JP2010084707A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】案内板の形状を変更することなく作動流体の分流比率を最適化して、油上がり量の低減を図る。
【解決手段】圧縮機構(15)で圧縮された冷媒を高圧空間(28)に流出させる連絡通路(46)と案内板(58)との間に隙間(65)を設け、連絡通路(46)から流出してモータ冷却通路(55)に向かう冷媒の一部をケーシング(10)の半径方向内周側に向かって分流させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧縮機に関するものである。
従来より、特許文献1に開示されているように、圧縮機構で圧縮された作動流体を、駆動モータとケーシング内壁面との間に形成したモータ冷却通路に流通させて駆動モータを冷却するようにしたものが知られている。具体的には、圧縮機構で圧縮された作動流体をモータ冷却通路に確実に導くために案内板が配設されている。
しかし、作動流体の全量をモータ冷却通路に流通させると、ケーシング下方の油溜め部まで到達した作動流体は、貯留された油に向かって吹き付けられるため、油面が波打つことでミスト状となった油が作動流体に油が混入してしまい、この作動流体とともに油が圧縮機のケーシング外へ流出する、いわゆる油上がりの増加を招くことになる。
このような油上がりを防止するため、特許文献1には、モータ冷却通路を流通して油溜め部に向かう冷媒ガスの一部をモータコイルエンド側面に案内すべく案内板の径方向に開口部を設けて冷媒ガスを分流することが開示されている。
また、特許文献2には、モータ冷却通路を流通して油溜め部に向かう冷媒ガスの一部を周方向に案内すべく案内板の周方向に開口する出口部を設けて冷媒ガスを分流することが開示されている。
特開昭63−143398号公報 特開2000−161268号公報
しかしながら、従来の圧縮機では、油溜め部に向かう作動流体の流量を減らすべく作動流体の一部をケーシングの径方向や周方向に分流するための開口部が案内板に形成されているが、分流させる作動流体の流量が多すぎると駆動モータの冷却効率が低下するため、作動流体の分流の比率を最適化する必要がある。そのためには案内板の開口部の開口幅を変更する等、案内板の形状を適宜変更しなければならず、設計変更や部品変更に伴う作業負担の増大やコスト増大の要因となっていた。
また、従来の圧縮機では、油を含む作動流体を案内板に衝突させて作動流体と油とを分離するようにしているが、分離された油の一部は、流速の大きな作動流体に再度衝突するため、作動流体に再混入して吐出管からケーシング外に吐出され、油上がり量の低減が充分には行われないという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、案内板の形状を変更することなく作動流体の分流比率を最適化して、油上がり量の低減を図ることにある。
上述した目的を達成するため、本発明は、圧縮機構で圧縮された作動流体を高圧空間に流出させる連絡通路と案内板との間に隙間を設け、連絡通路から流出した作動流体の一部をケーシングの半径方向内周側に向かって分流させるようにした。
具体的に、本発明は、固定スクロール(24)及び可動スクロール(26)を備えた圧縮機構(15)と、該圧縮機構(15)に駆動連結された駆動モータ(16)とがケーシング(10)内に配置され、少なくとも該駆動モータ(16)が配置される空間が高圧となる圧縮機を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記圧縮機構(15)には、該圧縮機構(15)の圧縮室(40)で圧縮された作動流体を高圧空間(28)に流出させる連絡通路(46)が形成され、
前記駆動モータ(16)と前記ケーシング(10)内壁面との間には、前記連絡通路(46)から流出した作動流体を流通させて該駆動モータ(16)を冷却させるためのモータ冷却通路(55)が形成され、
前記連絡通路(46)と前記モータ冷却通路(55)との間には、該連絡通路(46)から流出した作動流体を該モータ冷却通路(55)に案内する案内板(58)が配設され、
前記案内板(58)と前記連絡通路(46)との間には、該連絡通路(46)から流出した作動流体の一部を前記ケーシング(10)の半径方向内周側に向かって分流させるための隙間(65)が設けられていることを特徴とするものである。
第2の発明は、第1の発明において、
前記圧縮機構(15)は、前記可動スクロール(26)を支持するハウジング(23)をさらに備え、
前記ハウジング(23)には前記連絡通路(46)が形成されており、該ハウジング(23)に対して前記隙間(65)をあけて前記案内板(58)が配設されていることを特徴とするものである。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記案内板(58)には、前記モータ冷却通路(55)に向かって流れる作動流体の一部を前記ケーシング(10)の周方向に分流させる分流手段(90)が設けられていることを特徴とするものである。
第4の発明は、第1乃至第3の発明のうち何れか1つにおいて、
前記案内板(58)と前記ケーシング(10)内壁面とで形成される案内流路(57)における下流側の流路幅は、上流側の流路幅よりも幅狭に設定されていることを特徴とするものである。
第5の発明は、第1乃至第4の発明のうち何れか1つにおいて、
前記隙間(65)は、0.4mm以上、3.0mm以下の範囲に設定されていることを特徴とするものである。
第6の発明は、第1乃至第4の発明のうち何れか1つにおいて、
前記隙間(65)は、1.0mm以上、3.0mm以下の範囲に設定されていることを特徴とするものである。
第1の発明によれば、圧縮機構(15)で圧縮された作動流体を高圧空間(28)に流出させる連絡通路(46)と案内板(58)との間に隙間(65)を設け、連絡通路(46)から流出してモータ冷却通路(55)に向かう作動流体の一部をケーシング(10)の半径方向内周側に向かって分流させるようにしたから、案内板(58)の形状を変更することなく作動流体の分流比率を最適化することができ、設計変更や部品変更に伴う作業負担の増大やコスト増大を抑制しつつ、駆動モータ(16)の確実な冷却と油上がりの低減とを両立することができる。
具体的に、従来の圧縮機に用いる案内板(58)は、油溜め部(62)に向かう作動流体の流量を減らすべく作動流体の一部を分流するための開口部が案内板(58)に形成されているが、作動流体の分流の比率を最適化するためには案内板(58)の開口部の開口幅を変更する等、案内板(58)の形状を適宜変更しなければならなかった。
これに対し、本発明では、案内板(58)の取付位置を適宜変更して連絡通路(46)と案内板(58)との間に隙間(65)を設けるだけで作動流体の分流比率を変更することができ、駆動モータ(16)を確実に冷却できるとともに、ケーシング(10)下方に貯留している油に対して作動流体が過度に吹き付けられて作動流体に油が混入するのを抑えて油上がりを低減することができる。
第2の発明によれば、固定スクロール(24)と可動スクロール(26)とを有するスクロール圧縮機のハウジング(23)と案内板(58)との間に隙間(65)を設けて作動流体を分流させるようにしたから、ハウジング(23)から流出した油を含む作動流体の流れ方向が急激に変化するため、作動流体と油との分離が促進され、油上がりを低減する上で有利となる。
第3の発明によれば、案内板(58)に、モータ冷却通路(55)に向かって流れる作動流体の一部をケーシング(10)の周方向に分流させる分流手段(90)を設けたから、例えば、温度上昇の少ない駆動モータ(16)を使用する場合には、駆動モータ(16)の冷却を確保しながら、作動流体に含まれる油の分離効率を向上させることができる。
第4の発明によれば、案内板(58)とケーシング(10)内壁面とで形成される案内流路(57)における下流側の流路幅を上流側の流路幅よりも幅狭に設定したから、油溜め部(62)に向かう作動流体の流量を抑制しつつ、ケーシング(10)の半径方向内周側に分流する作動流体の流量を増やすことができ、油上がりをさらに低減する上で有利となる。
第5の発明によれば、隙間(65)を0.4mm以上、3.0mm以下の範囲に設定したから、冷媒の分流比率を最適化して、油上がり量を熱交換器の効率が低下しない程度に抑制しつつ駆動モータ(16)の温度上昇を抑制することができる。
第6の発明によれば、隙間(65)を1.0mm以上、3.0mm以下の範囲に設定したから、冷媒の分流比率を最適化して、油上がり量の上昇と駆動モータ(16)の温度上昇とを両方とも抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る高低圧ドーム型の圧縮機(1)の全体構成を示す縦断面図である。図1に示すように、この圧縮機(1)は、冷媒ガスが循環して冷凍サイクル運転動作を行う図示しない冷媒回路に接続され、作動流体としての冷媒ガスを圧縮するものである。
前記圧縮機(1)は、縦長円筒状の密閉ドーム型のケーシング(10)を有している。このケーシング(10)は、上下方向に延びる円筒状の胴部であるケーシング本体(11)と、その上端部に気密状に溶接されて一体接合され、上方に突出した凸面を有する椀状の上壁部(12)と、ケーシング本体(11)の下端部に気密状に溶接されて一体接合され、下方に突出した凸面を有する椀状の底壁部(13)とで圧力容器に構成されており、その内部は空洞とされている。
前記ケーシング(10)の内部には、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構(15)と、この圧縮機構(15)の下方に配置される駆動モータ(16)とが収容されている。この圧縮機構(15)と駆動モータ(16)とは、ケーシング(10)内を上下方向に延びるように配置される駆動軸(17)によって連結されている。そして、圧縮機構(15)と駆動モータ(16)との間にはモータ上部空間(18)が形成されている。
前記圧縮機構(15)は、固定スクロール(24)と、固定スクロール(24)に組み合わされる可動スクロール(26)と、可動スクロール(26)を支持するハウジング(23)とを備えている。
前記ハウジング(23)は、その外周面において周方向の全体に亘ってケーシング本体(11)に圧入固定されている。つまり、ケーシング本体(11)とハウジング(23)とは全周に亘って気密状に密着されている。そして、ケーシング(10)内がハウジング(23)下方の高圧空間(28)とハウジング(23)上方の低圧空間(29)とに区画されている。
前記ハウジング(23)には、上面中央に凹設されたハウジング凹部(31)と、下面中央から下方に突設された軸受部(32)とが形成されている。そして、ハウジング(23)には、この軸受部(32)の下端面とハウジング凹部(31)の底面とを貫通する軸受孔(33)が形成されていて、この軸受孔(33)に駆動軸(17)が軸受(34)を介して回転自在に嵌入されている。
前記ケーシング(10)の上壁部(12)には、冷媒回路の冷媒を圧縮機構(15)に導く吸入管(19)が気密状に嵌入されている。また、ケーシング本体(11)には、ケーシング(10)内の冷媒をケーシング(10)外に吐出させる吐出管(20)が気密状に嵌入されている。
前記吸入管(19)は、低圧空間(29)を上下方向に貫通するとともに、内端部が圧縮機構(15)の固定スクロール(24)に嵌入されている。この吸入管(19)は低圧空間(29)を貫通するように配置されているために、冷媒が吸入管(19)を通して圧縮機構(15)に吸入される際にケーシング(10)内の冷媒によって加熱されることが防止できるようになっている。
前記吐出管(20)の内端部(36)は、ケーシング本体(11)の内面よりも内側に突出している。
前記ハウジング(23)の上端面には、固定スクロール(24)の下端面が密着されている。そして、前記固定スクロール(24)は、締結ボルト(38)によってハウジング(23)に締結固定されている。
前記固定スクロール(24)は、鏡板(24a)と該鏡板(24a)の下面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ(24b)とから構成されている。そして、可動スクロール(26)は、鏡板(26a)と該鏡板(26a)の上面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ(26b)とから構成されている。また可動スクロール(26)は、オルダムリング(39)を介してハウジング(23)に支持されるとともに駆動軸(17)の上端が嵌入され、この駆動軸(17)の回転により自転することなくハウジング(23)内を公転するようになっている。
そして、固定スクロール(24)のラップ(24b)と可動スクロール(26)のラップ(26b)とが互いに噛合しており、これにより固定スクロール(24)と可動スクロール(26)との間において、両ラップ(24b,26b)の接触部の間が圧縮室(40)として構成されている。この圧縮室(40)は、可動スクロール(26)の公転に伴い、両ラップ(24b,26b)間の容積が中心に向かって収縮することで冷媒を圧縮するように構成されている。
前記固定スクロール(24)の鏡板(24a)には、圧縮室(40)に連通する吐出通路(41)と、吐出通路(41)に連続する拡大凹部(42)とが形成されている。吐出通路(41)は、固定スクロール(24)の鏡板(24a)における中央において上下方向に延びるように形成されている。拡大凹部(42)は、鏡板(24a)の上面に凹設された水平方向に広がる凹部により構成されている。
前記固定スクロール(24)の上面には、この拡大凹部(42)を塞ぐように蓋体(44)が締結ボルト(44a)により締結固定されている。そして、拡大凹部(42)に蓋体(44)が覆い被せられることで圧縮機構(15)の運転音を消音させる膨張室からなるマフラー空間(45)が形成されている。固定スクロール(24)と蓋体(44)とは、図示省略するパッキンを介して密着させることでシールされている。
前記固定スクロール(24)とハウジング(23)とに亘って、連絡通路(46)が形成されている。この連絡通路(46)は、固定スクロール(24)に切欠形成されたスクロール側通路(47)と、ハウジング(23)に切欠形成されたハウジング側通路(48)とが連通されて構成されている。
そして、連絡通路(46)の上端、すなわちスクロール側通路(47)の上端は拡大凹部(42)に開口し、連絡通路(46)の下端、すなわちハウジング側通路(48)の下端はハウジング(23)の下端面に開口している。つまり、このハウジング側通路(48)の下端開口により、連絡通路(46)の冷媒をモータ上部空間(18)に流出させる吐出口(49)が構成されている。
前記駆動モータ(16)は、ケーシング(10)内壁面に固定された環状のステータ(51)と、このステータ(51)の内側に回転自在に構成されたロータ(52)とを備えたDCブラシレスモータにより構成されている。ステータ(51)とロータ(52)との間には僅かに隙間(図示省略)を設けており、このいわゆるエアギャップ隙間があるため、ロータ(52)はステータ(51)に接触せずに回転できる。ステータ(51)には巻線が装着されており、ステータ(51)よりも上方及び下方はコイルエンド(53)となっている。駆動モータ(16)は、上側のコイルエンド(53)の上端がハウジング(23)の軸受部(32)の下端とほぼ同じ高さ位置になるように配置されている。
前記ステータ(51)の外周面には、ステータ(51)の上端面から下端面に亘り且つ周方向に所定間隔をおいて複数個所にコアカット部が切欠形成されている。ステータ(51)の外周面にコアカット部が形成されることにより、ケーシング本体(11)とステータ(51)との間に上下方向に延びるモータ冷却通路(55)が形成されている。
前記ロータ(52)は、上下方向に延びるようにケーシング本体(11)の軸心に配置された前記駆動軸(17)を介して圧縮機構(15)の可動スクロール(26)に駆動連結されている。
前記モータ上部空間(18)には、連絡通路(46)の吐出口(49)を流出した冷媒をモータ冷却通路(55)に案内する案内板(58)が配設されている。この案内板(58)の詳細は後述する。
前記駆動モータ(16)の下方のモータ下部空間には、その底部に潤滑油が貯留される油溜め部(62)が構成され、油溜め部(62)の潤滑油には、駆動軸(17)の下端部が浸漬され、貯留された潤滑油を汲み上げるように構成されている。駆動軸(17)内には給油路(61)が形成されており、汲み上げられた潤滑油は、この給油路(61)を通して各摺動部分へ供給されるようになっている。
次に、本発明の特徴部分である、案内板(58)の構成について説明する。図2は案内板を正面側から見た斜視図、図3は背面側から見た斜視図、図4はモータ上部空間に配設された案内板の取付状態を示す部分拡大図である。図2〜図4に示すように、モータ上部空間(18)に配設された案内板(58)は、案内本体(84)と、該案内本体(84)の両端に形成された翼部(85)とを備えている。
前記案内本体(84)は、横断面が円弧状で且つ上下方向に直線状に延びる下部曲板(86)と、下部曲板(86)の上部に連続して形成され且つ上側ほど内周側に向かって張り出すように形成された膨出部(87)と、下部曲板(86)及び膨出部(87)の両側端において外周側に向かって立設された側壁部(88)とを備えている。
前記下部曲板(86)は、駆動モータ(16)のステータ(51)の外側に配設されるようになっている。膨出部(87)は、連絡通路(46)のハウジング側通路(48)よりも内側に位置するように張り出し量が調整されている。つまり、案内板(58)の案内本体(84)の外側を上から下に向かって冷媒が流れるようになっている。
前記翼部(85)は、案内本体(84)の側壁部(88)における外周側の端部に連続して形成されていて、横断面が円弧状で且つ上下方向に直線状に延びるように形成されている。この翼部(85)は、ケーシング本体(11)の内面に対応した径に形成されており、ケーシング本体(11)に取り付けられるようになっている。
前記案内板(58)には、翼部(85)と案内本体(84)の側壁部(88)とに亘り、モータ冷却通路(55)に向かって流れる冷媒の一部を吐出管(20)の内端部(36)に向かって周方向に分流させる分流手段としての分流凹部(90)が形成されている。これにより、例えば、モータ効率が良く、温度上昇の少ないDCブラシレスモータを使用する場合には、駆動モータ(16)の冷却を確保しながら、作動流体に含まれる油の分離効率を向上させることができる。
前記分流凹部(90)は、翼部(85)の一方の側端から案内本体(84)の下部曲板(86)及び膨出部(87)の両側端において外周側に向かって立設された側壁部(88)に亘って連続して凹設された凹部により構成されている。
ここで、前記案内板(58)は、その上縁部がハウジング(23)の下端面に対して隙間(65)をあけてケーシング本体(11)に取り付けられている。このような隙間(65)を設けることで、連絡通路(46)から流出してモータ冷却通路(55)に向かう冷媒の一部がケーシング(10)の半径方向内周側に向かって分流するようになっている。
このような構成とすれば、案内板(58)の形状を変更することなく冷媒の分流比率を最適化することができ、設計変更や部品変更に伴う作業負担の増大やコスト増大を抑制しつつ、駆動モータ(16)の確実な冷却と油上がりの低減とを両立することができる。
具体的に、従来の圧縮機では、案内板(58)とハウジング(23)とが当接しており、油溜め部(62)に向かう冷媒の流量を減らすべく冷媒の一部を分流するための開口部を案内板(58)に形成していた。しかしながら、冷媒の分流の比率を最適化するためには案内板(58)の開口部の開口幅を変更する等、案内板(58)の形状を適宜変更しなければならなかった。
これに対し、本発明では、案内板(58)の取付位置を適宜変更して案内板(58)とハウジング(23)との間に隙間(65)を設けるだけで冷媒の分流比率を変更することができ、駆動モータ(16)を確実に冷却できるとともに、油溜め部(62)に貯留している油に対して冷媒が過度に吹き付けられて冷媒に油が混入するのを抑えて油上がりを低減することができる。
図5は、油上がり量及びモータ温度変化と隙間との関係を示すグラフ図である。なお、モータ温度変化とは、隙間(65)が塞がっているときの駆動モータ(16)の温度を基準としてその温度変化を示すものとする。図5に示すように、案内板(58)とハウジング(23)との隙間(65)が小さい、すなわちケーシング(10)の半径方向内周側に向かって分流する冷媒量が少ないほど、油溜め部(62)に向かって流れる冷媒量が多くなるので、油上がり量が大きくなるが、モータ冷却通路(55)に向かって流れる冷媒量が多くなるので、駆動モータ(16)のモータ温度が低くなっていることが分かる。
一方、案内板(58)とハウジング(23)との隙間(65)が大きい、すなわちケーシング(10)の半径方向内周側に向かって分流する冷媒量が多いほど油溜め部(62)に向かって流れる冷媒量が少なくなるので油上がり量が小さくなるが、モータ冷却通路(55)に向かって流れる冷媒量が少なくなるので、駆動モータ(16)のモータ温度が高くなっていることが分かる。
そこで、本実施形態では、駆動モータ(16)の確実な冷却と油上がりの低減とを両立するために、案内板(58)とハウジング(23)との隙間(65)を、油上がり量とモータ温度とを両方とも低減できる最適範囲に設定して、冷媒の分流比率を最適化するようにしている。
具体的に、隙間(65)を0.4mm以上、3.0mm以下の範囲に設定した場合には、油上がり量を1.5[wt%]以下にして熱交換器の効率が低下しないようにしつつ、駆動モータ(16)の温度上昇を抑制していることが分かる。
また、隙間(65)を1.0mm以上、3.0mm以下の範囲に設定した場合には、冷媒の分流比率を最適化して、油上がり量の上昇と駆動モータ(16)の温度上昇とを両方とも抑制していることが分かる。
また、案内板(58)とケーシング本体(11)の内壁面とで形成される案内流路(57)における下流側の流路幅は、上流側の流路幅よりも幅狭に設定されている。これにより、油溜め部(62)に向かう作動流体の流量を抑制しつつ、ケーシング(10)の半径方向内周側に分流する作動流体の流量を増やすことができ、油上がりをさらに低減する上で有利となる。
−運転動作−
次に、本実施形態に係る圧縮機(1)の運転動作について説明する。まず、駆動モータ(16)を駆動すると、ステータ(51)に対してロータ(52)が回転し、それによって駆動軸(17)が回転する。駆動軸(17)が回転すると、可動スクロール(26)が固定スクロール(24)に対して自転せずに公転のみ行う。これにより、低圧の冷媒が吸入管(19)を通して圧縮室(40)の周縁側から該圧縮室(40)に吸引され、この冷媒は圧縮室(40)の容積変化に伴って圧縮される。
そして、この圧縮された冷媒は、高圧となって圧縮室(40)の半径方向内周側から吐出通路(41)を通してマフラー空間(45)へと吐出される。この冷媒はマフラー空間(45)から連絡通路(46)へ流入し、スクロール側通路(47)及びハウジング側通路(48)を流通して、吐出口(49)を通してモータ上部空間(18)へと流出する。
前記モータ上部空間(18)へ流出した冷媒は、案内板(58)の案内本体(84)とケーシング本体(11)の内面との間を下側に向かって流れ、その際に冷媒の一部が分流して案内板(58)とハウジング(23)との隙間(65)及び分流凹部(90)を通過する。ここで、分流凹部(90)を通過する際に流れの向きが変わるので冷媒と潤滑油が分離される。また、隙間(65)を通過する際に、案内板(58)の上端部より下流に渦が形成されるので、冷媒と潤滑油が分離される。
隙間(65)を通過した冷媒はケーシング(10)の半径方向内周側に向かって流れ、その後、ハウジング(23)に衝突することで冷媒と潤滑油がさらに分離されることになる。分流凹部(90)を通過した冷媒はケーシング(10)の内壁面に沿って円周方向に流れる。この分流した冷媒は、円周方向に流れることにより潤滑油が遠心分離され、特にケーシング(10)の内壁面付近において潤滑油濃度が高いために、内壁付近でよく分離される。
一方、下側に向かって流れる冷媒は、モータ冷却通路(55)を下側に向かって流れ、モータ下部空間の油溜め部(62)にまで流れる。そして、この冷媒は、流れ方向が反転してステータ(51)とロータ(52)との間のエアギャップ隙間、又は連絡通路(46)に連続するモータ冷却通路(55)とは別(図1における左側)のモータ冷却通路(55)を上方に向かって流れる。
そして、前記モータ上部空間(18)において、案内板(58)とハウジング(23)との隙間(65)を通過した冷媒と、案内板(58)の分流凹部(90)を通過した冷媒と、エアギャップ隙間又はモータ冷却通路(55)を流れてきた冷媒とが合流し、吐出管(20)の内端部(36)から該吐出管(20)に流入してケーシング(10)外に吐出される。そして、ケーシング(10)外に吐出された冷媒は、冷媒回路を循環した後、再度吸入管(19)を通して圧縮機(1)に吸入されて圧縮される。このような循環が繰り返される。
以上のように、本実施形態に係る圧縮機(1)によれば、圧縮機構(15)で圧縮された冷媒を高圧空間(28)に流出させる連絡通路(46)と案内板(58)との間に隙間(65)を設け、連絡通路(46)から流出してモータ冷却通路(55)に向かう作動流体の一部をケーシング(10)の半径方向内周側に向かって分流させるようにしたから、案内板(58)の形状を変更することなく冷媒の分流比率を最適化することができ、設計変更や部品変更に伴う作業負担の増大やコスト増大を抑制しつつ、駆動モータ(16)を確実に冷却できるとともに、ケーシング(10)下方に貯留している油に対して冷媒が過度に吹き付けられて冷媒に油が混入するのを抑えて油上がりを低減することができる。
また、連絡通路(46)を流通し、吐出口(49)を通してモータ上部空間(18)に流出した冷媒は、その一部が案内板(58)に設けられた分流凹部(90)によって分流されて、周方向に流れるとともにモータ上部空間(18)に位置する吐出管(20)の内端に向かって流れ、残りの冷媒がDCブラシレスモータからなる駆動モータ(16)とケーシング(10)内面との間のモータ冷却通路(55)を流れる。したがって、温度上昇の少ない駆動モータ(16)の冷却を確保することができるとともに、冷媒を周方向に流れさせることにより、該冷媒に含まれる潤滑油の分離効率を向上させることができる。
なお、本実施形態について、圧縮機構(15)はスクロール型に限られるものではなく、例えばレシプロ型やスクリュー型やロータリーピストン型に構成してもよい。
以上説明したように、本発明は、案内板の形状を変更することなく作動流体の分流比率を最適化して、油上がり量の低減を図ることができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
本発明の実施形態に係る圧縮機の全体構成を示す縦断面図である。 案内板を正面側から見た斜視図である。 案内板を背面側から見た斜視図である。 モータ上部空間に配設された案内板の取付状態を示す部分拡大図である。 油上がり量及びモータ温度変化と隙間との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1 圧縮機
10 ケーシング
15 圧縮機構
16 駆動モータ
18 モータ上部空間
23 ハウジング
24 固定スクロール
26 可動スクロール
40 圧縮室
46 連絡通路
55 モータ冷却通路
57 案内流路
58 案内板
65 隙間
90 分流凹部(分流手段)

Claims (6)

  1. 固定スクロール(24)及び可動スクロール(26)を備えた圧縮機構(15)と、該圧縮機構(15)に駆動連結された駆動モータ(16)とがケーシング(10)内に配置され、少なくとも該駆動モータ(16)が配置される空間が高圧となる圧縮機であって、
    前記圧縮機構(15)には、該圧縮機構(15)の圧縮室(40)で圧縮された作動流体を高圧空間(28)に流出させる連絡通路(46)が形成され、
    前記駆動モータ(16)と前記ケーシング(10)内壁面との間には、前記連絡通路(46)から流出した作動流体を流通させて該駆動モータ(16)を冷却させるためのモータ冷却通路(55)が形成され、
    前記連絡通路(46)と前記モータ冷却通路(55)との間には、該連絡通路(46)から流出した作動流体を該モータ冷却通路(55)に案内する案内板(58)が配設され、
    前記案内板(58)と前記連絡通路(46)との間には、該連絡通路(46)から流出した作動流体の一部を前記ケーシング(10)の半径方向内周側に向かって分流させるための隙間(65)が設けられていることを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1において、
    前記圧縮機構(15)は、前記可動スクロール(26)を支持するハウジング(23)をさらに備え、
    前記ハウジング(23)には前記連絡通路(46)が形成されており、該ハウジング(23)に対して前記隙間(65)をあけて前記案内板(58)が配設されていることを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項1又は2において、
    前記案内板(58)には、前記モータ冷却通路(55)に向かって流れる作動流体の一部を前記ケーシング(10)の周方向に分流させる分流手段(90)が設けられていることを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項1乃至3のうち何れか1項において、
    前記案内板(58)と前記ケーシング(10)内壁面とで形成される案内流路(57)における下流側の流路幅は、上流側の流路幅よりも幅狭に設定されていることを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項1乃至4のうち何れか1項において、
    前記隙間(65)は、0.4mm以上、3.0mm以下の範囲に設定されていることを特徴とする圧縮機。
  6. 請求項1乃至4のうち何れか1項において、
    前記隙間(65)は、1.0mm以上、3.0mm以下の範囲に設定されていることを特徴とする圧縮機。
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