まれる6個のリベット孔75bと、冷媒流路61の一部である6個の貫通孔75cとを有している。図4および図6に示されるように、ロータ52を上面視した場合において、上部端板73aの軸孔75aは、ロータコア72の軸孔72aと同じ位置に形成され、上部端板73aのリベット孔75bは、ロータコア72のリベット孔72bと同じ位置に形成され、上部端板73aの貫通孔75cは、ロータコア72の貫通孔72cと重なる位置に形成される。
下部端板73bは、クランク軸17が貫通する軸孔76aと、下部端板73bをロータコア72に固定するためのリベットが嵌め込まれる6個のリベット孔76bと、冷媒流路61の一部である6個の貫通孔76cとを有している。図5および図6に示されるように、ロータ52を下面視した場合において、下部端板73bの軸孔76aは、ロータコア72の軸孔72aと同じ位置に形成され、下部端板73bのリベット孔76bは、ロータコア72のリベット孔72bと同じ位置に形成され、下部端板73bの貫通孔76cは、ロータコア72の貫通孔72cと重なる位置に形成される。
(2−2−3)バランスウェイト
一対のバランスウェイト74a,74bは、一対の端板73a,73bに固定され、ロータコア72の軸回転時におけるバランスを保つための部材である。一対のバランスウェイト74a,74bは、上部端板73aに取り付けられる上部バランスウェイト74aと、下部端板73bに取り付けられる下部バランスウェイト74bとから構成される。図4は、上部端板73aに取り付けられる上部バランスウェイト74aの平面図を表す。図5は、下部端板73bに取り付けられる下部バランスウェイト74bの平面図を表す。一対のバランスウェイト74a,74bは、図4および図5に示されるように、鉛直方向に沿って見た場合において、略半環形状を有している。
上部バランスウェイト74aは、リベット孔77bを有している。図4および図6に示されるように、ロータ52を上面視した場合において、上部バランスウェイト74aのリベット孔77bは、ロータコア72のリベット孔72b、および、上部端板73aのリベット孔75bと同じ位置に形成される。上部バランスウェイト74aは、上部端板73aと共に、リベットによって、ロータコア72に固定されている。
下部バランスウェイト74bは、リベット孔78bを有している。図5および図6に示されるように、ロータ52を下面視した場合において、下部バランスウェイト74bのリベット孔78bは、ロータコア72のリベット孔72b、および、下部端板73bのリベット孔76bと同じ位置に形成される。下部バランスウェイト74bは、下部端板73bと共に、リベットによって、ロータコア72に固定されている。
下部バランスウェイト74bは、クランク軸17の回転軸Xに対して、上部バランスウェイト74aと位相が180度異なる位置に配置されている。上部バランスウェイト74aおよび下部バランスウェイト74bは、それぞれ、ロータ52を鉛直方向に沿って見た場合において、その外周がロータコア72の外周と一致する位置に配置されている。
(2−2−4)冷媒流路
ロータ52は、ロータコア72および一対の端板73a,73bを鉛直方向に貫通する複数の冷媒流路61を有している。本実施形態では、ロータ52は、6個の冷媒流路61を有している。図4乃至図6に示されるように、各冷媒流路61は、各磁石72dの内側に形成されている。
冷媒流路61は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒が下方から上方に向かって流れる空間である。また、冷媒流路61は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒から分離された潤滑油が落下する空間である。圧縮機構15から吐出され冷媒流路61を通過した冷媒は、吐出管20を介してロータリ圧縮機101の外部の冷媒回路に供給される。冷媒から分離され冷媒流路61を通過した潤滑油は、ケーシング10の底部の油貯留部10aに供給される。
冷媒流路61は、大径路62と、入口側小径路63と、出口側小径路64とから構成される。図6および図7に示されるように、入口側小径路63と、大径路62と、出口側小径路64とは、この順番で直列に連結されている。入口側小径路63は、ロータ52の下端部に形成され、出口側小径路64は、ロータ52の上端部に形成される。大径路62は、入口側小径路63と出口側小径路64との間に位置する。
入口側小径路63は、下部端板73bの下面において、ロータ52の下方の高圧空間S1に開口する。入口側小径路63は、図6に示されるように、下部端板73bの貫通孔76c、および、ロータコア72の貫通孔72cの一部から構成される。出口側小径路64は、上部端板73aの上面において、ロータ52の上方の高圧空間S1に開口する。出口側小径路64は、図6に示されるように、上部端板73aの貫通孔75c、および、ロータコア72の貫通孔72cの一部から構成される。大径路62は、ロータコア72の貫通孔72cの一部から構成され、入口側小径路63および出口側小径路64と連通する。
図7に示されるように、冷媒流路61において、大径路62、入口側小径路63および出口側小径路64は、それぞれ、水平方向の断面積が一定である。大径路62の断面積は、入口側小径路63の断面積および出口側小径路64の断面積より大きい。入口側小径路63の断面積は、出口側小径路64の断面積と等しい。これにより、冷媒流路61は、全体として、膨張型消音器の形状を有している。
ロータコア72を構成する複数の電磁鋼板71は、それぞれ、ロータコア72の貫通孔72cを構成する孔を有している。具体的には、各電磁鋼板71は、その鉛直方向の高さ位置に応じて、大径路62を構成する孔、入口側小径路63を構成する孔、および、出口側小径路64を構成する孔のいずれかを有している。例えば、大径路62と同じ高さ位置にある電磁鋼板71は、大径路62の断面積と同じ断面積の孔を有している。また、入口側小径路63と同じ高さ位置にある電磁鋼板71は、入口側小径路63の断面積と同じ断面積の孔を有している。電磁鋼板71が積層されたロータコア72では、各電磁鋼板71の孔は、貫通孔72cを構成し、かつ、冷媒流路61の一部を構成する。
圧縮機構15によって圧縮された冷媒は、入口側小径路63、大径路62、出口側小径路64の順に、冷媒流路61を通過する。冷媒流路61を通過した冷媒から分離された潤滑油は、出口側小径路64、大径路62、入口側小径路63の順に、冷媒流路61を通過する。
(3)圧縮機の動作
駆動モータ16が起動すると、ロータ52が、回転軸X周りに回転し、クランク軸17も、回転軸X周りに回転する。クランク軸17の軸回転により、圧縮機構15のピストン21は、圧縮室40において、クランク軸17の回転軸Xを中心とする公転運動を行う。ピストン21の公転運動によって、圧縮室40の吸入室41および吐出室42の容積が変化する。
ケーシング10の外部の冷媒回路を流れる低圧のガス冷媒は、吸入管19を介して、圧縮室40の吸入室41に吸入される。吸入室41の容積は、ピストン21の公転運動によって減少し、その結果、冷媒は圧縮され、吸入室41は吐出室42となる。圧縮された高圧のガス冷媒は、吐出室42から高圧空間S1に吐出される。吐出された圧縮冷媒は、鉛直方向上方に向かって、ステータ51とロータ52との間の空間であるエアギャップ、および、ロータ52の冷媒流路61を通過する。その後、圧縮冷媒は、吐出管20を介してケーシング10の外部の冷媒回路に供給される。ロータリ圧縮機101で圧縮される冷媒は、例えば、R410A、R22、R32および二酸化炭素である。
ケーシング10底部の油貯留部10aに貯留されている潤滑油は、圧縮機構15等の摺動部に供給される。圧縮機構15の摺動部に供給された潤滑油は、圧縮室40に流入する。圧縮室40において、潤滑油は、微小な油滴となって、冷媒ガスに混入する。そのため、圧縮機構15から吐出された圧縮冷媒は、潤滑油を含んでいる。圧縮冷媒に含まれる潤滑油の一部は、駆動モータ16の上方の高圧空間S1において、例えば、冷媒の流れによる遠心力を受けて冷媒から分離されて、ケーシング10の内周面に付着する。ケーシング10の内周面に付着した潤滑油は、ケーシング10の内周面を伝いながら、ステータコア51aのコアカット51eを通過して落下する。コアカット51eを通過した潤滑油は、最終的に、油貯留部10aに戻る。
(4)特徴
ロータリ圧縮機101は、空気調和装置等が備える冷媒回路を循環するガス冷媒を圧縮する。冷媒回路を流れる低圧の冷媒は、吸入管19を介して、ケーシング10の内部の圧縮機構15に流入する。圧縮機構15によって圧縮された高圧の冷媒は、ステータ51とロータ52との間のエアギャップ、および、ロータ52の冷媒流路61を、下方から上方に向かって通過する。その後、高圧の冷媒は、吐出管20を介して、ケーシング10の外部に吐出される。
圧縮機構15は、圧縮室40で圧縮された冷媒を周期的に吐出する。具体的には、圧縮機構15は、クランク軸17の回転周波数の逆数に相当する周期で、圧縮された高圧の冷媒を高圧空間S1に吐出する。そのため、冷媒流路61では、圧縮機構15から吐出された高圧の冷媒が周期的に通過する。これにより、冷媒流路61では、冷媒の圧力脈動が発生する。
ロータ52の冷媒流路61において、冷媒は、入口側小径路63、大径路62および出口側小径路64の順に通過する。図7に示されるように、ロータ52の冷媒流路61では、大径路62の断面積は、入口側小径路63の断面積および出口側小径路64の断面積より大きい。すなわち、冷媒流路61は、全体として、膨張型消音器の形状を有している。
圧縮機構15から吐出された高圧の冷媒の一部は、駆動モータ16の下方の高圧空間S1から入口側小径路63に流入する。入口側小径路63を通過した冷媒は、大径路62に流入する。入口側小径路63を通過した冷媒は、入口側小径路63より大きい断面積を有する大径路62に流入する際に膨張する。これにより、大径路62を流れる冷媒の速度および圧力は、入口側小径路63を流れる冷媒の速度および圧力より小さくなる。大径路62を流れる冷媒の一部は、大径路62より小さい断面積を有する出口側小径路64に流入する。一方、大径路62を流れる冷媒の残りは、大径路62と出口側小径路64との境界において反射する。大径路62と出口側小径路64との境界は、冷媒流路61の断面積が変化する部分である。反射した冷媒は、大径路62を上方から下方に向かって流れ、入口側小径路63と大径路62との境界において反射する。すなわち、ロータ52の冷媒流路61を通過する冷媒の一部は、音響インピーダンスが変化する、大径路62の上端部および下端部において反射する。
冷媒流路61では、上述したように、圧縮機構15から周期的に吐出される冷媒により、冷媒の圧力脈動が発生する。すなわち、冷媒流路61において、冷媒は疎密波として伝達される。そのため、大径路62において、反射した冷媒の波が互いに干渉することで、冷媒の波のエネルギーが低減される。これにより、ロータ52の冷媒流路61において、圧縮機構15から吐出される冷媒の圧力脈動が低減される。冷媒の圧力脈動が低減されることによって、冷媒流路61で発生する共鳴に起因する音が抑制される。従って、ロータリ圧縮機101は、運転時の騒音を低減することができる。なお、冷媒流路61で発生する共鳴に起因する音は、1000Hz以下の低周波数を有する。
理論的には、膨張型消音器としての冷媒流路61の消音量は、下記の式によって算出される。
Figure 2014148916
上記の式において、Rは冷媒流路61の消音量であり、S1は入口側小径路63および出口側小径路64の断面積であり、S2は大径路62の断面積であり、fは冷媒の圧力脈動の周波数(クランク軸17の回転周波数)であり、cは音速であり、Lは大径路62の鉛直方向の長さである。図7には、入口側小径路63および出口側小径路64の断面積S1、大径路62の断面積S2、および、大径路62の長さLが示されている。上記の式に基づいて、冷媒流路61の形状に関連するパラメータS1、S2およびLを適宜に設定することで、冷媒流路61の消音量Rを調節することができる。例えば、大径路62の断面積S2と、入口側小径路63および出口側小径路64の断面積S1との比が大きいほど、消音量Rが大きくなる。また、冷媒流路61における冷媒の圧力脈動の周波数に応じて、大径路62の長さLを適宜に設定することで、消音量Rを向上させることができる。
また、ロータリ圧縮機101では、ロータ52の冷媒流路61は、ロータコア72に形成される貫通孔72c、上部端板73aに形成される貫通孔75c、および、下部端板73bに形成される貫通孔76cから構成される。ロータコア72は、複数の電磁鋼板71が鉛直方向に積層されて構成される。各電磁鋼板71は、その鉛直方向の高さ位置における冷媒流路61の断面積と同じ断面積を有する孔が形成されている。そのため、電磁鋼板71は、入口側小径路63の一部を構成する孔を有する電磁鋼板71と、大径路62の一部を構成する孔を有する電磁鋼板71と、出口側小径路64の一部を構成する孔を有する電磁鋼板71とに分類される。そして、これらの3種類の電磁鋼板71を適宜に組み合わせることで、大径路62、入口側小径路63および出口側小径路64の鉛直方向の長さを変更することができる。また、電磁鋼板71に形成される孔の断面積を変更することで、大径路62、入口側小径路63および出口側小径路64の断面積を変更することができる。そして、これらの電磁鋼板71を積層することで、所定の形状を有する冷媒流路61が形成されたロータ52を容易に組み立てることができる。従って、ロータリ圧縮機101は、膨張型消音器の形状を有する冷媒流路61を、ロータ52に簡便に形成することができる。
―第2実施形態―
(1)圧縮機の構成
第2実施形態に係るロータリ圧縮機は、駆動モータ16のロータ152を除いて、第1実施形態に係るロータリ圧縮機101と同じ構成を有している。そのため、ロータ152以外のロータリ圧縮機の構成要素に関する説明は省略する。図8は、本実施形態におけるロータ152のロータコア172の上面図である。図9は、ロータ152の上面図である。図10は、ロータ152の下面図である。
ロータ152は、ロータコア172と、ロータコア172の鉛直方向の両端面に取り付けられる一対の端板173a,173bと、端板173a,173bのそれぞれに取り付けられる一対のバランスウェイト174a,174bとを有している。
(1−1)ロータコア
ロータコア172は、その回転中心にクランク軸17が嵌め込まれる略円筒形状の部材である。ロータコア172は、鉛直方向に積層された複数の電磁鋼板171から構成される積層鋼板である。ロータコア172の中心軸は、クランク軸17の回転軸Xと一致する。
ロータコア172は、6個の磁石172d、および、6個の磁石配置空間165を有している。各磁石172dは、各磁石配置空間165に嵌め込まれている。磁石配置空間165は、図8に示されるように、ロータコア172の周方向に沿って、所定の間隔をあけて等間隔に配置されている。6個の磁石配置空間165は、ロータコア172の中心軸に対して6回対称となる位置に配置されている。ロータコア172を鉛直方向に沿って見た場合において、磁石配置空間165の形状は、四角形である。図8において、磁石172dは、点線でハッチングされた領域である。
ロータコア172は、さらに、12個の磁気障壁空間161を有している。各磁気障壁空間161は、図8に示されるように、ロータコア172の周方向に沿って隣接している2個の磁石配置空間165の間に位置している。磁気障壁空間161は、ロータコア172を鉛直方向に沿って見た場合において、磁石配置空間165の両側に隣接して形成されている。磁気障壁空間161は、磁石172dの磁束の短絡を抑制するための空間である。磁気障壁空間161は、ロータコア172を鉛直方向に貫通する孔である。磁気障壁空間161は、後述するように、ロータコア172の冷媒流路161の一部を構成する。ロータコア172の冷媒流路161は、第1実施形態におけるロータコア72の冷媒流路61に相当する。
ロータコア172は、さらに、クランク軸17が貫通する軸孔172aと、一対の端板173a,173bをロータコア172に固定するためのリベット(図示せず)が嵌め込まれる6個のリベット孔172bとを有している。
(1−2)端板
一対の端板173a,173bは、ロータコア172の鉛直方向の両端面に固定される環状の板部材である。一対の端板173a,173bは、ロータコア172の上端面に取り付けられる上部端板173aと、ロータコア172の下端面に取り付けられる下部端板173bとから構成される。図9は、上部端板173aの平面図を表す。図10は、下部端板173bの平面図を表す。図9および図10において、バランスウェイト174a,174bは、点線でハッチングされた領域である。
上部端板173aは、クランク軸17が貫通する軸孔175aと、上部端板173aをロータコア172に固定するためのリベットが嵌め込まれる6個のリベット孔175bと、12個の貫通孔175cとを有している。図9に示されるように、ロータ152を上面視した場合において、上部端板173aの軸孔175aは、ロータコア172の軸孔172aと同じ位置に形成され、上部端板173aのリベット孔175bは、ロータコア172のリベット孔172bと同じ位置に形成され、上部端板173aの貫通孔175cは、ロータコア172の貫通孔172cと重なる位置に形成されている。上部端板173aの貫通孔175cの断面積は、ロータコア172の貫通孔172cの断面積より小さい。
下部端板173bは、クランク軸17が貫通する軸孔176aと、下部端板173bをロータコア172に固定するためのリベットが嵌め込まれる6個のリベット孔176bと、12個の貫通孔176cとを有している。図10に示されるように、ロータ152を下面視した場合において、下部端板173bの軸孔176aは、ロータコア172の軸孔172aと同じ位置に形成され、下部端板173bのリベット孔176bは、ロータコア172のリベット孔172bと同じ位置に形成され、下部端板173bの貫通孔176cは、ロータコア172の貫通孔172cと重なる位置に形成されている。下部端板173bの貫通孔176cの断面積は、ロータコア172の貫通孔172cの断面積より小さい。
(1−3)バランスウェイト
一対のバランスウェイト174a,174bは、一対の端板173a,173bに固定され、ロータコア172の軸回転時におけるバランスを保つための部材である。一対のバランスウェイト174a,174bは、上部端板173aに取り付けられる上部バランスウェイト174aと、下部端板173bに取り付けられる下部バランスウェイト174bとから構成される。図9は、上部端板173aに取り付けられる上部バランスウェイト174aの平面図を表す。図10は、下部端板173bに取り付けられる下部バランスウェイト174bの平面図を表す。一対のバランスウェイト174a,174bは、図9および図10に示されるように、鉛直方向に沿って見た場合において、略半環形状を有している。
上部バランスウェイト174aは、リベット孔177bおよび貫通孔177cを有している。図9に示されるように、ロータ152を上面視した場合において、上部バランスウェイト174aのリベット孔177bは、ロータコア172のリベット孔172b、および、上部端板173aのリベット孔175bと同じ位置に形成される。上部バランスウェイト174aは、上部端板173aと共に、リベットによって、ロータコア172に固定されている。上部バランスウェイト174aの貫通孔177cは、ロータ152を上面視した場合において、上部端板173aの貫通孔175cと同じ位置に形成される。上部バランスウェイト174aの貫通孔177cの断面積は、上部端板173aの貫通孔175cの断面積と等しい。
下部バランスウェイト174bは、リベット孔178bおよび貫通孔178cを有している。図10に示されるように、ロータ152を下面視した場合において、下部バランスウェイト174bのリベット孔178bは、ロータコア172のリベット孔172b、および、下部端板173bのリベット孔176bと同じ位置に形成される。下部バランスウェイト174bは、下部端板173bと共に、リベットによって、ロータコア172に固定されている。下部バランスウェイト174bの貫通孔178cは、ロータ152を下面視した場合において、下部端板173bの貫通孔176cと同じ位置に形成される。下部バランスウェイト174bの貫通孔178cの断面積は、下部端板173bの貫通孔176cの断面積と等しい。
下部バランスウェイト174bは、ロータコア172の中心軸に対して、上部バランスウェイト174aと位相が180度異なる位置に配置されている。上部バランスウェイト174aおよび下部バランスウェイト174bは、それぞれ、ロータ152を鉛直方向に沿って見た場合において、その外周がロータコア172の外周と一致する位置に配置されている。
(1−4)冷媒流路
図11は、図9の線分XI−XIにおけるロータ152の縦断面図である。ロータ152は、6個の冷媒流路161を有している。冷媒流路161は、大径路162と、入口側小径路163と、出口側小径路164とから構成される。図11に示されるように、入口側小径路163と、大径路162と、出口側小径路164とは、この順番で直列に連結されている。入口側小径路163は、ロータ152の下端部に形成され、出口側小径路164は、ロータ152の上端部に形成される。大径路162は、入口側小径路163と出口側小径路164との間に位置する。
入口側小径路163は、下部端板173bの下面において、ロータ152の下方の高圧空間S1に開口する。入口側小径路163の一部は、図11に示されるように、下部端板173bの貫通孔176cのみから構成される。入口側小径路163の一部は、図11に示されるように、下部端板173bの貫通孔176c、および、下部バランスウェイト174bの貫通孔178cから構成される
出口側小径路164は、上部端板173aの上面において、ロータ152の上方の高圧空間S1に開口する。出口側小径路164の一部は、図11に示されるように、上部端板173aの貫通孔175cのみから構成される。出口側小径路164の一部は、図11に示されるように、上部端板173aの貫通孔175c、および、上部バランスウェイト174aの貫通孔177cから構成される。
大径路162は、ロータコア172の貫通孔172cから構成され、入口側小径路163および出口側小径路164と連通する。大径路162の断面積は一定である。大径路162の断面積は、入口側小径路163の断面積および出口側小径路164の断面積より大きい。入口側小径路163の断面積は、出口側小径路164の断面積と等しい。これにより、冷媒流路161は、全体として、膨張型消音器の形状を有している。
ロータコア172を構成する複数の電磁鋼板171は、それぞれ、ロータコア172の貫通孔172cを構成する孔を有している。具体的には、各電磁鋼板171は、大径路162を構成する孔を有している。電磁鋼板171が積層されたロータコア172では、各電磁鋼板171の孔は、貫通孔172cを構成し、かつ、冷媒流路61の大径路162を構成する。
圧縮機構15によって圧縮された冷媒は、入口側小径路163、大径路162、出口側小径路164の順に、冷媒流路161を通過する。冷媒流路161を通過した冷媒から分離された潤滑油は、出口側小径路164、大径路162、入口側小径路163の順に、冷媒流路161を通過する。
(2)特徴
ロータ152の冷媒流路161は、膨張型消音器の形状を有し、第1実施形態に係るロータ52の冷媒流路61と、同じ構成および効果を有している。従って、冷媒流路161において、圧縮機構15から吐出される冷媒の圧力脈動が低減される。冷媒の圧力脈動が低減されることによって、冷媒流路161で発生する共鳴に起因する音が抑制される。従って、本実施形態に係るロータリ圧縮機は、運転時の騒音を低減することができる。
ロータ152は、磁石172dによる磁束の短絡を抑制するための磁気障壁空間161を有している。磁気障壁空間161は、冷媒流路161の大径路162として用いられる。上部端板173aは、磁気障壁空間161の上方の開口の一部を塞ぐことで、出口側小径路164を形成する。下部端板173bは、磁気障壁空間161の下方の開口の一部を塞ぐことで、入口側小径路163を形成する。従って、本実施形態では、膨張型消音器の形状を有する冷媒流路161を、ロータ152の磁気障壁空間161を利用して簡便に形成することができる。
―変形例―
本発明の実施形態の具体的構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更可能である。以下、本発明の実施形態に適用可能な変形例について説明する。
(1)変形例A
第1実施形態では、図6および図7に示されるように、ロータ52に形成される冷媒流路61は、大径路62、入口側小径路63および出口側小径路64から構成される。入口側小径路63は、下部端板73bの貫通孔76c、および、ロータコア72の貫通孔72cの一部から構成される。出口側小径路64は、上部端板73aの貫通孔75c、および、ロータコア72の貫通孔72cの一部から構成される。大径路62は、ロータコア72の貫通孔72cの一部から構成される。
図12は、第1実施形態に係るロータ52の変形例であるロータ252の縦断面図である。ロータ252は、冷媒流路261を有している。冷媒流路261は、大径路262、入口側小径路263および出口側小径路264から構成される。ロータ252は、第1実施形態に係るロータ52と同様に、ロータコア272と、上部端板273aと、下部端板273bと、上部バランスウェイト274aと、下部バランスウェイト274bとを有している。ロータコア272は、さらに、軸孔272a、リベット孔(図示せず)、貫通孔272cおよび磁石272dを有している。上部端板273aは貫通孔275cを有し、下部端板273bは貫通孔276cを有している。ロータコア272の貫通孔272cの断面積は、上部端板273aの貫通孔275cの断面積、および、下部端板273bの貫通孔276cの断面積より大きい。
本変形例では、入口側小径路263は、下部端板273bの貫通孔276cのみから構成され、出口側小径路264は、上部端板273aの貫通孔275cのみから構成される。大径路262は、ロータコア272の貫通孔272cのみから構成される。すなわち、ロータコア272の貫通孔272cの断面積は一定である。
(2)変形例B
第1実施形態では、ロータ52の冷媒流路61は、膨張型消音器の形状を有している。しかし、ロータに形成される冷媒流路は、図13に示されるように、複数の膨張型消音器が直列に連結された形状を有してもよい。図13は、第1実施形態に係るロータ52の変形例であるロータ352の縦断面図である。ロータ352は、多段冷媒流路361を有している。多段冷媒流路361は、第1実施形態に係る冷媒流路61が複数直列に連結された空間である。
多段冷媒流路361は、図13に示されるように、膨張型消音器の形状を有する複数の冷媒流路ユニット362から構成されている。冷媒流路ユニット362は、第1実施形態に係る冷媒流路61と同じ形状を有する空間である。
本変形例では、同一の形状を有する複数の冷媒流路ユニット362を直列に連結して多段冷媒流路361を形成することで、ロータ352の消音量を向上させることができる。
また、異なる形状を有する複数の冷媒流路ユニット362を直列に連結して多段冷媒流路361を形成することで、多段冷媒流路361は、異なる複数の周波数領域における音を低減することができる。例えば、ロータ352は、大径路の長さ、および、大径路の断面積と入口側小径路の断面積との比が互いに異なる複数の冷媒流路ユニット362を有してもよい。この場合、ロータ352は、膨張型消音器の形状によって効果的に抑制される音の周波数領域、および、消音量等が互いに異なる複数の冷媒流路ユニット362を有する。従って、ロータ352を備えるロータリ圧縮機は、運転時の騒音をより効果的に低減することができる。
なお、本変形例の多段冷媒流路361は、第2実施形態に係るロータ152に形成されてもよい。
(3)変形例C
第1実施形態では、膨張型消音器の形状の冷媒流路61を有するロータ52を備える圧縮機として、ロータリ圧縮機101が用いられているが、例えば、スクロール圧縮機およびレシプロ式圧縮機が用いられてもよい。第2実施形態においても、例えば、スクロール圧縮機およびレシプロ式圧縮機が用いられてもよい。
本発明に係る圧縮機は、運転時の騒音を低減することができる。
15 圧縮機構
16 駆動モータ(モータ)
51 ステータ
52 ロータ
61 冷媒流路
62 大径路
63 入口側小径路
64 出口側小径路
71 電磁鋼板(鋼板)
72 ロータコア(積層鋼板)
73a 上部端板(端板)
73b 下部端板(端板)
101 ロータリ圧縮機(圧縮機)
161 磁気障壁空間
165 磁石配置空間
361 多段冷媒流路
特開2009−264175号公報

Claims (5)

  1. ロータ(52)と、前記ロータの外周側を囲むように配置されるステータ(51)とを有するモータ(16)と、
    前記モータによって駆動され、かつ、冷媒を圧縮する圧縮機構(15)と、
    を備え、
    前記ロータは、前記圧縮機構によって圧縮された冷媒が通過する冷媒流路(61)を有し、
    前記冷媒流路は、
    大径路(62)と、
    前記大径路と連通し、かつ、前記大径路の流路断面積より小さい流路断面積を有する入口側小径路(63)と、
    前記大径路と連通し、かつ、前記大径路の流路断面積より小さい流路断面積を有する出口側小径路(64)と、
    を有する、
    圧縮機(101)。
  2. 前記ロータは、
    鋼板(71)が積層された積層鋼板(72)と、
    前記鋼板の積層方向における前記積層鋼板の両端部に取り付けられる一対の端板(73a,73b)と、
    を有し、
    前記冷媒流路は、前記積層方向に沿って、前記積層鋼板および前記端板に形成される、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記大径路は、前記積層鋼板に形成され、
    前記入口側小径路は、前記端板の一方に形成され、
    前記出口側小径路は、前記端板の他方に形成される、
    請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記積層鋼板は、磁石が配置される磁石配置空間(165)と、前記磁石配置空間に隣接する磁気障壁空間(161)とを有し、
    前記磁気障壁空間は、前記積層方向に沿って前記積層鋼板を貫通する空間であり、
    前記端板は、前記積層方向に沿って前記ロータを見た場合において、前記磁気障壁空間の一部を覆う、
    請求項3に記載の圧縮機。
  5. 前記ロータは、前記圧縮機構によって圧縮された冷媒が通過し、かつ、複数の前記冷媒流路が直列に連結された多段冷媒流路(361)を有する、
    請求項1または2に記載の圧縮機。
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