JP7211810B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明はスクロール圧縮機に関し、特に冷凍用や空調用などの冷凍サイクルに使用される冷媒圧縮機として好適なものである。
スクロール圧縮機には、高温の吐出ガスによって圧縮機が加熱されるのを抑制するため、吐出パイプを密閉容器の上部に設けた上吐出構造を採用したものがある。この上吐出構造のスクロール圧縮機は、固定スクロール上部の吐出室に吐出されたガスを、この吐出室から直接、前記吐出パイプを介して冷凍サイクルに吐出するものである。このような上吐出構造を採用することにより、固定スクロールから吐出された高温のガスが密閉容器などに接触する時間を短くできる。従って、圧縮機が加熱されるのを抑制して加熱損失を低減し、圧縮機の効率向上を図ることができる。
このようなスクロール圧縮機においては、加熱損失を低減しつつ、固定スクロールから吐出される冷媒に含まれるミスト状の油を分離し、オイルレート(油上り)を低減することも求められる。
この種のスクロール圧縮機としては、特開2017-72052号公報(特許文献1)に記載されたものなどがある。この特許文献1のものでは、固定スクロールの上部を覆うように吐出カバー(吐出板)を設け、固定スクロールの吐出口から吐出されたミスト油混じりの吐出ガス(吐出冷媒)が前記吐出カバーと衝突することで、吐出ガス中の一部のミスト油が液膜化し、ガス冷媒から分離される。また、吐出カバーの周縁から吐出されたミスト油混じりの吐出ガスが密閉容器(チャンバ円筒部)の内壁面に衝突することでも、油を分離し、油分離後のガスが密閉容器上部に設けた吐出パイプから吐出されるように構成されている。
特開2017-72052号公報
特許文献1に記載されているような、従来の上吐出構造のスクロール圧縮機では、固定スクロールから吐出された吐出ガスは、吐出カバーに衝突し、さらに密閉容器の円筒部に再度衝突しつつ旋回流を形成することにより、ミスト油を吐出冷媒から分離させている。
しかし、固定スクロールから吐出された高温の吐出ガスを、吐出カバーに衝突させ、更に密閉容器の円筒部に衝突させて吐出ガス中のミスト油を分離する構成としているため、高温の吐出ガスは熱伝達率の高い衝突流を2か所で形成することになる。このため、高温の吐出ガスが衝突する部材は高温に加熱されやすく、その熱がさらに固定スクロール等を経由して圧縮ガスを加熱することで加熱損失の増大を招き、圧縮機の効率を低下させる課題がある。
また、上記特許文献1のものでは、吐出ガスの流れを密閉容器の円筒部まで導いて衝突させるため、吐出カバーは固定スクロール上面の大半を覆う形状に構成する必要がある。このため、吐出カバー内において、吐出ガスが固定スクロール上面を這って流れることになり、固定スクロールへの伝熱を更に増加させ、圧縮機の効率を更に低下させていた。
本発明の目的は、固定スクロールから吐出される高温の吐出ガスから固定スクロールへの伝熱を低減して、圧縮機の効率を向上しつつ、吐出ガスに含まれるミスト油を効率良く分離することのできるスクロール圧縮機を得ることにある。
上記課題を解決するために、本発明は、密閉容器と、固定台板、該固定台板の鏡板面側に立設された渦巻き状の固定側ラップ及び前記固定台板の中央側に設けられた吐出口を有する固定スクロールと、旋回台板及び該旋回台板の一面に立設された渦巻き状の旋回側ラップを有する旋回スクロールと、前記固定スクロールと前記旋回スクロールが互いに噛み合って形成される圧縮室と、前記固定スクロールの固定台板と前記密閉容器との間に形成された吐出室とを備えるスクロール圧縮機において、前記固定スクロールの前記吐出口を覆うように前記吐出口に対向して吐出カバーが設けられ、前記吐出カバーは、前記吐出口の周囲に設けられた傾斜面及びこの傾斜面の反固定台板側に接続され前記吐出口からの吐出冷媒が衝突する衝突面を有する凸部と、前記傾斜面の固定台板側に接続された鍔部と、前記鍔部の少なくとも一部から固定台板側に突出して前記固定台板に接地して固定される接地部と、前記鍔部と前記固定台板との間に形成された開口部と、を備え、前記凸部における前記傾斜面と前記衝突面との接続部を形成している線を境界線とし、この境界線上の点をP、前記吐出口からの吐出冷媒が衝突する前記衝突面の衝突中心をO、前記境界線上に定めた所定の位置を固定点Qとし、前記境界線上の点Pと前記衝突中心Oを結ぶ直線をOPとしたとき、前記境界線は、前記境界線上の点Pが境界線上に沿って固定点Qに近づくにつれて前記直線OPの長さが単調に増加する区間を有し、その区間は前記固定点Qを挟んで両側にそれぞれ少なくとも1ヶ所以上存在することを特徴とする。
本発明の他の特徴は、密閉容器と、固定台板、該固定台板の鏡板面側に立設された渦巻き状の固定側ラップ及び前記固定台板の中央側に設けられた吐出口を有する固定スクロールと、旋回台板及び該旋回台板の一面に立設された渦巻き状の旋回側ラップを有する旋回スクロールと、前記固定スクロールと前記旋回スクロールが互いに噛み合って形成される圧縮室と、前記固定スクロールの固定台板と前記密閉容器との間に形成された吐出室とを備えるスクロール圧縮機において、前記固定スクロールの前記吐出口の上方を覆うように吐出カバーが設けられ、前記吐出カバーは、前記吐出口の周囲に設けられた傾斜面及びこの傾斜面の上部に接続され前記吐出口からの吐出冷媒が衝突する衝突面を有する凸部と、前記傾斜面の下部に接続された鍔部と、前記鍔部の少なくとも一部から下方に突出して前記固定台板に接地して固定される接地部と、前記鍔部の下面と前記固定台板との間に形成された開口部と、を備え、前記凸部における前記傾斜面と前記衝突面との接続部を形成している線を境界線とし、この境界線上の点をP、前記吐出口からの吐出冷媒が衝突する前記衝突面の衝突中心をO、前記境界線上に定めた所定の位置を固定点Qとし、前記境界線上の点Pと前記衝突中心Oを結ぶ直線をOPとしたとき、前記境界線は、前記境界線上の点Pが境界線上に沿って固定点Qに近づくにつれて前記直線OPの長さが単調に増加する区間を有し、その区間は前記固定点Qを挟んで両側にそれぞれ少なくとも1ヶ所以上存在することにある。
本発明によれば、固定スクロールから吐出される高温の吐出ガスから固定スクロールへの伝熱を低減して、圧縮機の効率を向上しつつ、吐出ガスに含まれるミスト油を効率良く分離することのできるスクロール圧縮機を得ることができる効果が得られる。
本発明のスクロール圧縮機の実施例1を示す縦断面図。 図1に示す吐出カバーの拡大斜視図。 図2のA-A線矢視図で、ガスと油の流れを説明する図。 図1における固定スクロールの部分を上方からみた平面図。 吐出カバーの凸部における油の流れを説明する説明図。 図1に示す吐出カバー周辺の部分拡大断面図で、油の流れを説明する図。 本発明のスクロール圧縮機の実施例2における吐出カバーの縦断面図。 本発明のスクロール圧縮機の実施例3における吐出カバー周辺の部分拡大断面図。
以下、本発明のスクロール圧縮機の具体的実施例を、図面を用いて説明する。各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
本発明のスクロール圧縮機の実施例1を、図1~図6を用いて説明する。
まず、図1を用いて本実施例1のスクロール圧縮機の全体構成を説明する。図1は本発明の実施例1を示すスクロール圧縮機の縦断面図である。
スクロール圧縮機1は、固定スクロール5及び旋回スクロール6を備える圧縮機構部3と、この圧縮機構部3を駆動する電動機部4と、前記圧縮機構部3及び前記電動機部4を収容する密閉容器2等により構成されている。前記密閉容器2内の上部には前記圧縮機構部3が、下部には前記電動機部4が配置され、密閉容器2の底部には潤滑油(以下、油ともいう)を貯留する油溜り部13が形成されている。
前記密閉容器2は、中央の円筒状のケース2a、このケース2aの上部を塞ぐ蓋チャンバ2b、前記ケース2aの底部を塞ぐ底チャンバ2cから構成され、前記蓋チャンバ2bと前記底チャンバ2cは、それぞれ前記ケース2aに溶接されている。また、前記蓋チャンバ2bには吸込パイプ10が設けられ、この吸込パイプ10は固定スクロールに同軸に設けられた吸込ポート5aに接続されている。
前記密閉容器2の上部には、固定スクロール5と該密閉容器2とで形成される吐出室(固定スクロール上部空間)2dが形成されている。本実施例では、前記蓋チャンバ2bに、前記吐出室2dと直接連通するように吐出パイプ18も設けられている。前記圧縮機構部3で圧縮されて固定スクロール5の吐出口5bから吐出された吐出ガス(以下、吐出冷媒ともいう)は、前記吐出パイプ18を介して密閉容器2外の冷凍サイクルに送り出される。
前記固定スクロール5は、固定台板5dの鏡板面5e側に渦巻状のラップ5cが立設されている。前記旋回スクロール6は、旋回台板6bの鏡板面6e側に渦巻状のラップ6aが立設されている。9は前記密閉容器2に固定されたフレームで、このフレーム9には前記固定スクロール5がボルト8で一体化されている。また、前記フレーム9には、前記旋回スクロール6がオルダムリング12を介して、前記固定スクロール5に対し旋回運動できるように支持されている。前記圧縮機構部3は、前記固定スクロール5、前記旋回スクロール6及び前記フレーム9等により構成されている。
また、前記フレーム9には、前記旋回スクロール6を駆動するためのクランク軸7の主軸部7aを回転自在に支持する主軸受9aが設けられている。前記クランク軸7の上端部側には偏心部7bが設けられ、この偏心部7bは前記旋回スクロール6の背面側(下面側)に設けられた旋回ボス部6cに設けられた旋回軸受6dに挿入されて旋回スクロール6に連結されている。
旋回スクロール6の背面側とフレーム9の間には、前記オルダムリング12が配設されており、このオルダムリング12は、前記旋回スクロール6の背面側に形成されているキー溝(図示せず)と前記フレーム9に形成されているキー溝(図示せず)に係合している。オルダムリング12は、旋回スクロール6を自転することなく、クランク軸7の偏心部7bの偏心回転を受けて公転運動(旋回運動)をさせる働きをする。
前記電動機部4は、固定子4a及び回転子4bを備えている。前記固定子4aは密閉容器2に圧入や溶接などにより固定されている。前記回転子4bは固定子4a内に回転可能に配置され、この回転子4bには前記クランク軸7が一体で回転するように固定されている。
前記クランク軸7の主軸部7aの上部はフレーム9に設けた前記主軸受9aにより支持され、前記クランク軸7の下部は下フレーム16に設けられた下軸受17により支持されている。前記クランク軸7が電動機部4によって回転されると、クランク軸7の偏心部7bは主軸部7aに対して偏心回転運動し、旋回スクロール6を旋回運動させる。
前記クランク軸7には、軸方向に貫通する給油通路7cが形成されており、前記下フレーム16に設けられた給油パイプ19を介して前記給油通路7cに供給された油を、前記主軸受9a、下軸受17及び旋回軸受6d等へ給油するように構成されている。
即ち、旋回スクロール6の背面とフレーム9との間には、吐出圧力と吸込圧力との間の圧力(以下、中間圧力ともいう)となる背圧室15が形成されており、密閉容器2下部の前記油溜り部13は前記吐出室2dと連通して、ほぼ吐出圧力の雰囲気となっている。前記給油通路7cは、前記背圧室15側と油溜り部13に連通しており、吐出圧力と中間圧力との差圧により、前記油溜り部13の油は各軸受部や各摺動部に供給されるように構成されている。
なお、本実施例では、差圧を利用して油溜り部13の油を各軸受部等に供給する差圧給油方式としているが、前記クランク軸7の下端部に給油ポンプを設けて油溜り部13の油を供給するように構成しても良い。
電動機部4の駆動によりクランク軸7が回転すると、旋回スクロール6が旋回運動し、冷媒ガスが吸込パイプ10から吸い込まれ、固定スクロール5に形成されている吸込ポート5aを経て、旋回スクロール6と固定スクロール5により形成される圧縮室11に導かれる。圧縮室11に取り込まれた冷媒ガスは、固定スクロール5の中心方向に移動するに従い容積が縮小して圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、固定スクロール5の略中央に設けられた吐出口5bから、その上方の吐出室2dに吐出される。
前記油溜り部13の油は、差圧または給油ポンプ等により、給油通路7cを介して上方へ汲み上げられ、一部の油は前記副軸受17に供給される。また、給油通路7cを流れる大部分の油は主軸受9aや旋回軸受6cに供給され、これらの軸受を潤滑した後の油は背圧室16へ流入し、前記オルダムリング12等の摺動部を潤滑する。また、背圧室内の油は、その後圧縮室11へと給油され、渦巻き状のラップ5c,6a間をシールしつつ、潤滑する。この油は、圧縮室11内において冷媒ガスと混合され、吐出口5bから吐出室2dに一緒に吐出される。
本実施例では、吐出パイプ18が密閉容器2上部に設けられ、固定スクロール5上部の吐出室2dに直接連通された上吐出構造を採用している。このため、油が混合された冷媒ガスが、そのまま吐出パイプ18から密閉容器2外部の冷凍サイクルに流出すると、圧縮機内の油溜り部13の油が減少し、主軸受9aや旋回軸受6dなどの摺動部を潤滑することができなくなる。最悪の場合、前記摺動部が焼き付くなど、圧縮機の信頼性を大きく損なうことになる。
そのため、吐出口5bから吐出された油を含む冷媒ガスから油を十分に分離した後、吐出パイプ18から油が分離された冷媒ガスを流出させることにより、油の圧縮機外への流出を抑制する必要がある。そこで、本実施例では、前記固定スクロール5の吐出口5bの上方に、以下説明する吐出カバー30を設けているものである。なお、図1において、30dは前記吐出カバー30に形成された開口部、20は前記吸込ポート5aに設けられ、前記圧縮室11側からの冷媒が吸込側に逆流するのを防止する逆止弁である。
次に、図1に示す吐出カバー30の構造を、図2及び図3を用いて詳細に説明する。図2は図1に示す吐出カバーの拡大斜視図、図3は図2のA-A線矢視図で、ガスと油の流れを説明する図である。
吐出カバー30は、図1に示すように、吐出口5bを覆うように前記吐出口5bに対向して固定スクロール5の固定台板5dにボルトなどにより取り付けられている。
この吐出カバー30は、上記図1と、図2及び図3に示すように、傾斜面30aaと衝突面(天井面)30abを有する凸部30aを備えている。前記傾斜面30aaは前記吐出口5bの上方の周囲に、吐出口5bを取り囲むように円形に配設されている。また、前記衝突面30abは前記吐出口5bからの吐出冷媒が衝突する円板形状の部材で構成され、前記傾斜面30aaの上部(反固定台板側)を塞ぎ且つ前記傾斜面30aaに囲われるように一方向に突出した構成となっている。
また、前記吐出カバー30は、前記傾斜面30aaの下部(固定台板側)の外周側に全周に渡って接続された平板状の鍔部30bを備えている。更に、前記吐出カバー30は、前記鍔部30bの少なくとも一部から前記衝突面30abとは逆方向となる下方に突出して、前記固定台板5dに接地され、ボルト等で固定される接地部30cを備えている。また、前記鍔部30bの下面と前記固定台板5dとにより周方向に延びる開口部30dが形成されている。この開口部30dを介して、前記吐出口5bと前記吐出室(固定スクロール上部空間)2dは連通している。
前記接地部30cは、吐出カバー30を固定スクロール5の固定台板5dに取り付けると共に、前記鍔部30bと固定台板5dとの間に前記開口部30dを形成する役割を果たしている。また、前記接地部30cは、図2に示すように略立方体形状に形成され、前記固定台板5dに接する接地面30caと、この接地面30caの周方向両側に形成された側面30cbと、前記接地部30cの背面側に設けた背面30ccを備えている。前記背面30ccも前記傾斜面30aaと同方向に傾斜している。
本実施例では、図3に示すように、また図4、図5を用いて後述するように、円形に形成されている前記吐出カバー30の凸部30aの中心を、前記吐出口5bの位置に対して偏心させて、前記吐出カバー30を固定台板5d上に設置している。これにより、吐出冷媒に含まれるミスト状の油が、前記衝突面30abに衝突後、油膜21となって、前記衝突面30ab及び前記傾斜面30aaに沿って前記接地部30c側に流れるように構成している。
この構成により、前記吐出口5bから吐出された吐出冷媒(吐出ガス)から分離された油は、点線矢印で示すように、吐出カバー30の前記衝突面30abや前記傾斜面30aaを伝わって接地部30cに到達すると、接地部30cにおける背面30ccや側面30cbの外面(開口部30d側)を伝わって、固定台板5dに流出させることができる。
一方、前記吐出口5bから吐出され、吐出カバー30により油を分離された冷媒ガスは、白抜き矢印で示すように、吐出カバー30の周方向に形成されている前記開口部30dから前記吐出室2dに流出する。吐出室2dに流出した冷媒ガスは吐出パイプ18から冷凍サイクルに送り出される。
本実施例によれば、吐出カバー30で分離した油を効率良く固定台板5dの外周面側に導き、密閉容器2下部の油溜り部13に戻すことができるので、スクロール圧縮機1から冷凍サイクルに放出される油の量(オイルレート)を低減することができる。
即ち、図3に示すように、吐出口5bから吐出されたミスト油を含む吐出冷媒は凸部30aの衝突面30abに衝突することで、ミスト油は冷媒ガスから分離されて油膜21となり、点線矢印で示すように、衝突面30abに沿って流れ、その後傾斜面30aaに到達すると、傾斜面30aaに沿って接地部30c側に流れる。接地部30cに到達した油は、接地部30cにおける背面30ccや側面30cbを伝わって、固定スクロール5の固定台板5d上の外周側に流出する。従って、白抜き矢印で示す冷媒ガスから効率良く油は分離され、分離された油が吐出口5b側に流れることを抑制して油の再飛散を防止できる。
以下、本実施例における吐出カバーの構成を図4、図5を用いて詳細に説明する。図4は図1における固定スクロールの部分を上方からみた平面図、図5は吐出カバーの凸部における油の流れを説明する説明図である。
図4に示すように、吐出カバー30は、凸部30aが吐出口5bを内部に含み、且つ前記凸部30aの中心Cと前記吐出口5bの中心(衝突中心O)を一致させず、吐出口5bの位置に対し凸部30aの中心Cが接地部30c側に偏心して配置されている。
従って、吐出口5bから吐出されたミスト状の油を含む吐出冷媒は、凸部30aの衝突面30に衝突し、ミスト状の油は凸部30aの内表面に沿うように油膜化して、矢印で示すように、接地部30cの両側面を伝わり、吐出カバー30から固定台板5dの外周側に流出する。その後、油は固定スクロール5外周面と密閉容器2内面で形成されている連通溝(切り欠き部)22から、図1に示す電動機部4側に流出し、更に密閉容器2下部の油溜り部13に戻される。
なお、図4に示す23はスクロール圧縮機1の脚部である。
吐出カバー30への衝突後の油膜(油)の流れを、図5を用いて説明する。この図5において、30acは、前記吐出カバー30の凸部30aにおける前記傾斜面30aaと前記衝突面30abとの接続部を形成している境界線であり、本実施例では前記衝突面30abを円形に構成し、前記境界線30acも円形になるように構成している。Cは前記凸部30aの中心、Oは吐出口5bからの吐出冷媒の衝突中心である。また、P及びP’は前記境界線30ac上の点、Qは前記境界線30ac上に定めた所定の位置である固定点である。
本実施例では、吐出口5bの中心位置に対し凸部30aの中心Cを偏心させているので、前記衝突中心Oに対し、凸部30aの中心Cも図5に示すように偏心している。また、本実施例では、前記固定点Qを、前記凸部30aの中心Cに対して前記衝突中心Oの正反対側設けており、この固定点Q近傍に前記接地部30cの少なくとも一つを設けている。即ち、少なくとも一つの接地部30cが前記凸部30aの中心Cに対して、前記衝突中心Oの反対側設けられている。
前記衝突面30abと前記傾斜面30aaとの境界線30ac上のある点Pに対して、吐出カバー30に衝突して油膜化した潤滑油の一部が、点Oから放射線状に広がって点Pに衝突する場合を考える。このとき、円弧αを、点Oを中心とし、点Pを通る円弧とすると、点Oから点Pへ直線状に向かう油膜流れは、円弧αとは垂直に交わる。更に、点Pから境界線30acに沿って微小に移動した点P’を考え、直線OPよりも直線OP’の方が長くなると仮定すると、点P’は円弧αの外側に位置することになる。従って、衝突中心Oから点Pに直線状に向かう油膜流れは、点Pにおいて境界線30acと斜めに交わり、点Pにおいて傾斜面30aaと衝突した油膜流れは、点Pから点P’へ向かう方向により多く流れるように分岐し、その後境界線30acに沿って流れる。
以上説明した原理を利用して、前記境界線30ac上に定めた所定の位置を固定点Qとし、前記境界線30ac上の少なくとも一部分において、点Pが境界線30acに沿って固定点Qに向かって移動したとき、直線OPの長さが単調に増加するように構成する。また、前記直線OPの長さが単調に増加する部分が前記固定点Qを挟んでその両側の前記境界線30ac上に形成されるように、前記凸部30aを形成することにより、衝突中心Oから放射線状に広がる油の流れが傾斜面30aaに衝突すると、油を該傾斜面30aaに沿って固定点Q側に集まるように流すことができる。
本実施例のように、境界線30acを、その中心(凸部30aの中心C)が衝突中心Oと一致せずに偏心した円形(円)とすることにより、前記直線OPの長さが単調に増加する部分が前記固定点Qを挟んでその両側の前記境界線30ac上に形成されるように、前記凸部30aを形成することができる。また、本実施例によれば、前記凸部30aを単純な形状として容易に製造することができるので、油の流れを一方向(固定点Qの方向)に誘導可能な吐出カバー30を安価に実現できる。
図6は図1に示す吐出カバー周辺の部分拡大断面図で、この図6を用いて油の流れを説明する。
吐出口5bから吐出された冷媒ガスと潤滑油は、凸部30aに衝突し、潤滑油は油膜化して上述した原理により、矢印で示すように、吐出カバー30の凸部30a内面に沿って接地部30c方向(固定点Q方向)に流れ、更に接地部30cの背面30ccや側面30cb(図2参照)を伝わって固定台板5d上の外周側に流出する。この潤滑油は、固定スクロール5の外周面と密閉容器2内面との間に形成されている連通溝22(図4参照)を通って圧縮機底部の油溜り部13(図1参照)に溜まる。
以上説明した本実施例1によれば、吐出カバー30に吐出冷媒が一度衝突するだけで、ミスト状の油を冷媒ガスから効率良く分離して吐出カバー30の外周側に流出させることができる。従って、分離した油が吐出冷媒に再混合するのを防止できるから、冷媒ガスと共に冷凍サイクルに流出する油の量(オイルレート)を低減できる。また、高温の吐出冷媒の衝突回数を少なくできるから、高温の吐出冷媒から固定スクロールへ伝達される熱量を低減でき、加熱損失の少ないスクロール圧縮機を実現できる。
このように、本実施例によれば、固定スクロール5から吐出される高温の吐出ガスから固定スクロール5への伝熱を低減して、圧縮機の効率を向上しつつ、吐出ガスに含まれるミスト油を効率良く分離することのできるスクロール圧縮機を得ることができる効果が得られる。また、本実施例によれば、吐出カバー30は、吐出口5bを覆う程度の大きさがあれば良いので、吐出カバー30を小径化(小型化)することができる。このため、吐出ガスが固定スクロール上面を這って流れる長さを短くして伝熱損失を低減でき、且つ吐出カバー30の製造コストも低減できる。
なお、上述した実施例1では、図5に示したように、前記境界線30acが円形になるような吐出カバー30とする例を説明したが、本発明は前記境界線30acが円形になるものには限定されない。
即ち、前記境界線30ac上の点Pと前記衝突中心Oを結ぶ直線をOPとしたとき、前記境界線は、前記境界線上の点Pが境界線上に沿って固定点Qに近づくにつれて前記直線OPの長さが単調に増加する区間を有し、その区間は前記固定点Qを挟んで両側にそれぞれ少なくとも1ヶ所以上存在するように構成すれば良い。従って、この条件を満たせば、前記境界線30acは円形に限らず、例えば伸開線(インボリュート曲線)、放物線、楕円形などの曲線でも良い。また、前記境界線30acにおける前記直線OPの長さが単調に増加する区間は前記固定点Qを挟んで両側に存在すれば良く、前記境界線30acの全範囲に亘って前記直線OPの長さが単調に増加する区間とする必要はない。
また、本実施例では、吐出カバー30の凸部30aを円形とし、この凸部30aの中心Cを、前記吐出口5bの位置に対して偏心させて、前記吐出カバー30を前記固定台板5d上に設置している。更に、前記凸部30aにおける前記傾斜面30aaと前記衝突面3
0abとの接続部を形成している境界線30acも円形とし、前記接地部30cは前記凸部30aの中心Cに対して、前記衝突中心Oの反対側に設ける構成としている。しかし、この構成には限られず、例えば、前段落で述べた「前記境界線30acにおける前記直線OPの長さが単調に増加する区間」以外の境界線30acの形状を変更することにより、前段落の構成要件を満たしつつ、凸部30aの(幾何)中心を移動させることができることから、特に凸部30aの中心Cを衝突中心Oと一致させることも可能である。従って、凸部30aの中心Cを、前記吐出口5bの位置に対して偏心させるものに限定されるものではない。
また、前記境界線30acは円形などの滑らかに変化する曲線に限られず、階段状の線のように、前記直線OPの長さが段階的に単調に増加する線であっても良い。
本実施例では、前記接地部30cを、図2や図4に示すように、2個設けているが、吐出カバー30を確実に固定できれば1個でも良く、更に3個以上としても良い。
更に、本実施例では、前記吐出室2dに吐出された冷媒を前記密閉容器2外へ供給する吐出パイプ18を、前記吐出室に直接連通するように蓋チャンバ2bに設ける例を説明したが、本発明はこのような態様に限られず、密閉容器2のケース2aに吐出パイプ18を設けるものにも同様に適用できるものである。その場合、油は吐出カバー30によって接地部30c側に集められるため、特にケース2aの中心軸に関して接地部30cと反対側に吐出パイプ18の開口部を位置させることにより、オイルレートを低減することができる。
本発明の実施例2を、図7を用いて説明する。
図7は、実施例2における吐出カバーの縦断面図である。本実施例は、凸部30aを一つの球面形状で構成したものである。従って、球面形状の上部が上記実施例1における衝突面30abに相当し、球面形状の下部(外周側)が実施例1の傾斜面30aaに相当する。
なお、本実施例では、前記衝突面3abと前記傾斜面3aaを一つの球面で構成しているため、実施例1におけるような境界線30acは明確には存在しない。しかし、境界線30acの位置が明確に存在しなくても、境界線30acの位置は任意に定めることができるから、実施例1と同様の原理により、衝突面30abに衝突して分離された油を接地部30c側に導くことができる。
即ち、本実施例でも、衝突中心Oに対し、凸部30aの中心Cは偏心しており、凸部30aを構成している衝突面30ab及び傾斜面30aaの全体を一つの球面形状で構成することにより、実施例1と同様の作用が得られる。即ち、球面形状の衝突面30abに衝突して分離された油を、同一の球面形状に形成されている傾斜面30aaを介して接地部30c側に導くことができる。また、衝突面30abが球面形状に形成されることにより、図7の矢印で示すように、油の流れを周方向だけでなく、上方向にも導く力が作用するので、実施例1のものよりも、油を接地部30c側に導く作用を更に増加することができる。
即ち、球面形状に構成された凸部30aに対して、吐出口5bからの吐出冷媒が偏心して衝突すると、凸部30aへの衝突点において冷媒及び潤滑油流れは吐出カバー30の凸部30aに対し斜めに衝突し、冷媒ガス中のミスト状の潤滑油は油膜化して、凸部30aの中心方向への油膜流れが形成される。更に、その延長上に接地部30cを設け、接地部30cを固定スクロール5上にボルト等で締結すれば、凸部30aによって分離され、油膜となった油は、吐出カバー30の内面に沿って流れ、接地部30cの背面30ccや側面30cbに到達する。この接地部30cに到達した油は、更に固定スクロール5の固定台板5d(図6参照)の外周面側に流出される。
他の構成は上述した実施例1と同様である。従って、本実施例2においても実施例1と同様の効果が得られ、固定スクロール5から吐出される高温の吐出ガスから固定スクロール5への伝熱を低減して、圧縮機の効率を向上しつつ、吐出ガスに含まれるミスト油を効率良く分離することのできるスクロール圧縮機が得られる。
なお、本実施例2では、凸部30a全体を一つの球面形状で構成する例を説明したが、凸部30aを構成する衝突面30abと傾斜面30aaを異なる球面形状で構成したり、或いは衝突面30abのみ球面とし、傾斜面30aaについては実施例1と同様に、周方向には円形で、上下方向には直線状の傾斜面としても良い。
本発明の実施例3を、図8を用いて説明する。図8は本発明のスクロール圧縮機の実施例3における吐出カバー周辺の部分拡大断面図である。
本実施例3は、図8に示すように、固定スクロール5の固定台板5dの吐出室側(上面側)で且つ外周側に、吐出カバー30内で分離された油を前記固定スクロール5の外周部まで導く油排出溝5gを形成したものである。即ち、前記固定台板5dの吐出室側の外周部には、固定スクロール5の上面(表面)よりも低く、外周側に貫通した油排出溝5gが形成されている。
また、本実施例では、前記吐出カバー30の接地部30cを前記油排出溝5gの底部にボルト等で固定することで、前記吐出カバー30を設置している。なお、前記吐出カバー30の接地部30cの側面30cb(図2参照)と前記油排出溝5gとの間には油が通過できる間隙が形成されている。
他の構成は上記実施例1と同様である。
このように構成することにより、上記実施例1で説明したように、吐出口5bから吐出されたミスト状の油を含む吐出冷媒が吐出カバー30の凸部30aの衝突面30abに衝突することにより冷媒ガスから分離された油は、凸部30aの内面を伝って接地部30cに至る。この油は、前記油排出溝5g内に排出され、この油排出溝5gと前記接地部30cの側面cbとの間隙を通って、前記固定スクロール5外周側へ誘導され、固定スクロール5の外周面と密閉容器2との間に形成されている連通溝22(図4参照)を通り、最終的には圧縮機底部の油溜り部13へと排出される。
このように、本実施例3においては、前記固定台板5dの吐出室側の外周側に、前記吐出カバー内で分離された油を前記固定スクロールの外周部まで導く油排出溝5gを形成しているので、吐出カバー30で分離された油を効率良く固定スクロールの外周部に導くことができる。従って、分離した油が固定スクロール5の上面を伝って吐出口5b側へ流れるのを更に抑制でき、吐出される冷媒ガスにより再飛散するのを防止する効果を向上できる。
また、本実施例3においても実施例1と同様の効果が得られ、固定スクロール5から吐出される高温の吐出ガスから固定スクロール5への伝熱を低減して、圧縮機の効率を向上しつつ、吐出ガスに含まれるミスト油を効率良く分離することのできるスクロール圧縮機が得られる。
以上説明したように、本発明の各実施例によれば、吐出冷媒の吐出カバーへの1回の衝突によって冷媒から油を分離することができる。従って、伝熱効果の大きい衝突流を最低限に抑制することができるから、オイルレートを低減しつつ、加熱損失の少ない高効率なスクロールを実現することができる。また、吐出カバーも小型化でき、製造コストも低減できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記実施例では冷凍サイクルに使用される冷媒圧縮機としてのスクロール圧縮機に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、冷媒圧縮機に限られず、空気やその他のガスを圧縮するガス圧縮機であっても吐出ガス中に油が含まれるものであれば同様に適用可能である。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。更に、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1:スクロール圧縮機、2:密閉容器、2a:ケース、2b:蓋チャンバ、
2c:底チャンバ、2d:吐出室(固定スクロール上部空間)、
3:圧縮機構部、4:電動機部、4a:固定子、4b:回転子、
5:固定スクロール、5a:吸込ポート、5b:吐出口、5c:ラップ、
5d:固定台板、5e:吐出口、5f:鏡板面、5g:油排出溝、
6:旋回スクロール、6a:ラップ、6b:旋回台板、6c:旋回ボス部、
6d:旋回軸受、6e:鏡板面、
7:クランク軸、7a:主軸、7b:偏心部、7c:給油通路、
8:ボルト、9:フレーム、9a:主軸受、10:吸込パイプ、
11:圧縮室、12:オルダムリング、13:油溜り部、14:バランスウェイト、
15:背圧室、16:下フレーム、17:下軸受、18:吐出パイプ、
19:給油パイプ、20:逆止弁、21:油膜、22:連通溝、23:脚部、
30:吐出カバー、30a:凸部、30aa:傾斜面、
30ab:衝突面(天井面)、30ac:境界線、
30b:鍔部、30c:接地部、30ca:接地面、30cb:側面、
30cc:背面、30d:開口部。

Claims (10)

  1. 密閉容器と、固定台板、該固定台板の鏡板面側に立設された渦巻き状の固定側ラップ及び前記固定台板の中央側に設けられた吐出口を有する固定スクロールと、旋回台板及び該旋回台板の一面に立設された渦巻き状の旋回側ラップを有する旋回スクロールと、前記固定スクロールと前記旋回スクロールが互いに噛み合って形成される圧縮室と、前記固定スクロールの固定台板と前記密閉容器との間に形成された吐出室とを備えるスクロール圧縮機において、
    前記固定スクロールの前記吐出口を覆うように前記吐出口に対向して吐出カバーが設けられ、
    前記吐出カバーは、
    前記吐出口の周囲に設けられた傾斜面及びこの傾斜面の反固定台板側に接続され前記吐出口からの吐出冷媒が衝突する衝突面を有する凸部と、
    前記傾斜面の固定台板側に接続された鍔部と、
    前記鍔部の少なくとも一部から固定台板側に突出して前記固定台板に接地して固定される接地部と、
    前記鍔部と前記固定台板との間に形成された開口部と、を備え、
    前記凸部における前記傾斜面と前記衝突面との接続部を形成している線を境界線とし、この境界線上の点をP、前記吐出口からの吐出冷媒が衝突する前記衝突面の衝突中心をO、前記境界線上に定めた所定の位置を固定点Qとし、前記境界線上の点Pと前記衝突中心Oを結ぶ直線をOPとしたとき、前記境界線は、前記境界線上の点Pが境界線上に沿って固定点Qに近づくにつれて前記直線OPの長さが単調に増加する区間を有し、その区間は前記固定点Qを挟んで両側にそれぞれ少なくとも1ヶ所以上存在し、
    前記固定スクロールにおける固定台板の吐出室側の外周側に、前記吐出カバー内で分離された油を前記固定スクロールの外周部まで導く油排出溝が形成され、該油排出溝の底部に、前記吐出カバーの接地部が固定されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 密閉容器と、固定台板、該固定台板の鏡板面側に立設された渦巻き状の固定側ラップ及び前記固定台板の中央側に設けられた吐出口を有する固定スクロールと、旋回台板及び該旋回台板の一面に立設された渦巻き状の旋回側ラップを有する旋回スクロールと、前記固定スクロールと前記旋回スクロールが互いに噛み合って形成される圧縮室と、前記固定スクロールの固定台板と前記密閉容器との間に形成された吐出室とを備えるスクロール圧縮機において、
    前記固定スクロールの前記吐出口の上方を覆うように吐出カバーが設けられ、
    前記吐出カバーは、
    前記吐出口の周囲に設けられた傾斜面及びこの傾斜面の上部に接続され前記吐出口からの吐出冷媒が衝突する衝突面を有する凸部と、
    前記傾斜面の下部に接続された鍔部と、
    前記鍔部の少なくとも一部から下方に突出して前記固定台板に接地して固定される接地部と、
    前記鍔部の下面と前記固定台板との間に形成された開口部と、を備え、
    前記凸部における前記傾斜面と前記衝突面との接続部を形成している線を境界線とし、この境界線上の点をP、前記吐出口からの吐出冷媒が衝突する前記衝突面の衝突中心をO、前記境界線上に定めた所定の位置を固定点Qとし、前記境界線上の点Pと前記衝突中心Oを結ぶ直線をOPとしたとき、前記境界線は、前記境界線上の点Pが境界線上に沿って固定点Qに近づくにつれて前記直線OPの長さが単調に増加する区間を有し、その区間は前記固定点Qを挟んで両側にそれぞれ少なくとも1ヶ所以上存在し、
    前記固定スクロールにおける固定台板の吐出室側の外周側に、前記吐出カバー内で分離された油を前記固定スクロールの外周部まで導く油排出溝が形成され、該油排出溝の底部に、前記吐出カバーの接地部が固定されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 請求項1または2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記吐出室に吐出された冷媒を前記密閉容器外へ供給する吐出パイプを前記吐出室に直接連通するように設けていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 請求項1または2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記吐出カバーは、前記固定スクロールに固定される接地部を前記固定点Qの近傍に備えることを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 請求項1または2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記吐出カバーの凸部は円形に形成され、この凸部の中心を、前記吐出口の位置に対して偏心させて、前記吐出カバーを前記固定台板上に設置し、前記凸部における前記傾斜面と前記衝突面との接続部を形成している境界線は円形であり、前記接地部は前記凸部の中心Cに対して、前記衝突中心Oの反対側設けられていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  6. 請求項1または2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記吐出カバーの前記凸部における前記傾斜面と前記衝突面との境界線は円あり、この境界線を形成する円の中心Cは前記衝突中心Oから前記点Qの側に偏心していることを特徴とするスクロール圧縮機。
  7. 請求項1または2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記凸部を形成している衝突面は球面形状に形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  8. 請求項7に記載のスクロール圧縮機において、
    前記凸部を形成している傾斜面も球面形状に形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  9. 請求項1または2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記凸部を形成している衝突面及び傾斜面を一つの球面形状で形成していることを特徴とするスクロール圧縮機。
  10. 請求項1または2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記吐出カバーの接地部における側面と前記油排出溝との間には油が通過できる間隙が形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
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