JP2012223064A - 圧縮機 - Google Patents

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文史郎 吉良
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Abstract

【課題】複数の永久磁石を環状に配置することによって構成された回転子を有するモータを備えた圧縮機において、回転子の振れ回りにより生じる電磁加振力を低減させる。
【解決手段】圧縮機(1)は、モータ(5)と、回転軸(15)と、圧縮要素(3)とを有している。モータ(5)のロータ(52)は、自転軸(O−O)が公転軸(P−P)に対して傾斜した状態で振れ回りする。ロータ(52)の振れ回り方向側の部分には、大きさが自転軸(O−O)方向に変化する磁気障壁部(56)が設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧縮機、特に、複数の永久磁石を環状に配置することによって構成された回転子を有するモータを備えた圧縮機に関する。
従来より、特許文献1(特開2007−97281号公報)に示すように、複数の永久磁石を環状に配置することによって構成された回転子を有するモータを備えた圧縮機がある。特許文献1には、回転子と固定子との間の磁束密度分布を正弦波状に改善して、騒音や振動の発生を抑える内容が記載されている。
上記従来の圧縮機では、回転子に設けられたバランスウェイト等に起因して、回転子に振れ回りが生じる。そして、このような回転子の振れ回りによって回転子と固定子との間のギャップが変動して(2N+1)次の電磁加振力が生じる。この電磁加振力は、圧縮機の騒音や振動を増大させる原因となる。
しかし、特許文献1のような回転子と固定子との間の磁束密度分布の改善だけでは、振れ回りにより生じる電磁加振力を低減することはできない。
このため、回転子の振れ回りにより生じる電磁加振力を低減することが望ましい。また、回転子の振れ回りの程度は、回転子の軸方向位置によって変化することから、振れ回りにより生じる電磁加振力も回転子の軸方向位置によって変化する。したがって、回転子の軸方向位置による振れ回りの程度の変化も考慮して振れ回りにより生じる電磁加振力を低減させることが望ましい。
本発明の課題は、複数の永久磁石を環状に配置することによって構成された回転子を有するモータを備えた圧縮機において、回転子の振れ回りにより生じる電磁加振力を低減させることにある。
第1の観点にかかる圧縮機は、モータと、回転軸と、圧縮要素とを有している。モータは、所定の自転軸周りに複数の永久磁石を環状に配置することによって構成された回転子と、回転子の外周側に配置された固定子と、を有しており、自転軸を中心として回転子が回転する。回転軸は、回転子に連結されており、回転子の回転によって回転する。圧縮要素は、固定側部材と、回転軸に連結されており回転軸の回転によって固定側部材に対して公転する可動側部材と、を有しており、固定側部材に対する可動側部材の公転によってガスを圧縮する。回転子は、自転軸が固定側部材に対する可動側部材の公転軌道の中心である公転軸に対して傾斜した状態で振れ回りする。回転子の振れ回り方向側の部分には、大きさが自転軸方向に変化する磁気障壁部が設けられている。
この圧縮機では、回転子の軸方向位置による振れ回りの程度の変化も考慮して、回転子の振れ回り方向側の部分に、適切な大きさの磁気障壁部を設けることができる。
これにより、この圧縮機では、回転子の振れ回りにより生じる電磁加振力を、回転子の軸方向位置による振れ回りの程度の変化も考慮して、低減することができる。
第2の観点にかかる圧縮機は、第1の観点にかかる圧縮機において、回転子の自転軸方向の一方側には、バランスウェイトが設けられている。回転子の振れ回り方向側の部分は、回転子を自転軸に沿う方向から見た際におけるバランスウェイト側の部分である。磁気障壁部は、大きさが回転子の自転軸方向の一方側の端部から自転軸方向の他方側に向かって小さくなるように変化している。
この圧縮機では、回転子を自転軸に沿う方向から見た際におけるバランスウェイト側の部分が、回転子の振れ回り方向側の部分となっているため、回転子の自転軸方向の一方側の端部から自転軸方向の他方側に向かって振れ回りの程度が小さくなる傾向にある。
これに対して、この圧縮機では、このような傾向を考慮して、上記のように、磁気障壁部の大きさを回転子の自転軸方向の一方側の端部から自転軸方向の他方側に向かって小さくなるように変化させるようにしている。
これにより、この圧縮機では、バランスウェイトを設けたことに起因する振れ回りにより生じる電磁加振力を、回転子の軸方向位置による振れ回りの程度の変化も考慮して、低減することができる。
第3の観点にかかる圧縮機は、第1の観点にかかる圧縮機において、回転子が、自転軸が公転軸に対して回転子の内部において交差した状態で振れ回りする。磁気障壁部は、第1磁気障壁部と、第2磁気障壁部とを有している。第1磁気障壁部は、大きさが自転軸と公転軸との交点に対応する自転軸方向の位置から回転子の自転軸方向の一方側の端部に向かって大きくなるように変化する。第2磁気障壁部は、第1磁気障壁部と180度位相が異なる方向側の部分に設けられており、大きさが自転軸と公転軸との交点に対応する自転軸方向の位置から回転子の自転軸方向の他方側の端部に向かって大きくなるように変化する。
この圧縮機では、回転子の自転軸方向の一方側の端部と回転子の自転軸方向の他方側の端部とで180度位相が異なる振れ回りが生じる。このため、自転軸と公転軸との交点に対応する自転軸方向の位置から回転子の自転軸方向の一方側の端部に向かって振れ回りの程度が大きくなるとともに、自転軸と公転軸との交点に対応する自転軸方向の位置から回転子の自転軸方向の他方側の端部に向かって振れ回りの程度が大きくなる傾向がある。
これに対して、この圧縮機では、このような傾向を考慮して、上記のように、自転軸と公転軸との交点の位置から回転子の自転軸方向の一方側の端部に向かって大きくなる第1磁気障壁部と、自転軸と公転軸との交点の位置から回転子の自転軸方向の他方側の端部に向かって大きくなる第2磁気障壁部とを設けるようにしている。
これにより、この圧縮機では、回転子の自転軸方向の一方側の端部と回転子の自転軸方向の他方側の端部とで180度位相が異なる振れ回りにより生じる電磁加振力を、回転子の軸方向位置による振れ回りの程度の変化も考慮して、低減することができる。
第4の観点にかかる圧縮機は、第3の観点にかかる圧縮機において、回転子の自転軸方向の一方側には、第1バランスウェイトが設けられており、回転子の自転軸方向の他方側には、第1バランスウェイトと180度位相が異なる方向側の部分に第2バランスウェイトが設けられている。回転子の振れ回り方向側の部分は、回転子を自転軸に沿う方向から見た際における第1バランスウェイト側の部分、及び、回転子を自転軸に沿う方向から見た際における第2バランスウェイト側の部分である。
この圧縮機では、回転子の自転軸方向の一方側に設けられた第1バランスウェイト及び回転子の自転軸方向の他方側に設けられた第2バランスウェイトによって、回転子の自転軸方向の一方側の端部と回転子の自転軸方向の他方側の端部とで180度位相が異なる振れ回りが生じる。
これに対して、この圧縮機では、自転軸と公転軸との交点の位置から回転子の自転軸方向の第1バランスウェイト側の端部に向かって大きくなる第1磁気障壁部と、自転軸と公転軸との交点の位置から回転子の自転軸方向の第2バランスウェイト側の端部に向かって大きくなる第2磁気障壁部とを設けるようにしている。
これにより、この圧縮機では、2つのバランスウェイトに起因して回転子の自転軸方向の一方側の端部と回転子の自転軸方向の他方側の端部とで180度位相が異なる振れ回りにより生じる電磁加振力を、回転子の軸方向位置による振れ回りの程度の変化も考慮して、低減することができる。
第5の観点にかかる圧縮機は、第1〜第4の観点のいずれかにかかる圧縮機において、磁気障壁部が、回転子の外周面に形成された溝部である。
この圧縮機では、溝部の深さを変化させることによって、回転子と固定子とのギャップを変化させ、これを磁気障壁部として機能させるようにしている。
これにより、この圧縮機では、回転子の振れ回り方向側の部分に、大きさが自転軸方向に変化する磁気障壁部を容易に設けることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の観点にかかる圧縮機では、回転子の振れ回りにより生じる電磁加振力を、回転子の軸方向位置による振れ回りの程度の変化も考慮して、低減することができる。
第2の観点にかかる圧縮機では、バランスウェイトを設けたことに起因する振れ回りにより生じる電磁加振力を、回転子の軸方向位置による振れ回りの程度の変化も考慮して、低減することができる。
第3の観点にかかる圧縮機では、回転子の自転軸方向の一方側の端部と回転子の自転軸方向の他方側の端部とで180度位相が異なる振れ回りにより生じる電磁加振力を、回転子の軸方向位置による振れ回りの程度の変化も考慮して、低減することができる。
第4の観点にかかる圧縮機では、2つのバランスウェイトに起因して回転子の自転軸方向の一方側の端部と回転子の自転軸方向の他方側の端部とで180度位相が異なる振れ回りにより生じる電磁加振力を、回転子の軸方向位置による振れ回りの程度の変化も考慮して、低減することができる。
第5の観点にかかる圧縮機では、回転子の振れ回り方向側の部分に、大きさが自転軸方向に変化する磁気障壁部を容易に設けることができる。
本発明の第1実施形態にかかる圧縮機の概略縦断面図である。 第1実施形態にかかる圧縮機の圧縮要素の構成を示す概略平面断面図である。 第1実施形態にかかる圧縮機のモータロータを軸方向上方から見た概略平面図である。 第1実施形態にかかる圧縮機のモータロータの概略縦断面図であって、モータロータの振れ回り及び磁気障壁部の自転軸方向の大きさの変化を説明する図である。 本発明の第2実施形態にかかる圧縮機の概略縦断面図である。 第2実施形態にかかる圧縮機の圧縮要素の構成を示す概略斜視図である。 第2実施形態にかかる圧縮機のモータロータを軸方向上方から見た概略平面図である。 第2実施形態にかかる圧縮機のモータロータの概略縦断面図であって、モータロータの振れ回り及び磁気障壁部の自転軸方向の大きさの変化を説明する図である。
以下、本発明にかかる圧縮機の実施形態について、図面に基づいて説明する。
(1)第1実施形態
<基本構造>
図1は、本発明の第1実施形態にかかる圧縮機1の概略縦断面図である。図2は、第1実施形態にかかる圧縮機1の圧縮要素3の構成を示す概略平面断面図である。図3は、第1実施形態にかかる圧縮機1のモータロータ52を軸方向上方から見た概略平面図である。尚、以下の説明においては、モータ5の自転軸線O−Oの方向を「軸方向」とし、自転軸線O−Oに直交する方向を「径方向」とし、自転軸線O−O周りの方向を「周方向」とする。また、固定側部材としてのシリンダ31に対する可動側部材としてのブレード一体型ローラ32の公転軌道の中心である公転軸線P−Pの方向、公転軸線P−Pに直交する方向、及び、公転軸線P−P周りの方向についても、自転軸線O−Oの方向に倣って、それぞれ、「軸方向」、「径方向」、及び「周方向」とする。
圧縮機1は、空気調和装置等の冷凍サイクル運転を行う冷媒回路に接続されて、作動ガスとしての冷媒を圧縮する機能を有する揺動ピストン型のロータリ圧縮機である。圧縮機1は、主として、ケーシング2と、圧縮要素3と、モータ5とを有している。圧縮機1は、圧縮要素3及びモータ5がケーシング2内に収納された密閉型構造となっている。
ケーシング2は、本実施形態において、縦型円筒状の容器であり、主として、円筒状のパイプ21と、パイプ21の上下の開口端を閉じる略椀状の上部鏡板22及び下部鏡板23とを有している。また、パイプ21には、パイプ21の下部を貫通する吸入管11と、パイプ21を貫通する吐出管12とが設けられている。吐出管12は、吸入管11が貫通する位置よりも上部においてパイプ21を貫通しており、ケーシング2の内部空間と外部とを連通している。そして、吐出管12の上端は、冷媒回路を構成する図示しない冷媒管に接続されるようになっている。上部鏡板22には、外部電源に接続されてモータ5に電力を供給するターミナル13が設けられている。
圧縮要素3は、主として、固定側部材としてのシリンダ31と、シリンダ31に対して公転する可動側部材としてのブレード一体型ローラ32とを有しており、ケーシング2内の下部に配置されている。シリンダ31は、主として、シリンダ本体33と、フロントヘッド34と、リアヘッド35とを有している。シリンダ本体33は、略円筒状に形成され、ケーシング2のパイプ21と同心に配置されている。フロントヘッド34、シリンダ本体33及びリアヘッド35は、フロントヘッド34がシリンダ本体33の上側に配置されるとともに、リアヘッド35がシリンダ本体33の下側に配置されることによって、パイプ21の軸方向に並んで配置されており、ボルト36で締結されて一体に組み立てられている。シリンダ31は、ケーシング2のパイプ21に固定されている。また、シリンダ31には、シリンダ本体33の内周面と、フロントヘッド34の下端面と、リアヘッド35の上端面と、ブレード一体型ローラ32の外周面とにより、圧縮室37が区画形成されている。フロントヘッド34及びリアヘッド35には、中央を上下に貫通する軸孔34a、35aが形成されており、この軸孔34a、35aに回転軸15が回転自在に嵌め込まれている。すなわち、回転軸15は、ケーシング2内の中心を上下方向に延びるように配置されており、シリンダ31のフロントヘッド34、圧縮室37及びリアヘッド35を上下方向に貫通している。このように、フロントヘッド34及びリアヘッド35は、回転軸15の下部を回転自在に支持する下部軸受として機能している。ブレード一体型ローラ32は、シリンダ31内に配置されており、回転軸15の偏心カム15aに一体回転するように嵌め込まれている。ブレード一体型ローラ32は、偏心カム15aの回転によってシリンダ31に対して公転軸線P−P周りに公転し、これにより、冷媒が圧縮されるようになっている。
モータ5は、主として、固定子である環状のステータ51と、回転子であるロータ52とを有しており、圧縮要素3の上方に配置されている。ステータ51は、主として、環状のステータコア53と、ステータコア53に装着される3相の巻線とを有している。そして、ステータ51は、各巻線に通電することによって回転磁界を発生させるように構成されている。ロータ52は、主として、ロータコア54と、複数の永久磁石55とを有している。複数の永久磁石54は、例えば、希土類磁石からなる板状の部材であり、自転軸線O−O周りに環状に配置されている。尚、ここでは、ロータ55は、4つの永久磁石55を有しているが、2つや6つ等の他の個数の永久磁石55を有していてもよい。ロータコア54は、例えば、鉄等の軟磁性体からなる略円柱形状の部材である。複数の永久磁石55は、ロータコア54に嵌め込まれている。各永久磁石55によって、ロータコア54の外周面には、自転軸線O−O周りで交互に異なる極性の磁極が径方向に向かって発生する2N(Nは1以上の整数)個の磁極面が形成される。ステータ51は、ロータ52の外周面との間にギャップtを空けた状態で、ロータ52の外周側に配置されている。ロータ52は、自転軸線O−Oを中心とする回転軸15が嵌め込まれて圧縮要素3と連結されている。そして、ターミナル13を介してモータ5に通電することによりロータ52が自転軸線O−Oを中心として回転し、ロータ52の回転によって回転軸15が回転し、圧縮要素3に回転駆動力を付与して圧縮要素3を駆動するようになっている。
また、ロータ52の自転軸線O−O方向の一方側(ここでは、ロータ52の軸方向上端側)には、上バランスウェイト61が設けられている。上バランスウェイト61は、軸方向から見て略C字形状を有している。
また、圧縮機1には、吸入管11を介してアキュムレータ16が接続されている。アキュムレータ16は、本実施形態において、縦型円筒状の密閉容器であり、その下端に吸入管11が、上端に戻し管17の下端がそれぞれ挿入されている。戻し管17は、冷媒回路を循環する冷媒をアキュムレータ16に導くためのものであり、その上端が冷媒回路を構成する図示しない冷媒管に接続可能に構成されている。
このように、本実施形態の圧縮機1は、主として、モータ5と、回転軸15と、圧縮要素3とを有している。そして、モータ5は、所定の自転軸線O−O周りに複数の永久磁石55を環状に配置することによって構成されたロータ52と、ロータ52の外周側に配置されたステータ51と、を有しており、自転軸線O−Oを中心としてロータ52が回転する。回転軸15は、ロータ52に連結されており、ロータ52の回転によって回転する。圧縮要素3は、シリンダ31と、回転軸15に連結されており回転軸15の回転によってシリンダ31に対して公転するブレード一体型ローラ32と、を有しており、シリンダ31に対するブレード一体型ローラ32の公転によってガスを圧縮する。また、ロータ52は、回転軸15の下部を回転自在に支持するフロントヘッド34及びリアヘッド35によって、その軸方向下端側が支持されているが、軸方向上端側が支持されていない。すなわち、本実施形態の圧縮機1は、ロータ52が軸方向下端側で片持ち支持されており、軸方向上端側に上バランスウェイト61が設けられた基本構造を有している。
<モータロータの磁気障壁部>
図4は、第1実施形態にかかる圧縮機1のモータロータ52の概略縦断面図であって、モータロータ52の振れ回り及び磁気障壁部56の自転軸方向の大きさの変化を説明する図である。
上記の基本構造を有する圧縮機1では、ロータ52の軸方向上端側に設けられた上バランスウェイト61に起因して、ロータ52に振れ回りが生じる。具体的には、ロータ52は、自転軸線O−Oが公転軸P−Pに対して傾斜した状態で振れ回りする。このようなロータ52の振れ回りによってロータ52とステータ51との間のギャップtが変動して(2N+1)次の電磁加振力が生じる。この電磁加振力は、圧縮機1の騒音や振動を増大させる原因となる。また、ロータ52の振れ回りの程度は、ロータ52の軸方向位置によって変化することから、振れ回りにより生じる電磁加振力もロータ52の軸方向位置によって変化する。したがって、ロータ52の軸方向位置による振れ回りの程度の変化も考慮して振れ回りにより生じる電磁加振力を低減させることが望ましい。
そこで、本実施形態の圧縮機1では、ロータ52の振れ回り方向側の部分に、大きさが自転軸O−O方向に変化する磁気障壁部56を設けるようにしている。
これにより、圧縮機1では、ロータ52の軸方向位置による振れ回りの程度の変化も考慮して、ロータ52の振れ回り方向側の部分に、適切な大きさの磁気障壁部56を設けることができる。ここで、ロータ52の振れ回り方向側の部分は、ロータ52を自転軸O−Oに沿う方向から見た際における上バランスウェイト61側の部分である。このため、磁気障壁部56を、ロータ52の上バランスウェイト61の重心BPに対応する周方向位置に設けるようにしている。
また、圧縮機1では、ロータ52を自転軸O−Oに沿う方向から見た際における上バランスウェイト61側の部分が、ロータ52の振れ回り方向側の部分となっているため、ロータ52の自転軸O−O方向上側の端部から自転軸O−O方向下側に向かって振れ回りの程度が小さくなる傾向にある。このため、磁気障壁部56を、大きさがロータ52の自転軸O−O方向上側の端部から自転軸O−O方向下側に向かって小さくなるように変化させるようにしている。
これにより、圧縮機1では、上バランスウェイト61を設けたことに起因する振れ回りにより生じる電磁加振力を、ロータ52の軸方向位置による振れ回りの程度の変化も考慮して、低減することができる。
また、圧縮機1では、磁気障壁部56がロータ52の外周面に形成された溝部である。すなわち、溝部の深さを変化させることによって、ロータ52とステータ51とのギャップtを変化させ、これを磁気障壁部56として機能させるようにしている。
これにより、圧縮機1では、ロータ52の振れ回り方向側の部分に、大きさが自転軸O−O方向に変化する磁気障壁部56を容易に設けることができる。
(2)第2実施形態
<基本構造>
図5は、本発明の第2実施形態にかかる圧縮機101の概略縦断面図である。図6は、第2実施形態にかかる圧縮機101の圧縮要素103の構成を示す概略斜視図である。図7は、第2実施形態にかかる圧縮機101のモータロータ152を軸方向上方から見た概略平面図である。尚、以下の説明においては、モータ105の自転軸線O−Oの方向を「軸方向」とし、自転軸線O−Oに直交する方向を「径方向」とし、自転軸線O−O周りの方向を「周方向」とする。また、固定側部材としての固定スクロール131に対する可動側部材としての可動スクロール132の公転軌道の中心である公転軸線P−Pの方向、公転軸線P−Pに直交する方向、及び、公転軸線P−P周りの方向についても、自転軸線O−Oの方向に倣って、それぞれ、「軸方向」、「径方向」、及び「周方向」とする。
圧縮機101は、空気調和装置等の冷凍サイクル運転を行う冷媒回路に接続されて、作動ガスとしての冷媒を圧縮する機能を有するスクロール圧縮機である。圧縮機101は、主として、ケーシング102と、圧縮要素103と、モータ105とを有している。圧縮機101は、圧縮要素103及びモータ105がケーシング102内に収納された密閉型構造となっている。
ケーシング102は、本実施形態において、縦型円筒状の容器であり、主として、円筒状のパイプ121と、パイプ121の上下の開口端を閉じる略椀状の上部鏡板122及び下部鏡板123とを有している。また、パイプ121には、パイプ121の中部を貫通する吸入管111が設けられている。上部鏡板122には、上部鏡板122を貫通する吐出管112が設けられている。吐出管112は、ケーシング102の内部空間と外部とを連通している。そして、吐出管112の上端は、冷媒回路を構成する図示しない冷媒管に接続されるようになっている。パイプ121には、外部電源に接続されてモータ105に電力を供給するターミナル113が設けられている。
圧縮要素103は、主として、固定側部材としての固定スクロール131と、固定スクロール131に対して公転する可動側部材としての可動スクロール132とを有しており、ケーシング102内の上部に配置されている。固定スクロール131は、主として、平板状の鏡板131aと、鏡板131aの下面に形成された渦巻き形状の渦巻き部131bとを有している。可動スクロール132は、主として、平板状の鏡板132aと、鏡板132aの上面に形成された渦巻き形状の渦巻き部132bとを有している。可動スクロール132の渦巻き部132bは、固定スクロール131の渦巻き部131bの内部の隙間に配置されている。可動スクロール132は、その下端に回転軸115の外周側に嵌合する軸受部132cを有している。可動スクロール132は、オルダムリング133を介してハウジング134に支持されている。ハウジング134は、その下端に回転軸115を回転自在に支持する上軸受部134aを有している。
モータ105は、主として、固定子である環状のステータ151と、回転子であるロータ152とを有しており、圧縮要素103の下方に配置されている。ステータ151は、主として、環状のステータコア153と、ステータコア153に装着される3相の巻線とを有している。そして、ステータ151は、各巻線に通電することによって回転磁界を発生させるように構成されている。ロータ152は、主として、ロータコア154と、複数の永久磁石155とを有している。複数の永久磁石154は、例えば、希土類磁石からなる板状の部材であり、自転軸線O−O周りに環状に配置されている。尚、ここでは、ロータ155は、4つの永久磁石155を有しているが、2つや6つ等の他の個数の永久磁石155を有していてもよい。ロータコア154は、例えば、鉄等の軟磁性体からなる略円柱形状の部材である。複数の永久磁石155は、ロータコア154に嵌め込まれている。各永久磁石155によって、ロータコア154の外周面には、自転軸線O−O周りで交互に異なる極性の磁極が径方向に向かって発生する2N(Nは1以上の整数)個の磁極面が形成される。ステータ151は、ロータ152の外周面との間にギャップtを空けた状態で、ロータ152の外周側に配置されている。ロータ152は、自転軸線O−Oを中心とする回転軸115が嵌め込まれて圧縮要素103と連結されている。また、回転軸115は、モータ105の下方(すなわち、ロータ152の下側)まで延びており、パイプ121の下部に固定された下軸受135に回転自在に支持されている。そして、ターミナル113を介してモータ105に通電することによりロータ152が自転軸線O−Oを中心として回転し、ロータ152の回転によって回転軸115が回転し、圧縮要素103に回転駆動力を付与して圧縮要素103を駆動するようになっている。
また、ロータ52の自転軸線O−O方向の一方側(ここでは、ロータ52の軸方向上端側)には、第1バランスウェイトとしての上バランスウェイト161が設けられており、ロータ52の自転軸線O−O方向の他端側(ここでは、ロータ52の軸方向下端側)には、第2バランスウェイトとしての下バランスウェイト162が設けられている。下バランスウェイト162は、上バランスウェイト161と180度位相が異なる方向側の部分に設けられている。ここで、バランスウェイト161、162は、いずれも、軸方向から見て略C字形状を有している。
このように、本実施形態の圧縮機101は、主として、モータ105と、回転軸115と、圧縮要素103とを有している。そして、モータ105は、所定の自転軸線O−O周りに複数の永久磁石155を環状に配置することによって構成されたロータ152と、ロータ152の外周側に配置されたステータ151と、を有しており、自転軸線O−Oを中心としてロータ152が回転する。回転軸115は、ロータ152に連結されており、ロータ152の回転によって回転する。圧縮要素103は、固定スクロール131と、回転軸115に連結されており回転軸115の回転によって固定スクロール131に対して公転する可動スクロール132と、を有しており、固定スクロール131に対する可動スクロール132の公転によってガスを圧縮する。また、ロータ152は、回転軸115の上部及び下部を回転自在に支持する上軸受部134a及び下軸受135によって、その軸方向上端側及び下端側が支持されている。すなわち、本実施形態の圧縮機101は、ロータ152が軸方向上端側及び下端側で両持ち支持されており、軸方向上端側及び下端側に上バランスウェイト161及び下バランスウェイト162が設けられた基本構造を有している。
<モータロータの磁気障壁部>
図8は、第2実施形態にかかる圧縮機101のモータロータ152の概略縦断面図であって、モータロータ152の振れ回り及び磁気障壁部156、157の自転軸方向の大きさの変化を説明する図である。
上記の基本構造を有する圧縮機101では、ロータ152の軸方向上端側及び下端側に設けられた上バランスウェイト161及び下バランスウェイト162に起因して、ロータ152に振れ回りが生じる。具体的には、ロータ152は、自転軸線O−Oが公転軸P−Pに対してロータ152の内部において交差した状態で振れ回りする。すなわち、圧縮機101では、上バランスウェイト161が設けられたロータ152の自転軸O−O方向上側の端部と、下バランスウェイト162が設けられたロータ152の自転軸O−O方向下側の端部とで180度位相が異なる振れ回りが生じる。このため、自転軸O−Oと公転軸P−Pとの交点Xに対応する自転軸O−O方向の位置からロータ152の自転軸O−O方向上側の端部に向かって振れ回りの程度が大きくなる。しかも、自転軸O−Oと公転軸P−Pとの交点Xに対応する自転軸O−O方向の位置からロータ152の自転軸O−O方向下側の端部に向かって振れ回りの程度が大きくなる傾向がある。
そこで、本実施形態の圧縮機101では、このような傾向を考慮して、自転軸O−Oと公転軸P−Pとの交点Xの位置からロータ152の自転軸O−O方向の一方側の端部に向かって大きさが大きくなるように変化する第1磁気障壁部156と、自転軸O−Oと公転軸P−Pとの交点Xの位置からロータ152の自転軸O−O方向下側の端部に向かって大きさが大きくなるように変化する第2磁気障壁部157とを設けるようにしている。
これにより、圧縮機101では、ロータ152の自転軸O−O方向上側の端部とロータ152の自転軸O−O方向下側の端部とで180度位相が異なる振れ回りにより生じる電磁加振力を、ロータ152の軸方向位置による振れ回りの程度の変化も考慮して、低減することができる。ここで、ロータ152の自転軸O−O方向上側における振れ回り方向側の部分は、ロータ52を自転軸O−Oに沿う方向から見た際における上バランスウェイト161側の部分である。また、ロータ152の自転軸O−O方向下側における振れ回り方向側の部分は、ロータ52を自転軸O−Oに沿う方向から見た際における下バランスウェイト162側の部分である。このため、第1磁気障壁部156を、ロータ152の上バランスウェイト161の重心BPに対応する周方向位置に設け、第2磁気障壁部157を、ロータ152の下バランスウェイト162の重心BPに対応する周方向位置に設けるようにしている。
また、圧縮機1では、磁気障壁部156、157がロータ152の外周面に形成された溝部である。すなわち、溝部の深さを変化させることによって、ロータ152とステータ151とのギャップtを変化させ、これを磁気障壁部156、157として機能させるようにしている。
これにより、圧縮機101では、ロータ52の振れ回り方向側の部分に、大きさが自転軸O−O方向に変化する磁気障壁部156、157を容易に設けることができる。
(3)他の実施形態
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、この実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態では、揺動ピストン型のロータリ圧縮機からなる圧縮機1やスクロール圧縮機101に本発明を適用したが、これに限定されず、回転子の自転軸が公転軸に対して傾斜した状態で振れ回りする型式の圧縮機であれば、本発明を適用することが可能である。
また、上記実施形態では、磁気障壁部56、156、157として溝を採用しているが、これに限定されず、孔や電磁鋼板を相互に固定する凹凸を採用してもよい。しかし、大きさが自転軸O−O方向に変化するように設けることの容易性という観点では、上記実施形態のように、溝を採用することが好ましい。
本発明は、複数の永久磁石を環状に配置することによって構成された回転子を有するモータを備えた圧縮機に対して、広く適用可能である。
1、101 圧縮機
3、103 圧縮要素
5、105 モータ
15、115 回転軸
31 シリンダ(固定側部材)
32 ブレード一体型ローラ(可動側部材)
51、151 ステータ(固定子)
52、152 ロータ(回転子)
55、155 永久磁石
131 固定スクロール(固定側部材)
132 可動スクロール(可動側部材)
56、156、157 磁気障壁部
61、161、162 バランスウェイト
特開2007−97281号公報

Claims (5)

  1. 所定の自転軸(O−O)周りに複数の永久磁石(55、155)を環状に配置することによって構成された回転子(52、152)と、前記回転子の外周側に配置された固定子(51、151)と、を有しており、前記自転軸を中心として前記回転子が回転するモータ(5、105)と、
    前記回転子に連結されており、前記回転子の回転によって回転する回転軸(15、115)と、
    固定側部材(31、131)と、前記回転軸に連結されており前記回転軸の回転によって前記固定側部材に対して公転する可動側部材(32、132)と、を有しており、前記固定側部材に対する前記可動側部材の公転によってガスを圧縮する圧縮要素(3、103)と、
    を備え、
    前記回転子は、前記自転軸が前記固定側部材に対する前記可動側部材の公転軌道の中心である公転軸(P−P)に対して傾斜した状態で振れ回りし、
    前記回転子の振れ回り方向側の部分には、大きさが前記自転軸方向に変化する磁気障壁部(56、156)が設けられている、
    圧縮機(1、101)。
  2. 前記回転子(52、152)の前記自転軸(O−O)方向の一方側には、バランスウェイト(61、161、162)が設けられており、
    前記回転子の振れ回り方向側の部分は、前記回転子を前記自転軸に沿う方向から見た際における前記バランスウェイト側の部分であり、
    前記磁気障壁部(56、156、157)は、大きさが前記回転子の前記自転軸方向の一方側の端部から前記自転軸方向の他方側に向かって小さくなるように変化している、
    請求項1に記載の圧縮機(1、101)。
  3. 前記回転子(152)は、前記自転軸(O−O)が前記公転軸(P−P)に対して前記回転子の内部において交差した状態で振れ回りし、
    前記磁気障壁部は、大きさが前記自転軸と前記公転軸との交点に対応する前記自転軸方向の位置から前記回転子の前記自転軸方向の一方側の端部に向かって大きくなるように変化する第1磁気障壁部(156)と、前記第1磁気障壁部と180度位相が異なる方向側の部分に設けられており、大きさが前記自転軸と前記公転軸との交点に対応する前記自転軸方向の位置から前記回転子の前記自転軸方向の他方側の端部に向かって大きくなるように変化する第2磁気障壁部(157)とを有している、
    請求項1に記載の圧縮機(101)。
  4. 前記回転子(152)の前記自転軸(O−O)方向の一方側には、第1バランスウェイト(161)が設けられており、
    前記回転子の前記自転軸方向の他方側には、前記第1バランスウェイトと180度位相が異なる方向側の部分に第2バランスウェイト(162)が設けられており、
    前記回転子の振れ回り方向側の部分は、前記回転子を前記自転軸に沿う方向から見た際における前記第1バランスウェイト側の部分、及び、前記回転子を前記自転軸に沿う方向から見た際における前記第2バランスウェイト側の部分である、
    請求項3に記載の圧縮機(101)。
  5. 前記磁気障壁部(61、161、162)は、前記回転子(52、152)の外周面に形成された溝部である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮機(1、101)。
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