JP2018127918A - 電動ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプ効率の低下や騒音の発生を抑制しながら小型化を図ることが可能な電動ポンプを提供する。【解決手段】電動ポンプ1は、アウターロータ2及びインナーロータ3を有するギヤポンプ部10と、吸入ポート41及び吐出ポート42が形成されたポンププレート4と、ポンププレート4との間にギヤポンプ部10を軸方向に挟むポンプハウジング5と、ポンプハウジング5に形成された軸孔50を貫通してインナーロータ3に相対回転不能に連結されたモータシャフト70の回転によってインナーロータ3をポンププレート4及びポンプハウジング5に対して回転させる電動モータ部7とを備える。インナーロータ3にポンプハウジング5側に開口する凹部32を形成すると共にポンプハウジング5に小径円筒部53を設け、凹部32と小径円筒部53との嵌合によりアウターロータ2に対するインナーロータ3の姿勢を安定化する。【選択図】図1

Description

本発明は、アウターロータ及びインナーロータを有するギヤポンプ部、及びインナーロータをアウターロータに対して回転させる電動モータ部を有する電動ポンプに関する。
従来、アウターロータ及びインナーロータを有するギヤポンプ部、及びギヤポンプ部を駆動する電動モータ部を有する電動ポンプが、電気自動車や所謂ハイブリッド車、あるいは停車時にエンジンを停止するアイドルストップ機能を有する車両等に搭載されている。このような電動ポンプは、例えばトランスミッションケースに固定され、トランスミッションの動作や潤滑のためのオイルの油圧を供給する(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1に記載の電動ポンプは、アウターロータ及びインナーロータを有するギヤポンプ部と、吸入ポート及び吐出ポートが形成されたポンププレートと、ポンププレートとの間にギヤポンプ部を軸方向に挟むポンプハウジングと、インナーロータをポンププレート及びポンプハウジングに対して回転させる電動モータ部とを備えている。電動モータ部は、インナーロータ(インナギヤ)に連結された出力軸(モータ軸)が、その軸方向におけるモータステータの両側で転がり軸受により支持されている。
特許文献2に記載の電動ポンプは、特許文献1に記載の電動ポンプと同様にギヤポンプ部及び電動モータ部を備えているが、ギヤポンプ部が第1ハウジング部と第2ハウジング部とを組み合わせてなるポンプハウジングに収容され、インナーロータに連結された電動モータ部の出力軸(回転軸)が第1ハウジング部に形成された軸支凹部及び第2ハウジング部に形成された軸支持孔に支持されている。
特開2014−15888号公報 特開2014−62483号公報
このような車両用の電動ポンプは、例えばエンジンや高出力モータ等の駆動源やその補機類、あるいはステアリング装置や空調装置等の各種装置の車体への搭載上の都合により、小型化が求められている。この小型化の方策として、例えば特許文献2に記載の電動ポンプのように、転がり軸受を廃止してポンプハウジングに形成された孔の内面によって電動モータ部の出力軸を支持することが考えられる。しかし、この場合には、出力軸と孔の内面との間に形成される隙間等によってアウターロータとインナーロータとの相対的な位置関係の精度が低くなり、ポンプ効率の低下や騒音の発生を招来してしまうおそれがある。
そこで、本発明は、ポンプ効率の低下や騒音の発生を抑制しながら小型化を図ることが可能な電動ポンプを提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、アウターロータ及びインナーロータを有するギヤポンプ部と、前記アウターロータの内周面と前記インナーロータの外周面との間に形成される複数のポンプ室に連通する吸入ポート及び吐出ポートが形成されたポンププレートと、前記ポンププレートとの間に前記ギヤポンプ部を軸方向に挟むポンプハウジングと、前記ポンプハウジングに形成された軸孔を貫通して前記インナーロータに相対回転不能に連結された出力軸を有し、前記出力軸の回転によって前記インナーロータを前記ポンププレート及び前記ポンプハウジングに対して回転させる電動モータ部とを備え、前記インナーロータには、前記ポンプハウジング側に開口する凹部が形成され、前記ポンプハウジングには、前記凹部内に配置される凸部が設けられ、前記凹部と前記凸部との嵌合により前記アウターロータに対する前記インナーロータの姿勢が安定化されている、電動ポンプを提供する。
本発明に係る電動ポンプによれば、ポンプ効率の低下や騒音の発生を抑制しながら小型化を図ることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る電動ポンプの斜視外観図である。 電動ポンプの断面図である。 図2の部分拡大図である。 (a)及び(b)は、インナーロータの斜視図である。 電動ポンプのギヤポンプ部の断面図である。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図5を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
(電動ポンプの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る電動ポンプの斜視外観図である。図2は、電動ポンプの断面図である。図3は、図2の部分拡大図である。図4(a)及び(b)は、インナーロータの斜視図である。図5は、電動ポンプのギヤポンプ部の断面図である。
この電動ポンプ1は、例えば駆動源として電動モータを有する電気自動車やハイブリッド車、あるいはアイドルストップ機能を有する車両に搭載され、トランスミッションの動作や潤滑あるいは冷却のためのオイルの油圧を供給するために用いられる。以下の説明では、説明の便宜上、図1乃至図3の上下に対応して「上」「下」の語を用いるが、この「上」「下」は、必ずしも車両に搭載された状態での鉛直方向の上下を特定するものではない。
電動ポンプ1は、アウターロータ2及びインナーロータ3を有するギヤポンプ部10と、アウターロータ2の内周面2aとインナーロータ3の外周面3aとの間に形成される複数のポンプ室100に連通する吸入ポート41及び吐出ポート42が形成されたポンププレート4と、ポンププレート4との間にギヤポンプ部10を軸方向に挟むポンプハウジング5と、アウターロータ2及びインナーロータ3を収容する収容穴60が形成されたポンプボディ6と、インナーロータ3をポンププレート4、ポンプハウジング5、及びポンプボディ6に対して回転させる電動モータ部7と、電動モータ部7の出力軸としてのモータシャフト70を支持する転がり軸受81及び軸受ブッシュ82と、電動モータ部7を制御する制御部9と、電動モータ部7及び制御部9を収容するケース部材90とを備えている。以下、モータシャフト70の回転軸線Oに平行な方向を軸方向という。
図5に示すように、アウターロータ2は複数の内歯21を有する環状であり、その外周面が円筒状である。アウターロータ2は、外周面がポンプボディ6の収容穴60の内周面を摺動し、収容穴60内でポンプボディ6に対して回転可能である。収容穴60は、ポンプボディ6を軸方向に貫通する丸孔である。アウターロータ2の回転軸線Oは、収容穴60の中心軸と一致している。なお、ポンプボディ6をポンプハウジング5に一体化してもよい。
インナーロータ3は、アウターロータ2の内歯21の数よりも1つ少ない数の複数の外歯31を有し、アウターロータ2の内側に配置されている。本実施の形態では、アウターロータ2が8つの内歯21を有し、インナーロータ3が7つの外歯31を有している。インナーロータ3は、モータシャフト70と一体に、収容穴60の中心軸に対して偏心したモータシャフト70の回転軸線Oを中心にポンプボディ6に対して回転する。これにより、インナーロータ3は、複数の外歯31のうち一部の外歯31がアウターロータ2の内歯21に噛み合うと共に、それぞれの外歯31がアウターロータ2の内周面2aに内接しながら回転する。
ポンププレート4は、複数のボルト11によってポンプボディ6に固定されている。ボルト11は、ポンプボディ6のフランジ部61に形成されたボルト挿通孔610を挿通し、ポンププレート4のフランジ部43に形成されたねじ孔430に螺合している。ポンプボディ6の下面6a(図3参照)はポンププレート4の上面4aに当接し、ポンプボディ6の下面6aとポンププレート4の上面4aとの間からのオイルの漏出がOリング12によって抑止されている。
ポンププレート4は、オイルを吸入する吸入口410が吸入ポート41に連通し、オイルを吐出する吐出口420が吐出ポート42に連通している。吸入ポート41及び吐出ポート42は円弧状であり、吸入ポート41は複数のポンプ室100のうちインナーロータ3の回転によって容積が拡大する行程にあるポンプ室100に連通する。吐出ポート42は、複数のポンプ室100のうちインナーロータ3の回転によって容積が縮小する行程にあるポンプ室100に連通する。インナーロータ3が電動モータ部7によって回転駆動されると、複数のポンプ室100の容積が拡大と縮小を繰り返すので、吸入ポート41からポンプ室100に吸入されたオイルが吐出ポート42に吐出されるポンプ動作が行われる。
ポンプハウジング5は、中心部にモータシャフト70を挿通させる軸孔50が形成された円盤状の本体部51と、本体部51の上面51bからポンプボディ6とは反対側に突出する大径円筒部52と、本体部51の下面51aからポンププレート4側に突出する小径円筒部53と、本体部51の外周面から突出するフランジ部54とを一体に有している。ポンププレート4、ポンプハウジング5、及びポンプボディ6は軸方向に並び、ポンププレート4とポンプハウジング5との間にポンプボディ6が挟持されている。ポンプハウジング5の本体部51の下面51aは、ポンプボディ6の上面6bに当接し、ポンプハウジング5の本体部51の下面51aとポンプボディ6の上面6bとの間からのオイルの漏出がOリング13によって抑止されている。
大径円筒部52の内周面とモータシャフト70の外周面との間には、電動モータ部7側へのオイルの漏出を抑止するシール部材14が配置されている。ポンプハウジング5における本体部51の上面51bには環状溝510が形成され、本体部51の下面51aには第1及び第2の円弧溝511,512が形成されている。第1の円弧溝511は吸入ポート41の開口と軸方向に向かい合う位置に形成され、第2の円弧溝512は吐出ポート42の開口と軸方向に向かい合う位置に形成されている。
小径円筒部53は、その内径が大径円筒部52の内径よりも小さく、その外径が大径円筒部52の外径よりも大きく形成されている。軸孔50は、本体部51及び小径円筒部53にわたってポンプハウジング5を軸方向に貫通し、小径円筒部53の内面は、軸孔50の内面となっている。軸孔50内には、モータシャフト70の外周面70aが摺接する円筒状の軸受ブッシュ82が例えば圧入によって固定されている。
ポンププレート4、ポンプハウジング5、及びポンプボディ6は例えばアルミニウム合金からなる。軸受ブッシュ82は、ポンプハウジング5よりも硬度が高い金属からなり、例えば銅合金からなる。軸受ブッシュ82の内径はモータシャフト70の外径よりも僅かに大きく、軸受ブッシュ82の内周面82aとモータシャフト70の外周面70aとの間には隙間が形成される。
電動モータ部7は、モータシャフト70と、モータシャフト70に固定されたモータロータ71と、モータロータ71の外周面に固定された複数の永久磁石711と、軟磁性金属からなる環状のステータコア72と、ステータコア72に装着された複数のインシュレータ73と、インシュレータ73を介してステータコア72に巻き回された複数のコイル74と、複数のコイル74への集配電のための集配電リング75と、複数の磁極を有する円盤状のセンサマグネット76と、センサマグネット76をモータシャフト70に固定するマグネットホルダ77とを有している。
モータシャフト70は、ポンプハウジング5に形成された軸孔50を貫通してインナーロータ3に相対回転不能に連結されている。具体的には、モータシャフト70の一端部が二面幅形状の嵌合部701として形成され、この嵌合部701がインナーロータ3に形成された嵌合孔30に嵌合されることにより、モータシャフト70がインナーロータ3に相対回転不能に連結されている。電動モータ部7は、モータシャフト70の回転によってインナーロータ3を回転させる。なお、嵌合部701におけるモータシャフト70の形状は、二面幅形状に限らず、例えば周方向の一部が切り欠かれた断面D字状の柱形状であってもよい。
本実施の形態では、集配電リング75がU相,V相,W相,及び中性相の4つのバスリング751からなり、コイル74に三相交流電流を供給する。すなわち、本実施の形態では、電動モータ部7がブラシレス三相モータとして構成されている。ただし、電動モータ部7の構成はこれに限らず、電力によってインナーロータ3に回転力を付与するものであれば、適宜の構成のものを採用し得る。
モータシャフト70は、ステータコア72に挿通された部分を挟む軸方向の2箇所において、転がり軸受81及び軸受ブッシュ82によって回転可能に支持されている。本実施の形態では、転がり軸受81が、内輪及び外輪と、内輪及び外輪の間に配置された複数の球状転動体とを有する玉軸受である。ただし、転がり軸受81に替えて例えば金属製の筒状体からなる軸受ブッシュによってモータシャフト70の上端部を支持してもよい。
センサマグネット76は、例えば周方向の異なる位置に設けられた1つのN極及び1つのS極を有し、後述する制御部9の基板91に実装された磁気センサ92に対向している。センサマグネット76がモータシャフト70と共に回転すると、磁気センサ92によって検出される磁界の向きが回転速度に応じた周期で変化する。
ケース部材90は、モータロータ71及びステータコア72を収容する円筒状の第1ケース部材901と、転がり軸受81を保持すると共に第1ケース部材901におけるポンプハウジング5とは反対側の開口を塞ぐ第2ケース部材902と、主として制御部9を収容する第3ケース部材903とを有している。
第1ケース部材901と第2ケース部材902とは、複数のボルト15によって互いに固定されている。ボルト15は、軸部151及び頭部152を有し、軸部151がポンプボディ6のフランジ部62、ポンプハウジング5のフランジ部54、及び第1ケース部材901のフランジ部900にそれぞれ形成されたボルト挿通孔に挿通されている。ボルト15の頭部152はポンプボディ6とポンププレート4との間に配置され、軸部151の先端部に設けられた雄ねじ部151aが第2ケース部材902に設けられた雌ねじ902aに螺合している。また、第2ケース部材902と第3ケース部材903とは、複数のボルト16(図1参照)により締結されている。第1ケース部材901と第2ケース部材902との間にはOリング17が、第1ケース部材901とポンプハウジング5との間にはOリング18が、それぞれ配置されている。
制御部9は、第2ケース部材902にボルト191、スペーサ192、及びナット193によって固定された基板91と、基板91に実装された磁気センサ92及び複数の電子部品93,94とを有している。第3ケース部材903には、複数の電源端子951及び信号端子952(図1参照)を有するコネクタ95が取り付けられており、制御部9は、コネクタ95から供給される電力によって電動モータ部7を制御する。制御部9は、例えば車両の上位コントローラから速度指令を受け、この速度指令に応じた速度でモータシャフト70が回転するように電動モータ部7を制御する。具体的には、120°ずつ位相がずれたU相,V相,及びW相の三相電流を直流電圧のスイッチングにより生成し、集配電リング75を介して複数のコイル74に供給する。
モータシャフト70が回転すると、ギヤポンプ部10においてインナーロータ3が回転し、インナーロータ3の外歯31とアウターロータ2の内歯21との噛み合いによってアウターロータ2が回転する。このインナーロータ3及びアウターロータ2の回転によって吸入ポート41から吸入されたオイルが吐出ポート42に吐出されるポンプ動作が行われ、トランスミッション等の供給対象装置にモータシャフト70の回転速度に応じた量のオイルが供給される。
上記のように構成された電動ポンプ1において、インナーロータ3の回転軸が所期の位置(インナーロータ3の外歯31とアウターロータ2の内歯21との噛み合わせが適切に行われる位置)から径方向にずれたり、あるいはインナーロータ3の回転軸が収容穴60の中心軸に対して傾くと、隣り合う2つのポンプ室100のうち圧力が高いポンプ室100から圧力の低いポンプ室100にオイルが漏れてポンプ効率が低下したり、正常時よりも大きな騒音が発生してしまうおそれがある。本実施の形態では、次に述べるインナーロータ3の支持構造により、アウターロータ2に対するインナーロータ3の姿勢の安定化が図られている。
(インナーロータの支持構造)
インナーロータ3には、図3及び図4(a)に示すように、ポンプハウジング5側の軸方向端面である上面3aからポンププレート4側に向かって窪んで形成された凹部32が形成されると共に、上面3aとは反対側の下面3bから軸方向に沿ってポンププレート4側に突出した円筒状のボス部33が設けられている。インナーロータ3の上面3aは、ポンプハウジング5における本体部51の下面51aに接触し得る平面であり、凹部32はポンプハウジング5側に開口している。インナーロータ3の下面3bは、吸入ポート41及び吐出ポート42が開口するポンププレート4の上面4aに接触し得る平面である。
インナーロータ3の凹部32の内面は、円筒状の内周面32a及び円形の底面32bによって形成されている。底面32bの中心部には、モータシャフト70の嵌合部701が嵌入する嵌合孔30が開口している。凹部32の軸方向の深さは外歯31の軸方向長さよりも浅く、嵌合孔30はボス部33を貫通している。なお、本実施の形態では、凹部32の内径がボス部33の外径よりも大きく設定されているが、これに限らず、凹部32の内径がボス部33の外径以下でもよい。
インナーロータ3の凹部32内には、ポンプハウジング5の小径円筒部53が配置されている。この小径円筒部53は、本発明の「凸部」に対応し、凸部としての小径円筒部53とインナーロータ3の凹部32との嵌合により、アウターロータ2に対するインナーロータ3の姿勢が安定化されている。
図3に示すように、小径円筒部53の外周面53aと凹部32の内周面32aとの間、及び小径円筒部53の先端面53bと凹部32の底面32bとの間には、ポンプハウジング5に対してインナーロータ3を回転自在とする僅かな隙間が形成されている。この隙間の幅Wは、例えば10〜50μmである。インナーロータ3の径方向への位置ずれは、凹部32の内周面32aが小径円筒部53の外周面53aに当接することにより規制される。また、アウターロータ2に対するインナーロータ3の傾きは、凹部32の内周面32aの小径円筒部53の外周面53aとの当接、あるいは凹部32の底面32bの小径円筒部53の先端面53bとの当接によって規制される。なお、図3では、説明の明確化のため、幅Wの大きさを誇張して図示している。
軸受ブッシュ82は、その一部が凹部32内に配置されている。換言すれば、モータシャフト70の長手方向に沿う軸方向における軸受ブッシュ82の一端部が、インナーロータ3の上面3aよりも凹部32の底面32b側に位置している。この構成により、モータシャフト70を軸受ブッシュ82によってより長い距離にわたって支持することができ、ポンプハウジング5に対するモータシャフト70及びインナーロータ3の傾きが抑制されている。
一方、ポンププレート4には、インナーロータ3のボス部33がすきま嵌めにより内嵌された嵌合穴40が形成されている。嵌合穴40は、その円筒状の内周面40aがボス部33の外周面33aとの間に僅かな隙間を介して対向する。この隙間の幅Wは、例えば10〜50μmである。ポンププレート4に対するインナーロータ3の径方向への位置ずれ又は傾きは、ボス部33の外周面33aが嵌合穴40の内周面40aに当接することにより規制される。
この支持構造により、インナーロータ3のアウターロータ2に対する姿勢が安定化され、ポンプ効率の低下や騒音の発生が抑制される。また、ポンプハウジング5の小径円筒部53がインナーロータ3の凹部32に嵌合する支持構造は、電動ポンプ1の軸方向寸法の増加をもたらさないので、電動ポンプ1の小型化を図ることも可能となる。すなわち、本実施の形態によれば、ポンプ効率の低下や騒音の発生を抑制しながら電動ポンプ1の小型化を図ることが可能となる。
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、これらの実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
1…電動ポンプ 10…ギヤポンプ部
100…ポンプ室 2…アウターロータ
3…インナーロータ 32…凹部
33…ボス部 4…ポンププレート
40…嵌合穴 41…吸入ポート
42…吐出ポート 5…ポンプハウジング
50…軸孔 53…小径円筒部(凸部)
7…電動モータ部 70…モータシャフト(出力軸)
82…軸受ブッシュ 9…制御部

Claims (3)

  1. アウターロータ及びインナーロータを有するギヤポンプ部と、
    前記アウターロータの内周面と前記インナーロータの外周面との間に形成される複数のポンプ室に連通する吸入ポート及び吐出ポートが形成されたポンププレートと、
    前記ポンププレートとの間に前記ギヤポンプ部を軸方向に挟むポンプハウジングと、
    前記ポンプハウジングに形成された軸孔を貫通して前記インナーロータに相対回転不能に連結された出力軸を有し、前記出力軸の回転によって前記インナーロータを前記ポンププレート及び前記ポンプハウジングに対して回転させる電動モータ部とを備え、
    前記インナーロータには、前記ポンプハウジング側に開口する凹部が形成され、
    前記ポンプハウジングには、前記凹部内に配置される凸部が設けられ、
    前記凹部と前記凸部との嵌合により前記アウターロータに対する前記インナーロータの姿勢が安定化されている、
    電動ポンプ。
  2. 前記ポンプハウジングにおける前記軸孔内に前記出力軸の外周面が摺接する筒状の軸受ブッシュが固定され、
    前記軸受ブッシュは、その一部が前記凹部内に配置されている、
    請求項1に記載の電動ポンプ。
  3. 前記インナーロータには、前記ポンププレート側に突出する円筒状のボス部が設けられ、
    前記ポンププレートには、前記ボス部がすきま嵌めにより内嵌された嵌合穴が形成されている、
    請求項1又は2に記載の電動ポンプ。
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