JP5429319B2 - 圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮機に関する。
従来、ケーシングの内面と共にガス流路を形成するガスガイドを備える圧縮機が用いられている。ガスガイドは、圧縮機内部の圧縮機構によって圧縮された冷媒ガスを導く部材である。例えば、特許文献1(特開2010−106790号公報)に開示される圧縮機のガスガイドは、圧縮された冷媒の一部をケーシングの周方向に沿って吐出する。ケーシング周方向に沿って流れる冷媒に含まれる潤滑油は、遠心力によって飛ばされる。これにより、冷媒から潤滑油が分離される。
一般的に、圧縮機の大量生産という点では、ガスガイドとケーシングとをスポット溶接で接合することが適している。しかし、スポット溶接部位は、せん断方向の荷重に対する強度は大きいが、引張方向の荷重に対する強度は小さい。また、ガスガイドによって形成されるガス流路では、圧縮機構によって圧縮された冷媒の圧力脈動が発生する。そのため、ケーシング内面側のガス流路とケーシング中央側の空間との間で圧力差が発生するので、ガスガイドは、ケーシング径方向の力、すなわち、引張方向の荷重を受けやすい。従って、ガスガイドは、十分なスポット溶接強度を有することが望ましい。
しかし、ガスガイドのスポット溶接強度を向上させるためにスポット溶接径を大きくするためには、高い電極加圧力および溶接電流に対応した設備を使用し、また、ガスガイドおよびケーシングの板厚を大きくする必要がある。これにより、コストが上昇するおそれがある。
本発明の目的は、スポット溶接強度を効率的に向上させることができるガスガイドを備える圧縮機を提供することである。
本発明の第1観点に係る圧縮機は、ケーシングの内面にスポット溶接されるガスガイドを備える。ガスガイドは、ケーシングの内面と共にガス流路を形成する流路形成面を有する。少なくとも一部のガス流路は、その断面形状が、流路形成面間の距離であってケーシングの径方向に垂直な方向の距離の最大値D1と、ケーシングの内面と流路形成面との間の距離であってケーシングの径方向の距離の最大値D2とが、D2/D1≧0.35の関係を満たす。
第1観点に係る圧縮機では、圧縮機構によって圧縮された冷媒を導くガス流路を形成するガスガイドは、ケーシングの内面にスポット溶接されている。ガスガイドのスポット溶接部位は、ケーシングの周方向であるせん断方向の荷重に対する強度は大きく、ケーシングの径方向である引張方向の荷重に対する強度は小さい。本発明の圧縮機のガスガイドは、引張方向の荷重が低減される形状を有している。
例えば、ガス流路の断面形状が略長方形であり、ケーシング径方向に沿った長方形の辺の長さと、ケーシング周方向に沿った長方形の辺の長さとの比が0.45以上になるように、ガスガイドが設計されている場合を考える。この場合、ガス流路を流れる冷媒の圧力に起因して、ケーシングの径方向に沿ってガスガイドの表面に作用する荷重が低減される。従って、第1観点に係る圧縮機は、スポット溶接強度を効率的に向上させることができるガスガイドを備える。
本発明の第2観点に係る圧縮機は、第1観点に係る圧縮機であって、ガス流路の断面形状は、略長方形である。この略長方形の断面形状は、ケーシングの内面に沿う辺である長辺の長さL1と、長辺に直交する辺である短辺の長さL2とが、L2/L1≧0.45の関係を満たす。
本発明の第3観点に係る圧縮機は、第1観点に係る圧縮機であって、ガス流路の断面形状は、略台形である。この略台形の断面形状は、ケーシングの内面に沿う辺である外底辺の長さL3と、外底辺と平行な辺である内底辺の長さL4と、外底辺と内底辺との間の距離L5とが、L4/L3<0.90、かつ、L5/L3≧0.50の関係を満たす。
本発明の第4観点に係る圧縮機は、第1観点に係る圧縮機であって、ガス流路の断面形状は、略三角形である。この略三角形の断面形状は、ケーシングの内面に沿う辺である底辺に対して、他の二辺が45度以上の角度を成す。
本発明の第5観点に係る圧縮機は、第1観点に係る圧縮機であって、ガス流路の断面形状は、略半円である。この略半円の断面形状は、ケーシングの内面に沿う辺が直径である。
本発明の第6観点に係る圧縮機は、第1乃至第5観点のいずれか1つに係る圧縮機であって、ガスガイドには、上部ガス流路と、下部ガス流路と、側部ガス流路とが形成されている。上部ガス流路では、上方から流入したガスが下方に流れる。下部ガス流路では、上部ガス流路から流入したガスがさらに下方に流れる。側部ガス流路では、上部ガス流路から流入したガスが水平方向に流れる。
第6観点に係る圧縮機では、圧縮機構によって圧縮された冷媒の一部は、鉛直方向下方に向かって流れ、残りは、ケーシング周方向に沿って流れながら徐々に下降する。ケーシング周方向に沿って流れる冷媒に含まれる潤滑油は、遠心力によってケーシングの内面に飛ばされて、最終的にケーシング底部の油溜まり空間に戻される。従って、第2観点に係る圧縮機は、冷媒から潤滑油を効率的に分離することができる。
本発明の第1乃至第6観点に係る圧縮機は、スポット溶接強度を効率的に向上させることができるガスガイドを備える。
本発明の第6観点に係る圧縮機は、冷媒から潤滑油を効率的に分離することができる。
本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係るガスガイドの正面図である。 図2の矢印IIIから視たガスガイドの上面図である。 図2の矢印IVから視たガスガイドの下面図である。 図2のV−V線におけるガスガイドの断面図である。 図2のVI−VI線におけるガスガイドの断面図である。 図2のVII−VII線におけるガスガイドの断面図である。 本発明の第2実施形態に係るガスガイドの正面図である。 図8の矢印IXから視たガスガイドの上面図である。 図8の矢印Xから視たガスガイドの下面図である。 図8のXI−XI線におけるガスガイドの断面図である。 図8のXII−XII線におけるガスガイドの断面図である。 図8のXIII−XIII線におけるガスガイドの断面図である。 本発明の第3実施形態に係るガスガイドの正面図である。 図14の矢印XVから視たガスガイドの上面図である。 図14の矢印XVIから視たガスガイドの下面図である。 図14のXVII−XVII線におけるガスガイドの断面図である。 図14のXVIII−XVIII線におけるガスガイドの断面図である。 図14のXIX−XIX線におけるガスガイドの断面図である。 本発明の第4実施形態に係るガスガイドの正面図である。 図20の矢印XXIから視たガスガイドの上面図である。 図20の矢印XXIIから視たガスガイドの下面図である。 図20のXXIII−XXIII線におけるガスガイドの断面図である。 図20のXXIV−XXIV線におけるガスガイドの断面図である。 図20のXXV−XXV線におけるガスガイドの断面図である。 図7と同じ、ガスガイドの断面図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る圧縮機について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る圧縮機は、高低圧ドーム型のスクロール圧縮機である。スクロール圧縮機は、互いに噛み合う渦巻状のラップを有する2つのスクロール部材によって形成される空間の容積が変化することによって冷媒が圧縮される圧縮機である。
(1)圧縮機の構成
図1は、本実施形態に係るスクロール圧縮機101の縦断面図である。スクロール圧縮機101は、主として、ケーシング10と、圧縮機構15と、ハウジング23と、駆動モータ16と、下部軸受60と、クランク軸17と、ガスガイド71と、吸入管19と、吐出管20とから構成される。スクロール圧縮機101は、冷媒を循環する冷凍サイクルを繰り返す冷媒回路において冷媒ガスを圧縮する役割を担う。次に、スクロール圧縮機101の各構成要素について説明する。
(1−1)ケーシング
ケーシング10は、略円筒状の胴部ケーシング部11と、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部13とから構成される。ケーシング10は、ケーシング10の内部および外部において圧力や温度が変化した場合に、変形および破損が起こりにくい剛性部材で成型されている。ケーシング10は、胴部ケーシング部11の略円筒状の軸方向が鉛直方向に沿うように設置される。
ケーシング10の内部には、圧縮機構15と、圧縮機構15の下方に配置されるハウジング23と、ハウジング23の下方に配置される駆動モータ16と、鉛直方向に延びるように配置されるクランク軸17等が収容されている。ケーシング10の壁部には、吸入管19および吐出管20が気密状に溶接されている。
ケーシング10の底部には、潤滑油が貯留される油溜まり空間10aが形成されている。潤滑油は、スクロール圧縮機101の運転中において、圧縮機構15等の摺動部の潤滑性を良好に保つために使用される。
(1−2)圧縮機構
圧縮機構15は、ケーシング10の内部に収容され、低温低圧の冷媒ガスを吸引し、圧縮し、高温高圧の冷媒ガス(以下、「圧縮冷媒」という。)を吐出する。圧縮機構15は、主に、固定スクロール部品24と、旋回スクロール部品26とから構成される。
固定スクロール24は、第1鏡板24aと、第1鏡板24aに直立して形成される渦巻形状(インボリュート形状)の第1ラップ24bとを有する。固定スクロール24には、主吸入孔(図示せず)と、主吸入孔に隣接する補助吸入孔(図示せず)とが形成されている。主吸入孔は、吸入管19と、後述する圧縮室40とを連通する。補助吸入孔は、後述する低圧空間S2と、圧縮室40とを連通する。また、第1鏡板24aの中央部には、吐出孔41が形成され、第1鏡板24aの上面には、吐出孔41と連通する拡大凹部42が形成されている。拡大凹部42は、第1鏡板24aの上面に凹設された水平方向に広がる空間である。固定スクロール24の上面には、拡大凹部42を塞ぐように蓋体44がボルト44aにより固定されている。固定スクロール24および蓋体44は、ガスケット(図示せず)を介して密着してシールされている。拡大凹部42に蓋体44が覆い被せられることにより圧縮機構15の運転音を消音させるマフラー空間45が形成されている。固定スクロール24には、マフラー空間45と連通し、固定スクロール24の下面に開口する第1圧縮冷媒流路46が形成されている。
旋回スクロール26は、第2鏡板26aと、第2鏡板26aに直立して形成される渦巻形状(インボリュート形状)の第2ラップ26bとを有する。第2鏡板26aの下面中央部には、上端軸受26cが形成されている。第2鏡板26aには、給油細孔63が形成されている。給油細孔63は、第2鏡板26aの上面外周部と、上端軸受26cの内側の空間とを連通する。
固定スクロール24および旋回スクロール26は、第1ラップ24bと第2ラップ26bとが噛み合うことにより、第1鏡板24aと、第1ラップ24bと、第2鏡板26aと、第2ラップ26bとによって囲まれる空間である圧縮室40を形成する。圧縮室40の容積は、旋回スクロール26の公転運動によって変化する。
(1−3)ハウジング
ハウジング23は、圧縮機構15の下方に配置され、その外周面がケーシング10の内面に気密状に接合されている。これにより、ケーシング10の内部空間は、ハウジング23の下方の高圧空間S1と、ハウジング23の上方の低圧区間S2とに区画されている。ハウジング23は、ボルト等で固定することによって固定スクロール24を載置し、オルダム継手39を介して固定スクロール24と共に旋回スクロール26を挟持している。オルダム継手39は、旋回スクロール26の自転運動を防止するための環状の部材である。ハウジング23の外周部には、第2圧縮冷媒流路48が鉛直方向に貫通して形成されている。第2圧縮冷媒流路48は、ハウジング23の上端面において第1圧縮冷媒流路46と連通し、ハウジング23の下端面において吐出口49を介して高圧空間S1と連通する。
ハウジング23の上面には、クランク室S3が凹設されている。また、ハウジング23には、ハウジング貫通孔31が形成されている。ハウジング貫通孔31は、クランク室S3の底面中央部から、ハウジング23の下端面中央部まで、ハウジング23を鉛直方向に貫通して形成されている空間である。以下、ハウジング23の一部であり、かつ、ハウジング貫通孔31が形成されている部分を、上部軸受32という。また、ハウジング23には、ケーシング10の内面近傍の高圧空間S1とクランク室S3とを連通する油戻し通路23aが形成されている。
(1−4)駆動モータ
駆動モータ16は、ケーシング10の内部に収容され、ハウジング23の下方に配置されるブラシレスDCモータである。駆動モータ16は、主に、ケーシング10の内面に固定されるステータ51と、ステータ51の内側にエアギャップを設けて回転自在に収容されるロータ52とから構成される。
ステータ51は、主に、ステータコア51aと、インシュレータ51bと、コイル51cとからなる。インシュレータ51bは、ステータコア51aの軸方向の両端面に取り付けられ、ステータコア51aと共にコイル51cによって巻かれている。インシュレータ51bは、ステータコア51aとコイル51cとを電気的に絶縁する部材である。ステータ51の外周面には、ステータ51の上端面から下端面に亘り、かつ、周方向に所定間隔をおいて、切欠形成されている複数のコアカット部(図示せず)が設けられている。コアカット部は、胴部ケーシング部11とステータ51との間を鉛直方向に延びるモータ冷却通路55を形成する。
ロータ52は、その回転中心を鉛直方向に貫通するクランク軸17に連結されている。ロータ52は、クランク軸17を介して、圧縮機構15と接続されている。
(1−5)下部軸受
下部軸受60は、駆動モータ16の下方に配置され、その外周面においてケーシング10の内面に気密状に接合されている部材である。下部軸受60は、クランク軸17を回転自在に支持する。下部軸受60は、その上端に油分離板73が取り付けられている。
(1−6)クランク軸
クランク軸17は、ケーシング10の内部に収容され、その軸方向が鉛直方向に沿うように配置されている。クランク軸17は、その上端部の軸心が上端部を除く部分の軸心に対してわずかに偏心している形状を有している。クランク軸17は、バランスウェイト18を有する。バランスウェイト18は、ハウジング23の下方かつ駆動モータ16の上方の高さ位置において、クランク軸17に密着して固定されている。
クランク軸17は、ロータ52の回転中心を鉛直方向に貫通してロータ52に連結されている。クランク軸17の上端部は、旋回スクロール26の上端軸受26cに嵌入している。クランク軸17は、上部軸受32および下部軸受60によって支持されている。
クランク軸17は、軸方向に延びている主給油路61を内部に有する。主給油路61の上端は、クランク軸17の上端面と第2鏡板26aの下面とによって形成される油室83と連通している。油室83は、第2鏡板26aの給油細孔63を介して、第1鏡板24aと第2鏡板26aとが外周部において互いに摺接する面であるスラスト軸受面24cに連通している。主給油路61の下端は、高圧空間S1の油溜まり空間10aに連通している。
また、クランク軸17は、主給油路61から分岐する第1副給油路62a、第2副給油路62bおよび第3副給油路62cを有している。第1副給油路62a、第2副給油路62bおよび第3副給油路62cは、水平方向に延びている。第1副給油路62aは、クランク軸17と旋回スクロール26の上端軸受26cとの摺接面に開口している。第2副給油路62bは、クランク軸17とハウジング23の上部軸受32との摺接面に開口している。第3副給油路62cは、クランク軸17と下部軸受60との摺接面に開口している。
(1−7)ガスガイド
ガスガイド71は、ハウジング23と駆動モータ16との間の高圧空間S1に配置される。ガスガイド71は、金属板で成形され、ケーシング10の胴部ケーシング部11の内面にスポット溶接によって固定されている。ガスガイド71は、ケーシング10の内面と共に、圧縮冷媒が通過する冷媒案内流路72を形成する。冷媒案内流路72の上端は、ハウジング23の第2圧縮冷媒流路48と連通する。
図2は、ケーシング10の内面に固定されたガスガイド71をケーシング10の内部から視た、ガスガイド71の正面図である。図2に示される点線の矢印は、冷媒案内流路72を通過する圧縮冷媒の流れを表す。図2に示される7箇所のポイントWPは、ガスガイド71がケーシング10の内面にスポット溶接される部分であるスポット溶接部位WPである。図3は、図2の矢印IIIから視たガスガイド71の上面図である。図4は、図2の矢印IVから視たガスガイド71の下面図である。図5は、図2のV−V線におけるガスガイド71の断面図である。図6は、図2のVI−VI線におけるガスガイド71の断面図である。図7は、図2のVII−VII線におけるガスガイド71の断面図である。なお、図3〜図7には、ケーシング10(胴部ケーシング部11)の断面も示されている。
ガスガイド71は、図3〜図5に示されるように、ケーシング10の内面に密着して、ケーシング10の内面との間に水平流路72aおよび鉛直流路72bを形成する。鉛直流路72bは、上部の上部鉛直流路72b1と下部の下部鉛直流路72b2とからなり、鉛直方向中央部において水平流路72aと連通する。図6に示されるように、鉛直流路72bの水平方向の断面積は、上方から下方へ行くに従って徐々に小さくなる。図7に示されるように、ガスガイド71の上部鉛直流路72b1を形成する表面は、ケーシング10の内面に接している接触面R11と、ケーシング10の径方向にほぼ沿った表面である径方向面R12と、ケーシング10の内面から離間しケーシング10の周方向にほぼ沿った表面である周方向面R13と、接触面R11と径方向面R12とを接続する外側湾曲面R14と、径方向面R12と周方向面R13とを接続する内側湾曲面R15とから構成されている。図7に示されるスポット溶接部位WPは、ガスガイド71の接触面R11に位置している。
図7に示されるように、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面は、略長方形の形状を有している。以下、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面を長方形C1と近似して説明する。長方形C1は、ケーシング10の内面11aに沿う辺である長辺E11と、長辺E11に直交する辺である短辺E12とからなる。長方形C1は、図7に示されるように、2つの径方向面R12の延長面がケーシング10の内面11aと交差する2つのポイントP11と、2つの径方向面R12の延長面が周方向面R13の延長面と交差する2つのポイントP12とからなる4つの頂点を有する。長方形C1の長辺E11は、2つのポイントP11同士を連結する辺、および、2つのポイントP12同士を連結する辺である。長方形C1の短辺E12は、径方向面R12の延長面上に位置する1つのポイントP11と1つのポイントP12とを連結する辺である。外側湾曲面R14は、長方形C1の外部に位置し、内側湾曲面R15は、長方形C1の内部に位置している。本実施形態において、長方形C1の短辺E12の長さL2と長辺E11の長さL1との比L2/L1は、0.45以上であり、好ましくは0.50以上である。
また、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面を近似する長方形C1は、上記の比L2/L1で表される条件を含有する、次の条件を満たす。長方形C1は、上部鉛直流路72b1を形成する流路形成面R12〜R15間の距離であってケーシング10の径方向に垂直な方向の距離の最大値D1と、ケーシング10の内面11aと流路形成面R12〜R15との間の距離であってケーシング10の径方向の距離の最大値D2とが、D2/D1≧0.35の関係を満たす。図26を参照しながら具体的に説明すると、距離D1は、2つの外側湾曲面R14がケーシング10の内面11aに接触している2つのポイントPA間の距離である。距離D2は、ケーシング10の内面11aと周方向面R13との間の距離の最大値である。
なお、図4および図5に示されるように、下部鉛直流路72b2の水平方向の断面および水平流路72aの鉛直方向の断面も、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面と同様の略長方形の形状を有している。
(1−8)吸入管
吸入管19は、ケーシング10の外部から圧縮機構15へ冷媒回路の冷媒を導入するための管である。吸入管19は、ケーシング10の上壁部12に気密状に嵌入されている。吸入管19は、低圧空間S2を鉛直方向に貫通する。ケーシング10内の吸入管19の端部は、固定スクロール24に嵌入されている。
(1−9)吐出管
吐出管20は、高圧空間S1からケーシング10の外部へ圧縮冷媒を吐出するための管である。吐出管20は、ケーシング10の胴部ケーシング部11に気密状に嵌入されている。吐出管20は、高圧空間S1を水平方向に貫通する。ケーシング10内の吐出管20の端部にある開口部20aは、ハウジング23の近傍に位置している。
(2)圧縮機の動作
本実施形態に係るスクロール圧縮機101の動作について説明する。最初に、スクロール圧縮機101を備える冷媒回路を循環する冷媒の流れについて説明する。次に、スクロール圧縮機101内部における潤滑油の流れについて説明する。
(2−1)冷媒の流れ
最初に、駆動モータ16が駆動することによって、ロータ52が回転する。これにより、ロータ52に固定されているクランク軸17が軸回転する。クランク軸17の軸回転運動は、上端軸受26cを介して旋回スクロール26に伝達される。クランク軸17の上端部の軸心は、クランク軸17の軸回転運動の軸心に対して偏心している。旋回スクロール26は、オルダム継手39によって自転が防止される。これにより、旋回スクロール26は、自転することなく、固定スクロール24に対して公転運動を行う。
圧縮前の低温低圧の冷媒は、吸入管19から主吸入孔を経由して、または、低圧空間S2から補助吸入孔を経由して、圧縮機構15の圧縮室40に吸引される。旋回スクロール26の公転運動により、圧縮室40は体積を徐々に減少させながら固定スクロール24の外周部から中心部に向かって移動する。その結果、圧縮室40の冷媒は圧縮されて圧縮冷媒となる。圧縮冷媒は、吐出孔41からマフラー空間45へ吐出された後、第1圧縮冷媒流路46および第2圧縮冷媒流路48を経由して、吐出口49から高圧空間S1へ吐出される。そして、圧縮冷媒は、ガスガイド71と胴部ケーシング部11との間の空間である冷媒案内流路72を通過した後、モータ冷却通路55を下降して、駆動モータ16の下方の高圧空間S1に到達する。そして、圧縮冷媒は、流れの向きを反転させて、他のモータ冷却通路55および駆動モータ16のエアギャップを上昇する。最終的に、圧縮冷媒は、吐出管20からスクロール圧縮機101の外部に吐出される。
なお、本実施形態において、冷媒案内流路72を通過する圧縮冷媒の一部は、図2に示されるように、鉛直流路72bを通過して鉛直方向下方に向かって高圧空間S1に送られ、残りの圧縮冷媒は、鉛直流路72bから分岐する水平流路72aを通過してケーシング10の周方向に沿って高圧空間S1に送られる。高圧空間S1をケーシング10の周方向に沿って流れる圧縮冷媒に含まれる潤滑油は、遠心力によってケーシング10の内面に向かって飛ばされる。ケーシング10の内面に付着した潤滑油は、油溜まり空間10aに向かって落下する。
(2−2)潤滑油の流れ
最初に、駆動モータ16が駆動することによって、ロータ52が回転する。これにより、ロータ52に固定されているクランク軸17が軸回転する。クランク軸17の軸回転運動によって圧縮機構15が駆動し、高圧空間S1に圧縮冷媒が吐出されると、高圧空間S1の圧力が上昇する。一方、圧縮機構15のスラスト軸受面24cおよび給油細孔63を介して油室83と連通している圧縮機構15の圧縮室40は、高圧空間S1より低圧下にある。そのため、油溜まり空間10aおよび油室83と連通する駆動モータ16の主給油路61は、差圧ポンプとして作用する。これにより、油溜まり空間10aに貯留されている潤滑油は、主給油路61を上昇する。
主給油路61を上昇する潤滑油は、順に、第3副給油路62c、第2副給油路62bおよび第1副給油路62aに分流する。第3副給油路62cを流れる潤滑油は、クランク軸17と下部軸受60との摺接面を潤滑した後、高圧空間S1に供給されて油溜まり空間10aに向かって落下する。第2副給油路62bを流れる潤滑油は、クランク軸17とハウジング23の上部軸受32との摺接面を潤滑した後、高圧空間S1およびクランク室S3に供給される。高圧空間S1に供給された潤滑油は、油溜まり空間10aに向かって落下する。クランク室S3に供給された潤滑油は、ハウジング23の油戻し通路23aを経由して高圧空間S1に供給され、油溜まり空間10aに向かって落下する。第1副給油路62aを流れる潤滑油は、クランク軸17と旋回スクロール26の上端軸受26cとの摺接面を潤滑した後、クランク室S3に供給される。クランク室S3に供給された潤滑油は、油戻し通路23aを経由して高圧空間S1に供給され、油溜まり空間10aに向かって落下する。
主給油路61を上昇して油室83まで到達した潤滑油は、給油細孔63を経由して、圧縮機構15のスラスト軸受面24cに供給される。スラスト軸受面24cに供給された潤滑油は、圧縮室40に流入する。このとき、高温の潤滑油は、圧縮室40に存在する圧縮される前の低温の冷媒を加熱し、かつ、微小な油滴の状態で冷媒に混入する。圧縮室40で圧縮冷媒に混入した潤滑油は、圧縮冷媒と同じ経路を通って高圧空間S1に供給される。そして、潤滑油は、圧縮冷媒と共に冷媒案内流路72およびモータ冷却通路55を下降した後、油分離板73に衝突する。油分離板73に付着した潤滑油は、油溜まり空間10aに向かって落下する。
(3)圧縮機の特徴
本実施形態に係るスクロール圧縮機101では、圧縮機構15によって圧縮された冷媒は、ガスガイド71によって形成される冷媒案内流路72を通過して高圧空間S1に供給される。ガスガイド71は、スポット溶接部位WPにおいて、ケーシング10の内面にスポット溶接されている。ガスガイド71のスポット溶接部位WPは、ケーシング10の周方向に沿ってかかる力であるせん断方向の荷重CLに対する強度は大きく、ケーシング10の径方向に沿ってかかる力である引張方向の荷重RLに対する強度は小さい。また、圧縮冷媒が通過する冷媒案内流路72の圧力は、ガスガイド71を挟んで冷媒案内流路72の反対側に位置する高圧空間S1の圧力よりも高いので、ガスガイド71には、冷媒案内流路72側から高圧空間S1側に向かう力が作用している。
本実施形態において、スクロール圧縮機101のガスガイド71は、冷媒案内流路72を流れる冷媒の圧力に起因する引張方向の荷重RLが低減される形状を有している。具体的には、図7に示されるように、冷媒案内流路72の一部である上部鉛直流路72b1の水平方向の断面を長方形C1と近似した場合、長方形C1の短辺E12の長さL2と長辺E11の長さL1との比L2/L1が少なくとも0.45になるように、ガスガイド71の形状が設計されている。ここで、長方形C1の長辺E11の長さL1が短いほど、ガスガイド71の周方向面R13の面積も小さいので、ケーシング10の径方向に作用する引張方向の荷重RLも小さい。また、長方形C1の短辺E12の長さL2が長いほど、ガスガイド71の径方向面R12の面積も大きいので、ケーシング10の周方向に作用するせん断方向の荷重CLも大きい。また、長方形C1の面積が一定である場合、長辺E11の長さL1が短いほど、短辺E12の長さL2が長いので、比L2/L1も大きい。
すなわち、冷媒案内流路72の断面形状が長方形C1である場合、短辺E12の長さL2と長辺E11の長さL1との比L2/L1が大きくなるようにガスガイド71の形状を設計することで、ガスガイド71に作用する引張方向の荷重RLを低減することができる。そして、ガスガイド71のスポット溶接部位WPは、引張方向の荷重RLに対する強度が小さいので、ガスガイド71に作用する引張方向の荷重RLを低減することで、ガスガイド71のスポット溶接部位WPの強度を向上させることができる。従って、本実施形態に係るスクロール圧縮機101は、スポット溶接強度を効率的に向上させることができるガスガイド71を備える。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係るスクロール圧縮機について説明する。本実施形態の基本的な構成、動作および特徴は、第1実施形態に係るスクロール圧縮機と同一であるので、第1実施形態との相違点を主に説明する。第1実施形態と同一の構造および機能を有する要素には、同一の参照符号が用いられている。
(1)圧縮機の構成
本実施形態におけるガスガイド171は、第1実施形態におけるガスガイド71と異なる形状を有している。図8は、ケーシング10の内面に固定されたガスガイド171をケーシング10の内部から視た、ガスガイド171の正面図である。図9は、図8の矢印IXから視たガスガイド171の上面図である。図10は、図8の矢印Xから視たガスガイド171の下面図である。図11は、図8のXI−XI線におけるガスガイド171の断面図である。図12は、図8のXII−XII線におけるガスガイド171の断面図である。図13は、図8のXIII−XIII線におけるガスガイド171の断面図である。
ガスガイド171は、図9〜図11に示されるように、ケーシング10の内面に密着して、ケーシング10の内面との間に水平流路72aおよび鉛直流路72bを形成する。鉛直流路72bは、上部の上部鉛直流路72b1と下部の下部鉛直流路72b2とからなり、鉛直方向中央部において水平流路72aと連通する。図12に示されるように、鉛直流路72bの水平方向の断面積は、上方から下方へ行くに従って徐々に小さくなる。図13に示されるように、ガスガイド171の上部鉛直流路72b1を形成する表面は、ケーシング10の内面に接している接触面R21と、ケーシング10の径方向にほぼ沿った表面である径方向面R22と、ケーシング10の内面から離間しケーシング10の周方向にほぼ沿った表面である周方向面R23と、接触面R21と径方向面R22とを接続する外側湾曲面R24と、径方向面R22と周方向面R23とを接続する内側湾曲面R25とから構成されている。図13に示されるスポット溶接部位WPは、ガスガイド171の接触面R21に位置している。
本実施形態におけるガスガイド171は、第1実施形態におけるガスガイド71と比べて、冷媒案内流路72の断面形状が異なっている。具体的には、図13に示されるように、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面は、略台形の形状を有している。以下、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面を台形C2と近似して説明する。台形C2は、ケーシング10の内面11aに沿う辺である外底辺E21と、外底辺E21と平行な辺である内底辺E22と、外底辺E21と内底辺E22とを連結する一対の側辺E23とからなる。台形C2は、図13に示されるように、2つの径方向面R22の延長面がケーシング10の内面11aと交差する2つのポイントP21と、2つの径方向面R22の延長面が周方向面R23の延長面と交差する2つのポイントP22とからなる4つの頂点を有する。台形C2の外底辺E21は、2つのポイントP21同士を連結する辺である。台形C2の内底辺E22は、2つのポイントP22同士を連結する辺である。台形C2の側辺E23は、径方向面R22の延長面上に位置する1つのポイントP21と1つのポイントP22とを連結する辺である。外側湾曲面R24は、台形C2の外部に位置し、内側湾曲面R25は、台形C2の内部に位置している。なお、台形C2は、外底辺E21または内底辺E22の垂直二等分線に対して対称である。本実施形態において、台形C2の内底辺E22の長さL4と外底辺E21の長さL3との比L4/L3は、0.90未満であり、好ましくは0.85未満である。また、台形C2の高さである外底辺E21と内底辺E22との間の距離L5と、外底辺E21の長さL3との比L5/L3は、0.50以上であり、好ましくは0.55以上である。
また、図13には、スポット溶接部位WPの水平断面の中心CPと、ケーシング10(胴部ケーシング部11)の水平断面の中心(図示せず)とを連結する直線WLが示されている。本実施形態では、台形C2の側辺E23と、その側辺E23に最も近い直線WLとの間の角度が45度以下であることが好ましい。
なお、図10および図11に示されるように、下部鉛直流路72b2の水平方向の断面および水平流路72aの鉛直方向の断面も、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面と同様の略台形の形状を有している。
(2)圧縮機の特徴
本実施形態において、スクロール圧縮機101のガスガイド171は、第1実施形態と同様に、冷媒案内流路72を流れる冷媒の圧力に起因する引張方向の荷重が低減される形状を有している。具体的には、図13に示されるように、冷媒案内流路72の一部である上部鉛直流路72b1の水平方向の断面を台形C2と近似した場合、台形C2の高さL5と外底辺E21の長さL3との比L5/L3が少なくとも0.50になるように、ガスガイド171の形状が設計されている。ここで、台形C2の外底辺E21の長さL3が短いほど、内底辺E22の長さL4も短く、ガスガイド171の周方向面R23の面積も小さいので、ケーシング10の径方向に作用する引張方向の荷重RLも小さい。また、台形C2の高さL5が長いほど、側辺E23も長いので、ケーシング10の周方向に作用するせん断方向の荷重CLも大きい。また、台形C2の面積が一定である場合、外底辺E21の長さL3が短いほど、高さL5が長いので、比L5/L3も大きい。
すなわち、冷媒案内流路72の断面形状が台形C2である場合、高さL5と外底辺E21の長さL3との比L5/L3が大きくなるようにガスガイド171の形状を設計することで、ガスガイド171に作用する引張方向の荷重RLを低減することができる。これにより、ガスガイド171のスポット溶接部位WPの強度を向上させることができる。従って、本実施形態に係るスクロール圧縮機101は、スポット溶接強度を効率的に向上させることができるガスガイド171を備える。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係るスクロール圧縮機について説明する。本実施形態の基本的な構成、動作および特徴は、第1実施形態に係るスクロール圧縮機と同一であるので、第1実施形態との相違点を主に説明する。第1実施形態と同一の構造および機能を有する要素には、同一の参照符号が用いられている。
(1)圧縮機の構成
本実施形態におけるガスガイド271は、第1実施形態におけるガスガイド71と異なる形状を有している。図14は、ケーシング10の内面に固定されたガスガイド271をケーシング10の内部から視た、ガスガイド271の正面図である。図15は、図14の矢印XVから視たガスガイド271の上面図である。図16は、図14の矢印XVIから視たガスガイド271の下面図である。図17は、図14のXVII−XVII線におけるガスガイド271の断面図である。図18は、図14のXVIII−XVIII線におけるガスガイド271の断面図である。図19は、図14のXIX−XIX線におけるガスガイド271の断面図である。
ガスガイド271は、図15〜図17に示されるように、ケーシング10の内面に密着して、ケーシング10の内面との間に水平流路72aおよび鉛直流路72bを形成する。鉛直流路72bは、上部の上部鉛直流路72b1と下部の下部鉛直流路72b2とからなり、鉛直方向中央部において水平流路72aと連通する。図18に示されるように、鉛直流路72bの水平方向の断面積は、上方から下方へ行くに従って徐々に小さくなる。図19に示されるように、ガスガイド271の上部鉛直流路72b1を形成する表面は、ケーシング10の内面に接している接触面R31と、ケーシング10の径方向と所定の角度を成す方向に沿った表面である一対の傾斜面R32と、接触面R31と傾斜面R32とを接続する外側湾曲面R33と、一対の傾斜面R32を互いに接続する内側湾曲面R34とから構成されている。図19に示されるスポット溶接部位WPは、ガスガイド271の接触面R31に位置している。
本実施形態におけるガスガイド271は、第1実施形態におけるガスガイド71と比べて、冷媒案内流路72の断面形状が異なっている。具体的には、図19に示されるように、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面は、略三角形の形状を有している。以下、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面を三角形C3と近似して説明する。三角形C3は、ケーシング10の内面11aに沿う辺である底辺E31と、底辺E31以外の一対の斜辺E32とからなる二等辺三角形である。三角形C3は、図19に示されるように、2つの傾斜面R32の延長面がケーシング10の内面11aと交差する2つのポイントP31と、2つの傾斜面R32の延長面が交差する1つのポイントP32とからなる3つの頂点を有する。三角形C3の底辺E31は、2つのポイントP31同士を連結する辺である。三角形C3の斜辺E32は、1つのポイントP31とポイントP32とを連結する辺である。外側湾曲面R33は、三角形C3の外部に位置し、内側湾曲面R34は、三角形C3の内部に位置している。本実施形態において、三角形C3の底辺E31と斜辺E32との間の角度θは、45度以上であり、好ましくは50度以上である。
なお、図16および図17に示されるように、下部鉛直流路72b2の水平方向の断面および水平流路72aの鉛直方向の断面も、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面と同様の略三角形の形状を有している。
(2)圧縮機の特徴
本実施形態において、スクロール圧縮機101のガスガイド271は、第1実施形態と同様に、冷媒案内流路72を流れる冷媒の圧力に起因する引張方向の荷重が低減される形状を有している。具体的には、図19に示されるように、冷媒案内流路72の一部である上部鉛直流路72b1の水平方向の断面を三角形C3と近似した場合、三角形C3の底辺E31と斜辺E32との間の角度θが少なくとも45度になるように、ガスガイド271の形状が設計されている。そして、傾斜面R32に作用する荷重を、ケーシング10の径方向の荷重成分とケーシング10の周方向の荷重成分とに分解した場合、三角形C3の底辺E31と斜辺E32との間の角度θが大きいほど、ケーシング10の周方向の荷重成分が大きくなる。この場合、傾斜面R32に対して、ケーシング10の周方向に作用するせん断方向の荷重CLは大きくなり、ケーシング10の径方向に作用する引張方向の荷重RLは小さくなる。
すなわち、冷媒案内流路72の断面形状が三角形C3である場合、底辺E31と斜辺E32との間の角度θが大きくなるようにガスガイド271の形状を設計することで、ガスガイド271に作用する引張方向の荷重RLを低減することができる。これにより、ガスガイド271のスポット溶接部位WPの強度を向上させることができる。従って、本実施形態に係るスクロール圧縮機101は、スポット溶接強度を効率的に向上させることができるガスガイド271を備える。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係るスクロール圧縮機について説明する。本実施形態の基本的な構成、動作および特徴は、第1実施形態に係るスクロール圧縮機と同一であるので、第1実施形態との相違点を主に説明する。第1実施形態と同一の構造および機能を有する要素には、同一の参照符号が用いられている。
(1)圧縮機の構成
本実施形態におけるガスガイド371は、第1実施形態におけるガスガイド71と異なる形状を有している。図20は、ケーシング30の内面に固定されたガスガイド371をケーシング10の内部から視た、ガスガイド371の正面図である。図21は、図20の矢印XXIから視たガスガイド371の上面図である。図22は、図20の矢印XXIIから視たガスガイド371の下面図である。図23は、図20のXXIII−XXIII線におけるガスガイド371の断面図である。図24は、図20のXXIV−XXIV線におけるガスガイド371の断面図である。図25は、図20のXXV−XXV線におけるガスガイド371の断面図である。
ガスガイド371は、図21〜図23に示されるように、ケーシング10の内面に密着して、ケーシング10の内面との間に水平流路72aおよび鉛直流路72bを形成する。鉛直流路72bは、上部の上部鉛直流路72b1と下部の下部鉛直流路72b2とからなり、鉛直方向中央部において水平流路72aと連通する。図24に示されるように、鉛直流路72bの水平方向の断面積は、上方から下方へ行くに従って徐々に小さくなる。図25に示されるように、ガスガイド371の上部鉛直流路72b1を形成する表面は、ケーシング10の内面に接している接触面R41と、ケーシング10の内面から径方向内側に向かって突出している表面である湾曲面R42と、接触面R41と湾曲面R42とを接続する外側湾曲面R43とから構成されている。図25に示されるスポット溶接部位WPは、ガスガイド371の接触面R41に位置している。
本実施形態におけるガスガイド371は、第1実施形態におけるガスガイド71と比べて、冷媒案内流路72の断面形状が異なっている。具体的には、図25に示されるように、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面は、略半円の形状を有している。以下、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面を半円C4と近似して説明する。半円C4の直径E41は、ケーシング10の内面11aに沿う辺に相当する。直径E41は、図25に示されるように、湾曲面R42の両側の延長面がケーシング10の内面11aと交差する2つのポイントP41同士を連結する直線である。外側湾曲面R43は、半円C4の外部に位置している。
なお、図22および図23に示されるように、下部鉛直流路72b2の水平方向の断面および水平流路72aの鉛直方向の断面も、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面と同様の略半円の形状を有している。
(2)圧縮機の特徴
本実施形態において、スクロール圧縮機101のガスガイド371は、第1実施形態と同様に、冷媒案内流路72を流れる冷媒の圧力に起因する引張方向の荷重が低減される形状を有している。具体的には、図25に示されるように、冷媒案内流路72の一部である上部鉛直流路72b1の水平方向の断面が半円C4に近似するように、ガスガイド371の形状が設計されている。そして、湾曲面R42に作用する荷重は、ケーシング10の径方向に作用する引張方向の荷重RLと、ケーシング10の周方向に作用するせん断方向の荷重CLとに分解される。
すなわち、冷媒案内流路72の断面形状が半円C4に近似するようにガスガイド371の形状を設計することで、ガスガイド371に作用する引張方向の荷重RLを低減することができる。これにより、ガスガイド371のスポット溶接部位WPの強度を向上させることができる。従って、本実施形態に係るスクロール圧縮機101は、スポット溶接強度を効率的に向上させることができるガスガイド371を備える。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明の具体的構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更可能である。以下、本発明の実施形態に係る圧縮機に対する適用可能な変形例について説明する。
(1)変形例A
第1乃至第4実施形態では、圧縮機として、固定スクロール部品24と旋回スクロール部品26とから構成される圧縮機構15を備えるスクロール圧縮機101が用いられているが、他のタイプの圧縮機構を備える圧縮機が用いられてもよい。例えば、ロータリー式の圧縮機やレシプロ式の圧縮機が用いられてもよい。
(2)変形例B
第1乃至第4実施形態では、ガスガイド71,171,271,371によって形成される上部鉛直流路72b1の水平方向の断面と、下部鉛直流路72b2の水平方向の断面と、水平流路72aの鉛直方向の断面とは、いずれも、長方形C1、台形C2、三角形C3および半円C4のいずれか1つの形状を有している。しかし、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面と、下部鉛直流路72b2の水平方向の断面と、水平流路72aの鉛直方向の断面との少なくとも1つが、長方形C1、台形C2、三角形C3および半円C4のいずれか1つの形状を有していればよい。
例えば、第1実施形態におけるガスガイド71では、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面、下部鉛直流路72b2の水平方向の断面および水平流路72aの鉛直方向の断面は、短辺E12の長さL2と長辺E11の長さL1との比L2/L1が少なくとも0.45である長方形C1であるが、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面である長方形C1の比L2/L1が少なくとも0.45であれば、下部鉛直流路72b2の水平方向の断面および水平流路72aの鉛直方向の断面である長方形C1の比L2/L1が0.45未満であってもよい。
(3)変形例C
第1乃至第4実施形態では、ガスガイド71,171,271,371によって形成される上部鉛直流路72b1の水平方向の断面形状C1,C2,C3,C4が満たすべき条件について説明した。例えば、第1実施形態において、上部鉛直流路72b1の水平方向の断面を近似する長方形C1は、短辺E12の長さL2と長辺E11の長さL1との比L2/L1が少なくとも0.45である。
しかし、これらの断面形状C1,C2,C3,C4は、上部鉛直流路72b1を形成する流路形成面R12〜R15,R22〜R25,R32〜R34,R42,R43間の距離であってケーシング10の径方向に垂直な方向の距離の最大値D1と、ケーシング10の内面11aと流路形成面R12〜R15,R22〜R25,R32〜R34,R42,R43との間の距離であってケーシング10の径方向の距離の最大値D2とが、D2/D1≧0.35の関係を満たしていればよく、より好ましくは、D2/D1≧0.40の関係を満たしていればよい。例として、図26には、第1実施形態での長方形の断面形状C1における上記の距離D1,D2が示されている。距離D1は、2つの外側湾曲面R14がケーシング10の内面11aに接触している2つのポイントPA間の距離である。距離D2は、ケーシング10の内面11aと周方向面R13との間の距離の最大値である。第1乃至第4実施形態における具体的な断面形状である長方形C1、台形C2、三角形C3および半円C4は、上記の距離の比D2/D1の条件を満たしている。
本発明に係る圧縮機は、スポット溶接強度を効率的に向上させることができるガスガイドを備える。
10 ケーシング
11a ケーシングの内面
71 ガスガイド
72 冷媒案内流路(ガス流路)
72a 水平流路(側部ガス流路)
72b1 上部鉛直流路(上部ガス流路)
72b2 下部鉛直流路(下部ガス流路)
101 スクロール圧縮機(圧縮機)
171 ガスガイド
271 ガスガイド
371 ガスガイド
C1 略長方形の断面形状
C2 略台形の断面形状
C3 略三角形の断面形状
C4 略半円の断面形状
E11 長方形の長辺
E12 長方形の短辺
E21 台形の外底辺
E22 台形の内底辺
E31 三角形の底辺
E32 三角形の底辺以外の二辺
E41 半円の直径
R12〜R15 流路形成面
R22〜R25 流路形成面
R32〜R34 流路形成面
R42,R43 流路形成面
特開2010−106790号公報

Claims (6)

  1. ケーシング(10)の内面にスポット溶接され、かつ、前記ケーシングの内面(11a)と共にガス流路(72)を形成する流路形成面(R12〜R15,R22〜R25,R32〜R34,R42,R43)を有するガスガイド(71,171,271,371)を備える圧縮機(101)であって、
    少なくとも一部の前記ガス流路は、その断面形状(C1,C2,C3,C4)が、前記流路形成面間の距離であって前記ケーシングの径方向に垂直な方向の距離の最大値D1と、前記ケーシングの内面と前記流路形成面との間の距離であって前記ケーシングの径方向の距離の最大値D2とが、D2/D1≧0.35の関係を満たす、
    圧縮機。
  2. 前記ガス流路の前記断面形状(C1)は、略長方形であり、前記ケーシングの内面に沿う辺である長辺(E11)の長さL1と、前記長辺に直交する辺である短辺(E12)の長さL2とが、L2/L1≧0.45の関係を満たす、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記ガス流路の前記断面形状(C2)は、略台形であり、前記ケーシングの内面に沿う辺である外底辺(E21)の長さL3と、前記外底辺と平行な辺である内底辺(E22)の長さL4と、前記外底辺と前記内底辺との間の距離L5とが、L4/L3<0.90、かつ、L5/L3≧0.50の関係を満たす、
    請求項1に記載の圧縮機。
  4. 前記ガス流路の前記断面形状(C3)は、略三角形であり、前記ケーシングの内面に沿う辺である底辺(E31)に対して、他の二辺(E32)が45度以上の角度を成す、
    請求項1に記載の圧縮機。
  5. 前記ガス流路の前記断面形状(C4)は、略半円であり、前記ケーシングの内面に沿う辺が直径(E41)である、
    請求項1に記載の圧縮機。
  6. 前記ガスガイドには、
    上方から流入したガスが下方に流れる上部ガス流路(72b1)と、
    前記上部ガス流路から流入したガスがさらに下方に流れる下部ガス流路(72b2)と、
    前記上部ガス流路から流入したガスが水平方向に流れる側部ガス流路(72a)と、
    が形成されている、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の圧縮機。
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