JP3567086B2 - 送風羽根及び回転電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、騒音の低減を図った送風羽根及び回転電機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
近年、環境騒音に対する関心が高まり、電動機や発電機等の回転電機においても、騒音を低減する試みが行われている。特に、冷却用のファンを有する回転電機においては、前記ファンの送風羽根で発生する騒音が回転電機で発生する騒音の原因の多くを占めるため、前記送風羽根で発生する騒音を低減する様々な試みが行われている。
【0003】
一般に、送風羽根の回転に伴い発生する騒音の周波数は広範囲にわたって分布しているが、送風羽根の複数枚の羽根が車盤に対して均等な間隔で配列されている場合、音圧レベルが卓越した所定周波数の騒音が現れる。このような騒音は、羽根枚数×回転周波数(Hz)を基本周波数f(Hz)とする周期的な騒音(即ち、1×f、2×f、3×f…を周波数とする騒音)であり、純音として扱われている。純音成分を有する騒音は、一般的に聴きづらく、また、やかましく感じられる。
【0004】
これに対して、例えば、特開昭55−25555公報に示される送風羽根のように、複数枚の羽根を各羽根の間隔が不均等となるように配列することにより、周期的な騒音を低減させたものが提案されている。
【0005】
ところが、上記公報に記載された送風羽根の場合、機械的なバランスについては、余り考慮されていなかった。具体的には、図15に示すプロペラ形の軸流ファンの送風羽根1を例にあげながら説明する。この送風羽根1は、上記公報に記載されているものであり、車盤2の外周に5枚の羽根3を円形配列することにより構成されている。この図15から明らかなように、送風羽根1は、各羽根3の重心及び回転中心を通る5本の軸L1〜L5のうち2本の軸L1及びL2に関しては略左右対称であるが、残りの3軸L3〜L5に関しては対称性が大きく崩れている。しかも、各羽根3の間の角度のばらつきが大きく、最大で66.9度の角度差があった。
【0006】
送風羽根1の対称性が大きく崩れると、回転時に各羽根3に加わる遠心力が釣り合わないため、振動が発生するおそれがある。また、各羽根3間の角度のばらつきが大きいと、送風空気の流れが乱れるため乱流騒音が増大したり、送風量が減少して冷却性能が悪くなるおそれがあった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、冷却性能の低下を招くことなく、周期的な騒音の低減を図ると共に、振動や乱流騒音の低減を併せて図ることができる送風羽根及び回転電機を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
例えばファンやブロワなどの送風機においては、送風羽根の回転に伴い羽根ピッチ音と呼ばれる周期的な騒音が発生することが知られている。この羽根ピッチ音の発生メカニズムを、図13に示すラジアルファンの場合を例に挙げて説明する。
【0009】
前記ラジアルファンは、ファンケーシング4の内部に5枚の羽根5を有する送風羽根6を配設して構成されている。前記送風羽根6が回転すると、各羽根5の通過に伴って外部の空気が入口7を通してファンケーシング4内に流入する。このとき、空気は、入口7に入り込む際に収縮し、入口7を通過してファンケーシング4内に流入する際に拡張する。
【0010】
このような収縮、拡張は、羽根5が通過する時間差だけずれて繰り返される。そして、このような収縮と拡張の繰返しにより、羽根ピッチ音が発生すると考えられる。尚、ファンケーシング4内の空気が出口8を介して外部に排出されるときも同様に収縮,拡張が繰り返される。
【0011】
いま、圧縮側の空気の圧力変動だけを考えると、5枚の羽根5が等間隔に配置されている場合には、任意の観測点で観測される音圧P(t)は図14(a)に示すような正弦波となる。
【0012】
任意の観測点を羽根が通過するときに空気の圧力、即ち音圧が最大となるとすると、音圧P(t)は、次の式(1)で表される。
P(t)=sin(ωz・t)……(1)
尚、ωz=2π×f×z(fは送風羽根の回転周波数(Hz)、zは羽根枚数)を示しており、ここでは、便宜上、振幅は1としている。
【0013】
これに対して、羽根5が、各羽根5の間隔が不均等になるように配置されている場合は、任意の観測点で観測される音圧P(t)は図14(b)に示すようになる。即ち、羽根5の間隔に応じて音圧P(t)の最大値の位置が変動する。そのため、元の羽根ピッチ音のスペクトルが様々な周波数に拡散され、ピークレベルが低減する。そこで、本発明者らは、羽根ピッチ音の正弦波に周期的な周波数変調、具体的には正弦波で周波数変調をかけて、羽根ピッチ音のスペクトルを様々な周波数に拡散する方法を採用した。
【0014】
ここで、変調する角周波数をωmとすると、変調後の音圧P(t)は近似的に次の式で表される。
【0015】
P(t)=sin{ωz×t+β×sin(ωm×t)}……(2)
但し、βは変調の大きさを示す振幅を示す。また、ωm=m×2π×f(mは整数)の関係を有する。
【0016】
そして、上記関係式(2)から、P(t)の最大値に羽根が位置するように各羽根の位置角度を設定すれば良い。尚、厳密には、式(2)から各羽根の位置角度を求めることになるが、近似的には、以下のようにして求めることができる。即ち、複数枚の羽根を車盤に円形配列した送風羽根において、羽根枚数をZ、車盤にZ枚の羽根を均等に円形配列したときのn番目の羽根の位置を定める位置角度をθn0(但し、1≦n≦Z)、許容最大ずれ角度をθmaxとしたとき、n番目の羽根の位置角度θnは、次式
θn=θn0+θmax×sin{2π×m×(n−1)/Z}
(但し、mは回転周波数の次数を示すもので、1からZ−1までの任意の整数)により求めることができる。そして、本発明の請求項1の送風羽根は、上記式によって求められた位置角度となるように、複数枚の羽根を前記車盤に不均等に配列したものである。
【0017】
上記構成によれば、各羽根の間隔が不均等となるように複数枚の羽根が配設されるため、羽根ピッチ音を低減することができる。また、上記構成によれば、均等に配列したときの羽根の位置に対して、ある羽根が一方向に所定角度ずれるときには、別の羽根が他方向に所定角度ずれるように設定される。即ち、各羽根は、相互に補われるようにずらして配置されるため、送風羽根全体のバランスが大きく崩れることがない。
【0018】
ところで、回転により個々の羽根に加わる遠心力が全体として釣り合っていないと大きな振動が発生する。このような振動は、送風羽根の回転に伴い発生する騒音の原因の一つである。そこで、遠心力の釣り合いを表す指標として、
【0019】
【数2】
と定義したとき、−0.1≦RB≦0.1を満たすことが好ましい(請求項2)。ここで、RBの値が「0」に近付けば近付くほど、遠心力が釣り合っていることを示すが、実務上、RBが上記範囲を満たしておれば許容できるものとされている。尚、RBの値は、送風羽根が取付けられる環境によって異なるものであり、例えば、回転電機の冷却ファンとして用いられる送風羽根の場合は、−0.02≦RB≦0.02を満たしていることが好ましい。
【0020】
また、許容最大ずれ角度θmaxが大きくなると、その分、各羽根間の角度のばらつきが大きくなるため、送風空気の流れが乱れて乱流騒音が大きくなると共に、ファン効率が低下する。そこで、許容最大ずれ角度θmaxは、10度以内であることが望ましい(請求項3の発明)。
【0021】
この場合、羽根枚数は5枚以上18枚以下であることが好ましい(請求項4の発明)。
また、本発明の請求項5の回転電機は、冷却用のファンとして請求項1ないし4のいずれかに記載の送風羽根を備えることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を回転電機たる全閉外扇形の誘導電動機に適用した一実施例について図1ないし図9を参照して説明する。まず、図2は、本実施例に係る誘導電動機の全体構成を示している。この図2において、電動機本体11は、固定子枠12及び軸受ブラケット13を備えて構成されている。固定子枠12の内周面には、固定子鉄心14が固着され、その固定子鉄心14には固定子巻線15が巻装されている。
【0023】
前記固定子鉄心14の内部には、所定の間隙を存して回転子16が配設されている。この回転子16の回転軸17は、軸受18を介して前記軸受ブラケット13に支持されている。このとき、前記回転軸17の両端部は電動機本体11よりも外方に突出するように構成されている。また、前記固定子枠12の外周面には、前記回転軸17に沿った方向に冷却フィン19が形成されており、これら冷却フィン19間に通風路20が形成されている。
【0024】
上記回転軸17の両端部のうち反負荷側端部である図示左端部には、冷却ファンたるラジアルファンの送風羽根21が固定され、以て、回転軸17と一体に回転するように構成されている。そして、前記送風羽根21を覆うように、左側の軸受ブラケット13にはファンカバー22が例えばねじ止めされて取付けられている。
【0025】
前記送風羽根21は、例えばポリアミド製で、図1及び図2に示すように、車盤23に5枚の羽根24が円形配列、具体的には放射状に配列されて構成されている。このとき、前記羽根24は、各羽根24間の間隔が不均等となるように配設されている。尚、前記羽根24の配置については後述する。また、前記車盤23は、中央部から周辺部に向かって図1中、奥側(図2中、右側)に傾斜する漏斗状をなし、前記中央部には、前記回転軸17の左端部に嵌合されるボス部25が一体に形成されている。
【0026】
更に、ファンカバー22の前記送風羽根21と対向する左端面には、多数の貫通孔26aからなる吸気口26が形成されている。上記構成においては、回転子16が回転駆動されて送風羽根21が回転されると、その送風作用により空気が矢印Aで示すように前記吸気口26から吸引される。そして、吸引された空気は、羽根24によって出口27から通風路20内へ送風されることによって、電動機本体11が冷却される。
【0027】
さて、上記送風羽根21の5枚の羽根24の位置を定める位置角度は次のように設定されている。ここで、5枚の羽根24のうち、図1中、一番上に位置する羽根24を1番目の羽根とし、時計回りの順に2番目の羽根、3番目の羽根……とする。そして、n番目の羽根の位置角度θnとは、1番目の羽根の重心と回転中心とを結ぶ直線及びn番目の羽根の重心と回転中心とを結ぶ直線の間の角度をいう(但し、nは1から5までの整数)。
【0028】
まず、n番目の羽根の位置角度θnは次式(3)を満たすように設定される。
θn=θn0+θmax×sin{2π×m×(n−1)/5}……(3)
(但し、mは回転周波数の次数を示すもので、1から4までの任意の整数)
また、各羽根に加わる遠心力が釣り合っていないときには、機械的アンバランスが生じて振動が発生する。このような振動の発生は、騒音の原因の一つとなる。そこで、各羽根24に加わる遠心力の釣り合いを表す指標として、
【0029】
【数3】
と定義すると、RBの値が0に近付くほど各羽根に加わる遠心力は釣り合っていることを示し、本実施例においては次式(4)
−0.02≦RB≦0.02……(4)
を満たすように、各羽根24の位置角度θnを設定する。
【0030】
ここで、mの値とRBの値との関係を図3に示す。この図3は、θmaxを10度に設定したときのmの値とRBの値との関係を代表させて示すものであり、同図に示すように、mが1または4のときに比べて、mが2または3のときの方がRBは0に近付く。具体的には、m=2のときRB=0.018、m=3のときRB=0.02となる。尚、図示はしないが、θmaxを10度とは異なる値に設定した場合も同様の傾向を示す。そこで、本実施例においては、m=2またはm=3を採用する。
【0031】
一方、電動機の冷却のためには、送風羽根21の風量は多い方が望ましい。一般に、車盤に羽根が不均等に配置されていると、羽根が均等に配置されている場合よりも送風空気の流れが乱れて風量が低下する。また、送風空気の流れが乱れると、流体の渦が発生し、それに伴う騒音が増大する。そこで、本実施例においては、送風量の低下を極力抑えるために、許容最大ずれ角度θmaxを10度以内に設定した。
【0032】
許容最大ずれ角度θmaxを10度以内に設定したのは、図4に示すθmaxと送風羽根のファン効率との関係及び図5に示すθmaxと騒音レベルとの関係に基づくものである。即ち、図4及び図5は、m=3に設定するとともに、許容最大ずれ角度θmaxを種々の値に設定して求められた各羽根の位置角度θnに基づいて製作された送風羽根の送風量や騒音レベルを測定した結果を示している。尚、図4では、羽根を等間隔で配列した送風羽根の送風量に対する割合(%)をファン効率として示している。
【0033】
図4から明らかなように、許容最大ずれ角度θmaxが10度以下のときは、ファン効率は98%以上を保持しているが、10度を越えるとファン効率が急激に低下する。一方、図5に示すように、羽根を等間隔で配列したときの騒音レベル(68dB(A))に対して、羽根24を不均等な間隔で配列したときの騒音レベルは全般に低下するが、特に、許容最大ずれ角度θmaxが10度のときに騒音レベルは最小となる。
【0034】
さて、以上の関係式(3)及び(4)から、本実施例においては、θmax=10,m=3に設定して各羽根24の位置角度θnを算出し、送風羽根21を製作した。そして、この送風羽根21の動作時(回転周波数は30Hz)の騒音レベル(dB(A))、詳しくは騒音計にて得られた音の波形をFFTにて周波数分析した結果を図6及び図7に示す。尚、本実施例の送風羽根21の各羽根24の位置角度θnは、具体的には表1に示す通りで、このときRBの値は0.02となっている。
【0035】
【表1】
【0036】
また、羽根を均等に配置した場合の送風羽根の動作時の騒音レベル(dB(A))を図8及び図9に示し、各羽根の位置角度を表1に示す。ここで、図7は、図6のうちの0〜500Hzの部分を拡大して示したものであり、図9は、図8のうちの0〜500Hzの部分を拡大して示したものである。
【0037】
図9に示すように、羽根が均等に配置された送風羽根においては、周波数が150Hz,300Hz,450Hzの純音成分(図9中、150、300、450にて示す)、所謂羽根ピッチ音がみられるため、聴感的に聴きづらく、やかましく感じられる。これに対して、図7に示すように、本実施例の送風羽根21においては卓越した純音が無くなり、聴感的に聴きやすい音に改善されている。
【0038】
また、上述したように、本実施例の送風羽根21においては、乱流騒音も低減されるため全体の騒音レベルは64dB(A)となる。これに対して、羽根を均等に配列したときの送風羽根の騒音レベルは68dB(A)であることから、本実施例の送風羽根21では、騒音のエネルギーが1/3以下に抑えられている。このように本実施例によれば、羽根24を不均等に配列したことにより、送風羽根21の回転に伴う騒音(羽根ピッチ音)を低減することができる。また、羽根24を不均等に配列しながらも、各羽根24に加わる遠心力が略釣り合うように構成したので、送風羽根21の回転時における振動の発生を極力防止でき、その結果、騒音の低減を図ることができる。
【0039】
さらに、本実施例においては、各羽根24の間の角度差は、最大で34.5度であり、従来の送風羽根1の角度差が最大で66.9度であるのに比べて十分に小さくなる。従って、乱流騒音の発生を極力防止できるため、送風羽根21全体として発生する騒音を低減でき、しかも、送風量の低下を極力抑えることができるので、冷却性能の低下を極力防止できる。
【0040】
尚、上記実施例においては、θmax=10,m=3に設定したが、θmax=10,m=2としても良い。即ち、具体的な図示は省略するが、本発明者らの実験によれば、θmax=10,m=2に設定して送風羽根21を製作した場合も、上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。このときの各羽根24の位置角度θnは表1に示す通りで、RBは0.02となる。
【0041】
また、上記実施例では、ラジアルファンの送風羽根21を例に挙げて説明したが、例えば、従来技術の説明において示した軸流ファン(図15参照)の送風羽根に適用することも可能である。具体的には、羽根枚数Z=5の軸流ファンにおいて、θmax=10,m=2に設定して各羽根の位置角度θnを算出し、製作された軸流ファンの動作時の騒音レベル(dB(A))を図10に示す。このときの各羽根の位置角度θnを表1に示す。また、θmax=10,m=3に設定して各羽根の位置角度θnを算出して製作された軸流ファンの騒音レベルを図11に示す。更に羽根を均等に配列したときの軸流ファンの動作時の騒音レベル(dB(A))を図12に、尚、各羽根の位置角度θnは、表1に示すラジアルファンの場合と同じである。
【0042】
これら図10ないし図12から明らかなように、軸流ファンにおいても、上記関係式を満たすように各羽根を不均等に配列することにより、卓越した純音(羽根ピッチ音)が無くなり、また、全体としての騒音レベルを低減することができる。
【0043】
更に、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような変形が可能である。
電動機の他、発電機の冷却ファンの送風羽根に適用しても良い。また、ラジアルファン、軸流ファンに限らず、斜流ファン、横流ファン等の送風機全般の送風羽根にも適用できる。
【0044】
RBの値は、−0.1≦RB≦0.1を満たしていれば良い。即ち、電動機などの回転電機においては、振動の発生が騒音の増大や機械の性能に影響するため、RBの値はできるだけ「0」に近い方が望ましく、従って、上記各実施例においては、−0.02≦RB≦0.02を満たすことを条件とした。これに対して、換気扇や扇風機などでは、−0.1≦RB≦0.1の範囲にあれば良い。
【0045】
送風羽根は、ポリアミドの他のプラスチックや、アルミ合金による鋳物、或いは、板金を溶接することにより構成しても良い。
【0046】
羽根の位置角度θnを求める式は、次式
θn=θn0+θmax×cos{2π×m×(n−1)/Z}
のように表すことも可能である。
【0047】
羽根の枚数は3枚や4枚でも良く、5枚以上であっても良い。ちなみに、羽根枚数が6枚の送風羽根においては、次のように各羽根の位置角度θnを設定することが好ましい。
【0048】
θ1=0,θ2=68.5,θ3=111.5 ,θ4=180 ,θ5=248.5 ,θ6=291
また、羽根枚数が7枚の送風羽根においては、次のように各羽根の位置角度θnを設定することが好ましい。
【0049】
θ1=0,θ2=60,θ3=99,θ4=147 ,θ5=213 ,θ6=261.5 ,θ7=299
更に、羽根枚数が7枚の送風羽根においては、次のように各羽根の位置角度θnを設定することも良い構成である。
【0050】
θ1=0,θ2=48,θ3=109 ,θ4=146 ,θ5=213.5 ,θ6=261.5 ,θ7=299
更にまた、羽根枚数が8枚の送風羽根においては、次のように各羽根の位置角度θnを設定することが好ましい。
【0051】
θ1=0,θ2=55,θ3=90,θ4=125 ,θ5=180 ,θ6=235 ,
θ7=270 ,θ8=305
また、羽根枚数が9枚の送風羽根においては、次のように各羽根の位置角度θnを設定すると良い。
【0052】
θ1=0,θ2=50,θ3=83.5,θ4=111.5 ,θ5=153.5 ,θ6=206.5 ,θ7=248.5 ,θ8=276 ,θ9=310
更に、羽根枚数が9枚の送風羽根においては、次のように各羽根の位置角度θnを設定することも良い構成である。
【0053】
θ1=0,θ2=43,θ3=73.5,θ4=128.5 ,θ5=150 ,θ6=206.5 ,θ7=248 ,θ8=276.5 ,θ9=310
更にまた、羽根枚数が9枚の送風羽根においては、次のように各羽根の位置角度θnを設定することが好ましい。
【0054】
θ1=0,θ2=31,θ3=88.5,θ4=120 ,θ5=151 ,θ6=206.5 ,θ7=248 ,θ8=276.5 ,θ9=310
【0055】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明の送風羽根によれば、複数枚の羽根を各羽根の間隔が不均等となるように配置し、しかも、機械的なバランスが悪くなることを極力抑えるように構成したので、冷却性能の低下を招くことなく、騒音や振動の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す送風羽根の正面図
【図2】上半分を断面して示す全閉外扇形誘導電動機の側面図
【図3】mの値とRBの値との関係を示す図
【図4】許容最大ずれ角度とファン効率との関係を示す図
【図5】許容最大ずれ角度と騒音レベルとの関係を示す図
【図6】騒音レベルを示すグラフ
【図7】図6に示す騒音のうち周波数が0〜500Hzの騒音を拡大して示す図
【図8】羽根を等間隔で配置したときの騒音レベルを示すグラフ
【図9】図8に示す騒音のうち周波数が0〜500Hzの騒音を拡大して示す図
【図10】本発明の他の実施例を示すものであり、軸流ファンにおいて羽根を不均等に配列したときの騒音レベルを示すグラフ(その1)
【図11】軸流ファンにおいて羽根を不均等に配列したときの騒音レベルを示すグラフ(その2)
【図12】羽根を等間隔で配置したときの騒音レベルを示すグラフ
【図13】羽根ピッチ音の発生メカニズムを説明するための図で、ラジアルファンの側面図(a)、正面図(b)
【図14】均等な間隔で羽根が配置されているラジアルファンの羽根ピッチ音の音圧を示すグラフ(a)、不均等な間隔で羽根が配置されているラジアルファンの羽根ピッチ音の音圧を示すグラフ(b)
【図15】従来技術を説明するための図で、軸流ファンの正面図
【符号の説明】
図中、11は回転電機本体、21は送風羽根、23は車盤、24は羽根を示す。
Claims (5)
- 複数枚の羽根を車盤に円形配列してなる送風羽根において、
羽根枚数をZ、
前記車盤にZ枚の羽根を均等に配列したときのn番目の羽根の位置を定める位置角度をθn0(但し、1≦n≦Z)、
許容最大ずれ角度をθmaxとしたとき、
n番目の羽根の位置角度θnが、次式
θn=θn0+θmax×sin{2π×m×(n−1)/Z}
(但し、mは回転周波数の次数を示すもので、1からZ−1までの任意の整数)を満足するように、前記車盤に前記羽根を不均等に配列したことを特徴とする送風羽根。 - 許容最大ずれ角度θmaxは、10度以内であることを特徴とする請求項1または2記載の送風羽根。
- 羽根枚数は5枚以上18枚以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の送風羽根。
- 冷却用のファンとして請求項1ないし4のいずれかに記載の送風羽根を備えることを特徴とする回転電機。
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