JP2012167620A - 高圧ドーム型圧縮機 - Google Patents

高圧ドーム型圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2012167620A
JP2012167620A JP2011029983A JP2011029983A JP2012167620A JP 2012167620 A JP2012167620 A JP 2012167620A JP 2011029983 A JP2011029983 A JP 2011029983A JP 2011029983 A JP2011029983 A JP 2011029983A JP 2012167620 A JP2012167620 A JP 2012167620A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separation
casing
space
pressure
passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011029983A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Matsukawa
和彦 松川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2011029983A priority Critical patent/JP2012167620A/ja
Publication of JP2012167620A publication Critical patent/JP2012167620A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compressor (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

【課題】遠心分離された油が吐出冷媒に再び混入されないようにして、油上がり量の低減を図る。
【解決手段】ケーシング(10)内は、圧縮機構(15)を挟んで高圧空間(28)と分離空間(29)とに区画される。高圧空間(28)には、圧縮機構(15)を駆動するモータ(16)が収容され且つ圧縮機構(15)で圧縮された高圧冷媒が流出される。分離空間(29)には、圧縮機構(15)に形成された分離通路(56)を介して高圧空間(28)内の高圧冷媒が流出される。分離通路(56)の分離空間(29)側の開口部には、ガイド部材(51)が設けられ、高圧空間(28)から分離空間(29)に流出される高圧冷媒は、分離空間(29)内でガイド部材(51)によってケーシング(10)の周方向に旋回される。
【選択図】図1

Description

本発明は、高圧ドーム型圧縮機に関するものである。
従来より、圧縮機構で圧縮された冷媒を、駆動モータとケーシング内壁面との間に形成したモータ冷却通路に流通させて駆動モータを冷却するようにした圧縮機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、圧縮機構の摺動部分には潤滑油が供給されており、圧縮された冷媒にはミスト状の油が含まれる。この冷媒と油は、回転子の回転子通路内を通り回転子の回転を受けた旋回流により油が遠心分離され、ケーシング底部の油溜め部に回収されるようになっている。
圧縮機構で圧縮された冷媒は、固定スクロールの背面の容器内吐出室に吐出され、圧縮機構連通路及び回転子通路を通って回転子下部室に流入する。これにより、モータが冷却される。そして、回転子下部室から電動機下部室に至った後で上向きにUターンした冷媒は、固定子通路、固定子上部室、及び圧縮機構上昇連通路を通って圧縮機構上部室に流入し、吐出管からケーシング外に吐出される。
特開2001−280252号公報
しかしながら、特許文献1に記載の圧縮機では、圧縮機構で圧縮された冷媒が全量、油溜まり部まで流通するため、油溜り部の油を巻き上げやすい。ここで、圧縮機構上部室においては、冷媒に含まれる油の分離を積極的に行っていないため、油の分離が不十分であると考えられる。また、圧縮機構上部室で油が分離されたとしても、圧縮機構上部室から油溜め部に向かって油を戻すための通路が存在しないため、冷媒と油とが再度混ざり合ってしまい、冷媒とともに油が吐出管から流出しやすくなる。そのため、冷媒とともに油が圧縮機のケーシング外へ流出する、いわゆる油上がりの増加を招いてしまうという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、遠心分離された油が吐出冷媒に再び混入されないようにして、油上がり量の低減を図ることにある。
本発明は、ケーシング(10)と、該ケーシング(10)内に収容された圧縮機構(15)とを備え、該圧縮機構(15)で圧縮された高圧冷媒が該ケーシング(10)内へ吐出されて該ケーシング(10)内が高圧となる高圧ドーム型圧縮機を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記ケーシング(10)内は、前記圧縮機構(15)を駆動するモータ(16)が収容され且つ該圧縮機構(15)で圧縮された高圧冷媒が流出される高圧空間(28)と、該圧縮機構(15)に形成された分離通路(56)を介して該高圧空間(28)内の高圧冷媒が流出される分離空間(29)とに、前記圧縮機構(15)を挟んで区画され、
前記分離通路(56)には、前記高圧空間(28)から前記分離空間(29)に流出される高圧冷媒を該分離空間(29)内で前記ケーシング(10)の周方向に旋回させる旋回手段(50)が設けられていることを特徴とするものである。
第1の発明では、ケーシング(10)内は、圧縮機構(15)を挟んで高圧空間(28)と分離空間(29)とに区画される。高圧空間(28)には、圧縮機構(15)を駆動するモータ(16)が収容され且つ圧縮機構(15)で圧縮された高圧冷媒が流出される。分離空間(29)には、圧縮機構(15)に形成された分離通路(56)を介して高圧空間(28)内の高圧冷媒が流出される。分離通路(56)には、旋回手段(50)が設けられ、高圧空間(28)から分離空間(29)に流出される高圧冷媒は、分離空間(29)内でケーシング(10)の周方向に旋回される。
このような構成とすれば、高圧空間(28)から分離空間(29)に高圧冷媒を流出させる際に、高圧冷媒に含まれる油を旋回手段(50)によって分離空間(29)内で遠心分離させ、ガス密度の高い高圧冷媒をケーシング(10)外に吐出させることができる。これにより、高圧空間(28)内で遠心分離された油が分離空間(29)に流出する前に高圧冷媒に再び混入されてしまい、高圧冷媒とともにケーシング(10)外へ流出する、いわゆる油上がりの増加を抑制することができる。
第2の発明は、第1の発明において、
前記旋回手段(50)は、前記分離通路(56)の前記分離空間(29)側の開口部に設けられ、高圧冷媒を前記ケーシング(10)の周方向に流出させるガイド部材(51)で構成されていることを特徴とするものである。
第2の発明では、旋回手段(50)は、高圧冷媒をケーシング(10)の周方向に流出させるガイド部材(51)で構成される。ガイド部材(51)は、分離通路(56)の分離空間(29)側の開口部に設けられる。
このような構成とすれば、分離通路(56)を介して高圧空間(28)から分離空間(29)に向かう高圧冷媒が、ガイド部材(51)によってケーシング(10)の周方向に旋回されることとなり、高圧冷媒に含まれる油を遠心分離させやすくなる。
第3の発明は、第1の発明において、
前記圧縮機構(15)は、固定スクロール(24)と、該固定スクロール(24)に噛合する可動スクロール(26)と、該可動スクロール(26)を支持するハウジング(23)とを備え、
前記分離通路(56)は、前記固定スクロール(24)に形成されたスクロール側分離孔(57)と、前記ハウジング(23)に形成されたハウジング側分離孔(58)とが連通して形成され、
前記旋回手段(50)は、前記スクロール側分離孔(57)と前記ハウジング側分離孔(58)との位相が前記ケーシング(10)の周方向にずれることで形成された段差部(52)によって構成されていることを特徴とするものである。
第3の発明では、圧縮機構(15)は、固定スクロール(24)と、可動スクロール(26)と、ハウジング(23)とを備える。可動スクロール(26)は、固定スクロール(24)に噛合されるとともにハウジング(23)に支持される。分離通路(56)は、固定スクロール(24)に形成されたスクロール側分離孔(57)と、ハウジング(23)に形成されたハウジング側分離孔(58)とが連通して形成される。スクロール側分離孔(57)とハウジング側分離孔(58)との位相がケーシング(10)の周方向にずれることで段差部(52)が形成される。この段差部(52)によって旋回手段(50)が構成される。
このような構成とすれば、固定スクロール(24)のスクロール側分離孔(57)とハウジング(23)のハウジング側分離孔(58)との位相をケーシング(10)の周方向にずらして段差部(52)を形成することで、分離通路(56)を介して高圧空間(28)から分離空間(29)に向かう高圧冷媒が、段差部(52)によってケーシング(10)の周方向に旋回されることとなり、高圧冷媒に含まれる油を遠心分離させやすくなる。
第4の発明は、第1の発明において、
前記旋回手段(50)は、前記分離通路(56)を上下方向に対して所定角度傾斜させることで形成された傾斜部(53)によって構成されていることを特徴とするものである。
第4の発明では、分離通路(56)は、上下方向に対して所定角度傾斜されて傾斜部(53)が形成される。この傾斜部(53)によって旋回手段(50)が構成される。
このような構成とすれば、分離通路(56)に傾斜部(53)を形成することで、分離通路(56)を介して高圧空間(28)から分離空間(29)に向かう高圧冷媒が、傾斜部(53)によってケーシング(10)の周方向に旋回されることとなり、高圧冷媒に含まれる油を遠心分離させやすくなる。
第5の発明は、第1乃至第4の発明のうち何れか1つにおいて、
前記分離空間(29)に連通し、高圧冷媒をケーシング(10)外に流出させる吐出管(20)を備え、
前記吐出管(20)は、前記ケーシング(10)上部の中心部寄りの位置に接続されていることを特徴とするものである。
第5の発明では、吐出管(20)は、ケーシング(10)上部の中心部寄りの位置に接続され、分離空間(29)に連通される。吐出管(20)からは、高圧冷媒がケーシング(10)外に流出される。
このような構成とすれば、分離空間(29)内で遠心分離されて圧縮機構(15)の外周側に向かって飛散した油が、吐出管(20)から吐出される高圧冷媒に再び混入されるのを抑制することができる。
第6の発明は、第1乃至第5の発明のうち何れか1つにおいて、
前記圧縮機構(15)の外周縁部には、前記分離空間(29)内で遠心分離された油を前記ケーシング(10)底部の油溜め部(72)に排油させる排油通路(49)が形成されていることを特徴とするものである。
第6の発明では、分離通路(56)とは別に、圧縮機構(15)の外周縁部に排油通路(49)が形成される。分離空間(29)内で遠心分離された油は、排油通路(49)を通って高圧空間(28)やケーシング(10)底部の油溜め部(72)に排油される。
このような構成とすれば、分離空間(29)内で遠心分離された油が高圧冷媒に再び混入されてしまい、高圧冷媒とともにケーシング(10)外へ流出する、いわゆる油上がりの増加を抑制することができる。
第7の発明は、第6の発明において、
前記排油通路(49)には、絞り部(49a)が設けられていることを特徴とするものである。
第7の発明では、排油通路(49)に絞り部(49a)が設けられる。このような構成とすれば、分離通路(56)よりも排油通路(49)の通路抵抗を大きくすることができ、分離空間(29)に吐出された高圧冷媒が排油通路(49)に流れ込むのを抑制して、油だけを流すようにコントロールすることができる。
本発明によれば、高圧空間(28)から分離空間(29)に高圧冷媒を流出させる際に、高圧冷媒に含まれる油を旋回手段(50)によって分離空間(29)内で遠心分離させ、ガス密度の高い高圧冷媒をケーシング(10)外に吐出させることができる。これにより、高圧空間(28)内で遠心分離された油が分離空間(29)に流出する前に高圧冷媒に再び混入されてしまい、高圧冷媒とともにケーシング(10)外へ流出する、いわゆる油上がりの増加を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る高圧ドーム型の圧縮機の全体構成を示す縦断面図である。 圧縮機構の構成を示す平面図である。 圧縮機構の構成を示す縦断面図である。 本変形例1に係る圧縮機構の構成を示す縦断面図である。 本変形例1に係る圧縮機構の構成を示す平面図である。 本変形例2に係る圧縮機構の構成を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《実施形態》
図1は、本発明の実施形態に係る高圧ドーム型の圧縮機の全体構成を示す縦断面図である。図1に示すように、この圧縮機(1)は、冷媒ガスが循環して冷凍サイクル運転動作を行う図示しない冷媒回路に接続され、作動流体としての冷媒ガスを圧縮するものである。
圧縮機(1)は、縦長円筒状の密閉ドーム型のケーシング(10)を有している。このケーシング(10)は、上下方向に延びる円筒状の胴部であるケーシング本体(11)と、その上端部に気密状に溶接されて一体接合され、上方に突出した凸面を有する椀状の上壁部(12)と、ケーシング本体(11)の下端部に気密状に溶接されて一体接合され、下方に突出した凸面を有する椀状の底壁部(13)とで圧力容器に構成されており、その内部は空洞とされている。
ケーシング(10)の内部には、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構(15)と、圧縮機構(15)の下方に配置されるモータ(16)とが収容されている。圧縮機構(15)とモータ(16)とは、ケーシング(10)内を上下方向に延びるように配置される駆動軸(17)によって連結されている。
圧縮機構(15)は、固定スクロール(24)と、固定スクロール(24)に噛合する可動スクロール(26)と、可動スクロール(26)を支持する上部ハウジング(23)とを備えている。
上部ハウジング(23)は、その外周面において周方向の全体に亘ってケーシング本体(11)に固定されている。つまり、ケーシング本体(11)と上部ハウジング(23)とは全周に亘って密着されている。ただし、後述する排油通路(49)を上部ハウジング(23)の外周部に設けた場合には、この限りではない。そして、ケーシング(10)内が、上部ハウジング(23)よりも下方の高圧空間(28)と、上部ハウジング(23)よりも上方の分離空間(29)とに区画されている。
上部ハウジング(23)には、上面中央に凹設されたハウジング凹部(31)と、下面中央から下方に突設された軸受部(32)とが形成されている。そして、上部ハウジング(23)には、この軸受部(32)の下端面とハウジング凹部(31)の底面とを貫通する軸受孔(33)が形成されていて、この軸受孔(33)に駆動軸(17)の上部が軸受(34)を介して回転自在に挿通されている。なお、駆動軸(17)の下部は、下部ハウジング(25)の軸受(25a)を介して回転自在に挿通されている。
ケーシング(10)の上壁部(12)には、冷媒回路の冷媒を圧縮機構(15)に導く吸入管(19)が気密状に嵌入されている。また、ケーシング本体(11)には、ケーシング(10)内の冷媒をケーシング(10)外に吐出させる吐出管(20)が気密状に嵌入されている。
吸入管(19)は、分離空間(29)を貫通するとともに、内端部が圧縮機構(15)の固定スクロール(24)に嵌入されている。吐出管(20)は、ケーシング(10)の上壁部(12)中心部寄りの位置に接続され、ケーシング本体(11)の内面よりも内側に突出して分離空間(29)に連通している。このような構成とすれば、分離空間(29)内で遠心分離されて圧縮機構(15)の外周側に向かって飛散した油が、吐出管(20)に向かう高圧冷媒に再び混入されるのを抑制することができる。
上部ハウジング(23)の上端面には、固定スクロール(24)の下端面が密着されている。そして、固定スクロール(24)は、締結ボルト(図示省略)によって上部ハウジング(23)に締結固定されている。
固定スクロール(24)は、鏡板(24a)と、鏡板(24a)の下面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ(24b)とから構成されている。そして、可動スクロール(26)は、鏡板(26a)と、鏡板(26a)の上面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ(26b)とから構成されている。また、可動スクロール(26)は、オルダム継手(59)を介して上部ハウジング(23)に支持されるとともに駆動軸(17)の上端が嵌入され、この駆動軸(17)の回転により自転することなく上部ハウジング(23)内を公転するようになっている。
そして、固定スクロール(24)のラップ(24b)と可動スクロール(26)のラップ(26b)とが互いに噛合しており、これにより固定スクロール(24)と可動スクロール(26)との間において、両ラップ(24b,26b)により圧縮室(40)を構成している。この圧縮室(40)は、可動スクロール(26)の公転に伴い、両ラップ(24b,26b)間の容積が中心に向かって収縮することで冷媒を圧縮するように構成されている。
固定スクロール(24)の鏡板(24a)には、圧縮室(40)に連通する吐出通路(41)と、吐出通路(41)に連続する拡大凹部(42)とが形成されている。吐出通路(41)は、固定スクロール(24)の鏡板(24a)における略中央において上下方向に延びるように形成されている。拡大凹部(42)は、鏡板(24a)の上面に凹設された水平方向に広がる凹部により構成されている。
固定スクロール(24)の上面には、この拡大凹部(42)を塞ぐように蓋体(44)が固定されている。そして、拡大凹部(42)に蓋体(44)が覆い被せられることで圧縮機構(15)の運転音を消音させるマフラ空間(45)が形成されている。
固定スクロール(24)及び上部ハウジング(23)には、固定スクロール(24)と上部ハウジング(23)とに亘って形成された連絡通路(46)が設けられている。この連絡通路(46)は、固定スクロール(24)に形成されたスクロール側連絡孔(47)と、上部ハウジング(23)に形成されたハウジング側連絡孔(48)とが連通されて構成されている。
そして、連絡通路(46)の上端、すなわちスクロール側連絡孔(47)の上端は拡大凹部(42)に開口し、連絡通路(46)の下端、すなわちハウジング側連絡孔(48)の下端は上部ハウジング(23)の下端面に開口している。ハウジング側連絡孔(48)の下端から流出する高圧冷媒は、高圧空間(28)へ流入する。
また、固定スクロール(24)及び上部ハウジング(23)には、連絡通路(46)とは周方向に異なる位置に、固定スクロール(24)と上部ハウジング(23)とに亘って形成された分離通路(56)が設けられている。この分離通路(56)は、固定スクロール(24)に形成されたスクロール側分離孔(57)と、上部ハウジング(23)に形成されたハウジング側分離孔(58)とが連通されて構成されている。
そして、分離通路(56)の上端、すなわちスクロール側分離孔(57)の上端は分離空間(29)に開口し、分離通路(56)の下端、すなわちハウジング側分離孔(58)の下端は上部ハウジング(23)の下端面に開口している。高圧空間(28)内の高圧冷媒は、分離通路(56)を介して分離空間(29)へ流入する。
分離通路(56)の上端開口には、筒状のガイド部材(51)が設けられている。ガイド部材(51)は、分離通路(56)に連通するとともに、その吹出口が斜め上方を向くように傾斜した形状となっている。このような構成とすれば、分離通路(56)から分離空間(29)に吐出された高圧冷媒が、ガイド部材(51)によってケーシング(10)の周方向に旋回されることとなり、高圧冷媒に含まれる油を遠心分離させやすくなる。つまり、ガイド部材(51)が高圧冷媒を周方向に旋回させる旋回手段(50)を構成している。これにより、ガス密度の高い高圧冷媒を吐出管(20)から吐出させることができ、高圧冷媒とともにケーシング(10)外へ流出する、いわゆる油上がりの増加を抑制することができる。
図2及び図3に示すように、固定スクロール(24)及び上部ハウジング(23)の外周縁部には、軸方向に貫通する排油通路(49)が形成されている。排油通路(49)は、分離空間(29)内で遠心分離された油をケーシング(10)底部の油溜め部(72)に排油させるものである。また、固定スクロール(24)の外周縁部には、分離空間(29)内で遠心分離された油を排油通路(49)に向かって導く傾斜面(43)が形成されている。
このような構成とすれば、圧縮機構(15)の外周縁部に排油通路(49)が形成されているので、遠心分離されて圧縮機構(15)の外周側に向かって飛散した油が、傾斜面(43)によって排油通路(49)に向かって導かれ、油を確実に回収することができる。
また、排油通路(49)の下端部には、絞り部(49a)が設けられている。絞り部(49a)の通路径は、排油通路(49)の上端部の孔径よりも小さくなっている。なお、絞り部(49a)は、上部ハウジング(23)に形成する排油通路(49)の孔径を、上端部と下端部とで変更することによって形成してもよいし、排油通路(49)の下端部に筒状の部材を嵌合することで設けてもよい。
このような構成とすれば、分離通路(56)よりも排油通路(49)の通路抵抗を大きくすることができ、分離空間(29)に吐出された高圧冷媒が排油通路(49)に流れ込むのを抑制して、油だけを流すようにコントロールすることができる。
図1に示すように、モータ(16)は、ケーシング(10)の内壁面に固定された環状のステータ(61)と、ステータ(61)の内側に回転自在に構成されたロータ(62)とを備えている。ステータ(61)とロータ(62)との間には僅かに隙間(図示省略)を設けており、このいわゆるエアギャップ隙間があるため、ロータ(62)はステータ(61)に接触せずに回転できる。ステータ(61)には巻線が装着されており、ステータ(61)よりも上方及び下方はコイルエンド(63)となっている。
ステータ(61)の外周面には、ステータ(61)の上端面から下端面に亘り且つ周方向に所定間隔をおいて複数個所にコアカット部が切欠形成されている。ステータ(61)の外周面にコアカット部が形成されることにより、ケーシング本体(11)とステータ(61)との間に上下方向に延びるモータ冷却通路(65)が形成されている。
ロータ(62)は、上下方向に延びるようにケーシング本体(11)の軸心に配置された駆動軸(17)を介して圧縮機構(15)の可動スクロール(26)に駆動連結されている。
モータ(16)の下方のモータ下部空間には、その底部に潤滑油が貯留される油溜め部(72)が設けられている。油溜め部(72)の潤滑油には、駆動軸(17)の下端部が浸漬され、貯留された潤滑油を汲み上げるように構成されている。駆動軸(17)内には給油路(71)が形成されており、汲み上げられた潤滑油は、この給油路(71)を通して各摺動部分へ供給されるようになっている。
−運転動作−
次に、本実施形態に係る圧縮機(1)の運転動作について説明する。まず、モータ(16)を駆動すると、ステータ(61)に対してロータ(62)が回転し、それによって駆動軸(17)が回転する。駆動軸(17)が回転すると、可動スクロール(26)が固定スクロール(24)に対して自転せずに公転のみ行う。これにより、低圧の冷媒が吸入管(19)を通して圧縮室(40)の外周縁側から圧縮室(40)に吸引され、この冷媒は圧縮室(40)の容積変化に伴って圧縮される。
そして、この圧縮された冷媒は、高圧となって圧縮室(40)の半径方向内周側から吐出通路(41)を通してマフラ空間(45)へと吐出される。この高圧冷媒は、マフラ空間(45)から連絡通路(46)へ流入し、スクロール側連絡孔(47)及びハウジング側連絡孔(48)を流通して高圧空間(28)へ流れ込む。高圧空間(28)へ流れ込んだ高圧冷媒は、モータ冷却通路(65)を下側に向かって流れ、モータ下部空間にまで流れる。そして、この冷媒は、流れ方向が反転してステータ(61)とロータ(62)との間のエアギャップ隙間、又は連絡通路(46)に連続するモータ冷却通路(65)とは別(図1における左側)のモータ冷却通路(65)を上方に向かって流れる。
そして、エアギャップ隙間又はモータ冷却通路(65)を流れてきた冷媒は、分離通路(56)へ流入し、ハウジング側分離孔(58)及びスクロール側分離孔(57)を流通して分離空間(29)へ流れ込む。
このとき、高圧冷媒は、ガイド部材(51)によってケーシング(10)の周方向に旋回され、分離空間(29)内で高圧冷媒に含まれる油が遠心分離される。高圧冷媒から遠心分離されて圧縮機構(15)の外周側に向かって飛散した油は、傾斜面(43)に沿って流れ、排油通路(49)から油溜め部(72)に向かって排油される。油が遠心分離されてガス密度が高くなった高圧冷媒は、吐出管(20)からケーシング(10)外に吐出される。そして、ケーシング(10)外に吐出された冷媒は、冷媒回路を循環した後、再度、吸入管(19)を通して圧縮機(1)に吸入されて圧縮される。このような循環が繰り返される。
なお、本実施形態について、圧縮機構(15)はスクロール型に限られるものではなく、例えばレシプロ型やスクリュー型やロータリーピストン型に構成してもよい。
《変形例1》
図4は、本変形例1に係る圧縮機構の構成を示す縦断面図であり、図5は平面図である。本変形例1では、旋回手段(50)の構成が前記実施形態とは異なっている。
図4及び図5に示すように、固定スクロール(24)及び上部ハウジング(23)には、連絡通路(46)とは周方向に異なる位置に、固定スクロール(24)と上部ハウジング(23)とに亘って形成された分離通路(56)が設けられている。この分離通路(56)は、固定スクロール(24)に形成されたスクロール側分離孔(57)と、上部ハウジング(23)に形成されたハウジング側分離孔(58)とが連通されて構成されている。スクロール側分離孔(57)とハウジング側分離孔(58)とは、ケーシング(10)の周方向に沿って延びる長方形状の長孔で形成されている。
ここで、スクロール側分離孔(57)とハウジング側分離孔(58)とは、その一部がオーバーラップするように、ケーシング(10)の周方向に位相がずれている。つまり、スクロール側分離孔(57)とハウジング側分離孔(58)との境界位置には、段差部(52)が形成されている。
このような構成とすれば、分離通路(56)から分離空間(29)に吐出される高圧冷媒は、段差部(52)によってケーシング(10)の周方向に旋回されることとなり、高圧冷媒に含まれる油を遠心分離させやすくなる。つまり、段差部(52)が高圧冷媒を周方向に旋回させる旋回手段(50)を構成している。これにより、ガス密度の高い高圧冷媒を吐出管(20)から吐出させることができ、高圧冷媒とともにケーシング(10)外へ流出する、いわゆる油上がりの増加を抑制することができる。
なお、本変形例1では、スクロール側分離孔(57)とハウジング側分離孔(58)の形状をケーシング(10)の周方向に沿って延びる長方形状の長孔で形成したが、円形状の孔で形成したものであってもよい。
《変形例2》
図6は、本変形例2に係る圧縮機構の構成を示す縦断面図である。本変形例2では、旋回手段(50)の構成が前記実施形態とは異なっている。
図6に示すように、固定スクロール(24)及び上部ハウジング(23)には、連絡通路(46)とは周方向に異なる位置に、固定スクロール(24)と上部ハウジング(23)とに亘って形成された分離通路(56)が設けられている。この分離通路(56)は、固定スクロール(24)に形成されたスクロール側分離孔(57)と、上部ハウジング(23)に形成されたハウジング側分離孔(58)とが連通されて構成されている。また、分離通路(56)は、上下方向に対して所定角度傾斜している。つまり、分離通路(56)内には、傾斜部(53)が形成されている。
このような構成とすれば、分離通路(56)から分離空間(29)に吐出される高圧冷媒は、傾斜部(53)によってケーシング(10)の周方向に旋回されることとなり、高圧冷媒に含まれる油を遠心分離させやすくなる。つまり、傾斜部(53)が高圧冷媒を周方向に旋回させる旋回手段(50)を構成している。これにより、ガス密度の高い高圧冷媒を吐出管(20)から吐出させることができ、高圧冷媒とともにケーシング(10)外へ流出する、いわゆる油上がりの増加を抑制することができる。
以上説明したように、本発明は、遠心分離された油が吐出冷媒に再び混入されないようにして、油上がり量の低減を図ることができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
1 高圧ドーム型圧縮機
10 ケーシング
15 圧縮機構
16 モータ
20 吐出管
23 上部ハウジング
24 固定スクロール
26 可動スクロール
28 高圧空間
29 分離空間
49 排油通路
49a 絞り部
50 旋回手段
51 ガイド部材
52 段差部
53 傾斜部
56 分離通路
57 スクロール側分離孔
58 ハウジング側分離孔
72 油溜め部

Claims (7)

  1. ケーシング(10)と、該ケーシング(10)内に収容された圧縮機構(15)とを備え、該圧縮機構(15)で圧縮された高圧冷媒が該ケーシング(10)内へ吐出されて該ケーシング(10)内が高圧となる高圧ドーム型圧縮機であって、
    前記ケーシング(10)内は、前記圧縮機構(15)を駆動するモータ(16)が収容され且つ該圧縮機構(15)で圧縮された高圧冷媒が流出される高圧空間(28)と、該圧縮機構(15)に形成された分離通路(56)を介して該高圧空間(28)内の高圧冷媒が流出される分離空間(29)とに、前記圧縮機構(15)を挟んで区画され、
    前記分離通路(56)には、前記高圧空間(28)から前記分離空間(29)に流出される高圧冷媒を該分離空間(29)内で前記ケーシング(10)の周方向に旋回させる旋回手段(50)が設けられていることを特徴とする高圧ドーム型圧縮機。
  2. 請求項1において、
    前記旋回手段(50)は、前記分離通路(56)の前記分離空間(29)側の開口部に設けられ、高圧冷媒を前記ケーシング(10)の周方向に流出させるガイド部材(51)で構成されていることを特徴とする高圧ドーム型圧縮機。
  3. 請求項1において、
    前記圧縮機構(15)は、固定スクロール(24)と、該固定スクロール(24)に噛合する可動スクロール(26)と、該可動スクロール(26)を支持するハウジング(23)とを備え、
    前記分離通路(56)は、前記固定スクロール(24)に形成されたスクロール側分離孔(57)と、前記ハウジング(23)に形成されたハウジング側分離孔(58)とが連通して形成され、
    前記旋回手段(50)は、前記スクロール側分離孔(57)と前記ハウジング側分離孔(58)との位相が前記ケーシング(10)の周方向にずれることで形成された段差部(52)によって構成されていることを特徴とする高圧ドーム型圧縮機。
  4. 請求項1において、
    前記旋回手段(50)は、前記分離通路(56)を上下方向に対して所定角度傾斜させることで形成された傾斜部(53)によって構成されていることを特徴とする高圧ドーム型圧縮機。
  5. 請求項1乃至4のうち何れか1つにおいて、
    前記分離空間(29)に連通し、高圧冷媒をケーシング(10)外に流出させる吐出管(20)を備え、
    前記吐出管(20)は、前記ケーシング(10)上部の中心部寄りの位置に接続されていることを特徴とする高圧ドーム型圧縮機。
  6. 請求項1乃至5のうち何れか1つにおいて、
    前記圧縮機構(15)の外周縁部には、前記分離空間(29)内で遠心分離された油を前記ケーシング(10)底部の油溜め部(72)に排油させる排油通路(49)が形成されていることを特徴とする高圧ドーム型圧縮機。
  7. 請求項6において、
    前記排油通路(49)には、絞り部(49a)が設けられていることを特徴とする高圧ドーム型圧縮機。
JP2011029983A 2011-02-15 2011-02-15 高圧ドーム型圧縮機 Withdrawn JP2012167620A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011029983A JP2012167620A (ja) 2011-02-15 2011-02-15 高圧ドーム型圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011029983A JP2012167620A (ja) 2011-02-15 2011-02-15 高圧ドーム型圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012167620A true JP2012167620A (ja) 2012-09-06

Family

ID=46971994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011029983A Withdrawn JP2012167620A (ja) 2011-02-15 2011-02-15 高圧ドーム型圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012167620A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016205145A (ja) * 2015-04-15 2016-12-08 日立アプライアンス株式会社 容積型圧縮機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016205145A (ja) * 2015-04-15 2016-12-08 日立アプライアンス株式会社 容積型圧縮機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5255157B2 (ja) 圧縮機
JP2008088929A (ja) 密閉型圧縮機
KR20040018524A (ko) 고저압 돔형 압축기
JP2008088945A (ja) スクロール型圧縮機
JP7015798B2 (ja) 圧縮機
JP5050543B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP2014025427A (ja) 圧縮機
KR101447039B1 (ko) 횡형 스크롤 압축기
JP2012167620A (ja) 高圧ドーム型圧縮機
JP2012207624A (ja) スクロール型圧縮機
JP5570917B2 (ja) ロータリコンプレッサ
WO2017203923A1 (ja) スクロール圧縮機
JP2010151070A (ja) スクロール型流体機械
JP5764733B2 (ja) ロータリコンプレッサ及びその製造方法
JP2010084707A (ja) 圧縮機
JP2019138234A (ja) 圧縮機
JP2012167619A (ja) 高圧ドーム型圧縮機
JP2015086829A (ja) スクロール圧縮機
JP6440927B2 (ja) 密閉型スクロール圧縮機
JP6108276B2 (ja) 圧縮機
JP6485500B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5681958B2 (ja) ロータリコンプレッサ
JP5058919B2 (ja) スクロール型流体機械
JP2009057892A (ja) 圧縮機及び冷凍装置
JP2016169689A (ja) スクロール圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140513