JP2009011131A - アキシャルギャップ型回転機及び圧縮機 - Google Patents

アキシャルギャップ型回転機及び圧縮機 Download PDF

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Yoshinari Asano
能成 浅野
Shin Nakamasu
伸 中増
Atsushi Kito
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Abstract

【課題】減磁を防止するアキシャルギャップ型回転機を提供する。
【解決手段】回転軸Pを中心とした周方向で隣り合う前記巻線磁心32同士の間の第1等価エアギャップ(b;2×a)は、回転軸Pの延在方向における巻線磁心12,32の間の第2等価エアギャップの2倍の値よりも小さい。より具体的には、第1等価エアギャップは、固定子30と回転子20との間の第1エアギャップの2倍程度である。第2等価エアギャップは、第1エアギャップの2倍と、固定子10と回転子20との間の第2エアギャップの2倍と、回転軸Pに平行な方向における永久磁石21の厚みとの和と同程度である。よって、電機子巻線33が呈する磁束は、第1等価エアギャップを介して隣接する巻線磁心32へと伝達し、以って永久磁石21を貫通する磁束を低減できる。ひいては、永久磁石21の減磁を防止できる。
【選択図】図2

Description

本発明はアキシャルギャップ型回転機及び圧縮機に関し、特に一の回転子の両側に固定子が設けられたアキシャルギャップ型回転機に関する。
特許文献1には回転子の両側に固定子が配置されたアキシャルギャップ型回転機が開示されている。一方の固定子には電気子巻線が巻回され、他方の固定子には電機子巻線が巻回されていない。このようなアキシャルギャップ型回転機においては、磁束は、一方の固定子、回転子、他方の固定子からなる閉回路を通る。
なお、本発明に関連する技術として特許文献2,3が開示されている。
特開2006−353078号公報 特開平1−172428号公報 特開昭61−185040号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、例えば回転子がロックして電機子巻線に大電流が流れた場合、磁束が永久磁石を貫通して減磁する可能性があった。
そこで、本発明は減磁を防止するアキシャルギャップ型回転機を提供することを目的とする。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第1の態様は、所定の軸(P)の周囲で環状に配される複数の第1磁心(32)と、前記軸の延在方向を軸として前記第1磁心の周りで巻回される第1巻線(33)と、前記延在方向において前記第1磁心と対向し、前記延在方向において相互に対向して互いに異なる磁極面を呈する第1表面及び第2表面を有する永久磁石(21)と、前記延在方向において前記第1磁心とは反対側で前記永久磁石と対向する第2磁心(12)と、前記延在方向を軸として前記第2磁心の周りで巻回され、前記第1巻線の巻数よりも少ない巻数を有する第2巻線(13)とを備え、前記軸を中心とした周方向で隣り合う前記第1磁心同士の間の第1等価エアギャップ(b;a1+a2)は、前記延在方向における前記第1磁心と第2磁心との間の第2等価エアギャップの2倍の値よりも小さい。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第2の態様は、第1の態様に係るアキシャルギャップ型回転機であって、前記第1巻線(33)および前記第2巻線(13)は多相巻線であって、同一の相を呈する前記第1巻線及び前記第2巻線に流れる電流は互いに等しい。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第3の態様は、第1又は第2の態様に係るアキシャルギャップ型回転機であって、前記延在方向における前記第1磁心(32)側で前記永久磁石(21)に設けられた第1磁性体コア(22)を更に備える。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第4の態様は、第1乃至第3のいずれか一つの態様に係るアキシャルギャップ型回転機であって、前記周方向において隣り合う前記永久磁石(21)同士の間で、前記永久磁石とは隔たって配置された第2磁性体コア(23)を更に備える。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第5の態様は、第4の態様に係るアキシャルギャップ型回転機であって、前記第2磁性体コア(23)において、前記第1磁心(32)側における前記周方向の長さが、前記第2磁心(12)側における前記周方向の長さより長い。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第6の態様は、第4又は第5の態様に係るアキシャルギャップ型回転機であって、前記第2磁性体コア(23)を、前記軸(P)側において前記周方向で相互に連結する連結部(26)を更に備える。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第7の態様は、第1乃至第6のいずれか一つの態様に係るアキシャルギャップ型回転機であって、前記延在方向において前記第2磁心(12)側で前記永久磁石(21)に設けられる第3磁性体コア(24)を更に備える。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第8の態様は、第7の態様に係るアキシャルギャップ型回転機であって、前記延在方向における前記第1磁性体コア(22)の厚みと、前記延在方向における前記第3磁性体コアの厚み(24)との比は、前記第1巻線(13)の巻数と前記第2巻線(33)の巻数の比と同一である。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第9の態様は、第1乃至第8のいずれか一つの態様に係るアキシャルギャップ型回転機であって、前記第1磁心(32)は前記延在方向において前記永久磁石(21)側に一端を有し、前記一端は周方向において広がる鍔形状を有している。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第10の態様は、第1乃至第9のいずれか一つの態様に係るアキシャルギャップ型回転機であって、前記第1巻線(33)および前記第2巻線(13)は同一の線径を有する導線からなり、前記延在方向における前記第1磁心(32)の長さは、前記延在方向における前記第2磁心(12)の長さよりも長く、前記軸に垂直な面における前記第1磁心の面積は、前記面における前記第2磁心の面積よりも広い。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第11の態様は、第1乃至第10のいずれか一つの態様に係るアキシャルギャップ型回転機であって、前記永久磁石(21)とは反対側で前記第1磁心(12)を前記周方向に連結し、電磁鋼板が前記延在方向に積層されたバックヨーク(11)を更に備える。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第12の態様は、第1乃至第11のいずれか一つの態様に係るアキシャルギャップ型回転機であって、前記第1巻線(33)及び前記第2巻線(13)はそれぞれ第1乃至第3相からなる巻線であって、前記第1巻線及び前記第2巻線は、前記延在方向において前記永久磁石(21)からみて、互いに同一方向に電流が流れ、前記第1相を呈する前記第1巻線が巻回された前記第1磁心(32)は、それぞれ前記第2相及び前記第3相を呈する前記第2巻線が巻回された隣り合う前記第2磁心(12)同士の間と前記延在方向において対向する。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第13の態様は、第1乃至11のいずれか一つの態様に係るアキシャルギャップ型回転機であって、前記第1巻線(33)及び前記第2巻線(13)は前記延在方向において前記永久磁石(21)からみて、互いに反対方向に電流が流れ、同一の相を呈する前記第1磁心(32)及び前記第2磁心(13)は、前記延在方向において相互に対向する。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第14の態様は、第2乃至第11のいずれか一つの態様に係るアキシャルギャップ型回転機であって、前記永久磁石(21)は、前記軸(P)を中心として前記第1磁芯(32)及び前記第2磁心(12)に対して所定の方向に回転し、一の相を呈する前記第1巻線(33)が巻回された前記第1磁芯(32)の前記周方向における中心位置は、前記一の前記相を呈する前記第2巻線(13)が巻回された一の前記第2磁心(12)の周方向における中心位置と、前記一の前記第2磁心と前記所定の方向側で隣り合う前記第2磁心との間の前記周方向における中心位置と、の間の何れかの位置と対向する。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第15の態様は、第1乃至第14のいずれか一つの態様に係るアキシャルギャップ型回転機であって、前記軸方向における前記第1磁心(32)の長さは前記軸方向における前記第2磁心(12)の長さよりも長く、前記第1巻線(33)及び前記第2巻線(13)は相毎に結線されており、前記第1巻線及び前記第2巻線の結線は前記第1磁心(32)側に設けられる。
本発明にかかる圧縮機の第1の態様は、第1乃至第15のいずれか一つの態様にかかるアキシャルギャップ型回転機(1)と、前記軸(P)を含む領域に配され前記アキシャルギャップ型回転機によって前記軸を中心として回転されるシャフト(80)と、前記シャフトを介して前記アキシャルギャップ型回転機によって駆動される圧縮機構(40)とを備える。
本発明にかかる圧縮機の第2の態様は、第1の態様に係る圧縮機であって、前記圧縮機構(40)は、前記シャフトの回転によって偏芯して回転し、前記延在方向において前記第2磁心(12)に対して前記永久磁石(21)とは反対側に配されており、前記永久磁石は所定の部材(22,23,27)によって前記シャフト(80)に固定されており、前記部材に設けられ、前記軸を中心とした径方向において前記軸を中心とした前記永久磁石の重量の対称性を崩す主バランサと、前記延在方向において前記圧縮機構とは反対側の前記シャフト(80)の一端に設けられ、前記径方向において前記軸を中心とした前記シャフトの重量の対称性を崩す副バランサとを備える。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第1の態様によれば、励起された一の第1巻線が呈する磁束は、励起された第2巻線が呈する磁束よりも大きい。また第2等価エアギャップの2倍の値よりも第1等価エアギャップの方が小さい。よって、当該一の第1巻線が呈する磁束は、第2等価エアギャップを介して、つまり永久磁石を貫通して、第2磁心へと伝達するよりも、第1等価エアギャップを介して、当該一の第1巻線が巻回された第1磁心の隣の第1磁心へと伝達される。ひいては、永久磁石の減磁を防止できる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第2の態様によれば、第1の態様にかかるアキシャルギャップ型回転機の実現に寄与する。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第3の態様によれば、第1等価エアギャップを容易に第2等価エアギャップよりも小さくできる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第4の態様によれば、q軸インダクタンスを向上でき、以ってリラクタンストルクを有効に活用できる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第5の態様によれば、巻数の多い第1巻線側において第2磁性体コアの磁路を大きくでき、以って、第1巻線側においてリラクタンストルクをより有効に活用できる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第6の態様によれば、励磁された第1巻線が呈する磁束は第2磁性体コアを介して連結部へと伝達されて、周方向において隣接する第2磁性体コアを介して第1磁芯へと伝達される。よって、当該磁束が第2磁芯を介さないので、当該磁束が通る磁路の磁気抵抗を低減することができる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第7の態様によれば、第2巻線が呈する磁束が永久磁石を貫通することを抑制でき、以って永久磁石の減磁を防止できる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第8の態様によれば、第3磁性体コアの厚みを低減できる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第9の態様によれば、永久磁石の減磁を更に抑制できるとともに、第1磁心のパーミアンス係数を向上でき、以って永久磁石の動作点を向上できる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第10の態様によれば、第1磁心と第2磁心の磁気抵抗を同一にできる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第11の態様によれば、バックヨークの磁気抵抗を向上できる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第12及び第13の態様によれば、励起された第1巻線及び第2巻線が永久磁石に対して呈する磁界は、互いに約180度位相がずれる。永久磁石は、第1巻線側の面及び第2巻線側の面で互いに異なる磁極性を呈すので、これらの磁界によって永久磁石に生じるトルクを同一とすることができ、以って効率のよいアキシャルギャップ型回転機を提供できる。また、第1磁心と第2磁心は延在方向において同一相が巻回された磁心同士がロータを介して相対しないため、より減磁に対して強くなる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型回転機の第14の態様によれば、第1巻線を第2巻線よりも進んだ電流位相で励起できる。よって、第1巻線側でリラクタンストルクを有効に活用できる。言い換えれば、第1磁心側のマグネットトルクとリラクタンストルクの合計が最大となる位置と、第2磁心側のマグネットトルクとリラクタンストルクの合計が最大となる位置とを両立させることができる。
本発明にかかる圧縮機の第1の態様によれば、永久磁石の減磁を防止できる圧縮機を提供できる。
本発明にかかる圧縮機の第2の態様によれば、圧縮機構の偏芯によるアンバランスを補正するために、副バランサと主バランサを設けることができる。また、巻数の少ない第2磁心側で圧縮機構が配設されるので、副バランサと圧縮機構とを近くに配置でき、以って副バランサの重量の絶対値を低減できる。
第1の実施の形態.
図1は、本発明にかかる第1の実施の形態のアキシャルギャップ型回転機(以下、単に回転機と呼ぶ)の一例を、回転軸に沿って分解した概念的な斜視図である。図2は、図1に示す回転機のA−A断面図である。A−A断面は、回転軸Pを中心とした周方向(以下、単に周方向と呼ぶ)における断面である。
回転機1は、固定子10,30と、回転子20とを備えている。固定子10、回転子20及び固定子30は回転軸Pに沿ってこの順で配置されている。
固定子10はバックヨーク磁心11と、巻線磁心12と、電機子巻線13とを備えている。巻線磁心12は回転軸Pの周囲で環状に配されている。バックヨーク磁心11は回転軸Pの延在方向(以下、単に軸方向と呼ぶ)において回転子20とは反対側で巻線磁心12を連結している。
電機子巻線13は、回転軸Pと平行な方向を軸として、巻線磁心12の周りで巻回されている。また電機子巻線13は例えば多相巻線(例えば三相巻線)から構成されている。より具体的には、例えば12個の巻線磁心12の各々に三相の電機子巻線13が巻回される。
なお、本願で特に断らない限り、電機子巻線は、これを構成する導線の一本一本を指すのではなく、導線が一纏まりに巻回された態様を指す。これは図面においても同様である。また、巻き始め及び巻き終わりの引き出し線、及びそれらの結線も図面においては省略した。また、電機子巻線の各々が一つの巻線磁心に巻回された、いわゆる集中巻が例示されているがこれに限らず、例えば分布巻であってもよい。本実施の形態においては、集中巻を例にとって説明する。
固定子30はバックヨーク磁心31と、巻線磁心32と、電機子巻線33とを備えている。巻線磁心32は回転軸Pの周囲で環状に配されている。なお、巻線磁心12,32は軸方向において互いに反対側で永久磁石21と対向していると把握できる。バックヨーク磁心31は軸方向において回転子20とは反対側で巻線磁心32を連結している。
電機子巻線33は、回転軸Pと平行な方向を軸として、巻線磁心32の周りで巻回されている。また電機子巻線33は例えば多相巻線(例えば三相巻線)から構成されている。より具体的には、例えば12個の巻線磁心32に三相の電機子巻線33が巻回されている。
電機子巻線33の巻数は電機子巻線13の巻数よりも多い。例えば電機子巻線33の巻数は、電機子巻線13の2倍、若しくはそれ以上あってもよい。
また同一の相を呈する電機子巻線13,33を流れる電流は互いに等しい。具体的な接続としては、同一の相を呈する電機子巻線13,33をそれぞれ直列で接続し、各相の直列の一端同士を中性点で接続すればよい。
また図3に示すような接続であってもよい。図3は電機子巻線13,33の接続の一例を示す概念的な回路図である。図3においては、電機子巻線13が呈するU相巻線を電機子巻線13U1〜13U4として、V相巻線を13V1〜13V4として、W相巻線を13W1〜13W4としてそれぞれ付記している。電機子巻線33についても同様である。
より具体的には、直列接続された電機子巻線13U1,13U2,33U1,33U2の一組と、直列接続された電機子巻線13U3,13U4,33U3,33U4の一組とが並列に接続されている。V相、W相を呈する電機子巻線13,33の接続も同様である。そして、これら並列接続されたU相、V相、W相の各々の一端が中性点Nで接続されている。このような接続であっても、同一の相を呈する電機子巻線13,33には互いに同一の電流が流れる。
なお、直列接続された電機子巻線13U1,33U1の一組と、同じく直列接続された電機子巻線13U2,33U2の一組と、電機子巻線13U3,33U3の一組と、電機子巻線13W4,33W4の一組とが互いに並列に接続されていてもよい。V相、W相についても同様である。言い換えると、直列接続される一組の各々において、電機子巻線13の構成数と電機子巻線33の構成数が同一であればよい。つまり、互いに並列に接続される巻線の組が同一抵抗であることにより、同一電流を流すことができる。
このような構成の固定子10,30において、電機子巻線33の巻数は電機子巻線13の巻数よりも多く、電機子巻線13,33に流れる電流は等しいので、電機子巻線33が呈する磁束は、電機子巻線13が呈する磁束よりも多くなる。
なお、電機子巻線13,33の引き出し線や中性点といった結線は固定子30に設けることが望ましい。電機子巻線13,33を構成する導線の線径が互いに同等であって、電機子巻線13,33の占積率が互いに同等であれば、巻線磁心12,32の軸方向における長さの比は、電機子巻線13,33の巻数の比と同等である。よって、軸方向における長さが長い巻線磁心32側において結線を設けることで、容易に結線を行うことができる。
より具体的には、例えば図3に示すように、電機子巻線33U1,13U1,13U2,33U2をこの順で直列に接続し、電機子巻線33U3,13U3,13U4,33U4をこの順で直列に接続することで、このような結線を固定子30に設けることができる。
また、軸方向における巻線磁心32の長さが軸方向における巻線磁心12の長さよりも長ければ、巻線磁心32の磁気抵抗は巻線磁心12の磁気抵抗よりも大きい。この点に鑑みて、回転軸Pに垂直な面における巻線磁心32の面積は、当該面における巻線磁心12の面積よりも大きくしてもよい。この場合、巻線磁心12,32の磁気抵抗を同等にすることができる。
回転子20は、永久磁石21と、回転子磁心22,23とを備えている。永久磁石21は回転軸Pの周囲で環状に配されている。永久磁石21は、軸方向で相互に対面し、互いに異なる磁極面を呈する表面を有している。
回転子磁心22は、例えば軟磁性体であって、軸方向における固定子30側で永久磁石21に設けられている。回転子磁心22は、少なくとも磁束の流れに直交する方向に対して高い抵抗率を有することが望ましい。より具体的には例えば圧粉鉄心で構成されてもよい。これにより渦電流を低減することができ、ひいては渦電流損によるブレーキトルクの発生を防止できる。
回転子磁心23は、周方向で隣り合う永久磁石21同士の間で永久磁石21とは隔たって配置されている。周方向における磁極の中心の位置、すなわち、永久磁石21の中心を通る径方向をd軸とすると、回転子磁心23は、当該d軸と電気的に直交するq軸に設けられることになる。つまり、d軸インダクタンスに対してq軸インダクタンスを向上できるので、q軸インダクタンスとd軸インダクタンスの差に起因して発生するリラクタンストルクを、マグネットトルクにあわせて利用することができる。なお、回転子磁心23は設けられていなくても構わない。
なお、図1,2においては回転子20として永久磁石21、回転子磁心22,23のみが示されているが、実際は、非磁性体によってこれらを相互に固定するとともに図示せぬシャフトと締結されている。
このような構成の回転機1によれば、例えば回転子20がロックして電機子巻線13,33に大電流が流れた場合であっても、永久磁石21の減磁を抑制することができる。以下、具体的に説明する。
なお、電機子巻線13は電機子巻線33よりも巻数が少ないので、電機子巻線13によって永久磁石21へ印加し得る逆磁界は小さく、その影響は無視できるものとする。
電機子巻線33が呈する磁束は、回転子磁心22、永久磁石21、巻線磁心12、バックヨーク磁心11、隣接する巻線磁心12、回転子磁心23をこの順で通って巻線磁心32へと伝達する第1磁路、若しくは回転子磁心22を介して隣接する巻線磁心32へと伝達する第2磁路の何れかを通り得る(図2を参照)。
第1磁路は、巻線磁心32と回転子20との間の第1エアギャップ(図においてa1で示す)および巻線磁心12と回転子20との第2エアギャップ(図においてcで示す)をそれぞれ2回通っている。また、永久磁石21の透磁率(例えば1.05程度)は回転子磁心22,23の透磁率に比べて空気の透磁率に十分に近いので、永久磁石21はエアギャップとみなすことができる。よって、第1磁路の等価エアギャップは、第1エアギャップの2倍と第2エアギャップの2倍と永久磁石21の軸方向における厚み(図においてdで示す)との和と同程度である。
なお、より正確に等価エアギャップを考慮するには、例えば軸方向における永久磁石21の厚みに、永久磁石21の比透磁率を掛けた値を、永久磁石21にかかる等価エアギャップとして用いてもよい。
他方、第2磁路は、巻線磁心32と回転子20との間の第1エアギャップと、隣接する巻線磁心32と回転子磁心22との間の第3エアギャップ(図においてa2で示す)とを通り、その等価エアギャップは第1エアギャップと第3エアギャップの和と同程度である。
本回転機1においては、第2磁路の等価エアギャップが第1磁路の等価エアギャップに比べて小さくなるように、固定子10,30と回転子20との相互の位置関係が設定されている。電機子巻線33が呈する磁束は電機子巻線13が呈する磁束よりも大きく、第2磁路の等価エアギャップが第1磁路の等価エアギャップよりも小さいので、電機子巻線33が呈する磁束の大部分は第2磁路を通って隣接する巻線磁心32へと伝達される。
従って、例えば回転子20がロックされて電機子巻線33に大電流が流れたとしても、電機子巻線33による磁束が永久磁石21を貫通することを抑制し、ひいては永久磁石21の減磁を抑制できる。
なお、周方向における回転子磁心22の長さW1は、隣接する回転子磁心23と接しない程度で長いほうが好ましい。当該長さを短くすると第3エアギャップが長くなるので、第2磁路の等価エアギャップが長くなるからである。
長さW1が十分に長い場合、例えば長さW1が周方向において一つ飛ばしで隣り合う巻線磁心32の間の最小長さW2と同程度の場合、第3エアギャップ(a2)を第1エアギャップ(a1)と同程度まで小さくできる。この場合、第2磁路の等価エアギャップ(2・a1+2・c+d)と第1磁路の等価エアギャップ(a1+a2)の差は、第2エアギャップの2倍と永久磁石21の厚み(2・c+d)と同程度である。
従って、第1磁路と第2磁路の等価エアギャップの大小関係は、第1エアギャップと第2エアギャップの間隔にほとんど依存しない。言い換えるならば、固定子10,30、回転子20の相互の間の間隔を厳密に決定する必要がなく、容易に第2磁路の等価エアギャップを第1磁路の等価エアギャップよりも小さくできる。
また、第1エアギャップおよび第2エアギャップの間隔にほとんど依存しないので、これらを機械加工精度上の最小値まで小さくできる。よって、第1エアギャップ及び第2エアギャップにかかる磁気抵抗を小さくでき、以って永久磁石21の動作点磁束密度を上昇させることができる。ひいては、永久磁石21のエネルギーを有効に利用することができる。
また、回転子磁心22と回転子磁心23との間隙が十分に小さければ、回転子磁心22,23を介して巻線磁心32へ伝達する磁路を形成でき、以って第1磁路を通る磁束を更に低減できる。当該間隙は例えば軸方向における永久磁石21の厚みよりも小さくするとよい。
なお、本実施の形態においては、回転子磁心22,23を設けた態様で説明したが必ずしもこれに限らない。回転子磁心22,23が設けられていない場合は、第2磁路の等価エアギャップが第1磁路の等価エアギャップよりも小さくなるように、軸方向における固定子10,30の間の長さを決定すればよい。より具体的には、第2磁路の等価エアギャップとして機能し得る、隣接する巻線磁心32同士の間の周方向における長さbが、第1磁路の等価エアギャップとして機能し得る、固定子10,30の間の長さの2倍の値よりも小さくすればよい。この内容は、周方向で隣り合う巻線磁心32同士の間の等価エアギャップは、延在方向における巻線磁心12と巻線磁心32との間の等価エアギャップの2倍の値よりも小さいと把握できる。
なお、回転子磁心22を設けない場合、隣接する巻線磁心32の間には電機子巻線33が存在するため、長さbを小さくすることは困難である。つまり第2磁路の等価エアギャップを小さくすることが困難であり、ひいては第1磁路の等価エアギャップを小さくすることも困難である。そこで、後述するように、巻線磁心の先端の幅を大きくする鍔部をもうけることが望ましい。
次に、巻線磁心12,32と電機子巻線13,33について更に詳述する。同一の相を呈する巻線磁心12,32は軸方向において互いに対向している。電機子巻線13,33は軸方向において永久磁石21から見て、互いに反対方向となる電流が流れる。
よって、励起された電機子巻線13,33が永久磁石21に対して呈する磁界は、互いに180度位相がずれる。永久磁石21は、固定子10,30側において互いに異なる磁極面を呈すので、これらの磁界によって永久磁石21に生じるトルクを同一とすることができ、以って効率のよい回転機1を提供できる。
また、軸方向において互いに反対方向となるスラスト力を生じさせることができるので、回転子に働くスラスト力を低減することができる。ひいては、シャフト(図示せず)を回転可能に支持する軸受(図示せず)の軸受損失を低減し、また軸受寿命を延ばすことができる。なお、固定子30側では、電機子巻線33による磁束が大きいので、特に電流を進角させて制御すれば、永久磁石21の磁束が弱められてスラスト力が減少する。従って、この場合は第1エアギャップを第2エアギャップよりも小さくしてもよい。
図4は本回転機1の変形例を示している。図4における断面図では、固定子10と回転子20との間および固定子30と回転子20との間を誇張して示している。以下の図面においても同様である。図2と比較して、バックヨーク磁心11,31が軸方向に積層された電磁鋼板によって構成されている。そして、巻線磁心12,32がそれぞれバックヨーク磁心11,31に埋め込まれて固定されている。若しくは軸方向に貫通して固定されてもよい。
このようなバックヨーク磁心11,31においては、電磁鋼板の皮膜や積層間の隙間がエアギャップとなるので、バックヨーク磁心11,31の内部を通る磁束の流れに対して垂直な方向で磁気抵抗を増大することができる。よって、渦電流損の発生を抑制し、以って渦電流損によるブレーキトルクを低減することができる。
また、巻線磁心12,32をバックヨーク磁心11,31とは別に設けるので、バックヨーク磁心11,31において、電磁鋼板の相互間を固定するカラマセの突起を回転子20側に設けることができる。よって、軸方向における回転機1のサイズを低減できる。
図5は本回転機1の他の変形例を示している。図5における斜視図では、固定子10と回転子20との間および固定子30と回転子20との間を誇張して示している。以下の図面においても同様である。
図1と比較して、巻線磁心32は、回転子20側の一端で周方向において幅広となる鍔形状を有している。当該鍔形状により、軸方向において回転子磁心22と対向する巻線磁心32の面積が増える、若しくは、第3エアギャップ(a2)が小さくなるので、第2磁路を通る磁束が増える。よって、永久磁石21の減磁を更に抑制できる。また、当該鍔形状によってパーミアンス係数を向上でき、以って永久磁石21の動作点を向上させることができる。言い換えると、永久磁石21が呈する磁束のより多くを電機子巻線33に鎖交させることができる。
なお、巻線磁心32は幅広の鍔形状を有しているので、スラスト力が働く面積が増える。この点を鑑みて第1エアギャップをより長くしてもよい。この場合、スラスト力を低減できる。
図6は本回転機1の他の変形例を示している。図1と比較して、回転子20は、回転軸P側および回転軸Pとは反対側で周方向において回転子磁心22,23を相互に連結する薄肉部25を更に備えている。なお、回転子20は例えば非磁性体のボス(図示せず)を介してシャフト(図示せず)に固定される。
薄肉部25は径方向における長さが十分に小さく容易に磁気飽和する。これは永久磁石21の漏れ磁束を防止するためである。永久磁石21の漏れ磁束を防止するという観点では、薄肉部25は永久磁石21から一定距離離れていることが望ましい。
他方、薄肉部25が磁気飽和したとしても、回転子磁心22の周りは、磁気飽和した薄肉部25よりも透磁率の低い、永久磁石21やエアギャップによって囲まれているので、電機子巻線33が呈する磁束によって一の永久磁石21へ印加される逆磁界は、当該薄肉部25を通りやすい。よって、更に永久磁石21の減磁を抑制できる。なお、薄肉部25は永久磁石と一定の距離を設けることが望ましい。
図7,8は、本回転機1の他の変形例を示している。図1と比較して、回転子磁心23は固定子30側における周方向の長さが、固定子10側における周方向の長さよりも長い。電機子巻線33の巻数は電機子巻線13よりも多いので、固定子30側で回転子20に生じるトルクにおいては、固定子10側で回転子20に生じるトルクにおけるよりも、マグネットトルクに対するリラクタンストルクの割合が大きい。マグネットトルクは電流の1乗に、リラクタンストルクは電流の2乗に比例するからである。
回転子磁心23は巻線磁心32側における周方向の長さが比較的長いので、巻線磁心32側のリラクタンストルクの発生に寄与するq軸インダクタンスを比較的に大きくできる。ひいては、固定子30側においてリラクタンストルクを更に有効に活用できる。なお、電機子巻線13側からのリラクタンストルクを期待しないのであれば、回転子磁心23と固定子10との間の軸方向における長さは、回転子磁心23と固定子30との間の軸方向における長さに比べて十分に長くてもよい。
図9は、本回転機1の他の変形例を示している。図7と比較して、回転子20は、連結部26を更に備えている。連結部26は磁性体であって、回転軸P側において回転子磁心23を周方向相互に連結する。連結部26は径方向および軸方向に十分な長さを有している。なお、回転子磁心23、連結部26と、永久磁石21、回転子磁心22との間は図示せぬ非磁性体によって相互に固定されている。
固定子30から回転子磁心23へとわたった磁束は、一部は固定子10、回転子磁心23をこの順で介して固定子30へと戻る第3磁路をとるが、大部分は連結部26を介して固定子30へと戻る第4磁路をとる。第3磁路においては第1エアギャップ及び第2エアギャップをそれぞれ2回通るが、第4磁路においては第1エアギャップのみを2回通る。よって、回転子磁心23へとわたった磁束が通る磁路の磁気抵抗を小さくできる。
図10は、本回転機1の他の変形例を示している。回転子20は、回転子磁心24を更に備えている。回転子磁心24は回転子磁心22と同様であるので繰り返し説明することを避ける。
図10に示す回転機1によれば、電機子巻線13が呈する磁束により永久磁石21への逆磁界が生じて永久磁石21が減磁しうる場合であっても、当該磁束は回転子磁心24を介して隣接する巻線磁心12へと伝達されるので、永久磁石21の減磁を抑制できる。
なお、電機子巻線13が呈する磁束は電機子巻線33に比べて小さいので、軸方向における回転子磁心24の厚みは、回転子磁心23に比べて薄くてよい。より具体的には、回転子磁心24の厚みは回転子磁心23の厚みとの比が、電機子巻線13の巻数と電機子巻線33の巻数の比と同一程度であればよい。よって、軸方向における回転子磁心24の厚みを低減できる。
図11,12は本回転機1の他の変形例を示している。固定子30は回転子20の回転方向において、固定子10に比べてより進んだ位置にある。なお、一の相(例えばU相)を呈する巻線磁心32の周方向における中心位置は、当該一の相(例えばU相)を呈する一の巻線磁心12の周方向における中心位置と、当該一の巻線磁心12と回転方向側で隣り合う巻線磁心12との間の周方向における中心位置と、の間の何れかの位置と相互に対向する、と把握できる。
電機子巻線33の巻数は電機子巻線13よりも多いので、固定子30側で回転子20に生じるトルクにおいては、固定子10側で回転子20に生じるトルクにおけるよりも、マグネットトルクに対するリラクタンストルクの割合が大きくなる。よって、固定子30は固定子10に比べてより進んだ位置にあることが望ましい。マグネットトルクとリラクタンストルクの和が最大になる点は、電気角で0度より大きく45度未満の範囲内であり、固定子30は固定子10に比べて当該範囲で進めるとよい。なお、マグネットトルクを減少させないために、回転子磁心22も永久磁石21より進めることもできる。
また、図11,12に例示する回転機1においては、巻線磁心32と永久磁石21の設置数の最大公倍数が24であるので、コギングトルク周期は機械角で360°÷24=15°である。電気角でいうと、60度である。よって、固定子30は固定子10に比べて電気角で30度進めるのとよい。これにより、コギングトルクを低減することができる。なお、トルクの最大を期待する場合は、異なった値になる。
図13は本回転機1の他の変形例を示している。所定の相(例えばW相)を呈する電機子巻線33が巻回された巻線磁心32は、その他の2相(例えばU相、V相)を呈する電機子巻線13がおのおの巻回された隣り合う巻線磁心12同士の間と軸方向において対向する。
電機子巻線13,33は軸方向において永久磁石21からみて、互いに同一方向に電流が流れる。
電機子巻線13U1が呈する磁界HUと電機子巻線13V1が呈する磁界HVの合成磁界は、3相平衡である限り、電機子巻線13W1が呈する磁界HWと強さが同一であり方向が反対となる。他方、固定子30側においては、これに対向して、電機子巻線33W1が配されているので、固定子10,30は回転子20に対して同一方向のトルクを発生させることができる。
言い換えると、励起された電機子巻線13,33が永久磁石21に対して呈する磁界は、互いに180度位相がずれる。永久磁石21は、固定子10,30へと互いに異なる磁極性を呈すので、これらの磁界によって永久磁石21に生じるトルクを同一とすることができ、以って効率のよい回転機1を提供できる。また、巻線磁心12,32は軸方向において同一相が巻回された巻線磁心同士が回転子20を介して対向しないため、より減磁に対して強くなる。
なお、実際の製造においては、電機子巻線を単体で巻線磁心に巻回したものを、それぞれバックヨーク磁心に設ける点を鑑みると、電機子巻線13,33は軸方向において永久磁石21からみて同一方向かつ回転軸Pに垂直な方向からみて反対方向に巻回していることが望ましい。この場合、電機子巻線13,33を流れる電流を、回転軸Pに垂直な方向からみて同一方向に流せばよい。
第2の実施の形態.
第2の実施の形態にかかる圧縮機について説明する。図14は、上記の何れかの回転機1を適用した圧縮機の断面を示す概念的な構成図である。
圧縮機100は、いわゆる高圧型の圧縮機であり、ケーシングとしての略筒状の密閉型容器60内に、回転機1と、圧縮機構40とを備えている。回転機1と圧縮機構40とは回転軸Pに沿って配されている。また密閉型容器60の下部には、油留部51が設けられている。
回転機1は、第1の実施の形態で述べた回転機1のいずれでもよいが、例えば図1〜3で示した回転機1と同様の構成である。回転機1は、シャフト80を介して圧縮機構40を駆動する。また、回転機1は、固定子10が圧縮機構40側に位置するように配置されている。言い換えると、圧縮機構40は軸方向において固定子10に対して永久磁石21とは反対側に配置されている。
なお、バックヨーク磁心11,31のいずれもが密閉型容器60の内側に、例えば溶接等により固定され、固定子10,30と密閉型容器60が固定されている。バックヨーク磁心11,31と密閉型容器60とを焼き嵌めにより固定するためにはバックヨーク磁心11,31はある程度の強度が必要である。例えば図4に示すように積層された電磁鋼板で構成されているときは、バックヨーク磁心11,31と密閉型容器60を焼き嵌めにより固定されてもよい。
永久磁石21、回転子磁心22,23は非磁性体27によって相互に連結されている。そして、非磁性体27がシャフト80に締結されて、回転子20とシャフト80とが固定される。シャフト80は回転機1による回転力を圧縮機構40に伝達する。
圧縮機構40は、吸入管61から供給された冷媒を、回転機1の駆動を受けて圧縮動作を行い、圧縮した高圧冷媒を吐出管62から吐出する。回転機1は圧縮機構40と吐出管62の間、つまり高圧領域Hに配置されている。
なお、図14においては、固定子30を貫通したシャフト80が示されているが、これに限らず貫通していなくてもよい。
なお、回転子20はシャフト80を介して圧縮機構40と固定されている、いわゆる片持ち構造であるが、回転機1はアキシャルギャップ型回転機であるので、軸方向におけるシャフト80の長さは短くてもよい。よって、片持ち構造において生じやすいシャフト80の軸倒れが生じにくい。特に、軸受側に軸長の短い方のステータ(固定子10)を配置される場合、顕著である。
このような構成の圧縮機100によれば、永久磁石21の減磁を防止できる回転機1を備える圧縮機を提供できる。また、固定子30側で結線を設けることができるので、結線を容易とすることができる。なお、結線は巻線磁心32に対して回転軸Pと反対側に設けてもよく、回転軸P側に設けてもよい。
また、圧縮機構40は、回転軸Pに対して偏芯して回転することにより、圧縮室44の容積を変化させて冷媒を圧縮している。そこで、当該偏芯に起因するアンバランスを修正すべく、シャフト80に副バランサ71を、回転子20に主バランサ72を設けてもよい。
てこの原理より、副バランサ71は圧縮機構40から遠いほど、且つ主バランサ72は圧縮機構40に近いほど、副バランサ71及び主バランサ72の質量を低減することができる。なお、主バランサ72は、径方向において回転軸Pを中心とした永久磁石21の重量の対称性を崩すと把握でき、副バランサ71は径方向において回転軸Pを中心としたシャフト80の重量の対称性を崩すと把握できる。
本圧縮機100によれば、巻数の少ない固定子10が圧縮機構40側に位置しているので、固定子30が圧縮機構40側に位置する場合に比べて、回転子20に設けられた主バランサ72を圧縮機構40により近づけることができる。また、回転子20に主バランサ72を設けることで、径方向においてより遠い位置に主バランサ72を設けることができ、更に主バランサ72の質量を低減できる。
図15はシャフト80に副バランサ71を設けた態様の一例を示し、図16は回転子20に主バランサ72を設けた態様の一例を示している。図16に示すように、例えば回転軸Pと反対側に位置する回転子磁心23の周縁に、孔が設けられている。これにより、回転軸Pに対して当該孔と対称な位置に主バランサ72が設けられたことになる。図17に示すように、例えば圧縮機構40と反対側に位置するシャフト80の先端に切り欠きが設けられている。これにより、回転軸Pに対して当該切り欠きと対称な位置に副バランサ71が設けられたことになる。なお、シャフト80が固定子30を貫通して圧縮機構40と反対側に延在した態様であれば、副バランサ71を圧縮機構40から遠ざけることができる。
第1の実施の形態にかかるアキシャルギャップ型回転機の一例を示す概念的な斜視図である。 図1におけるアキシャルギャップ型回転機のA−A断面図である。 電機子巻線の接続を示す概念的な回路図である。 アキシャルギャップ型回転機の変形例を示す概念的な断面図である。 アキシャルギャップ型回転機の他の変形例を示す概念的な斜視図である。 アキシャルギャップ型回転機の他の変形例を示す概念的な斜視図である。 アキシャルギャップ型回転機の他の変形例を示す概念的な斜視図である。 図7におけるアキシャルギャップ型回転機の概念的な断面図である。 アキシャルギャップ型回転機の他の変形例を示す概念的な斜視図である。 アキシャルギャップ型回転機の他の変形例を示す概念的な斜視図である。 アキシャルギャップ型回転機の他の変形例を示す概念的な斜視図である。 図11におけるアキシャルギャップ型回転機の概念的な断面図である。 アキシャルギャップ型回転機の他の変形例を示す概念的な斜視図である。 第2の実施の形態にかかる圧縮機の一例を示す概念的な断面図である。 シャフトに副バランサを設けた態様を示す図である。 回転子に主バランサを設けた態様を示す図である。
符号の説明
10,30 固定子
11,31 バックヨーク磁心
12,32 巻線磁心
13,33 電機子巻線
21 永久磁石
22,23 回転子磁心

Claims (17)

  1. 所定の軸(P)の周囲で環状に配される複数の第1磁心(32)と、
    前記軸の延在方向を軸として前記第1磁心の周りで巻回される第1巻線(33)と、
    前記延在方向において前記第1磁心と対向し、前記延在方向において相互に対向して互いに異なる磁極面を呈する第1表面及び第2表面を有する永久磁石(21)と、
    前記延在方向において前記第1磁心とは反対側で前記永久磁石と対向する第2磁心(12)と、
    前記延在方向を軸として前記第2磁心の周りで巻回され、前記第1巻線の巻数よりも少ない巻数を有する第2巻線(13)と
    を備え、
    前記軸を中心とした周方向で隣り合う前記第1磁心同士の間の第1等価エアギャップ(b;a1+a2)は、前記延在方向における前記第1磁心と第2磁心との間の第2等価エアギャップの2倍の値よりも小さい、アキシャルギャップ型回転機。
  2. 前記第1巻線(33)および前記第2巻線(13)は多相巻線であって、同一の相を呈する前記第1巻線及び前記第2巻線に流れる電流は互いに等しい、請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転機。
  3. 前記延在方向における前記第1磁心(32)側で前記永久磁石(21)に設けられた第1磁性体コア(22)
    を更に備える、請求項1又は2に記載のアキシャルギャップ型回転機。
  4. 前記周方向において隣り合う前記永久磁石(21)同士の間で、前記永久磁石とは隔たって配置された第2磁性体コア(23)
    を更に備える、請求項1乃至3の何れか一つに記載のアキシャルギャップ型回転機。
  5. 前記第2磁性体コア(23)において、前記第1磁心(32)側における前記周方向の長さが、前記第2磁心(12)側における前記周方向の長さより長い、請求項4に記載のアキシャルギャップ型回転機。
  6. 前記第2磁性体コア(23)を、前記軸(P)側において前記周方向で相互に連結する連結部(26)を更に備える、請求項4又は5に記載のアキシャルギャップ型回転機。
  7. 前記延在方向において前記第2磁心(12)側で前記永久磁石(21)に設けられる第3磁性体コア(24)
    を更に備える、請求項1乃至6の何れか一つに記載のアキシャルギャップ型回転機。
  8. 前記延在方向における前記第1磁性体コア(22)の厚みと、前記延在方向における前記第3磁性体コアの厚み(24)との比は、前記第1巻線(13)の巻数と前記第2巻線(33)の巻数の比と同一である、請求項7に記載のアキシャルギャップ型回転機。
  9. 前記第1磁心(32)は前記延在方向において前記永久磁石(21)側に一端を有し、
    前記一端は周方向において広がる鍔形状を有している、請求項1乃至8の何れか一つに記載のアキシャルギャップ型回転機。
  10. 前記第1巻線(33)および前記第2巻線(13)は同一の線径を有する導線からなり、
    前記延在方向における前記第1磁心(32)の長さは、前記延在方向における前記第2磁心(12)の長さよりも長く、前記軸に垂直な面における前記第1磁心の面積は、前記面における前記第2磁心の面積よりも広い、請求項1乃至9の何れか一つに記載のアキシャルギャップ型回転機。
  11. 前記永久磁石(21)とは反対側で前記第1磁心(12)を前記周方向に連結し、電磁鋼板が前記延在方向に積層されたバックヨーク(11)
    を更に備える、請求項1乃至10の何れか一つに記載のアキシャルギャップ型回転機。
  12. 前記第1巻線(33)及び前記第2巻線(13)はそれぞれ第1乃至第3相からなる巻線であって、
    前記第1巻線及び前記第2巻線は、前記延在方向において前記永久磁石(21)からみて、互いに同一方向に電流が流れ、
    前記第1相を呈する前記第1巻線が巻回された前記第1磁心(32)は、それぞれ前記第2相及び前記第3相を呈する前記第2巻線が巻回された隣り合う前記第2磁心(12)同士の間と前記延在方向において対向する、請求項1乃至11の何れか一つに記載のアキシャルギャップ型回転機。
  13. 前記第1巻線(33)及び前記第2巻線(13)は前記延在方向において前記永久磁石(21)からみて、互いに反対方向に電流が流れ、
    同一の相を呈する前記第1磁心(32)及び前記第2磁心(13)は、前記延在方向において相互に対向する、請求項1乃至11の何れか一つに記載のアキシャルギャップ型回転機。
  14. 前記永久磁石(21)は、前記軸(P)を中心として前記第1磁芯(32)及び前記第2磁心(12)に対して所定の方向に回転し、
    一の相を呈する前記第1巻線(33)が巻回された前記第1磁芯(32)の前記周方向における中心位置は、前記一の前記相を呈する前記第2巻線(13)が巻回された一の前記第2磁心(12)の周方向における中心位置と、前記一の前記第2磁心と前記所定の方向側で隣り合う前記第2磁心との間の前記周方向における中心位置と、の間の何れかの位置と相互に対向する、請求項2乃至11の何れか一つに記載のアキシャルギャップ型回転機。
  15. 前記延在方向における前記第1磁心(13)の長さは前記周方向における前記第2磁心の長さよりも長く、前記第1巻線(33)及び前記第2巻線(13)は相毎に結線されており、前記第1巻線及び前記第2巻線の結線は前記第1磁心(32)側に設けられる、請求項1乃至14の何れか一つに記載のアキシャルギャップ型回転機。
  16. 請求項1乃至15の何れか一つに記載のアキシャルギャップ型回転機(1)と、
    前記軸(P)を含む領域に配され前記アキシャルギャップ型回転機によって前記軸を中心として回転されるシャフト(80)と、
    前記シャフトを介して前記アキシャルギャップ型回転機によって駆動される圧縮機構(40)と
    を備える、圧縮機。
  17. 前記圧縮機構(40)は、前記シャフトの回転によって偏芯して回転し、前記延在方向において前記第2磁心(12)に対して前記永久磁石(21)とは反対側に配されており、
    前記永久磁石は所定の部材(22,23,27)によって前記シャフト(80)に固定されており、
    前記部材に設けられ、前記軸を中心とした径方向において前記軸を中心とした前記永久磁石の重量の対称性を崩す主バランサと、
    前記延在方向において前記圧縮機構とは反対側の前記シャフト(80)の一端に設けられ、前記径方向において前記軸を中心とした前記シャフトの重量の対称性を崩す副バランサとを備える、請求項16に記載の圧縮機。
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