JP5444880B2 - 圧縮機 - Google Patents
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Description
図1に示されるスクロール圧縮機1は、高低圧ドーム型のスクロール圧縮機であり、蒸発器や、凝縮器、膨張機構などと共に冷媒回路を構成し、その冷媒回路中の冷媒を圧縮する役割を担うものであって、主に、縦長円筒状の密閉ドーム型のケーシング10、スクロール圧縮機構15、オルダムリング39、駆動モータ16、下部主軸受60、吸入管19、吐出管20、上部ガイド部71、下部ガイド部72、および油分離板73から構成されている。以下、このスクロール圧縮機1の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
(1)ケーシング
ケーシング10は、略円筒状の胴部ケーシング部11と、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部13とを有する。そして、このケーシング10には、主に、冷媒ガスを圧縮するスクロール圧縮機構15と、スクロール圧縮機構15の下方に配置される駆動モータ16とが収容されている。このスクロール圧縮機構15と駆動モータ16とは、ケーシング10内を上下方向に延びるように配置される駆動軸17によって連結されている。そして、この結果、スクロール圧縮機構15と駆動モータ16との間には、間隙空間18が生じる。
スクロール圧縮機構15は、図1に示されるように、主に、ハウジング23と、ハウジング23の上方に密着して配置される固定スクロール24と、固定スクロール24に噛合する可動スクロール26とから構成されている。
固定スクロール24は、図1に示されるように、主に、平板状の鏡板24aと、鏡板24aの下面に形成された渦巻き状(インボリュート状)の渦巻き部分24bとから構成されている。
可動スクロール26は、図1に示されるように、主に、鏡板26aと、鏡板26aの上面に形成された渦巻き状(インボリュート状)の渦巻き部分26bと、鏡板26aの下面に形成された軸受部26cと、鏡板26aの両端部に形成される溝部26dとから構成されている。
ハウジング23は、その外周面において周方向の全体に亘って胴部ケーシング部11に圧入固定されている。つまり、胴部ケーシング部11とハウジング23とは全周に亘って気密状に密着されている。このため、ケーシング10の内部は、ハウジング23下方の高圧空間28とハウジング23上方の低圧空間29とに区画されていることになる。また、このハウジング23には、上端面が固定スクロール24の下端面と密着するように、固定スクロール24がボルト等により締結固定されている。また、このハウジング23には、上面中央に凹設されたハウジング凹部31と、下面中央から下方に延設された軸受部32とが形成されている。そして、この軸受部32には、上下方向に貫通する軸受孔33が形成されており、この軸受孔33に駆動軸17が軸受34を介して回転自在に嵌入されている。
また、このスクロール圧縮機構15には、固定スクロール24とハウジング23とに亘り、連絡通路46が形成されている。この連絡通路46は、固定スクロール24とハウジング23に切欠形成されたハウジング側通路48とが連通するように形成されている。そして、連絡通路46の上端は拡大凹部42に開口し、連絡通路46の下端、即ちハウジング側通路48の下端はハウジング23の下端面に開口している。つまり、このハウジング側通路48の下端開口により、連絡通路46の冷媒を間隙空間18に流出させる吐出口49が構成されていることになる。
オルダムリング39は、上述したように、可動スクロール26の自転運動を防止するための部材であって、ハウジング23に形成される溝部26dに嵌め込まれている。なお、この溝部26dは、長円形状の溝であって、ハウジング23において互いに対向する位置に配設されている。
駆動モータ16は、実施形態においてブラシレスDCモータであって、主に、ケーシング10の内壁面に固定された環状の固定子51と、固定子51の内側に僅かな隙間(エアギャップ通路)をもって回転自在に収容された回転子52とから構成されている。そして、この駆動モータ16は、固定子51の上側に形成されているコイルエンド53の上端がハウジング23の軸受部32の下端とほぼ同じ高さ位置になるように配置されている。
下部主軸受60は、駆動モータ16の下方の下部空間に配設されている。この下部主軸受60は、胴部ケーシング部11に固定されるとともに駆動軸17の下端側軸受を構成し、駆動軸17を支持している。
吸入管19は、冷媒回路の冷媒をスクロール圧縮機構15に導くためのものであって、ケーシング10の上壁部12に気密状に嵌入されている。吸入管19は、低圧空間29を上下方向に貫通すると共に、内端部が固定スクロール24に嵌入されている。
吐出管20は、ケーシング10内の冷媒をケーシング10外に吐出させるためのものであって、ケーシング10の胴部ケーシング部11内部における高圧空間28の位置に気密状に嵌入されている。
上部ガイド部71は、金属薄板等で製造されたガスを案内する部材であり、ケーシング10内部においてスクロール圧縮機構15と駆動モータ16との間に配置されている。具体的には、上部ガイド部71は、スクロール圧縮機構15と駆動モータ16との間の間隙空間18に配設されている。
下部ガイド部72は、金属薄板等で製造されたガスを案内する部材であり、ケーシング10内部における駆動モータ16の下方に配置されている。具体的には、下部ガイド部72は、ケーシング10内面に沿って油分離板73の上面側に設けられている。下部ガイド部72は、ガス洩れが生じることなくモータ冷却通路55に連通するように、油分離板73から固定子51の下端にまでほぼ届く高さを有する。
油分離板73は、ケーシング10内部における駆動モータ16の下方に配置され、下降する圧縮された冷媒ガス中に含まれる油を分離する板状の部材である。油分離板73は、下部主軸受60の上面側に固定されている。
つぎに、スクロール圧縮機1の運転動作について図1を参照しながら簡単に説明する。まず、駆動モータ16が駆動されると、駆動軸17が回転し、可動スクロール26が自転することなく公転運転を行う。すると、低圧の冷媒が、吸入管19を通って圧縮室40の周縁側から圧縮室40に吸引され、圧縮室40の容積変化に伴って圧縮され、高圧の冷媒ガスとなる。そして、この高圧の冷媒ガスは、圧縮室40の中央部から吐出口41を通ってマフラー空間45へ吐出され、その後、連絡通路46、ハウジング側通路48、吐出口49を通って間隙空間18へ流出し、上部ガイド部71と胴部ケーシング部11の内面との間を下側に向かって流れる。冷媒ガスは、モータ冷却通路55を下側に向かって流れ、モータ下部空間にまで流れる。
(1)
実施形態の圧縮機1では、ケーシング10内部における駆動モータ16の下方に配置され、モータ冷却通路55を通って下降する冷媒ガスの向きを、鉛直方向D1からサイクロン流路76に沿ってケーシング10の内面に沿って円周方向D2に変える下部ガイド部72を備えている。
すなわち、実施形態の圧縮機1では、上部ガイド部71による鉛直方向の冷媒ガスの流量を増やすことが可能であり、駆動モータ16の冷却を促進することが可能である。
実施形態の圧縮機1では、下部ガイド部72が、ケーシング10内部における駆動モータ16下方の下降する冷媒ガス中に含まれる油を分離する油分離板73に設けられているので、油分離板73の取付け作業と同時に下部ガイド部72を取り付けることができるので、下部ガイド部72の取付けや位置決めが容易である。
実施形態の圧縮機1では、ケーシング10内部においてスクロール圧縮機構15と駆動モータ16との間に配置され、スクロール圧縮機構15によって圧縮された冷媒ガスをモータ冷却通路55へ案内する第1ガス流路74を有する上部ガイド部71を備えている。
(A)
実施形態の圧縮機1では、下部ガイド部72がサイクロン流路76に沿ってケーシング10の内面に沿って円周方向D2に変えているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、下部ガイド部72は、モータ冷却通路55を通って下降する圧縮ガスの向きを、ケーシング10の内面に沿った所定の方向に変えて遠心分離できればよいので、たとえば、円周方向D2以外にも、ケーシング10の内面に沿って円周方向D2に対して斜め上方または下方へ向けた方向に変えてもよい。この場合、圧縮ガスが螺旋状に流れることにより、長い経路長の間で遠心分離効果が得られる。
実施形態の圧縮機1では、下部ガイド部72がケーシング10内部における駆動モータ16下方の油分離板73に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、本発明の圧縮機の他の変形例として、図4に示されるように、駆動モータ16の上側の上部ガイド部71が鉛直方向に延びる第1ガス流路74とは別に、補助的に遠心分離効果を奏する第2ガス流路79を有するようにしてもよい。
さらに、図4のように上部ガイド部71に2方向のガス流路を設ける場合には、モータ冷却のための冷媒ガスの流量を充分確保するために、冷媒ガスが下降する第1ガス流路74の流路面積を遠心分離用の第2ガス流路79の流路面積よりも大きく設定するのが好ましい。
本発明の圧縮機によって圧縮される冷媒として、HFC(ハイドロフルオロカーボン)や分子式:C3HmFn(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒を採用するのが好ましい。なお、その他の冷媒も採用可能である。
10 ケーシング
15 スクロール圧縮機構
16 駆動モータ
17 駆動軸
51 固定子
52 回転子
55 モータ冷却通路(ガス流路)
60 下部主軸受
71 上部ガイド部
72 下部ガイド部
73 油分離板
74 第1ガス流路
79 第2ガス流路
Claims (6)
- 密閉容器である本体ケーシング(10)と、
前記本体ケーシング(10)の内面に固定された固定子(51)、および前記固定子(51)内部に回転自在に配置された回転子(52)を有するモータ(16)と、
前記本体ケーシング(10)内部における前記モータ(16)の上方に配置され、前記モータ(16)の回転駆動力によりガスを圧縮する圧縮機構(15)と、
前記固定子(51)と前記本体ケーシング(10)との間に形成され、前記圧縮機構(15)によって圧縮されたガスの下降が可能なガス流路(55)と、
前記本体ケーシング(10)内部における前記モータ(16)の下方に配置され、前記ガス流路(55)を通って下降する前記ガスの向きを、前記本体ケーシング(10)の内面に沿って円周方向(D2)、或いは円周方向(D2)から斜め上方または下方へ所定の方向に変える下部ガイド部(72)と、
を備えている圧縮機(1)。 - 前記本体ケーシング(10)内部における前記モータ(16)の下方に配置され、下降する前記ガスから油を分離する油分離板(73)をさらに備え、
前記下部ガイド部(72)は、前記油分離板(73)に設けられている、
請求項1に記載の圧縮機(1)。 - 前記本体ケーシング(10)内部における前記モータ(16)の下方に配置され、前記回転子(52)に固定された駆動軸(17)を回転自在に支持する下主軸受け部材(60)をさらに備え、
前記下部ガイド部(72)は、前記下主軸受け部材(60)に設けられている、
請求項1に記載の圧縮機(1)。 - 前記本体ケーシング(10)内部において前記圧縮機構(15)と前記モータ(16)との間に配置され、前記圧縮機構(15)によって圧縮された前記ガスを前記ガス流路(55)へ案内する第1ガス流路(74)を有する上部ガイド部(71)をさらに備えている、
請求項1に記載の圧縮機(1)。 - 前記上部ガイド部(71)は、前記第1ガス流路(74)から分岐し、前記本体ケーシング(10)の内面に沿った所定の方向に前記ガスを案内する第2ガス流路(79)をさらに有する、
請求項4に記載の圧縮機(1)。 - 前記第1ガス流路(74)の流路面積は、前記第2ガス流路(79)の流路面積よりも大きい、
請求項5に記載の圧縮機(1)。
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