JP2009222150A - 軸受け構造および圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール機能を確保しつつ、摺動損失を低減することができる軸受け構造および圧縮機を提供する。
【解決手段】軸受け構造は、軸12と、軸受部23と、シール部41とを備える。軸受部23は、軸12を回転自在に支持する。シール部41は、軸受部23に供給された潤滑油を軸受部23の内部に封止する。シール部41は、軸12の外周面および/または軸受部23の内周面に配置されている。シール部41は、複数の凹部42を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸受け構造および圧縮機に関する。
従来より、軸と軸受部とを組み合わせた回転機械が種々用いられている。軸と軸受部との接触面に連続的に給油する冷媒用圧縮機などにおいては、軸と軸受部との接触面に給油された潤滑油が圧縮機の密閉容器内部で循環している冷媒ガスに混入することなく、油溜まりに戻ることが望ましい。その理由としては、潤滑油が冷媒ガスに混入すると、圧縮機の密閉容器内部で循環しているガスと共に吐出管から空調システムに流出し、性能の低下や油切れによる圧縮機損傷の原因となるからである。
特に高圧ドーム形式のスクロール圧縮機においては、上部主軸受の下端部から流出した油は、冷媒ガスの流れにのって、上部主軸受よりも流れの下流側に位置する吐出口から圧縮機外部に流出しやすいので、油の外部への流出を防ぐためになんらかの対策が必要となる。
このような圧縮機外部への油の流出を防止するために、特許文献1に記載された密閉型圧縮機では、軸と軸受の接触面の下端付近に油の下方からの洩れを防止するリング溝が形成され、さらに、軸受部には、リング溝から上方へ油を戻す油通路が形成されている。これにより、接触面の下方からもれた油が高圧ガスとともに吐出口から圧縮機外部へ流出することを防止している。
特開2003−293954号公報
しかし、特許文献1に記載の下方からの油もれを防止した軸受け構造では、リング溝よりも下方のシール面の部分にシールのための余計な摺動箇所が設置されているため、シールに必要な幅を確保すると、隙間に入った油の粘性抵抗によって機械損失が増大し、圧縮機の効率向上の妨げとなるという問題がある。
本発明の課題は、シール機能を確保しつつ、摺動損失を低減することができる軸受け構造および圧縮機を提供することにある。
第1発明の軸受け構造は、軸と、軸受部と、シール部とを備える。軸受部は、軸を回転自在に支持する。シール部は、軸受部に供給された潤滑油を軸受部の内部に封止する。シール部は、軸の外周面および/または軸受部の内周面に配置されている。シール部は、複数の凹部を有している。
ここでは、複数の凹部を有するシール部によって軸受部の内部に潤滑油を封止することが可能になり、その結果、軸受部の油シール機能を強化することが可能である。
第2発明の軸受け構造は、第1発明の軸受け構造であって、軸の外周面または軸受部の内周面には、潤滑油を軸受部内から排出する廃油経路が形成されている。廃油経路の出口は、軸受部に対してシール部が配置されている側とは反対側に開口している。
ここでは、軸の外周面または軸受部の内周面には、潤滑油を軸受部内から排出する廃油経路が形成されているため、シール部が配置された側からの油もれを更に抑制でき、シール部から漏れる油量の低減が可能である。
第3発明の軸受け構造は、第1発明または第2発明の軸受け構造であって、シール部は、軸受部に隣接した位置に配置されている。
ここでは、シール部が軸受部に隣接した位置に配置されているので、スペースを取らずに十分な幅のシール部を確保できるので、高い油洩れ防止効果を奏することが可能である。
第4発明の軸受け構造は、第1発明または第2発明の軸受け構造であって、シール部は、軸と軸受部とが接触する接触面と一体に形成されている。
ここでは、シール部が軸と軸受部とが接触する接触面と一体に形成されているので、同軸加工することで加工精度を高めることができ、機械損失を抑制しながら凹部による油洩れ抑制効果を奏することが可能である。
第5発明の軸受け構造は、第1発明から第4発明のいずれかの軸受け構造であって、シール部は、軸受部より吐出管に近い方に配置されている。
ここでは、シール部が軸受部より吐出管に近い方に配置されているので、圧縮機から油が排出されるのを効果的に防止できる。
第6発明の軸受け構造は、第1発明から第5発明のいずれかの軸受け構造であって、凹部の深さは、1μm〜50μm(好ましくは、3μm〜50μm)である。
ここでは、凹部の深さが1μm〜50μm(好ましくは、3μm〜50μm)であるので、凹部の内部に潤滑油を十分に保持でき、高いシール性を得ることが可能である。
第7発明の圧縮機は、第1発明から第6発明の軸受け構造を備えている。
ここでは、第1発明から第6発明の軸受け構造を備えているので、シール機能の強化と機械損失を抑えることができ、油上り抑制と圧縮機の効率向上を両立させることが可能である。
第8発明の圧縮機は、第7発明の圧縮機であって、軸受け構造を、密閉したケーシングの内部に収納している。
ここでは、軸受け構造を密閉したケーシングの内部に収納しているので、軸受部から洩れた潤滑油が冷媒ガスとともに吐出口からケーシング外部へ排出するのを防止し、油上がりによる不具合、たとえば性能の低下や油切れによる圧縮機損傷などを解消することが可能である。
第1発明によれば、複数の凹部を有するシール部によって軸受部の内部に潤滑油を封止ことが可能になり、その結果、軸受部の油シール機能を強化することができる。
第2発明によれば、軸の外周面または軸受部の内周面には、潤滑油を軸受部内から排出する廃油経路が形成されているので、シール部が配置された側からの油もれを防止でき、軸受部の十分な潤滑ができる。
第3発明によれば、十分な幅のシール部を確保できるので、高い油洩れ防止効果を奏することができる。
第4発明によれば、シール部が軸と軸受部とが接触する接触面と一体に形成されているので、機械損失を抑制しながら凹部による油洩れ抑制効果を奏することが可能である。しかも、シール部と接触面とが一体形成されているので、製造コストの低減、および軸受け構造を備えた回転機械の小型化が可能になる。
第5発明によれば、油上りの増大を効果的に防止できる。
第6発明によれば、凹部の内部に潤滑油を十分に保持でき、高いシール性を得ることができる。
第7発明によれば、油上りと機械損失を抑えることができ、圧縮機の効率を大幅に向上させることができる。
第8発明によれば、軸受部から洩れた潤滑油が冷媒ガスとともに吐出口からケーシング外部へ排出するのを防止し、油上がりによる不具合、たとえば性能の低下や油切れによる圧縮機損傷などを解消することができる。
つぎに本発明の軸受け構造および圧縮機の第1実施形態を、図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
つぎに本発明の軸受け構造の一例として、すべり軸受を採用した軸受け構造を備えた密閉型圧縮機の第1実施形態を図1〜2を参照しながら説明する。
<高圧ドーム型圧縮機1の全体構成>
図1に示されるように、第1実施形態に係るスクロール式の高圧ドーム型圧縮機1は、蒸発器や、凝縮器、膨張機構などと共に冷媒回路を構成し、その冷媒回路中のHFCや二酸化炭素ガス等からなる高圧ガス冷媒を圧縮する役割を担うものであって、主に、縦長円筒状の密閉ドーム型のケーシング2、スクロール圧縮機構3、オルダムリング4、駆動モータ5、下部主軸受6、吸入管7、および吐出管8と、上部主軸受21とから構成されている。
また、この高圧ドーム型圧縮機1は、後述するように、ケーシング2の内部において、駆動軸12と、駆動軸12と面接触して回転自在に支持する軸受メタル23と、ディンプル42を有するシール部41とによって構成された軸受け構造を収納している。軸受メタル23は、本発明の軸受部に対応する。
以下、この高圧ドーム型圧縮機1の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
<高圧ドーム型圧縮機1の構成部品の詳細>
(1)ケーシング
ケーシング2は、密閉容器であり、略円筒状の胴部ケーシング部9と、胴部ケーシング部9の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部10と、胴部ケーシング部9の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部11とを有する。そして、このケーシング2には、主に、ガス冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構3と、スクロール圧縮機構3の下方に配置される駆動モータ5とが収容されている。このスクロール圧縮機構3と駆動モータ5とは、ケーシング2内を上下方向に延びるように配置される駆動軸12によって連結されている。そして、この結果、スクロール圧縮機構3と駆動モータ5との間には、間隙空間13が生じる。
(2)上部主軸受21
上部主軸受21は、その内部に軸受け構造を有している。軸受け構造は、駆動軸12と、軸受メタル23と、シール部41とを備えている。具体的には、上部主軸受21の軸受孔22の内周面に固定された軸受メタル23は、駆動軸12を回転自在に支持する。
シール部41は、給油通路12aおよび給油穴46を介して軸受メタル23に供給された潤滑油を軸受メタル23の内部、具体的には、駆動軸12と軸受メタル23と接触面44の内部に封止する。シール部41は、駆動軸12の外周面に配置されている。シール部41は、複数の凹部であるディンプル42を有している。
ここでは、複数のディンプル42を有するシール部41により、駆動軸12と軸受メタル23とが接触する接触面44からの下方への油もれを抑制でき、軸受メタル23の油シール機能を強化することが可能である。
シール部41の表面に複数のディンプル42を形成することにより、駆動軸12側の摺動面44aと軸受メタル23側の摺動面44bとの間に、シール用の油を確実に保持できるので、油もれを抑えることが可能となるため、シール幅を小さくすることで粘性抵抗を低減することができる。更に駆動軸12側のシール部41と軸受メタル23の内周面との間のすべりはディンプル42部でくさび膜をを形成することで潤滑性も改善するため、機械損失の低減や、接触による損傷の発生を予防することも可能である。
駆動軸12の外周面には、潤滑油を軸受メタル23の内部から排出する廃油経路45が形成されている。廃油経路45の給油穴46は、駆動軸12内部を上下に貫通する給油通路12aに連通している。廃油経路45の出口47は、軸受メタル23に対してシール部41が配置されている接触面44の下側とは反対側の接触面44の上側に開口している。これにより、軸受に給油された油を効果的に反シール側に導くことで、シール部41が配置された側からの油もれを防止でき駆動軸12と軸受メタル23との摺動面44の十分な潤滑が可能である。
シール部41は、駆動軸12の外周面において、溝43を挟んで軸受メタル23と摺動する摺動面44aに隣接した位置に配置されている。ここでは、摺動面44とは別に、摺動面44と隣接した位置に複数のディンプル42を有するシール部41を配置しているので、摺動面44(摺動面44a、44bの両方)の寸法を変更することなく、十分な幅のシール部41を確保できるので、高い油洩れ防止効果を奏することが可能である。
図1の高圧ドーム型圧縮機1では、駆動軸12が垂直に配置され、シール部41が軸受メタル23における摺動面44より下方(吐出管8に近い方)に配置された構造になっているので、軸受メタル23内部の摺動面44の油もれによる油上りの増大を効果的に防止できる。
シール部41のディンプル42の深さは、1μm〜50μm(好ましくは、3μm〜50μm、とくに好ましくは5μm〜50μm)であるのが好ましい。1μmよりも小さければ、軸受面の粗さとあまり変わらないため、ディンプル42内部に十分に潤滑油を保持することができなくなるのでシール性の確保が難しくなり、一方50μmを超えると軸受隙間と同等の深さとなってディンプル42内部にガスが入り込んで十分に潤滑油を保持できなく恐れがある。このため、高いシール性を得るためには、ディンプル42の深さは、1μm〜50μmの範囲が好ましい。
(3)スクロール圧縮機構
スクロール圧縮機構3は、図1に示されるように、主に、ハウジング14と、ハウジング14の上方に密着して配置される固定スクロール15と、固定スクロール15に噛合する可動スクロール16とから構成されている。以下、このスクロール圧縮機構3の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
a)ハウジング
ハウジング14は、その外周面において周方向の全体に亘って胴部ケーシング部9に圧入固定されている。つまり、胴部ケーシング部9とハウジング14とは全周に亘って気密状に密着されている。このため、ケーシング2の内部は、ハウジング14下方の高圧空間17とハウジング14上方の低圧空間18とに区画されていることになる。また、このハウジング14には、上端面が固定スクロール15の下端面と密着するように、固定スクロール15がボルト19により締結固定されている。また、このハウジング14には、上面中央に凹設されたハウジング凹部20と、下面中央から下方に延設された上部主軸受21とが形成されている。そして、この上部主軸受21には、上下方向に貫通する軸受孔22が形成されており、この軸受孔22に駆動軸12が軸受メタル23を介して回転自在に嵌入されている。
b)固定スクロール
固定スクロール15は、主に、鏡板15aと、鏡板15aの下面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ15bとから構成されている。鏡板15aには、圧縮室24に連通する吐出通路25と、吐出通路25に連通する拡大凹部26とが形成されている。吐出通路25は、鏡板15aの中央部分において上下方向に延びるように形成されている。拡大凹部26は、鏡板15aの上面に凹設された水平方向に広がる凹部により構成されている。そして、固定スクロール15の上面には、この拡大凹部26を塞ぐように蓋体27がボルト27aにより締結固定されている。そして、拡大凹部26に蓋体27が覆い被せられることによりスクロール圧縮機構3の運転音を消音させる膨張室からなるマフラー空間28が形成されている。固定スクロール15と蓋体27とは、図示しないパッキンを介して密着させることによりシールされている。
c)可動スクロール
可動スクロール16は、図1に示されるように、主に、鏡板16aと、鏡板16aの上面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ16bと、鏡板16aの下面に形成されたピン軸受16cとから構成されている。そして、この可動スクロール16は、溝部にオルダムリング4が嵌め込まれることによりハウジング14に支持される。また、ピン軸受16cには駆動軸12の上端の偏心ピン12bが回転自在に挿入される。可動スクロール16は、このようにスクロール圧縮機構3に組み込まれることによって駆動軸12の回転により自転することなくハウジング14内を公転する。そして、可動スクロール16のラップ16bは固定スクロール15のラップ15bに噛合させられており、両ラップ15b,16bのかみ合い部の間には圧縮室24が形成されている。そして、この圧縮室24では、可動スクロール16の公転に伴い、両ラップ15b,16b間の容積が中心に向かって収縮する。第1実施形態に係る高圧ドーム型圧縮機1では、このようにしてガス冷媒を圧縮するようになっている。
d)その他
また、このスクロール圧縮機構3には、固定スクロール15とハウジング14とを貫通する連絡通路(図示せず)が形成されている。この連絡通路を介して、固定スクロール15上部のマフラー空間28からハウジング14下方の高圧空間17への高圧ガス冷媒の流通が可能になっている。
(4)オルダムリング
オルダムリング4は、上述したように、可動スクロールの自転運動を防止するための部材であって、ハウジング14に形成されるオルダム溝(図示せず)に嵌め込まれている。なお、このオルダム溝は、長円形状の溝であって、ハウジング14において互いに対向する位置に配設されている。
(5)駆動モータ
駆動モータ5は、主に、ケーシング2の内壁面に固定された環状のステータ29と、ステータ29の内側に僅かな隙間(エアギャップ通路)をもって回転自在に収容されたロータ30とから構成されている。
ステータ29には、ティース部に銅線が巻回されており、上方および下方にコイルエンド31が形成されている。また、ステータ29の外周面には、ステータ29の上端面から下端面に亘り且つ周方向に所定間隔をおいて複数個所に切欠形成されているコアカット部が設けられている。そして、このコアカット部により、胴部ケーシング部9とステータ29との間に上下方向に延びるモータ冷却通路32が形成されている。
ロータ30は、上下方向に延びるように胴部ケーシング部9の軸心に配置された駆動軸12を介してスクロール圧縮機構3の可動スクロール16に駆動連結されている。
(6)下部主軸受
下部主軸受6は、駆動モータ5の下方の下部空間に配設されている。この下部主軸受6は、胴部ケーシング部9に固定されるとともに駆動軸12の下端側軸受を構成し、下部主軸受6の軸受部6aにおいて駆動軸12を支持している。
(7)吸入管
吸入管7は、冷媒回路の冷媒をスクロール圧縮機構3に導くためのものであって、ケーシング2の上壁部10に気密状に嵌入されている。吸入管7は、低圧空間18を上下方向に貫通すると共に、内端部が固定スクロール15に嵌入されている。
(8)吐出管
吐出管8は、ケーシング2内の冷媒をケーシング2外に吐出させるためのものであって、ケーシング2の胴部ケーシング部9に気密状に嵌入されている。そして、この吐出管8は、上下方向に延びる円筒形状に形成されハウジング14の下端部に固定される内端部33を有している。
<第1実施形態の特徴>
(1)
第1実施形態の高圧ドーム型圧縮機1では、シール部41は、軸受メタル23に供給された潤滑油をリング溝部43の内部に封止する。シール部41は、駆動軸12の外周面に配置されている。しかも、シール部41は、複数の凹部であるディンプル42を有している。
ここでは、複数のディンプル42を有するシール部41により、駆動軸12と軸受メタル23とが摺動する摺動面44からの下方への油もれがなくなり、軸受メタル23の油シール機能を強化することが可能である。
シール部41の表面に複数のディンプル42を形成することにより、駆動軸12と軸受メタル23との間にシール用の油を確実に保持できるので、油もれを抑えることが可能となるので、油もれを抑えることが可能である。更に駆動軸12側のシール部41と軸受メタル23の内周面との間のすべりはディンプル42でくさび膜を形成することで潤滑性も改善するため、機械損失の低減や、接触による損傷の発生を予防することも可能である。
このような軸受け構造を備えることによって、高圧ドーム型圧縮機1は、油上り抑制と圧縮機の効率向上を両立させることが可能である。
(2)
第1実施形態の高圧ドーム型圧縮機1では、駆動軸12の外周面に、潤滑油を軸受メタル23の内部から排出する廃油経路45が形成されている。廃油経路45の給油穴46は、駆動軸12内部を上下に貫通する給油通路12aに連通している。廃油経路45の出口47は、軸受メタル23に対してシール部41が配置されている接触面44の下側とは反対側の接触面44の上側に開口している。これにより、シール部41が配置された側からの油もれを抑制でき、駆動軸12と軸受メタル23とが摺動する摺動面44の十分な潤滑が可能である。
(3)
第1実施形態の高圧ドーム型圧縮機1では、シール部41は、駆動軸12の外周面において、溝43を挟んで軸受メタル23と摺動する摺動面44aに隣接した位置に配置されている。ここでは、摺動面44とは別に、摺動面44と隣接した位置に複数のディンプル42を有するシール部41を配置しているので、摺動面44(摺動面44a、44bの両方)の寸法を変更することなく、十分な幅のシール部41を確保できるので、高い油洩れ防止効果を奏することが可能である。
(4)
第1実施形態の高圧ドーム型圧縮機1では、駆動軸12が垂直に配置され、シール部41が軸受メタル23における摺動面44より下方(吐出管8に近い方)に配置された構造になっているので、軸受メタル23内部の摺動面44の下方からの油もれをシール部41で効果的に防止できる。
(5)
第1実施形態の高圧ドーム型圧縮機1では、シール部41のディンプル42の深さが、1μm〜50μm(好ましくは、3μm〜50μm、とくに好ましくは5μm〜50μm)である。1μmよりも小さければ、軸受面の粗さとあまり変わらないため、ディンプル42内部に十分に潤滑油を保持することができなくなるのでシール性の確保が難しくなり、一方、50μmを超えると軸受隙間と同等の深さとなってディンプル42内部にガスが入り込んで十分に潤滑油を保持できなくなる恐れがある。このため、高いシール性を得るためには、ディンプル42の深さは、1μm〜50μmの範囲に設定されている。
(6)
第1実施形態の高圧ドーム型圧縮機1では、ディンプル42が形成されたシール部41を有する軸受け構造を備えているので、機械損失を抑えることができ、圧縮機の効率を大幅に向上させることが可能である。
(7)
第1実施形態の高圧ドーム型圧縮機1では、ディンプル42が形成されたシール部41を有する軸受け構造を、密閉したケーシング2内部に収納しているので、軸受メタル23から洩れた潤滑油が冷媒ガスとともに吐出管8からケーシング2外部へ排出するのを防止し、油上がりによる不具合、たとえば性能の低下や油切れによる圧縮機損傷などを解消することが可能である。
<第1実施形態の変形例>
(A)
第1実施形態では、駆動軸12の側にディンプル42を有するシール部41が形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、軸受メタル23の内周面にディンプル42を形成して、シール部41を形成してもよい。この場合も、機械損失を抑制しながら上述のディンプルによる油洩れ抑制効果を奏することが可能である。
いいかえれば、ディンプル42を有するシール部41を、駆動軸12の外周面および/または駆動軸12受部の内周面に配置していれば、機械損失を抑制しながら上述のディンプルによる油洩れ抑制効果を奏することが可能である。
(B)
なお、第1実施形態では、駆動軸12の側に廃油経路45が形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、軸受メタル23内周面に廃油通路45を設けてもよい。この場合も、廃油経路を設けてもシール部が配置された側からの油もれを防止でき、接触部分の十分な潤滑が可能である。
(C)
第1実施形態では、シール部41が溝43を挟んで接触面44と隣接して配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の変形例として、図3に示されるように、シール部41が駆動軸12の接触面44aと一体に形成されているようにしてもよい。
この場合も、機械損失を抑制しながら上述のディンプルによる油洩れ抑制効果を奏することが可能である。しかも、シール部41と接触面44aとが一体形成されているので、製造コストの低減および圧縮機の小型化が可能になる。
(D)
なお、本発明のシール部41に設けられたディンプル42は、円形の凹部だけでなく、種々の形状の凹部、例えば、長円形や正方形等の凹部であっても機械損失を抑制しながら上述のディンプルによる油洩れ抑制効果を奏することが可能である。
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、すべり軸受を採用した圧縮機を例にあげて説明している、本発明はこれに限定するものではなく、転がり軸受を採用した圧縮機についても、本発明のディンプルを有するシール部を備えた軸受け構造を備えることにより、機械損失を抑制しながら上述のディンプルによる油洩れ抑制効果を奏することが可能である。
図4の転がり軸受けを備えた高圧ドーム型圧縮機51では、転がり軸受52を備えている。転がり軸受52は、駆動軸12の外周面に嵌合した内側リング53と、上部主軸受21の軸受孔22の内周面に嵌合された外側リング54と、内側リング53を外側リング54内部で回転自在に支持する複数のローラ55とを有している。
この高圧ドーム型圧縮機51では、転がり軸受52に供給された潤滑油を転がり軸受52の内部に封止するシール部56が、駆動軸12の外周面に配置されている。しかも、シール部56は、複数の凹部であるディンプル57を有している。なお、その他の構成については、第1実施形態の高圧ドーム型圧縮機51と共通している。
<第2実施形態の特徴>
(1)
第2実施形態の高圧ドーム型圧縮機51では、複数のディンプル57を有するシール部56により、転がり軸受52における油シール機能を強化することが可能である。
また、ディンプル57を有するシール部56は、摺動する上部主軸受21の内周面との間では摺動損失を抑えることが可能であり、圧縮機の機械的損失を低減でき、その結果、圧縮機の効率を向上させることが可能である。
(2)
第2実施形態の高圧ドーム型圧縮機51では、シール部56は、駆動軸12の外周面において、転がり軸受52に隣接した位置に配置されているので、転がり軸受52の寸法を変更することなく、十分な幅のシール部56を確保できるので、高い油洩れ防止効果を奏することが可能である。
(3)
第2実施形態の高圧ドーム型圧縮機51では、駆動軸12が垂直に配置され、シール部56が転がり軸受52より下方に配置された構造になっているので、転がり軸受52の下方からの油もれをシール部56で効果的に防止できる。
(4)
第2実施形態の高圧ドーム型圧縮機51では、シール部56のディンプル57の深さが、1μm〜50μm(好ましくは、3μm〜50μm、とくに好ましくは5μm〜50μm)である。1μmよりも小さければ、軸受面の粗さとあまり変わらないため、ディンプル57内部に十分に潤滑油を保持できなくなるのでシール性の確保が難しくなり、一方、50μmを超えると軸受隙間と同等の深さとなってディンプル57内部にガスが入り込んで十分に潤滑油を保持できなくなる恐れがある。このため、高いシール性を得るためには、ディンプル57の深さは、1μm〜50μmの範囲に設定されている。
(5)
第2実施形態の高圧ドーム型圧縮機51では、ディンプル57が形成されたシール部56を有する軸受け構造を備えているので、機械損失を抑えることができ、圧縮機の効率を大幅に向上させることが可能である。
(6)
第2実施形態の高圧ドーム型圧縮機51では、ディンプル57が形成されたシール部56を有する軸受け構造を、密閉したケーシング2内部に収納しているので、軸受メタル23から洩れた潤滑油が冷媒ガスとともに吐出管8からケーシング2外部へ排出するのを防止し、油上がりによる不具合、たとえば性能の低下や油切れによる圧縮機損傷などを解消することが可能である。
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態では、シール部56が駆動軸12の外周面に配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ディンプル57を有するシール部56を、駆動軸12の外周面および/または上部主軸受21の内周面に配置していれば、機械損失を抑制しながら上述のディンプルによる油洩れ抑制効果を奏することが可能である。
本発明は、軸受部に供給された潤滑油を軸受部に封止するシール部を備える軸受構造、およびその軸受構造を備えた回転機械であれば種々適用することが可能である。とくに、本発明の軸受け構造を圧縮機に適用すれば、機械損失を抑制しながら軸受部からの油もれを抑制できる。
本発明の第1実施形態に係わるすべり軸受を採用した軸受け構造を備えた圧縮機の構成図。 図1の駆動軸におけるシール部周辺の拡大図。 本発明の第1実施形態の変形例に係わるシール部周辺の拡大図。 本発明の第2実施形態に係わる転がり軸受を採用した軸受け構造を備えた圧縮機の構成図。
符号の説明
1、51 高圧ドーム型圧縮機
2 ケーシング
3 スクロール圧縮機構
12 駆動軸
21 上部主軸受
23 軸受メタル
41、56 シール部
42、57 ディンプル(凹部)
43 溝
44 摺動面
44a 駆動軸側の摺動面
44b 軸受メタル側の接触面
45 廃油経路

Claims (8)

  1. 軸(12)と、
    前記軸(12)を回転自在に支持する軸受部(23、52)と、
    前記軸受部(23、52)に供給された潤滑油を前記軸受部(23、52)の内部に封止するシール部(41、56)と
    を備える軸受構造であって、
    前記シール部(41、56)は、前記軸(12)の外周面および/または前記軸受部(23、52)の内周面に配置され、
    前記シール部(41、56)は、複数の凹部を有している、
    軸受け構造。
  2. 前記軸(12)の外周面または前記軸受部(23)の内周面には、前記潤滑油を前記軸受部(23)内から排出する廃油経路(45)が形成され、
    前記廃油経路(45)の出口は、前記軸受部(23)に対して前記シール部(41)が配置されている側とは反対側に開口している、
    請求項1に記載の軸受け構造。
  3. 前記シール部(41、56)は、前記軸受部(23、52)に隣接した位置に配置されている、
    請求項1または2に記載の軸受け構造。
  4. 前記シール部(41)は、前記軸(12)と前記軸受部(23)とが接触する接触面(44)と一体に形成されている、
    請求項1または2のいずれかに記載の軸受け構造。
  5. 前記シール部(41、56)は、前記軸受部(23、52)より吐出管(8)に近い方に配置されている、
    請求項1から4のいずれかに記載の軸受け構造。
  6. 前記凹部(42、57)の深さは、1μm〜50μmである、
    請求項1から5のいずれかに記載の軸受け構造。
  7. 請求項1から6に記載の軸受け構造を備えた圧縮機(1、51)。
  8. 前記軸受け構造を、密閉したケーシング(2)の内部に収納している、
    請求項7に記載の圧縮機(1、51)。
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