JP2022065799A - スクロール圧縮機、及びスクロール圧縮機の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの冷却性能が向上したスクロール圧縮機、及びスクロール圧縮機の製造方法を提供する。【解決手段】スクロール圧縮機は、軸線回りに回転可能なシャフトと、シャフトに取り付けられたロータ、及びロータを外周側から覆うとともに軸線を中心とする円筒面が形成されたステータを有するモータと、モータによって駆動される圧縮機本体と、モータ、及び圧縮機本体を覆うハウジングと、を備え、ハウジングの内周面には、円筒面に当接する当接面と、円筒面から離間するように外周側に向かって凹む凹面とが形成され、凹面の表面粗さは、当接面の表面粗さよりも大きい。【選択図】図2
Description
本開示は、スクロール圧縮機、及びスクロール圧縮機の製造方法に関する。
例えば車両用空調装置に用いられる圧縮機として、スクロール圧縮機が知られている(下記特許文献1参照)。スクロール圧縮機は、モータと、モータによって駆動される圧縮機本体と、これらモータ、及び圧縮機本体を収容するハウジングと、を備えている。モータは、シャフトに固定されたロータと、ロータを外周側から覆う円環状のステータと、を有する。ステータは、ハウジングの内周面に対して焼き嵌めによって固定されている。
スクロール圧縮機の内部では、吸入ポートから流入した冷媒は、モータを通過して圧縮機本体に導かれ、当該圧縮機本体で圧縮される。モータを通過する際に、冷媒はモータを冷却する。モータに冷媒を効率的に接触させるための措置として、例えばハウジングとステータとの間に冷媒流路を形成する例が考えられる。
しかしながら、上記のようにハウジングとステータとの間に冷媒流路を形成するのみでは、放熱面積が十分に確保できず、モータを十分に冷却できない虞がある。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、モータの冷却性能が向上したスクロール圧縮機、及びスクロール圧縮機の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示に係るスクロール圧縮機は、軸線回りに回転可能なシャフトと、前記シャフトに取り付けられたロータ、及び前記ロータを外周側から覆うとともに前記軸線を中心とする円筒面が形成されたステータを有するモータと、前記モータによって駆動される圧縮機本体と、前記モータ、及び前記圧縮機本体を覆うハウジングと、を備え、前記ハウジングの内周面には、前記円筒面に当接する当接面と、前記円筒面から離間するように外周側に向かって凹む凹面とが形成され、前記凹面の表面粗さは、前記当接面の表面粗さよりも大きい。
本開示に係るスクロール圧縮機の製造方法は、軸線回りに回転可能なシャフトと、前記シャフトに取り付けられたロータ、及び前記ロータを外周側から覆うとともに前記軸線を中心とする円筒面が形成されたステータを有するモータと、前記モータによって駆動される圧縮機本体と、前記モータ、及び前記圧縮機本体を覆うハウジングと、を備えるスクロール圧縮機の製造方法であって、前記ハウジングの内周面には、前記円筒面に当接する当接面と、前記円筒面から離間するように外周側に向かって凹む凹面とが形成され、前記凹面の表面粗さは、前記当接面の表面粗さよりも大きく、スクロール圧縮機の製造方法は、鋳造によって円筒状の前記ハウジングの素体を形成する素体形成工程と、前記素体の内周面に切削加工を施すことで前記当接面を形成する当接面形成工程と、削り出し加工によって前記凹面を形成する凹面形成工程と、を含む。
本開示に係るスクロール圧縮機の製造方法は、軸線回りに回転可能なシャフトと、前記シャフトに取り付けられたロータ、及び前記ロータを外周側から覆うとともに前記軸線を中心とする円筒面が形成されたステータを有するモータと、前記モータによって駆動される圧縮機本体と、前記モータ、及び前記圧縮機本体を覆うハウジングと、を備えるスクロール圧縮機の製造方法であって、前記ハウジングの内周面には、前記円筒面に当接する当接面と、前記円筒面から離間するように外周側に向かって凹む凹面とが形成され、前記凹面の表面粗さは、前記当接面の表面粗さよりも大きく、スクロール圧縮機の製造方法は、鋳造によって前記凹面を含む円筒状の前記ハウジングの素体を形成する素体形成工程と、前記素体の内周面に切削加工を施すことで前記当接面を形成する当接面形成工程と、を含む。
本開示によれば、モータの冷却性能が向上したスクロール圧縮機、及びスクロール圧縮機の製造方法を提供することができる。
(スクロール圧縮機の構成)
以下、本開示の実施形態に係るスクロール圧縮機100について、図1から図3を参照して説明する。スクロール圧縮機100は、例えば車両用の空調装置の冷媒を圧縮するために用いられる。図1に示すように、スクロール圧縮機100は、シャフト1と、モータ2と、圧縮機本体3と、ハウジング4と、カバー5と、上部軸受6と、下部軸受7と、ドライブブッシュ8と、を備えている。
以下、本開示の実施形態に係るスクロール圧縮機100について、図1から図3を参照して説明する。スクロール圧縮機100は、例えば車両用の空調装置の冷媒を圧縮するために用いられる。図1に示すように、スクロール圧縮機100は、シャフト1と、モータ2と、圧縮機本体3と、ハウジング4と、カバー5と、上部軸受6と、下部軸受7と、ドライブブッシュ8と、を備えている。
(シャフトの構成)
シャフト1は、軸線Oに沿って延びるとともに、当該軸線O回りに回転可能とされている。シャフト1は、シャフト本体10と、小径部11と、大径部12と、偏芯軸部13と、を有している。シャフト本体10は、軸線Oを中心とする円柱状をなしている。シャフト本体10は、軸線O方向の全域にわたって一様な径寸法を有している。シャフト本体10の外周面には、モータ2のロータ21(後述)が取り付けられている。
シャフト1は、軸線Oに沿って延びるとともに、当該軸線O回りに回転可能とされている。シャフト1は、シャフト本体10と、小径部11と、大径部12と、偏芯軸部13と、を有している。シャフト本体10は、軸線Oを中心とする円柱状をなしている。シャフト本体10は、軸線O方向の全域にわたって一様な径寸法を有している。シャフト本体10の外周面には、モータ2のロータ21(後述)が取り付けられている。
軸線O方向におけるシャフト本体10の一方側(下側)には、小径部11が設けられている。小径部11は、軸線Oを中心とする円柱状をなすとともに、シャフト本体10よりも小さな径寸法を有している。小径部11は、ハウジング4に取り付けられた下部軸受7によって軸線O方向一方側(下側)から支持されている。
シャフト本体10の軸線O方向他方側(上側)には、大径部12が設けられている。大径部12は、軸線Oを中心とする円柱状をなすとともに、シャフト本体10よりも大きな径寸法を有している。大径部12は、ハウジング4に固定された上部軸受6によって径方向から支持されている。
大径部12のさらに上側(軸線O方向他方側)には、偏芯軸部13が設けられている。偏芯軸部13は、大径部12から軸線O方向他方側に向かって突出している。偏芯軸部13は、軸線Oと平行をなすとともに、当該軸線Oから径方向にずれた位置に延びる偏芯軸Aを中心とする円柱状をなしている。したがって、シャフト1が回転するとき、偏芯軸部13は軸線O回りに公転(旋回)する。
(モータの構成)
モータ2は、シャフト1に回転駆動力を与える。モータ2は、ロータ21と、ステータ22と、を有している。ロータ21は、シャフト本体10に固定されている。ロータ21は、軸線Oを中心とする円筒状をなしている。詳しくは図示しないが、ロータ21は、複数の磁石を有している。ステータ22は、このロータ21を外周側から覆っている。ステータ22は、複数の鋼板を軸線O方向に積層し、さらに銅線を巻回する(コイルを構成する)ことで形成されている。ステータ22に通電することで、ステータ22とロータ21との間に電磁力が発生し、ロータ21に軸線O回りの回転力が与えられる。これにより、シャフト1が軸線O回りに回転する。
モータ2は、シャフト1に回転駆動力を与える。モータ2は、ロータ21と、ステータ22と、を有している。ロータ21は、シャフト本体10に固定されている。ロータ21は、軸線Oを中心とする円筒状をなしている。詳しくは図示しないが、ロータ21は、複数の磁石を有している。ステータ22は、このロータ21を外周側から覆っている。ステータ22は、複数の鋼板を軸線O方向に積層し、さらに銅線を巻回する(コイルを構成する)ことで形成されている。ステータ22に通電することで、ステータ22とロータ21との間に電磁力が発生し、ロータ21に軸線O回りの回転力が与えられる。これにより、シャフト1が軸線O回りに回転する。
(圧縮機本体の構成)
圧縮機本体3は、モータ2によるシャフト1の回転によって駆動する。圧縮機本体3は、固定スクロール31と、可動スクロール32と、を有している。固定スクロール31は、軸線Oを中心とする円盤状の第一端板31Aと、この第一端板31Aの軸線O方向一方側(下側)に設けられた第一渦巻板31Bと、を有している。第一渦巻板31Bは、軸線Oを中心として渦巻状に延びている。固定スクロール31は、ハウジング4に固定されている。
圧縮機本体3は、モータ2によるシャフト1の回転によって駆動する。圧縮機本体3は、固定スクロール31と、可動スクロール32と、を有している。固定スクロール31は、軸線Oを中心とする円盤状の第一端板31Aと、この第一端板31Aの軸線O方向一方側(下側)に設けられた第一渦巻板31Bと、を有している。第一渦巻板31Bは、軸線Oを中心として渦巻状に延びている。固定スクロール31は、ハウジング4に固定されている。
可動スクロール32は、円盤状の第二端板32Aと、この第二端板32Aの軸線O方向他方側(上側)に設けられた第二渦巻板32Bと、ボス部32Cと、を有している。第二渦巻板32Bは、軸線Oを中心として渦巻状に延びている。第二渦巻板32Bの軸線O方向の寸法は、上述した第一渦巻板31Bの軸線O方向の寸法と同等である。このように第一渦巻板31Bと第二渦巻板32Bとが軸線O方向から噛み合うことで、両者の間に圧縮室が形成されている。
ボス部32Cは、第二端板32Aから軸線O方向一方側(下側)に向かって突出する円筒状の部分である。ボス部32Cは、ドライブブッシュ8を介してシャフト1の偏芯軸部13に取り付けられている。偏芯軸部13が軸線O回りに旋回することで、ドライブブッシュ8を通じて旋回力が可動スクロール32に伝達される。これにより、可動スクロール32は軸線O回りに旋回する。なお、詳しくは図示しないが、可動スクロール32自身の回転(自転)は、オルダムリングによって規制されている。
可動スクロール32が旋回することによって、上述の圧縮室の容積が時間変化し、当該圧縮室内を径方向外側から内側に冷媒が送られる中途で圧縮され、圧力が上がる。高圧状態となった冷媒は、固定スクロール31の第一端板31Aに形成された開口部Hを通じてハウジング4内に導かれる。ハウジング4は、シャフト1、モータ2、及び圧縮機本体3を収容する有底円筒状の容器である。カバー5は、ハウジング4の軸線O方向一方側(下側)に取り付けられている。詳しくは図示しないが、カバー5の内側には、IPM(インテリジェントパワーモジュール)等を含む電装品が収容される。
(ステータとハウジングの関係)
図2に示すように、モータ2のステータ22は、ハウジング4の内周面4Sに対して、焼き嵌めによって固定されている。つまり、ステータ22は、ハウジング4の内周面4Sに対して締まり嵌めされた状態となっている。ハウジング4の内周面4Sには、周方向に交互に配列された当接面Tと、凹面Rと、が形成されている。当接面Tは、ステータ22の外周面(円筒面22S)に締まり嵌めされた状態で当接している。当接面Tの表面粗さは1.6以下の範囲内とされることが望ましい。凹面Rは、周方向に等間隔をあけて複数配列されている。凹面Rは、内周面4Sから径方向外側に向かって円弧状に凹む溝である。凹面Rの表面粗さは、25以上100以下の範囲内とされることが望ましい。つまり、凹面Rの表面粗さは、当接面Tの表面粗さよりも大きい。凹面Rは、軸線O方向に延びている。凹面Rとステータ22の外周面(円筒面22S)との間には隙間が形成されている。この隙間は、冷媒が流通するための流路とされている。つまり、凹面Rに沿って冷媒が流通することで、モータ2が冷却される。
図2に示すように、モータ2のステータ22は、ハウジング4の内周面4Sに対して、焼き嵌めによって固定されている。つまり、ステータ22は、ハウジング4の内周面4Sに対して締まり嵌めされた状態となっている。ハウジング4の内周面4Sには、周方向に交互に配列された当接面Tと、凹面Rと、が形成されている。当接面Tは、ステータ22の外周面(円筒面22S)に締まり嵌めされた状態で当接している。当接面Tの表面粗さは1.6以下の範囲内とされることが望ましい。凹面Rは、周方向に等間隔をあけて複数配列されている。凹面Rは、内周面4Sから径方向外側に向かって円弧状に凹む溝である。凹面Rの表面粗さは、25以上100以下の範囲内とされることが望ましい。つまり、凹面Rの表面粗さは、当接面Tの表面粗さよりも大きい。凹面Rは、軸線O方向に延びている。凹面Rとステータ22の外周面(円筒面22S)との間には隙間が形成されている。この隙間は、冷媒が流通するための流路とされている。つまり、凹面Rに沿って冷媒が流通することで、モータ2が冷却される。
(スクロール圧縮機の製造方法)
次いで、図3を参照して、スクロール圧縮機100の製造方法について説明する。同図に示すように、この製造方法は、素体形成工程S11と、当接面形成工程S12と、凹面形成工程S13と、組立工程S14と、を含む。
次いで、図3を参照して、スクロール圧縮機100の製造方法について説明する。同図に示すように、この製造方法は、素体形成工程S11と、当接面形成工程S12と、凹面形成工程S13と、組立工程S14と、を含む。
素体形成工程S11では、鋳造によってハウジング4の素体を形成する。素体は、円筒状をなしている。次に、当接面形成工程S12を実行する。当接面形成工程S12では、素体の内周面に切削加工や磨き加工を施す。この段階で、素体の内周面の表面粗さは上述の当接面Tの表面粗さの数値範囲とされる。次いで、凹面形成工程S13を実行する。凹面形成工程S13では、素体の内周面に上述の凹面Rを削り出し加工によって形成する。なお、このとき、凹面Rには磨き加工等を施さないことから、表面粗さは上述した数値範囲内となる。
これにより、凹面Rと当接面Tとが形成され、ハウジング4が完成する。その後、組立工程S14では、ハウジング4の内周面にステータ22を焼き嵌めによって固定し、モータ2、及び圧縮機本体3の各部品を組み立てる。以上により、スクロール圧縮機の製造方法の全工程が完了する。
(作用効果)
スクロール圧縮機100の内部では、冷媒がモータ2の周囲を通過して圧縮機本体3に導かれ、当該圧縮機本体3で圧縮される。モータ2を通過する際に、冷媒はモータ2を冷却する。モータ2に冷媒を効率的に接触させるための措置として、例えばハウジング4とステータ22との間に冷媒流路を形成する例が考えられる。しかしながら、ハウジング4とステータ22との間に冷媒流路を形成するのみでは、放熱面積が十分に確保できず、モータを十分に冷却できない虞がある。
スクロール圧縮機100の内部では、冷媒がモータ2の周囲を通過して圧縮機本体3に導かれ、当該圧縮機本体3で圧縮される。モータ2を通過する際に、冷媒はモータ2を冷却する。モータ2に冷媒を効率的に接触させるための措置として、例えばハウジング4とステータ22との間に冷媒流路を形成する例が考えられる。しかしながら、ハウジング4とステータ22との間に冷媒流路を形成するのみでは、放熱面積が十分に確保できず、モータを十分に冷却できない虞がある。
一方で、本実施形態に係る構成によれば、冷媒が流通する凹面Rの表面粗さが、当接面Tの表面粗さよりも大きく設定されている。一般的に、表面粗さが大きいほど、流体側の熱伝達率が向上することが知られている。したがって、上記の構成によれば、凹面Rが当接面Tと同様の表面粗さを有している場合に比べて、冷媒への熱伝達率を向上させることができる。これにより、モータ2をより効率的に冷却することができる。一方で、当接面Tは、表面粗さが相対的に小さいことから、ハウジング4の内周面4Sに対してより強固に締まり嵌めされた状態となる。これにより、より安定的にモータ2をハウジング4内で固定することができる。
さらに、上記構成によれば、凹面Rが周方向に等間隔をあけて複数配列されている。このため、周方向に均一にモータ2を冷却することができる。
上記構成によれば、当接面Tの表面粗さは1.6以下であり、凹面Rの表面粗さは25以上100以下である。これにより、凹面Rが当接面Tと同様の表面粗さを有している場合に比べて、冷媒への熱伝達率を向上させることができる。これにより、モータ2をより効率的に冷却することができる。
また、上記製造方法によれば、当接面形成工程S12によって当接面Tを形成した後、凹面形成工程S13で当該当接面Tに削り出し加工を施すことのみによって、表面粗さの大きい凹面Rを容易に形成することができる。これにより、製造工数、コストを削減することができる。
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施形態について説明した。なお、本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて上記の構成や方法に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、スクロール圧縮機100の製造方法として、図4に示すような工程を採ることも可能である。同図の例では、素体形成工程S21と、当接面形成工程S22と、組立工程S23と、を実行する。素体形成工程S21では、上記実施形態とは異なり、凹面Rを含む円筒状の素体を鋳造によって形成する。つまり、凹面Rの表面は鋳造による鋳肌の状態となっている。この状態の素体に対して、切削加工を施すことで当接面Tを形成する(当接面形成工程S22)。組立工程S23は、上述の組立工程S14と同様である。
以上、本開示の実施形態について説明した。なお、本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて上記の構成や方法に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、スクロール圧縮機100の製造方法として、図4に示すような工程を採ることも可能である。同図の例では、素体形成工程S21と、当接面形成工程S22と、組立工程S23と、を実行する。素体形成工程S21では、上記実施形態とは異なり、凹面Rを含む円筒状の素体を鋳造によって形成する。つまり、凹面Rの表面は鋳造による鋳肌の状態となっている。この状態の素体に対して、切削加工を施すことで当接面Tを形成する(当接面形成工程S22)。組立工程S23は、上述の組立工程S14と同様である。
上記方法によれば、素体形成工程S21の段階で、凹面Rを含む素体を形成する。つまり、凹面Rは鋳造による表面粗さを呈している。続いて、この凹面Rを残存させるようにして切削加工によって当接面Tを形成する。これにより、切削加工に要する工数、コストを削減し、より容易にスクロール圧縮機100を製造することができる。
<付記>
各実施形態に記載のスクロール圧縮機100は、例えば以下のように把握される。
各実施形態に記載のスクロール圧縮機100は、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係るスクロール圧縮機100は、軸線O回りに回転可能なシャフト1と、前記シャフト1に取り付けられたロータ21、及び前記ロータ21を外周側から覆うとともに前記軸線Oを中心とする円筒面22Sが形成されたステータ22を有するモータと、前記モータ2によって駆動される圧縮機本体3と、前記モータ2、及び前記圧縮機本体3を覆うハウジング4と、を備え、前記ハウジング4の内周面4Sには、前記円筒面22Sに当接する当接面Tと、前記円筒面22Sから離間するように外周側に向かって凹む凹面Rとが形成され、前記凹面Rの表面粗さは、前記当接面Tの表面粗さよりも大きい。
上記構成によれば、冷媒が流通する凹面Rの表面粗さが、当接面Tの表面粗さよりも大きく設定されている。一般的に、表面粗さが大きいほど、流体側の熱伝達率が向上することが知られている。したがって、上記の構成によれば、凹面Rが当接面Tと同様の表面粗さを有している場合に比べて、冷媒への熱伝達率を向上させることができる。これにより、モータ2をより効率的に冷却することができる。一方で、当接面Tは、表面粗さが相対的に小さいことから、ハウジング4の内周面4Sに対してより強固に締まり嵌めされた状態となる。これにより、より安定的にモータ2をハウジング4内で固定することができる。
(2)第2の態様に係るスクロール圧縮機100では、前記凹面Rは、前記軸線Oに対する周方向に等間隔をあけて複数配列されている。
上記構成によれば、凹面Rが周方向に等間隔をあけて複数配列されている。このため、周方向に均一にモータ2を冷却することができる。
(3)第3の態様に係るスクロール圧縮機100では、前記当接面Tの表面粗さは1.6以下であり、前記凹面Rの表面粗さは25以上100以下である。
上記構成によれば、凹面Rが当接面Tと同様の表面粗さを有している場合に比べて、冷媒への熱伝達率を向上させることができる。これにより、モータ2をより効率的に冷却することができる。
(4)第4の態様に係るスクロール圧縮機100の製造方法は、軸線O回りに回転可能なシャフト1と、前記シャフト1に取り付けられたロータ21、及び前記ロータ21を外周側から覆うとともに前記軸線Oを中心とする円筒面22Sが形成されたステータ22を有するモータ2と、前記モータ2によって駆動される圧縮機本体3と、前記モータ2、及び前記圧縮機本体3を覆うハウジング4と、を備えるスクロール圧縮機100の製造方法であって、前記ハウジング4の内周面4Sには、前記円筒面22Sに当接する当接面Tと、前記円筒面22Sから離間するように外周側に向かって凹む凹面Rとが形成され、前記凹面Rの表面粗さは、前記当接面Tの表面粗さよりも大きく、スクロール圧縮機100の製造方法は、鋳造によって円筒状の前記ハウジング4の素体を形成する素体形成工程S11と、前記素体の内周面に切削加工を施すことで前記当接面Tを形成する当接面形成工程S12と、削り出し加工によって前記凹面Rを形成する凹面形成工程S13と、を含む。
上記方法によれば、当接面形成工程S12によって当接面Tを形成した後、凹面形成工程S13で当該当接面Tに削り出し加工を施すことのみによって、表面粗さの大きい凹面Rを容易に形成することができる。これにより、製造工数、コストを削減することができる。
(5)第5の態様に係るスクロール圧縮機100の製造方法は、軸線O回りに回転可能なシャフト1と、前記シャフト1に取り付けられたロータ21、及び前記ロータ21を外周側から覆うとともに前記軸線Oを中心とする円筒面22Sが形成されたステータ22を有するモータ2と、前記モータ2によって駆動される圧縮機本体3と、前記モータ2、及び前記圧縮機本体3を覆うハウジング4と、を備えるスクロール圧縮機100の製造方法であって、前記ハウジング4の内周面4Sには、前記円筒面22Sに当接する当接面Tと、前記円筒面22Sから離間するように外周側に向かって凹む凹面Rとが形成され、前記凹面Rの表面粗さは、前記当接面Tの表面粗さよりも大きく、スクロール圧縮機100の製造方法は、鋳造によって前記凹面Rを含む円筒状の前記ハウジング4の素体を形成する素体形成工程S21と、前記素体の内周面に切削加工を施すことで前記当接面Tを形成する当接面形成工程S22と、を含む。
上記方法によれば、素体形成工程S21の段階で、凹面Rを含む素体を形成する。つまり、凹面Rは鋳造による表面粗さを呈している。続いて、この凹面Rを残存させるようにして切削加工によって当接面Tを形成する。これにより、切削加工に要する工数、コストを削減し、より容易にスクロール圧縮機100を製造することができる。
100 スクロール圧縮機
1 シャフト
2 モータ
3 圧縮機本体
4 ハウジング
4S 内周面
5 カバー
6 上部軸受
7 下部軸受
8 ドライブブッシュ
10 シャフト本体
11 小径部
12 大径部
13 偏芯軸部
21 ロータ
22 ステータ
22S 円筒面
31 固定スクロール
31A 第一端板
31B 第一渦巻板
32 可動スクロール
32A 第二端板
32B 第二渦巻板
32C ボス部
A 偏芯軸
H 開口部
O 軸線
R 凹面
T 当接面
1 シャフト
2 モータ
3 圧縮機本体
4 ハウジング
4S 内周面
5 カバー
6 上部軸受
7 下部軸受
8 ドライブブッシュ
10 シャフト本体
11 小径部
12 大径部
13 偏芯軸部
21 ロータ
22 ステータ
22S 円筒面
31 固定スクロール
31A 第一端板
31B 第一渦巻板
32 可動スクロール
32A 第二端板
32B 第二渦巻板
32C ボス部
A 偏芯軸
H 開口部
O 軸線
R 凹面
T 当接面
Claims (5)
- 軸線回りに回転可能なシャフトと、
前記シャフトに取り付けられたロータ、及び前記ロータを外周側から覆うとともに前記軸線を中心とする円筒面が形成されたステータを有するモータと、
前記モータによって駆動される圧縮機本体と、
前記モータ、及び前記圧縮機本体を覆うハウジングと、
を備え、
前記ハウジングの内周面には、前記円筒面に当接する当接面と、前記円筒面から離間するように外周側に向かって凹む凹面とが形成され、
前記凹面の表面粗さは、前記当接面の表面粗さよりも大きいスクロール圧縮機。 - 前記凹面は、前記軸線に対する周方向に等間隔をあけて複数配列されている請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- 前記当接面の表面粗さは1.6以下であり、前記凹面の表面粗さは25以上100以下である請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機。
- 軸線回りに回転可能なシャフトと、
前記シャフトに取り付けられたロータ、及び前記ロータを外周側から覆うとともに前記軸線を中心とする円筒面が形成されたステータを有するモータと、
前記モータによって駆動される圧縮機本体と、
前記モータ、及び前記圧縮機本体を覆うハウジングと、
を備えるスクロール圧縮機の製造方法であって、
前記ハウジングの内周面には、前記円筒面に当接する当接面と、前記円筒面から離間するように外周側に向かって凹む凹面とが形成され、
前記凹面の表面粗さは、前記当接面の表面粗さよりも大きく、
スクロール圧縮機の製造方法は、
鋳造によって円筒状の前記ハウジングの素体を形成する素体形成工程と、
前記素体の内周面に切削加工を施すことで前記当接面を形成する当接面形成工程と、
削り出し加工によって前記凹面を形成する凹面形成工程と、
を含むスクロール圧縮機の製造方法。 - 軸線回りに回転可能なシャフトと、
前記シャフトに取り付けられたロータ、及び前記ロータを外周側から覆うとともに前記軸線を中心とする円筒面が形成されたステータを有するモータと、
前記モータによって駆動される圧縮機本体と、
前記モータ、及び前記圧縮機本体を覆うハウジングと、
を備えるスクロール圧縮機の製造方法であって、
前記ハウジングの内周面には、前記円筒面に当接する当接面と、前記円筒面から離間するように外周側に向かって凹む凹面とが形成され、
前記凹面の表面粗さは、前記当接面の表面粗さよりも大きく、
スクロール圧縮機の製造方法は、
鋳造によって前記凹面を含む円筒状の前記ハウジングの素体を形成する素体形成工程と、
前記素体の内周面に切削加工を施すことで前記当接面を形成する当接面形成工程と、
を含むスクロール圧縮機の製造方法。
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JP2020174513A JP2022065799A (ja) | 2020-10-16 | 2020-10-16 | スクロール圧縮機、及びスクロール圧縮機の製造方法 |
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