JP4567929B2 - 回転電機の固定子およびそれを用いた回転電機 - Google Patents

回転電機の固定子およびそれを用いた回転電機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電動機、発電機、同期機等の回転電機において、特に振動および騒音の低減を十分に図れるようにした回転電機の固定子およびそれを用いた回転電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、回転電機の一つとして、例えば誘導電動機が知られている。
【0003】
図35(a)および(b)は、この種の従来の誘導電動機の構成例を示す断面図である。
【0004】
図35において、固定子1は、固定子枠2と、当該固定子枠2に嵌合固定された固定子鉄心3とから構成されている。
【0005】
また、回転子4は、軸受5を介して支承された回転軸6に、回転子鉄心7を取り付けて構成されている。
【0006】
ところで、最近では、このような誘導電動機を、インバータにより速度制御することが多くなってきている。
【0007】
しかしながら、インバータによる速度制御運転においては、速度が変化することから、電磁力の周波数と誘導電動機の構造系の固有振動数とが一致して共振現象となり、大きな騒音が発生するという問題点がある。そして、速度が変化することから、共振点を避けることができない。
【0008】
そこで、このような共振現象による騒音を低減するための手段として、例えば“実開昭55−109353号公報”に示されるものが知られている。
【0009】
図36は、この種の従来の誘導電動機の構成例を示す断面図である。
【0010】
図36において、弾性体12を介して弾性はり13を設け、当該弾性はり13に、固定子鉄心3と固定子枠2を弾性支持するようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成の誘導電動機では、固定子枠2に対して固定子鉄心3の振動を伝達し難くするためには、弾性はり13の剛性を小さくしなければならない。
【0012】
固定子鉄心3は、回転子7の駆動トルクの反力として、周方向のトルクも受けており、弾性はり13は、固定子鉄心3の重量およびその周方向の力も支持しなければならず、その弾性はり13の剛性を小さくすることは困難である。
【0013】
したがって、固定子1から外部への振動伝達の低減を十分には図れないことから、騒音の低減を十分に図ることができない。
【0014】
本発明の目的は、振動および騒音の低減を十分に図ることが可能な回転電機の固定子およびそれを用いた回転電機を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に対応する発明では、固定子枠と、当該固定子枠に固定された固定子鉄心とを備えて構成される回転電機の固定子において、固定子枠の軸方向に直交する方向の断面の外周を、外周平均半径rと当該外周平均半径rからの変形量Aとの比が0.05≦A/r≦0.5の範囲にあって、機械角をθとした場合に、下記式で表わされる略正弦波形状Dに形成し、当該略正弦波形状の次数nを、1を除く奇数次数としている。
【0016】
【数3】
Figure 0004567929
【0017】
また、請求項2に対応する発明では、上記請求項1に対応する発明の回転電機の固定子において、1を除く奇数次数としては、回転電機の極数に応じて適宜選択される3,5,7のうちいずれか一つの次数としている。
【0018】
従って、請求項1および請求項2に対応する発明の回転電機の固定子においては、固定子枠の軸方向に直交する方向の断面の外周を、外周平均半径rと当該外周平均半径rからの変形量Aとの比が0.05≦A/r≦0.5の範囲にあって、機械角をθとした場合に、上記式で表わされる略正弦波形状Dに形成し、当該略正弦波形状の次数nを、1を除く奇数次数(好ましくは、回転電機の極数に応じて適宜選択される、3,5,7のうちいずれか一つの次数)とすることにより、固定子枠には、電磁力モード次数Mと固有振動モード次数Nとが異なる(M≠N)ために、共振状態においても固定子枠の外形に発生する振動が打ち消され、固定子で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
【0022】
一方、請求項に対応する発明では、上記請求項1又は請求項2に対応する発明の回転電機の固定子において、固定子枠を、固定子鉄心の軸方向の両端部に分割して取り付けている。
【0023】
従って、請求項に対応する発明の回転電機の固定子においては、固定子枠を、固定子鉄心の軸方向の両端部に分割して取り付けることにより、固定子で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
すなわち、電動機等の回転電機の軽量化のニーズに対応して、固定子枠を分割したものにおいては、電磁力に対して、固定子枠が半径方向に打勝つだけの機械的剛性を有していればよいことから、両端部に分割した固定子枠であっても、電磁力モード次数Mと固有振動モードNとが異なるために、固定子鉄心と固定子枠の外形に発生する振動が打ち消され、固定子で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
【0024】
また、請求項に対応する発明では、上記請求項1又は請求項2に対応する発明の回転電機の固定子において、固定子枠を、固定子鉄心の軸方向の両端部および略中央部に少なくとも1個取り付けている。
【0025】
従って、請求項に対応する発明の回転電機の固定子においては、固定子鉄心の積厚さLに対して固定子鉄心の外形φDがL≧Dの場合に、固定子枠を、固定子鉄心の軸方向の両端部および略中央部に少なくとも1個取り付けることにより、固定子で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
すなわち、電磁力に対して、固定子枠が打ち勝つだけの機械的剛性を有していればよいことから、両端部および中央部に分割した固定子枠であっても、電磁力モード次数Mと固有振動モードNとが異なるために、固定子鉄心と固定子枠の外形に発生する振動が打ち消され、固定子で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
【0034】
一方、請求項に対応する発明では、固定子枠を設けない固定子鉄心のみで構成される回転電機の固定子において、固定子鉄心の軸方向に直交する方向の断面の外周を、外周平均半径r1と当該外周平均半径r1からの変形量Bとの比が0.05≦B/r1≦0.5の範囲にあって、機械角をθとした場合に、下記式で表わされる略正弦波形状Eに形成し、当該略正弦波形状の次数nを、1を除く奇数次数としている。
【0035】
【数4】
Figure 0004567929
【0036】
また、請求項に対応する発明では、上記請求項に対応する発明の回転電機の固定子において、1を除く奇数次数としては、回転電機の極数に応じて適宜選択される3,5,7のうちいずれか一つの次数としている。
【0037】
従って、請求項および請求項に対応する発明の回転電機の固定子においては、固定子鉄心の軸方向に直交する方向の断面の外周を、外周平均半径r1と当該外周平均半径r1からの変形量Bとの比が0.05≦B/r1≦0.5の範囲にあって、機械角をθとした場合に、上記式で表わされる略正弦波形状Eに形成し、当該略正弦波形状の次数nを、1を除く奇数次数(好ましくは、回転電機の極数に応じて適宜選択される、3,5,7のうちいずれか一つの次数)とすることにより、固定子枠がないものは、軸受と固定子鉄心とが分離して別置きになっている機種であることから、固定子枠がない機種でも、固定子鉄心の内径に作用した電磁力は、固定子鉄心の外形に振動伝播した時には、モード2(楕円)の変形が発生し難くなり、固定子鉄心の外形に生じる振動が打ち消し合い、これにより固定子で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
【0059】
また、請求項に対応する発明では、固定子枠と、当該固定子枠に固定された固定子鉄心とを備えて構成される回転電機の固定子において、固定子枠の軸方向に直交する方向の断面の外周を略円形の形状とし、固定子鉄心の中心点に対して略円形の固定子枠の中心点を偏心させ、固定子鉄心の外径をdとし、略円形の固定子枠の外径をDとし、偏心の量をε1とした場合に、ε1=(0.25〜0.8)(D−d)/2の範囲内で、前記固定子鉄心の中心点に対して前記略円形の固定子枠の中心点を偏心させるようにしている。
【0062】
従って、請求項に対応する発明の回転電機の固定子においては、固定子枠の軸方向に直交する方向の断面の外周を略円形とし、固定子鉄心の外径をdとし、略円形の固定子枠の外径をDとし、偏心量をε1とした場合に、ε1=(0.25〜0.8)(D−d)/2の範囲内で偏心させることにより、固定子枠の厚さによる剛性比h2/h1のバランスから電磁力が作用しにくくなるために、共振状態においても固定子枠の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0063】
さらに、請求項に対応する発明では、上記請求項に対応する発明の回転電機の固定子において、ε1=(0.7〜0.8)(D−d)/2の範囲内で偏心させるようにしている。
【0064】
従って、請求項に対応する発明の回転電機の固定子においては、ε1=(0.7〜0.8)(D−d)/2の範囲内で偏心させるようにすることにより、固定子枠の厚さによる剛性比h2/h1のバランスから電磁力が作用しにくくなるために、共振状態においても固定子枠の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音をより一層効果的に低減することができる。
【0065】
さらにまた、請求項に対応する発明では、上記請求項に対応する発明の回転電機の固定子において、ε1=0.8(D−d)/2で偏心させるようにしている。
【0066】
従って、請求項に対応する発明の回転電機の固定子においては、ε1=0.8(D−d)/2で偏心させるようにすることにより、固定子枠の厚さによる剛性比h2/h1のバランスから電磁力が作用しにくくなるために、共振状態においても固定子枠の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音をさらにより一層効果的に低減することができる。
【0067】
一方、請求項10に対応する発明では、固定子枠の軸方向に直交する方向の断面の外周を、略長方形、略正方形のうちいずれか一つの形状とし、固定子鉄心の外径をdとし、略長方形の固定子枠の短辺、もしくは略正方形の固定子枠の一辺の長さをxとし、偏心量をε2とした場合に、略長方形の固定子枠または略正方形の固定子枠の対角線の交点から固定子鉄心の中心を、ε2=(x−d)/2.5〜(x−d)/8の範囲内で偏心させるようにしている。
【0068】
従って、請求項10に対応する発明の回転電機の固定子においては、固定子枠の軸方向に直交する方向の断面の外周を、略長方形、略正方形のうちいずれか一つの形状とし、固定子鉄心の外径をdとし、略長方形の固定子枠の短辺、もしくは略正方形の固定子枠の一辺の長さをxとし、偏心量をε2とした場合に、略長方形の固定子枠または略正方形の固定子枠の対角線の交点から固定子鉄心の中心を、ε2=(x−d)/2.5〜(x−d)/8の範囲内で偏心させることにより、全体の重量が大きくなることなく、固定子枠の厚さによる剛性比h2/h1のバランスから電磁力が作用しにくくなるために、共振状態においても固定子枠の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0069】
また、請求項11に対応する発明では、固定子枠の軸方向に直交する方向の断面の外周を略台形とし、固定子鉄心の外径をdとし、略台形の固定子枠の高さをhとし、偏心量をε3とした場合に、略台形の固定子枠の高さのh/2から固定子鉄心の中心を、ε3=(h−d)/2.5〜(h−d)/8の範囲内で偏心させるようにしている。
【0070】
従って、請求項11に対応する発明の回転電機の固定子においては、固定子枠の軸方向に直交する方向の断面の外周を略台形とし、固定子鉄心の外径をdとし、略台形の固定子枠の高さをhとし、偏心量をε3とした場合に、略台形の固定子枠の高さのh/2から固定子鉄心の中心を、ε3=(h−d)/2.5〜(h−d)/8の範囲内で偏心させることにより、固定子枠の厚さによるに関する剛性比のバランスから電磁力が作用しにくくなるために、共振状態においても固定子枠の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0071】
一方、請求項12に対応する発明では、固定子と回転子とを備えて構成される回転電機において、固定子として、上記請求項1乃至請求項11のいずれか1項に対応する発明の固定子を備えている。
【0072】
従って、請求項12に対応する発明の回転電機の固定子においては、固定子として、上記請求項1乃至請求項11のいずれか1項に対応する発明の固定子を備えることにより、回転電機全体で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
【0073】
【発明の実施の形態】
初めに、本発明の考え方の前提となる騒音の発生メカニズムについて説明する。
【0074】
図27は、騒音発生のメカニズムを説明するための図である。
【0075】
図27に示すように、回転子鉄心と固定子鉄心とのエアギャップに働く電磁力の周波数と、固定子鉄心の固有振動数とが共振した場合、固定子枠(フレーム)が著しく振動し、その振動が空気中に放射されて騒音として発生する。
【0076】
この電磁力による固定子枠の変形モードは、一般的に、円環振動モードの楕円形状(n=2)である。
【0077】
この円環振動モードとは、図28に示すような半径方向に外形が変形するモードであり、膨張収縮(モードn=0)、並進(モードn=1)、楕円(モードn=2)、三角形(モードn=3)、四角形(モードn=4)、五角形(モードn=5)等で表わされる。
【0078】
従来において、誘導電動機における固定子鉄心3、およびこれを収容する固定子枠2の横断面(回転軸に直角)の外周は、前記図35に示したように、円筒状あるいは四角形である場合が多い。
【0079】
この場合に、騒音を測定した結果を図29に示す。
【0080】
図29において、横軸は騒音レベル、横軸は運転周波数を示している。
【0081】
図29から、誘導電動機の運転周波数が40Hzから60Hzの間に、大きなピークが見られる。これが、共振の影響で発生した騒音である。
【0082】
次に、騒音発生の原理について、具体的に説明する。
【0083】
電磁力は、回転磁界であることから、固定子鉄心のある位置から見ると、図30に示すように、固定子鉄心の内径に強制振動として、主にn=2(楕円)で時間的に回転して変化していくモードが発生する。
【0084】
上記の電磁力モードを式で表わしたものを、式(1)に示す。
【0085】
【数5】
Figure 0004567929
【0086】
ここで、fM :電磁力、A:電磁力の振幅、ω:電磁力の角振動数、M:電磁力のモード次数、θ:機械角、t:時間。
【0087】
一方、固定子枠の固有振動モードφN は、図28に示すように、円環の面内振動のみを考えると、式(2)に示すようになる。
【0088】
【数6】
Figure 0004567929
【0089】
ここで、φN :円環の固有振動モード、ΦN :固有振動モードの振幅、N:固有振動モード次数、α:位相。
【0090】
上記式(1)と式(2)とから、誘導電動機に働く電磁力による振動振幅をzとすると、式(3)で表わすことができる。
【0091】
【数7】
Figure 0004567929
【0092】
これは、ある角度θにおける振動であるから、円環全体の振動振幅Zは、θについて円環を全円周で積分することによって、式(4)により求めることができる。
【0093】
この式(4)から、振動は、電磁力モードと固有モードとの積によって求めることができる。
【0094】
【数8】
Figure 0004567929
【0095】
次に、具体的な数値を代入して計算する。
【0096】
電磁力モードM=2と固有振動モードN=2の発生する振動Zは、図31(a)に示すように、ベクトル積から求めることができる。
【0097】
ここで、半径方向の外向きがプラス、内向きがマイナスとする。
【0098】
計算する点数は、概略計算として、代表点として円周上に8点とする。
【0099】
図31(a)において、電磁力モードM=2、固有ベクトルN=2の場合、以下のベクトル積の行列式(5)で示すように計算することができる。
【0100】
行列式の数値は、図31(a)に示す各8点のモード形のベクトル量として示している。
【0101】
【数9】
Figure 0004567929
【0102】
電磁力モードM=2と固有振動モードN=2との組み合わせは、ベクトル積の値がZ=4となる大きさの振動が発生する。
【0103】
次に、電磁力モードM=2と固有振動モードN=3との組み合わせで発生する振動Zは、図31(b)に示すように、ベクトル積の計算で求めることができる。
【0104】
【数10】
Figure 0004567929
【0105】
電磁力モードM=2と固有モードN=3との組み合わせでは、Z=0となり、振動が発生しない。
【0106】
次に、電磁力モードM=2と固有振動モードN=5との発生する振動Zは、図31(c)に示すように、ベクトル積の計算で求めることができる。
【0107】
【数11】
Figure 0004567929
【0108】
電磁力モードM=2と固有モードN=5では、Z=0となり、この条件でも振動が発生しない。
【0109】
以上のような関係から、電磁力モード次数2に対して、固有振動数の次数を3と5にすることが、振動を発生させない条件である。
【0110】
上記電磁力による強制モードがM=2(楕円)であると、固定子枠の外形を、円環振動モードn=3,5,7にすることにより、電磁力モードと固有モードとのベクトル関係から振動が打ち消し合い、振動が低減できる。
【0111】
これは、固定子鉄心に誘起する電磁加振力に対して固定子鉄心が共振しても、確実に振動が低減できることを意味する。
【0112】
固定子鉄心に誘起する電磁加振力の強制モードMは、円環振動モードM=2,4,6,8の偶数であるから、固定子鉄心、および固定子枠の断面の外周を、円環振動モードn=3,5,7の奇数とすることにより、モードが一致しない。
【0113】
上記理論を証明するために、固定子枠の外形の形状を変えて製作し、実験によって検証した。
【0114】
実際の誘導電動機において、電磁強制の励振力モード次数を把握することは困難である。
【0115】
そこで、固定子鉄心の内径に加振器を取り付け、多点励振試験法による実験で検証を行なった。
【0116】
強制力は、加振器を12個用意して等間隔で配置し、それぞれの加振器の加振力は一定とし、隣り合う加振器の位相を45度ずらすことによって、固定子鉄心の内径の円周上に強制力モードM=2で与えることができる。
【0117】
加振器の周波数を0〜2500Hzまで変化させ、振動加速度で評価した。
【0118】
図32(a)に示すように、横断面(回転軸に直角)の外周が円形の場合、n=2が特に大きく発生し、次数n=4、6が続いて大きく発生している。
【0119】
n=3,5は、n=2,4,6に比較すると小さいことが確認できる。
【0120】
図32(b)の断面の外周が四角形の場合には、n=2とn=4が大きいことが分かる。また、n=3,5は、小さいことが分かる。
【0121】
また、図33(a)に示すように、断面の外周がn=2の場合には、n=2が特に大きく発生し、n=4,6が続いて大きい。
【0122】
図33(b)の断面の外周がn=4の場合においても、n=4は大きくなっていることが認められる。
【0123】
図33(c)においては、断面の外周がn=6の場合には、n=6が特に大きくなっていることが認められる。
【0124】
さらに、図34(a)に示す断面の外周がn=3の場合には、加速度が全体的に小さいことが認められる。
【0125】
図34(b)の断面の外周がn=5の場合においても、加速度が全体的に小さいことが認められる。
【0126】
図34(c)においては、断面の外周がn=7の場合には、図34(a),(b)に比較してやや大きくなってきているが、加速度のレベルは小さいといえる。
【0127】
これは、次数が大きくなると、断面の外周が円形に近づくからである。次数nの上限を、n=7の範囲とした理由である。
【0128】
以上のような実験結果からも認められるように、電磁力モード次数M=2に対して、断面の外周が奇数であり、振動モードの次数Nが一致しなければ、振動が大きくならないことが明らかとなった。
【0129】
ここで、固定子断面の外周と固有モードとの関係は、断面の外周をどのような形状にしたとしても、円環の固有モードは存在する。
【0130】
しかしながら、固定子枠の断面の外周をn=3にすることにより、固有モードN=2の振動振幅が抑制されて発生しなくなる。
【0131】
逆に、断面の外周をn=3とすることにより、固有モードN=3の振動振幅は大きくなることを意味する。
【0132】
すなわち、振動の大きさは、加振力モードMと固有モードNのモード次数の関係によって決まり、振動を効果的に低減するめには、組み合わせを一致させないことが要件となる。
【0133】
以上のような点から、本発明では、固定子枠または固定子鉄心の軸方向に直交する方向の断面の外周を、1を除く奇数(好ましくは、回転電機の極数に応じて適宜選択される、3,5,7のうちいずれか一つの次数)正弦波形状、または1を除く略奇数角形(好ましくは、回転電機の極数に応じて適宜選択される、略三角形、略五角形、略七角形のうちいずれか一つの奇数角形)に形成するものである。
【0134】
以下、上記のような考え方に基づく本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0135】
(第1の実施の形態:請求項1、請求項2に対応)
図1(a)(b)は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す縦断面図および横断面(固定子枠の軸方向に直交する方向の断面)図である。
【0136】
なお、回転電機の全体構成は、図35および図36の従来と同様の構成であるので、同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0137】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図1に示すように、固定子枠2と、当該固定子枠2に嵌合固定された固定子鉄心3とを備えて構成されるものにおいて、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を、外周平均半径rと当該外周平均半径rからの変形量Aとの比が0.05≦A/r≦0.5の範囲にあって、機械角をθとした場合に、下記式で表わされる略正弦波形状Dに形成し、当該略正弦波形状の次数nを、1を除く奇数次数として構成している。
【0138】
【数12】
Figure 0004567929
【0139】
ここで、1を除く奇数次数nとしては、回転電機の極数に応じて適宜選択される、3,5,7のうちいずれか一つの次数とすることが好ましい。
【0140】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1の作用について説明する。
【0141】
回転電機の運転が開始されると、回転軸6が回転するようになる。
【0142】
この時、回転電機における固定子鉄心3と回転子鉄心7との間のギャップに発生する電磁力によって、固定子鉄心3が半径方向に変形振動するようになり、この振動が固定子枠2に伝達されるようになる。そして、共振状態になると、大きな振動と騒音になって問題となる。
【0143】
この点、本実施の形態の回転電機の固定子においては、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を、外周平均半径rと当該外周平均半径rからの変形量Aとの比が0.05≦A/r≦0.5の範囲にあって、機械角をθとした場合に、上記式で表わされる略正弦波形状Dに形成し、当該略正弦波形状の次数nを、1を除く奇数次数(好ましくは、回転電機の極数に応じて適宜選択される、3,5,7のうちいずれか一つの次数)としていることにより、固定子枠2には、電磁力モード次数Mと固有振動モード次数Nとが異なる(M≠N)ために、共振状態においても固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
【0144】
ここで、0.05≦A/r≦0.5における、0.05と0.5の値は、正弦波を形成する断面の最小と最大の限界を示している。
【0145】
すなわち、正弦波の次数をnとした場合、n=3,5,7の奇数とした回転電機の固定子としているので、前記で説明した電磁力モードMと固有モードNとが一致していないことから、電磁力モード次数M=2に対して、固有振動モード次数N=3,5,7の条件にすると、固定子枠2にはモード2(楕円)の変形が発生し難くなり、固定子1外形に生じる振動が打ち消し合い、これにより固定子1の振動および騒音を低減することができる。
【0146】
図2は、実験による回転電機の運転周波数と騒音との関係を示す特性図である。
【0147】
従来の固定子枠1の軸方向に直交する方向の断面の形状が円形では、図29に示した結果と比較してみると、共振点でピークが大きく発生していたものが、固定子枠1の外形がn=3およびn=5では、図2に示すように共振点にあってもピークが消滅している。
【0148】
よって、このような構成とすることにより、電磁力モードと固有モードとが異なることによって打ち消し合い、振動および騒音を十分に低減できることができる。
【0149】
図3は、次数nと騒音レベルとの関係を示す特性図である。
【0150】
図3において、横軸に次数nを3〜25次まで、縦軸に騒音レベルの最大値を示している。
【0151】
この図3は、図2と図29の回転電機の運転周波数と騒音との関係から得られたものを整理し、騒音レベルの最大ピーク値を拾い上げてグラフ化したものである。
【0152】
図3から明らかなように、次数n=3,5,7の条件において、騒音が低いことがわかる。従って、本実施の形態では、騒音低減に効果があった次数nを3,5,7としているものである。
【0153】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子では、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を、n=3,5,7の奇数正弦波形状に形成するようにしているので、電磁力モードと固有モードとが異なることによって打ち消し合い、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することが可能となる。
【0154】
(第2の実施の形態)
図4(a)は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す縦断面図および横断面(固定子枠の軸方向に直交する方向の断面)図である。
【0155】
なお、回転電機の全体構成は、図35および図36の従来と同様の構成であるので、同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0156】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図4に示すように、固定子枠2と、当該固定子枠2に嵌合固定された固定子鉄心3とを備えて構成されるものにおいて、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を、1を除く略奇数角形に形成して構成している。
【0157】
ここで、1を除く略奇数角形としては、回転電機の極数に応じて適宜選択される、略三角形、略五角形、略七角形のうちいずれか一つの奇数角形とすることが好ましい。
【0158】
また、略というのは、角が丸まっていたり、辺が曲がっていたり、あるいは図4(b)に示すように、星形であってもよいということである。
【0159】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を、1を除く略奇数角形(好ましくは、回転電機の極数に応じて適宜選択される、略三角形、略五角形、略七角形のうちいずれか一つの奇数角形)に形成していることにより、共振状態にあっても固定子枠2には電磁力モード次数Mの偶数に対して、三角形、五角形、七角形の奇数角形であることから、固有振動モードNが奇数として発生し易くなり得るために、固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
【0160】
すなわち、電磁力モード2(楕円)の円周上のものを一直線状に表現すると、2波の正弦波であることから、その強制力を打ち消すためには、固定子枠2の外形は、前記第1の実施の形態に示した円環振動モードの3波の正弦波形状が最も効果的に振動を打ち消す。
【0161】
しかしながら、実際の製造上の作り易さの面から見ると、曲面(正弦波)加工よりも、直線の角形の方が有利となる。さらに、据え付け時の安定性が向上する。
【0162】
そこで、前記第1の実施の形態と比較するために、実験によって確認して見ると、固定子枠2の半径方向の振動では、第1の実施の形態と比較して、第2の実施の形態の方は5%の振動が大きくなるが、騒音レベルでは、2dB(A)程度しか変化がないことを確認できた。
【0163】
よって、このような構成としても、角形においても、前記第1の実施の形態と同様に、モードが異なることによって打ち消し合う作用効果が得られ、振動および騒音を十分に低減することができる。
【0164】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子では、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を、略三角形、略五角形、略七角形に形成するようにしているので、電磁力モードと固有モードとが異なることによって打ち消し合い、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することが可能となる。
【0165】
(第3の実施の形態:請求項に対応)
図5(a)(b)は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す斜視図であり、図1および図4と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0166】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図5に示すように、前記第1または第2の実施の形態において、固定子枠2を、固定子鉄心3の軸方向の両端部に分割して取り付けて構成している。
【0167】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、固定子枠2を、固定子鉄心3の軸方向の両端部に分割して取り付けていることにより、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
【0168】
すなわち、前記第1または第2の実施の形態のように、固定子枠2を固定子鉄心3の全体に嵌合固定していないため、電磁力の力の大きさは、軸方向に均一である。
【0169】
両端部のみに、二つの固定子枠2で半径方向の剛性を有していれば、電磁力を十分に打ち消すことができる。
【0170】
また、この両端部のみ二つの固定子枠2を取り付けていることにより、回転電機の全体の重量を、10%程度軽量化することができる。
【0171】
したがって、固定子枠2の外形には、モード2(楕円)の変形が発生し難くなり、固定子1外形に生じる振動が打ち消し合い、これにより固定子1の振動および騒音が低減できる。
【0172】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子1では、固定子枠2を、固定子鉄心3の軸方向の両端部に分割して取り付けるようにしているので、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することが可能となる。
【0173】
(第4の実施の形態:請求項に対応)
図6は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す斜視図であり、図1および図4と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0174】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図6に示すように、前記第1または第2の実施の形態において、固定子枠2を、固定子鉄心3の軸方向の両端部および略中央部に少なくとも1個(図では1個)取り付けて構成している。
【0175】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、固定子枠2を、固定子鉄心3の軸方向の両端部および略中央部に少なくとも1個取り付けていることにより、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
【0176】
すなわち、固定子枠2を、固定子鉄心3の軸方向の両端部および中央部に取り付けることは、前記第3の実施の形態に対して、軸方向に固定子鉄心3が長い場合に有効となる。
【0177】
例えば、固定子鉄心3の外形寸法をφD、軸方向の固定子鉄芯の積厚長さLとした場合に、φD<Lの条件で適用する場合に有効となる。
【0178】
回転電機によっては、固定子鉄心3の積厚が長い場合には、両端部の固定子枠2だけでは、固定子鉄心3の変形を打ち消すことができない。
【0179】
そこで、本実施の形態では、電磁力の大きさに対して両端部のみの二つの固定子枠2で力を打ち消すことができない積厚の長い固定子鉄心3に対して、中央部に複数の固定子枠2を取り付けていることにより、剛性の釣り合いをとることができる。
【0180】
したがって、固定子枠2の外形には、モード2(楕円)の変形が発生し難くなり、固定子1外形に生じる振動が打ち消し合い、これにより固定子1の振動および騒音が低減できる。
【0181】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子1では、固定子枠2を、固定子鉄心3の軸方向の両端部および略中央部に少なくとも1個取り付けるようにしているので、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することが可能となる。
【0182】
(第5の実施の形態)
図7は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す断面図であり、図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0183】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図7に示すように、前記第3の実施の形態において、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を略n角形(nは1を除く奇数)とし、一方の固定子枠2を基準として、他方の固定子枠2を周方向に(360/2n)度回転させて構成している。
【0184】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を略n角形(nは1を除く奇数)とし、一方の固定子枠2を基準として、他方の固定子枠2を周方向に(360/2n)度回転させていることにより、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
【0185】
すなわち、両端部のみに二つの固定子枠2を取り付けものにおいて、次数nまたはn角形とした場合、一方の固定子枠2を基準として、他方の固定子枠2を周方向に(360/2n)度回転させ、軸方向から見て角と角もしくは円環モードの山と山が一致しない固定子枠2を取り付けていることにより、電磁力の分布が固定子鉄心3の積厚方向(軸方向)には均一の楕円であることから、固定子鉄心3の両端の固定子枠2がねじれ周方向に剛性を変化させることになるため、より一層の電磁力による振動が分散することになり、振動および騒音を低減することができる。
【0186】
したがって、固定子枠2の外形には、モード2(楕円)の変形が発生し難くなり、固定子1外形に生じる振動が打ち消し合い、これにより固定子1の振動および騒音が低減できる。
【0187】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子1では、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を略n角形とし、一方の固定子枠2を基準として、他方の固定子枠2を周方向に(360/2n)度回転させるようにしているので、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することが可能となる。
【0188】
(第6の実施の形態)
図8は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す断面図であり、図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0189】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図8に示すように、前記第3の実施の形態において、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の角部と固定子鉄心3の内径中心点とを結ぶ延長線上に角でない部分がくるような断面の多角形として構成している。
【0190】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の角部と固定子鉄心3の内径中心点とを結ぶ延長線上に角でない部分がくるような断面の多角形としていることにより、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
【0191】
すなわち、図中で示す線AとA、BとBおよびCとCで、固定子枠2の断面の角部と固定子鉄心3内径の中心点Oを通る延長上に対をなす断面の辺が対となるようにしていることにより、非正多角形の構造は、電磁力の楕円モードを周方向に分散させる作用が働くことによって、振動および騒音を低減させることができる。
【0192】
したがって、固定子枠2の外形には、モード2(楕円)の変形が発生し難くなり、固定子1外形に生じる振動が打ち消し合い、これにより固定子1の振動および騒音が低減できる。
【0193】
なお、断面の外周は、正多角形でなければいけないというものではなく、非正多角形でもよい。
【0194】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子1では、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の角部と固定子鉄心3の内径中心点とを結ぶ延長線上に角でない部分がくるような断面の多角形とするようにしているので、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することが可能となる。
【0195】
(第7の実施の形態)
図9は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す断面図であり、図5または図6と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0196】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図8に示すように、前記第3または第4の実施の形態において、それぞれの固定子枠2を軸方向に結合するリブ8を取り付けて構成している。
【0197】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、両端部のみ、もしくは両端部と中央部に固定子枠2を取り付けたものにおいて、それぞれの固定子枠2を軸方向に結合するリブ8を取り付けていることにより、それぞれの固定子枠2を結合するリブ8で結合することによって、両端部の固定子枠2の機械的剛性が増して強固され、軸方向の固定子鉄心3の積厚が長くなっても、電磁力に打ち勝つ剛性が確保できる。そして、固定子枠2にはモード2(楕円)の変形が発生し難くなり、固定子1外形に生じる振動が打ち消し合い、これにより固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
【0198】
すなわち、前記第3の実施の形態に対して、それぞれの固定子枠2を結合するリブ8で結合していることにより、両端の固定子枠2の剛性がアップして強固となるため、軸方向の固定子鉄心3の積厚が長くなっても、電磁力に打ち勝つ剛性が確保できる。
【0199】
また、前記第4の実施の形態のように、固定子鉄心3の中央に固定子枠2が不要となる。
【0200】
したがって、固定子枠2の外形には、モード2(楕円)の変形が発生し難くなり、固定子1外形に生じる振動が打ち消し合い、これにより固定子1の振動および騒音が低減できる。
【0201】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子1では、それぞれの固定子枠2を軸方向に結合するリブ8を取り付けるようにしているので、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することが可能となる。
【0202】
(第8の実施の形態)
図10は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す断面図であり、図9と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0203】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図10に示すように、前記第7の実施の形態において、リブ8と固定子鉄心3の外周とを、溶接、接着、ボルト等の機械的結合手段で結合して構成している。
【0204】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、リブ8と固定子鉄心3の外周とを、溶接、接着、ボルト等の機械的結合手段で結合していることにより、固定子鉄心3の振動が直接にリブ8を介して固定子枠2に伝達され、軸方向の固定子鉄心の積厚が長くなっても、電磁力に打ち勝つ構造系の剛性が確保できる。
【0205】
さらに、図11に示すように、固定子枠2を結合するリブ8の位置を、固定子枠2の角と角および辺の中心と辺の中心を結ぶ位置としていることにより、固定子鉄心3の変形が直接にリブ8を介して固定子枠2に伝達されるため、軸方向の固定子鉄心3の積厚が長くなっても、電磁力に打ち勝つ構造系の剛性が確保できる。
【0206】
したがって、固定子枠2の外形には、モード2(楕円)の変形が発生し難くなり、固定子1外形に生じる振動が打ち消し合い、これにより固定子1の振動および騒音が低減できる。
【0207】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子1では、リブ8と固定子鉄心3の外周とを、溶接、接着、ボルト等の機械的結合手段で結合するようにしているので、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することが可能となる。
【0208】
(第9の実施の形態:請求項、請求項に対応)
図12は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す斜視図である。
【0209】
なお、回転電機の全体構成は、図35および図36の従来と同様の構成であるので、同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0210】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図12に示すように、固定子枠2を設けない固定子鉄心3のみで構成される回転電機の固定子1において、固定子鉄心3の軸方向に直交する方向の断面の外周を、外周平均半径r1と当該外周平均半径r1からの変形量Bとの比が0.05≦B/r1≦0.5の範囲にあって、機械角をθとした場合に、下記式で表わされる略正弦波形状Eに形成し、当該略正弦波形状の次数nを、1を除く奇数次数として構成している。
【0211】
【数13】
Figure 0004567929
【0212】
ここで、1を除く奇数次数nとしては、回転電機の極数に応じて適宜選択される、3,5,7のうちいずれか一つの次数とすることが好ましい。
【0213】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、固定子鉄心3の軸方向に直交する方向の断面の外周を、外周平均半径r1と当該外周平均半径r1からの変形量Bとの比が0.05≦B/r1≦0.5の範囲にあって、機械角をθとした場合に、上記式で表わされる略正弦波形状Eに形成し、当該略正弦波形状の次数nを、1を除く奇数次数(好ましくは、回転電機の極数に応じて適宜選択される、3,5,7のうちいずれか一つの次数)としていることにより、固定子枠2がないものは、軸受5と固定子鉄心3とが分離して別置きになっている機種であることから、固定子枠2がない機種でも、固定子鉄心3の内径に作用した電磁力は、固定子鉄心3の外形に振動伝播した時には、モード2(楕円)の変形が発生し難くなり、固定子鉄心3の外形に生じる振動が打ち消し合い、これにより固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
【0214】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子では、固定子鉄心3の軸方向に直交する方向の断面の外周を、n=3,5,7の奇数正弦波形状に形成するようにしているので、電磁力モードと固有モードとが異なることによって打ち消し合い、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することが可能となる。
【0215】
(第10の実施の形態)
図13は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す斜視図である。
【0216】
なお、回転電機の全体構成は、図35および図36の従来と同様の構成であるので、同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0217】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図13に示すように、固定子枠2を設けない固定子鉄心3のみで構成される回転電機の固定子1において、固定子鉄心3の軸方向に直交する方向の断面の外周を、1を除く略奇数角形に形成して構成している。
【0218】
ここで、1を除く略奇数角形としては、回転電機の極数に応じて適宜選択される、略三角形、略五角形、略七角形のうちいずれか一つの奇数角形とすることが好ましい。
【0219】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、固定子鉄心3の軸方向に直交する方向の断面の外周を、1を除く略奇数角形(好ましくは、回転電機の極数に応じて適宜選択される、略三角形、略五角形、略七角形のうちいずれか一つの奇数角形)に形成していることにより、固定子枠2がない場合でも、固定子鉄心3の内径に作用した電磁力は、固定子鉄心3の外形に振動伝播した時には、モード2(楕円)の変形が発生し難くなり、固定子鉄心3の外形に生じる振動が打ち消し合い、これにより固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することができる。
【0220】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子では、固定子鉄心3の軸方向に直交する方向の断面の外周を、略三角形、略五角形、略七角形に形成するようにしているので、電磁力モードと固有モードとが異なることによって打ち消し合い、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することが可能となる。
【0221】
(第11の実施の形態)
図14および図15は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例をそれぞれ示す横断面図であり、図4と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0222】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図14および図15に示すように、前記第2の実施の形態において、略三角形または略五角形の固定子枠2の軸方向に直交する断面における角部の固定子枠2の厚さをh2とし、角部と固定子鉄心3の内径中心点とを結ぶ延長線上にある固定子枠2の厚さをh1とした場合に、h2とh1との比が、h2/h1=2.5〜4.5の範囲内にあるように構成している。
【0223】
ここで、特にh2とh1との比が、h2/h1=3.0〜4.0の範囲内にあるようにすることがより好ましく、またh2とh1との比が、h2/h1=3.5となるようにすることがさらにより好ましい。
【0224】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、略三角形または略五角形の固定子枠2の軸方向に直交する断面における角部の固定子枠2の厚さをh2とし、角部と固定子鉄心3の内径中心点とを結ぶ延長線上にある固定子枠2の厚さをh1とした場合に、h2とh1との比が、h2/h1=2.5〜4.5の範囲内にあるようにしていることにより、固定子枠2の厚さによるh2/h1に関する剛性比のバランスから電磁力が作用しにくくなるために、共振状態においても固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0225】
以下、かかる点について詳細に述べる。
【0226】
固定子枠2は、実際の製品で実用面において、略三角形では設置面積が大きくなる。略七角形では、円形に近づくことにより、略五角形よりも騒音の低減効果が僅かに小さい。
【0227】
したがって、実用面では略五角形状とし、角を丸めたり、面カットを施す形状とすることが好ましい。
【0228】
固定子枠2の厚さを決定するには、固定子鉄心3と固定子枠2を、図16に縦断面図および横断面図を示すように、締め代2δで、圧入もしくは焼きばめした場合の固定子枠2に働く応力で判断する。
【0229】
固定子鉄心3と固定子枠2のそれぞれの材料の縦弾性係数およびポアソン比をそれぞれE,E2およびυ,υとした場合、接触面の面圧Pは、下記の式(8)で与えられる。
【0230】
【数14】
Figure 0004567929
【0231】
ここで、aは固定子枠2の外形半径、bは固定子枠2の内径の半径、cは固定子鉄心3のスロット底の半径である。
【0232】
これらの締め代によって生じる各円環の接線方向の応力は、最大の締め代2δにおいて応力降伏点以下の固定子枠3の板厚さとしている。
【0233】
次に、前記した式(3)より、振動は電磁力モードと固有モードとの積によって求めることができる。
【0234】
前記式(3)で、固有モードは、下記の式(9)および式(10)に示すように、固定子枠2と固定子鉄心3とが結合した固定子1として固有振動数を計算する。
【0235】
【数15】
Figure 0004567929
【0236】
ここで、Rは円環の半径、ρは単位長さの重量、Eは縦弾性係数、Iは断面二次モーメントである。
【0237】
nは円環モードの次数であり、楕円の場合はn=2とする。
【0238】
EIは曲げ剛性を表わすものであり、曲げモーメントが作用した時の変形のしやすさを示す指標である。
【0239】
Eは材料による変形のしやすさを、Iは断面形状による変形しやすさを表わしている。
【0240】
図17に横断面図および縦断面図を示すように、固定子鉄心3と固定子枠2を断面二次モーメントがそれぞれの円環の重心G,Gを通り、断面二次モーメントIは下記の式(10)で表わすことができる。
【0241】
【数16】
Figure 0004567929
【0242】
ここで、B1とB2は軸方向の長さであるため同一である。
【0243】
曲げ剛性は、式(9)から、固定子枠2の板厚さh1とh2の3乗で作用することが分かる。
【0244】
このことから、曲げ剛性でもってh1とh2との比を最適にすることにより、固定子枠2と固定子鉄心3の変形の抑制が可能であると考え、以下のような実験を試みた。
【0245】
その結果、略五角形に対して、固定子枠2厚さのh2/h1の比の最適値を見出した。
【0246】
図18は、h2/h1の比をパラメータにして、騒音測定結果をまとめて示す騒音特性図である。
【0247】
図18において、円形とは、図35(a)に示す従来の回転電機であり、略五角形の固定子枠と重量を同じとしたものを表わす。
【0248】
Aゾーンのh2/h1>4.5は、h1の板厚さが薄いために膜板振動が発生したといえる。
【0249】
また、Bゾーンh2/h1<2.5は、h2とh1の剛性比が小さく、円形の固定子枠に近づいたものであり、固定子枠の板厚さによる質量効果といえる。
【0250】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子では、h2とh1との比がh2/h1=2.5〜4.5の範囲にあるようにしているので、固定子枠2の厚さによる剛性比h2/h1のバランスから電磁力が作用しにくくなるために、共振状態においても固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することが可能となる。
【0251】
(第12の実施の形態)
図19は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す横断面図であり、図4と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0252】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図19に示すように、前記第2の実施の形態において、略五角形の固定子枠2の軸方向に直交する断面における角部の固定子枠2の厚さをh2とし、固定子鉄心3の継鉄(ヨーク)厚さをh3とした場合に、h3とh2との比が、h3/h2≦0.8の範囲内にあるように構成している。
【0253】
ここで、特にh3とh2との比が、0.2≦h3/h2≦0.4の範囲内にあるようにすることがより好ましい。
【0254】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、略五角形の固定子枠2の軸方向に直交する断面における角部の固定子枠2の厚さをh2とし、固定子鉄心3の継鉄(ヨーク)厚さをh3とした場合に、h3とh2との比が、h3/h2≦0.8の範囲内にあるようにしていることにより、共振状態にあってもその固定子枠2には電磁力モード次数Mに対して、固定子鉄心3との固定子枠2とのh3/h2に関する剛性比のバランスから電磁力が作用しにくくなるために、固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0255】
以下、かかる点について詳細に述べる。
【0256】
固定子鉄心3の継鉄(ヨーク)厚さh3は、極数によって異なり、極数が大きくなるほど、h3は小さくなる。
【0257】
電磁力は、固定子鉄心3の内径に働くため、固定子鉄心3から固定子枠2に振動が伝搬する。そこで、曲げ剛性は、固定子鉄心3の変形に対抗する固定子枠2の剛性が必要である。
【0258】
図20は、固定子鉄心3の継鉄(ヨーク)厚さh3とした場合、h3/h2の比をパラメータとして示す騒音特性図である。
【0259】
図20に示すように、h3/h2=0.8以上にすることにより、固定子鉄心3との固定子枠2との剛性比のバランスから電磁力が作用しにくくなるために、固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0260】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子では、h3とh2との比が、h3/h2≦0.8の範囲内にあるようにしているので、固定子鉄心3との固定子枠2との剛性比のバランスから電磁力が作用しにくくなるために、固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することが可能となる。
【0261】
(第13の実施の形態)
本実施の形態では、前記第2の実施の形態において、固定子枠2に用いる材料の機械特性である縦弾性係数をE2とし、固定子鉄心3を構成する電気鉄板の縦弾性係数をE1とした場合に、E2とE1との比が、E1/E2=2.5〜80の範囲内にあるように構成している。
【0262】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、固定子枠2に用いる材料の機械特性である縦弾性係数をE2とし、固定子鉄心3を構成する電気鉄板の縦弾性係数をE1とした場合に、E2とE1との比が、E1/E2=2.5〜80の範囲内にあるようにしていることにより、固定子枠2の材料がアルミ材、高分子材のモールド材等に値する縦弾性率以上の材料であれば、固定子鉄心3と固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0263】
すなわち、固定子枠2に用いる材料の機械特性である縦弾性係数E2と、固定子鉄心3の電気鉄板の縦弾性係数E1=21000kg/mmとの比が、E1/E2=2.5〜80の場合、例えば固定子枠3の材料がアルミ材の縦弾性係数E2=7000kg/mm(E1/E2=3)、高分子材のモールド材である縦弾性係数E2=300kg/mm(E1/E2=80)であれば、固定子鉄心3と固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0264】
固定子枠2の材料が、例えば樹脂、ゴム材の縦弾性係数E2=100kg/mm(E1/E2=210)であると、固定子鉄心3の変形力に対して固定子枠2の変形が打ち勝てず、回転電機全体で発生する騒音の低減効果が小さいといえる。
【0265】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子では、E2とE1との比が、E1/E2=2.5〜80の範囲内にあるようにしているので、固定子鉄心3と固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することが可能となる。
【0266】
(第14の実施の形態:請求項21に対応)
図21は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す横断面図であり、図1および図4と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0267】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図21に示すように、前記第1または第2の実施の形態において、固定子枠2に冷却フィン9を取り付け、当該冷却フィン9の取り付け位置を、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の角部を除く固定子枠2の外周上になるように冷却フィン9を配置し、冷却フィン9の高さを、角部の頂点g半径r=jとして略円形を形成するように構成している。
【0268】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、固定子枠2に冷却フィン9を取り付け、冷却フィン9の取り付け位置を、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の角部を除く固定子枠2の外周上になるように冷却フィン9を配置し、冷却フィン9の高さを、角部の頂点gを半径として略円形を形成するようにしていることにより、冷却フィン9は、固定子枠2の曲げ剛性に影響を有していないが、付加重量として作用する。
【0269】
すなわち、固定子枠2の厚さの薄い部分に冷却フィン9の高さを調整することにより、重量バランスが円周上で均等になる。当該重量のバランスの均等が良くなると、回転子の機械的アンバランスの原因で発生する振れ廻りによる振動成分が小さくなり、固定子枠2の全体に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0270】
さらに、冷却フィン9を円形に配列していることにより、据え付け面積をより小さくすることができる。
【0271】
なお、本実施の形態においては、略五角形の辺に対して、直角に冷却フィン9を取り付ける構成としているが、放射状の半径方向に冷却フィン9を取り付ける構成としても良い。
【0272】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子では、固定子枠2に取り付ける冷却フィン9の取り付け位置を、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の角部を除く固定子枠2の外周上になるように冷却フィン9を配置し、冷却フィン9の高さを、角部の頂点g半径r=jとして略円形を形成するようにしているので、固定子枠2の全体に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することが可能となる。
【0273】
(第15の実施の形態)
図22および図23は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例をそれぞれ示す横断面図および透視図であり、図4と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0274】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図22および図23に示すように、前記第2の実施の形態において、一方の略五角形の固定子枠2を基準として、他方の略五角形の固定子枠2を周方向に30度〜42度の間のいずれかの角度で回転させるように構成している。
【0275】
ここで、特に他方の略五角形の固定子枠2を周方向に36度(略五角形であるので、(360度/5)/2=36度)の角度で回転させるようにすることがより好ましい。
【0276】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、一方の略五角形の固定子枠2を基準として、他方の略五角形の固定子枠2を周方向に30度〜42度の間のいずれかの角度で回転させるようにしていることにより、電磁力の分布が固定子鉄心3の積厚方向(軸方向)には一様の楕円であることから、固定子鉄心3の両端の固定子枠2が周方向に機械的剛性を変化させることにより、電磁力による振動が分散する。
【0277】
この結果、固定子枠2にはモード2(楕円)の変形が発生しにくくなり、固定子枠2の外形に生じる振動が打ち消し合い、これにより回転電機全体の振動と騒音を低減することができる。
【0278】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子では、一方の略五角形の固定子枠2を基準として、他方の略五角形の固定子枠2を周方向に30度〜42度の間のいずれかの角度で回転させるようにしているので、固定子枠2に生じる振動が打ち消し合い、回転電機全体の振動と騒音を低減することが可能となる。
【0279】
(第16の実施の形態)
図24は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す横断面(固定
子枠の軸方向に直交する方向の断面)図である。
【0280】
なお、回転電機の全体構成は、図35および図36の従来と同様の構成であるので、同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0281】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図24に示すように、固定子枠2と、当該固定子枠2に嵌合固定された固定子鉄心3とを備えて構成されるものにおいて、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を、略円形、略四角形、略台形、略長方形、正方形のうちいずれか一つの形状とし、固定子鉄心3の中心点に対して、略円形の固定子枠2の中心点、または略四角形、略台形、略長方形、正方形のいずれかの形状の固定子枠2の対角線の交点を、偏心させるように構成している。
【0282】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を、略円形、略四角形、略台形、略長方形、正方形のうちいずれか一つの形状とし、固定子鉄心3の中心点に対して、略円形の固定子枠2の中心点、または略四角形、略台形、略長方形、正方形のいずれかの形状の固定子枠2の対角線の交点を、偏心させるようにしていることにより、固定子枠2の厚さによる剛性比h2/h1のバランスから電磁力が作用しにくくなるために、共振状態においても固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0283】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子では、共振状態においても固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することが可能となる。
【0284】
(第17の実施の形態:請求項乃至請求項に対応)
本実施の形態では、前記第16の実施の形態において、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を略円形とし、固定子鉄心3の外径をdとし、略円形の固定子枠2の外径をDとし、偏心量をε1とした場合に、ε1=(0.25〜0.8)(D−d)/2の範囲内で偏心させるように構成している。
【0285】
ここで、特にε1=(0.7〜0.8)(D−d)/2の範囲内で偏心させるようにすることがより好ましく、またε1=0.8(D−d)/2で偏心させるようにすることがさらにより好ましい。
【0286】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を略円形とし、固定子鉄心3の外径をdとし、略円形の固定子枠2の外径をDとし、偏心量をε1とした場合に、ε1=(0.25〜0.8)(D−d)/2の範囲内で偏心させるようにしていることにより、固定子枠2の厚さによる剛性比h2/h1のバランスから電磁力が作用しにくくなるために、共振状態においても固定子枠の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0287】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子では、共振状態においても固定子枠の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することが可能となる。
【0288】
(第18の実施の形態:請求項10に対応)
図25は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す横断面図であり、図24と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0289】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図25に示すように、前記第16の実施の形態において、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を、略長方形、略正方形のうちいずれか一つの形状とし、固定子鉄心3の外径をdとし、略長方形の固定子枠2の短辺、もしくは略正方形の固定子枠2の一辺の長さをxとし、偏心量をε2とした場合に、略長方形の固定子枠2または略正方形の固定子枠2の対角線の交点から固定子鉄心3の中心を、ε2=(x−d)/2.5〜(x−d)/8の範囲内で偏心させるように構成している。
【0290】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を、略長方形、略正方形のうちいずれか一つの形状とし、固定子鉄心3の外径をdとし、略長方形の固定子枠2の短辺、もしくは略正方形の固定子枠2の一辺の長さをxとし、偏心量をε2とした場合に、略長方形の固定子枠2または略正方形の固定子枠2の対角線の交点から固定子鉄心3の中心を、ε2=(x−d)/2.5〜(x−d)/8の範囲内で偏心させるようにしていることにより、略長方形の固定子枠2または略正方形の固定子枠2において、全体の重量が大きくなることなく、固定子枠2の厚さによる剛性比h2/h1のバランスから電磁力が作用しにくくなるために、共振状態においても固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0291】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子では、共振状態においても固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することが可能となる。
【0292】
(第19の実施の形態:請求項11に対応)
図26は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成例を示す横断面図であり、図24と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0293】
すなわち、本実施の形態による回転電機の固定子1は、図26に示すように、前記第16の実施の形態において、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を略台形とし、固定子鉄心3の外径をdとし、略台形の固定子枠2の高さをhとし、偏心量をε3とした場合に、略台形の固定子枠2の高さのh/2から固定子鉄心3の中心を、ε3=(h−d)/2.5〜(h−d)/8の範囲内で偏心させるように構成している。
【0294】
次に、以上のように構成した本実施の形態による回転電機の固定子1においては、固定子枠2の軸方向に直交する方向の断面の外周を略台形とし、固定子鉄心3の外径をdとし、略台形の固定子枠2の高さをhとし、偏心量をε3とした場合に、略台形の固定子枠2の高さのh/2から固定子鉄心3の中心を、ε3=(h−d)/2.5〜(h−d)/8の範囲内で偏心させるようにしていることにより、台形形状は、高さ方向の形状効果を利用するだけでよく、(h−d)/2.5〜(h−d)/8の範囲内で偏心させることにより、固定子枠2の厚さによるに関する剛性比h2/h1のバランスから電磁力が作用しにくくなるために、共振状態においても固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0295】
上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子では、共振状態においても固定子枠2の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することが可能となる。
【0296】
(第20の実施の形態:請求項12に対応)
本実施の形態では、固定子1と回転子4とを備えて構成される回転電機において、固定子1として、前記第1乃至第19のいずれか1つの実施の形態の固定子を備えて回転電機を構成している。
【0297】
これにより、回転電機全体で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減することが可能となる。
【0298】
(その他の実施の形態)
尚、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施することが可能である。
また、各実施の形態は可能な限り適宜組合わせて実施してもよく、その場合には組合わせた作用効果を得ることができる。
さらに、上記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより、種々の発明を抽出することができる。
例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも一つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも一つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成を発明として抽出することができる。
【0299】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の回転電機の固定子によれば、固定子枠または固定子鉄心の軸方向に直交する方向の断面の外周を、1を除く奇数(好ましくは、回転電機の極数に応じて適宜選択される、3,5,7のうちいずれか一つの次数)正弦波形状に形成するようにしているので、電磁力モードと固有モードとが異なることによって打ち消し合い、振動および騒音の低減を十分に図ることが可能となる。
【0300】
また、本発明の回転電機の固定子によれば、固定子枠の軸方向に直交する方向の断面の外周を、略円形、略四角形、略台形、略長方形、正方形のうちいずれか一つの形状とし、固定子鉄心の中心点に対して、略円形の固定子枠の中心点、または略四角形、略台形、略長方形、正方形のいずれかの形状の固定子枠の対角線の交点を、偏心させるようにしているので、共振状態においても固定子枠の外形に発生する振動が打ち消され、回転電機全体で発生する騒音を効果的に低減することが可能となる。
【0301】
さらに、本発明の回転電機によれば、上記構成の固定子を備えるようにしているので、固定子鉄心自体が変形し難く、固定子枠に楕円モードの変形が発生し難くなり、これにより回転電機全体での振動および騒音を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回転電機の固定子の第1の実施の形態を示す縦断面図および横断面図。
【図2】同第1の実施の形態における実験による回転電機の運転周波数と騒音との関係を示す特性図。
【図3】次数nと騒音レベルとの関係を示す特性図。
【図4】本発明による回転電機の固定子の第2の実施の形態を示す縦断面図および横断面図。
【図5】本発明による回転電機の固定子の第3の実施の形態を示す斜視図。
【図6】本発明による回転電機の固定子の第4の実施の形態を示す斜視図。
【図7】本発明による回転電機の固定子の第5の実施の形態を示す断面図。
【図8】本発明による回転電機の固定子の第6の実施の形態を示す断面図。
【図9】本発明による回転電機の固定子の第7の実施の形態を示す断面図。
【図10】本発明による回転電機の固定子の第8の実施の形態を示す断面図。
【図11】本発明による回転電機の固定子の第8の実施の形態を示す断面図。
【図12】本発明による回転電機の固定子の第9の実施の形態を示す斜視図。
【図13】本発明による回転電機の固定子の第10の実施の形態を示す斜視図。
【図14】本発明による回転電機の固定子の第11の実施の形態を示す横断面図。
【図15】本発明による回転電機の固定子の第11の実施の形態を示す横断面図。
【図16】本発明による回転電機の固定子の第11の実施の形態を示す縦断面図および横断面図。
【図17】本発明による回転電機の固定子の第11の実施の形態を示す横断面図および縦断面図。
【図18】騒音特性を示す特性図。
【図19】本発明による回転電機の固定子の第12の実施の形態を示す横断面図。
【図20】騒音特性を示す特性図。
【図21】本発明による回転電機の固定子の第14の実施の形態を示す横断面図。
【図22】本発明による回転電機の固定子の第15の実施の形態を示す横断面図。
【図23】本発明による回転電機の固定子の第15の実施の形態を示す透視図。
【図24】本発明による回転電機の固定子の第16および第17の実施の形態をそれぞれ示す横断面図。
【図25】本発明による回転電機の固定子の第18の実施の形態を示す横断面図。
【図26】本発明による回転電機の固定子の第19の実施の形態を示す横断面図。
【図27】騒音発生のメカニズムを説明するための図。
【図28】円環モードを説明するための図。
【図29】従来の騒音特性を説明するための図。
【図30】電磁力モードを説明するための図。
【図31】電磁力と固有モードの関係から振動を発生するしくみを説明するための図。
【図32】振動特性を説明するための図。
【図33】振動特性を説明するための図。
【図34】振動特性を説明するための図。
【図35】従来の誘導電動機の一構成例を示す断面図。
【図36】従来の誘導電動機の他の構成例を示す断面図。
【符号の説明】
1…固定子、
2…固定子枠、
3…固定子鉄心、
4…回転子、
5…軸受、
6…回転軸、
7…回転子鉄心、
8…リブ、
9…冷却フィン、
11…固定子枠、
12…弾性体、
13…弾性はり、
g…角部頂点。

Claims (12)

  1. 固定子枠と、当該固定子枠に固定された固定子鉄心とを備えて構成される回転電機の固定子において、
    前記固定子枠の軸方向に直交する方向の断面の外周を、
    外周平均半径rと当該外周平均半径rからの変形量Aとの比が0.05≦A/r≦0.5の範囲にあって、機械角をθとした場合に、下記式で表わされる略正弦波形状Dに形成し、当該略正弦波形状の次数nを、1を除く奇数次数としたことを特徴とする回転電機の固定子。
    Figure 0004567929
  2. 前記請求項1に記載の回転電機の固定子において、
    前記1を除く奇数次数としては、前記回転電機の極数に応じて適宜選択される3,5,7のうちいずれか一つの次数としたことを特徴とする回転電機の固定子。
  3. 前記請求項1又は2に記載の回転電機の固定子において、
    前記固定子枠を、前記固定子鉄心の軸方向の両端部に分割して取り付けたことを特徴とする回転電機の固定子。
  4. 前記請求項1又は2に記載の回転電機の固定子において、
    前記固定子枠を、前記固定子鉄心の軸方向の両端部および略中央部に少なくとも1個取り付けたことを特徴とする回転電機の固定子。
  5. 固定子枠を設けない固定子鉄心のみで構成される回転電機の固定子において、
    前記固定子鉄心の軸方向に直交する方向の断面の外周を、
    外周平均半径r1と当該外周平均半径r1からの変形量Bとの比が0.05≦B/r1≦0.5の範囲にあって、機械角をθとした場合に、下記式で表わされる略正弦波形状Eに形成し、当該略正弦波形状の次数nを、1を除く奇数次数としたことを特徴とする回転電機の固定子。
    Figure 0004567929
  6. 前記請求項に記載の回転電機の固定子において、
    前記1を除く奇数次数としては、前記回転電機の極数に応じて適宜選択される3,5,7のうちいずれか一つの次数としたことを特徴とする回転電機の固定子。
  7. 固定子枠と、当該固定子枠に固定された固定子鉄心とを備えて構成される回転電機の固定子において、
    前記固定子枠の軸方向に直交する方向の断面の外周を略円形の形状とし、
    前記固定子鉄心の中心点に対して、
    前記略円形の固定子枠の中心点を偏心させ、
    前記固定子鉄心の外径をdとし、
    前記略円形の固定子枠の外径をDとし、
    前記偏心の量をε1とした場合に、
    ε1=(0.25〜0.8)(D−d)/2
    の範囲内で、前記固定子鉄心の中心点に対して前記略円形の固定子枠の中心点を偏心させるようにしたことを特徴とする回転電機の固定子。
  8. 前記請求項に記載の回転電機の固定子において、
    ε1=(0.7〜0.8)(D−d)/2
    の範囲内で偏心させるようにしたことを特徴とする回転電機の固定子。
  9. 前記請求項に記載の回転電機の固定子において、
    ε1=0.8(D−d)/2
    で偏心させるようにしたことを特徴とする回転電機の固定子。
  10. 固定子枠と、当該固定子枠に固定された固定子鉄心とを備えて構成される回転電機の固定子において、
    前記固定子枠の軸方向に直交する方向の断面の外周を、略長方形、略正方形のうちいずれか一つの形状とし、
    前記固定子鉄心の中心点に対して、
    前記略長方形、前記略正方形のいずれかの形状の固定子枠の対角線の交点を偏心させ、
    前記固定子鉄心の外径をdとし、
    前記略長方形の固定子枠の短辺、もしくは前記略正方形の固定子枠の一辺の長さをxとし、
    前記偏心の量をε2とした場合に、
    前記略長方形の固定子枠または前記略正方形の固定子枠の対角線の交点から前記固定子鉄心の中心を、
    ε2=(x−d)/2.5〜(x−d)/8
    の範囲内で偏心させるようにしたことを特徴とする回転電機の固定子。
  11. 固定子枠と、当該固定子枠に固定された固定子鉄心とを備えて構成される回転電機の固定子において、
    前記固定子枠の軸方向に直交する方向の断面の外周を略台形とし、
    前記固定子鉄心の中心点に対して、
    前記略台形の固定子枠の対角線の交点を偏心させ、
    前記固定子鉄心の外径をdとし、
    前記略台形の固定子枠の高さをhとし、
    前記偏心の量をε3とした場合に、
    前記略台形の固定子枠の高さのh/2から前記固定子鉄心の中心を、
    ε3=(h−d)/2.5〜(h−d)/8
    の範囲内で偏心させるようにしたことを特徴とする回転電機の固定子。
  12. 固定子と回転子とを備えて構成される回転電機において、
    前記固定子として、前記請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の固定子を備えて成ることを特徴とする回転電機。
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