JP5720445B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
本発明は回転電機に関し、特に回転電機が有する回転子用コアの形状に関する。
特許文献1には回転子が記載されている。当該回転子は回転子鉄心と永久磁石とを有している。回転子鉄心は複数種類の鉄心部によって形成されている。複数種類の鉄心部は軸方向に並んで配置されて回転子鉄心を形成する。鉄心部の外周表面には第1及び第2の溝が形成されている。当該第1及び第2の溝は鉄心部の外周表面において磁極ごとに配置される。つまり、第1の溝は磁極の数と同じ数だけ設けられ、これらは周方向で等間隔の位置に配置される。第2の溝も同様である。またこれらの第1及び第2の溝によってスキューを形成すべく、各鉄心部において第1の溝が周方向で互いにずれた位置に設けられ、第2の溝も周方向で互いにずれた位置に設けられる。これによってコギングトルクを低減している。
特許文献2においても、回転子鉄心の外周表面に溝が形成されている。かかる溝は磁極ごと設けられている。つまり、かかる溝も磁極の数と同じ数だけ設けられ、これらは周方向で等間隔の位置に配置される。また特許文献2においても、一つの磁極につき、第1乃至第3の溝が形成された回転子鉄心が記載されているものの、第1乃至第3の溝の各々は周方向で等間隔に配置される。
特許文献3においても、回転子鉄心の外周面に溝が形成されているものの、これらの溝は磁極面ごとに形成されている。
その他、本発明に関連する技術として特許文献4〜8が開示されている。
特許文献1乃至3においては磁極毎に溝が形成されている。一方で、電磁加振力は回転子の振れ回りによって影響を受けるところ、回転子の振れ回りに関連して溝を設けることは考慮されていない。
そこで、本発明は、適切な位置に磁気障壁を設けることで、ある次数の電磁加振力を効率的に低減できる回転電機を提供することを目的とする。
本発明にかかる回転電機の第1の態様は、所定の回転軸(P)の周りを回転する回転子(1)と、前記回転子に対して前記回転軸とは反対側でエアギャップを介して前記回転子と対向する固定子(3)とを備え、前記回転子は、前記固定子と対向する外周面(11)と、複数の磁気障壁部(13,131〜133)とを有する回転子用コア(10)と、前記回転子用コアにおいて前記回転軸の周りで環状に配置され、前記回転軸を中心とした周方向で交互に異なる磁極を発生する2p個の磁極面(11a〜11d)を前記外周面に形成する、複数の永久磁石(20)とを備え、前記複数の磁気障壁部は、前記回転軸に垂直な所定の断面において、前記周方向で前記回転子用コアを前記磁極面ごとに区分して得られる2p個のコア部(R1〜R4)のうち、前記固定子の中心(Q3)に対して前記回転子の中心(Q1)側に位置する第一のコア部(R1)の、前記永久磁石に対して前記回転軸とは反対側に位置する部分に設けられ、かつ前記第一のコア部の前記外周面の前記周方向における中心(PC1)と前記回転軸とを結ぶ直線(A1)に対して対称な位置に設けられ、前記回転軸を中心とした径方向における前記複数の磁気障壁部(13)の幅は、前記断面における前記エアギャップの最大値(G1)と最小値(G2)との差(W)の2倍よりも小さく、前記第一のコア部の形状と、前記2p個のコア部のうち前記回転軸に対して前記第一のコア部と反対側に位置する第二のコア部(R3)の形状とは、前記回転軸に対して非対称である。
本発明にかかる回転電機の第2の態様は、第1の態様にかかる回転電機であって、前記複数の磁気障壁部(13,131〜133)のいずれもが前記直線(A1)を避けて設けられる。
本発明にかかる回転電機の第3の態様は、第1の態様にかかる回転電機であって、前記複数の磁気障壁部(13,131〜133)の一つが前記直線(A1)上に設けられる。
本発明にかかる回転電機の第4の態様は、第1から第4の何れか一つの態様にかかる回転電機であって、前記第1のコア部(R1)における前記中心(PC1)を、前記回転軸(P)を中心として±360/(2p+1)度回転させた位置において、前記永久磁石(20)に対して前記回転軸とは反対側に設けられる第2の磁気障壁部(14)を更に備える。
本発明にかかる回転電機の第5の態様は、第1から第4の何れか一つの態様にかかる回転電機であって、前記回転軸(P)に沿う軸方向の一方側から他方側へと向かって、前記第一のコア部と前記固定子との間の前記エアギャップが増大するように前記回転子(1)および前記固定子(3)とが配置されており、前記複数の磁気障壁部(13)の前記幅は、前記軸方向において前記一方側から前記他方側へと向かって低減する。
本発明にかかる回転電機の第6の態様は、第1から第5の何れか一つの態様にかかる回転電機であって、前記複数の磁気障壁部(131)は前記磁極面に設けられる溝部である。
本発明にかかる回転電機の第7の態様は、第1から第5の何れか一つの態様にかかる回転電機であって、前記磁気障壁部(132)は前記永久磁石(20)と前記磁極面(11a)との間に設けられた非磁性体である。
本発明にかかる回転電機の第8の態様は、第1から第5の何れか一つの態様にかかる回転電機であって、前記回転子用コア(10)は、前記回転軸(P)に沿う方向に積層された複数の電磁鋼板を更に有し、前記複数の電磁鋼板の少なくとも複数枚には相互に嵌合して前記回転軸に沿った軸方向における固定のために複数の凹凸(114)が設けられ、当該凹凸は前記複数の磁気障壁部(133)として機能する。
本発明にかかる回転電機の第1の態様によれば、電磁加振力は第一のコア部における中心(いわゆる磁極中心)に対してほぼ対称に存在するところ、複数の磁気障壁部は磁極中心に対称な位置に設けられる。よって、電磁加振力を効率的に低減できる次数が存在する。しかも、第一のコア部における回転子用コアの形状と第二のコア部における回転子用コアの形状とが非対称である。したがって、当該次数の電磁加振力のうち第一のコア部と第二のコア部とで非対称となる次数、即ち奇数次の電磁加振力を効率的に低減できる。
本発明にかかる回転電機の第2の態様によれば、第1のコア部の中心において谷となる次数の電磁加振力を低減できる。
本発明にかかる回転電機の第3の態様によれば、第1のコア部の中心において山となる次数の電磁加振力を低減できる。
本発明にかかる回転電機の第4の態様によれば、(2p+1)次の電磁加振力の周期に対応する位置に第2の磁気障壁部が設けられることとなる。よって(2p+1)次の電磁加振力を効率的に低減できる。
本発明にかかる回転電機の第5の態様によれば、軸方向における各位置における磁気障壁部の磁気抵抗とエアギャップの磁気抵抗との和を均一にすることができる。
本発明にかかる回転電機の第6の態様によれば、溝部を磁気障壁部として機能させることができる。
本発明にかかる回転電機の第7の態様によれば、磁気障壁部が磁極面から離れて設けられているので、磁気障壁部は、回転子の側面(磁極面)と固定子との間のエアギャップの測定を阻害しない。
本発明にかかる回転電機の第8の態様によれば、磁気障壁部は電磁鋼板を固定する機能と、磁気障壁の機能とを発揮するので、それぞれの機能を発揮する専用の固定部、磁気障壁部を設ける場合に比べて、製造コストを低減できる。
<回転電機>
図1は回転軸Pに垂直な断面における回転子1の概念的な構成の一例を示す。図2は、当該断面における回転電機の概念的な構成の一例を示す。以下では、回転軸Pを中心とした径方向を単に径方向と呼び、回転軸Pを中心とした周方向を単に周方向と呼び、回転軸P1に沿う方向を軸方向と呼ぶ。
図1は回転軸Pに垂直な断面における回転子1の概念的な構成の一例を示す。図2は、当該断面における回転電機の概念的な構成の一例を示す。以下では、回転軸Pを中心とした径方向を単に径方向と呼び、回転軸Pを中心とした周方向を単に周方向と呼び、回転軸P1に沿う方向を軸方向と呼ぶ。
回転電機は回転子1と固定子3とを備える。回転子1と固定子3とは径方向においてエアギャップを介して互いに対面する。固定子3は回転子1に対して回転軸Pとは反対側において、所定のエアギャップを介して回転子1と対向する。なおここでは、回転軸Pは固定子3の中心Q3に相当すると把握する。
固定子3は固定子用コア30と電機子巻線31とを備えている。固定子用コア30は複数(例えば6個)のティースと、環状のバックヨークとを備えている。複数のティースは固定子3の中心Q3(バックヨークの中心と見なすことができる)を中心として、放射状に配置される。バックヨークは、複数のティースの径方向における両端のうち中心Q3とは反対側の一端同士を連結する。
電機子巻線31は径方向を軸としてティースに巻回される。なお、本願では特に断らない限り、電機子巻線は、これを構成する導線の一本一本を指すのではなく、導線が一纏まりに巻回された態様を指す。これは図面においても同様である。また、巻き始め及び巻き終わりの引き出し線、及びそれらの結線も図面においては省略した。図2の例示では、電機子巻線31はいわゆる集中巻き方式でティースに巻回される。
かかる固定子3において電機子巻線31に適切に電流を流すことで、固定子3は回転子1に回転磁界を印加することができる。回転子1はかかる回転磁界に応じて回転軸Pの周りを回転する。以下、回転子1の構成の一例について説明する。
図1を参照して、回転子1は回転子用コア10と複数の永久磁石20とを備えている。回転子用コア10は軟磁性体(例えば鉄)で構成され、固定子3と対向する外周面11を有している(図2も参照)。図1,2の例示では、回転子用コア10は例えば回転軸Pを中心とした略円柱状の形状を有している。よって図1,2の例示では外周面11は略円形状を有する。
また回転子用コア10には複数の磁石格納孔12が穿たれている。複数の磁石格納孔12は複数の永久磁石20を格納する。各磁石格納孔12は以下に詳述する各永久磁石20の形状及び配置に合わせた形状を有している。
複数の永久磁石20は例えば希土類磁石(例えばネオジム、鉄、ホウ素を主成分とした希土類磁石)であって、回転子用コア10において回転軸Pの周りで環状に並んで配置される。より詳細には、回転子用コア10の磁石格納孔12に格納される。図1の例示では、各永久磁石20は直方体状の板状形状を有している。各永久磁石20は、回転軸Pを中心とした周方向(以下、単に周方向と呼ぶ)における自身の中央において、その厚み方向が、径方向に沿う姿勢で配置される。なお、各永久磁石20は必ずしも図1,2に示す形状で配置される必要はない。各永久磁石20は、例えば回転軸Pに沿う方向(以下、単に軸方向と呼ぶ)に見て、回転軸Pとは反対側(以下、外周側とも呼ぶ)若しくは回転軸P側(以下、内周側とも呼ぶ)へと開口するV字形状、又は外周側若しくは内周側へと開口する円弧状の形状を有していてもよい。
また図1では4つの永久磁石20が例示されており、周方向で隣り合う任意の一対の永久磁石20は外周側へと互いに異なる極性の磁極面を向けて配置される。これにより複数の永久磁石20はいわゆる界磁磁石として機能する。言い換えれば、複数の永久磁石20は外周面11に2p(pは1以上の整数であり、図1,2の例示では2)個の磁極面11a〜11dを形成する。磁極面11a〜11dは周方向において交互に異なる磁極を発生する。例えば、正極の磁極面を外周面11に向けて配置された2つの永久磁石20が、それぞれ外周面11に正極の磁極面11a,11cを形成し、負極の磁極面を外周面11に向けて配置された2つの永久磁石20がそれぞれ外周面11に負極の磁極面11b,11dを形成する。
なお図1の例示では4つの永久磁石20(いわゆる4極の回転子1)が例示されているが、回転子1は2個の永久磁石20を有していてもよく、6個以上の永久磁石20を有していてもよい。また図1の例示では、4つの永久磁石20の各々が一つの界磁磁極を構成しているが、例えば一つの界磁磁極が複数の永久磁石20によって構成されていてもよい。言い換えれば、例えば図1における各永久磁石20がそれぞれ複数の永久磁石に分割されていてもよい。
回転子用コア10は例えば軸方向に積層された電磁鋼板で構成されてもよい。これにより回転子用コア10の軸方向における電気抵抗を高めることができ、以って回転子用コア10を流れる磁束に起因した渦電流の発生を低減することができる。また回転子用コア10は、意図的に電気的絶縁物(例えば樹脂)を含んで形成される圧粉磁心によって構成されてもよい。絶縁物が含まれているので圧粉磁心の電気抵抗は比較的高く、以って渦電流の発生を低減できる。
図1の例示では、回転子用コア10には一の界磁磁極を形成する永久磁石20の周方向における両側で空隙121が穿たれている。空隙121は永久磁石20の周方向における両側から外周側へと延在している。空隙121によって、永久磁石20の外周側の磁極面と内周側の磁極面との間で磁束が短絡することを抑制できる。
図1の例示では空隙121は磁石格納孔12と連結されているが、磁石格納孔12と離間していてもよい。この場合、空隙121と磁石格納孔12との間には回転子用コア10の一部が介在するので、回転子用コア10の強度を向上できる。
図1の例示では、周方向で隣り合う永久磁石20同士の間(以下、極間とも呼ぶ)には回転子用コア10の一部としてのリブ部16が介在している。かかるリブ部16はいわゆるq軸インダクタンスを向上することができる。よって、d軸インダクタンスとq軸インダクタンスとの差を増大でき、ひいてはリラクタンストルクを向上できる。
図1の例示では、リブ部16と、永久磁石20に対して外周側に存する回転子用コア10とは、空隙121の外周側にて連結部15を介して相互に連結されている。かかる連結部15も回転子用コア10の一部として形成される。これにより、回転子用コア10の強度を向上することができる。なお、この連結部15の径方向における厚みは、当該連結部15を通る磁束によって容易に磁気飽和する程度に小さいことが望ましい。これにより、永久磁石20の磁束が、永久磁石20に対して外周側の回転子用コア10、連結部15、リブ部16、及び永久磁石20に対して内周側の回転子用コア10を経由して短絡することを防止できる。
また図1の例示では、回転子用コア10には空隙122が形成されている。同じ磁極面に近接して設けられる空隙121,122についてみれば、空隙122は空隙121に対して極間とは反対側に設けられている。空隙122の径方向における幅は極間から遠ざかるに従って低減している。これによって、外周面11上の磁束密度の波形をより正弦波に近づけることができる。なお、図1の例示では、空隙121,122は互いに離間しているが、これに限らず、周方向で連続していても良い。
<磁気障壁部>
本回転子用コア10には複数の磁気障壁部13が設けられている。以下、複数の磁気障壁部13が設けられる範囲について説明する。まず周方向における範囲について説明し、次に径方向における範囲について説明する。複数の磁気障壁部13は、周方向において回転子用コア10を磁極面11a〜11dで区分したコア部R1〜R4のうち、コア部R1に設けられる。図2も参照して、コア部R1は固定子3の中心Q3に対して回転子1の中心Q1側に位置する。換言すればコア部R1は中心Q1に対して中心Q3とは反対側に位置する。なお図1の例示では、コア部R1の磁極中心PC1が中心Q1,Q3を通る直線A2上に位置している。ただし、これは必須要件ではなく、図3に例示するように、磁極中心PC1は中心Q1,Q3を通る直線A2からずれていても良い。
本回転子用コア10には複数の磁気障壁部13が設けられている。以下、複数の磁気障壁部13が設けられる範囲について説明する。まず周方向における範囲について説明し、次に径方向における範囲について説明する。複数の磁気障壁部13は、周方向において回転子用コア10を磁極面11a〜11dで区分したコア部R1〜R4のうち、コア部R1に設けられる。図2も参照して、コア部R1は固定子3の中心Q3に対して回転子1の中心Q1側に位置する。換言すればコア部R1は中心Q1に対して中心Q3とは反対側に位置する。なお図1の例示では、コア部R1の磁極中心PC1が中心Q1,Q3を通る直線A2上に位置している。ただし、これは必須要件ではなく、図3に例示するように、磁極中心PC1は中心Q1,Q3を通る直線A2からずれていても良い。
なお、コア部R1は、少なくとも回転子1が回転しているときに、中心Q3に対して中心Q1側に(換言すれば中心Q1に対して中心Q3とは反対側に)位置する。以下、回転子1が回転しているときの、中心Q1,Q3の位置関係および中心Q1,Q3に対するコア部R1の位置について説明する。
回転子1は、上述のように固定子3からの回転磁界に応じて回転するところ、実際には振れ回りを伴って回転する。ここでいう振れ回りとは回転子1の中心Q1が固定子3の中心Q3の周りを回転する公転動作を意味する。かかる振れ回りは、回転子1が停止した状態における中心Q1と中心Q3とのずれ、回転子1の重量バランス、回転子1が駆動する負荷(例えば不図示の圧縮機)の重量バランス、不図示のシャフトの剛性などに起因して生じる。
図4〜図7は、回転子1が振れ回りを伴って回転する様子の一例を示している。図4〜図7では、回転子1を簡略して示し、固定子3についてはその内接円(ティースの内接円)のみを示している。また図X(Xは5,6又は7)は、図(X−1)に対して回転子1が反時計回り方向に90度回転した場合の様子を示している。図4〜7に示すように、回転子1は、その中心Q1が固定子3の中心Q3の周りを回転しつつ(即ち公転しながら)、中心Q1の周りを自転する。
さて、回転磁界によって回転する回転子1においては、図4〜7に示すように、回転子1が自転すれば回転子1の中心Q1もほぼ同じ角度だけ回転する。つまり、回転子1の自転と公転とがほぼ同期する。例えば図4から図5へと回転子1が90度自転したときには、中心Q1も中心Q3の周りを90度回転する。したがって、図4〜図7に示すように、コア部R1は常に中心Q3に対して中心Q1側に(換言すれば中心Q1に対して中心Q3とは反対側に)位置する。
なお、回転子1の回転中に、コア部R1が中心Q3に対して中心Q1側に位置しているかどうかは、回転電機の構造および材質などにより、計算で確認することができる。また例えば回転子1の軸方向の一方側にバランスウェイトが設けられている場合、簡易的には、中心Q3から見てバランスウェイトが設けられた方向に中心Q1が位置する、と見なすことができる。
またコア部R1について、次のように表現することもできる。すなわち、固定子3との間のエアギャップが最も小さいコア部がコア部R1である。ただし、ここでいうエアギャップは、溝部131の径方向における幅を無視したものである。なお、エアギャップについては以下の説明でもこの内容が適用される。
次に、複数の磁気障壁部13の径方向における位置について説明する。図1,2を参照して、複数の磁気障壁部13は径方向において、永久磁石20に対して回転軸Pとは反対側に設けられる。これは、複数の磁気障壁部13が、永久磁石20と固定子3との間の磁束に起因して生じる電磁加振力を低減することを目的とするからである。なお、図1,2の例示では、複数の磁気障壁部13は外周面11に形成された溝部131として示されている。
また複数の磁気障壁部13は、回転軸Pと磁極中心PC1とを通る直線A1に対して対称となる位置に設けられる。図1,3の例示では、2つの磁気障壁部13が直線A1に対して対称となる位置に設けられている。この技術的意義については後に詳述する。
また磁気障壁部13の径方向における幅は、エアギャップの最大値G1と最小値G2との差Wの2倍よりも小さい。この点についても後述するが、簡単に言えば、電磁加振力を低減するための要件である。
また図1,3を参照して、コア部R1の形状と、回転軸Pに対してコア部R1と反対側に位置するコア部R3の形状とは、回転軸Pに対して非対称である。図1,3の例示では、コア部R3には磁気障壁部13が形成されていない。この技術的意義についても後に述べる。
<電磁加振力>
さて、振れ回りを伴う回転子1の回転によって、回転子1には電磁加振力が生じる。これは次の理由による。即ち、図4〜7に例示する振れ回りを伴った回転によって、エアギャップによる磁気抵抗が不均一となり、これによって回転子1と固定子3との間の磁束密度に高調波成分が生じる。電磁加振力は磁束密度の2乗に基づいて表現されるので、磁束密度の高調波成分によって電磁加振力にも高調波成分が生じる。
さて、振れ回りを伴う回転子1の回転によって、回転子1には電磁加振力が生じる。これは次の理由による。即ち、図4〜7に例示する振れ回りを伴った回転によって、エアギャップによる磁気抵抗が不均一となり、これによって回転子1と固定子3との間の磁束密度に高調波成分が生じる。電磁加振力は磁束密度の2乗に基づいて表現されるので、磁束密度の高調波成分によって電磁加振力にも高調波成分が生じる。
さて、かかる電磁加振力の各高調波成分は、図8に例示するように、直線A1に対してほぼ対称となる。この点は、出願人によるシミュレーションによって確認されている。図8の例示では、電磁加振力の(2p+1)次(ここでは5次)の高調波成分(実線で表示)と、電磁加振力の(6p+1)次(ここでは13次)の高調波成分(破線で表示)が示されている。電磁加振力の5次の高調波成分は回転軸Pの周りで5個の山と5個の谷を有し、電磁加振力の13次の電磁加振力は13個の山と13個の谷を有する。また電磁加振力の5次の高調波成分は直線A1において山となり、電磁加振力の13次の高調波成分は直線A1において谷となる。
なお、以下では、電磁加振力のN次の高調波成分をN次の電磁加振力とも呼ぶ。
また図3に示すように磁極中心PC1が直線A2に対してずれると、そのずれ方向(周方向)に沿って電磁加振力の高調波成分が回転するものの、その回転量は小さい。例えば磁極中心PC1が直線A2から最もずれた場合、すなわち磁極中心PC1が直線A2から45度ずれた場合に、5次の電磁加振力は3〜4度程度回転する。5次の電磁加振力は72度の周期を持つので、周期に対する回転量の最大値は5%程度である。よって、5次の電磁加振力は直線A1に対してほぼ対称となる。なお値pが増加すると(2p+1)次の電磁加振力の周期は短くなるが、磁極中心PC1が直線A2から最もずれる角度も小さくなるので、値pに依らずに電磁加振力の高調波成分は直線A1に対してほぼ対称となる。
<電磁加振力の低減>
本回転電機によれば、複数の磁気障壁部13は回転軸Pと磁極中心PC1とを結ぶ直線A1に対して対称に配置される。上述のように、電磁加振力は直線A1に対してほぼ対称となるので、かかる磁気障壁部13によって電磁加振力を効率的に低減できる次数が存在する。例えば図1,2では、13次の電磁加振力の、直線A1を挟んで隣り合う2つの山に相当する位置の近傍に、それぞれ2つの磁気障壁部13が位置する(図8も参照)。磁気障壁部13は磁気抵抗として機能して当該2つの山を低減することができるので、13次の高調波成分を効率的に低減することができる。
本回転電機によれば、複数の磁気障壁部13は回転軸Pと磁極中心PC1とを結ぶ直線A1に対して対称に配置される。上述のように、電磁加振力は直線A1に対してほぼ対称となるので、かかる磁気障壁部13によって電磁加振力を効率的に低減できる次数が存在する。例えば図1,2では、13次の電磁加振力の、直線A1を挟んで隣り合う2つの山に相当する位置の近傍に、それぞれ2つの磁気障壁部13が位置する(図8も参照)。磁気障壁部13は磁気抵抗として機能して当該2つの山を低減することができるので、13次の高調波成分を効率的に低減することができる。
しかも本回転電機によれば、コア部R1の形状とコア部R3の形状とは互いに非対称である。つまり、回転軸Pに対して複数の磁気障壁部13と対称な位置では、磁気障壁部が設けられない。一方、奇数次の電磁加振力は、その山の位置とその谷の位置とが回転軸Pに対して対称となる(図8も参照)。例えば13次の電磁加振力において、上記2つの山とそれぞれ回転軸Pに対して対称な位置ではそれぞれ谷が存在する。そして、この谷に相当する位置に磁気障壁部が設けられると、この磁気障壁部によって当該谷が更に低減されて結果として振幅が増大するところ、本回転子1によれば、この谷に相当する位置には磁気障壁部13が設けられない。よって、この位置に磁気障壁部13が設けられた場合に比べて、奇数次の電磁加振力を効率的に低減することができる。従来より提案されている手法により、偶数次の電磁加振力は大きく低減されてきており、近年は相対的に奇数次の電磁加振力が大きくなってきているため、本実施の形態にかかる回転電機によれば振動の低減効果が高い。
また図1,2の例示では、2つの磁気障壁部13のいずれもが直線A1を避けて設けられる。したがって、奇数次の電磁加振力のうち磁極中心PC1において谷となるものは、磁気障壁部13によって効率的に低減される。
なお図8に例示するように直線A1上に相当する位置では5次の電磁加振力の山の頂点が存在する。しかしながら、図1の例示では、この2つの磁気障壁部13は5次の電磁加振力が山となる半周期に相当する範囲W1内に設けられている(図8も参照)。より詳細には、直線A1を中心として±18度(=±360/(4(2p+1))度)の範囲W1内に、周方向において互いに反対側に位置する2つの磁気障壁部13の一端13aが存在する。したがって、磁気障壁部13が設けられていない回転子と比較すれば、5次の高調波成分も低減することができる。
図9は磁気障壁部13の径方向における幅と、電磁加振力の(2p+1)次の高調波成分との関係を示す図である。当該関係は磁気障壁部13の幅に対して下に突の形状を有している。そして、磁気障壁部13の幅がエアギャップの最大値G1と最小値G2との差Wと一致するときに電磁加振力が最小値を採る。よって、磁気障壁部13の幅は差Wと略等しいこととが望ましい。
一方、磁気障壁部13の幅が零であるときの電磁加振力と、磁気障壁部13の幅が当該差Wの2倍であるときの電磁加振力とが互いに一致する。なお磁気障壁部13の幅が零であることは、磁気障壁部13が設けられていないことを意味する。本磁気障壁部13の幅は当該差Wの2倍よりも小さいので、磁気障壁部13が設けられていない回転子に比べて適切に電磁加振力を低減することができる。
なお、図2の例示では、電機子巻線31が集中巻き方式で巻回されている。かかる回転電機においては、電機子巻線が分布巻き方式で巻回された回転電機に比べて、電磁加振力が高い。よって、電磁加振力を低減できる本回転電機は特に有利である。
<回転子用コア10の他の例>
図10に例示する回転子1は、磁気障壁部14の有無を除いて図1の回転子1と同様である。図10の回転子用コア10には2つの磁気障壁部14が設けられている。2つの磁気障壁部14はそれぞれ、磁極中心PC1を回転軸Pの周りで、360/(2p+1)度(ここでは72度)回転させた位置において、永久磁石20よりも回転軸Pとは反対側に設けられている。図10の例示では、磁気障壁部14は外周面11に形成された溝部として例示されている。
図10に例示する回転子1は、磁気障壁部14の有無を除いて図1の回転子1と同様である。図10の回転子用コア10には2つの磁気障壁部14が設けられている。2つの磁気障壁部14はそれぞれ、磁極中心PC1を回転軸Pの周りで、360/(2p+1)度(ここでは72度)回転させた位置において、永久磁石20よりも回転軸Pとは反対側に設けられている。図10の例示では、磁気障壁部14は外周面11に形成された溝部として例示されている。
かかる2つの磁気障壁部14は、(2p+1)次の電磁加振力の周期に対応して設けられる(図8も参照)。より詳細には、2つの磁気障壁部14は、(2p+1)次の電磁加振力の山に相当する位置に設けられる。したがって、(2p+1)次の電磁加振力を効率的に低減することができる。
図11では複数の磁気障壁部13として3個の磁気障壁部13が例示されている。3個の磁気障壁部13は直線A1に対して対称な位置に設けられるので、一つの磁気障壁部13が直線A1上に設けられる。かかる一つの磁気障壁部13によって、磁極中心PC1において山となる奇数次の電磁加振力を効率的に低減することができる。特に、3個の磁気障壁部13の各々が設けられる位置において山となる電磁加振力であって、奇数次の電磁加振力を効率的に低減することができる。
また図11の例示では、磁気障壁部14が形成されているので、図10と同様に(2p+1)次の電磁加振力を効率的に低減することができる。
<軸方向の各位置における磁気障壁部13の幅>
図12は、回転軸Pを含み磁気障壁部13を通る断面における回転電機の概念的な構成の一例を示す図である。なお図12の例示では、回転子1に取り付けられる回転シャフト5も示されている。回転シャフト5は例えば回転子用コア10に設けられたシャフト孔に貫挿配置される。
図12は、回転軸Pを含み磁気障壁部13を通る断面における回転電機の概念的な構成の一例を示す図である。なお図12の例示では、回転子1に取り付けられる回転シャフト5も示されている。回転シャフト5は例えば回転子用コア10に設けられたシャフト孔に貫挿配置される。
図12の例示では、コア部R1と固定子3との間のエアギャップが、軸方向の一方側(紙面上方側)から他方側へと向かって、増大するように、回転子1および固定子3が配置されている。即ち、回転子1が固定子3に対して傾斜して配置されている。このような配置は、特に回転シャフト5が片持ち支持される場合に顕著となる。なお図12に例示するように、回転軸Pにおける任意の位置において、回転軸Pに対して紙面左側のエアギャップは回転軸Pに対して紙面右側のエアギャップよりも大きい。
そして、図12に例示するように、磁気障壁部13の幅は、エアギャップの増大に反して軸方向における一方側から他方側へと向かって低減している。これによって、軸方向の各位置での回転軸Pに垂直な断面において、磁気障壁部13による磁気抵抗とエアギャップによる磁気抵抗の和を均一にすることができる。したがって、電磁加振力の低減量の軸方向におけるばらつきを低減することができる。
<磁気障壁部の他の例>
図13に示す回転子1は、図1に示す回転子1と比較して磁気障壁部13が相違している。
図13に示す回転子1は、図1に示す回転子1と比較して磁気障壁部13が相違している。
複数の磁気障壁部13はコア部R1に属する磁極面11aと永久磁石20との間に設けられた非磁性体132として例示されている。非磁性体132は例えば軸方向で回転子用コア10を貫通する孔である。図13の例示では、磁気障壁部13は軸方向に沿って見て長尺状の形状を有し、その長辺が当該長辺の位置における周方向に接するように配置されている。当該孔はその内部を流体、例えば空気や冷媒によって充填されているので磁気障壁として機能することができる。なお磁気障壁部13が固体の非磁性体であってもよい。磁気障壁部13が固体の非磁性体であれば、回転子1の強度を向上できる。
かかる磁気障壁部13であっても図1の回転子1と同様に電磁加振力を低減する次数が存在する。また本磁気障壁部13は磁極面11aと永久磁石20との間に設けられるので、磁極面11aには溝が形成される必要がない。よって、磁極面11aの周方向のいずれの位置においてもエアギャップを測定することができる。換言すれば、磁気障壁部13がエアギャップの測定を阻害しない。よって、エアギャップ測定の作業性を向上することができる。
図14に示す回転子1は、図1に示す回転子1と比較して磁気障壁部13が相違している。
回転子用コア10は軸方向に積層された複数の電磁鋼板により構成されている。複数の電磁鋼板は、それぞれに設けられた凹凸が軸方向で嵌合しあって相互に固定される。かかる凹凸は、軸方向に沿って所定の部材を電磁鋼板に押し込むことで一方の面に凹部を形成するとともに同じ位置の他方の面に凸部を形成して、設けられる。このように凹凸は電磁鋼板の変形によって形成される。よって凹凸の磁気特性は劣化する。また、一の電磁鋼板の凸部とこれと軸方向で接する凹部とは完全に連続しないので、この境界でも磁気特性が劣化する。
かかる磁気特性の劣化を考慮して、図14に示す回転子1では、磁気障壁部13として電磁鋼板を相互に固定する凹凸133を採用している。
これにより、エアギャップ測定の作業性を向上することができる。しかも、磁気障壁部13は複数の電磁鋼板同士を固定する機能と、振動低減のための磁気障壁の機能とを発揮するので、それぞれの機能を発揮する専用の固定部、磁気障壁部を設ける場合に比べて、製造コストを低減できる。
なお上述した磁気障壁部14(図10,11参照)として、外周面11と永久磁石20との間に設けられる非磁性体、或いは電磁鋼板を固定するための凹凸を採用してもよい。これによっても、磁気障壁部13と同様に回転子1と固定子3との間のエアギャップの測定を阻害しない。
<本回転電機が設けられる圧縮機>
上述した回転子1は例えば密閉型圧縮機用のモータに用いられる。図15は、上記のモータが適用される圧縮機の縦断面図である。図15に示された圧縮機は高圧ドーム型のロータリ圧縮機であって、その冷媒には例えば二酸化炭素が採用される。なお図15においてはアキュムレータK100も図示されている。
上述した回転子1は例えば密閉型圧縮機用のモータに用いられる。図15は、上記のモータが適用される圧縮機の縦断面図である。図15に示された圧縮機は高圧ドーム型のロータリ圧縮機であって、その冷媒には例えば二酸化炭素が採用される。なお図15においてはアキュムレータK100も図示されている。
この圧縮機は、密閉容器K1と、圧縮機構部K2と、モータK3とを備えている。圧縮機構部K2は密閉容器K1内に配置されている。モータK3は密閉容器K1内かつ圧縮機構部K2の上側に配置される。ここで、上側とは密閉容器K1の中心軸が水平面に対して傾斜しているか否かに関わらず、密閉容器K1の中心軸に沿った上側をいう。
モータK3は回転シャフトK4を介して圧縮機構部K2を駆動する。モータK3は回転子1と固定子3とを備えている。
密閉容器K1の下側側方には吸入管K11が接続され、密閉容器K1の上側には吐出管K12が接続される。アキュムレータK100からの冷媒ガス(図示省略)が吸入管K11を経由して密閉容器K1へと供給され、圧縮機構部K2の吸込側に導かれる。このロータリ圧縮機は縦型であって、少なくともモータK3の下部に油溜めを有する。
固定子3は、回転シャフトK4に対して回転子1よりも外周側に配置され、密閉容器K1に固定されている。
圧縮機構部K2は、シリンダ状の本体部K20と、上端板K8および下端板K9を備える。上端板K8および下端板K9はそれぞれ本体部K20の上下の開口端に取り付けられる。回転シャフトK4は、上端板K8および下端板K9を貫通し、本体部K20の内部に挿入されている。回転シャフトK4は上端板K8に設けられた軸受K21と、下端板K9に設けられた軸受K22により回転自在に支持されている。
回転シャフトK4には本体部K20内でクランクピンK5が設けられる。ピストンK6はクランクピンK5に嵌合されて駆動される。ピストンK6と、これに対応するシリンダとの間には圧縮室K7が形成される。ピストンK6は偏芯した状態で回転し、または、公転運動を行い、圧縮室K7の容積を変化させる。
次に、上記ロータリ圧縮機の動作を説明する。アキュムレータK100から吸入管K11を経由して圧縮室K7に冷媒ガスが供給される。モータK3により圧縮機構部K2が駆動されて、冷媒ガスが圧縮される。圧縮された冷媒ガスは冷凍機油(図示省略)と共に、吐出孔K23を経由して圧縮機構部K2から圧縮機構部K2の上側へ運ばれ、更にモータK3を経由して吐出管K12から密閉容器K1の外部に吐出される。
冷媒ガスは冷凍機油と共にモータK3の内部を上側へと移動する。冷媒ガスはモータK3よりも上側に導かれるが、冷凍機油は回転子1の遠心力で密閉容器K1の内壁へと向かう。冷凍機油は密閉容器K1の内壁に微粒子の状態で付着することで液化した後、重力の作用によって、モータK3の冷媒ガスの流れの上流側に戻る。
かかる密閉型圧縮機において、モータK3の回転子1として本実施の形態にかかる回転子1を採用することで、回転子1の振動ひいては密閉型圧縮機の振動を低減することができる。
1 回転子
3 固定子
10 回転子用コア
20 永久磁石
13 磁気障壁部
131 溝部
132 孔
133 凹凸
CP1 磁極中心
P 回転軸
Q1,Q2 中心
3 固定子
10 回転子用コア
20 永久磁石
13 磁気障壁部
131 溝部
132 孔
133 凹凸
CP1 磁極中心
P 回転軸
Q1,Q2 中心
Claims (8)
- 所定の回転軸(P)の周りを回転する回転子(1)と、
前記回転子に対して前記回転軸とは反対側でエアギャップを介して前記回転子と対向する固定子(3)と
を備え、
前記回転子は、
前記固定子と対向する外周面(11)と、複数の磁気障壁部(13,131〜133)とを有する回転子用コア(10)と、
前記回転子用コアにおいて前記回転軸の周りで環状に配置され、前記回転軸を中心とした周方向で交互に異なる磁極を発生する2p個の磁極面(11a〜11d)を前記外周面に形成する、複数の永久磁石(20)と
を備え、
前記複数の磁気障壁部は、前記回転軸に垂直な所定の断面において、前記周方向で前記回転子用コアを前記磁極面ごとに区分して得られる2p個のコア部(R1〜R4)のうち、前記固定子の中心(Q3)に対して前記回転子の中心(Q1)側に位置する第一のコア部(R1)の、前記永久磁石に対して前記回転軸とは反対側に位置する部分に設けられ、かつ前記第一のコア部の前記外周面の前記周方向における中心(PC1)と前記回転軸とを結ぶ直線(A1)に対して対称な位置に設けられ、
前記回転軸を中心とした径方向における前記複数の磁気障壁部(13)の幅は、前記断面における前記エアギャップの最大値(G1)と最小値(G2)との差(W)の2倍よりも小さく、
前記第一のコア部の形状と、前記2p個のコア部のうち前記回転軸に対して前記第一のコア部と反対側に位置する第二のコア部(R3)の形状とは、前記回転軸に対して非対称である、回転電機。 - 前記複数の磁気障壁部(13,131〜133)のいずれもが前記直線(A1)を避けて設けられる、請求項1に記載の回転電機。
- 前記複数の磁気障壁部(13,131〜133)の一つが前記直線(A1)上に設けられる、請求項1に記載の回転電機。
- 前記第1のコア部(R1)における前記中心(PC1)を、前記回転軸(P)を中心として±360/(2p+1)度回転させた位置において、前記永久磁石(20)に対して前記回転軸とは反対側に設けられる第2の磁気障壁部(14)を更に備える、請求項1から3の何れか一つに記載の回転電機。
- 前記回転軸(P)に沿う軸方向の一方側から他方側へと向かって、前記第一のコア部と前記固定子との間の前記エアギャップが増大するように前記回転子(1)および前記固定子(3)とが配置されており、
前記複数の磁気障壁部(13)の前記幅は、前記軸方向において前記一方側から前記他方側へと向かって低減する、請求項1から4の何れか一つに記載の回転電機。 - 前記複数の磁気障壁部(131)は前記磁極面に設けられる溝部である、請求項1から5の何れか一つに記載の回転電機。
- 前記磁気障壁部(132)は前記永久磁石(20)と前記磁極面(11a)との間に設けられた非磁性体である、請求項1から5の何れか一つに記載の回転電機。
- 前記回転子用コア(10)は、
前記回転軸(P)に沿う方向に積層された複数の電磁鋼板
を更に有し、
前記複数の電磁鋼板の少なくとも複数枚には相互に嵌合して前記回転軸に沿った軸方向における固定のために複数の凹凸(114)が設けられ、当該凹凸は前記複数の磁気障壁部(133)として機能する、請求項1から5の何れか一つに記載の回転電機。
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