JP5644317B2 - 回転子 - Google Patents

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Description

本発明は回転子に関し、特に回転子用コアの形状に関する。
特許文献1にはコギングトルクを低減するとともに、誘起電圧の高調波含有率を低減し、振動と騒音を低減した回転子が記載されている。当該回転子は、回転子コアと、複数の永久磁石とを有している。複数の永久磁石は回転軸の周りで環状に配置されている。これらの複数の永久磁石は回転子コアに埋設されている。回転子コアの外周側面の径は永久磁石の両端で小さくなっている。
特開2005−52825号公報
しかしながら、回転子の振れ回りに起因する電磁力の(2N+1)次の高調波成分については記載も示唆もなく、またバランスウェイトも設けられていない。よって、仮に特許文献1において、外周側面のうち径が小さくなっている部分を磁気障壁部と把握したとしても、次のような磁気障壁部の位置についての記載や示唆はない。即ち、バランスウェイトの位置に関連した磁気障壁部の位置であって、電磁力の高調波成分のピークに対応する磁気障壁部の位置については記載も示唆もない。
本発明は固定子と共に回転電機を構成する回転子であって、当該固定子に流れる電流の位相(電流位相)として、磁気障壁部の位置に電磁力の(2N+1)次の高調波成分のピークの位相を対応させる位相が必ず存在する回転子を提供することを目的とする。このような回転子を、例えば当該位相の付近に電流位相を設定して駆動することにより、当該ピークは低減する。
本発明にかかる回転子の第1の態様は、所定の軸(P)の周りで環状に配置される複数の永久磁石(20)と、前記軸を中心とした周方向に沿って交互に異なる極性の磁極が、前記複数の永久磁石によって、前記軸を中心とした径方向に向かってそれぞれ発生する2N(Nは自然数)個の磁極面(11a〜11d)と、前記複数の永久磁石に対して前記磁極面側に設けられた(2N+1)個の磁気障壁部(111)とを有する回転子用コア(10)と、前記軸に沿う軸方向の一方側で前記回転子用コアに取り付けられるバランスウェイト(30)とを備え、前記磁極面の前記周方向における中心のうち前記周方向において前記バランスウェイトの重心(BP)に最も近い一つを基準位置(CP)とし、前記基準位置から前記周方向の一方側へと向かう方向を正の方向とし、前記重心(BP)が前記周方向において前記基準位置に対してなす角度を第1角度φとし、0以上2N以下の整数をMとすると、前記(2N+1)個の磁気障壁部の一つの前記周方向における中心(111c)が前記周方向において前記基準位置に対してなす第2角度αは、−28/N+φ/(2N+1)+360・M/(2N+1)≦α≦28/N+φ/(2N+1)+360・M/(2N+1)を満たす。
本発明にかかる回転子の第2の態様は、第1の態様にかかる回転子であって、前記(2N+1)個の磁気障壁部はそれぞれ前記周方向において等間隔に配置される。

本発明にかかる回転子の第3の態様は、第1又は第2の態様にかかる回転子であって、前記第1角度φは零である。
本発明にかかる回転子の第4の態様は、第1乃至第3のいずれか一つの態様にかかる回転子であって、前記磁気障壁部(111)は前記磁極面に設けられる溝部(112)である。
本発明にかかる回転子の第5の態様は、第1乃至第3のいずれか一つの態様にかかる回転子であって、前記磁気障壁部(111)は前記複数の永久磁石と前記磁極面との間に設けられた非磁性体(113)である。
本発明にかかる回転子の第6の態様は、第1乃至第3のいずれか一つの態様にかかる回転子であって、前記回転子用コア(10)は前記軸方向に積層された複数の電磁鋼板を有し、前記複数の電磁鋼板の少なくとも複数枚には前記軸方向で相互に嵌合する凹凸(114)が設けられ、当該凹凸は前記磁気障壁部(111)として機能する。
本発明にかかる回転子の第7の態様は、第1乃至第6の何れか一つの態様にかかる回転子であって、前記固定子用コア(10)に固定されて前記軸方向に延在するシャフトを備え、前記シャフトは前記軸方向の前記一方側又は他方側のみにおいて支持される。
本発明にかかる回転子の第1の態様によれば、径方向においてエアギャップを介して磁極面と対面するように固定子を配置することで回転電機を実現できる。回転子が有するコイルに電流を流すことで回転子に接続される負荷を駆動することができる。
またバランスウェイトを設けているので、回転子と接続される負荷の偏芯を抑制することができる。一方で、かかるバランスウェイトに起因して回転子が振れ回り、これによって電磁力の(2N+1)次の高調波成分が発生する。
この(2N+1)次の高調波成分のピークの位相角は、コイルに流れるd軸電流位相に影響して変動する。位相角は、d軸電流位相の全範囲において、基準位置を0として{−28/N+φ/(2N+1)+360・M/(2N+1)}度以上かつ{28/N+φ/(2N+1)+360・M/(2N+1)}度の範囲に属する。
したがって本回転子によれば、磁気障壁部111の位置が高調波成分のピークに対応する電流位相が少なくとも一つある。
本発明にかかる回転子の第2の態様によれば、電磁力の(2N+1)次の高調波成分のピークの全てを低減することができる。
本発明にかかる回転子の第3の態様によれば、バランスウェイトの周方向における中心を磁極面の周方向における中心の一つと一致させることができる。
本発明にかかる回転子の第4の態様によれば、溝部が設けられた位置における、回転子と固定子とのエアギャップを増大できるので、溝部を磁気障壁部として機能させることができる。
本発明にかかる回転子の第5の態様によれば、磁気障壁部が磁極面から離れて設けられているので、磁気障壁部は、回転子の側面(磁極面)と固定子との間のエアギャップの測定を阻害しない。よって、磁気障壁部の位置によらずエアギャップを測定できる。
本発明にかかる回転子の第6の態様によれば、磁気障壁部は電磁鋼板を固定する機能と、磁気障壁の機能とを発揮するので、それぞれの機能を発揮する専用の固定部、磁気障壁部を設ける場合に比べて、製造コストを低減できる。
本発明にかかる回転子の第7の態様によれば、回転子が振れ回りやすいので振動低減の抑制が効率的である。
第1の実施の形態に係る回転子の概念的な構成の一例を示す図である。 軸方向に沿って見た回転子の概念的な構成を示す図である。 振れ回りを説明するための図である。 振れ回りを説明するための図である。 振れ回りを説明するための図である。 振れ回りを説明するための図である。 磁束密度の二乗を示すグラフである。 電流位相と、磁極中心とピークとの間の角度差との関係を示す図である。 磁束密度の二乗を示すグラフである。 回転子の概念的な構成の他の一例を示す図である。 第2の実施の形態に係る回転子の概念的な構成の一例を示す図である。 第3の実施の形態に係る回転子の概念的な構成の一例を示す図である。 本回転子を有する圧縮機の概念的な構成の一例を示す図である。
第1の実施の形態.
<回転子の構成>
図1は回転子1の軸Pに垂直な断面を示す。ここに例示されるように、回転子1は回転子用コア10と複数の永久磁石20とバランスウェイト30とを備えている。なおバランスウェイト30は実際には当該断面には表れないものの、図1においては軸Pに沿う方向(以下、軸方向と呼ぶ)から見たバランスウェイト30が仮想線で示されている。
複数の永久磁石20は例えば希土類磁石(例えばネオジム、鉄、ホウ素を主成分とした希土類磁石)であって、所定の軸Pの周りで環状に並んで配置される。図1の例示では、各永久磁石20は直方体状の板状形状を有している。各永久磁石20は、軸Pを中心とした周方向(以下、単に周方向と呼ぶ)における自身の中央において、その厚み方向が、軸Pを中心とした径方向(以下、単に径方向と呼ぶ)に沿う姿勢で配置されている。なお、各永久磁石20は必ずしも図1に示す形状で配置される必要はない。各永久磁石20は、例えば軸方向から見て、軸Pとは反対側(以下、外周側とも呼ぶ)若しくは軸P側(以下、内周側とも呼ぶ)へと開口するV字形状、又は外周側若しくは内周側へと開口する円弧状の形状を有していてもよい。
また図1の例示では、周方向で隣り合う任意の一対の永久磁石20は外周側へと互いに異なる極性の磁極面20aを向けて配置される。これにより各永久磁石20は、回転子1と共に回転電機を構成する固定子(不図示)へと界磁磁束を供給する、いわゆる界磁磁石として機能する。
なお図1の例示では4つの永久磁石20(いわゆる4極の回転子1)が例示されているが、回転子1は2個の永久磁石20を有していてもよく、6個以上の永久磁石20を有していてもよい。また図1の例示では、4つの永久磁石20の各々が一つの界磁磁極を構成しているが、例えば一つの界磁磁極が複数の永久磁石20によって構成されていてもよい。言い換えれば、例えば図1における各永久磁石20がそれぞれ複数の永久磁石に分割されていてもよい。
回転子用コア10は軟磁性体(例えば鉄)で構成されている。図1の例示では、回転子用コア10は例えば軸Pを中心とした略円柱状の形状を有している。
回転子用コア10には複数の永久磁石20が格納される複数の磁石格納孔12が穿たれている。各磁石格納孔12は各永久磁石20の形状及び配置に合わせた形状を有している。図1の例示では、4つの磁石格納孔12が穿たれている。
各永久磁石20によって、回転子用コア10の外周側面11には、軸Pの周りで交互に異なる極性の磁極が径方向に向かって発生する2N(Nは1以上の整数)個の磁極面11a〜11dが形成される。図1の例示では、正極の磁極面20aを有する2つの永久磁石20がそれぞれ外周側面11に正極の磁極面11a,11cを形成し、負極の磁極面20aを有する2つの永久磁石20がそれぞれ外周側面11に負極の磁極面11b,11dを形成する。よって図1の例示では外周側面11には4個の磁極面11a〜11dが形成される。なおNは磁極の対の数(いわゆる極対数)である。
回転子用コア10は例えば軸方向に積層された電磁鋼板で構成されてもよい。これにより回転子用コア10の軸方向における電気抵抗を高めることができ、以って回転子用コア10を流れる磁束に起因した渦電流の発生を低減することができる。また回転子用コア10は、意図的に電気的絶縁物(例えば樹脂)を含んで形成される圧粉磁心によって構成されてもよい。絶縁物が含まれているので圧粉磁心の電気抵抗は比較的高く、以って渦電流の発生を低減できる。
回転子用コア10には例えば軸Pを中心とした略円柱状のシャフト用貫通孔13が設けられていてもよい。シャフト用貫通孔13を形成する側面は、外周側面11に対して内周側側面と把握できる。かかるシャフト用貫通孔13に不図示のシャフトを嵌合させて回転子用コア10とシャフトとが固定される。またシャフト用貫通孔13が設けられない場合は、例えば軸方向における回転子用コア10の両側に端板(不図示)を設け、当該端板にシャフトを取り付ければよい。
図1の例示では、回転子用コア10には一の界磁磁極を形成する永久磁石20の周方向における両側で空隙121が穿たれている。空隙121は永久磁石20の両側から外周側へと延在している。空隙121によって、永久磁石20の外周側の磁極面20aと内周側の磁極面20bとの間で磁束が短絡することを抑制できる。
図1の例示では空隙121は磁石格納孔12と連結されているが、磁石格納孔12と離間していてもよい。この場合、空隙121と磁石格納孔12との間には回転子用コア10の一部が介在するので、回転子用コア10の強度を向上できる。
図1の例示では、周方向で隣り合う永久磁石20同士の間には回転子用コア10の一部としてのリブ部14が介在している。かかるリブ部14はいわゆるq軸リラクタンスを向上することができる。よって、d軸リラクタンスとq軸リラクタンスとの差を増大でき、ひいてはリラクタンストルクを向上できる。
図1の例示では、リブ部14と、永久磁石20の外周側に存するコア部(回転子用コア10の一部)とは、空隙121の外周側にて相互に連結されている。かかる連結部15も回転子用コア10の一部として形成される。これにより、回転子用コア10の強度を向上することができる。なお、この連結部15の径方向における厚みは、当該連結部15を通る磁束によって容易に磁気飽和する程度に小さいことが望ましい。これにより、永久磁石20の磁極面20a,20bの間で磁束が、永久磁石20の外周側のコア部、連結部15、リブ部14、及び永久磁石20の内周側のコア部(回転子用コア10の一部)を経由して短絡することを防止できる。
バランスウェイト30は軸方向における一方側において回転子用コア10に取り付けられる。なお軸方向における一方側において回転子用コア10の端板が設けられる場合にはバランスウェイト30は当該端板に取り付けられてもよい。また図1の例示では、バランスウェイト30は軸方向から見てC字状且つ板状の形状を有している。バランスウェイト30はC字状の外周縁が外周側面11に沿う姿勢で配置されている。
このような回転子1に対して、径方向においてエアギャップを介して外周側面11と対面するように固定子(不図示)を配置することで回転電機を実現できる。そして例えば固定子が有するコイルへと電流を流すことで回転子1を回転させることができる。本回転電機はシャフトに取り付けられる負荷(例えば圧縮機構)を駆動することができる。
バランスウェイト30は、例えばシャフトに取り付けられて回転電機によって駆動される負荷の偏芯を防止するために設けられる。一方で、回転子1のうち軸方向の一方側に位置する部分に着目すれば、バランスウェイト30に起因して回転子1は軸Pを中心とした回転動作と並行して振れ回りをも行う。なおここでいう回転動作とは軸Pを中心とした自転運動であり、ここでいう振れ回りとは回転子1の中心が軸Pの周りで回転する公転動作である。
このような振れ回りによって磁束密度は高調波成分を有する。かかる磁束密度の高調波成分は電磁力の高調波成分を招き、ひいては回転子1の振動を招く。この点については後に詳述する。
さて回転子用コア10には磁気障壁部111が設けられている。磁気障壁部111は永久磁石20に対して外周側面11側に設けられる。図1の例示では磁気障壁部111は外周側面11に形成された溝部112として示されている。図1の例示では、溝部112は、周方向に沿った面112aと、当該面112aの周方向における両端から径方向の外周側へと延在する面112bとを有し、面112bは面112aと反対側で溝部112以外の外周側面11と連結している。
なお図1の例示では(2N+1)(=5)個の磁気障壁部111が設けられているものの、少なくとも一つの磁気障壁部111が設けられていれば良い。以下では磁気障壁部111の一つの周方向における位置について述べ、次に電磁力の高調波成分について述べ、続いて電磁力の高調波成分と磁気障壁部111との関連について述べる。
<磁気障壁部111の位置>
磁気障壁部111の位置を説明するために、まず基準位置CPを決定する。基準位置CPは、2N個の磁極面の周方向における中心(以下、磁極中心とも呼ぶ)のうち、周方向においてバランスウェイト30の重心BPに最も近い磁極中心に決定される。図1,2に例示では、バランスウェイト30の重心BPの周方向における位置と磁極中心の一つの周方向における位置とが互いに一致する。よって基準位置CPはこの磁極中心の一つに決定され、基準位置CPの周方向における位置は重心BPの周方向における位置と一致する。
ここでは、まず図1,2に例示される磁気障壁部111のうち、周方向において基準位置CPに最も近い磁気障壁部111の位置を説明する。この磁気障壁部111の周方向における中心111cが基準位置CPに対して軸Pを中心とした周方向においてなす角度αは次式を満足する。なお基準位置CPの周方向における位置が零度に対応し、回転子1の回転方向(例えば反時計回りの方向)が正の方向である。
−28/N≦α≦28/N ・・・(1)
<振れ回りに起因する電磁力>
回転子1は理想的には回転軸Pを中心とした回転動作を行うものの、上述したようにバランスウェイト30に起因して回転子1は軸Pを中心とした振れ回りも並行して行う。そして、この振れ回りにより回転子1と固定子との間のエアギャップが変動する。例えば図3に示すように、回転子1の中心Q1が固定子の中心Q2よりも紙面下方向にずれている場合のエアギャップについて考察する。なお、図3においては回転子1をより簡略化して示し、また固定子の回転子1に対向する面を破線で示している。また回転子1の中心Q1と固定子の中心Q2とのずれは実際には0.1mm程度であるものの、かかるずれを誇張して示している。
図3に示すように、エアギャップは紙面上側で最も大きく、紙面下側で最も小さく、紙面左右側において、回転子1の中心Q1と固定子の中心Q2とが互いに一致した際のエアギャップとほぼ一致する。
次に、回転子1が回転する場合に、例えば紙面最上に位置する点Aを通る位置でのエアギャップの変化について考察する。初期的には、点Aにおけるエアギャップは最大値を採る。そして、回転子1が例えば反時計回りに振れ回りを伴って回転することにより、点Aにおけるエアギャップは減少する。そして回転子1が90度回転したときに、図4に示すように、点Aにおけるエアギャップは、回転子1の中心Q1と固定子の中心Q2とが互いに一致したときのエアギャップと略一致する。
続く回転によっても点Aにおけるエアギャップは減少する。そして回転子1が180度回転したときに図5に示すように、点Aにおけるエアギャップは最小値を採る。続く回転によって点Aにおけるエアギャップは増大する。そして回転子1が270度回転したときに図6に示すように、点Aにおけるエアギャップは回転子1の中心Q1と固定子の中心Q2とが互いに一致したときのエアギャップと略一致する。続く回転によっても点Aにおけるエアギャップが増大し、回転子1が360度、回転したときに再び最大値を採る。
かかる点Aにおけるエアギャップの変動から理解できるように、点Aにおけるエアギャップは360度を1周期とする余弦波成分を多く有する。
またエアギャップが増大するに従って磁気抵抗が増大することに鑑みると、回転子1の振れ回りに起因してパーミアンスはエアギャップの変動と同様に変動する。したがって、点Aにおけるエアギャップの変動を余弦波成分で把握すると、点Aを通るパーミアンスRmを次式で表すことができる。
Rm=1+a・cosθ ・・・(2)
ただし、回転子1の中心Q1と固定子の中心Q2とが一致している場合のパーミアンスを1に規格化している。またaは回転子の中心Q1と固定子の中心Q2とのずれに起因する値である。aは回転子1の中心Q1と固定子の中心Q2とのずれが大きいほど大きくなる。θは回転子1の回転角(いわゆる機械角)である。
回転子1の中心Q1と固定子の中心Q2とが一致している場合の、回転動作に起因する起磁力B1は次式で表される。
B1=cos(Nθ) ・・・(3)
なお、簡単のためにパーミアンスRmと、起磁力B1との位相差をゼロとしている。また起磁力B1は磁束密度の振幅を1に規格化して把握されている。
そして、点Aにおいて回転子1と固定子との間を流れる磁束密度B2は、回転動作に起因する起磁力B1と、振れ回りに起因して変動するパーミアンスRmとの積で表される。
B2=Rm・B1
=(1+a・cosθ)cos(Nθ)
=cos(Nθ)+a/2・{cos(N+1)θ+cos(N−1)θ} ・・・(4)
式(4)の右辺で示すcos(Nθ)は回転動作に起因する磁束密度である。式(4)の右辺で示すa/2・{cos(N+1)θ+cos(N−1)θ}は振れ回りに起因する磁束密度である。回転子1が定常的に回転しているとき、回転子と固定子のそれぞれの対称性から、値aは角度θに依存せずに一定値を採ると考えられるので、磁束密度B2には振れ回りに起因して、回転角360度を1周期とする余弦波を基本波とする(N±1)次の高調波成分が生じる。
なお、ここではパーミアンスRmと起磁力B1との位相差をゼロと仮定したが、この位相差をφとして計算したとしても磁束密度B2には(N±1)次の高調波成分が生じることが導ける。
また式(3)に示すように振れ回りに起因するパーミアンスRmをcosθで表したが、実際には複数の次数の高調波成分を有する。しかしながら、式(3)のようにパーミアンスRmの変動の主な成分はcosθで表すことができる。よって磁束密度B2は(N±1)次の高調波成分を他の次数の高調波成分に比べてより多く含む。なお、cos(Nθ)はトルクに寄与する成分であり、磁束密度B2は他の高調波成分に比べてN次の高調波成分を最も多く含む。
電磁力は磁束密度B2の2乗で表されるところ、次式のように電磁力はcos(Nθ)とcos(N+1)θとの積を含む。
B22=[cos(Nθ)+a/2・{cos(N+1)θ+cos(N-1)θ}]2
=cos2(Nθ)+a2/4・cos2(N+1)θ+a2/4・cos2(N-1)θ+a・cos(Nθ)cos(N+1)θ
+a2/2・cos(N+1)θcos(N-1)θ+a・cos(Nθ)cos(N-1)θ ・・・(5)
式(2)において値aは1よりも小さいと考えられるから、a2を係数に持つ項を無視し、上式はcos2(Nθ)+a・{cos(Nθ)cos(N+1)θ+cos(Nθ)cos(N-1)θ}で近似される。更に三角関数の積和の公式を適用すれば、電磁力は下式のように近似される。
B22=1/2+cos(2Nθ)/2+a/2{cos(2N+1)θ+cos(2N-1)θ+2cosθ}・・・(6)
換言すれば、電磁力は(2N±1)次の高調波成分を含む。これは上述したように、磁束密度B2はN次、(N±1)次の高調波成分を他の次数の高調波成分に比べてより多く含むからである。しかも電磁力の(2N+1)次の高調波成分は他の次数の電磁力の高調波成分に比べて振動を招きやすい。
図7には、4極の回転子において発生する電磁力の5次の高調波成分の一例が示されている。図7の例示では、磁気障壁部111を有さない回転子についての5次の電磁力の高調波成分が示されている。なお図7の例示では基準位置CPが零度である。
本回転子1において、磁気障壁部111が電磁力の5次の高調波成分のピークに対応する位置に設けられると、当該ピークを低減することができる。一方で、当該ピークの位置はパーミアンスRmと起磁力B1との位相差Φに依存する。換言すれば、電磁力の5次の高調波成分は式(6)とは異なってcos{(2N+1)(θ+δ)}で表される。位相δは位相差Φに起因して生じる位相である。つまり位相差Φによって当該ピークの位置が横軸に沿って平行移動する。
また位相差Φは、換言すると、最も小さいエアギャップを与える外周側面11上の点B(図3〜7も参照)が、軸Pを中心とした周方向において基準位置CPに対してなす角度である。なお図3〜7の例示ではかかる角度は零度である。この位相差Φは回転電機のトルクにも依存する。回転方向のトルクは点Bを回転方向に移動させて位相差Φを増大させ、回転方向とは反対の方向のトルクは点Bを回転方向とは反対の方向に移動させて位相差Φを低減させる。またトルクは当該固定子のコイルに流れる電流の位相(より詳細にはd軸電流又はq軸電流の位相)に依存する。よって当該ピークの位置は電流位相βにも依存する。ここでいう電流位相βはq軸を基準とした電流の位相である。
図8は、電流位相βと電磁力の5次の高調波成分のピークの位置との関係を示すシミュレーション結果である。なお図8において対象となるピークは、5つのピークのうちその角度が零度に最も近いピークPKである(図7も参照)。零度の角度は基準位置CPに対応するので、ピークPKは他のピークに比べて基準位置CPにおいて最も近い。図8に示すように、ピークPKと基準位置CPとの角度差(つまりピークPKの角度θpk)の最大値は14度であり、その最小値は−14度である。よってピークPKの角度θpkは−14度以上14度以下である。
なお図1に例示するいわゆる埋込型回転子においては、周知のようにトルクは電流位相βが0度から180度である範囲内において最大値及び最小値を採る。したがって、角度θpkの最大値および最小値は電流位相βが0度から180度の範囲に属する。よって、電流位相βが0度から180度である範囲における角度θpkの最大値および最小値を確認すれば、電流位相βが0度から360度である範囲における角度θpkの最大値及び最大値を確認することになる。
以上のように、4極の回転子についてのピークPKの角度θpkは上述した範囲内にある。一方、2N極の回転子において、機械角(即ち回転角)は電気角のN倍であることを考慮すると、ピークPKの角度θpkは−28/N度以上かつ28/N度以下である。
<磁気障壁部111と電磁力の(2N+1)の高調波成分との関連>
磁気障壁部111の一つについての角度αは式(1)を満たす。つまり、この磁気障壁部111は電磁力の(2N+1)の高調波成分のピークPKの角度θpkと同じ範囲に設けられる。したがって、この磁気障壁部111の位置がピークPKの角度θpkに対応するときの電流位相βが少なくとも一つある。図8の例示では、角度αが11度であれば磁気障壁部111の位置がピークPKの角度θpkに対応するときの電流位相βは10度〜20度の任意の値である。つまり電流位相βとして10度〜20度の範囲を採用すれば、磁気障壁部111が適切に(2N+1)次の電磁力の高調波成分のピークPKを低減することができる。
また上述した内容を次のように把握することができる。即ち、なんら角度αについての規定なしに磁気障壁部111を設ければ、磁気障壁部111が(2N+1)次の高調波成分のボトムに対応した位置に設けられ得る。一方で、本実施の形態では、ピークPKの角度θpkの範囲に応じて、磁気障壁部111の一つはその角度αが式(1)を満たすように設けられる。したがって、この磁気障壁部111の位置は周方向においてピークPKと比較的近い。これにより、より適切に(2N+1)次の電磁力の高調波成分のピークPKを低減することができる。
また図1の例示では(2N+1)(=5)個の磁気障壁部111が設けられている。これら磁気障壁部111のうちの一つは上述した範囲に設けられる。また(2N+1)個の磁気障壁部111は周方向において互いに略等間隔に配置される。言い換えると、他の磁気障壁部111は当該一つの磁気障壁部111の位置を、それぞれ周方向に沿って360/(2N+1)度、360・2/(2N+1)度、・・・、360・2N/(2N+1)度、回転させた位置に設けられる。これによって、各磁気障壁部111は電磁力の(2N+1)次の高調波成分のピークの各々に対応して設けられる。したがって、電磁力の(2N+1)次の高調波成分のピークのそれぞれを低減させることができる。
なお、式(1)は基準位置CPに最も近い磁気障壁部111についての角度αを規定している。磁気障壁部111が周方向において略等間隔に配置されることを考慮すれば、各磁気障壁部111についての角度αは次式で表される。
-28/N+360・M/(2N+1)≦α≦28/N+360・M/(2N+1) ・・・(7)
ここで、Mは0以上2N以下の整数である。例えばMが0であれば式(7)は基準位置CPに最も近い磁気障壁部111についての角度αを規定し、Mが1であれば式(7)は基準位置CPに最も近い磁気障壁部111の隣の磁気障壁部111についての角度αを規定する。
図9には電磁力の5次の高調波成分の一例が示されている。図9の例示では、磁気障壁部111を有さない回転子についての電磁力の5次の高調波成分が実線で示され、図1の回転子1についての電磁力の5次の高調波成分が破線で示されている。磁気障壁部111を有する回転子1によれば、電磁力の5次の高調波成分が約1割強、低減されている。
次に、図10に例示するように、バランスウェイト30の重心BPが基準位置CPよりも周方向にずれている場合について説明する。なお基準位置CPは磁極中心のうち周方向において最も重心BPに近い磁極中心である。
バランスウェイト30の重心BPと基準位置CPの間の角度φが零度の場合のピークPKの範囲は既に上述された。よって、この角度φに起因するピークPKの角度θpkの変動を当該範囲に加算することで、ピークPKの範囲を算出することができる。
さて、バランスウェイト30の重心BPが基準位置CPから角度φずれると、この角度φは式(2)におけるパーミアンスRmの余弦波成分の位相に影響する。より詳細にはこの角度φが位相差Φに加算される。トルクの変動を考慮した位相差ΦによるピークPKの角度θpkは既に上述されているので、トルクの変動を無視して角度φによる位相差Φへの影響のみを考慮する。つまり角度φを位相差Φとして考慮する。したがって、パーミアンスRmの余弦波成分の位相は(θ+φ)となる。パーミアンスRmの余弦波成分の位相を(θ+φ)として式(2)〜(4)と同様に計算すると、電磁力の(2N+1)次の高調波成分はcos[(2N+1){θ+φ/(2N+1)}]で表される。
つまり、バランスウェイト30の重心BPが基準位置CPより角度φずれると、電磁力の(2N+1)次の高調波成分は角度φ/(2N+1)、平行移動する。よってピークPKも角度φ/(2N+1)、平行移動し、その範囲は−28/N+φ/(2N+1)以上かつ28/N+φ/(2N+1)以下となる。
したがって、角度αが次式を満足するように、磁気障壁部111の一つが設けられる。
−28/N+φ/(2N+1)≦α≦28/N+φ/(2N+1) ・・・(8)
これによって、この磁気障壁部111の位置がピークPKの角度θpkに対応するときの電流位相βが少なくとも一つ存在する。また任意の電流位相βを採用してもこの磁気障壁部111の位置は周方向においてピークPKと近い。したがって、効率的にピークPKを低減できる。
なお、式(8)は基準位置CPに最も近い磁気障壁部111についての角度αを規定している。磁気障壁部111が周方向において略等間隔に配置されることを考慮すれば、各磁気障壁部111についての角度αは次式で表される。
-28/N+φ/(2N+1)+360・M/(2N+1)≦α≦28/N+φ/(2N+1)+360・M/(2N+1) ・・・(9)
なお、図1,2の例示では、(2N+1)個の磁気障壁部111の全てが溝部112であるが、これに限らない。例えば空隙121の周方向における位置が磁気障壁部111の周方向における位置と一致していれば、その磁気障壁部111が空隙121であってもよい。
第2の実施の形態.
図11に示す回転子1は、磁気障壁部111という点で図1に示す回転子1と相違している。
磁気障壁部111は孔113として示されている。孔113はその内部を流体、例えば空気や冷媒が充填されているので磁気障壁として機能することができる。孔113は、回転子用コア10の外周側面11と永久磁石20との間(より具体的には、永久磁石20を通る円環と外周側面11との間)に設けられる。なお磁気障壁部111は孔113に限らず、孔113に非磁性体(例えば樹脂、非磁性金属など)が充填されていてもよい。非磁性体が充填されていれば回転子1の強度を向上できる。
図11の例示では、磁気障壁部111(孔113)は軸方向に沿って見て長尺状の形状を有し、その長辺が周方向に接するように配置されている。回転子用コア10に空隙121が穿たれる場合であれば、図11に示すように例えば一つ磁気障壁部111の機能を空隙121が果たしても良い。
かかる磁気障壁部111であっても第1の実施の形態と同様の効果を招来する。なお、磁気障壁部111の径方向の位置は回転子用コア10の外周側面11に近いことが望ましい。当該外周と磁気障壁部111との間で磁束が流れることによって、電磁力の(2N+1)次の高調波成分のピークを低減する効果が緩和されるからである。
また本磁気障壁部111は外周側面11と永久磁石20との間に設けられるので、外周側面11には溝が形成される必要がない。よって、外周側面11の周方向のいずれの位置においてもエアギャップを測定することができる。換言すれば、磁気障壁部111がエアギャップの測定を阻害しない。よって、エアギャップ測定の作業性を向上することができる。
第3の実施の形態.
図12に示す回転子1は、磁気障壁部111という点で図1に示す回転子1と相違している。
回転子用コア10は軸方向に積層された複数の電磁鋼板により構成されている。複数の電磁鋼板は、それぞれに設けられた凹凸が軸方向で嵌合しあって相互に固定される。かかる凹凸は、軸方向に沿って所定の部材を電磁鋼板に押し込むことで一方の面に凹部を形成するとともに同じ位置の他方の面に凸部を形成して、設けられる。このように凹凸は電磁鋼板の変形によって形成される。よって凹凸の磁気特性は劣化する。また、一の電磁鋼板の凸部とこれと軸方向で接する凹部とは完全に連続しないので、この境界でも磁気特性が劣化する。
かかる磁気特性の劣化を考慮して、図12に示す回転子1では、磁気障壁部111として電磁鋼板を相互に固定する凹凸114を採用している。凹凸114は、その周方向における位置が第1の実施の形態で説明したように設けられる。また、その径方向における位置が第2の実施の形態と同様に、回転子用コア10の外周に近いことが望ましい。
これにより、第1の実施の形態と同様の効果を招来するとともに、第2の実施の形態と同様にエアギャップ測定の作業性を向上することができる。しかも、磁気障壁部111は複数の電磁鋼板同士を固定する機能と、振動低減のための磁気障壁の機能とを発揮するので、それぞれの機能を発揮する専用の固定部、磁気障壁部を設ける場合に比べて、製造コストを低減できる。
第4の実施の形態.
第1乃至第3の実施の形態で説明した回転子1は例えば片持ち支持される。より詳細には回転子1が有するシャフトの軸方向の一端が例えば軸受けなどによって支持され、その他端は支持されない。かかる構造によれば、回転子1が振れ回りやすいので電磁力の(2N+1)次の高調波成分のピークが高い。したがって、(2N+1)次の高調波成分のピークを抑制する磁気障壁部111の技術的な意義が相対的に高まる。
以下では、片持ち支持される回転子1の例示として、密閉型圧縮機用のモータに用いられる構造について説明する。図13は、上記のモータが適用される圧縮機の縦断面図である。図13に示された圧縮機は高圧ドーム型のロータリ圧縮機であって、その冷媒には例えば二酸化炭素が採用される。なお図11においてはアキュムレータK100も図示されている。
この圧縮機は、密閉容器K1と、圧縮機構部K2と、モータK3とを備えている。圧縮機構部K2は密閉容器K1内に配置されている。モータK3は密閉容器K1内かつ圧縮機構部K2の上側に配置される。ここで、上側とは密閉容器K1の中心軸が水平面に対して傾斜しているか否かに関わらず、密閉容器K1の中心軸に沿った上側をいう。
モータK3は回転シャフトK4を介して圧縮機構部K2を駆動する。モータK3は回転子1と固定子3とを備えている。
密閉容器K1の下側側方には吸入管K11が接続され、密閉容器K1の上側には吐出管K12が接続される。アキュムレータK100からの冷媒ガス(図示省略)が吸入管K11を経由して密閉容器K1へと供給され、圧縮機構部K2の吸込側に導かれる。このロータリ圧縮機は縦型であって、少なくともモータK3の下部に油溜めを有する。
固定子3は、回転シャフトK4に対して回転子1よりも外周側に配置され、密閉容器K1に固定されている。
圧縮機構部K2は、シリンダ状の本体部K20と、上端板K8および下端板K9を備える。上端板K8および下端板K9はそれぞれ本体部K20の上下の開口端に取り付けられる。回転シャフトK4は、上端板K8および下端板K9を貫通し、本体部K20の内部に挿入されている。回転シャフトK4は上端板K8に設けられた軸受K21と、下端板K9に設けられた軸受K22により回転自在に支持されている。一方で、回転シャフトK4の圧縮機構部K2とは反対側では支持されていない。つまり回転子1は片持ち支持される。
回転シャフトK4には本体部K20内でクランクピンK5が設けられる。ピストンK6はクランクピンK5に嵌合されて駆動される。ピストンK6と、これに対応するシリンダとの間には圧縮室K7が形成される。ピストンK6は偏芯した状態で回転し、または、公転運動を行い、圧縮室K7の容積を変化させる。
次に、上記ロータリ圧縮機の動作を説明する。アキュムレータK100から吸入管K11を経由して圧縮室K7に冷媒ガスが供給される。モータK3により圧縮機構部K2が駆動されて、冷媒ガスが圧縮される。圧縮された冷媒ガスは冷凍機油(図示省略)と共に、吐出孔K23を経由して圧縮機構部K2から圧縮機構部K2の上側へ運ばれ、更にモータK3を経由して吐出管K12から密閉容器K1の外部に吐出される。
冷媒ガスは冷凍機油と共にモータK3の内部を上側へと移動する。冷媒ガスはモータK3よりも上側に導かれるが、冷凍機油は回転子1の遠心力で密閉容器K1の内壁へと向かう。冷凍機油は密閉容器K1の内壁に微粒子の状態で付着することで液化した後、重力の作用によって、モータK3の冷媒ガスの流れの上流側に戻る。
かかる密閉型圧縮機において、モータK3の回転子1として第1乃至第3の実施の形態で説明した回転子1を採用することで、回転子1の振動ひいては密閉型圧縮機の振動を低減することができる。
1 回転子
10 回転子用コア
20 永久磁石
30 バランスウェイト
111 磁気障壁部
112 溝部
113 孔
114 凹凸
121 空隙

Claims (7)

  1. 所定の軸(P)の周りで環状に配置される複数の永久磁石(20)と、
    前記軸を中心とした周方向に沿って交互に異なる極性の磁極が、前記複数の永久磁石によって、前記軸を中心とした径方向に向かってそれぞれ発生する2N(Nは自然数)個の磁極面(11a〜11d)と、前記複数の永久磁石に対して前記磁極面側に設けられた(2N+1)個の磁気障壁部(111)とを有する回転子用コア(10)と、
    前記軸に沿う軸方向の一方側で前記回転子用コアに取り付けられるバランスウェイト(30)と
    を備え、
    前記磁極面の前記周方向における中心のうち前記周方向において前記バランスウェイトの重心(BP)に最も近い一つを基準位置(CP)とし、前記基準位置から前記周方向の一方側へと向かう方向を正の方向とし、前記重心(BP)が前記周方向において前記基準位置に対してなす角度を第1角度φとし、0以上2N以下の整数をMとすると、前記(2N+1)個の磁気障壁部の一つの前記周方向における中心(111c)が前記周方向において前記基準位置に対してなす第2角度αは、
    −28/N+φ/(2N+1)+360・M/(2N+1)≦α≦28/N+φ/(2N+1)+360・M/(2N+1)
    を満たす、回転子。
  2. 記(2N+1)個の磁気障壁部はそれぞれ前記周方向において等間隔に配置される、請求項1に記載の回転子。
  3. 前記第1角度φは零である、請求項1又は2に記載の回転子。
  4. 前記磁気障壁部(111)は前記磁極面に設けられる溝部(112)である、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の回転子。
  5. 前記磁気障壁部(111)は前記複数の永久磁石と前記磁極面との間に設けられた非磁性体(113)である、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の回転子。
  6. 前記回転子用コア(10)は前記軸方向に積層された複数の電磁鋼板を有し、
    前記複数の電磁鋼板の少なくとも複数枚には前記軸方向で相互に嵌合する凹凸(114)が設けられ、当該凹凸は前記磁気障壁部(111)として機能する、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の回転子。
  7. 前記固定子用コア(10)に固定されて前記軸方向に延在するシャフトを備え、
    前記シャフトは前記軸方向の前記一方側又は他方側のみにおいて支持される、請求項1乃至6の何れか一つに記載の回転子。
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