JP5972737B2 - 電動ウォーターポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、電動ウォーターポンプに関する。
特許文献1に記載された電動ウォーターポンプでは、インペラを駆動するモータとしてセンサレスタイプのブラシレスモータを用い、モータコイルに生じる誘起電圧(逆起電力)からロータの回転位置を推定し、モータの回転数を制御している。
特開2012−140912号公報
誘起電圧は誘起電圧定数(逆起電力定数)と回転数に比例するため、低回転域は誘起電圧が低くなり、回転位置が推定不能となる。このため、モータは誘起電圧からロータの回転位置を推定可能な回転数以上で運転する必要があり、ポンプ流量はモータの回転数に比例するため、上記従来技術では、高流量性能を維持しつつ低流量性能を改善することが困難であった。
本発明の目的とするところは、高流量性能を維持しつつ低流量性能を改善できる電動ウォーターポンプを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、ロータおよびインペラを、ハウジングに対して初期位置と回転軸方向一方の所定位置との間を軸方向移動可能に設け、ハウジングの吐出部と対向する位置に、インペラが初期位置にあるとき吐出部の一部と回転軸方向にオーバーラップし、インペラが所定位置から所定距離移動した位置にあるときオーバーラップを解消する壁部を設け、ハウジングの壁部と回転軸方向に対向する位置に、インペラと回転軸方向に常時オーバーラップする凸部を設けた。
よって、低回転時には壁部によって流量を低減させ、高回転時には壁部の影響を受けなくすることで流量を増大させることができるため、高流量性能を維持しつつ低流量性能を改善できる。
実施例1の電動ウォーターポンプ1の縦断面図である。 実施例1の電動ウォーターポンプ1の低回転時の動作を示す図である。 実施例1の電動ウォーターポンプ1の高回転時の動作を示す図である。 実施例1の電動ウォーターポンプ1の回転数−流量特性図である。
以下、本発明の電動ウォーターポンプを実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
〔実施例1〕
図1は、実施例1の電動ウォーターポンプ(以下、ポンプ)1の縦断面図である。
まず、構成を説明する。
電動ウォーターポンプ1は、作動流体として冷媒(冷却水)を用い、熱交換機(ラジエータ)に接続された循環回路中に組み込まれる冷却用ポンプであり、例えばハイブリッド自動車においてエンジン(内燃機関)や駆動用モータ、インバータ等に冷却水を供給するウォーターポンプである。電動ウォーターポンプ1は、電動式であり、ポンプ部2と、モータ部3と、制御部4と、を、同一のハウジングHSG内に有する1つのユニットとして構成されている。ハウジングHSGは、複数のハウジングユニット5,6,7の結合により形成されている。電動ウォーターポンプ1の中心軸Oは、支持軸8の軸心であり、ロータ9の(理想的な)回転軸である。説明のため、軸Oの方向にx軸を設け、モータ部3に対してポンプ部2の側を正方向とする。
[ポンプ部]
ポンプ部2は、ポンプ室R1内に回転自在に収容されたインペラ10を有する。ポンプ室R1は、車両側に設けられたポンプハウジング5内に形成されている。ポンプハウジング5は、軸O上に延びてポンプ室R1内に開口する吸入口INと、ポンプ室R1の外周部からx軸に直交する平面内に延びてポンプ室R1外に開口する吐出口OUTとを有する。インペラ10は、ロータ9のx軸正方向端にロータ9と同軸一体に形成され、x軸方向で吸入口INに対向する位置に設置される羽根車であり、底部10aと、複数の羽根部10bと、傘部10cとを有する。底部10aと羽根部10bはインペラ10と一体に成形され、傘部10cは成形後に羽根部10bと溶着されている。底部10aは円板状に形成されている。各羽根部10bは、底部10aと傘部10cとの間に介装され、軸Pから外径側に向かうに連れてインペラ10の回転方向とは反対側に傾斜するように配置され、全体として渦巻き状に設置されている。羽根部10bの中心側端部は、吸入部10dの開口径よりも小さな径の円上に配置されている。傘部10cは、円錐の中心部に円筒状の開口部を形成した形状であり、この開口部によってインペラ10の吸入部10dが形成されている。また、隣接する羽根部10b,10bの外周側端部、底部10aおよび傘部10cによってインペラ10の吐出部10eが形成されている。
ポンプ室R1は、吸入流路R11と、インペラ室R12と、吐出流路R13とを有している。吸入流路R11は、ポンプハウジング5に吸入口INと同軸に設けられた円筒状の空間である。インペラ室R12は、インペラ10を収容する空間であり、ポンプハウジング5において軸Oの周りに設けられ、x軸正方向側で吸入流路R11と連続している。吐出流路R13は、ポンプハウジング5においてインペラ室R12の外周側にインペラ室R12を取り囲むように設けられた凹部と、第1モータハウジング6aのx軸正方向側の面とにより形成されるドーナツ状の空間である。吐出流路R13は、軸Oの側(内径側)でインペラ室R12と連続し、軸Oから離れる側(外径側)で吐出口OUTと連続している。冷却水は、吸入口INから吸入流路R11を経てインペラ室R12内に吸入され、インペラ10の吸入部10dへと導入される。そして、インペラ10の回転により径方向に圧力を与えられた後、吐出部10eから吐出流路R13へ放出され、吐出流路R13を経て吐出口OUTから吐出(圧送)される。すなわち、電動ウォーターポンプ1は、インペラ10が回転することで冷却水に対して径方向に圧力を与える遠心ポンプである。ポンプハウジング5には、インペラ10の抜け止めとして機能する抜け止め部材19が、ポンプハウジング5と一体に形成されている。抜け止め部材19は、吸入口INの内周から突出する複数のリブ19aにより支持され、軸O上に配置されており、リブ19a等を介してポンプハウジング5に固定されている。抜け止め部材のx軸負方向側には、軸Oの周りに、x軸正方向側に向かって凹部19bが形成され、支持軸8のx軸正方向端部が挿入される。
[モータ部]
モータ部3は、いわゆるインナロータ型のDCブラシレスモータであり、筒状のステータ11と、ステータ11の内周側に設けられたロータ9と、内部にモータ室R2を形成するモータハウジング6と、モータハウジング6に設けられロータ9を回転自在に支持する支持軸8と、を有している。モータ部3は、ロータ9の回転位置を検出する回転センサを持たないセンサレスタイプである。ステータ11は複数のコイル11aを有しており、コイル11aへの通電により内周側に磁束を生じさせる。ロータ9は、磁極保持部9aと軸部9bを一体に有しており、例えば樹脂材料を射出成形することでポンプ部2のインペラ10と一体に形成される。なお、インペラ10をロータ9とは別部材としてこれをロータ9に固定することとしてもよい。磁極保持部9aは、ステータ11の内周面と僅かな隙間(エアギャップ)を介して対向するように設置される円柱状の部材であり、その内部には、ステータ11の複数のコイル11aに対応して複数の磁極(周方向で交互にN極S極が並ぶ永久磁石)が保持されている。軸部9bは、インペラ10を回転させるための動力を伝達する軸部材であり、磁極保持部9aと同軸に中空に設けられ、その軸心Pの周りに支持孔11cが貫通形成されている。軸部9bのx軸負方向側は磁極保持部9a(の内周側)と一体に設けられ、軸部9bのx軸正方向側にはインペラ10が固定設置されている。ロータ9のx軸正方向側には、軸部9bのx軸正方向端(インペラ10との接続部位)であって支持孔11cのx軸正方向端に、支持孔11cよりも大径の円筒状の凹部として、第1軸受け保持部12が形成されている。また、ロータ9のx軸負方向側には、磁極保持部9a(軸部9b)のx軸負方向端であって支持孔11cのx軸負方向端に、支持孔11cよりも大径の円筒状の凹部として、第2軸受け保持部13が形成されている。
モータハウジング6は、第1モータハウジング6aと、第2モータハウジング6bと、隔壁部材6cとを有している。第1モータハウジング6aはプレート状であり、ポンプハウジング5のx軸負方向側にボルト締結される。第1モータハウジング6aには、軸Oを中心とする貫通孔14が形成されている。第1モータハウジング6aのx軸正方向側の面には、貫通孔14を取り囲んで、上記面からx軸正方向側(軸Oと略平行)に突出する円筒状の壁部15が設けられている。貫通孔14を取り囲む壁部15の内周側の面は、壁面16を構成している。壁面16は円筒状であり、その軸(曲率中心)は軸Oと略一致する。第1モータハウジング6aのx軸正方向側の面内(x軸に対して直角方向に延びる平面内)で、壁面16と貫通孔14との間には、若干の距離が設けられている。第2モータハウジング6bは有底円筒状であり、そのx軸正方向側の開口部が、第1モータハウジング6aのx軸負方向側面に突設された円筒状の嵌合突起に嵌合する。第2モータハウジング6bの円筒状の外壁部17の内周側にはステータ11(の外周)が設置される。第2モータハウジング6bのx軸負方向側の底部18には、支持軸8のx軸負方向端部に形成された大径部8aに面して大径部8aが圧入固定される断面コ字状の軸支持部材18aが取り付けられ、軸支持部材18aを囲んでx軸正方向側に突出する円筒状の突出部18bが形成されている。
ロータ9の第1,第2軸受け保持部12,13には、第1,第2軸受け20,21がそれぞれ設置され、各軸受け20,21はロータ9に対して固定される。軸受け20,21は、共にすべり軸受けである。各軸受け20,21の内周面の直径は、支持孔11cの直径よりも小さく、支持軸8の直径よりも僅かに大きく設けられている。支持軸8がロータ9の支持孔11cを貫通し、ロータ9が支持軸8に設置された状態で、ロータ9に固定された軸受け20,21の内周面と支持軸8の外周面との間には、僅かな隙間が存在する。すなわち、各軸受け20,21は支持軸8に対して摺動可能に設けられており、ロータ9は、各軸受け20,21を介して支持軸8に対し、回転自在、かつ、x軸方向に所定範囲内で移動可能に支持される。
隔壁部材6cは、第2モータハウジング6bよりも小型かつ薄肉の円管状であり、非磁性体の金属材料(例えばステンレス)を例えばプレス加工することで、軸方向両端が開口する円筒状に作られる。隔壁部材6cは、円筒状の本体部22と、本体部22のx軸正方向側の開口部に外径側に広がるように設けられたフランジ部23と、本体部22のx軸負方向側の開口部に内径側に広がるように設けられたフランジ部24と、フランジ部24の内周側からx軸負方向に延びるように設けられた小径部であるシール保持部25とを有している。本体部22の外周にはステータ11(の内周)が設置される。フランジ部23は、第1モータハウジング6aのx軸正方向側の面において、貫通孔14の外周縁に当接して設置され、第1モータハウジング6aの上記面との間でシール面を形成する。フランジ部24は、第2モータハウジング6bの突出部18bに対し当接するかまたは若干の距離を置いて設置される。シール保持部25の外周にはシール部材26が設置される。シール部材26は例えばOリングであり、シール保持部25と突出部18bとの間に挟まれ、径方向に圧縮された状態で設置される。これにより、隔壁部材6cの内周側と外周側との連通が遮断される。
モータ室R2は、ステータ収容室R21と連通室R22を有している。第1,第2モータハウジング6a,6bおよび隔壁部材6cにより形成されるドーナツ状の閉空間がステータ収容室R21であり、ステータ収容室R21にはステータ11が設置・収容される。隔壁部材6cの内周側であってインペラ10の底部10aのx軸負方向側に設けられる空間が連通室R22である。連通室R22は、軸Oを中心とする(インペラ10の回転軸Pと略同軸の)円筒状に設けられ、その直径はインペラ10の底部10aの直径よりも若干大きく設けられている。連通室R22にはロータ9が回転自在に設置・収容される。連通室R22は、インペラ10の底部10aとハウジングHSG(第1モータハウジング6aないし隔壁部材6c)の内周面との間の連通路27を介してポンプ室R1(吐出流路R13)と常時連通する開空間であり、ポンプ室R1からの冷却水が充たされる。インペラ10の底部10aは、x軸方向で連通室R22と対向するように、壁部15の内周側の空間に収容される。壁面16は、インペラ10の外周を取り囲み、軸Oに対し直角方向でインペラ10の外周に所定の隙間を介して対向する。
上述したように、ロータ9およびインペラ10は、支持軸8に対し、x軸方向に所定範囲内で移動可能に支持されている。図1に示したロータ9およびインペラ10の位置は、最もx軸負方向に移動した初期位置を示しており、初期位置からx軸正方向の所定位置まで軸方向移動可能である。ロータ9およびインペラ10は、インペラ10の回転で生じる水圧(負圧)が所定圧以上となったとき、すなわち、インペラ10の回転数が所定回転数に達したとき、初期位置から所定位置までx軸正方向へ移動する。なお、所定回転数は、コイル11aに生じる誘起電圧からロータ9の回転位置を推定可能な最小回転数よりも高い回転数となるように設定されている。
壁部15は、軸Oに対し直角方向から見て、インペラ10が初期位置にある場合には壁面16がインペラ10の吐出部10eと部分的に重なる(オーバーラップする)位置まで延び、初期位置からインペラ10がx軸正方向へ所定距離移動した場合には壁面16が吐出部10eと重ならない(オーバーラップしない)ような長さに設定されている。
[制御部]
制御部4は、モータ部3の駆動電流を供給するドライバであり、基板収容室R3を形成する制御ハウジング7と、基板収容室R3に収容される基板28と、キャパシタ(コンデンサ)等を有している。基板28には、電子回路(CPUやトランジスタ等)が搭載されており、これらの回路素子とキャパシタ等により変換機及び制御回路が構成されている。変換機は、直流電源であるバッテリから電力供給を受けてモータ部3(コイル11a)へ交流電力を供給し、制御回路は変換機を制御する。制御ハウジング7は、第1制御ハウジング7aと、第2制御ハウジング7bとを有している。第1制御ハウジング7aは第2モータハウジング6bのx軸負方向側に嵌合し、第2制御ハウジング7bは第1制御ハウジング7aのx軸負方向側にボルト締結される。基板28と略平行に配置される第2制御ハウジング7bのx軸負方向端面にはヒートシンク(不図示)が形成されている。連通室R22からステータ収容室R21への作動流体の浸入は、シール部材26により遮断される。すなわち、ステータ収容室R21および基板収容室R3は、連通室R22に対して液密に隔離されており、冷却水が入り込まないように設けられている。
基板28には、u,v,w各相のコイル11aの端子電圧を検出する電圧センサ(不図示)が接続されている。制御部4は、各相のコイル11aに生じる誘起電圧が基準電位となる時点(ゼロクロス点)を検出する既知の方法により、ロータ9の回転位置(回転角)を推定する。そして、制御部4は、推定したロータ9の回転位置に応じて各相スイッチングアームのデューティ比を決定し、デューティ比に基づく駆動電力を各相のコイル11aに供給することで、モータ回転数を制御する。
次に、作用を説明する。
[低流量性能の改善]
インペラ10がモータ部3により回転駆動されると、インペラ10は水圧によって中心部に負圧が作用し、図2(a)に示すように、インペラ10にはx軸正方向(矢印方向)の吸着力が作用する。一方、コイル11aへの通電中、ロータ9にはステータ11の磁力によって、ロータ9およびインペラ10を初期位置に保持しようとする力(保持力)が作用している。
負圧による吸着力の大きさは、モータ回転数(角速度)に比例するため、モータ回転数が低い場合、負圧による吸着力の大きさは磁力による保持力の大きさよりも小さい。よって、低回転域ではインペラ10はx軸正方向へ移動せず、初期位置のままである。
このとき、図2(b)に示すように、インペラ10の吐出部10eに壁部15の壁面16が一部オーバーラップしているため、冷媒の流路が一部塞がれた状態となる。これにより、冷媒の流路が塞がれていない場合と比較して、回転数を落とさずに冷媒の流量を低減できるため、低流量性能を改善できる。
[高流量性能の維持]
モータ回転数が上昇すると負圧による吸着力は徐々に大きくなり、モータ回転数が所定回転数を超えると、負圧による吸着力が磁力による保持力を超えるため、図3(a)に示すように、ロータ9およびインペラ10は、x軸正方向へ所定距離移動する。これにより、図3(b)に示すように、インペラ10の吐出部10eに対する壁部15の壁面16のオーバーラップ、すなわち、冷媒の流路が一部塞がれた状態が解消される。これにより、流量が壁部15の影響を受けなくなるため、モータ回転数に応じた流量を確保でき、高流量性能を維持できる。
図4は、実施例1の電動ウォーターポンプ1の回転数−流量特性図であり、横軸は回転数N[r/min]、縦軸は流量Q[L/min]、Nminはロータの回転位置を推定可能な最小回転数、Nmaxは諸元および供給電流で決まる最大回転数である。
インペラの遠心力を利用した電動ウォーターポンプにおいて、低流量性能を出すためには、制御可能な最小回転数Nminでの流量を出来るだけ小さくする必要があり、これは、回転数−流量特性を表す直線の傾きを小さくすることで実現できる。つまり、直線mのような特性とすることで、低流量性能を実現できる。ところが、直線mのような特性を持った電動ウォーターポンプでは、最大回転数Nmax付近の高回転域で充分な流量が得られないため、高流量性能が出ない。一方、高流量性能を出すために、直線nのような特性とした場合には、低流量性能を出せなくなってしまう。
これに対し、実施例1の電動ウォーターポンプ1では、モータ部3によるインペラ10の回転駆動時に発生する負圧によってインペラ10がx軸正方向に移動するのを利用し、低回転時にはインペラ10の外周に設けた壁部15によって流量を低減させ、高回転時には壁部15の影響を受けなくすることで流量を増大させることにより、低流量性能と高流量性能との両立を達成できた。
すなわち、実施例1の電動ウォーターポンプ1では、モータ回転数Nが所定回転数Nth以下のとき、壁部15による流量低減作用によって直線mの回転数−流量特性が得られ、モータ回転数Nが所定回転数Nthを超えると、壁部15による流量低減作用を無効とすることによって直線nの回転数−流量特性が得られる。これにより、壁部15を持たない従来の電動ウォオーターポンプの回転数−流量特性を直線nとした場合、従来技術に対し、制御可能な最小回転数Nminにおける流量を低減できるため、流量性能範囲の拡大を図ることができる。すなわち、高流量性能を維持しつつ低流量性能を改善できる。
また、実施例1の電動ウォーターポンプ1では、所定回転数Nthを、ロータ9の回転位置を推定可能な最小回転数Nminよりも高い所定回転数に設定した。ここで、仮に所定回転数Nthを最小回転数Nmin以下に設定した場合、図4に示した直線mの回転数−流量特性が得られるのが制御不可領域となってしまうため、低流量性能を改善できない。所定回転数Nthを最小回転数Nminよりも高い回転数とすることで、制御可能領域で回転数−流量特性を直線mから直線nへと切り替えることができるため、モータ回転数Nが最小回転数Nminのときの低流量性能を改善できる。
次に、効果を説明する。
実施例1の電動ウォーターポンプ1にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) ロータ9とステータ11とを有するブラシレスモータであるモータ部3と、ロータ9のx軸正方向に固定され、中央に吸入部10d、外周に吐出部10eが設けられたインペラ10と、ロータ9およびインペラ10を回転可能に収容し、吸入部10dと対向して位置する吸入流路R11と吐出部10eと対向して位置する吐出流路R13とを有するハウジングHSGと、を有する電動ウォーターポンプ1において、ロータ9およびインペラ10を、ハウジングHSGに対して初期位置とx軸正方向の所定位置との間を軸方向移動可能に設け、ハウジングHSGの吐出部10eと対向する位置に、インペラ10が初期位置にあるとき吐出部10eの一部と回転軸方向にオーバーラップし、インペラ10が所定位置から所定距離移動した位置にあるときオーバーラップを解消する壁部15を設けた。
これにより、低回転時には壁部15によって流量を低減させ、高回転時には壁部15の影響を受けなくすることで流量を増大させることができるため、高流量性能を維持しつつ低流量性能を改善できる。
(2) ロータ9およびインペラ10を、ロータ9の回転位置を推定可能な最小回転数Nminよりも高い所定回転数Nthのとき、初期位置から所定位置まで軸方向移動するように設定した。
これにより、モータ回転数Nが最小回転数Nminのときの低流量性能を改善できる。
〔他の実施例〕
以上、本発明を図面に示す実施例1に基づいて説明してきたが、各発明の具体的な構成は実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
1 電動ウォーターポンプ
2 ポンプ部
3 モータ部
9 ロータ
10 インペラ
10d 吸入部
10e 吐出部
11 ステータ
11a コイル
15 壁部
HSG ハウジング
IN 吸入口
OUT 吐出口
R11 吸入流路
R13 吐出流路

Claims (2)

  1. ロータとステータとを有するブラシレスモータと、
    前記ロータの回転軸方向一方に固定され、中央に吸入部、外周に吐出部が設けられたインペラと、
    前記ロータおよび前記インペラを回転可能に収容し、前記吸入部と対向して位置する吸入流路と前記吐出部と対向して位置する吐出流路とを有するハウジングと、
    を有する電動ウォーターポンプにおいて、
    前記ロータおよび前記インペラを、前記ハウジングに対して初期位置と回転軸方向一方の所定位置との間を軸方向移動可能に設け、
    前記ハウジングの前記吐出部と対向する位置に、前記インペラが前記初期位置にあるとき前記吐出部の一部と回転軸方向にオーバーラップし、前記インペラが前記所定位置から所定距離移動した位置にあるとき前記オーバーラップを解消する壁部を設け
    前記ハウジングの前記壁部と回転軸方向に対向する位置に、前記インペラと回転軸方向に常時オーバーラップする凸部を設けたことを特徴とする電動ウォーターポンプ。
  2. 請求項1に記載の電動ウォーターポンプにおいて、
    前記ロータおよび前記インペラを、前記ロータの回転位置を推定可能な最小回転数よりも高い所定回転数のとき、前記初期位置から前記所定位置まで軸方向移動するように設定したことを特徴とする電動ウォーターポンプ。
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