JP2006336599A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Kenji Shimada
賢志 嶋田
Yasushi Aeba
靖 饗場
Hidenobu Shintaku
秀信 新宅
Tetsushi Yonekawa
哲史 米川
Akinori Fukuda
昭徳 福田
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Abstract

【課題】従来の方式は冷媒ガスやオイルの流れを拘束し切れず衝突や旋回が不十分であったりして、密閉容器外に吐出する冷媒ガスにオイルが混入することを防止しきれておらず、本発明の目的は冷媒およびオイルをほぼ拘束して取扱って、十分に気液分離されたガスを吐出することができる密閉型圧縮機を提供することにある。
【解決手段】固定子通路を冷媒が一直線に固定子上部室まで通れないよう、固定子と密閉容器との間の連絡路にマフラーにて衝突壁を設けた。これにより、吐出された全ての冷媒とオイルの混合ガスがマフラーの衝突壁に衝突するようになる。
【選択図】図1

Description

本発明は、業務用または家庭用、あるいは乗り物用の冷凍空調給湯、あるいは冷蔵庫などに用いられる密閉型圧縮機に関するものである。
従来、この種の密閉型圧縮機は、図2に示すように、密閉容器1内に圧縮機構2、この前記圧縮機構2の下方に設けた前記圧縮機構2を駆動するための電動機3と、この前記電動機3の回転力を前記圧縮機構2に伝達するためのクランク軸4とを備え、前記密閉容器1内の下部に設けたオイル溜め20のオイル6を前記クランク軸4を通じて前記クランク軸4の軸受部66や前記圧縮機構2の摺動部に供給する給油機構7とを備えている。
これによって、前記オイル6は前記給油機構7によって重力に逆らって前記軸受部66や前記圧縮機構2の摺動部に強制給油されて、円滑な動作を確保しながら、前記圧縮機構2で圧縮した冷媒ガスを前記密閉容器1内の前記電動機3の部分を通して前記電動機3を冷却した後、前記密閉容器1外に吐出するようにしており、前記軸受部66や前記圧縮機構2の摺動部に供給した後のオイルが供給圧や重力によって下方に移動し前記オイル溜め20に自然回収されるようにすることができる。しかし、冷媒ガスは常時オイルと接触してこれを随伴させ、前記密閉容器1から冷凍サイクルに供給される際にオイルを持ち込んでしまい、冷凍サイクル中での配管圧力損失や凝縮器や蒸発器などの熱交換器での熱交換効率の低下をもたらす問題がある。
これを解消するのに従来、圧縮機構から密閉容器内に吐出した冷媒ガスが電動機を通ってそれを冷却しながら密閉容器外に吐出されるまでの冷媒ガスの通路を、オイルの衝突分離や遠心分離が繰り返し生じるように設計して、密閉容器外に吐出される冷媒ガスにオイルが随伴しないように工夫したり、軸受部や圧縮機構から電動機部へのオイルの排出経路を、圧縮機構からの吐出冷媒の電動機部への流路から独立して設け、排出オイルは電動機の固定子の上に滴下させた後伝い落ちにより下部のオイル溜めに回収されるようにする一方、冷媒ガスは電動機部の片側に向け吐出して固定子と密閉容器との間の片側の通路を下降して電動機下部に至った後、固定子と回転子との間のエアギャップを上昇して密閉容器外に吐出する整然とした冷媒の流れを作って前記滴下し伝い落ちるオイルを随伴させにくくするにようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−189963号公報
しかし、従来のどの方式も満足な気液分離はできていない。従来の方式は冷媒ガスやオイルの流れを拘束し切れず衝突や旋回が不十分であったりして、密閉容器外に吐出する冷媒ガスにオイルが混入することを防止し切れていない。
本発明の目的は、冷媒およびオイルをほぼ拘束して取扱って、十分に気液分離されたガスを吐出することができる密閉型圧縮機を提供することにある。
本発明の密閉型圧縮機は、密閉容器内に圧縮機構と、この圧縮機構の下方に設けた圧縮機構を駆動するための電動機と、この電動機の回転力を圧縮機構部に伝達するためのクランク軸と、密閉容器内の下部に設けたオイル溜めのオイルをクランク軸を通じてクランク軸の軸受部や圧縮機構摺動部に供給する給油機構とを備えたことを基本構成とする密閉型
圧縮機に関するものであり、前記の目的を達成するために、図1の密閉型圧縮機は、圧縮機構から吐出されるガスが、圧縮機構上部の容器内吐出室から圧縮機構の下部に連通させる圧縮機構連通路、この圧縮機構連通路から回転子上部室に続く連絡路、回転子上部室と回転子下部室を連通させるように回転子に設けた回転子通路、回転子下部室を順次経て電動機下に至り、さらに固定子の下部と上部とを連通させるように固定子または固定子と密閉容器との間に設けられた固定子通路を通って前記連絡路外まわりの固定子上部室に抜けた後、密閉容器の固定子上部室の位置以上の部分に設けられた外部吐出口を通って密閉容器外に吐出されるようにする容器内ガス通路を設けているのだが、冷媒およびオイルをほぼ拘束して取扱って、十分に気液分離されたガスを吐出するために、固定子通路を冷媒が一直線に固定子上部室まで通れないよう、固定子と密閉容器との間の連絡路にマフラーにて衝突壁を設けた。これにより、吐出された全ての冷媒とオイルの混合ガスがマフラーの衝突壁に衝突するようになることを特徴としている。
マフラーに設けた衝突壁により、連絡路を通過する冷媒とオイルの混合ガスは連絡路を通過するときに衝突壁に衝突する。この衝撃により、冷媒とオイルは気液分離され、固定子上部室には冷媒のみが吐出される。
このように圧縮機構から吐出されたガスを拘束して取扱うことにより、圧縮機構から吐出されたガスが圧縮機構内や軸受部まわりを経る間にそれらに供給されていたオイルと接触してそれを随伴していても、マフラーに衝突壁を設けることにより、冷媒とオイルの混合ガスは衝突壁に衝突し、冷媒とオイルに気液分離されて固定子上部室には冷媒のみが吐出される。
本発明の特徴は、以下の詳細な説明及び図面によって明らかになる。本発明の特徴は可能な限りにおいてそれ単独で、あるいは種々な組み合わせで複合して用いることができる。
本発明によれば、圧縮機構2からの吐出ガスおよびそれに乗じて随伴している圧縮機構2およびその軸受部66に供給した後のオイルをほぼ拘束して取扱い、マフラー100を設けることにより、オイル6を含んだ冷媒ガス27はマフラー100の外周部に衝突し、オイル6はマフラー100に付着し冷媒ガス27のみが連絡路34の外まわりの固定子上部室38に抜ける。
圧縮機構2からの吐出ガスおよびそれに乗じて随伴している圧縮機構およびその軸受部66に供給した後のオイルをマフラー100の外周部に衝突させることで、マフラー100に気液分離を行って、オイルを十分に分離したガスを密閉容器1外に吐出し供給することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、図5に示すように、上シェルの厚みがガス通路幅よりも大きくすることにより、請求項1のマフラー外周を延長させるのと同等の効果を得られる。
(実施の形態1)
以下、本発明における実施の形態に係る密閉型圧縮機およびその気液分離吐出方法について図1を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
本実施の形態は縦型でスクロール式の圧縮機構を内蔵した冷凍サイクル用の密閉型圧縮機の場合の一例であり、圧縮対象は冷媒ガスである。しかし、本発明はこれに限られるこ
とはなく、ロータリ式の圧縮機構など各種の圧縮機構、それを駆動する電動機とともに密閉容器内に内蔵したガス一般を対象として圧縮し、圧縮機構が密閉容器内を上下に仕切り、その下部に電動機を収容する密閉型圧縮機であればその全般に適用して有効であり、本発明の範疇に属する。
本実施の形態の密閉型圧縮機は図1に示すように、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めなどして固定したクランク軸4の主軸受部材11と、この主軸受部材11上にボルト止めした固定スクロール12との間に、固定スクロール12と噛み合う旋回スクロール13を挟み込んでスクロール式の圧縮機構2を構成し、旋回スクロール13と主軸受部材11との間に旋回スクロール13の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転規制機構14を設けて、クランク軸4の上端にある主軸部4aにて旋回スクロール13を偏心駆動することにより旋回スクロール13を円軌道運動させ、これにより固定スクロール12と旋回スクロール13との間に形成している圧縮室15が外周側から中央部に移動しながら小さくなるのを利用して、密閉容器1外に通じた吸入パイプ16および固定スクロール12の外周部の吸入口17から冷媒ガス27を吸入して圧縮していき所定圧以上になった冷媒ガスは固定スクロール12の中央部の吐出口18からリード弁19を押し開いて密閉容器1内に吐出させることを繰り返す。
クランク軸4の下端は密閉容器1の下端部のオイル溜め20に達して、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めして固定された副軸受21により軸受され、安定に回転することができる。電動機3は主軸受部材11と副軸受21との間に位置して、密閉容器1に溶接や焼き嵌めなどして固定された固定子3aと、クランク軸4の途中の外まわりに一体に結合された回転子3bとで構成され、回転子3bの上下端面の外周部分にはピン22により止め付けられたバランスウエイト23、24が設けられ、これにより回転子3bおよびクランク軸4が安定して回転し、旋回スクロール13を安定して円軌道運動させることができる。
給油機構7はクランク軸4の下端で駆動されるポンプ25によってオイル溜め20内のオイル6をクランク軸4を通縦しているオイル供給穴26を通じて圧縮機構2の各部の軸受部66や圧縮機構2の各摺動部に供給する。供給後のオイル6は供給圧や重力によって逃げ場を求めるようにして軸受部66を通じ主軸受部材11の下に流出して滴下し、最終的にオイル溜め20に回収される。
しかし、実際には既述したように、圧縮機構2から吐出される図1に破線矢印で示す冷媒ガス27には圧縮機構2内で接触したオイル6を随伴させていたり、主軸受部材11の下に滴下してくる供給後のオイル6を飛散させて随伴させたりしていて、従来これを十分に分離できず密閉容器1外に吐出する冷媒ガスとともにオイルも吐出されてしまう問題がある。
図1に示す実施の形態はこのような問題を解消するために、圧縮機構2から吐出される冷媒ガス27が、圧縮機構2の上部の容器内吐出室31、この容器内吐出室31と圧縮機構2の下部を連通させる圧縮機構連通路32、この圧縮機構連通路32から回転子上部室33に続く連絡路34、回転子上部室33と回転子下部室35を連通させるように回転子3bに設けた回転子通路36、回転子下部室35を順次経て電動機3の下に至り、さらに固定子3aの下部と上部とを連通させるように固定子3aまたは固定子3aと密閉容器1との間に設けられた固定子通路37を通って連絡路34の外まわりの固定子上部室38に抜けた後、密閉容器1の固定子上部室38の位置以上の部分に設けられた外部吐出パイプ39を通って密閉容器1外に吐出されるのだが、オイル6を含んだ冷媒ガス27がそのまま固定子上部室38に抜けないように、図2及び図4のように固定子上部に設けているマフラー100の外周を延長させたものを設ける。
連絡路34を通る、吐出されたガスは連絡路34の外まわりの固定子上部室38に抜けた後、密閉容器1の固定子上部室38の位置以上の部分に設けられた外部吐出パイプ39を通って密閉容器1外に吐出されるのだが、マフラー100を設けることにより、オイル6を含んだ冷媒ガス27はマフラー100の外周部に衝突し、オイル6はマフラー100に付着し冷媒ガス27のみが連絡路34の外まわりの固定子上部室38に抜ける。
気液分離されマフラー100に付着したオイル6は, ミスト状態から凝集しオイル滴に成長し密閉容器1内壁を伝い落ちながら下のオイル溜め20に滴下して、冷媒ガス27に乗じる機会がほとんどなしに回収されるようにするので、冷媒ガス27に随伴しているオイル6を効率よく分離し回収することができる。
以上のようにしてオイル6を分離された冷媒ガス27は、密閉容器1の固定子上部室38の位置以上の部分にある外部吐出パイプ39から密閉容器1外に吐出するので、オイル6を随伴している冷媒ガス27と接触することなくオイルが十分に分離された状態で密閉容器1外に吐出して冷凍サイクルに供給することができる。従って、冷凍サイクル中での配管圧力損失や凝縮器、蒸発器などの熱交換器での熱交換効率の低下を防止することができる。
以上のように本発明に係る密閉型圧縮機は、オイルを十分に分離したガスを密閉容器1外に吐出し供給することが可能となるので、空気調和装置や冷蔵庫などの冷凍機器の他に、ヒートポンプ式給湯器等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態に係る密閉型圧縮機を示す断面図 本発明の実施の形態に係るマフラーの図 従来のマフラーを示す図 本発明の実施の形態に係る密閉型圧縮機の上部を示す断面図 本発明の実施の形態に係る密閉型圧縮機の上部を示す断面図 従来の密閉型圧縮機の断面図
符号の説明
1 密閉容器
2 圧縮機構
3 電動機
3a 固定子
3b 回転子
4 クランク軸
4a 主軸部
6 オイル
7 給油機構
11 主軸受部材
12 固定スクロール
13 旋回スクロール
14 自転規制機構
15 圧縮室
16 吸入パイプ
17 吸入口
18 吐出口
19 リード線
20 オイル溜め
21 副軸受
22 ピン
23 バランスウエイト
24 バランスウエイト
25 ポンプ
26 オイル供給穴
27 冷媒ガス
31 容器内吐出室
32 圧縮機構連通路
33 回転子上部室
34 連絡路
35 回転子下部室
36 回転子通路
37 固定子通路
38 固定子上部室
39 外部吐出パイプ
66 軸受部
100 マフラー
101 ウエシェル

Claims (6)

  1. 密閉容器内にスクロール圧縮機構と、この圧縮機構の下方に設けた圧縮機構を駆動するための電動機と、この電動機の回転力を圧縮機構部に伝達するためのクランク軸と、密閉容器内の下部に設けたオイル溜めのオイルをクランク軸を通じてクランク軸の軸受部や圧縮機構摺動部に供給する給油機構とを備え、マフラー外周を延長し圧縮機構と密閉容器内壁との間にある冷媒通路に衝突壁を作り、冷媒の流れを変えて油滴衝突を3回行わせるようにしたことを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 上シェルの厚みがガス通路幅よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の密閉型圧縮機。
  3. 密閉容器内の上部に電動要素を配置し、前記ケース内の下部に電動要素によって駆動される圧縮要素を配置したロータリー式密閉形圧縮機であって、電動機上部に設けた衝突壁を設けることにより、密閉容器と電動機との間にある冷媒通路を冷媒が一直線に通過できないようにしたをことを特徴とする密閉型圧縮機。
  4. マフラーと上シェルにより圧縮機構と密閉容器内壁との間にある冷媒通路に衝突壁作り、冷媒が一直線に通過できないようにしたをことを特徴とする請求項1記載の密閉型圧縮機。
  5. 上シェルと電動機上部に衝突壁を設けることにより、密閉容器と電動機との間にある冷媒通路を冷媒が一直線に通過できないようにしたをことを特徴とする請求項2記載の密閉型圧縮機。
  6. 二酸化炭素を冷媒として用い、60以上の粘度のオイルを使う事を特徴とする、請求項1から5に記載の密閉型圧縮機。
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