JP2021050355A - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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紘 青嶋
武史 原
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武史 原
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Abstract

【課題】タイヤの耐摩耗性を向上することができるゴム組成物の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明は、ゴム成分及び充填剤を混合して混練物を得る工程(A)と、上記混練物を、硫黄成分及び加硫促進剤と混合してゴム組成物を得る工程(B)と、を有し、(A)又は(B)のいずれかの工程で、ジスルフィド結合とピリミジン環とを有する化合物(1)を更に混合し、工程(A)において、上記混練物を120〜170℃で20〜360秒間保持する、ゴム組成物の製造方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物の製造方法に関する。
低燃費性及び耐摩耗性はタイヤの重要な性能であり、これらの性能を向上することが求められている。自動車タイヤ用のゴム組成物として、共役ジエン系エラストマー、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体を含有するゴム組成物が用いられている。例えば、特許文献1には、特定の構造を有するジスルフィド化合物を配合することで、ゴム組成物の低燃費性を向上することが開示され、特許文献2には、特定の構造を有するジスルフィド化合物を配合することで、ゴム組成物の耐摩耗性を向上することが開示されている。
特開2010−018716号公報 特開2019−052297号公報
タイヤ用のゴム組成物には、耐摩耗性をより高めることが求められている。そこで、本発明は、タイヤの耐摩耗性を向上することができる新規なゴム組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、ゴム成分及び充填剤を混合して混練物を得る工程(A)と、上記混練物を、硫黄成分及び加硫促進剤と混合してゴム組成物を得る工程(B)と、を有し、(A)又は(B)のいずれかの工程で、後述する式(1)で表される化合物(1)を更に混合し、工程(A)において、上記混練物を120〜170℃で20〜360秒間保持する、ゴム組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、タイヤの耐摩耗性を向上することができるゴム組成物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[ゴム組成物]
本実施形態に係るゴム組成物は、下記式(1)で表される化合物(以下、単に「化合物(1)」という場合がある。)、ゴム成分、充填剤、硫黄成分、及び加硫促進剤を少なくとも含有する。本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分、充填剤、硫黄成分、加硫促進剤、及び化合物(1)、並びに必要に応じて他の成分を混練することによって製造することができる。以下、ゴム組成物に含まれる各成分について説明する。
(化合物(1))
化合物(1)は、下記式(1)で表されるように、ジスルフィド結合とピリミジン環とを有する化合物である。
Figure 2021050355
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、カルボキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリールカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、又はニトロ基を示す。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、及びオクタデシル基が挙げられる。
アルキル基が有し得る置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜8のシクロアルキル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、シクロアルキルオキシ基(好ましくは炭素数3〜8のシクロアルキルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜14のアリールオキシ基)、アラルキルオキシ基(好ましくは炭素数7〜16のアラルキルオキシ基)、及び置換基を有していてもよいアミノ基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[3.2.1]オクチル基、及びアダマンチル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、及び9−アントリル基が挙げられる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、及びフェニルプロピル基が挙げられる。
シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基が有し得る置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6のアルキル基)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜8のシクロアルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14のアリール基)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜16のアラルキル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、シクロアルキルオキシ基(好ましくは炭素数3〜8のシクロアルキルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜14のアリールオキシ基)、アラルキルオキシ基(好ましくは炭素数7〜16のアラルキルオキシ基)、及び置換基を有していてもよいアミノ基が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、及びヘキシルオキシ基が挙げられる。シクロアルキルオキシ基としては、例えば、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、及びシクロオクチルオキシ基が挙げられる。アリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、及び2−ナフチルオキシ基が挙げられる。アラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基、及びフェニルプロピルオキシ基が挙げられる。
アルキル−カルボニルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、2−メチルプロパノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、3−メチルブタノイルオキシ基、2−メチルブタノイルオキシ基、2,2−ジメチルプロパノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、及びヘプタノイルオキシ基が挙げられる。
シクロアルキル−カルボニルオキシ基としては、例えば、シクロプロピル−カルボニルオキシ基、シクロブチル−カルボニルオキシ基、シクロペンチル−カルボニルオキシ基、シクロヘキシル−カルボニルオキシ基、シクロヘプチル−カルボニルオキシ基、及びシクロオクチル−カルボニルオキシ基が挙げられる。アリール−カルボニルオキシ基としては、例えば、ベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基、及び2−ナフトイルオキシ基が挙げられる。アラルキル−カルボニルオキシ基としては、例えば、フェニルアセチルオキシ基及びフェニルプロピオニルオキシ基が挙げられる。
アルコキシ−カルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、及びヘキシルオキシカルボニル基が挙げられる。シクロアルキルオキシ−カルボニル基としては、例えば、シクロプロピルオキシカルボニル基、シクロブチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘプチルオキシカルボニル基、及びシクロオクチルオキシカルボニル基が挙げられる。アリールオキシ−カルボニル基としては、例えば、フェニルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、及び2−ナフチルオキシカルボニル基が挙げられる。アラルキルオキシ−カルボニル基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、ナフチルメチルオキシカルボニル基、及びフェニルプロピルオキシカルボニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよいカルバモイル基としては、例えば、カルバモイル基、モノ−又はジ−(置換基を有していてもよいアルキル)カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−メチルカルバモイル基)、モノ−又はジ−(置換基を有していてもよいシクロアルキル)カルバモイル基(例えば、シクロプロピルカルバモイル基、シクロヘキシルカルバモイル基)、モノ−又はジ−(置換基を有していてもよいアリール)カルバモイル基(例えば、フェニルカルバモイル基)、モノ−又はジ−(置換基を有していてもよいアラルキル)カルバモイル基(例えば、ベンジルカルバモイル基、フェネチルカルバモイル基)が挙げられる。
置換基を有していてもよいアミノ基としては、例えば、アミノ基、モノ−又はジ−(置換基を有していてもよいアルキル)アミノ基(例えば、メチルアミノ基、トリフルオロメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジブチルアミノ基)、モノ−又はジ−(置換基を有していてもよいシクロアルキル)アミノ基(例えば、シクロプロピルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基)、モノ−又はジ−(置換基を有していてもよいアリール)アミノ基(例えば、フェニルアミノ基)、モノ−又はジ−(置換基を有していてもよいアラルキル)アミノ基(例えば、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基、モノ−−又はジ−(置換基を有していてもよいアルキル− カルボニル)アミノ基(例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基)、モノ−又はジ−(置換基を有していてもよいシクロアルキル−カルボニル)アミノ基(例えば、シクロプロピルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基)、モノ−又はジ−(置換基を有していてもよいアリール−カルボニル)アミノ基(例えば、ベンゾイルアミノ基)、モノ−又はジ−(置換基を有していてもよいアラルキル−カルボニル)アミノ基(例えば、ベンジルカルボニルアミノ基)が挙げられる。
式(1)中のm及びnは、それぞれ独立に0〜3であり、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は2である。mが2又は3である場合、複数のRは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2又は3である場合、複数のRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。複数のRは同じであることが好ましく、複数のRは同じであることが好ましい。
及びRは、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル−カルボニルオキシ基、アミノ基、又はモノ(置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル−カルボニル)アミノ基であり、より好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のアルキル−カルボニルオキシ基、アミノ基、又はモノ(炭素数1〜18のアルキル−カルボニル)アミノ基であり、更に好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。R及びRは同じ基であることが好ましい。
ゴム組成物における式(1)で表される化合物の含有量は、低燃費性及び耐摩耗性の観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3〜10質量部、より好ましくは0.5〜6質量部、更に好ましくは1.8〜5質量部である。
(ゴム成分)
ゴム成分は、ジエン系ゴムを含む。ジエン系ゴムとは、共役二重結合を持つジエンモノマーを原料としたゴムを意味する。ジエン系ゴムとしては、例えば、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレン・イソブチレン共重合ゴム(IIR)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム(EPDM)、及びハロゲン化ブチルゴム(HR)が挙げられる。これらのジエン系ゴムは常温(23℃)において液状である液状ゴムであってもよい。ゴム成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
SBRとしては、例えば、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の210〜211頁に記載されている乳化重合SBR及び溶液重合SBRが挙げられる。また、SBRのジエン部分が水素添加された水添SBRを用いることもできる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせてもよい。
溶液重合SBRとしては、非変性溶液重合SBRでもよいし、分子末端及び主鎖を変性剤で変性して得られる、窒素、スズ、及びケイ素の少なくとも一つの元素を有する、変性溶液重合SBRを用いてもよい。変性剤としては、例えば、ラクタム化合物、アミド化合物、尿素化合物、N,N−ジアルキルアクリルアミド化合物、イソシアネート化合物、イミド化合物、アルコキシ基を有するシラン化合物、ビニル基を有するシラン化合物、シロキサン化合物、アミノシラン化合物、及びスズ化合物が挙げられる。これらの変性剤は、単独で用いてもよいし、複数を用いてもよい。変性溶液重合SBRとしては、例えば、日本ゼオン株式会社社製の「Nipol(登録商標)NS116」等の4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノンを用いて分子末端を変性した溶液重合SBR、JSR株式会社製の「SL574」等のハロゲン化スズ化合物を用いて分子末端を変性した溶液重合SBR、及び旭化成株式会社製の「E10」、「E15」等のシラン変性溶液重合SBRが挙げられる。また、乳化重合SBR及び溶液重合SBRに、プロセスオイル、アロマオイル等のオイルを添加した油展SBRも使用することができる。
BRとしては、タイヤ工業において一般的なBRを使用できる。BRとしては、シス1,4結合が90%以上の高シスBR及びシス結合が35%前後の低シスBR等の溶液重合BR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を有するBRが挙げられる。耐摩耗性の向上効果を高めることから、シス含有量が高いBRが好ましく、シス含有量が95質量%以上である高シスBRがより好ましい。高シスBRとしては、例えば、日本ゼオン株式会社製の「BR1220」、宇部興産株式会社製の「BR150B」、Arlanxeo社製の「Buna CB22」、JSR株式会社製の「BR01」等が挙げられる。シンジオタクチックポリブタジエン結晶を有するBRとしては、例えば、宇部興産株式会社製の「UBEPOL VCR」、JSR株式会社製の「RB830」が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせてもよい。
変性剤で変性して得られる、分子末端に窒素、スズ、及びケイ素の少なくとも一つの元素を有する変性BRを使用することもできる。変性剤としては、例えば、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、ハロゲン化スズ化合物、ラクタム化合物、アミド化合物、尿素化合物、N,N−ジアルキルアクリルアミド化合物、イソシアネート化合物、イミド化合物、アルコキシ基を有するシラン化合物(例えば、トリアルコキシシラン化合物)、アミノシラン化合物、スズ化合物、アルキルアクリルアミド化合物等が挙げられる。これらの変性剤は、単独で用いてもよいし、複数を用いてもよい。変性BRとしては、例えば、日本ゼオン株式会社製の「Nipol(登録商標)BR1250H」等のスズ変性BRが挙げられる。
NRとしては、例えば、RSS#1、RSS#3、TSR20、SIR20等のグレードの天然ゴムが挙げられる。NRは、エポキシ化天然ゴム、脱蛋白天然ゴム、水素添加天然ゴム等の変性天然ゴムであってもよい。エポキシ化天然ゴムとしては、エポキシ化度10〜60モル%のもの(例えば、クンプーラン ガスリー社製のENR25、ENR50、MMG社製のEPOXY PRENE25等)が挙げられる。脱蛋白天然ゴムとしては、総窒素含有率が0.3質量%以下である脱蛋白天然ゴムが好ましい。その他の変性天然ゴムとしては、例えば、天然ゴムに、4−ビニルピリジン、N,N,−ジアルキルアミノエチルアクリレート(例えば、N,N,−ジエチルアミノエチルアクリレート)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドラジド化合物(例えば、イソフタル酸ジヒドラジド)等を反応させた極性基を含有する変性天然ゴム、エポキシ化天然ゴムのエポキシ基を開環させることによって得られるヒドロキシ基を含有する変性天然ゴム、天然ゴムを酸化分解して得られるカルボニル基を分子鎖の末端に有する天然ゴム等が挙げられる。
液状ゴムとしては、例えば、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、イソプレン・イソブチレン共重合ゴム(IIR)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム(EPDM)、ファルネセンゴム、イソプレンブタジエンゴム、イソプレンスチレンゴム、イソプレンブタジエンスチレンゴム等が挙げられる。これらの液状ゴムは、カルボキシル化、メタクリレート化等によって変性されたものであってもよい。また、共重合体は、交互共重合体、ブロック共重合体、又はランダム共重合体であってもよい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせてもよい。液状ゴムとしては、例えば、株式会社クラレ製の商品名「LIR−30」、「LIR−50」、「LIR−310」、「LIR−390」、「LIR−403」、「LIR−410」、「UC−203」、「UC−102」、「LIR−290」、「LIR−70」等の液状IR;株式会社クラレ製の商品名「LBR−307」、「LBR−305」、「LBR−352」等の液状BR;株式会社クラレ製の商品名「L−SBR−820」、「L−SBR−841」等の液状SBR;株式会社クラレ製の商品名「L−FR−107L」、「L−FBR−742」、「L−FR−746」等の液状ファルネセンゴムが挙げられる。
ゴム成分は、SBR、BR及びNRからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。ゴム成分は、SBRとBRとの組み合わせ、SBRとNRとの組み合わせ、又はNRとBRとの組み合わせであってもよい。ゴム成分が、SBR及びBRを含む場合、ゴム成分中のSBR及びBRの含有量は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは100質量%である。BRの量とSBRの量との質量比(BRの量/SBRの量)は、低燃費性及び耐摩耗性の観点から、5/95〜50/50、10/90〜40/60、又は15/85〜30/70であってもよい。
(充填剤)
充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、瀝青炭粉砕物、タルク、クレー(特に、焼成クレー)、及び酸化チタンが挙げられる。充填剤は、耐摩耗性をより向上することから、シリカ及びカーボンブラックからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
シリカとしては、例えば、乾式シリカ(無水ケイ酸)、湿式シリカ(含水ケイ酸)、コロイダルシリカ、及び沈降シリカが挙げられる。シリカのBET比表面積は、好ましくは20〜400m/g、より好ましくは50〜350m/g、更に好ましくは100〜300m/gである。BET比表面積は、ASTM D1993−03に従ってBET法により測定される。
シリカの市販品としては、例えば、EVONIC社製の商品名「ULTRASIL VN3」、「ULTRASIL VN3−G」、「ULTRASIL 360」、「ULTRASIL 5000GR」、「ULTRASIL 7000GR」、「ULTRASIL 9100GR」;東ソー・シリカ株式会社製の商品名「Nipsil VN3」、「Nipsil AQ」、「Nipsil ER」、「Nipsil RS−150」;ソルベイ社製の商品名「Zeosil 175GR」、「Zeosil 115GR」、「Zeosil 1115MP」、「Zeosil 1165MP」、「Zeosil 1205MP」、「Zeosil 1085GR」、「Zeosil Premium 200MP」;株式会社トクヤマ製の商品名「トクシールUSG−SL」が挙げられる。シリカは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカとしては、親水性シリカ表面に存在するシラノール基を硫黄含有シランカップリング剤で表面処理した疎水化シリカを用いてもよい。表面処理の方法は特に限定されず、例えば、ミキサーやブレンダー中で、シリカを攪拌しながら、硫黄含有シランカップリング剤を添加し攪拌してもよいし、水、イソプロピルアルコール、トルエン等の溶媒中にシリカを分散させた状態で実施してもよい。疎水性シリカの市販品としては、例えば、EVONIC社製の商品名「ULTRASIL VN3」に対して、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを用いて表面処理を実施した、EVONIC社製の商品名「Coupsil 8113」等が挙げられる。
シリカの含有量は特に限定されないが、低燃費性及び耐摩耗性の観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10〜120質量部、より好ましくは20〜120質量部、更に好ましくは30〜120質量部、特に好ましくは40〜100質量部、最も好ましくは50〜100質量部である。
カーボンブラックとしては、例えば、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の494頁に記載されるものが挙げられる。カーボンブラックは、1単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。カーボンブラックとしては、HAF(High Abrasion Furnace)、SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate SAF)、ISAF−HM(Intermediate SAF−High Modulus)、FEF(Fast Extrusion Furnace)、MAF(Medium Abrasion Furnace)、GPF(General Purpose Furnace)、SRF(Semi−Reinforcing Furnace)が好ましい。
カーボンブラックのBET比表面積は、好ましくは10〜130m/g、より好ましくは20〜130m/g、更に好ましくは40〜130m/gである。カーボンブラックの市販品としては、三菱ケミカル株式会社製の商品名「ダイヤブラックN339」、「ダイヤブラックN341」、「ダイヤブラックA」、「ダイヤブラックI」、「ダイヤブラックLH」、「SAFカーボンブラックUX10」東海カーボン株式会社製の商品名「シースト6」、「シースト7HM」、「シーストKH」、「シーストSO」、「シーストV」、「シースト7H」、「シースト9」、オリオン・エンジニアド・カーボンズ社製の商品名「CK 3」、「Special Black 4A」、ライオン・スペシャリティ・ケミカル株式会社製の商品名「ケッチェンブラックEC」等を用いることができる。
カーボンブラックを使用する場合、その含有量は特に限定されないが、低燃費性、耐摩耗性及び補強性の観点から、ゴム成分100質量部あたり、好ましくは1〜80質量部、より好ましくは1〜75質量部、更に好ましくは1〜70質量部である。カーボンブラックとシリカを併用する場合、カーボンブラックの量とシリカの量との質量比(カーボンブラックの量/シリカの量)は、低燃費性及び耐摩耗性の観点から、好ましくは1/120〜3/4、より好ましくは1/100〜1/2、更に好ましくは1/100〜5/12である。
(硫黄成分)
硫黄成分としては、例えば、硫黄及び硫黄系化合物が挙げられる。硫黄成分は単独で又は組み合わせて用いてもよい。硫黄としては、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、及び表面処理硫黄が挙げられる。ゴム組成物中の硫黄成分の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜5質量部、0.3〜3質量部、又は0.5〜2質量部であってもよい。
(加硫促進剤)
加硫促進剤としては、例えば、「ゴム工業便覧<第四版>」に記載されているものを使用することができる。加硫促進剤は、単独で又は2種以上組み合わされて用いてもよい。
加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール シクロヘキシルアミン塩(CMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZMBT)等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N―オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(OBS)、N,N−ジシクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤が挙げられる。
ゴム組成物における加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5〜8質量部、1〜5質量部、又は2〜4質量部であってもよい。
(その他の成分)
本実施形態のゴム組成物は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、上記成分に加えて、その他の成分を更に含有することができる。その他の成分としては、例えば、加硫助剤、加工助剤、老化防止剤、伸展油、樹脂、ワックス、しゃく解剤、シランカップリング剤、及びカーボンカップリング剤が挙げられる。
加硫助剤としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メタアクリロキシエチルホスフェート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、N−メチロールメタクリルアミド、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、メタクリル酸アルミニウム、メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸カルシウム、メタクリル酸マグネシウム、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、酸化亜鉛(亜鉛華)、及び酸化マグネシウムが挙げられる。加硫助剤は単独で又は組み合わせて用いてもよい。ゴム組成物における加硫助剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜15質量部又は0.1〜8質量部であってもよい。
加工助剤としては、例えば、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル等が挙げられる。これら化合物の脂肪酸としては特に限定されず、例えば、オクタン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。脂肪酸金属塩における金属としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、亜鉛塩、コバルト塩、銅塩等の遷移金属塩が挙げられる。脂肪酸金属塩としては、例えば、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム等が挙げられる。加工助剤は単独で又は組み合わせて用いてもよい。ゴム組成物における加工助剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜10質量部又は0.1〜8質量部であってもよい。
加工助剤の市販品としては、例えば、Schill&Seilacher社製の商品名「STRUKTOL A50P」、「STRUKTOL A60」、「STRUKTOL A82」、「STRUKTOL EF44」、「STRUKTOL HT204」、「STRUKTOL HT207」、「STRUKTOL HT254」、「STRUKTOL HT266」、「STRUKTOL WB16」、Performance Additive社製の商品名「ULTRA FLOW500」、三菱ケミカル株式会社製の商品名「ダイヤミッドBH」等が挙げられる。
加工助剤として、示差走査熱量計による測定で得られる吸熱ピークの開始点と終了点の差が50℃以上ある脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、及び脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む化合物を用いてもよい。市販品としては、ラインケミー社製の商品名「アフラックス 16」(脂肪酸カルシウム塩50%と脂肪酸エタノールアミド50%の混合物、吸熱ピークの開始点と終了点の差:67℃)、Performance Additive社製の商品名「ULTRA−FLOW160」(脂肪酸カルシウム塩と脂肪酸アミドの混合物、吸熱ピークの開始点と終了点の差:52℃)等が挙げられる。
老化防止剤は、アミン系老化防止剤、イオウ系老化防止剤又はこれらの両方を含んでもよい。ゴム組成物における老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜10質量部又は0.1〜8質量部であってもよい。
アミン系老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン(例えば、オクチル化ジフェニルアミン)、ジオクチル化ジフェニルアミン(例えば、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン)、ジフェニルアミンとアセトンとの高温反応生成物、ジフェニルアミンとアセトンとの低温反応生成物、ジフェニルアミンとアニリンとアセトンとの低温反応生成物、ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成物等のジフェニルアミン系老化防止剤;N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−ヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−オクチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤が挙げられる。
イオウ系老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルイミダゾールの亜鉛塩等のイミダゾール系老化防止剤;ジミリスチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリル−チオプロピオネート)等の脂肪族チオエーテル系老化防止剤が挙げられる。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂等が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、MES(軽度抽出溶媒和物)オイル、TDAE(処理留出物芳香族系抽出物)オイル等が挙げられる。市販品としては、例えば、アロマチックオイル(ENEOS社製の商品名「NC−140」、昭和シェル石油社製の商品名「エキストラクト4号S」、ENEOS社製の商品名「X−140」)、プロセスオイル(出光興産社製の商品名「ダイアナプロセスPS32」、ENEOS社製の商品名「P200」)、TDAEオイル(H&R社製の商品名「VivaTec500」)が挙げられる。オイルを使用する場合、その量は、ゴム成分100質量部あたり5〜70質量部が好ましく、20〜60質量部がより好ましい。
樹脂としては特に限定されないが、例えば、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5/C9系石油樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン樹脂、p−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂、アクリル系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、変性されていたり、水素添加されていたりするものであってもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ワックスとしては、大内新興化学工業株式会社製の「サンノック(登録商標)ワックス」、日本精蝋株式会社製の「OZOACE−0355」等が挙げられる。
しゃく解剤としては、ゴム分野において通常用いられるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の446〜449頁に記載される、芳香族メルカプタン系しゃく解剤、芳香族ジスルフィド系しゃく解剤、芳香族メルカプタン金属塩系しゃく解剤が挙げられる。中でも、ジキシリルジスルフィド、o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィド(大内新興化学工業株式会社製「ノクタイザーSS」)が好ましい。しゃく解剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。しゃく解剤を使用する場合、その量は、ゴム成分100質量部あたり0.01〜1質量部が好ましく、0.05〜0.5質量部がより好ましい。
シランカップリング剤としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(例えば、EVONIK社製の商品名「Si−69」)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(例えば、EVONIK社製の商品名「Si−75」)、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン(別名:「オクタンチオ酸S−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エステル」、例えば、Momentive Performance Materials社製の商品名「NXT Silane」)、オクタンチオ酸S−[3−{(2−メチル−1,3−プロパンジアルコキシ)エトキシシリル}プロピル]エステル、オクタンチオ酸S−[3−{(2−メチル−1,3−プロパンジアルコキシ)メチルシリル}プロピル]エステル、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、及び3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランが挙げられる。シランカップリング剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。市販品としては、EVONIC社製の商品名「Si69」、「Si75」、「Si266」等、Momentive Performance Materials社製の商品名「NXT Silane」、「NXT−Z30」、「NXT−Z45」、「NXT−Z60」、「NXT−Z100」等を用いることができる。
シランカップリング剤の含有量は、充填剤100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部であり、より好ましくは2〜15質量部であり、更に好ましくは5〜10質量部である。
カーボンカップリング剤としては、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸(例えば、住友化学株式会社製の商品名「スミリンク100」)、ナトリウム(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸(例えば、住友化学株式会社製の商品名「スミリンク200」)、N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等が挙げられる。カーボンカップリング剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係るゴム組成物は、以下の工程(A)及び工程(B)の順で調製することができる。本実施形態に係るゴム組成物の製造方法は、ゴム成分及び充填剤を混合して混練物を得る工程(A)と、上記混練物を、硫黄成分及び加硫促進剤と混合してゴム組成物を得る工程(B)と、を有し、(A)又は(B)のいずれかの工程で、化合物(1)を更に混合し、工程(A)において、上記混練物を120〜170℃で20〜360秒間保持する。
工程(A)では、硫黄成分及び加硫促進剤以外の成分を含む混練物が得られる。工程(A)では、ゴム成分、充填剤、及び化合物(1)を混合して混練物を調製してもよく、ゴム成分、充填剤、化合物(1)及びその他の成分を混合して混練物を調製してもよく、ゴム成分、充填剤、及びその他の成分を混合して混練物を調製してもよい。
工程(A)は、複数の工程に分けて実施してもよい。その場合、ゴム成分、充填剤、化合物(1)及びその他の成分は、複数ある工程(A)のいずれかで添加してもよい。また複数ある工程(A)のいずれかの工程を、添加剤を添加せずに練りのみを実施するリミル工程としてもよい。
工程(A)における各成分の混練温度及び混練時間は、混練物を120〜170℃で20〜360秒間保持するように設定することができる。工程(A)が複数の工程からなる場合には、少なくとも1つ又は全ての工程(A)で混練物の混練温度及び混練時間を120〜170℃で20〜360秒間保持するように設定することができる。工程(A)では、混練物を120〜170℃で80〜350秒間保持することが好ましく、100〜300秒間保持することがより好ましく、120〜250秒間保持することが更に好ましい。工程(A)において、混練物を145〜170℃で10〜150秒間保持してもよく、15〜120秒間保持してもよい。工程(A)の前に、ゴム成分を加工しやすくするため、ゴム成分を素練りする予備混練工程を設けてもよい。工程(A)が工程(A1)と工程(A2)のように複数の工程からなる場合には、工程(A1)で得られた混練物を排出し、冷却したものを用いて工程(A2)を実施してもよいし、工程(A1)を実施した後、混練物を排出せずに連続して工程(A2)を実施してもよい。
工程(A)における混練には、例えば、バンバリーミキサーを含むインターナルミキサー、オープン型ニーダー、加圧式ニーダー、押出機、射出成型機等を使用することができる。工程(A)における混練後のゴム組成物の排出温度は、200℃以下が好ましく、120〜180℃がより好ましい。
工程(B)では、工程(A)で得られた混練物を、硫黄成分及び加硫促進剤と混合してゴム組成物を作製してもよく、硫黄成分、加硫促進剤、及び化合物(1)と混合してゴム組成物を作製してもよく、硫黄成分、加硫促進剤、化合物(1)、及びその他の成分と混合してゴム組成物を作製してもよい。
工程(B)における混練温度は、通常120℃以下であり、好ましくは室温〜100℃である。工程(B)における混練には、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、カレンダー等を使用することができる。
工程(B)の後に、工程(B)により得られたゴム組成物を40℃以下の雰囲気下で48時間以上保管する保管工程を設けてもよい。
ゴム組成物を作製する際には、化合物(1)の全量を、工程(A)又は工程(B)のいずれかで混合してもよく、化合物(1)を分割して、工程(A)及び工程(B)で混合してもよい。化合物(1)を充填剤に予め担持してから、ゴム成分等と混練してもよい。
[加硫ゴム組成物]
本実施形態に係るゴム組成物を加硫することによって、加硫ゴム組成物を製造することができる。加硫ゴム組成物は、ゴム組成物を特定の形状に加工してから加硫することによって製造してもよい。加硫は、通常、常圧又は加圧下で行われる。加硫温度は、通常120〜200℃、好ましくは140〜180℃である。加硫時間は、ゴム組成物の組成に応じて適宜設定することができる。
本実施形態に係るゴム組成物及び加硫ゴム組成物は、タイヤ、タイヤ用のゴム部材を製造するために有用である。本実施形態に係るタイヤは、上述のゴム組成物を含むゴム部材を備える。ゴム部材は、スチールコード又はカーカス繊維コードに被覆されていてもよいし、トレッドであってもよい。ゴム部材としては、例えば、ゴム組成物及びスチールコードを含むタイヤ用ベルト部材、ゴム組成物及びカーカス繊維コードを含むタイヤ用カーカス部材、タイヤ用サイドウォール部材、タイヤ用インナーライナー部材、タイヤ用キャップトレッド部材、及びタイヤ用アンダートレッド部材が挙げられる。
本実施形態に係るゴム組成物は、タイヤ用途の他に、防振ゴム用途、ゴムベルト用途、制振剤用途、免震ゴム用途等に用いることができる。防振ゴム用途としては、例えば、エンジンマウント、ストラットマウント、ブッシュ及びエグゾーストハンガー等の自動車用防振ゴムが挙げられる。ゴムベルト用途としては、例えば、伝動ベルト、コンベヤベルト、Vベルト等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
ゴム組成物を調製するための原材料として以下の成分を準備した。
SBR(1):スチレン・ブタジエン共重合ゴム(旭化成株式会社製、「タフデン2000R」))
SBR(2):スチレン・ブタジエン共重合ゴム(日本ゼオン株式会社製、「Nipol NS616」)
SBR(3):スチレン・ブタジエン共重合ゴム(JSR株式会社製、「SBR1502」)
SBR(4):スチレン・ブタジエン共重合ゴム(旭化成株式会社製、「タフデン3835」)
SBR(5):スチレン・ブタジエン共重合ゴム(JSR株式会社製、「HPR350」)
SBR(6):スチレン・ブタジエン共重合ゴム(旭化成株式会社製、「タフデンE580」)
SBR(8):スチレン・ブタジエン共重合ゴム(Arlanxeo株式会社製、「Buna VSL 5025−2HM」)
SBR(9):スチレン・ブタジエン共重合ゴム(住友化学株式会社製、「SE−6233」)
SBR(10):スチレン・ブタジエン共重合ゴム(住友化学株式会社製、「SE−6529」)
SBR(11):スチレン・ブタジエン共重合ゴム(日本ゼオン株式会社製、「Nipol NS612」)
BR(1):ブタジエンゴム(JSR株式会社製、「BR01」)
BR(2):ブタジエンゴム(宇部興産株式会社製、「BR150」)
BR(4):ブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、「Nipol BR1220」)
NR(1):天然ゴム(RSS#1)
NR(2):天然ゴム(RSS#3)
シリカ(1):シリカ(東ソー・シリカ株式会社製、「Nipsil AQ」)
シリカ(2):シリカ(EVONIK社製、「Ultrasil 7000GR」)
シリカ(3):シリカ(EVONIK社製、「Ultrasil VN3」)
カーボンブラック(1):カーボンブラック(旭カーボン株式会社製、「旭#70」)
カーボンブラック(2):カーボンブラック(旭カーボン株式会社製、「旭#80」)
カーボンブラック(3):カーボンブラック(東海カーボン株式会社製、「シーストKH」)
カーボンブラック(4):カーボンブラック(東海カーボン株式会社製、「シースト7HM」)
カーボンブラック(5):カーボンブラック(EVONIK社製、「Zeosil 116MP」)
化合物(1):2,2’−ビス(4,6−ジメチルピリミジル)ジスルフィド(住友化学株式会社製)
ステアリン酸:(新日本理化株式会社製、「ステアリン酸 50S」)
加工助剤(1):脂肪酸亜鉛(Schill&Seilacher社製、「ストラクトールEF44」)
加工助剤(2):脂肪酸カルシウム塩と脂肪酸エタノールアミドとの混合物(LANXESS社製、「アフラックス 16」)
加工助剤(3):脂肪酸カルシウム塩と脂肪酸アミドの混合物(Performance Additives社製、「Ultra−Flow 160」)
加硫助剤:酸化亜鉛(正同化学工業株式会社製、「酸化亜鉛 1種」)
ワックス(1):日本精蝋株式会社製、「OZOACE0355」
ワックス(2):大内新興化学株式会社製、「サンノックN」
老化防止剤:N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン(川口化学工業株式会社社製、「ANTAGE 6C」)
伸展油(1):芳香族系オイル(H&R社製、「VivaTec 500」)
伸展油(2):芳香族系オイル(ENEOS株式会社製、「NC140」)
伸展油(3):パラフィン系オイル(ENEOS株式会社製、「P200」)
伸展油(4):芳香族系オイル(ENEOS株式会社製、「アロマックスT−DAE」)
シランカップリング剤(1):ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(EVONIK社製、「Si−75」)
シランカップリング剤(2):ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(EVONIK社製、「Si−69」)
シランカップリング剤(3):3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン(Momentive Performance Materials社製、「NXT Silane」)
硫黄:微粉硫黄(鶴見化学工業株式会社製、「金華印 微粉硫黄200メッシュ」)
加硫促進剤(1):N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(川口化学工業株式会社社製、「ACCEL CZ」)
加硫促進剤(2):ジフェニルグアニジン(川口化学工業株式会社社製、「ACCEL D」)
加硫促進剤(3):ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(東京化成工業株式会社製)
加硫促進剤(4):N‐tert‐ブチルベンゾチアジル‐2‐スルフェンアミド(三新化学工業株式会社製、「サンセラーNS」)
[ゴム組成物の作製]
(混練処方I)
表1〜4に示す配合量(質量部)の各成分を、以下の工程(A)及び(B)により混合してゴム組成物を作製した。
工程(A)
バンバリーミキサー(株式会社東洋精機製作所製、1.7L)を用い、ゴム成分をミキサー温度100℃、ロータ―回転数70rpmの条件で60秒間予備混練した後、表1〜4の(A)に示すゴム成分以外の成分を加えて、ミキサー温度が150℃になるまで混練した。次いで、ロータ回転速度を変化させ、混練物を145〜155℃で60秒間保持した後、排出した。混練物の120〜170℃での保持時間、145〜170℃での保持時間及び排出温度を表1〜4に示す。
工程(B)
ロール設定温度60℃のオープンロール機を用いて、得られた混練物を表1〜4の(B)に示す成分と混練して、ゴム組成物を得た。
(耐摩耗性)
ゴム組成物を表1〜4に示す温度及び時間で加熱することにより加硫して、加硫ゴム組成物を得た。DIN摩耗試験機「AB−6111」(上島製作所製)を用い、JIS K6264−2:2005「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐摩耗性の求め方−」に準拠して、加硫ゴム組成物の摩耗体積(単位:g)を測定した。下記式によりの加硫ゴム組成物の耐摩耗性の指数を算出した。この指数が大きいほど、耐摩耗性が良好である。
耐摩耗性の指数=(比較例の摩耗体積)/(実施例の摩耗体積)×100
Figure 2021050355
Figure 2021050355
Figure 2021050355
Figure 2021050355
(混練処方II)
表5に示す配合量(質量部)の各成分を、以下の工程(A)及び(B)により混合してゴム組成物を作製した。
工程(A)
バンバリーミキサーを用い、ゴム成分をミキサー温度100℃、ロータ―回転数35rpmの条件で30秒間予備混練した後、表5の(A)に示すゴム成分以外の成分を加えて、ミキサー温度が130℃になるまで混練し、混練物を排出した。混練物の120〜170℃での保持時間及び排出温度を表5に示す。
工程(B)
バンバリーミキサーを用いて、得られた混練物を、表5の(B)に示す成分と、ミキサー温度100℃、ロータ―回転数30rpmの条件で3分間混練して、ゴム組成物を得た。
(耐摩耗性)
ゴム組成物を表5に示す温度及び時間で加熱することにより加硫して、加硫ゴム組成物を得た。上記と同様に加硫ゴム組成物の耐摩耗性の指数を算出した。
Figure 2021050355
(混練処方III)
表6に示す配合量(質量部)の各成分を、以下の工程(A)及び(B)により混合してゴム組成物を作製した。
工程(A)
バンバリーミキサーを用い、ゴム成分をミキサー温度80℃、ロータ―回転数60rpmの条件で60秒間混練した後、表6の(A)に示すゴム成分以外の成分を加えて、ミキサー温度が150℃になるまで混練し、混練物を排出した。混練物の120〜170℃での保持時間、145〜170℃での保持時間及び排出温度を表6に示す。
工程(B)
ロール設定温度60℃のオープンロール機を用いて、得られた混練物を、表6の(B)に示す成分と混練して、ゴム組成物を得た。
(耐摩耗性)
ゴム組成物を表6に示す温度及び時間で加熱することにより加硫して、加硫ゴム組成物を得た。上記と同様に加硫ゴム組成物の耐摩耗性の指数を算出した。
Figure 2021050355
(混練処方IV)
表7に示す配合量(質量部)の各成分を、以下の工程(A1)、(A2)及び(B)により混合してゴム組成物を作製した。
工程(A1)
表7の(A1)に示す成分を、混練処方Iの工程(A)と同様に混練した後、排出して混練物A1を得た。
工程(A2)
バンバリーミキサーを用いて、混練物A1を、表7の(A2)に示す成分と、ミキサー温度100℃、ロータ―回転数60rpmの条件で3分間混練した後、排出して混練物A2を得た。
工程(B)
ロール設定温度60℃のオープンロール機を用いて、混練物A2を表7の(B)に示す成分と混練して、ゴム組成物を得た。
Figure 2021050355
(混練処方V)
表8に示す配合量(質量部)の各成分を、以下の工程(A1)、(A2)及び(B)により混合することによってゴム組成物が得られる。
工程(A1)
バンバリーミキサーを用い、表8の(A1)に示す成分をミキサー温度が160℃になるまで混練した後、排出することで混練物A1を得る。
工程(A2)
バンバリーミキサーを用い、混練物A1と、表8の(A2)に示す成分をミキサー温度160℃になるまで混練した後、排出することで、混練物A2を得る。
工程(B)
バンバリーミキサーを用い、混練物A2と表8の(B)に示す成分をミキサー温度が100℃になるまで混練した後、排出することでゴム組成物を得る。
Figure 2021050355
(混練処方VI)
表9に示す配合量(質量部)の各成分を、工程(B)のゴム組成物を排出するミキサー温度を110℃に変更する以外は混練処方Vと同様にしてゴム組成物を得る。
Figure 2021050355
(混練処方VII)
表10に示す配合量(質量部)の各成分を、以下の工程(A1)、(A2)、(A3)及び(B)により混合することによってゴム組成物が得られる。
工程(A1)
バンバリーミキサーを用い、表10の(A1)に示す成分を160℃になるまで5〜30秒混練することで混練物A1を得る。
工程(A2)
表10の(A2)に示す成分をバンバリーミキサーに更に投入し、ロータ―回転数100rpmの条件で160℃になるまで混練した後、排出して混練物A2を得る。
工程(A3)
バンバリーミキサーを用い、混練物A2と表10の(A3)に示す成分を、ロータ―回転数100rpmの条件で160℃になるまで混練した後、排出することで混練物A3を得る。
工程(B)
バンバリーミキサーを用い、混練物A3と表10の(B)に示す成分を、ロータ―回転数60rpmの条件で100℃になるまで混練した後、排出することでゴム組成物を得る。
Figure 2021050355
(混練処方VIII)
表11に示す配合量(質量部)の各成分を、以下の工程(A1)、(A2)及び(B)により混合することによってゴム組成物が得られる。
工程(A1)
バンバリーミキサーを用い、ゴム成分を投入した後、表11の(A1)に示すゴム成分以外の成分を加えて、ミキサー温度が140℃になるまで混練する。次いでロータ回転速度を変化させ、混練物を140℃で60秒間保持して混練物A1を得る。
工程(A2)
次いでバンバリーミキサーに表11の(A2)に示す成分を更に加えて、160℃になるまで2分間混練した後、排出して混練物A2を得る。
工程(B)
バンバリーミキサーを用い、混練物A2と表11の(B)に示す成分を、90℃になるまで混練した後、排出することでゴム組成物を得る。
Figure 2021050355
(混練処方IX)
表12に示す配合量(質量部)の各成分を、以下の工程(A1)、(A2)及び(B)により混合することによってゴム組成物が得られる。
工程(A1)
バンバリーミキサーを用い、表12の(A1)に示す成分を、ミキサー温度160℃で2分間混練した後、160℃以下で排出することで混練物A1を得る。
工程(A2)
バンバリーミキサーを用い、混練物A2と表12の(A2)に示す成分を、ミキサー温度160℃で4分間混練した後、排出することで混練物A2を得る。
工程(B)
バンバリーミキサーを用い、混練物A2と表12の(B)に示す成分を、120℃になるまで混練した後、排出することでゴム組成物を得る。
Figure 2021050355
(混練処方X)
表13に示す配合量(質量部)の各成分を、工程(B)のゴム組成物を排出するミキサー温度を90℃に変更する以外は混練処方Vと同様にしてゴム組成物を得る。
Figure 2021050355
(混練処方XI)
表14に示す配合量(質量部)の各成分を、以下の工程(A1)、(A2)及び(B)により混合することによってゴム組成物が得られる。
工程(A1)
バンバリーミキサーを用い、表14の(A1)に示す成分を、ミキサー温度が155℃〜165℃になるまで3〜5分間混練した後、排出することで混練物A1を得る。
工程(A2)
バンバリーミキサーを用い、工程A1で得られる混練物A1と、表14の(A2)に示す成分をミキサー温度が155℃〜165℃になるまで3〜5分間混練した後、排出することで混練物A2を得る。
工程(B)
バンバリーミキサーを用い、混練物A2と表14の(B)に示す成分を、90℃になるまで混練した後、排出することでゴム組成物を得る。
Figure 2021050355
(混練処方XII)
表15又は表16に示す配合量(質量部)の各成分を、以下の工程(A1)、(A2)及び(B)により混合することによってゴム組成物が得られる。
工程(A1)
バンバリーミキサーを用い、表15又は16の(A1)に示す成分を、ミキサー温度が150℃になるまで混練した後、排出することで混練物A1を得る。
工程(A2)
バンバリーミキサーを用い、工程(A1)で得られる混練物A1と、表15又は16の(A2)に示す成分を、ミキサー温度が150℃になるまで混練した後、排出することで混練物A2を得る。
工程(B)
バンバリーミキサーを用い、混練物A2と表15又は16の(B)に示す成分を1〜2分間混練した後、排出することでゴム組成物を得る。
Figure 2021050355
Figure 2021050355


Claims (2)

  1. ゴム成分及び充填剤を混合して混練物を得る工程(A)と、
    前記混練物を、硫黄成分及び加硫促進剤と混合してゴム組成物を得る工程(B)と、を有し、
    前記(A)又は(B)のいずれかの工程で、下記式(1)で表される化合物を更に混合し、
    前記工程(A)において、前記混練物を120〜170℃で20〜360秒間保持する、ゴム組成物の製造方法。
    Figure 2021050355

    [式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、カルボキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリールカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、又はニトロ基を示し、m及びnは、それぞれ独立に0〜3であり、mが2又は3である場合、複数のRは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2又は3である場合、複数のRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  2. 前記充填剤が、シリカ及びカーボンブラックから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE112022001679T5 (de) 2021-03-24 2024-02-22 Mitsubishi Heavy Industries Thermal Systems, Ltd. Kompressor
CN117062948B (zh) * 2022-03-31 2024-06-04 日本板硝子株式会社 水性处理剂、橡胶增强用构件的制造方法、橡胶增强用构件和橡胶制品

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