JP5469117B2 - 電動流体ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、電動流体ポンプ、例えば電動ウォーターポンプに関する。
近年、自動車の低燃費化への要求が高まるにつれ、アイドルストップやハイブリッド車の実用化が進んでいる。これらの車両は、エンジンの停止時にポンプも停止するため、エンジン以外のポンプ駆動源が必要となる。また、ハイブリッド車や電気自動車においては、走行用モータやその制御装置、またはバッテリを冷却するためのウォーターポンプが必要とされる。これらの背景から、モータのステータ(コイル)が発生する磁束により、インペラが固定されたロータに回転力を付与する電動式の流体ポンプの使用が増加している。例えば、特許文献1には、インペラが収容されるポンプ室と連通する空間内にロータを収容し、隔壁部材により上記ロータ収容空間から液密に隔成された空間内にステータ(コイル)を収容する所謂キャンドポンプにおいて、ステータ(コイル)をインサート成形によりケーシングに収容し、ケーシング成形時にステータ(コイル)の内周面までを樹脂成形することで上記隔壁部材を構成する電動流体ポンプが記載されている。
特開2010−144693号公報
しかし、特許文献1に記載の電動流体ポンプでは、隔壁部材を十分に薄くすることができないため、ステータとロータとの間のエアギャップが拡大し、ポンプの効率が低下するおそれがあった。本発明の目的とするところは、ポンプ効率の低下を抑制することができる電動流体ポンプを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の電動流体ポンプは、好ましくは、隔壁部材を金属材料で作られた薄肉部材とした。
よって、エアギャップを小さくして、ポンプ効率の低下を抑制することができる。また、隔壁部材の軸方向一方側の開口部に、隔壁部材の本体部とは径が異なるシール保持部を設けたため、組付け性を向上することができる。

実施例1のポンプの軸方向断面図である。 実施例1の隔壁部材の(a)斜視図と(b)軸方向断面図である。 実施例2の隔壁部材の(a)斜視図と(b)正面図である。
[実施例1]
まず、構成を説明する。実施例1の電動流体ポンプ(以下、単に「ポンプ1」という。)は、作動流体として冷却媒体(冷却水)を用い、熱交換機(ラジエータ)に接続された循環回路中に組み込まれる冷却用ポンプであり、例えばハイブリッド自動車においてエンジン(内燃機関)や駆動用モータ、インバータ等に冷却水を供給するウォーターポンプである。ポンプ1は、ポンプ部2と、ポンプ部2を駆動する駆動部としてのモータ部3と、モータ部3の作動を制御する制御部4とを、同一のハウジングHSG内に有する1つのユニットとして構成されている。ハウジングHSGは、複数のハウジングユニット5〜7の結合により形成されている。図1は、ポンプ1の中心軸Oを通る平面で切った断面図である。軸Oは、支持軸65の軸心であり、ロータ31の(理想的な)回転軸である。説明のため、軸Oの方向にx軸を設け、モータ部3に対してポンプ部2の側を正方向とする。
(ポンプ部)
ポンプ部2は、ポンプ室R1を形成するポンプハウジング5と、ポンプ室R1内に回転自在に収容されたインペラ20とを有している。ポンプハウジング5は、軸O上に延びてポンプ室R1内に開口する吸入口INと、ポンプ室R1の外周部からx軸に直交する平面内に延びてポンプ室R1外に開口する吐出口OUTとを有している。ポンプ1は、インペラ20が回転することで冷却水に対して径方向に圧力を与える遠心ポンプである。インペラ20が回転することにより、冷却水は、吸入口INからポンプ室R1内に吸入され、インペラ20の外周側の吐出流路を経て、吐出口OUTから吐出(圧送)される。インペラ20は、複数の羽根201,202等を有する羽根車であり、ロータ31のx軸正方向端にロータ31と同軸一体に形成され、x軸方向で吸入口INに対向する位置に設置されている。各羽根201等は、ロータ31の中心軸Pを中心として放射状に配置されている。各羽根201等は、例えば、軸Pから外径側に向かうにつれてインペラ20の回転方向とは反対側に傾斜するように配置され、全体として渦巻き状に設置されている。ポンプハウジング5には、ロータ31(インペラ20)のx軸正方向側への移動を規制する移動規制部材50が、ポンプハウジング5と一体に形成されている。移動規制部材50は、吸入口INの内周から突出する複数のリブ(脚部)501,502等により支持され、軸O上に配置されており、リブ501等を介してポンプハウジング5に固定されている。移動規制部材50のx軸負方向側には、軸Oの周りに、x軸正方向側に向かって凹部51が形成されている。
(モータ部)
モータ部3は、所謂インナロータ型のDCブラシレスモータであり、筒状のステータ(固定子)30と、ステータ30の内周側に設けられたロータ(回転子)31と、モータ室R2を形成するモータハウジング6と、モータハウジング6に設けられロータ31を回転自在に支持する支持軸65と、を有している。ステータ30は複数のコイル300を有しており、コイル300への通電により内周側に磁束を生じさせる。ロータ31は、磁極保持部311と軸部312を一体に有しており、例えば樹脂材料を射出成形することでインペラ20と一体に形成される。なお、インペラ20をロータ31とは別部材としてこれをロータ31に固定することとしてもよい。磁極保持部311は、ステータ30(コイル300)の内周面301と僅かな隙間(エアギャップG)を介して対向するように設置される円柱状の部材であり、その内部には、ステータ30の複数のコイル300に対応して複数の磁極(周方向で交互にN極S極が並ぶ永久磁石)が保持されている。軸部312は、インペラ20を回転させるための動力を伝達する軸部材であり、磁極保持部311と同軸に中空に設けられ、その軸心Pの周りに支持孔313が貫通形成されている。軸部312のx軸負方向側は磁極保持部311(の内周側)と一体に設けられ、軸部312のx軸正方向側にはインペラ20が固定設置されている。ロータ31のx軸正方向側には、軸部312のx軸正方向端(インペラ20との接続部位)であって支持孔313のx軸正方向端に、支持孔313よりも大径の円筒状の凹部として、第1軸受け保持部32が形成されている。また、ロータ31のx軸負方向側には、磁極保持部311(軸部312)のx軸負方向端であって支持孔313のx軸負方向端に、支持孔313よりも大径の円筒状の凹部として、第2軸受け保持部33が形成されている。
モータハウジング6は、第1モータハウジング6aと、第2モータハウジング6bと、隔壁部材6cとを有している。第1モータハウジング6aはプレート状であり、ポンプハウジング5のx軸負方向側にボルト締結される。第1モータハウジング6aには、軸Oを中心とする貫通孔60が形成されている。第1モータハウジング6aにおいて、貫通孔60を取り囲む隔壁部のx軸負方向側の面には、貫通孔60を取り囲む円環状に、凹部601が形成されている。凹部601は、その内周側で貫通孔60と連続する。第2モータハウジング6bは有底円筒状であり、そのx軸正方向側の開口部が、第1モータハウジング6aのx軸負方向側面に突設された円筒状の嵌合突起に嵌合する。第2モータハウジング6bの円筒状の外壁部61の内周側にはステータ30(の外周)が設置される。第2モータハウジング6bのx軸負方向側の底部62には、ロータ31のx軸負方向端面と対向する部分に、軸Oを中心としてx軸正方向側に盛り上がる円錐台状の肉厚部620と、肉厚部620を囲んでx軸正方向側に突出する円環状の突出部621とが形成されている。肉厚部620には、支持軸65が一体に設けられている。支持軸65は、軸O上に、x軸正方向側に延びるように、第2モータハウジング6bと一体に形成されている。支持軸65の直径は、ロータ31の支持孔313の直径よりも所定量だけ小さく設けられている。支持軸65の長さは、支持孔313の長さより若干長く、組付け状態で、第1モータハウジング6aのx軸正方向端面を超えてポンプ室R1内に入り込む程度に設けられている。支持軸65のx軸正方向側の端部は本体よりも若干小径に設けられており、移動規制部材50の凹部51に嵌合して固定設置される。
ロータ31の第1、第2軸受け保持部32,33には、第1,第2軸受け8,9が夫々設置され、各軸受け8,9はロータ31に対して固定される。軸受け8,9は、共に滑り軸受けである。各軸受け8,9の内周面の直径は、支持孔313の直径よりも小さく、支持軸65の直径よりも僅かに大きく設けられている。支持軸65がロータ31の支持孔313を貫通し、ロータ31が支持軸65に設置された状態で、ロータ31に固定された軸受け8,9の内周面と支持軸65の外周面との間には、僅かな隙間が存在する。すなわち、各軸受け8,9は支持軸65に対して摺動可能に設けられており、ロータ31は、各軸受け8,9を介して支持軸65に回転自在に支持される。
図2は、隔壁部材6cの(a)斜視図と(b)軸Oを通る平面で切った断面図である。隔壁部材6cは、第2モータハウジング6bよりも小型かつ薄肉の円管状であり、非磁性体の金属材料(例えばステンレス)を例えばプレス加工することで、軸方向両端が開口する円筒状に作られる。隔壁部材6cは、円筒状の本体部66と、本体部66のx軸正方向側の開口部に外径側に広がるように設けられたフランジ部67と、本体部66のx軸負方向側の開口部に内径側に広がるように設けられたフランジ部68と、フランジ部68の内周側からx軸負方向に延びるように設けられた小径部であるシール保持部69とを有している。本体部66の厚さは、例えば0.5mm以下とすることが可能である。本体部66の内周側の表面には、軸Oを中心とする周方向に延びる複数の溝(凹部)660が、本体部66のx軸方向全範囲にわたって設けられている。図1に示すように、本体部66の外周側にはステータ30が設置され、この設置状態で、本体部66の外周面661はステータ30(コイル300)の内周面301に当接する。フランジ部67は、第1モータハウジング6aのx軸負方向側の面において貫通孔60の外周に設けられた凹部601に当接して設置され、フランジ部67のx軸正方向側の面は、凹部601の(x軸正方向側の)底面との間でシール面を形成する。フランジ部68は、第2モータハウジング6bの突出部621に対し当接するかまたは若干の距離をおいて設置される。シール保持部69の外周にはシール部材Sが設置される。シール部材Sは例えばOリングであり、シール保持部69と突出部621との間に挟まれ、径方向に圧縮された状態で設置される。これにより、隔壁部材6cの内周側と外周側との連通が遮断される。
第1、第2モータハウジング6a,6bおよび隔壁部材6cにより形成されるドーナツ状の閉空間は、ステータ30が設置・収容されるステータ収容室R21である。隔壁部材6cの内周側であってポンプ室R1と常時連通する開空間は、ポンプ室R1からの冷却水が充たされると共に、ロータ31が回転自在に設置・収容されるロータ収容室R22である。モータ室R2は、ステータ収容室R21とロータ収容室R22から構成される。
(制御部)
制御部4は、モータ部3の駆動電流を供給するドライバであり、基板収容室R3を形成する制御ハウジング7と、基板収容室R3に収容される基板40と、キャパシタ(コンデンサ)等を有している。基板40には、電子回路(CPUやトランジスタ等)が搭載されており、これらの回路素子とキャパシタ等により変換機及び制御回路が構成されている。変換機は、直流電源であるバッテリから電力供給を受けてモータ部3(コイル300)へ交流電力を供給し、制御回路は変換機を制御する。制御ハウジング7は、第1制御ハウジング7aと、第2制御ハウジング7bとを有している。第1制御ハウジング7aは第2モータハウジング6bのx軸負方向側に嵌合し、第2制御ハウジング7bは第1制御ハウジング7aのx軸負方向側にボルト締結される。基板40と略平行に配置される第2制御ハウジング7bのx軸負方向端面にはヒートシンクが形成されている。ロータ収容室R22からステータ収容室R21への作動流体の浸入は、シール部材Sにより遮断される。すなわち、ステータ収容室R21および基板収容室R3は、ロータ収容室R22に対して液密に隔離されており、冷却水が入り込まないように設けられている。
[作用]
次に、作用を説明する。
ポンプ室と連通するロータ収容室からステータ収容室へ作動流体が浸入しないよう、ステータとロータの間に隔壁部材を設置した所謂キャンド型の電動流体ポンプにおいて、製造を簡略化するため、隔壁部材を樹脂材料により形成することが考えられる。例えば特許文献1には、ステータ(コイル)をインサート成形により収容したケーシングを備え、ケーシングに支持されたシャフトにより(インペラが固定された)ロータを回転自在に支持し、ステータ(コイル)を防水するための隔壁は、ケーシング成形時にステータ(コイル)の内周面までを樹脂成形することで、ケーシングと一体に構成される電動流体ポンプが記載されている。しかし、隔壁部材を樹脂材料により型成形する場合には、成形時に溶融樹脂の流れ込みを確保する観点から、隔壁部材においてある程度の肉厚が必要となる。また、例えば、ハイブリッド車の場合、電動流体ポンプを用いて水冷式エンジンを冷却したいという要求がある。そこで、エンジン冷却用に上記構成の電動流体ポンプを用いた場合、樹脂製の隔壁部材があまりに薄いと、これに接する冷却水の温度(エンジン冷却用の場合、加圧する関係上、例えば120℃までの温度域を見込む。)と外気温(冬の場合、例えば−40℃までの温度域を見込む場合もある。)との差により、隔壁部材に(成形の不具合が有ればその箇所に)ヒビが入る等、隔壁部材の強度や耐久性が低下し、その防水機能が悪化するおそれがある。すなわち、製法上、その成形性を確保するため、また、使用する環境(温度環境)における隔壁部材の強度を確保するために、隔壁部材の肉厚がある程度必要となり、よって、モータのステータとロータの間のエアギャップを大きく取らざるを得ない。エアギャップが大きくなると、ステータからロータに伝達される磁力が(距離の二乗に比例して)低下し、モータの出力が低下する。このため、ポンプの性能を維持しようとすると、例えば消費電力が増加してポンプの効率が低下する。または、磁石として高価なネオジム等を用いたり、その使用量を増やしたりすることとなり、コストが増大する。
これに対し、本実施例1のポンプ1では、隔壁部材6cの材質を金属としたため、成形性の点で薄肉部材とすることが可能である。また、使用環境(温度環境)に対する強度を確保するために肉厚を大きくする必要も、樹脂材料よりも少ない。よって、本実施例1では、隔壁部材6cを金属材料で作られた薄肉部材とした。これにより、ステータ30とロータ31間のエアギャップGを可及的に小さくすることができるため、モータを小型化しつつ、低消費電力化してポンプ効率を向上することができる。すなわち、水冷式エンジン用のように、使用する冷媒の温度が比較的高い場合でも、防水機能の低下を抑制しつつ、より小型かつ高効率なポンプとすることができる。また、その製造に必要となる磁石のコストを削減し、より安価なポンプとすることができる。本実施例1では、ステータ30(コイル300)の内周面301と隔壁部材6c(本体部66)の外周面661を当接させることとしたため、両面301、661を非接触状態とした場合よりもエアギャップGを小さくして上記効果を向上できる。なお、隔壁部材6cに用いる金属材料は、非磁性であることが求められるため、例えば、非磁性のオーステナイト系ステンレス(例えばSUS304)を用いることができる。また、隔壁部材6cの厚さは、例えば、所定の温度差に繰り返し晒されても隔壁部材6cの劣化が許容範囲内に収まる程度であることが好ましい。本実施例1では、ステータ30の内周面301に当接する部分の隔壁部材6c(本体部66)の厚さを0.5mm以下としたため、隔壁部材6c(本体部66)の強度を許容範囲内としつつ、その厚さを可及的に薄くして、エアギャップGをより小さくすることができる。
ステータ30からの磁束が貫通する隔壁部材6cを上記のように金属材料で作る場合、その表面に渦電流が発生して、モータ部3の損失が発生し、モータ効率が低下するおそれがある。特に、エンジン冷却にポンプ1を用いる場合、ポンプ1を比較的大容量化または大型化する必要があり、この場合、渦電流による損失(渦電流損)を無視できない。これに対し、本実施例1では、隔壁部材6を薄肉の部材とすることで、隔壁部材6cにおける渦電流を抑制し、モータ効率の低下を抑制することができる。言い換えると、隔壁部材6cの厚さは、渦電流損をある程度抑制できるほど小さいことが好ましい。ここで、渦電流を流れにくくするためには、透磁率が高く、導電率の低い材料を使うことが好ましい。本実施例1では、金属の中でも比較的電気を通しにくいステンレスを用いるため、好適である。
さらに本実施例1では、隔壁部材6c(本体部66)の表面に、周方向に延びる複数の溝660を設けた。よって、渦電流損をより効果的に抑制することができる。すなわち、渦電流は隔壁部材6cの表面に流れる。ここで、表面に沿ってみた場合、溝(ギャップ)660は渦電流が流れる際の抵抗となるため、実際に流れる渦電流(の最大径)は、隣接する溝660と溝660との間の範囲W(図2(b)参照)に制限される。このように、発生する各渦電流の大きさ(直径)を小さくすることで、渦電流によるトータルの損失が低減される。ここで、溝660は、隔壁部材6cの表面における所定深さ(例えば本体部66の厚さの1/10〜1/2)まで設ければ充分である。なお、溝660は、本体部66の内周面と外周面のどちらに設けてもよいし、両方に設けてもよい。また、本体部66において、ステータ30のコイル300と対向して磁束が貫通する範囲L(図1参照)に設ければよく、本体部66のx軸方向全範囲に設けなくてもよい。また、溝660を設けずに省略することとしてもよい。
また、本実施例1のポンプ1は、隔壁部材6cの形状を、軸方向両端が開口する薄肉の筒状とすることで、隔壁部材6cの防水機能の低下を抑制しつつポンプ出力を増大することができる。すなわち、従来、ロータを回転自在に支持する支持軸の一端を、有底筒状の隔壁部材の底部に設けた凹部に圧入・固定することで、支持軸と隔壁部材との間の軸ズレに起因してロータと隔壁部材との間の隙間に偏りが発生することを抑制する電動流体ポンプが知られている(例えば特開2007−205246号公報)。しかし、この構成の場合、支持軸の取付け強度が隔壁部材の剛性に左右されることとなり、隔壁部材の肉厚を薄くすると剛性が不足するおそれがある。すなわち、上記従来のポンプは、薄肉の隔壁部材によりロータの質量ないしイナーシャを支える構造であるため、ロータの回転時に支持軸の振動が起こりやすく、ポンプが振動する懸念がある。また、支持軸の振動が隔壁部材の強度・耐久性に悪影響を与え、隔壁部材に亀裂が入る等、その防水機能が低下するおそれがある。よって、隔壁部材によって保持できるロータの大きさに限界があり、モータおよびポンプの出力に限界があった。言い換えると、上記構成の場合、隔壁部材の剛性を確保しつつモータを大型化することが困難であり、例えばエンジン冷却用には適さないサイズのポンプとならざるを得ない。すなわち、エンジン冷却等に用いる場合、ポンプはある程度の大きい出力が必要であるが、薄肉の有底筒状の隔壁部材を用いる上記構成の場合、上記出力を達成できるサイズとすることが困難であった。
これに対し、本実施例1のポンプ1では、隔壁部材6cを軸方向両端が開口する筒形状とすることで、薄肉の隔壁部材6cでロータ31(支持軸65)を保持することなく、その代わりに、(隔壁部材6cよりも厚肉の)ハウジングHSG側の部材によりロータ31(支持軸65)を保持することが可能になる。具体的には、第2モータハウジング6b(底部62)により支持軸65を保持し、支持軸65によりロータ31を回転自在に支持する。なお、本実施例1では、底部62のうち肉厚部620により支持軸65を保持する構成であるため、支持軸65の保持強度をより向上し、ロータ31をより強固に回転支持できる。このようにロータ31(支持軸65)の保持強度をハウジングHSG側の部材により確保することで、ロータ31の回転振動を抑制することができる。したがって、ロータ31を大型化し、充分なポンプ出力を得ることで、ポンプ1を自動車のエンジン冷却等のために用いることも可能である。また、隔壁部材6cを薄肉として上記作用効果を得つつ、薄肉とすることに伴う強度不足のおそれを回避して、防水機能の低下を抑制することができる。
なお、本実施例1において、ポンプ1の作動流体は冷媒としての冷却水であり、上記構成はウォーターポンプに適用されることとしたが、ウォーターポンプに限らず、所謂キャンド型の電動流体ポンプであれば、上記構成を適用することができる。また、支持軸65を、第2モータハウジング6bから切り離された別部材として設けた上で、これを第2モータハウジング6b(底部62)に(圧入やインサート成形により)固定設置することとしてもよい。この場合、部品の加工精度や組付けの自由度を向上することができる。本実施例1では、支持軸65を第2モータハウジング6bと一体に設けたため、部品点数や組付け工数を削減することができる。また、ハウジングHSG側に固定された支持軸65によりロータ31を回転自在に支持するのではなく、ロータ31にシャフト(回転軸)を固定し、ハウジングHSG側の部材(移動規制部材50、底部62)に設置した軸受けにより上記シャフトを回転自在に支持することとしてもよい。また、本実施例1では、インペラ20はロータ31の回転軸方向一端に固定されることとしたが、ロータ31の回転軸方向両端にインペラ20が固定されることとしてもよい。
本実施例1では、隔壁部材6cにおいて、軸方向一方側(x軸正方向側)の開口部に、ステータ30を収容するハウジング部材(第1モータハウジング6a)に当接するフランジ部67を設け、軸方向他方側(x軸負方向側)の開口部に、シール部材Sが設置されるシール保持部69を設けた。よって、隔壁部材6cを軸方向両端が開口する円筒状としても、フランジ部67とシール保持部69(シール部材S)とによりステータ収容室R21とロータ収容室R22を液密に隔成することができるため、隔壁部材6cの防水機能を担保することができる。ここで、隔壁部材6cを、例えばシール保持部69にシール部材Sを設置した状態で、x軸正方向側から第2モータハウジング6b(ステータ30の内周側)に組付け、これに対して第1モータハウジング6aをx軸正方向側から組付けるだけで、隔壁部材6cの軸方向両端で両室R21,R22を液密に隔成することができるため、ポンプ1の組付け性を向上することができる。なお、第1モータハウジング6aの凹部601を省略することとしてもよい。本実施例1では、凹部601を設けたため、フランジ部67におけるシール性を向上できる。シール保持部69についてみると、シール保持部69を本体部66よりも小径に設けて段差形状とし、フランジ部68とシール保持部69との間に凹部を形成しているため、この凹部にシール部材Sを保持することで、組付け性を更に向上することができる。このような段差形状(シール保持部69)やフランジ部67は、隔壁部材6cに例えば深絞り加工を施すことで比較的容易に形成することが可能である。なお、第2モータハウジング6bの突出部621にシール部材Sを設置した状態で、隔壁部材6cをモータハウジング6に組付けてもよい。また、シール保持部69を本体部66よりも小径に設けるのではなく大径に設け、シール保持部69の内周と突出部621の外周との間にシール部材Sを設置することとしてもよい。また、シール部材SとしてのOリングを径方向に圧縮するのではなく、フランジ部68と第2モータハウジング6bの底部62との間でx軸方向に圧縮することとしてもよい。また、本実施例1では、第1モータハウジング6a、第2モータハウジング6b、及び隔壁部材6cが別々に形成され、これらが一体に組み付けられることでモータハウジング6を構成することとしたが、モータハウジング6(第1、第2モータハウジング6a,6b)を樹脂材料にて一体成形し、これに(金属製の)隔壁部材6cをインサート成形することとしてもよい。この場合、部品点数や組付け工数を削減することができるだけでなく、モータハウジング6の成形と同時に両室R21,R22を液密に隔成してシール性を向上することができる。例えば、シール部材Sを省略することが可能となる。
[効果]
以下、実施例1から把握される本発明のポンプ1の効果を列挙する。
(1)車両に搭載される電動流体ポンプであって、ステータ30が発生する磁束により回転力を与えられるロータ31と、ロータ31の回転軸方向の少なくとも一端に固定されたインペラ20と、ロータ31とインペラ20を収容するハウジングHSGと、ハウジングHSG内にロータ31とステータ30との間に設置され、インペラ20およびロータ31の収容室(ポンプ室R1, ロータ収容室R22)とステータ30の収容室(ステータ収容室R21)とを画成する隔壁部材6cと、を備え、ロータ31をハウジングHSG(第2モータハウジング6b)に対し回転自在に支持すると共に、隔壁部材6cは、非磁性の金属材料で作られ、軸方向両端が開口する円筒状の薄肉部材とした。
よって、隔壁部材6cを金属材料で作られた薄肉部材とすることで、エアギャップを可及的に小さくし、これによりコストを削減しつつポンプ効率の低下を抑制することができる。また、隔壁部材6cを軸方向両端が開口する筒形状とすることで、ポンプ1の振動を抑制しつつポンプ出力を増大することができる。
(2)隔壁部材6cの表面に、周方向に延びる複数の溝660を設けた。
よって、渦電流による損失を低減し、モータ効率を向上することができる。
(3)ステータ30(コイル300)の内周面301と隔壁部材6cの外周面は当接している。
よって、エアギャップGをより小さくすることができる。
(4)ステータ30の内周面301に当接する部分の隔壁部材6c(本体部66)の肉厚は0.5mm以下である。
よって、エアギャップGを可及的に小さくすることができる。
(5)ハウジングHSG(モータハウジング6)は樹脂材料にて成形され、隔壁部材6cがインサート成形されることとしてもよい。
この場合、部品点数や組付け工数を削減し、両収容室(R21,R22)間の液密性(シール性)を向上することができる。
(6)隔壁部材6cの軸方向一方側(x軸正方向側)の開口部に、ステータ30を収容するハウジング側の部材(第1モータハウジング6a)に当接するフランジ部67を設け、軸方向他方側(x軸負方向側)の開口部に、シール部材Sが設置されるシール保持部69を設けた。
よって、隔壁部材6cの防水機能を担保することができると共に、ポンプ1の組付け性を向上することができる。
(7)ポンプ1は、自動車の内燃機関を冷却するためのウォーターポンプである。
よって、本発明をエンジン冷却用ポンプに適用することで、上記(1)〜(6)の効果をより効果的に得ることができる。
[実施例2]
図3は、実施例2のポンプ1が有する隔壁部材6cの(a)斜視図と(b)x軸正方向側から見た正面図である。本体部66の内周側の表面には、x軸方向に延びる複数の溝(凹部)660が、本体部66のx軸方向全範囲にわたって設けられている。他の構成は実施例1と同様であるため、説明を省略する。実施例2においても、実施例1と同様、溝(ギャップ)660により、渦電流による損失を低減し、モータ効率を向上することができる。なお、溝660は、本体部66の内周面と外周面のどちらに設けてもよいし、両方に設けてもよい。
[実施例2の効果]
(8)隔壁部材6cの表面に、軸方向に延びる複数の溝660を設けた。
よって、渦電流による損失を低減し、モータ効率を向上することができる。
〔他の実施例〕
以上、本発明を実施例1,2に基づいて説明してきたが、各発明の具体的な構成は実施例1,2に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
20 インペラ
30 ステータ
31 ロータ
6b 第2モータハウジング
6c 隔壁部材
HSG ハウジング
R1 ポンプ室(インペラの収容室)
R22 ロータ収容室(ロータの収容室)
R21 ステータ収容室(ステータの収容室)

Claims (7)

  1. 車両に搭載される電動流体ポンプであって、
    ステータが発生する磁束により回転力を与えられるロータと、
    前記ロータの回転軸方向の少なくとも一端に固定されたインペラと、
    前記ロータと前記インペラを収容するハウジングと、
    前記ハウジングに固定され、前記ロータを回転自在に支持する支持軸と、
    前記ハウジング内に前記ロータと前記ステータとの間に設置され、前記インペラおよび前記ロータの収容室と前記ステータの収容室とを画成する隔壁部材と
    を備え、
    前記隔壁部材は、非磁性の金属材料で作られ、軸方向両端が開口する円筒状の薄肉部材とし
    前記隔壁部材の軸方向一方側の開口部に、前記隔壁部材の本体部とは径が異なる円筒状に前記軸方向一方側に延び、シール部材が設置されるシール保持部を設け、
    前記ハウジングにおいて前記隔壁部材の前記軸方向一方側の開口部に対向する面から前記軸方向一方側とは反対方向側に盛り上がる肉厚部を設け、前記肉厚部により前記支持軸を保持すると共に、前記肉厚部を前記シール保持部の内周側に配置した
    ことを特徴とする電動流体ポンプ。
  2. 請求項1に記載の電動流体ポンプにおいて、
    前記隔壁部材の表面に、周方向または軸方向に延びる複数の溝を設けたことを特徴とする電動流体ポンプ。
  3. 請求項1または2に記載の電動流体ポンプにおいて、
    前記ステータの内周面と前記隔壁部材の外周面は当接していることを特徴とする電動流体ポンプ。
  4. 請求項3に記載の電動流体ポンプにおいて、
    前記ステータの内周面に当接する部分の前記隔壁部材の肉厚は0.5mm以下であることを特徴とする電動流体ポンプ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の電動流体ポンプにおいて、
    前記ハウジングは樹脂材料にて成形され、前記隔壁部材がインサート成形されていることを特徴とする電動流体ポンプ。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の電動流体ポンプにおいて、
    前記隔壁部材の軸方向方側の開口部に、前記ステータを収容する前記ハウジング側の部材に当接するフランジ部を設けことを特徴とする電動流体ポンプ。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の電動流体ポンプにおいて、
    前記電動流体ポンプは、自動車の内燃機関を冷却するためのウォーターポンプであることを特徴とする電動流体ポンプ。
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