JP2016099000A - オイルポンプ - Google Patents

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卓也 中島
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【課題】例えば、変速機用のオイルポンプのシャフトの、軸方向の移動の制限を、スナップリングを用いることなく実現できる新規な構成を得る。【解決手段】ポンプハウジングによってシャフトの軸方向の一方側への移動が制限されるとともに、壁部によってシャフトの軸方向の他方側への移動が制限される。シャフトには、第一の端部と第二の端部との間をシャフトの軸方向に貫通する油路が設けられる。【選択図】図5

Description

本発明は、オイルポンプに関する。
従来、チェーンとスプロケットを用いて、自動変速機用のオイルポンプのシャフトを回転させる構成が知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1では、スプロケットの軸方向の抜け止めに、スナップリングが用いられている。
特開2006−71026号公報
上記従来技術と同様に、動力伝達装置用のオイルポンプのシャフトの軸方向の抜け止めにスナップリングを用いると、例えば、構成が大型化したり、製造に手間がかかったりする場合があった。
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、動力伝達装置用のオイルポンプのシャフトの、軸方向の移動の制限を、スナップリングを用いることなく実現できる新規な構成を得ることである。
本発明のオイルポンプは、例えば、動力伝達装置のケース内に収容されたオイルポンプであって、ポンプハウジング内に収容される軸方向の一方側の第一の端部と、上記ポンプハウジング外に突出する軸方向の他方側の第二の端部と、を有し、上記ポンプハウジングに回転可能に支持され、駆動源によって回転されるシャフトと、上記ポンプハウジング内に収容され、周囲に油室が形成されるとともに、上記シャフトの回転に伴って回転する回転部材と、を備え、上記第二の端部が上記ケース内に設けられた壁部に面し、上記ポンプハウジングによって上記シャフトの上記軸方向の一方側への移動が制限されるとともに、上記壁部によって上記シャフトの上記軸方向の他方側への移動が制限され、上記シャフトに、上記第一の端部と上記第二の端部との間を上記シャフトの軸方向に貫通する油路が設けられる。
すなわち、上記本発明では、シャフトが軸方向の一方側へ移動するのをハウジング部材によって制限でき、シャフトが軸方向の他方側へ移動するのを動力伝達装置のケースの壁部によって制限できる。よって、従来構成のようにスナップリングを用いることなく、オイルポンプのシャフトが軸方向に移動するのを制限できるため、スナップリングが用いられることによる不都合な事象が、回避されうる。
また、本発明では、シャフトに、ポンプハウジング内に収容される第一の端部とポンプハウジング外に突出する第二の端部との間で貫通する油路が設けられている。よって、ポンプハウジング内の作動油が、当該油路を介して、第二の端部と当該第二の端部に面する動力伝達装置のケースの壁部との間(隙間)に、供給されうる。したがって、回転するシャフトの第二の端部とケースの壁部との間で、作動油による潤滑性を高めることができる。
また、本発明のオイルポンプは、例えば、上記ポンプハウジングに設けられた凹部内に設けられ、上記第一の端部を回転可能に支持する軸受を備え、上記油室から漏れた作動油が、上記軸受と上記第一の端部との間を経由して上記凹部の底部へ流れるとともに、当該底部から上記油路内を軸方向の一方側から他方側へ流れて当該他方側から上記シャフト外に排出される。よって、本発明によれば、軸受とシャフトの第一の端部との間で、作動油による潤滑性を高めることができる。また、潤滑に用いた作動油をより容易にあるいはより確実に排出することができる。
また、本発明のオイルポンプでは、例えば、上記油路は、上記第一の端部において第一の直径に形成され、上記第二の端部において上記第一の直径よりも大きい第二の直径に形成される。上記油路が設けられたシャフトは回転するため、作動油は、油路の内面(円筒面)に沿って旋回しながら流れる。よって、油路のうち直径の大きい部分では、直径の小さい部分よりも、作動油に作用する遠心力がより大きく、ひいては作動油の流速が高くなる。本発明では、直径の大きい部分が直径の小さい部分よりも軸方向の他方側に配置されているため、直径の大きい部分で内面に沿ったより流速の高い作動油の流れによって、直径の小さい部分で内面に沿ったより流速の低い作動油の流れが、軸方向の他方側に導かれやすい。よって、本発明によれば、シャフトに設けられた油路内で、作動油を、軸方向の他方側に向けて、より円滑にあるいはより確実に流すことができる。
また、本発明のオイルポンプでは、例えば、上記壁部は、上記第二の端部に向かって突出する突出部を有し、上記突出部は、上記第二の端部に面した突出面を有し、上記第二の端部は、チェーンが巻かれ当該チェーンの転動に伴って上記シャフトを回転させるスプロケットが固定され、上記突出面が、上記シャフトの径方向から見て上記チェーンと重なるように配置される。よって、シャフトの回転によって作動油に作用する遠心力によって、突出面からチェーンおよびスプロケットに向けて作動油を飛散させることができる。よって、本発明によれば、チェーンおよびスプロケットについて、作動油による潤滑性を高めることができる。
図1は、実施形態のオイルポンプが設けられた動力伝達装置の構成の模式的かつ例示的な断面図であって、回転中心より片側の半分が示された図である。 図2は、図1の動力伝達装置の自動変速機の各ギヤ段におけるクラッチとブレーキの接続および遮断の組み合わせならびにギヤ比の一例が示された表である。 図3は、実施形態の動力伝達装置の内部構成の例示的な正面図である。 図4は、実施形態の動力伝達装置のオイルポンプを含む部分の例示的な断面図である。 図5は、図4のオイルポンプの拡大図である。 図6は、実施形態の変形例の動力伝達装置のオイルポンプを含む部分の例示的な断面図である。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、それらの構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
<動力伝達装置>
図1に例示される動力伝達装置10は、車両の駆動源としての不図示のエンジン(内燃機関)が出力したトルクを、不図示の車輪に伝達する。この動力伝達装置10は、車両の前部に設けられたエンジンの後方に配置され、後輪にトルクを伝達する。図1では、左側が車両の前方、右側が車両の後方である。
動力伝達装置10は、流体伝導装置20と、自動変速機30とを有する。動力伝達装置10、すなわち流体伝導装置20および自動変速機30の、回転部品を含む構成部品は、ケース11内に収容されている。
流体伝導装置20は、トルクを増幅可能なトルクコンバータである。流体伝導装置20は、ポンプインペラ20pや、タービンランナ20t、ステータ20s、ワンウエイクラッチ20o、ダンパ20d、ロックアップクラッチ20c等を有する。ポンプインペラ20pは、回転によって作動油の流れを生じさせ、タービンランナ20tは流れる作動油の圧力を受けて回転する。ステータ20sは、ポンプインペラ20pとタービンランナ20tとの間の作動油の流れを調整する。ワンウエイクラッチ20oは、ステータ20sの一方側の回転のみを許容する。ダンパ20dは、コイルスプリング等の弾性部材の伸縮によって回転変動を吸収する。ロックアップクラッチ20cは、流体伝導装置20の入力側と出力側との接続および遮断(解放)を切り替える。なお、流体伝導装置20は、ステータ20sを有さない流体継手であってもよい。
自動変速機30は、有段の変速装置である。自動変速機30は、遊星歯車機構31〜33を構成する複数のギヤを有し、回転を伝達するギヤの組み合わせの切り替えにより、ギヤ段を切り替える。
第一の遊星歯車機構31は、ラビニヨ式遊星歯車機構として構成され、二つのサンギヤ31s1,31s2、二つのピニオンギヤ31p1,31p2(プラネタリギヤ)、および一つのリングギヤ31r等を有する。ピニオンギヤ31p1は、サンギヤ31s1およびリングギヤ31rに噛み合うとともに、ピニオンギヤ31p2とも噛み合っている。ピニオンギヤ31p2は、サンギヤ31s2とも噛み合っている。また、互いに噛み合うピニオンギヤ31p1,31p2の複数の組は共通のキャリア31cに回転可能に支持されるとともに、当該キャリア31cは、入力シャフト34および中間シャフト35と一体に回転する。
第二の遊星歯車機構32は、サンギヤ32sや、ピニオンギヤ32p(プラネタリギヤ)、複数のピニオンギヤ32pを支持するキャリア32c、リングギヤ32r等を有する。ピニオンギヤ32pは、サンギヤ32sおよびリングギヤ32rと噛み合っている。また、第三の遊星歯車機構33は、サンギヤ33sや、ピニオンギヤ33p(プラネタリギヤ)、複数のピニオンギヤ33pを支持するキャリア33c、リングギヤ33r等を有する。ピニオンギヤ33pは、サンギヤ33sおよびリングギヤ33rと噛み合っている。第二の遊星歯車機構32のキャリア32cは、出力シャフト36と一体に回転し、第三の遊星歯車機構33のキャリア33cは、入力シャフト34および中間シャフト35と一体に回転し、第二の遊星歯車機構32のサンギヤ32sと第三の遊星歯車機構33のサンギヤ33sとが一体に回転する。
自動変速機30におけるギヤ段は、クラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2によって切り替えられる。クラッチC1〜C4は、それぞれ、ギヤ等の複数の回転部材の接続と遮断(解放)とを切り替え、ブレーキB1,B2は、それぞれ、ギヤ等の回転部材と固定部材としてのケース11との接続および遮断を切り替える。具体的に、クラッチC1は、第一の遊星歯車機構31のリングギヤ31rと、第二の遊星歯車機構32および第三の遊星歯車機構33のサンギヤ32s,33sとの、接続および遮断を切り替える。クラッチC2は、第一の遊星歯車機構31のサンギヤ31s2と、第二の遊星歯車機構32および第三の遊星歯車機構33のサンギヤ32s,33sとの、接続および遮断を切り替える。クラッチC3は、第一の遊星歯車機構31のリングギヤ31rと、第二の遊星歯車機構32のリングギヤ32rとの、接続および遮断を切り替える。クラッチC4は、第三の遊星歯車機構33のリングギヤ33rと、出力シャフト36および第二の遊星歯車機構32のキャリア32cとの、接続および遮断を切り替える。また、ブレーキB1は、第一の遊星歯車機構31のサンギヤ31s1とケース11との接続および遮断を切り替える。ブレーキB2は、第二の遊星歯車機構32のリングギヤ32rとケース11との接続および遮断を切り替える。
図2には、クラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2の接続および遮断の切り替えによって形成される図1の自動変速機30のギヤ段およびギヤ比が示されている。図2には、「接続」は「○」、「遮断」は「−」と示されている。図2に例示されるように、前進段の1段(1st)は、クラッチC1,C2およびブレーキB2が接続され、クラッチC3,C4およびブレーキB1が遮断されることで得られる。また、前進段の2段(2nd)は、クラッチC1およびブレーキB1,B2が接続され、クラッチC2〜C4が遮断されることで得られる。また、前進段の3段(3rd)〜10段(10th)のクラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2の接続および遮断は、図2に示されるとおりである。また、後退段(Rev)は、クラッチC2,C3およびブレーキB2が接続され、クラッチC1,C4およびブレーキB1が遮断されることで得られる。
クラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2は、それぞれ、作動油の油圧によって動作する不図示の可動部としてのピストンを有する。各可動部の動作、すなわち接続および遮断の切り替えは、図1に示される油圧制御装置40によって制御される。油圧制御装置40は、不図示の油圧回路を有する。油圧回路には、圧力調整弁や、電磁弁、安全弁等が設けられている。作動油の油圧は、圧力調整弁によって設定される。クラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2の動作は、電磁弁の動作(開閉または開度)によって、制御される。電磁弁の動作は、例えばECU等の制御装置50によって制御される。すなわち、制御装置50が電磁弁の動作を制御することにより、油圧制御装置40内の油圧回路が切り替わり、これにより、クラッチC1〜C4やブレーキB1,B2の接続および遮断の状態が切り替わって、ギヤ段が切り替わる。
<オイルポンプ>
動力伝達装置10は、図1に例示されるように、作動油の供給源としてのオイルポンプ60を有する。オイルポンプ60は、図3,4に例示されるように、第一の回転中心Ax1とは平行に離れて位置された第二の回転中心Ax2回りに回転するシャフト61を有する。オイルポンプ60は、容積型ポンプであり、本実施形態では、トロコイドポンプである。
オイルポンプ60は、図4,5に例示されるように、シャフト61の他、ポンプハウジング62や、外歯63、内歯64、ブッシュ65,66等を有する。
図5に例示されるように、シャフト61は、第二の回転中心Ax2を中心とし、当該第二の回転中心Ax2に沿って円柱状に延びている。なお、以下では、便宜上、第二の回転中心Ax2に沿う方向を単に軸方向と称する。また、図4,5の右側を第二の回転中心Ax2の軸方向の一方側として、以下では単に軸方向の一方側と称する。また、図4,5の左側を第二の回転中心Ax2の軸方向の他方側として、以下では単に軸方向の他方側と称する。また、以下では、第二の回転中心Ax2の周方向を単に周方向と称し、第二の回転中心Ax2の径方向を単に径方向と称する。
ポンプハウジング62は、ハウジング部材62Hと、動力伝達装置10のケース11の一部としての壁部11aと、を有している。ハウジング部材62Hと壁部11aとは、ねじ等の結合具62gによって一体化されている。ハウジング部材62Hは、軸方向の一方側(図4,5の右側)に位置された底壁部62aと、第二の回転中心Ax2の周方向に沿って延びる側壁部62bと、を有する。また、壁部11aは、軸方向の他方側(図4,5の左側)に位置されたポンプカバー部62cを構成している。ポンプハウジング62には、底壁部62a、側壁部62b、およびポンプカバー部62cによって囲まれた円筒状のポンプ室62dが形成されている。ポンプ室62d内には、外歯63および内歯64が、回転可能に収容されている。外歯63および内歯64は、回転部材の一例である。なお、ポンプハウジング62には、ケース11の壁部11aが含まれていることは必須ではなく、ハウジング部材62Hと、当該ハウジング部材62Hおよび壁部11aとは別のハウジング部材が含まれてもよい。また、ハウジング部材62Hは、複数の部品により構成されてもよい。また、ポンプ室62dは、ポンプカバー部62cに設けられてもよい。
図5に例示されるように、底壁部62aには、凹部62eが設けられ、ポンプカバー部62cには、貫通孔62fが設けられている。凹部62eは、第二の回転中心Ax2を中心とする円筒状の内周面62e1と軸方向の一方側に位置された平面状の端面62e2(底面)とによって形成されている。また、貫通孔62fは、第二の回転中心Ax2を中心とする円筒状の内周面である。シャフト61の軸方向の一方側の端部61aは、凹部62e内に収容されている。また、シャフト61は、貫通孔62fを貫通し、シャフト61の軸方向の他方側の端部61bは、ポンプハウジング62の外へ露出している。凹部62eの内周面62e1には、圧入等されることで円筒状のブッシュ65が装着されている。シャフト61の軸方向の一方側の端部61aは、ブッシュ65内に挿入され、このブッシュ65によって回転可能に支持されている。また、貫通孔62fの内周面62f1には、圧入等されることで円筒状のブッシュ66が装着されている。シャフト61のうち貫通孔62fを貫通する部分は、ブッシュ66内に挿入されており、このブッシュ66によって回転可能に支持されている。ブッシュ65,66は、シャフト61を回転可能に径方向に支持する軸受の一例である。なお、端部61aは、第一の端部の一例であり、端部61bは、第二の端部の一例である。
このような構成において、シャフト61の、軸方向の一方側(図4,5の右側)への移動は、底壁部62aによって制限され、軸方向の他方側(図4,5の左側)への移動は、ケース11の壁部11aとは別の壁部11bによって制限されている。シャフト61の軸方向の一方側の端部61aの端面61a1は、凹部62e内の端面62e2(底面)と対向し、シャフト61の軸方向の他方側の端部61bの端面61b1は、壁部11bから突出した突出部11dの端面11d1(頂面)と対向している。凹部62eの端面62e2と突出部11dの端面11d1との間の距離は、シャフト61の長さ、すなわち、シャフト61の軸方向の一方側の端面61a1と軸方向の他方側の端面61b1との間の長さよりも、僅かに長い。なお、壁部11bは、壁部11aとは軸方向に離間しており、例えば、流体伝導装置20のケースの一部を構成している。
また、シャフト61の軸方向の他方側の端部61bに対応して、回転伝達機構70が設けられている。回転伝達機構70は、図4の上側に示される入力シャフト34の回転を、チェーン73を介してシャフト61に伝達する。回転伝達機構70は、トルクコンバータのポンプシェルに連結されたボス部によって駆動される主動側のスプロケット71と、シャフト61に設けられた従動側のスプロケット72と、スプロケット71とスプロケット72との間に掛け渡された無端のチェーン73と、を有している。スプロケット71は、上述のボス部と一体に回転し、チェーン73を転動する。転動されたチェーン73は、スプロケット72を回転させ、シャフト61は、スプロケット72と一体に回転する。
外歯63は、シャフト61に固定されており、シャフト61と一体に第二の回転中心Ax2回りに回転する。外歯63は、軸方向の一方側の面63aがポンプ室62dの軸方向の一方側の面62d1と対向し、軸方向の他方側の面63bがポンプ室62dの軸方向の他方側の面62d2と対向した状態、すなわち、面62d1と面62d2との間に介在する状態で、第二の回転中心Ax2回りを回転する。
内歯64は、外歯63の径方向の外側を囲うように設けられている。内歯64の外周面64aは、円筒状に形成されている。外周面64aとポンプ室62dの円筒状の内周面62d3との間には、微少なクリアランスが設けられている。内歯64は、外歯63と噛み合うことにより、外歯63の回転に伴って回転する。内歯64は、軸方向の一方側の面64bがポンプ室62dの軸方向の一方側の面62d1と対向し、軸方向の他方側の面64cがポンプ室62dの軸方向の他方側の面62d2と対向した状態、すなわち、面62d1と面62d2との間に介在する状態で、第二の回転中心Ax2回りを回転する。
外歯63と内歯64との間、すなわち、外歯63の外周面と内歯64の内周面との間には、複数の油室67が形成される。外歯63の中心と内歯64の中心とは互いに平行にずれているため、外歯63および内歯64の回転に伴って、各油室67の容積は、いずれも、第二の回転中心Ax2回りの不図示の角度範囲(区間)で増大し、不図示の別の角度範囲で減少する。オイルポンプ60には、外歯63の回転に伴って各油室67の容積が増大する角度範囲で当該油室67に臨む不図示の吸入口が設けられ、外歯63の回転に伴って各油室67の容積が減少する角度範囲で油室67に臨む不図示の吐出口が設けられる。
このような構成のオイルポンプ60において、シャフト61が回転し、シャフト61と一体に外歯63が回転し、この外歯63に追従して内歯64が回転することにより、各油室67がその容積を増減させながら回転する。これにより、オイルポンプ60では、不図示の吸入口を経由して油室67内に作動油が吸入され、油室67に吸入した作動油が不図示の吐出口を介して吐出される。
外歯63の回転に伴って容積が減少する角度範囲での油室67内の作動油の圧力、すなわち吐出圧は、不図示の圧力調整弁によって設定される所謂ライン圧と略同じである。吐出圧は、外歯63の回転に伴って容積が増大する角度範囲での油室67内の作動油の圧力、すなわち吸入圧よりも高く、また、ケース11内の空間11c内での圧力よりも高く設定される。
ここで、本実施形態では、シャフト61に、軸方向の一方側(図4,5の右側)の端部61aと軸方向の他方側(図4,5の左側)の端部61bとの間で、軸方向に沿って延びる貫通孔61cが設けられている。貫通孔61cは、軸方向の一方側では、端面61a1に開口され、軸方向の他方側では、端面61b1に開口されている。なお、貫通孔61cは、油路の一例である。
油室67と空間11cとの圧力差がある状況では、この貫通孔61cを介して油室67からケース11内の空間11c内に作動油が漏れる経路が形成されうる。具体的には、作動油は、油室67から、外歯63の軸方向の一方側(図4,5の右側)の面63aとこれに面するポンプ室62dの面62d1との間のクリアランスから、凹部62e内へ漏れる。凹部62e内で、作動油は、ブッシュ65の内周面とシャフト61の端部61aの外周面61a2との間のクリアランスを通って、凹部62eの底部へ流れる。凹部62eの底部から、作動油は、貫通孔61cを軸方向の一方側から他方側へ流れて、壁部11bに設けられた突出部11dの端面11d1に到達する。さらに、作動油は、端面11d1とこれに面するシャフト61の端面61b1との間のクリアランスを経由して、空間11cへ漏れる。この経路で漏れる作動油により、ブッシュ65とシャフト61の外周面61a2との間、凹部62eの端面62e2とシャフト61の端面61a1との間、および突出部11dの端面11d1とシャフト61の端面61b1との間で、潤滑性が向上しやすく、シャフト61の端面61a1,61b1、凹部62eの端面62e2、または突出部11dの端面11d1の摩耗が抑制されうる。また、作動油は、外歯63の軸方向の他方側(図4,5の左側)の面63bとこれに面するポンプ室62dの面62d2との間のクリアランス、ならびに壁部11aの貫通孔62fに設けられたブッシュ66の内周面とシャフト61の端部61bの外周面61b2との間のクリアランスを経由して、空間11cへ漏れる。よって、ブッシュ66とシャフト61の外周面61b2との間でも、潤滑性が向上しやすい。
また、図5に例示されるように、本実施形態では、シャフト61の軸方向の他方側(図5の左側)の端面61b1、これに面する突出部11dの端面11d1(突出面)、およびこれらの間の隙間は、径方向から見て、チェーン73と重なるように配置されている。このため、シャフト61の回転によって作動油に作用する遠心力によって、端面61b1と端面11d1との間に漏れた作動油を、チェーン73に向けてかける(飛散させる)ことができる。
また、図5に例示されるように、貫通孔61cの少なくとも一部は、軸方向の一方側(図5の右側)に位置されて直径D1の円筒面61c1と、この円筒面61c1の軸方向の他方側(図5の左側)に隣接して位置されて直径D1よりも大きい直径D2の円筒面61c2と、によって形成されている。貫通孔61cが設けられたシャフト61は回転するため、貫通孔61c内で、作動油は、貫通孔61cの内面に沿って旋回しながら流れる。よって、より直径の大きい円筒面61c2での作動油の流速が、より直径の小さい円筒面61c1での作動油の流速よりも大きくなるため、作動油の粘性により円筒面61c2で流れる作動油に円筒面61c1で流れる作動油が引かれる。よって、この貫通孔61cにおいては、軸方向の一方側から他方側へ向けて作動油がより確実に流れやすい。なお、円筒面61c1は、第一の円筒面の一例であり、円筒面61c2は、第二の円筒面の一例であり、直径D1は、第一の直径の一例であり、直径D2は、第二の直径の一例である。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態では、シャフト61が軸方向の一方側へ移動するのをハウジング部材62H(ポンプハウジング62)の底壁部62aによって制限でき、シャフト61が軸方向の他方側へ移動するのをケース11の壁部11bによって制限できる。よって、本実施形態によれば、従来構成のようにスナップリングを用いることなく、オイルポンプ60のシャフト61が軸方向に移動するのを制限できるため、スナップリングが用いられることによる不都合な事象が、回避されうる。具体的には、例えば、構成が大型化したり、製造に手間がかかったりするのが、回避されやすい。
また、本実施形態では、シャフト61に、ポンプハウジング62内に収容される端部61a(第一の端部)とポンプハウジング62外に突出する端部61b(第二の端部)との間で貫通する貫通孔61c(油路)が設けられている。よって、ポンプハウジング62内の作動油が、貫通孔61cを介して、端部61bと当該端部61bに面するケース11の壁部11bとの間の隙間に、供給されうる。したがって、本実施形態によれば、例えば、回転するシャフト61の端部61bとケース11の壁部11bとの間で、作動油による潤滑性を高めることができる。よって、例えば、シャフト61の回転の抵抗が増大したり、端部61bや突出部11d(壁部11b)が摩耗したりするのが、抑制されうる。
また、本実施形態では、凹部62e内にブッシュ65(軸受)が設けられ、ブッシュ65によって、シャフト61の軸方向の一方側の端部61a(第一の端部)が回転可能に支持されている。そして、油室67から漏れた作動油が、ブッシュ65と端部61aとの間を経由して凹部62eの底部へ流れるとともに、当該底部から貫通孔61c(油路)内を軸方向の一方側から他方側へ流れて当該他方側からシャフト61外に排出される。よって、例えば、ブッシュ65とシャフト61の端部61aとの間で、作動油による潤滑性を高めることができる。また、潤滑に用いた作動油をより容易にあるいはより確実に排出することができる。よって、例えば、ブッシュ65と端部61aとの間や凹部62e内に塵芥が溜まるのが抑制されうる。また、例えば、温度上昇が抑制されやすい。
また、本実施形態では、貫通孔61cは、端部61a(第一の端部)において直径D1(第一の直径)に形成され、端部61b(第二の端部)において直径D1よりも大きい直径D2(第二の直径)に形成される。すなわち、貫通孔61cには、直径D1の円筒面61c1と、円筒面61c1の軸方向の他方側に位置され直径D1より大きい直径D2の円筒面61c2と、が含まれている。よって、本実施形態によれば、直径が円筒面61c1よりも大きい円筒面61c2に沿ったより流速の高い作動油の流れによって、円筒面61c1に沿って流れる作動油が、円筒面61c2側、すなわち軸方向の他方側に導かれやすい。よって、本実施形態によれば、シャフト61に設けられた貫通孔61c内で、作動油を、軸方向の他方側に向けて、より円滑にあるいはより確実に流すことができる。
また、本実施形態では、壁部11bは、端部61b(第二の端部)に向かって突出する突出部11dを有し、突出部11dは、端部61bに面した端面11d1(突出面)を有し、端部61bは、チェーン73が巻かれ当該チェーン73の転動に伴ってシャフト61を回転させるスプロケット72が固定され、端面11d1が、シャフト61の径方向から見てチェーン73と重なるように配置される。よって、本実施形態によれば、例えば、シャフト61の回転によって作動油に作用する遠心力によって、端面11d1からチェーン73およびスプロケット72に向けて作動油を飛散させて供給し、チェーン73およびスプロケット72における潤滑性を高めることができる。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、高さ、数、配置、位置等)は、適宜に変更して実施することができる。
例えば、オイルポンプは、トロコイドポンプには限定されず、例えば、ギヤポンプや、ベーンポンプ等、回転に伴って油室の容積が拡大および縮小される他の形式の回転ポンプであってもよい。また、例えば、オイルポンプの駆動源は、回転電機であってもよい。また、例えば、自動変速機は、有段変速機には限定されず、例えば、ベルト式やトロイダル式等の無段変速機であってもよい。また、軸受は、ブッシュには限定されず、ニードルベアリングや、ボールベアリング等であってもよい。
また、例えば、図6に例示される変形例のように、ケース11の壁部11bに設けられた、所定角度間隔で配置された複数の突出部11d、あるいは環状の突出部11dによって、スプロケット72の軸方向の他方側への移動が制限されることにより、シャフト61の軸方向の他方側への移動が制限されてもよい。また、図示されないが、スプロケット72と壁部11aあるいはポンプハウジング62とが比較的近い構成にあっては、壁部11aあるいはポンプハウジング62(に設けられた突出部)によって、スプロケット72の軸方向の一方側の移動が制限され、これにより、シャフト61の軸方向の一方側への移動が制限されてもよい。
10…動力伝達装置、11…ケース、11b…壁部、11d…突出部、11d1…端面(突出面)、31…第一の遊星歯車機構(回転部品)、32…第二の遊星歯車機構(回転部品)、33…第三の遊星歯車機構(回転部品)、60…オイルポンプ、61…シャフト、61a…端部(第一の端部)、61b…端部(第二の端部)、61b1…端面、61c…貫通孔(油路)、61c1…円筒面(第一の円筒面)、61c2…円筒面(第二の円筒面)、62…ポンプハウジング、65,66…ブッシュ(軸受)、67…油室、72…スプロケット、73…チェーン、Ax2…第二の回転中心(シャフトの回転中心)、D1…直径(第一の直径)、D2…直径(第二の直径)。

Claims (4)

  1. 動力伝達装置のケース内に収容されたオイルポンプであって、
    ポンプハウジング内に収容される軸方向の一方側の第一の端部と、前記ポンプハウジング外に突出する軸方向の他方側の第二の端部と、を有し、前記ポンプハウジングに回転可能に支持され、駆動源によって回転されるシャフトと、
    前記ポンプハウジング内に収容され、周囲に油室が形成されるとともに、前記シャフトの回転に伴って回転する回転部材と、
    を備え、
    前記第二の端部が前記ケース内に設けられた壁部に面し、
    前記ポンプハウジングによって前記シャフトの前記軸方向の一方側への移動が制限されるとともに、前記壁部によって前記シャフトの前記軸方向の他方側への移動が制限され、
    前記シャフトに、前記第一の端部と前記第二の端部との間を前記シャフトの軸方向に貫通する油路が設けられる、
    オイルポンプ。
  2. 前記ポンプハウジングに設けられた凹部内に設けられ、前記第一の端部を回転可能に支持する軸受を備え、
    前記油室から漏れた作動油が、前記軸受と前記第一の端部との間を経由して前記凹部の底部へ流れるとともに、当該底部から前記油路内を軸方向の一方側から他方側へ流れて当該他方側から前記シャフト外に排出される、請求項1に記載のオイルポンプ。
  3. 前記油路は、前記第一の端部において第一の直径に形成され、前記第二の端部において前記第一の直径よりも大きい第二の直径に形成される、請求項1または2に記載のオイルポンプ。
  4. 前記壁部は、前記第二の端部に向かって突出する突出部を有し、
    前記突出部は、前記第二の端部に面した突出面を有し、
    前記第二の端部は、チェーンが巻かれ当該チェーンの転動に伴って前記シャフトを回転させるスプロケットが固定され、
    前記突出面が、前記シャフトの径方向から見て前記チェーンと重なるように配置された、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載のオイルポンプ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108035878A (zh) * 2017-12-06 2018-05-15 盛瑞传动股份有限公司 一种变速箱叶片泵系统
JP2018127918A (ja) * 2017-02-07 2018-08-16 株式会社ジェイテクト 電動ポンプ
US10221943B2 (en) 2016-07-21 2019-03-05 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for vehicle and control method for vehicle
DE102021200528A1 (de) 2021-01-21 2022-07-21 Zf Friedrichshafen Ag Verfahren zum Montieren einer Schmiermittelpumpe bei einem Getriebe sowie Getriebe

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