JP4164917B2 - 高圧ドーム形圧縮機 - Google Patents

高圧ドーム形圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP4164917B2
JP4164917B2 JP30562598A JP30562598A JP4164917B2 JP 4164917 B2 JP4164917 B2 JP 4164917B2 JP 30562598 A JP30562598 A JP 30562598A JP 30562598 A JP30562598 A JP 30562598A JP 4164917 B2 JP4164917 B2 JP 4164917B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crankshaft
pressure dome
demister
oil
type compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30562598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000130370A (ja
Inventor
昌稔 澤潟
俊之 外山
幹央 梶原
周一 城村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP30562598A priority Critical patent/JP4164917B2/ja
Publication of JP2000130370A publication Critical patent/JP2000130370A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4164917B2 publication Critical patent/JP4164917B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高圧ドーム形圧縮機に関し、特に、冷媒ガスと油との分離が良好に行なわれる高圧ドーム形圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の高圧ドーム形圧縮機の一例として、特開平9−79153号公報に記載された高圧ドーム形圧縮機について図を用いて説明する。図5を参照して、密閉ケーシング101に、ハウジング102を固定して、そのハウジング102の上方に圧縮要素CFが配設されている。その圧縮要素CFの固定スクロール103がハウジング102に固定されている。また、そのハウジング102の下方に、圧縮要素CFを駆動するモータMが配設されている。モータMの駆動軸104は、ハウジング102の軸受部121によって支持されている。
【0003】
ハウジング102によって、ケーシング101内は低圧側室105と高圧側室106とに区画されている。圧縮要素CFの可動スクロール107には、渦巻体172が突設されている。固定スクロール103には渦巻体132が突設されている。渦巻体172、132が互いに噛み合されて、圧縮室115が形成されている。
【0004】
可動スクロール107には、その中心部に、圧縮室115で圧縮されて高圧となった冷媒ガスを吐出する吐出口173が形成されている。そして、可動スクロール107の背面側の中心部には、吐出口173が開口する吐出ガス通路174を有する筒部175が形成されている。駆動軸104には、可動スクロール107の筒部174を受入れる偏心ボス部141が形成されている。また、駆動軸104には、一端が筒部175の吐出ガス通路174に連通し、他端がケーシング101内におけるモータMの下部側に形成された空間に開放される吐出ガス通路142が形成されている。駆動軸104の下端側は、軸受122を介してポンプハウジング113により回動可能に支持されている。従来の高圧ドーム形圧縮機の主要部は上記のように構成される。
【0005】
次に、上述した高圧ドーム形圧縮機の動作について説明する。固定スクロール103に対する可動スクロール107の公転駆動により、各渦巻体132、172間に形成される圧縮室115の容積が変化する。ケーシング101を貫通して固定スクロール103に接続された吸入管112から吸入された低圧の冷媒ガスが渦巻体132、172間に導入されて、圧縮室115で圧縮される。圧縮されて高圧となった冷媒ガスは、可動スクロール107の吐出口173から筒部175に形成された吐出ガス通路174を経て駆動軸104に形成された吐出ガス通路142へ送られる。吐出ガス通路142へ送られた高圧の冷媒ガスは、開口部150からケーシング101内へ吐出される。ケーシング101内に吐出された高圧の冷媒ガスは、モータMのエアギャップを通過した後、吐出管111を介してケーシング101の外部へ送り出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した高圧ドーム形圧縮機では、開口部150からケーシング101内に吐出した圧縮された冷媒ガスには、圧縮される際や吐出ガス通路143等を流れる際に、摺接部分に給油された油が混入する。高圧の冷媒ガスは、モータMのエアギャップやモータMとケーシング101との隙間などを通って吐出管111よりケーシング101の外へ送り出されてしまう。このため、高圧の冷媒ガスとともに、冷媒ガスに混入した油もケーシング101の外へ送り出されてしまい、高圧ドーム形圧縮機の油上りが顕著になることがあった。
【0007】
また、ケーシング101の外へ送り出された油によって、高圧ドーム形圧縮機と接続された凝縮器などが不具合を起こして、一連の冷凍サイクルの性能が悪化することがあった。
【0008】
さらに、圧縮された冷媒ガスは開口部150から駆動軸104の径方向に吐出するために、開口部150のほぼ直下に位置するポンプハウジング113の軸受122には、冷媒ガスに混入した油が十分に降り注がれない。このため、軸受122の潤滑が不十分となって、軸受122が損傷を受けることがあった。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、圧縮された冷媒ガスに混入している油を冷媒ガスと分離させて油上りを抑制するとともに、軸受への油の供給が十分に行なわれる高圧ドーム形圧縮機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するための請求項1に記載された高圧ドーム形圧縮機は、ケーシングと、電動機と、支持体と、圧縮部と、吐出通路と、筒部とを備えている。電動機は、クランク軸を有し、ケーシング内に配置されている。支持体は、クランク軸の下端側を軸受を介して回動可能に支持している。圧縮部は、クランク軸の上端側に設けられ、クランク軸の回転に連動している。吐出通路は、クランク軸内に設けられるとともに、軸受上方のクランク軸の周面に開口部を有し、その開口部から圧縮部で圧縮された流体をケーシング内に吐出する。筒部は、支持体上に形成され、クランク軸とともに回転する開口部をクランク軸の周方向から取り囲み、上方へ向かって開口している。
【0011】
この構成によれば、まず、比較的流路断面積の小さい吐出通路を経て開口部から、流路断面積のより大きいケーシング内に流体が吐出する際には、油の比重が流体の比重よりも大きいために、油の慣性力の方が流体の慣性力よりも大きくなる。このため、開口部から吐出した油がクランク軸の径方向に飛散して筒部の内周側面に衝突して付着する。これにより、流体に混入している油が流体と分離されて流体に混入している油が減少し、流体とともにケーシングの外へ送り出される油の量が減少する。その結果、高圧ドーム形圧縮機の油上りを抑えることができる。
【0012】
請求項2に記載された高圧ドーム形圧縮機では、軸受は、筒部の内側で、かつ、開口部の位置よりも低い位置に配置されている。
【0013】
この場合には、開口部から吐出して筒部の内周側面に付着した油は、その内周側面を伝って流れ落ちて開口部より下方に位置する軸受に容易に到達する。その結果、軸受への油の供給が十分に行なわれて、軸受が損傷するのを防止することができる。
【0014】
請求項3に記載された高圧ドーム形圧縮機では、筒部を周方向から取囲むように支持体上に形成されたデミスタ部と、支持体上に形成され、少なくとも筒部の上方を覆うように支持された板部を有するデミスタカバー部とを備えている。
【0015】
この場合には、筒部によって上向きに流れが変えられた流体が、筒部と板部との隙間を経てデミスタ部を通過する。このとき、流体が筒部によってその方向が変えられているため、その速度は開口部を吐出した当初の速度よりも小さくなっている。このため、分離されずに流体にまだ混入している油が、デミスタ部によってより捕捉され易くなる。これによって、流体と油とがさらに分離されて、高圧ドーム形圧縮機の油上りをさらに抑制することができる。
【0016】
請求項4に記載された高圧ドーム形圧縮機では、板部はクランク軸の周面からデミスタ部にわたって形成され、板部の内周にはクランク軸の周面に沿うように下方に向かって折返し部が設けられている。
【0017】
この場合には、筒部によって上向きに流れが変えられた流体の一部がデミスタカバー部の板部とクランク軸との隙間から流れ出ようとするのを、折返し部によってこれを防ぐことができ、流体を確実にデミスタ部へ導くことができる。
【0018】
請求項5に記載された高圧ドーム形圧縮機では、デミスタカバー部には、デミスタ部を保持するための保持部が形成されている。
【0019】
この場合には、保持部によって、デミスタ部を確実に固定することができる。請求項6に記載された高圧ドーム形圧縮機では、電動機のロータの下部にはバランスウエイトが設けられ、デミスタカバー部上には、そのバランスウエイトの旋回直径よりも大きい径を有し、バランスウエイトの旋回領域をクランク軸の周方向から取り囲み、バランスウエイトの旋回運動に伴って流体が乱れるのを防止するための、バランスウエイトカバー部が設けられている。
【0020】
この場合には、デミスタ部を通過した流体が、バランスウエイトの旋回運動に伴って、その流れが乱されるのをバランスウエイトカバー部によって防ぐことができる。その結果、ケーシング内の流体の流れが乱れることに起因する油の巻き上げなどを抑制して、油上りをさらに抑制することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
本発明の実施の形態1に係る高圧ドーム形圧縮機について図を用いて説明する。図1を参照して、密閉型のケーシング2内にクランク軸10を有する電動機8が配設されている。クランク軸10の上端側には、圧縮部としての可動スクロール6および固定スクロール4が設けられている。可動スクロール6には可動スクロール歯6aが突設され、固定スクロール4には固定スクロール歯4aが突設されている。可動スクロール歯6aと固定スクロール歯4aとが噛み合うことで圧縮室5が形成される。ケーシング2には、低圧の冷媒ガスを圧縮室5へ送り込むための吸入管7が設けられている。可動スクロール6の中心付近には、圧縮されて高圧となった冷媒ガスが吐出する吐出口6bが設けられている。
【0022】
クランク軸10の下端側は、下部軸受14を介して下部支持体16により回動可能に支持されている。なお、クランク軸10の上端側は、ハウジングに設けられた軸受 (いずれも図示せず) により、回動可能に支持されている。
【0023】
そのクランク軸10には、下部軸受14上方のクランク軸10の周面に開口部13を有し、吐出口6bから吐出した高圧の冷媒ガスをその開口部13に導くための吐出通路12が設けられている。そして、下部支持体16には、クランク軸10とともに回転する開口部13をクランク軸10の周方向から取り囲み、上方に向かって開口している筒部18が設けられている。
【0024】
次に、上述した高圧ドーム形圧縮機の動作について説明する。クランク軸10の回転によって可動スクロール6が固定スクロール4に対して公転駆動することにより、吸入管7から送り込まれた低圧の冷媒ガスが圧縮室5にて圧縮されて、高圧の冷媒ガスとなる。高圧となった冷媒ガスは吐出口6bから吐出通路12を経て、開口部13からケーシング2内に吐出される。ケーシング2内に吐出された高圧の冷媒ガスは排出管(図示せず)により、ケーシング2の外へ送り出される。
【0025】
上述した高圧ドーム形圧縮機では、高圧の冷媒ガスは流路断面積が比較的小さい吐出通路12から、急に流路断面積が比較的大きいケーシング2内の空間へ吐出される。このとき、冷媒ガスに混入している油の比重は冷媒ガスそのものの比重よりも大きいため、油の慣性力が冷媒ガスの慣性力よりも大きくなる。このため、油は冷媒ガスよりも吐出方向に飛散しやすい。
【0026】
これにより、本高圧ドーム形圧縮機では、吐出方向に飛散した油が吐出方向先にある筒部18の内周側面に衝突して付着し、冷媒ガスに混入している油が冷媒ガスと分離される。
【0027】
一方、冷媒ガスは筒部18によってその流れが上向きに変えられて、ケーシング2内を流れた後に、ケーシング2の外へ送り出される。このとき、冷媒ガスでは、混入していた油が筒部18の内周側面に既に付着しているために、冷媒ガスに混入している油が減少しており、冷媒ガスとともにケーシング2の外へ送り出される油の量が減少する。その結果、高圧ドーム形圧縮機の油上りが抑制される。また、このことにより、高圧ドーム形圧縮機と接続された凝縮器などへ油が送られることがなくなり、一連の冷凍サイクルの性能が悪化するのを抑制することができる。
【0028】
さらに、筒部18の内側に下部軸受14が配置されているため、開口部13から吐出して筒部18の内周側面に付着した油は、その内周側面を伝って流れ落ちて容易に下部軸受14に到達する。その結果、下部軸受14への油の供給が十分に行なわれて、下部軸受14が損傷するのを防止することができる。下部軸受14に給油された後の油は、下方の底部油溜め17に戻る。
【0029】
なお、本実施の形態では、下部軸受14の上端面が筒部18の底面全体に位置するように配置されているが、下部軸受14が、筒部18の内側で、かつ、開口部13のよりも低い位置に配置されている構造であれば、筒部18の内周側面に付着した油が下部軸受14へ容易に到達して、同様の効果を得ることができる。
【0030】
また、油を確実に下部軸受14へ導く観点や、組立工数の低減の観点からは、筒部18は下部支持体16に一体的に設けられていることが望ましい。
【0031】
また、筒部18としては、たとえば円筒状のものには限られず、筒状のものであれば上述した効果を奏する。
【0032】
実施の形態2
本発明の実施の形態2に係る高圧ドーム形圧縮機について図を用いて説明する。図2を参照して、下部支持体14上には、筒部18を周方向から取囲むように、筒状のデミスタ20が形成されている。さらに、下部支持体14上には、少なくとも筒部18の上方を覆うように脚部22bによって支持された板部22aを有するデミスタカバー22が形成されている。そのデミスタカバー22には、デミスタ20を保持するための保持部22dが形成されている。なお、これ以外の構成については実施の形態1において説明した図1に示す高圧ドーム形圧縮機と同様なので、同一部材には同一符号を付しその説明を省略する。
【0033】
この高圧ドーム形圧縮機によれば、筒部18の内周面に付着せずに依然として冷媒ガスに混入している油がデミスタ20によって捕捉される。このとき、冷媒ガスの速度は筒部18によって、その速度が減速されているため冷媒ガスに混入している油がデミスタ20によってより捕捉されやすくなる。これにより、冷媒ガスと油との分離がさらに進み、冷媒ガスとともにケーシング2の外へ送り出される油の量をさらに低減することができる。その結果、高圧ドーム形圧縮機の油上りをさらに抑制することができる。
【0034】
そして、デミスタ20を通過した後には、冷媒ガスにはほとんど油が混入していないので、電動機8のエアギャップや電動機8とケーシング2との隙間を流れる際に、電動機8の冷却が十分になされて高圧ドーム形圧縮機の効率が向上する。
【0035】
また、デミスタカバー22の板部22aに保持部22dが形成されていることによって、デミスタ20を確実に固定することができる。
【0036】
次に、本実施の形態に係る高圧ドーム形圧縮機の変形例について図を用いて説明する。変形例では、図2に示す構成に加えて、図3に示すように、デミスタカバー22の板部22aの内周にクランク軸10の周面に沿うように下方に向かって折返し部22cが設けられている。
【0037】
図2に示された高圧ドーム形圧縮機では、開口部13から吐出した高圧の冷媒ガスが板部22aとクランク軸10との隙間から漏れてしまい、デミスタ20により冷媒ガスと油との分離が十分に行われないおそれがあった。しかし、この高圧ドーム形圧縮機によれば、折返し部22cによって開口部13から吐出した高圧の冷媒ガスが、クランク軸10と板部22aとの隙間から漏れることなく、筒部18と板部22aとの隙間を通ってデミスタ20に確実に到達して、冷媒ガスと油との分離が行なわれる。その結果、高圧ドーム形圧縮機の油上りをさらに抑制することができる。
【0038】
実施の形態3
本発明の実施の形態3に係る高圧ドーム形圧縮機について図を用いて説明する。図4を参照して、電動機8のロータ8aの下部には、ロータ8aの回転運動を安定させるためのバランスウエイト8bが設けられている。そして、デミスタカバー22上には、バランスウエイト8bの旋回直径よりも大きい径を有して、このバランスウエイト8bの旋回領域を周方向から取囲むようにバランスウエイトカバー24が設けられている。なお、これ以外の構成については実施の形態2において説明した図3に示す高圧ドーム形圧縮機と同様なので、同一部材には同一符号を付しその説明を省略する。
【0039】
上述した高圧ドーム形圧縮機によれば、実施の形態1または2において説明した冷媒ガスと油との分離効果に加えて、次のような効果が得られる。まず、バランスウエイト8bは、ロータ8aの全周にわたって形成されているのではなく、ロータ8aの周方向の一部に形成されているため、ロータ8aが回転する際には、バランスウエイト8bは周囲の冷媒ガスの流れを乱してしまうことになる。
【0040】
このとき、バランスウエイトカバー24を設けることによって、その乱れがより外周へ及ぶのを阻止することができる。これにより、冷媒ガスの流れはバランスウエイト8bの旋回運動によって乱されることがなくなって、ケーシング2内の冷媒ガスの流れが安定する。その結果、ケーシング2内において、冷媒ガスの流れの乱れに起因する油の巻き上げなどを抑制することができ、油上りをさらに抑制することができる。
【0041】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0042】
【発明の効果】
請求項1に記載された高圧ドーム形圧縮機によれば、まず、比較的流路断面積の小さい吐出通路を経て開口部から、流路断面積のより大きいケーシング内に流体が吐出する際には、油の比重が流体の比重よりも大きいために、油の慣性力の方が流体の慣性力よりも大きくなる。このため、開口部から吐出した油がクランク軸の径方向に飛散して筒部の内周側面に衝突して付着する。これにより、流体に混入している油が流体と分離されて流体に混入している油が減少し、流体とともにケーシングの外へ送り出される油の量が減少する。その結果、高圧ドーム形圧縮機の油上りを抑えることができる。
【0043】
請求項2に記載された高圧ドーム形圧縮機では、軸受は、筒部の内側で、かつ、開口部の位置よりも低い位置に配置されていることによって、開口部から吐出して筒部の内周側面に付着した油が、軸受に容易に到達する。その結果、軸受への油の供給が十分に行なわれて、軸受が損傷するのを防止することができる。
【0044】
請求項3に記載された高圧ドーム形圧縮機では、筒部を周方向から取囲むように支持体上に形成されたデミスタ部と、支持体上に形成され、少なくとも筒部の上方を覆うように支持された板部を有するデミスタカバー部とを備えていることによって、分離されずに流体にまだ混入している油が、デミスタ部によってより捕捉され易くなる。これによって、流体と油とがさらに分離されて、高圧ドーム形圧縮機の油上りをさらに抑制することができる。
【0045】
請求項4に記載された高圧ドーム形圧縮機では、板部はクランク軸の周面からデミスタ部にわたって形成され、板部の内周にはクランク軸の周面に沿うように下方に向かって折返し部が設けられていることによって、流体の一部がデミスタカバー部の板部とクランク軸との隙間から流れ出ようとするのを、折返し部によってこれを防ぐことができ、流体を確実にデミスタ部へ導くことができる。
【0046】
請求項5に記載された高圧ドーム形圧縮機では、デミスタカバー部には、デミスタ部を保持するための保持部が形成されていることによって、デミスタ部を確実に固定することができる。
【0047】
請求項6に記載された高圧ドーム形圧縮機では、電動機のロータの下部にはバランスウエイトが設けられ、デミスタカバー部上には、そのバランスウエイトの旋回直径よりも大きい径を有し、バランスウエイトの旋回領域をクランク軸の周方向から取り囲み、バランスウエイトの旋回運動に伴って流体が乱れるのを防止するための、バランスウエイトカバー部が設けられていることによって、デミスタ部を通過した流体が、バランスウエイトの旋回運動に伴って、その流れが乱されるのをバランスウエイトカバー部によって防ぐことができる。その結果、ケーシング内の流体の流れが乱れることに起因する油の巻き上げなどを抑制して、油上りをさらに抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る高圧ドーム形圧縮機の部分縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る高圧ドーム形圧縮機の部分縦断面図である。
【図3】同実施の形態において、変形例に係る高圧ドーム形圧縮の部分縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態3に係る高圧ドーム形圧圧縮機の部分縦断面図である。
【図5】従来の高圧ドーム形圧縮機の縦断面図である。
【符号の説明】
2 ケーシング
4 固定スクロール
4a 固定スクロール歯
5 圧縮室
6 可動スクロール
6a 可動スクロール歯
6b 吐出口
7 吸入管
8 電動機
8a ロータ
8b バランスウエイト
10 クランク軸
12 吐出通路
13 開口部
14 下部軸受
16 下部支持体
17 底部油溜め
18 筒部
20 デミスタ
22 デミスタカバー
22a 板部
22b 脚部
22c 折返し部
22d 保持部
24 バランスウエイトカバー

Claims (6)

  1. ケーシング(2)と、
    前記ケーシング(2)内に配置されたクランク軸(10)を有する電動機(8)と、
    前記クランク軸(10)の下端側を軸受(14)を介して回動可能に支持する支持体(16)と、
    前記クランク軸(10)の上端側に設けられ、前記クランク軸(10)の回転に連動する圧縮部(4、6)と、
    前記クランク軸(10)内に設けられるとともに、前記軸受(14)上方の前記クランク軸(10)の周面に開口部(13)を有し、該開口部(13)から前記圧縮部(4、6)で圧縮された流体を前記ケーシング(2)内に吐出するための吐出通路(12)と、
    前記支持体 (16) 上に形成され、前記クランク軸(10)とともに回転する前記開口部(13)を前記クランク軸(10)の周方向から取り囲み、上方へ向かって開口している筒部(18)と
    を備えた、高圧ドーム形圧縮機。
  2. 前記軸受 (14) は、前記筒部 (18) の内側で、かつ、前記開口部 (13) よりも低い位置に配置されている、請求項1記載の高圧ドーム形圧縮機。
  3. 前記筒部(18)を周方向から取り囲むように前記支持体(16)上に形成されたデミスタ部(20)と、
    前記支持体(16)上に形成され、少なくとも前記筒部 (18) の上方を覆うように支持された板部 (22a) を有するデミスタカバー部 (22) と
    を備えた、請求項1または2に記載の高圧ドーム形圧縮機。
  4. 前記板部 (22a) は、前記クランク軸 (10) の周面から前記デミスタ部 (20) にわたって形成され、
    前記板部(22a)の内周には、前記クランク軸(10)の周面に沿うように下方に向かって折返し部(22c)が設けられている、請求項3記載の高圧ドーム形圧縮機。
  5. 前記デミスタカバー部 (22) には、前記デミスタ部 (20) を保持するための保持部 (22d) が形成されている、請求項3記載の高圧ドーム形圧縮機。
  6. 前記電動機(8)のロータ(8a)の下部にはバランスウエイト(8b)が設けられ、
    前記デミスタカバー部(22)上には、前記バランスウエイト(8b)の旋回直径よりも大きい径を有し、前記バランスウエイト(8b)の旋回領域を前記クランク軸(10)の周方向から取り囲み、前記バランスウエイト(8b)の旋回運動に伴って流体が乱れるのを防止するための、バランスウエイトカバー部(24)が設けられた、請求項3〜5のいずれかに記載の高圧ドーム形圧縮機。
JP30562598A 1998-10-27 1998-10-27 高圧ドーム形圧縮機 Expired - Fee Related JP4164917B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30562598A JP4164917B2 (ja) 1998-10-27 1998-10-27 高圧ドーム形圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30562598A JP4164917B2 (ja) 1998-10-27 1998-10-27 高圧ドーム形圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000130370A JP2000130370A (ja) 2000-05-12
JP4164917B2 true JP4164917B2 (ja) 2008-10-15

Family

ID=17947394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30562598A Expired - Fee Related JP4164917B2 (ja) 1998-10-27 1998-10-27 高圧ドーム形圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4164917B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100686750B1 (ko) 2005-12-22 2007-02-26 엘지전자 주식회사 스크롤 압축기
JP5914805B2 (ja) * 2011-08-29 2016-05-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 スクロール圧縮装置
JP5984787B2 (ja) * 2013-12-04 2016-09-06 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
JP6531736B2 (ja) * 2016-07-29 2019-06-19 ダイキン工業株式会社 海上輸送用冷凍又は冷蔵コンテナユニット
CN107806409A (zh) * 2017-10-25 2018-03-16 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 一种压缩机

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000130370A (ja) 2000-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0665921B1 (en) Scroll apparatus with reduced inlet pressure drop
JP5039869B1 (ja) 圧縮機
JP5255157B2 (ja) 圧縮機
JPH0472998B2 (ja)
JPH05133375A (ja) 電動圧縮機
JP2005180295A (ja) スクロール圧縮機
JP4164917B2 (ja) 高圧ドーム形圧縮機
JPH0626484A (ja) 高圧ドーム形電動圧縮機
JPS6287692A (ja) 密閉形スクロ−ル圧縮機
JP4690516B2 (ja) スクロール型流体機械
JP5444880B2 (ja) 圧縮機
JPS6291686A (ja) スクロ−ル圧縮機
JPH051683A (ja) 高圧ドーム形圧縮機
JP6021075B2 (ja) 圧縮機
JP5494691B2 (ja) 圧縮機
JP2001050162A (ja) 密閉型圧縮機
JP2020045845A (ja) 密閉型電動圧縮機
JP5462982B1 (ja) 圧縮機
JP6108276B2 (ja) 圧縮機
JP2002021729A (ja) 密閉型圧縮機
JP4638313B2 (ja) 密閉型回転式圧縮機
JP2703521B2 (ja) 密閉形スクロール流体装置
WO2012127547A1 (ja) 圧縮機
JPH07111185B2 (ja) 密閉形圧縮機
JPH11280683A (ja) スクロール式流体機械

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080708

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080721

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130808

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees