JP6400217B2 - 油圧式動力伝達装置 - Google Patents

油圧式動力伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6400217B2
JP6400217B2 JP2017539858A JP2017539858A JP6400217B2 JP 6400217 B2 JP6400217 B2 JP 6400217B2 JP 2017539858 A JP2017539858 A JP 2017539858A JP 2017539858 A JP2017539858 A JP 2017539858A JP 6400217 B2 JP6400217 B2 JP 6400217B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic
clutch
power transmission
transmission device
hydraulic power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017539858A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017047475A1 (ja
Inventor
健司 庭田
健司 庭田
英佑 細田
英佑 細田
智史 今森
智史 今森
大谷 哲也
哲也 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Publication of JPWO2017047475A1 publication Critical patent/JPWO2017047475A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6400217B2 publication Critical patent/JP6400217B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D25/00Fluid-actuated clutches
    • F16D25/06Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch
    • F16D25/062Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces
    • F16D25/063Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially
    • F16D25/0635Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially with flat friction surfaces, e.g. discs
    • F16D25/0638Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially with flat friction surfaces, e.g. discs with more than two discs, e.g. multiple lamellae
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D13/00Friction clutches
    • F16D13/58Details
    • F16D13/60Clutching elements
    • F16D13/64Clutch-plates; Clutch-lamellae
    • F16D13/644Hub construction
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D25/00Fluid-actuated clutches
    • F16D25/08Fluid-actuated clutches with fluid-actuated member not rotating with a clutching member
    • F16D25/082Fluid-actuated clutches with fluid-actuated member not rotating with a clutching member the line of action of the fluid-actuated members co-inciding with the axis of rotation
    • F16D25/083Actuators therefor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D25/00Fluid-actuated clutches
    • F16D25/12Details not specific to one of the before-mentioned types
    • F16D25/14Fluid pressure control
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D48/00External control of clutches
    • F16D48/02Control by fluid pressure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D13/00Friction clutches
    • F16D13/22Friction clutches with axially-movable clutching members
    • F16D13/38Friction clutches with axially-movable clutching members with flat clutching surfaces, e.g. discs
    • F16D13/52Clutches with multiple lamellae ; Clutches in which three or more axially moveable members are fixed alternately to the shafts to be coupled and are pressed from one side towards an axially-located member
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D48/00External control of clutches
    • F16D48/02Control by fluid pressure
    • F16D2048/0221Valves for clutch control systems; Details thereof

Description

本発明は、油圧クラッチを備えた油圧式動力伝達装置に関し、より詳細には、油圧ピストンが摩擦材を押圧することによりクラッチを締結し駆動力を伝達する油圧式動力伝達装置に関するものである。
多板クラッチ機構は、主として有底円筒状のクラッチガイドと、クラッチガイドの内部に同心状に配置されたクラッチハブとから構成される。クラッチガイドの内周面には、複数のセパレータプレート(摩擦材)がスプライン嵌合(結合)によって取り付けられている。一方、クラッチハブの外周面には、複数のフリクションプレート(摩擦材)がセパレータプレートと互い違いにスプライン嵌合によって取り付けられている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、多板クラッチ機構は、セパレータプレート及びフリクションプレートの積層体(摩擦係合部)に押圧力を付与して圧着させる油圧ピストンと、油圧ピストンを駆動するピストン室とを備えている。従って、ピストン室に作動油(オイル)が供給されることにより、油圧ピストンが軸方向に駆動され、摩擦係合部が油圧ピストンによって軸方向に押圧され、これによりクラッチガイド側とクラッチハブ側との間でトルクが伝達される。多板クラッチ機構の伝達トルク容量は、摩擦係合部の締結程度に応じて変わってくる。そのため、油圧ピストンが付与した押圧力が摩擦係合部に効率良く伝達されるように、クラッチガイドの後部には油圧ピストンの押圧力を受け止める押圧荷重受部が設けられている。
また、多板クラッチ機構にオイルを供給する油圧制御回路として、オイルを溜めるオイルストレーナと、オイルストレーナからオイルを吸い上げて油路へ圧送する電動オイルポンプと、クラッチを締結させる油圧ピストンを駆動するピストン室と、ピストン室の下流に設けられ作動油を所定の圧力に調圧するリニアソレノイドバルブと、電動オイルポンプからピストン室に到る行き側の油路と、ピストン室からリニアソレノイドバルブに到る戻り側の油路とを備えた油圧制御装置(油圧制御回路)が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
特許文献2に記載されている油圧制御回路においては、オイルストレーナから電動オイルポンプによって吸い上げられたオイルは、行き側の油路を通って油圧ピストンのピストン室に供給され、その後ピストン室から戻り側の油路を通ってリニアソレノイドバルブに供給され、ここで所定の油圧に調圧された後、一部はオイルストレーナに戻され、残りはベアリング及びクラッチ等の回転摺動部の潤滑に供給される。また、リニアソレノイドバルブは油圧センサから出力される信号に基づいてコンピュータによって制御されるため、油圧制御ボディと呼ばれるケースに格納されている。
上記のような油圧制御回路では、油圧ピストンのピストン室は、油圧制御ボディから最も遠く離れたクラッチの軸端に設けられているため、ピストン室から油圧制御ボディまでの油路が長くなり、圧力損失が大きくなるという問題がある。
ところで、リニアソレノイドバルブより下流は大気解放となるため、ピストン室からリニアソレノイドバルブに至る圧力損失がピストン室に作動圧として作用する。
特に、極低温時は作動油の粘度が高くなるため、油路の圧力損失が更に大きくなり、その結果、油圧指示がゼロ(リニアソレノイドフルオープン)の状態においても圧力損失によってクラッチ作動圧が発生し、これによりクラッチ引き摺り現象が発生し、例えば後輪へ駆動力が伝達されることによる車両挙動への影響ならびに燃料消費率の悪化という問題が発生するおそれがある。
また、特許文献1に記載されている油圧動力伝達装置では、ベアリング及びクラッチ等の回転摺動部に対する潤滑について、センターシャフトの軸内部に形成された油路(軸芯油路)を介してオイルを供給する軸芯潤滑が行われている。この軸芯潤滑では、左右のクラッチに対するオイルの潤滑量が均等となるように、油圧制御ボディはセンターシャフトの軸上かつ装置の中心近傍に配置されている。
また、特許文献1に記載されているように、駆動力を略直角に伝達するハイポイドギヤ等がスプライン結合したセンターシャフトに対するベアリングとして、テーパーローラベアリング或いはアンギュラボールベアリング等が用いられる。従来、組立性向上のため、中央部が開口したリング部材(ベアリングセットプレート)によってこれらのベアリングは締め代が付加されケースに固定されている。
油圧制御ボディがセンターシャフトの軸上かつ装置の中心近傍に配置される軸芯潤滑の場合、油圧制御ボディの配置によって油圧ピストンの押圧力を受け止める押圧荷重受部の配置に係る自由度が制限される。その結果、押圧荷重受部が油圧ピストンの押し位置に対しオフセットされて配置され、これによりクラッチ締結時における油圧ピストンの推力効率が低下し、クラッチの伝達トルク容量が必要量に対し不足するおそれがある。
また、テーパーローラベアリング等に締め代を付加するベアリングセットプレートは、ボルトによって締結されケースに固定される。
しかし、ボルトの配置によって押圧荷重受部の配置に係る自由度が制限され、その結果、油圧制御ボディの配置と同様に押圧荷重受部が油圧ピストンの押し位置に対しオフセットされて配置され、これによりクラッチ締結時における伝達トルク容量が必要量に対し不足するおそれがある。
特許文献1:特開2014−194242号公報
特許文献2:特開2011−149535号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、油圧クラッチのピストン室から下流の油路における圧力損失を小さく抑えることができる油圧式動力伝達装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、油圧ピストンの押し位置とその押圧力の受け位置とのオフセットをなくすことでクラッチ締結時における伝達トルク容量の低下を防止することができる油圧式動力伝達装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る油圧式動力伝達装置は、駆動源からの駆動力が伝達される入力軸(4)と、入力軸(4)に伝達された駆動力を断接する油圧クラッチ(5)と、油圧クラッチ(5)を介して入力軸(4)に接続される出力軸(6)と、を備える油圧式動力伝達装置であって、油圧クラッチ(5)は、駆動力を断接するための摩擦係合要素(51、52)と、該摩擦係合要素(51、52)に押圧力を付与するピストン部材(57)を駆動するためのピストン室(59)と、を含み、ピストン室(59)に連通して該ピストン室(59)から流出する作動油を調圧する調圧弁(8)を備え、調圧弁(8)は、ピストン室(59)に隣接して配置されていることを特徴とする。
この構成では、油圧クラッチ(5)のピストン室(59)から流出する作動油を調圧する調圧弁(8)が、当該ピストン室(59)に隣接されて設けられているため、そのピストン室(59)から調圧弁(8)に到る油路の長さを短く抑えることが可能となり、これにより油路における圧力損失を少なく抑えることが可能となる。
また、調圧弁(8)が油圧クラッチ(5)のピストン室(59)に隣接して設けられているため、従来の油圧式動力伝達装置において必要であった油圧制御ボディが不要となると共に、ピストン室(59)から油圧制御ボディに到る油路が不要となる。その結果、装置全体を小型化すると共に製造コストを下げることが可能となる。
また、この油圧式動力伝達装置では、油圧クラッチ(5)の摩擦係合要素(51、52)は、入力軸(4)側と出力軸(6)側のいずれか一方に設けたクラッチハブ(52)と、入力軸(4)側と出力軸(6)側のいずれか他方に設けたクラッチガイド(51)と、クラッチハブ(52)に係合する第1摩擦材(53)と、クラッチガイド(51)に係合する第2摩擦材(54)とが交互に積層された摩擦係合部とを備え、クラッチハブ(52)には、該クラッチハブ(52)を支持するベアリング(13)に連通する第1の貫通穴(52a)と、該クラッチハブ(52)の径方向の内周面から外周面に連通する第2の貫通穴(52b)とが設けられていることである。
この構成では、第1の貫通穴(52a)及び第2の貫通穴(52b)がクラッチハブ(52)にそれぞれ形成されていることにより、調圧弁(8)から排出される作動油をベアリング(13)及び摩擦係合部にそれぞれ導入し、これらを好適に潤滑することが可能となる。
また、この油圧式動力伝達装置では、第1の貫通穴(52a)の開口部の外径側又は第2の貫通穴(52b)の開口部の外径側には、軸方向に突出して開口部の外径側を覆う突出部(52c)が形成されていてもよい。
この構成では、第1の貫通穴(52a)又は第2の貫通穴(52b)の開口部の外径側には突出部(52c)が設けられているため、導入された作動油に遠心力が作用する場合であっても突出部(52c)が作動油に対するガイド部となり、作動油を第1の貫通穴(52a)又は第2の貫通穴(52b)に案内(導入)し、ベアリング(13)及び摩擦係合部を潤滑することが可能となる。
また、この油圧式動力伝達装置では、少なくとも油圧式動力伝達装置の一部を収容するケース(58)と、ケース(58)の内周面に形成されて、調圧弁(8)から排出される作動油が流出する吐出口(60a)と、を備え、吐出口(60a)の外径側には、軸方向に突出して吐出口(60a)の外径側を覆う他の突出部(60b)が設けられていてよい。
この構成では、ケース(58)内周面の吐出口(60a)の外径側には軸方向に吐出して該吐出口(60a)の外径側を覆う他の吐出部(60b)が設けられているため、導入された作動油に遠心力が作用する場合であっても吐出口(60a)が作動油に対するガイド部となり、作動油を油圧クラッチ(5,6)に案内(導入)し、ベアリング等の摺動回転部を潤滑することが可能となる。
また、本発明に係る油圧式動力伝達装置は、駆動源からの駆動力が伝達される入力軸(4)と、入力軸(4)に伝達された駆動力を断接する油圧クラッチ(5)と、油圧クラッチ(5)を介して入力軸(4)に接続される出力軸(6)とを備え、油圧クラッチ(5)は、駆動力を断接するための摩擦係合要素(51、52)と、該摩擦係合要素(51、52)に押圧力を付与するピストン部材(57)と、該ピストン部材(57)を駆動するためのピストン室(59)と、摩擦係合要素(51、52)にかかるピストン部材(57)の押圧荷重を受け止める押圧荷重受部(82)と、を含み、ピストン室(59)に連通して該ピストン室(59)から流出する作動油を調圧する調圧弁(8)を備え、調圧弁(8)は、ピストン室(59)に隣接して配置されると共に、ピストン部材(57)の押圧部(81)と押圧荷重受部(82)は径方向に関し略同じ位置に配置されることを特徴とする。
この構成では、油圧クラッチ(5)のピストン室(59)から流出する作動油を調圧する調圧弁(8)が、油圧クラッチ(5)のピストン室(59)に隣接して設けられているため、調圧弁(8)から排出される作動油を入力軸又は出力軸の内部に形成された油路(軸芯油路)などを介さず直接的に油圧クラッチ(5)の内部(摩擦係合要素)に導入することが可能となる。これにより、従来の軸芯潤滑において必要であった油圧制御ボディが不要となる。その結果、ピストン部材(57)の押圧力(推力)を受け止める押圧荷重受部(82)の配置に係る自由度が向上し、押圧荷重受部(82)とピストン部材(57)の押圧部(81)とを径方向の略同じ位置に配置することが可能となる。
また、ピストン部材(57)の押圧部(81)と押圧荷重受部(82)が径方向に関し略同じ位置に配置されるため、クラッチ締結時におけるピストン部材(57)の押し位置とその押圧力の受け位置とのオフセットがなくなり、これによりピストン部材(57)の推力効率が向上し、油圧クラッチ(5)における伝達トルク容量の低下が好適に防止されるようになる。
また、上記の油圧式動力伝達装置では、少なくとも油圧式動力伝達装置の一部を収容するケース(9)を備え、押圧荷重受部(82)は、ケース(9)における摩擦係合要素(51、52)に対向する部分を該摩擦係合要素に向けて軸方向に突出させた突起状の部分であってよい。この構成によれば、油圧クラッチを収容するケースの一部を用いて摩擦係合要素にかかるピストン部材の押圧荷重を受け止める押圧荷重受部を構成することができるので、油圧式動力伝達装置の部品点数を少なく抑えて構成の簡素化を図ることができる。
また、この油圧式動力伝達装置は、入力軸(4)を回転自在に支持する軸受(11、12)と、少なくとも油圧式動力伝達装置の一部を収容するケース(9)、を備え、軸受(11、12)はケース(9)の段差部(9a、9b)と該軸受が支持する入力軸(4)の段差部(4aa、3a)とによって挟み込まれる構造によって固定されるようにしてもよい。
この構成では、軸受(11、12)がケース(9)の段差部(9a、9b)と入力軸(4)の段差部(4aa、3a)とによって挟み込まれる構造によって固定されるため、従来、軸受の固定手段として必要であったベアリングセットプレート及びその固定用ボルトが不要となる。その結果、ピストン部材(57)の押圧力を受ける押圧荷重受部(82)の配置に係る自由度が向上し、これにより押圧荷重受部(82)をピストン部材(57)の押圧部(81)と略同じ径方向位置に配置することが可能となる。
また、この油圧式動力伝達装置では、ピストン部材(57)および押圧荷重受部(82)は、摩擦係合要素(51、52)を回転自在に支持する第1のスラスト軸受(83)および第2のスラスト軸受(84)をそれぞれ備え、該第1のスラスト軸受(83)と該第2のスラスト軸受(84)とは径方向に関し略同じ位置に配置されるようにしてもよい。
この構成では、第1のスラスト軸受(83)と第2のスラスト軸受(84)とは径方向に関し略同じ位置に配置されるため、ピストン部材(57)の押圧力を同じ径方向位置で受け止めてクラッチを締結する、いわゆるクラッチ直列押し構造を実現することが可能となる。クラッチ締結時における油圧ピストン部材(57)の押し位置とその押圧力の受け位置とのオフセットをなくすことによって、ピストン部材(57)の推力効率が向上し、油圧クラッチ(5)における伝達トルク容量の低下が好適に防止されるようになる。
また、この油圧式動力伝達装置では、調圧弁(8)から排出される作動油は、入力軸(4)の内部又は出力軸(6)の内部を通らずに油圧クラッチ(5)の摩擦係合要素(51、52)へ導入されるように構成されていてよい。
この構成によれば、調圧弁(8)から排出される作動油は、入力軸(4)の内部又は出力軸(6)の内部を通らずに油圧クラッチ(5)の摩擦係合要素(51、52)内部へ導入されるように構成されているため、入力軸(4)又は出力軸(6)の内部に形成された油路(軸芯油路)による潤滑(軸芯潤滑)によらずに油圧クラッチ(5)の内部を好適に潤滑することが可能となる。
また、この油圧式動力伝達装置では、出力軸(6)は、車両の幅方向に延びて該車両の左右の駆動輪に駆動力を伝達する一対の回転軸(6L、6R)であり、油圧クラッチ(5)は、入力軸(4)と一対の回転軸それぞれとの間に設けた一対のクラッチ(5L、5R)であり、調圧弁(8)は、一対のクラッチそれぞれの幅方向の外側に隣接して配置した一対の調圧弁(8L、8R)であってよい。
この構成では、出力軸(6)は一対の回転軸(6L、6R)であり、油圧クラッチ(5)は一対のクラッチ(5L、5R)であり、調圧弁(8)は一対の調圧弁(8L、8R)であるため、本発明の油圧式動力伝達装置を車両の差動装置に適用することが可能となる。これによりクラッチ(5L、5R)締結時に左右の駆動輪へ所望のトルクをそれぞれ分配することが可能となる。
なお、本課題を解決する手段における括弧内の符号は、後述する実施形態における対応する構成要素の図面参照番号を参考のために示すものである。
本発明の油圧式動力伝達装置によれば、ピストン室から調圧弁に到る油路の長さを短くすることが可能となるため、ピストン室から調圧弁に到る油路における圧力損失を小さく抑えることが可能となる。
また、従来の油圧式動力伝達装置において必要であった油圧制御ボディ並びに油圧クラッチのピストン室から油圧制御ボディに到る油路が不要となる。これにより装置全体を小型化すると共に製造コストを下げることが可能となる。
また、本発明の油圧式動力伝達装置を車両の差動装置に適用する場合は、クラッチ引き摺り現象による車両挙動への影響ならびに燃料消費率の悪化を好適に防止することが可能となる。
また、本発明の油圧式動力伝達装置によれば、油圧クラッチのピストン室から排出される作動油を調圧する調圧弁が、油圧クラッチのピストン室に隣接して設けられているため、従来の軸芯潤滑において必要であった油圧制御ボディが不要となる。それに加えて、軸受はその軸方向の前後を挟み込む構造によって固定されるため、従来の軸受の固定手段として必要であったベアリングセットプレート及びその固定用ボルトが不要となる。
このように、油圧制御ボディ並びにベアリングセットプレート及びその固定用ボルトが不要となることにより、ピストン部材の押圧力を受け止める押圧荷重受部の配置に係る自由度が向上し、押圧荷重受部をピストン部材の押し位置と同じ径方向位置に配置することが可能となる。その結果、ピストン部材の押圧力を同じ径方向位置で受け止めてクラッチを締結する、いわゆるクラッチ直列押し構造を実現することが可能となる。
また、クラッチ締結時におけるクラッチの押し位置と受け位置とのオフセットがなくなることによってピストン部材の推力効率が向上し、油圧クラッチにおける伝達トルク容量の低下が好適に防止されるようになる。
また、本発明の油圧式動力伝達装置を車両の差動装置に適用する場合は、クラッチ締結時に左右の駆動輪へ所望のトルクをそれぞれ分配することが可能となる。
本発明の実施形態に係る油圧式動力伝達装置を示す要部断面説明図である。 図1のA部拡大説明図である。 本油圧式動力伝達装置の油圧回路を示す斜視説明図である。 本発明に係る調圧弁を示す要部断面説明図である。 本発明に係るクラッチハブを示す斜視説明図である。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る油圧式動力伝達装置100を示す要部断面説明図である。図2は、図1のA部拡大説明図である。そして図3は、本油圧式動力伝達装置100の油圧回路を示す斜視説明図である。
この油圧式動力伝達装置100は、駆動シャフト1の回転を左右の車輪(図示せず)に配分するための差動機構(ディファレンシャル機構)として構成されている。駆動シャフト1は、図示しないプロペラシャフトに結合し、図示しない駆動源(エンジン)からの駆動力が伝達される。油圧式動力伝達装置100は、駆動シャフト1と一体回転する駆動ベベルギヤ2と、該駆動ベベルギヤ2に噛み合う従動ベベルギヤ3と、駆動シャフト1に直交して配置され、従動ベベルギヤ3と一体回転するように結合されたセンターシャフト4と、該センターシャフト4の左右に配置された左右のクラッチ装置5L,5Rと、左右のクラッチ装置5L,5Rによって伝達される各駆動力を左右の車輪(図示せず)にそれぞれ伝達する左右の出力シャフト6L,6Rと、左右のクラッチ装置5L,5Rの各ピストン室59(図2)に作動油(オイル)を供給する電動オイルポンプ7と、左右のクラッチ装置5L,5Rの各ピストン室59(図2)から排出される各オイルの圧力を調圧する左右の調圧弁8L,8Rと、ディファレンシャル機構を覆う(収容する)デフケース(ケース)9とを備える。以下、各構成について更に説明する。
センターシャフト4は、テーパ軸受11、12を介してディファレンシャル機構のデフケース9に軸受けされる。センターシャフト4は、大別して、中央の大径部4aと、該大径部4aの左右の中径部4bと、該中径部4bに隣接する左右端の小径部4cとを含むように構成されており、大径部4aに従動ベベルギヤ3が固定されて、センターシャフト4の全体が一体回転する。センターシャフト4の左右端の各小径部4cには、円周方向に複数のスプライン歯が形成され、対応する左右のクラッチ装置5L,5Rの各クラッチガイド51(図2)と一体回転するようにスプライン結合している。
左右のクラッチ装置5L,5Rは、湿式多板クラッチ(油圧クラッチ)から成っている。左右のクラッチ装置5L,5Rは同一の構成であるため、ここでは図2を参照しながら右クラッチ装置5Rについてのみ説明することとする。また、同様な理由から以降の説明では「左」又は「右」を意味する添字L,Rは、特に区別する必要がある場合を除き省略することとする。
図2に示されるように、入力側回転部材であるクラッチガイド51の内周面に対して複数のセパレータプレート(第1摩擦材)53が軸方向に所定間隔で並んでスプライン結合し、出力側回転部材であるクラッチハブ52の外周面に対して複数のフリクションプレート(第2摩擦材)54が軸方向に所定間隔で並んでスプライン結合しており、各セパレータプレート53と各フリクションプレート54は軸方向に互い違いに交互に並ぶように配置され、セパレータプレート53及びフリクションプレート54の積層体を成している。クラッチガイド51の根元寄りには、スプライン部55が形成されており、該スプライン部55は、センターシャフト4の右端の小径部4cにスプライン結合する。
同様に、クラッチハブ52の根元寄りにはスプライン部56が形成されている。従って、該スプライン部56は右出力シャフト6Rにスプライン結合し、クラッチハブ52はボール軸受14を介してケース58に対して回転自在に固定され、該右出力シャフト6Rと一体回転する。一方、クラッチガイド51とクラッチハブ52は、ボール軸受13を介して相互に軸受けされ、相対回転可能である。
セパレータプレート53及びフリクションプレート54の積層体(摩擦係合部)は、クラッチ締結時に、ピストン57によって軸方向(図2では左方向)に駆動される。ピストン57の駆動に応じてセパレータプレート53とフリクションプレート54とが摩擦係合し、クラッチが締結される。ピストン57はピストン室59によって油圧駆動され、摩擦係合部において必要なクラッチ締結量を得るよう制御される。
ピストン57の摩擦係合部に対向する側には、軸方向(図中左方向)に突出した、摩擦係合部を押圧する押圧部81が形成されている。押圧部81の先端部には、摩擦係合部を回転自在にスラスト方向に支持する第1のスラスト軸受83が取り付けられている。他方、ケース9におけるクラッチガイド51の後側に対向する位置には、軸方向(図中右方向)に突出した、摩擦係合部にかかるピストン57の押圧荷重を受け止める押圧荷重受部82が形成されている。押圧荷重受部82の先端部には、クラッチガイド51を回転自在にスラスト方向に支持する第2のスラスト軸受84が取り付けられている。なお、第1のスラスト軸受83と第2のスラスト軸受84は、径方向に関し同じ高さ位置又は略同じ高さ位置にそれぞれ配置されている。これにより、ピストン57の押し位置とその押圧力の受け位置とがオフセットしなくなり、クラッチ締結時におけるピストン57の推力効率が向上し、クラッチ装置5において必要な伝達トルク容量を確保することが可能となる。
また、センターシャフト4を回転自在に支持するテーパ軸受12は、その軸方向(長手方向)をケース9の段差部9a及びセンターシャフト4の大径部4aの段差部4aaが挟み込むことによって固定されている。なお、同じくセンターシャフト4を支持するテーパ軸受11については、図1に示されるように、その軸方向をケース9の段差部9b並びに従動ベベルギヤ3に形成された段差部3aが挟み込むことによって固定されている。このように、テーパ軸受11,12は、ケース9の段差部9a、9bと該軸受11,12が支持する支持対象物であるセンターシャフト4の段差部4aa又は従動ベベルギヤ3の段差部3aとによって挟み込まれる構造によって固定される。従って、本油圧式動力伝達装置100においては、従来、軸受の固定手段として用いられていたベアリングセットプレート及びその固定用ボルトは不要となる。その結果、押圧荷重受部82の配置に係る自由度が向上し、これにより第1のスラスト軸受83と第2のスラスト軸受84とを径方向に関し同じ高さ又は略同じ高さにそれぞれ配置することが可能となり、これによりピストン57の押圧力を径方向に関し同じ高さ又は略同じ高さで受ける、いわゆるクラッチ直列押し構造を実現することが可能となる。
また、センターシャフト4は左右のクラッチ装置5L,5Rにとって「入力軸」に該当し、左右の出力シャフト6L,6Rは左右のクラッチ装置5L,5Rにとって「出力軸」に該当する。
再び、図1に戻って、電動オイルポンプ7は、回転動力を発生するモータ部71と、その回転動力によって作動油(オイル)をオイルストレーナ66(図3)から吸引して左右のクラッチ装置5L,5Rへ圧送するポンプ部72とから成り、ポンプ部72はポンプシャフト73上に左右2個の内接ギヤポンプ74L,74Rが直列に接続された2連ポンプ構造を成している。なお、本実施形態では、例えば左の内接ギヤポンプ74Lは左クラッチ装置5Lのピストン室59Lにオイルを圧送し、右の内接ギヤポンプ74Rは右クラッチ装置5Rのピストン室59Rにオイルを圧送している。
左右の調圧弁8L,8Rは、リニアソレノイドバルブ(電磁調圧弁)から成っている。図3に示されるように、本実施形態における左右の調圧弁8L,8Rは、左右のクラッチ装置5L,5Rの各ピストン室59L,59Rの真横にそれぞれ略対称に配置されている。従って、左右の各ピストン室59L,59Rから左右の各調圧弁8L,8Rまでの油路が最短距離でそれぞれ構成されている。従って、左右の内接ギヤポンプ74L,74Rから左右の各調圧弁8L,8Rまでの油路が、左ピストン室59Lにオイルを供給するケース内油路64、並びに右ピストン室59Rにオイルを供給するケース内油路65のみで事足りている。
なお、左右の調圧弁8L,8Rは同一構成であるため、以降の説明では左または右を意味する添字L,Rは、特に区別する必要がある場合を除き省略することとする。
図4は、本発明に係る調圧弁8を示す要部断面説明図である。なお、図4(a)は図2のA−A断面図であり、図4(b)は図4(a)のB−B断面図である。
図4(a)に示されるように、調圧弁8は、弁体82、ボディ83及びスプリング84から成る圧力調整弁81にリニアソレノイド85が直列に結合することにより構成されている。
リニアソレノイド85は、磁力線を発生するコイル86と、コイル86が発生した磁力線を透磁する中空円筒状の磁性体87と、磁力線の作用によって軸方向に駆動されるプランジャ88と、コイル86に電流を供給する給電部89と、全体を覆うケース90とから成り、プランジャ88は弁体82の端部に接合し、磁性体87はボディ83に接合している。
ボディ83には、入口ポートP/IN、出口ポートP/OUT、および帰還ポートP/FBがそれぞれ形成され、弁体82とボディ83との間には、第一環状油路82a、第二環状油路82b、第三環状油路82c、および第四環状油路82dがそれぞれ形成されている。
第一環状油路82aは入口ポートP/INと出口ポートP/OUTを連通させるのに対し、第二環状油路82b、第三環状油路82cおよび第四環状油路82dは、ピストン室59から吐出されたオイルがフィードバック圧として弁体82に作用するための環状油路である。図4(b)に示されるように、ピストンケース58とボディ83との間には隙間Sが部分的に形成されており、ピストン室59から吐出されたオイルが隙間Sを通って帰還ポートP/FBに流入してフィードバック圧として弁体82に作用するように構成されている。
従って、クラッチ装置5のピストン室59からフィルタFを通って入口ポートP/INに流入するオイルは、ピストン室59から吐出されたオイルのフィードバック圧(油圧)、リニアソレノイド85のプランジャ88の推力、並びにスプリング84が弁体に作用する弾性力という3力がつり合う油圧に調圧され、調圧弁8の出口ポートP/OUTから下流へ吐出される。
また、図4(a)に示されるように、調圧弁8はピストン室59に隣接して、すなわちピストン室59の真横に配置されている。このように、調圧弁8がピストン室59の真横に配置されることにより、ピストン室59から調圧弁8の入口ポートP/OUTまでの油路を最短距離でつなぐことができ、ピストン室59から調圧弁8に到る油路の圧力損失を最小限に抑えることが可能となる。また、後述するように、調圧弁8の出口ポートP/OUTから排出されたオイルを、シャフト内部に形成された軸芯油路を介さずにクラッチ装置5の内部に導入することが可能となる。
また、図4(b)に示されるように、調圧弁8はデフケース9に対し外装(外付け)されている。このように調圧弁8がデフケース9に外装(外付け)されることにより、調圧弁8をデフケース9の内部に油圧制御ボディとして組み込む必要がなくなり、その結果、従来の油圧式動力伝達装置において必要となった制御ボディ並びにピストン室から制御ボディに到る油路を廃止することが可能となり、装置全体の小型化およびコストダウンが可能となる。
再び図2に戻って、ケース58の内部に調圧弁8の出口ポートP/OUTから吐出されたオイルを、クラッチ装置5の内部に直に導く潤滑油路60が形成されている。従来の油圧式動力伝達装置では、クラッチ装置の内部に設けられたボール軸受並びにセパレータプレート及びフリクションプレート等の回転摺動部に対する潤滑は、シャフト内部に形成された油路(軸芯油路)にオイルを供給し、シャフトの回転による遠心力によってオイルが拡散され、拡散されたオイルがシャフト外周面に形成された貫通穴(図示せず)を通ってボール軸受等の回転摺動部に供されていた。すなわち、従来の油圧式動力伝達装置は軸芯潤滑を採用していた。
これに対し、本油圧式動力伝達装置100では、シャフト内部に形成された油路(軸芯油路)を介さずに、調圧弁8の出口ポートP/OUTから吐出されたオイルを潤滑油路60を介して直にクラッチ装置5の内部に導入して、導入されたオイルをクラッチハブ52の回転によって撹拌させ、これによりボール軸受13,14等の回転摺動部を潤滑することとしている。つまり、本油圧式動力伝達装置100は撹拌潤滑を採用している。そのため、潤滑油路60を通ってクラッチ装置5内部に導入されたオイルが、ボール軸受13,14に効率良く且つ均等に行き渡るように、クラッチハブ52のボール軸受13に対向する部位に、第1の貫通穴52aが設けられている。更に、セパレータプレート53及びフリクションプレート54にオイルが効率良く且つ均等に行き渡るように、クラッチハブ52の径方向の内周面と外周面を貫通する第2の貫通穴52bが設けられている。
なお、潤滑用のオイルに対しクラッチハブ52の回転による遠心力が作用する場合でも、オイルが第1の貫通穴52aに効率良く導入されるように、第1の貫通穴52aの外径側(外縁側)を覆うひさし形状部(突出部)52cが設けられている。なお、同様な理由からボール軸受14の図中真上(径方向外側)にも、吐出口60aの外径側(外縁側)を覆うひさし形状部(突出部)60b(図2)が設けられている。以下、このひさし形状部(突出部)52cについて説明する。
図5は、本発明に係るクラッチハブ52を示す斜視説明図である。上述した通り、潤滑油路60を通ってクラッチ装置5内部に導入されたオイルが、ボール軸受13並びにセパレータプレート53及びフリクションプレート54等の回転摺動部に効率良く且つ均等に行き渡るように、第1の貫通穴52a及び第2の貫通穴52bが等間隔に4個、2個それぞれ設けられている。なお、個数については一例であり、これに限定されるものではない。
また、第1の貫通穴52aの径方向外側には軸方向に延びるひさし形状部(突出部)52cが設けられている。従って、クラッチハブ52の回転による遠心力によって径方向外側に拡散されたオイルが、このひさし形状部52cによって第1の貫通穴52aに導入され、ボール軸受13を効率良く潤滑するようになる。
また、同様にクラッチハブ52の径方向外側の内周面52dによって、遠心力によって拡散されたオイルが第2の貫通穴52bに導入され、セパレータプレート53及びフリクションプレート54を効率良く潤滑するようになる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。

Claims (10)

  1. 駆動源からの駆動力が伝達される入力軸と、
    前記入力軸に伝達された駆動力を断接する油圧クラッチと、
    前記油圧クラッチを介して前記入力軸に接続される出力軸と、を備える油圧式動力伝達装置であって、
    前記油圧クラッチは、駆動力を断接するための摩擦係合要素と、該摩擦係合要素に押圧力を付与するピストン部材を駆動するためのピストン室と、を含み、
    前記ピストン室に連通して該ピストン室に流入する作動油を供給するオイルポンプと、
    前記ピストン室に連通して該ピストン室から流出する作動油を調圧する調圧弁と、を備え、
    前記調圧弁は、前記ピストン室に隣接して配置されていることを特徴とする油圧式動力伝達装置。
  2. 前記油圧クラッチの前記摩擦係合要素は、前記入力軸側と前記出力軸側のいずれか一方に設けたクラッチハブと、前記入力軸側と前記出力軸側のいずれか他方に設けたクラッチガイドと、前記クラッチハブに係合する第1摩擦材と、前記クラッチガイドに係合する第2摩擦材とが交互に積層された摩擦係合部とを備え、
    前記クラッチハブには、該クラッチハブを支持するベアリングに連通する第1の貫通穴と、該クラッチハブの径方向の内周面から外周面に連通する第2の貫通穴とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の油圧式動力伝達装置。
  3. 前記第1の貫通穴の開口部の外径側又は前記第2の貫通穴の開口部の外径側には、軸方向に突出して前記開口部の外径側を覆う突出部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の油圧式動力伝達装置。
  4. 少なくとも前記油圧式動力伝達装置の一部を収容するケースと、
    前記ケースの内周面に形成されて、前記調圧弁から排出される作動油が流出する吐出口と、を備え、
    前記吐出口の外径側には、軸方向に突出して前記吐出口の外径側を覆う他の突出部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の油圧式動力伝達装置。
  5. 前記油圧クラッチは、前記摩擦係合要素にかかる前記ピストン部材の押圧荷重を受け止める押圧荷重受部を更に備え、
    前記ピストン部材の押圧部と前記押圧荷重受部とは、径方向に関し略同じ位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の油圧式動力伝達装置。
  6. 少なくとも前記油圧式動力伝達装置の一部を収容するケースを備え、
    前記押圧荷重受部は、前記ケースにおける前記摩擦係合要素に対向する部分を該摩擦係合要素に向けて軸方向に突出させた突起状の部分であることを特徴とする請求項5に記載の油圧式動力伝達装置。
  7. 前記入力軸を回転自在に支持する軸受を備え、
    前記軸受は、前記ケースの段差部と前記入力軸の段差部とによって挟み込まれる構造によって固定されることを特徴とする請求項4又は6に記載の油圧式動力伝達装置。
  8. 前記ピストン部材および前記押圧荷重受部は、前記摩擦係合要素を回転自在に支持する第1のスラスト軸受および第2のスラスト軸受をそれぞれ備え、該第1のスラスト軸受と該第2のスラスト軸受とは径方向に関し略同じ位置に配置される
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の油圧式動力伝達装置。
  9. 前記調圧弁から排出される作動油は、前記入力軸の内部又は前記出力軸の内部を通らずに前記油圧クラッチの前記摩擦係合要素へ導入されるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の油圧式動力伝達装置。
  10. 前記出力軸は、車両の幅方向に延びて該車両の左右の駆動輪に駆動力を伝達する一対の回転軸であり、
    前記油圧クラッチは、前記入力軸と前記一対の回転軸それぞれとの間に設けた一対のクラッチであり、
    前記調圧弁は、前記一対のクラッチそれぞれの前記幅方向の外側に隣接して配置した一対の調圧弁である
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の油圧式動力伝達装置。
JP2017539858A 2015-09-14 2016-09-07 油圧式動力伝達装置 Active JP6400217B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015180730 2015-09-14
JP2015180727 2015-09-14
JP2015180727 2015-09-14
JP2015180730 2015-09-14
PCT/JP2016/076356 WO2017047475A1 (ja) 2015-09-14 2016-09-07 油圧式動力伝達装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017047475A1 JPWO2017047475A1 (ja) 2018-01-18
JP6400217B2 true JP6400217B2 (ja) 2018-10-03

Family

ID=58289225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017539858A Active JP6400217B2 (ja) 2015-09-14 2016-09-07 油圧式動力伝達装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10563706B2 (ja)
JP (1) JP6400217B2 (ja)
CN (1) CN108026982B (ja)
WO (1) WO2017047475A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10801596B2 (en) 2016-12-14 2020-10-13 Honda Motor Co., Ltd. Power transmission device
JP6427609B2 (ja) * 2016-12-14 2018-11-21 本田技研工業株式会社 動力伝達装置
JP6442559B2 (ja) * 2017-05-19 2018-12-19 本田技研工業株式会社 動力伝達装置
JP6527907B2 (ja) * 2017-05-19 2019-06-05 本田技研工業株式会社 動力伝達装置
JP6694865B2 (ja) * 2017-12-28 2020-05-20 本田技研工業株式会社 動力伝達装置
JP6734967B1 (ja) * 2019-06-07 2020-08-05 川崎重工業株式会社 湿式多板クラッチの給油構造およびアジマススラスタ
CN111895001B (zh) * 2020-06-16 2021-11-26 常熟理工学院 具有轮载电控液压助力离合装置的轮毂电机轮及变速方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL7811860A (nl) * 1978-12-05 1980-06-09 Doornes Transmissie Bv Hydraulisch bediende koppeling.
JPS56146408A (en) * 1980-04-11 1981-11-13 Yokohama Rubber Co Ltd:The Pneumatic radial tire for automobile
JPS62166140U (ja) * 1986-04-14 1987-10-22
JPH03102623A (ja) * 1989-09-14 1991-04-30 Konica Corp 磁気記録媒体
JPH03102623U (ja) * 1990-02-06 1991-10-25
JPH0663939U (ja) * 1993-02-19 1994-09-09 本田技研工業株式会社 摩擦係合装置
JP2004156653A (ja) * 2002-11-01 2004-06-03 Toyota Motor Corp 摩擦係合装置の潤滑構造
JP2004197777A (ja) * 2002-12-16 2004-07-15 Fuji Heavy Ind Ltd 湿式多板クラッチ
JP4580425B2 (ja) * 2005-03-10 2010-11-10 Tcm株式会社 油圧式動力伝達装置および作業車両
JP3124493U (ja) * 2006-06-09 2006-08-17 株式会社ダイナックス 湿式デュアルクラッチの冷却構造
JP5372792B2 (ja) 2010-01-25 2013-12-18 本田技研工業株式会社 油圧クラッチの作動回路
JP5736405B2 (ja) * 2013-03-25 2015-06-17 本田技研工業株式会社 駆動力伝達装置の潤滑構造
JP5753213B2 (ja) 2013-03-28 2015-07-22 本田技研工業株式会社 駆動力伝達装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017047475A1 (ja) 2017-03-23
US20180245642A1 (en) 2018-08-30
CN108026982A (zh) 2018-05-11
US10563706B2 (en) 2020-02-18
CN108026982B (zh) 2019-12-20
JPWO2017047475A1 (ja) 2018-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6400217B2 (ja) 油圧式動力伝達装置
US7246692B2 (en) Dual clutch mechanism for a transmission
DE112010003293B4 (de) Antriebsvorrichtung für ein Fahrzeug
KR100827260B1 (ko) 자동 변속기
JP2010048318A (ja) 自動変速機
JP6513112B2 (ja) 動力伝達装置及び動力伝達装置の潤滑構造
KR102284202B1 (ko) 유압 시스템을 구비하는 차량용 전동 구동 장치
KR102297171B1 (ko) 차량용 전동 구동 장치의 윤활 구조 및 이를 포함하는 전동 구동 장치
US10663014B2 (en) Hydraulic clutch device
US10890217B2 (en) Hydraulic clutch device
US10670088B2 (en) Hydraulic clutch device
US9145966B2 (en) Hydraulic pump configuration for automatic transmission
JP2016099000A (ja) オイルポンプ
JP4574511B2 (ja) 車両用デファレンシャル装置
CN110878828B (zh) 具有扭矩矢量增强的模块化断开式驱动模块
JP7374556B2 (ja) 変速機
JP2021165557A (ja) 油圧クラッチの給油構造
JP6539687B2 (ja) 動力伝達装置
JP2008014387A (ja) 駆動力伝達装置
JP6427609B2 (ja) 動力伝達装置
US10457141B2 (en) Control method for four-wheel drive vehicle, control apparatus for four-wheel drive vehicle, and four-wheel drive vehicle
US11067158B2 (en) Driving force distribution apparatus
JPH0842654A (ja) 無段変速機の潤滑用油路
JP6351566B2 (ja) オイル供給構造
JP2023059510A (ja) トルクコンバータ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171023

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171023

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20171023

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20171113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180717

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180807

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6400217

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150