JP4965379B2 - スクロール型流体機械 - Google Patents
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Description
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、ターミナルにおける絶縁不良を簡易にして確実に防止することができるスクロール型流体機械を提供することを目的とする。
更に、請求項3記載の発明では、請求項2において、上蓋は、吐出カバーと所定の距離を存して胴部の上端に内嵌され、衝立板は、衝立板の外周面、胴部の内周面、及び上蓋の端面にて、吐出室内に流入口から流出される高圧冷媒の誘導流路を形成することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明では、請求項3において、衝立板は、胴部の内周面に固定されることを特徴としている。
更に、請求項6記載の発明では、請求項1において、流路変更部材は、吐出カバーに固定され、且つ少なくとも吐出室内における吐出口の高さより高い位置にてターミナルを囲繞する円筒であることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明では、請求項1から7の何れかにおいて、冷媒は二酸化炭素からなる冷媒であることを特徴としている。
先ず、第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るスクロール型流体機械の一例として、密閉型のスクロール圧縮機の要部を示している。この圧縮機1は、冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯機などの冷凍回路に組み込まれ、当該回路は作動流体の一例である二酸化炭素冷媒(以下、冷媒という)が循環する経路を備え、圧縮機1は経路から冷媒を吸入し、圧縮して経路に向けて吐出する。
当該ユニット12は、可動スクロール15及び固定スクロール16から構成され、これらスクロール15,16の各鏡板には対向する渦巻きラップがそれぞれ一体形成されている。
詳しくは、固定スクロール16の中央部分の適宜位置には、その鏡板を貫通して吐出孔26が穿設されており、吐出孔26は吐出室24側に配置された吐出弁28により開閉される。吐出弁28は吐出カバー30で覆われ、吐出カバー30によって圧縮室と吐出室24とが区画されると共に、吐出弁28の開弁時における音が抑制される。
図2に示される吐出室24の平面拡大図を参照すると、ターミナル32は吐出室24の略中央に位置づけられ、一方、ユニット12と胴部4との間の間隙には、吐出孔26から吐出され密閉容器2の内部を循環した後の冷媒を吐出室24に流入させる冷媒の第1〜第4上昇流路34,36,38,40が形成されている。
図1,2に加え、図3の衝立板42の斜視図にも示されるように、衝立板42は、湾曲状に形成された薄板であって、その上端部42aにおいて上蓋6の内周面6aに溶接、固定されている。衝立板42の長手方向における一端には、第4流入口40aの胴部径方向幅W以上の幅W2を存して屈曲された段差部42bが形成され、段差部42bは第4流入口40aを領域B内で区画している。そして、衝立板42は、段差部42bから直交仮想線LOV、ひいては領域Aに至るまで上蓋6の内周面6aに沿って湾曲状に延設されている。
一方、上蓋6は、その端面6bの径方向幅はW3の寸法を有し、吐出カバー30から距離Dを存して胴部4に内嵌されており、第4流入口40aの幅Wは上蓋の端面6bの幅W3より小さく設定されている。
ここで、衝立板42の固定に際して、図4に示されるように、衝立板42の長手方向における段差部42bと対向する他端にタブ42fを設け、上端部42aを上蓋6の内周面6aに溶接する代わりに、これら段差部42b及びタブ42fを胴部4の内周面4aに溶接、固定しても良く、この場合にも上記誘導流路46を形成することができる。
図5に示されるように、当該第2実施形態では、上記第1実施形態の衝立板42に代わり、円筒48を備えるものであり、他は上記第1実施形態と同一の構成をなしているため、主としてこの異なる点について説明する。
円筒48は、吐出カバー30に溶接固定され、少なくとも吐出カバー30から吐出口10aにかけての高さHより高い高さH2を有しており、好ましくは、ターミナル32を囲繞するべく上蓋6の内周面6aに漸近して延設される。
このように、上記第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、第4流入口40aから吐出室24に流入された冷媒をターミナル32への衝突を回避して吐出口10aに確実に誘導することができるため、ターミナル32における絶縁不良を簡易にして確実に防止することができる。
図7に示されるように、当該第3実施形態では、上記各実施形態の衝立板42や円筒48に代わり、仕切り板50を備えるものであり、他は上記各実施形態と同一の構成をなしているため、主としてこの異なる点について説明する。
仕切り板50は、円形状の薄板であって、胴部4の内周面4aに溶接固定され、吐出室42を断面視にて吐出カバー30側の領域Cとターミナル32側の領域Dとに区画し、吐出口10aを領域Cに位置づけるべく吐出管10が貫通している。
特に当該第3実施形態の場合には、吐出室24を領域C,Dに仕切ることにより、第4流入口40aから吐出室24に流出された冷媒のターミナル32への衝突をより一層確実に回避できるため、ターミナル32における絶縁不良をより一層確実に防止することができる。なお、少なくとも、第4流入口40aの上方からターミナル32の下方にかけての吐出室24内の空間が仕切り板50によって領域C,Dに区画されれば良く、仕切り板50は円形状に限らず楕円形状等に形成しても良い。この場合には、仕切り板50への吐出管10の貫通は不要となり得るため、仕切り板50の加工を容易にしつつ、ターミナル32への冷媒の衝突を回避することができる。
例えば、上記実施形態では、作動流体に二酸化炭素からなる冷媒を使用しているが、これに限定されない。但し、冷媒に二酸化炭素を使用することにより、圧縮機1は高温高圧で作動し、第4上昇流路40から吐出室24に流入される冷媒の温度、流速が増大するため、ターミナル32に高圧の作動流体を衝突させたときの衝撃力や、この際に冷媒から分離された高温潤滑油のターミナル32への恒常的な付着のおそれが増大する。しかし、上記構成によれば、冷媒のターミナル32への衝突を回避して吐出口10aに確実に誘導することができるため、ターミナル32における絶縁不良防止効果をより顕著なものとすることができる。
2 密閉容器
4 胴部
4a 胴部の内周面
6 上蓋
6a 上蓋の内周面
6b 上蓋の端面
10 吐出管
10a 吐出口
12 スクロールユニット
14 回転軸
24 吐出室
26 吐出孔
30 吐出カバー
32 ターミナル
40 第4上昇流路(上昇流路)
40a 第4流入口(流入口)
42 衝立板(流路変更部材)
42e 衝立板の外周面
46 誘導流路
48 円筒(流路変更部材)
50 仕切り板(流路変更部材)
Claims (8)
- 潤滑油を含む冷媒の吸入から吐出の一連のプロセスを実施し、吐出孔から作動流体を吐出するスクロールユニットと、該スクロールユニットの下方に配され、回転軸により前記スクロールユニットを駆動する電動機とを備えたスクロール型流体機械であって、
前記スクロールユニット及び前記電動機が収容される筒状の胴部、及び該胴部の上端に内嵌される上蓋を有する密閉容器と、
前記上蓋と前記スクロールユニットとの間に形成され、前記吐出孔から吐出された高圧冷媒が前記胴部内を循環した後に流入される吐出室と、
前記吐出孔を覆い、該吐出孔側と前記吐出室とを区画する吐出カバーと、
前記上蓋を貫通し、前記吐出室に流入した高圧冷媒が前記吐出室に開口する吐出口から前記密閉容器外に吐出される吐出管と、
前記上蓋を前記吐出室の平面視略中央にて貫通し、前記電動機と前記密閉容器外とを電気的に接続するターミナルと、
前記スクロールユニットと前記胴部との間に形成され、前記ターミナルを隔てた前記吐出管の反対側にて前記吐出室に開口する流入口から前記胴部内を循環した高圧冷媒が前記吐出室に流入される上昇流路と、
前記流入口から前記吐出室に流入された高圧冷媒を前記ターミナルへの衝突を回避して前記吐出口に誘導する該高圧冷媒の流路変更部材とを備えたことを特徴とするスクロール型流体機械。 - 前記流入口と前記吐出口とを平面視にて直線で結ぶ仮想線、及び該仮想線と略直交し、前記ターミナルの略中心を通る直交仮想線を形成し、
前記流路変更部材は、前記流入口から少なくとも前記直交仮想線に至るまで前記上蓋の内周面に沿って、且つ前記吐出カバーに漸近して延設された衝立板であることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。 - 前記上蓋は、前記吐出カバーと所定の距離を存して前記胴部の上端に内嵌され、
前記衝立板は、該衝立板の外周面、前記胴部の内周面、及び前記上蓋の端面にて、前記吐出室内に前記流入口から流出される高圧冷媒の誘導流路を形成することを特徴とする請求項2に記載のスクロール型流体機械。 - 前記衝立板は、前記上蓋の内周面に固定されることを特徴とする請求項3に記載のスクロール型流体機械。
- 前記衝立板は、前記胴部の内周面に固定されることを特徴とする請求項3に記載のスクロール型流体機械。
- 前記流路変更部材は、前記吐出カバーに固定され、且つ少なくとも前記吐出室内における前記吐出口の高さより高い位置にて前記ターミナルを囲繞する円筒であることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
- 前記流路変更部材は、前記胴部の内周面に固定され、前記吐出室を断面視にて前記流入口側と前記ターミナル側とに仕切り、且つ前記吐出口を前記吐出室の前記流入口側に位置づけるべく前記吐出管が貫通する仕切り板であることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
- 前記冷媒は二酸化炭素からなる冷媒であることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のスクロール型流体機械。
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