JP2002281698A - 回転電機の固定子およびそれを用いた回転電機 - Google Patents

回転電機の固定子およびそれを用いた回転電機

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JP2002281698A JP2001076841A JP2001076841A JP2002281698A JP 2002281698 A JP2002281698 A JP 2002281698A JP 2001076841 A JP2001076841 A JP 2001076841A JP 2001076841 A JP2001076841 A JP 2001076841A JP 2002281698 A JP2002281698 A JP 2002281698A
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stator
stator core
electric machine
rotating electric
vibration
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JP2001076841A
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Keiji Ozaki
圭史 尾崎
Hisakatsu Hasegawa
寿克 長谷川
Tadashi Matsuura
忠 松浦
Makoto Matsushita
真琴 松下
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】振動および騒音の低減を十分効果的に図るこ
と。 【解決手段】固定子枠2と、固定子枠2の内周部に固定
された円筒状の固定子鉄心3とを備えて構成される回転
電機の固定子1において、固定子鉄心3の外周部に周方
向に沿って、固定子鉄心3を固定子枠2の内周部に支持
する支持用のリブ8を複数設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電動機、発
電機、同期機等の回転電機において、特に振動および騒
音の低減を十分効果的に図れるようにした回転電機の固
定子およびそれを用いた回転電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、回転電機の一つとして、例え
ば誘導電動機が知られている。
【0003】図12は、この種の従来の誘導電動機の構
成例を示す縦断面図である。
【0004】図12において、固定子1は、固定子枠2
と、当該固定子枠2の内周部に嵌合固定された固定子鉄
心3とから構成されている。
【0005】また、回転子4は、軸受5を介して支承さ
れた回転軸6に、回転子鉄心7を取り付けて構成されて
いる。
【0006】ところで、最近では、このような誘導電動
機を、インバータにより速度制御することが多くなって
きている。
【0007】しかしながら、インバータによる速度制御
運転においては、速度が変化することから、電磁力の周
波数と誘導電動機の構造系である固定子鉄心3の固有振
動数とが一致して共振現象となり、大きな振動と騒音が
発生する可能性が非常に高くなるという問題点がある。
そして、速度が変化することから、共振点を避けること
ができない。
【0008】そこで、このような共振現象による騒音を
低減するための手段の一つとして、例えば固定子枠2の
内周部に周方向に沿って、固定子鉄心3を支持する支持
用のリブを複数設ける構成とすることにより、振動と騒
音を低減できるようにした誘導電動機が提案されてきて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような手段を講じた誘導電動機においては、固定子枠2
の内周部にリブを設けていることから、固定子鉄心3の
外周部を加工しないと、固定子鉄心3の内周と外周の同
心精度が悪く、特性悪化や軸電圧発生の要因になり、短
寿命となる。
【0010】一方、固定子鉄心3の内周と外周の同心精
度を向上させる場合に、固定子鉄心3の外周部を機械加
工することにより、精度を向上することができるが、こ
の場合、固定子鉄心3を固着する部分は外周部であるこ
とから、当該外周部に機械加工量よりも深い凹部を設け
て、当該凹部で固着したり、または固定子鉄心3にキリ
穴を設けて、ボルトで固定したりする必要がある。
【0011】しかしながら、凹部やキリ穴を設けると、
固定子鉄心3の剛性が低下して、結果的に振動や騒音が
悪化することになる。
【0012】また、固定子鉄心3は、電磁鋼板積層品で
あることから、面加工精度が悪く、加工のかえり等で特
性が悪化することもある。
【0013】さらに、固定子鉄心3の外周部の加工後
に、巻線納めおよびワニス処理を行なうと、機械加工面
にワニスが付着してしまい、除去作業や人体・環境にと
って好ましいものではない。 以上のような種々の問題点があることから、従来の誘導
電動機においては、固定子1から外部への振動伝達の低
減を十分には図れないため、騒音の低減を十分に図るこ
とができない。
【0014】本発明の目的は、前述のような種々の問題
点が生じることなく、振動および騒音の低減を十分効果
的に図ることが可能な回転電機の固定子およびそれを用
いた回転電機を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に対応する発明では、固定子枠と、当該
固定子枠の内周部に固定された円筒状の固定子鉄心とを
備えて構成される回転電機の固定子において、固定子鉄
心の外周部に周方向に沿って、当該固定子鉄心を固定子
枠の内周部に支持する支持用のリブを複数設けている。
【0016】従って、請求項1に対応する発明の回転電
機の固定子においては、円筒状の固定子鉄心の外周部に
周方向に沿ってあらかじめ、固定子鉄心を固定子枠の内
周部に支持する支持用のリブを複数設けることにより、
固定子鉄心の剛性が向上して、電磁力に打ち勝つ構造系
の剛性が確保できるため、固定子枠へ伝達される振動が
低減され、固定子で発生する振動および騒音を極めて効
果的に低減することができる。
【0017】さらに、固定子鉄心にあらかじめリブを複
数設けていることにより、固定子枠にリブを設ける場合
と異なって、前述したような種々の問題点が生じること
もなくなる。
【0018】また、請求項2に対応する発明では、固定
子枠を設けない円筒状の固定子鉄心のみで構成される回
転電機の固定子において、固定子鉄心の外周部に周方向
に沿って、当該固定子鉄心を支持する支持用のリブを複
数設け、かつ各々のリブの配置を、固定子鉄心の軸方向
に直交する方向の断面において対角線状でかつ非対称と
なるようにしている。
【0019】従って、請求項2に対応する発明の回転電
機の固定子においては、円筒状の固定子鉄心の外周部に
周方向に沿ってあらかじめ、固定子鉄心を支持する支持
用のリブを複数設け、かつ各々のリブの配置を、固定子
鉄心の軸方向に直交する方向の断面において対角線状で
かつ非対称となるようにすることにより、固有モードの
角度を電磁モードを打ち消すようにして、固定子で発生
する振動および騒音を極めて効果的に低減することがで
きる。また、各々のリブの配置を、固定子鉄心の軸方向
に直交する方向の断面において対角線状でかつ非対称と
なるようにすることにより、電磁力の楕円モードに対し
て、構造系で振動を打ち消し、固定子鉄心の変形が発生
し難くなり、固定子鉄心外周に生じる振動が打ち消し合
い、これにより回転電機に搭載した場合に、回転電機全
体の振動および騒音を低減することができる。
【0020】さらに、請求項3に対応する発明では、固
定子枠と、当該固定子枠の内周部に固定された円筒状の
固定子鉄心とを備えて構成される回転電機の固定子にお
いて、固定子鉄心の外周部に周方向に沿って、当該固定
子鉄心を固定子枠の内周部に支持する支持用のリブを複
数設け、かつ各々のリブの配置を、固定子鉄心の軸方向
に直交する方向の断面において対角線状でかつ非対称と
なるようにしている。
【0021】従って、請求項3に対応する発明の回転電
機の固定子においては、円筒状の固定子鉄心の外周部に
周方向に沿ってあらかじめ、固定子鉄心を固定子枠の内
周部に支持する支持用のリブを複数設け、かつ各々のリ
ブの配置を、固定子鉄心の軸方向に直交する方向の断面
において対角線状でかつ非対称となるようにすることに
より、固有モードの角度を電磁モードを打ち消すように
して、固定子で発生する振動および騒音を極めて効果的
に低減することができる。また、各々のリブの配置を、
固定子鉄心の軸方向に直交する方向の断面において対角
線状でかつ非対称となるようにすることにより、電磁力
の楕円モードに対して、構造系で振動を打ち消し、固定
子鉄心の変形が発生し難くなり、固定子鉄心外周に生じ
る振動が打ち消し合い、これにより回転電機に搭載した
場合に、回転電機全体の振動および騒音を低減すること
ができる。特に、固定子鉄心をリブで固定子枠の内周部
へ嵌合固定することにより、周方向に剛性を変化させ
て、より一層電磁力が分散することとなるため、固定子
で発生する振動および騒音をより一層効果的に低減する
ことができる。
【0022】一方、請求項4に対応する発明では、上記
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に対応する発明の
回転電機の固定子において、固定子鉄心のスロットをス
キューさせている。
【0023】従って、請求項4に対応する発明の回転電
機の固定子においては、固定子鉄心のスロットをスキュ
ーさせることにより、スキュー効果を増加させて、より
一層電磁力が分散することとなるため、固定子で発生す
る振動および騒音をより一層効果的に低減することがで
きる。
【0024】また、請求項5に対応する発明では、上記
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に対応する発明の
回転電機の固定子において、少なくとも一つのリブにお
ける固定子鉄心の外周側に、通風路となる切欠部を設け
ている。
【0025】従って、請求項5に対応する発明の回転電
機の固定子においては、少なくとも一つのリブにおける
固定子鉄心の外周側に、通風路となる切欠部を設けるこ
とにより、固定子鉄心に対して周方向に冷却風を導くこ
とができる。これにより、回転電機の冷却風は回転する
ため、より一層冷却性能を向上させることができ、小形
化や低温度による寿命の延長化を図ることができる。ま
た、小形化してもリブにより高い剛性が得られるため、
固定子で発生する振動および騒音を低減することができ
る。
【0026】さらに、請求項6に対応する発明では、上
記請求項1乃至請求項5のいずれか1項に対応する発明
の回転電機の固定子において、各々のリブの固定子鉄心
外径方向長さを、固定子鉄心の軸方向に直交する方向の
断面において非対称となるようにしている。
【0027】従って、請求項6に対応する発明の回転電
機の固定子においては、各々のリブの固定子鉄心外径方
向長さ(リブの高さ)を、固定子鉄心の軸方向に直交す
る方向の断面において非対称となるようにすることによ
り、固有モードの角度を電磁モードを打ち消すようにし
て、固定子で発生する振動および騒音を極めて効果的に
低減することができる。また、各々のリブの固定子鉄心
外径方向長さ(リブの高さ)を、固定子鉄心の軸方向に
直交する方向の断面において非対称となるようにするこ
とにより、電磁力の楕円モードに対して、構造系で振動
を打ち消し、固定子鉄心の変形が発生し難くなり、固定
子鉄心外周に生じる振動が打ち消し合い、これにより回
転電機に搭載した場合に、回転電機全体の振動および騒
音をより一層低減することができる。特に、固定子鉄心
をリブで固定子枠の内周部へ嵌合固定した場合には、周
方向に剛性を変化させて、より一層電磁力が分散するこ
ととなるため、固定子で発生する振動および騒音をより
一層効果的に低減することができる。
【0028】さらにまた、請求項7に対応する発明で
は、上記請求項1、請求項3乃至請求項6のいずれか1
項に対応する発明の回転電機の固定子において、固定子
枠における各々のリブの外周部と相対する位置に溝を設
け、固定子枠と各々のリブとを隙間嵌めにより嵌合して
いる。
【0029】従って、請求項7に対応する発明の回転電
機の固定子においては、固定子枠における各々のリブの
外周部と相対する位置に溝を設け、固定子枠と各々のリ
ブとを隙間嵌めにより嵌合することにより、嵌合力を低
くできるため、嵌合による固定子鉄心のストレス・変形
が抑制されて、固定子で発生する振動および騒音をより
一層効果的に低減することができると共に、不平衡等に
よる特性の悪化も抑制することができる。さらに、固定
子鉄心の組立・分解も容易になり、生産性やメンテナン
ス性を向上させることができる。
【0030】一方、請求項8に対応する発明では、固定
子と回転子とを備えて構成される回転電機において、固
定子として、上記請求項1乃至請求項7のいずれか1項
に対応する発明の固定子を備えている。
【0031】従って、請求項8に対応する発明の回転電
機においては、固定子として、上記請求項1乃至請求項
7のいずれか1項に対応する発明の固定子を備えること
により、回転電機全体で発生する振動および騒音を極め
て効果的に低減することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】初めに、本発明の一つの考え方の
前提となる騒音の発生メカニズムについて説明する。
【0033】図7は、振動と騒音発生のメカニズムを説
明するための図である。
【0034】この振動と騒音の発生メカニズムは、図7
に示すように、回転子鉄心と固定子鉄心とのエアギャッ
プに働く電磁力の周波数と、固定子鉄心の固有振動数と
が共振した場合、固定子枠(フレーム)が著しく振動
し、その振動が空気中に放射されて騒音として発生する
ものである。
【0035】この電磁力による固定子枠の変形モード
は、一般的に、円環振動モードの楕円形状(n=2)で
ある。固定子鉄心の起磁力分布によって、図中太線で示
したような振動モードが生ずる。この固定子鉄心の振動
モードは、回転電機の運転中に回転しており、固定子枠
に伝達されると、固定子枠が引張り・圧縮を繰り返す。
このことにより、固定子枠に歪が生じたり、回転電機全
体の振動発生の要因となる。
【0036】この円環振動モードとは、図8に示すよう
な半径方向に外形が変形するモードであり、膨張収縮
(モードn=0)、並進(モードn=1)、楕円(モー
ドn=2)、三角形(モードn=3)、四角形(モード
n=4)、五角形(モードn=5)等で表わされる。
【0037】従来において、電動機における固定子鉄
心、およびこれを収容する固定子枠の横断面(回転軸に
直交する方向の断面)の外周は、固定子枠は、例えば円
筒状あるいは四角形等のように、左右対称状である場合
が多い。
【0038】このため、固定子鉄心に発生する楕円(モ
ードn=2)の変形振動が、固定子枠にも伝達され易
く、電磁力が固定子鉄心と共振した場合には、大きな振
動および騒音が発生することがある。
【0039】そこで、このような電動機での振動および
騒音を低減するためには、固定子鉄心に発生する円環振
動の楕円(モードn=2)の変形が、固定子枠に伝達さ
れ難くする必要がある。
【0040】例えば、固定子枠が、楕円に変形し難い構
造とすることにより、外形振動が生じ難くなり、振動や
騒音を低減できるようにすることである。
【0041】次に、騒音発生の原理について、具体的に
説明する。
【0042】電磁力は、回転磁界であることから、固定
子鉄心のある位置から見ると、図9に示すように、固定
子鉄心の内径に強制振動として、n=2(楕円)、n=
4(四角形)……で時間的に回転して変化していくモー
ドが発生する。
【0043】上記の電磁力のモードを式で表わしたもの
を、式(1)に示す。
【0044】
【数1】
【0045】ここで、fM:電磁力、A:電磁力の振
幅、ω:電磁力の角振動数、M:電磁力のモード次数、
θ:機械角、t:時間。
【0046】一方、固定子鉄心の固有振動モードφ
Nは、円環の面内振動のみを考えると、式(2)に示す
ようになる。
【0047】
【数2】
【0048】ここで、φN:円環の固有振動モード、Φ
N :固有振動モードの振幅、N:固有振動モード次数、
α:位相。
【0049】そこで、上記式(1)と式(2)とから、
電動機に働く電磁力による円環の振動振幅をzとする
と、式(3)で表わすことができる。
【0050】
【数3】
【0051】これは、ある角度θにおける振動であるか
ら、円環全体の振動振幅Zは、θについて円環を全円周
で積分することによって、式(4)により求めることが
できる。
【0052】この式(4)から、振動は、電磁力モード
と固有モードとの積によって求めることができる。
【0053】
【数4】 次に、具体的な数値を代入して計算する。
【0054】電磁力モードM=2と固有振動モードN=
2の発生する振動Zは、図10(a)に示すように、ベ
クトル積から求めることができる。
【0055】ここで、半径方向の外向きのベクトルがプ
ラス、内向きのベクトルがマイナスとする。
【0056】計算する点数は、概略計算として、代表点
として円周上に8点とする。
【0057】図10(a)において、電磁力モードM=
2、固有ベクトルN=2の場合、以下のベクトル積の行
列式で示すように計算することができる。
【0058】行列式の数値は、図10(a)に示す各8
点のモード形のベクトル量として示している。
【0059】
【数5】
【0060】電磁力モードM=2と固有振動モードN=
2との組み合わせは、ベクトル積の値がZ=4となる大
きさの振動が発生する。
【0061】次に、電磁力モードM=2と固有振動モー
ドN=3との組み合わせで発生する振動Zは、図10
(b)に示すように、ベクトル積の計算で求めることが
できる。
【0062】
【数6】
【0063】電磁力モードM=2と固有モードN=3と
の組み合わせでは、Z=0となり、振動が発生しないこ
とになる。
【0064】すなわち、以上のような関係は、固有振動
モードと電磁力モードを一致させないことが、振動およ
び騒音を発生させない条件であることを示している。
【0065】さらに、一般に、固定子鉄心の変形時の変
形量は、1/(モード数)に比例して小さくなること
から、モード数が多いほど振動が低減する。
【0066】これは、固定子鉄心に誘起する電磁加振力
に対して固定子鉄心が共振しても、確実に振動が低減で
きることを意味する。
【0067】すなわち、例えば図11にその代表的な斜
視図を示すように、上記固定子鉄心に誘起する電磁力に
よる強制モードMが、円環振動モードM=2であること
から、固定子枠の断面の外周形状を、円環振動モードn
=3、5、7……、あるいは、三角形、五角形、七角形
……にすることにより、振動が打ち消し合い、モードが
一致しないようにできる、つまり振動と騒音を低減する
ことができる。
【0068】これにより、固定子鉄心に誘起する電磁加
振力に対して、固定子鉄心が共振しても、確実に振動を
低減することができる。
【0069】固定子鉄心に誘起する電磁加振力の加振力
モードMは、偶数の円環振動モードM=2、4、6、8
……であることからから、固定子鉄心および固定子枠の
外形形状を、円環振動モードn=3、5、7……の奇数
次数形もしくは奇数角形とすることにより、モードが一
致しないようにできる、つまり振動と騒音を低減するこ
とができる。
【0070】しかしながら、固定子鉄心および固定子枠
の外形形状を奇数角形とした場合には、上下左右のいず
れかに頂点が配置されることになるため、固定子の外形
が大きくなることが考えられ、最良の方法であるとは言
い難い。 以上のような点から、本発明では、上記のような観点と
は異なった観点に立って見出されたものであり、その一
つの考え方として、回転電機の固定子において、円筒状
の固定子鉄心の外周部に周方向に沿って、固定子鉄心を
支持する支持用のリブを複数設け、さらに各々のリブの
配置を、固定子鉄心の軸方向に直交する方向の断面にお
いて対角線状でかつ非対称となるようにするものであ
る。
【0071】また、本発明では、上記以外の他のもう一
つの考え方として、固定子枠と、円筒状の固定子鉄心と
から構成される回転電機の固定子において、固定子鉄心
の外周部に周方向に沿って、固定子鉄心を固定子枠の内
周部に支持する支持用のリブを複数設けるものである。
【0072】以下、上記のような考え方に基づく本発明
の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明す
る。
【0073】(第1の実施の形態)図1(a)および
(b)は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成
例を示す横断面(固定子鉄心の軸方向に直交する方向の
断面)図および縦断面図である。
【0074】なお、回転電機の全体構成は、図12の従
来と同様の構成であるので、同一要素には同一符号を付
してその説明を省略し、ここでは異なる部分についての
み述べる。
【0075】すなわち、図1に示すように、本実施の形
態による回転電機の固定子1は、固定子枠2と、当該固
定子枠2の内周部に嵌合固定された円筒状の固定子鉄心
3とを備えて構成されるものにおいて、固定子鉄心3の
外周部に周方向に沿って、固定子鉄心3を固定子枠2の
内周部に支持する支持用のリブ8を複数(本例では8
つ)設けた構成としている。
【0076】次に、以上のように構成した本実施の形態
による回転電機の固定子1においては、円筒状の固定子
鉄心3の外周部に周方向に沿ってあらかじめ、固定子鉄
心3を固定子枠2の内周部に支持する支持用のリブ8を
複数設けていることにより、固定子鉄心3の剛性が向上
して、電磁力に打ち勝つ構造系の剛性を確保することが
できる。
【0077】これにより、固定子枠2へ伝達される振動
が低減され、固定子1で発生する振動および騒音を極め
て効果的に低減することができる。
【0078】さらに、固定子鉄心3にあらかじめリブ8
を複数設けていることにより、前述した従来のような固
定子枠2にリブを設ける場合と異なって、前述したよう
な種々の問題点が生じることもなくなる。
【0079】すなわち、 (a)固定子鉄心3の内周と外周の同心精度が悪く、特
性悪化や軸電圧発生の要因になり、短寿命となるという
問題点 (b)固定子鉄心3にキリ穴を設けてボルトで固定した
りすることにより、固定子鉄心3の剛性が低下して、振
動や騒音が悪化するという問題点 (c)固定子鉄心3はの面加工精度が悪く、加工のかえ
り等で特性が悪化するという問題点 (d)固定子鉄心3加工後の巻線納め、ワニス処理が、
除去作業や人体・環境にとって好ましくないという問題
点を解消することができる。 上述したように、本実施の形態による回転電機の固定子
1では、固定子鉄心3の剛性が向上して、電磁力に打ち
勝つ構造系の剛性を確保し、前述のような種々の問題点
が生じることなく、しかも固定子の外形が大きくなるこ
となく、固定子1で発生する振動および騒音を極めて効
果的に低減することが可能となる。
【0080】(第2の実施の形態)図2(a)および
(b)は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成
例を示す横断面(固定子鉄心の軸方向に直交する方向の
断面)図および縦断面図である。
【0081】なお、回転電機の全体構成は、図12の従
来と同様の構成であるので、同一要素には同一符号を付
してその説明を省略し、ここでは異なる部分についての
み述べる。
【0082】すなわち、図2に示すように、本実施の形
態による回転電機の固定子1は、固定子枠を設けない円
筒状の固定子鉄心3のみで構成されるものにおいて、固
定子鉄心3の外周部に周方向に沿って、固定子鉄心3を
支持する支持用のリブ8を複数(本例では9つ)設け、
さらに各々のリブ8の配置を、固定子鉄心3の軸方向に
直交する方向の断面において対角線状でかつ非対称とな
るようにした構成としている。
【0083】次に、以上のように構成した本実施の形態
による回転電機の固定子1においては、円筒状の固定子
鉄心3の外周部に周方向に沿ってあらかじめ、固定子鉄
心3を支持する支持用のリブ8を複数設け、かつ各々の
リブ8の配置を、固定子鉄心3の軸方向に直交する方向
の断面において対角線状でかつ非対称となるようにして
いることにより、固有モードの角度θを電磁モードを打
ち消すようにして、固定子1で発生する振動および騒音
を極めて効果的に低減することができる。
【0084】また、各々のリブ8の配置を、固定子鉄心
3の軸方向に直交する方向の断面において対角線状でか
つ非対称となるようにしていることにより、電磁力の楕
円モードに対して、構造系で振動を打ち消し、固定子鉄
心3の変形が発生し難くなり、固定子鉄心3外周に生じ
る振動が打ち消し合い、これにより電動機等の回転電機
に搭載した場合に、回転電機全体の振動および騒音を低
減することができる。
【0085】上述したように、本実施の形態による回転
電機の固定子1では、電磁力モードと固有モードとが異
なることによって打ち消し合い、固定子1で発生する振
動および騒音を極めて効果的に低減することが可能とな
る。
【0086】(変形例)本変形例による回転電機の固定
子1は、固定子枠2と、当該固定子枠2の内周部に嵌合
固定された円筒状の固定子鉄心3とを備えて構成される
ものにおいて、固定子鉄心3の外周部に周方向に沿っ
て、固定子鉄心3を支持する支持用のリブ8を複数(本
例では9つ)設け、さらに各々のリブ8の配置を、固定
子鉄心3の軸方向に直交する方向の断面において対角線
状でかつ非対称となるようにした構成としている。
【0087】次に、以上のように構成した本実施の形態
による回転電機の固定子1においては、円筒状の固定子
鉄心3の外周部に周方向に沿ってあらかじめ、固定子鉄
心3を支持する支持用のリブ8を複数設け、かつ各々の
リブ8の配置を、固定子鉄心3の軸方向に直交する方向
の断面において対角線状でかつ非対称となるようにして
いることにより、固有モードの角度θを電磁モードを打
ち消すようにして、固定子1で発生する振動および騒音
を極めて効果的に低減することができる。
【0088】また、各々のリブ8の配置を、固定子鉄心
3の軸方向に直交する方向の断面において対角線状でか
つ非対称となるようにしていることにより、電磁力の楕
円モードに対して、構造系で振動を打ち消し、固定子鉄
心3の変形が発生し難くなり、固定子鉄心3外周に生じ
る振動が打ち消し合い、これにより電動機等の回転電機
に搭載した場合に、回転電機全体の振動および騒音を低
減することができる。
【0089】さらに、特に本変形例の場合には、固定子
鉄心3をリブ8で固定子枠2の内周部へ嵌合固定してい
ることにより、周方向に剛性を変化させて、より一層電
磁力が分散することとなるため、固定子1で発生する振
動および騒音をより一層効果的に低減することができ
る。
【0090】従って、本変形例による回転電機の固定子
1でも、電磁力モードと固有モードとが異なることによ
って打ち消し合い、固定子1で発生する振動および騒音
を極めて効果的に低減することが可能となる。
【0091】(第3の実施の形態)図3(a)および
(b)は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成
例を示す横断面(固定子鉄心の軸方向に直交する方向の
断面)図および縦断面図であり、図2と同一要素には同
一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分
についてのみ述べる。
【0092】すなわち、図3に示すように、本実施の形
態による回転電機の固定子1は、前記図2に示す第2の
実施の形態による回転電機の固定子1において、円筒状
の固定子鉄心3のスロット9をスキューさせた構成とし
ている。
【0093】次に、以上のように構成した本実施の形態
による回転電機の固定子1においては、円筒状の固定子
鉄心3のスロット9をスキューさせていることにより、
スキュー効果を増加させて、より一層電磁力が分散する
こととなるため、固定子1で発生する振動および騒音を
より一層効果的に低減することができる。
【0094】上述したように、本実施の形態による回転
電機の固定子1では、固定子1で発生する振動および騒
音をより一層極めて効果的に低減することが可能とな
る。
【0095】(変形例)本変形例による回転電機の固定
子1は、固定子枠2と、当該固定子枠2の内周部に嵌合
固定された円筒状の固定子鉄心3とを備えて構成される
ものにおいて、固定子鉄心3のスロット9をスキューさ
せた構成としている。
【0096】本変形例による回転電機の固定子1でも、
固定子1で発生する振動および騒音をより一層極めて効
果的に低減することが可能となる。
【0097】(第4の実施の形態)図4(a)および
(b)は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成
例を示す横断面(固定子鉄心の軸方向に直交する方向の
断面)図および縦断面図であり、図2と同一要素には同
一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分
についてのみ述べる。
【0098】すなわち、図4に示すように、本実施の形
態による回転電機の固定子1は、前記図2に示す第2の
実施の形態による回転電機の固定子1において、少なく
とも一つのリブ8における円筒状の固定子鉄心3の外周
側に、通風路となる切欠部10を設け構成としている。
【0099】次に、以上のように構成した本実施の形態
による回転電機の固定子1においては、少なくとも一つ
のリブ8における円筒状の固定子鉄心3の外周側に、通
風路となる切欠部10を設けていることにより、固定子
鉄心3に対して周方向に冷却風を導くことができる。
【0100】これにより、電動機等の回転電機の冷却風
は回転するため、より一層冷却性能を向上させることが
でき、小形化や低温度による寿命の延長化を図ることが
できる。
【0101】また、小形化してもリブ8により高い剛性
が得られるため、固定子1で発生する振動および騒音を
低減することができる。
【0102】上述したように、本実施の形態による回転
電機の固定子1では、固定子1で発生する振動および騒
音を極めて効果的に低減すると共に、冷却性能を向上さ
せることができ、小形化や低温度による寿命の延長化を
図ることが可能となる。
【0103】(変形例)本変形例による回転電機の固定
子1は、固定子枠2と、当該固定子枠2の内周部に嵌合
固定された円筒状の固定子鉄心3とを備えて構成される
ものにおいて、少なくとも一つのリブ8における固定子
鉄心3の外周側に、通風路となる切欠部10を設け構成
としている。
【0104】本変形例による回転電機の固定子1でも、
固定子1で発生する振動および騒音を極めて効果的に低
減すると共に、冷却性能を向上させることができ、小形
化や低温度による寿命の延長化を図ることが可能とな
る。
【0105】(第5の実施の形態)図5(a)および
(b)は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成
例を示す横断面(固定子鉄心の軸方向に直交する方向の
断面)図および縦断面図であり、図4と同一要素には同
一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分
についてのみ述べる。
【0106】すなわち、図5に示すように、本実施の形
態による回転電機の固定子1は、前記図4に示す第4の
実施の形態による回転電機の固定子1において、各々の
リブ8の固定子鉄心3外径方向長さ、すなわちリブ8の
高さを、本例では二つのリブ8の高さを他のリブ8の高
さよりも高くすることで、固定子鉄心3の軸方向に直交
する方向の断面において非対称となるようにした構成と
している。
【0107】次に、以上のように構成した本実施の形態
による回転電機の固定子1においては、各々のリブ8の
円筒状の固定子鉄心3外径方向長さ(リブ8の高さ)
を、固定子鉄心3の軸方向に直交する方向の断面におい
て非対称となるようにしていることにより、固有モード
の角度θを電磁モードを打ち消すようにして、固定子1
で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減するこ
とができる。
【0108】また、各々のリブ8の固定子鉄心3外径方
向長さ(リブ8の高さ)を、固定子鉄心3の軸方向に直
交する方向の断面において非対称となるようにしている
ことにより、電磁力の楕円モードに対して、構造系で振
動を打ち消し、固定子鉄心3の変形が発生し難くなり、
固定子鉄心3外周に生じる振動が打ち消し合い、これに
より電動機等の回転電機に搭載した場合に、回転電機全
体の振動および騒音をより一層低減することができる。
【0109】上述したように、本実施の形態による回転
電機の固定子1では、電磁力モードと固有モードとが異
なることによって打ち消し合い、固定子1で発生する振
動および騒音をより一層極めて効果的に低減することが
可能となる。
【0110】(変形例)本変形例による回転電機の固定
子1は、固定子枠2と、当該固定子枠2の内部に固定さ
れた円筒状の固定子鉄心3とを備えて構成されるものに
おいて、各々のリブ8の固定子鉄心3外径方向長さ、す
なわちリブ8の高さを、本例では二つのリブ8の高さを
他のリブ8の高さよりも高くすることで、固定子鉄心3
の軸方向に直交する方向の断面において非対称となるよ
うにした構成としている。
【0111】次に、以上のように構成した本実施の形態
による回転電機の固定子1においては、各々のリブ8の
円筒状の固定子鉄心3外径方向長さ(リブ8の高さ)
を、固定子鉄心3の軸方向に直交する方向の断面におい
て非対称となるようにしていることにより、固有モード
の角度θを電磁モードを打ち消すようにして、固定子1
で発生する振動および騒音を極めて効果的に低減するこ
とができる。
【0112】また、各々のリブ8の固定子鉄心3外径方
向長さ(リブ8の高さ)を、固定子鉄心3の軸方向に直
交する方向の断面において非対称となるようにしている
ことにより、電磁力の楕円モードに対して、構造系で振
動を打ち消し、固定子鉄心3の変形が発生し難くなり、
固定子鉄心3外周に生じる振動が打ち消し合い、これに
より電動機等の回転電機に搭載した場合に、回転電機全
体の振動および騒音をより一層低減することができる。
【0113】従って、本変形例による回転電機の固定子
1でも、電磁力モードと固有モードとが異なることによ
って打ち消し合い、固定子1で発生する振動および騒音
をより一層極めて効果的に低減することが可能となる。
【0114】(第6の実施の形態)図6(a)および
(b)は、本実施の形態による回転電機の固定子の構成
例を示す横断面(固定子鉄心の軸方向に直交する方向の
断面)図および縦断面図であり、図4と同一要素には同
一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分
についてのみ述べる。
【0115】すなわち、図6に示すように、本実施の形
態による回転電機の固定子1は、固定子枠2と、当該固
定子枠2の内周部に嵌合固定された円筒状の固定子鉄心
3とを備えて構成される、前記図4に示す第4の実施の
形態による回転電機の固定子1において、固定子枠2に
おける各々のリブ8の外周部と相対する位置に溝11を
設け、固定子枠2と各々のリブ8とを隙間嵌めにより嵌
合した構成としている。
【0116】次に、以上のように構成した本実施の形態
による回転電機の固定子1においては、固定子枠2にお
ける各々のリブ8の外周部と相対する位置に溝11を設
け、固定子枠2と各々のリブ8とを隙間嵌めにより嵌合
していることにより、嵌合力を低くできるため、嵌合に
よる固定子鉄心3のストレス・変形が抑制されて、固定
子1で発生する振動および騒音をより一層効果的に低減
することができると共に、不平衡等による特性の悪化も
抑制することができる。
【0117】また、固定子鉄心1の組立・分解も容易に
なり、生産性やメンテナンス性を向上させることができ
る。
【0118】上述したように、本実施の形態による回転
電機の固定子1では、固定子1で発生する振動および騒
音を極めて効果的に低減すると共に、特性の悪化も抑制
することができ、固定子鉄心1の組立・分解の容易化、
ならびに生産性やメンテナンス性の向上を図ることが可
能となる。
【0119】(第7の実施の形態)本実施の形態では、
固定子1と回転子4とを備えて構成される回転電機にお
いて、固定子1として、前記第1乃至第6のいずれか一
つの実施の形態の固定子を備えて回転電機を構成してい
る。
【0120】これにより、回転電機全体で発生する振動
および騒音を極めて効果的に低減することが可能とな
る。 (その他の実施の形態)尚、本発明は、上記各実施の形
態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を
逸脱しない範囲で、種々に変形して実施することが可能
である。 例えば、本発明は、一般産業用・巻上機等の電動機への
用途に限らず、発電機、同期機等のその他の回転電機に
ついても、前述の場合と同様に適用して同様の作用効果
を得ることができる。
【0121】また、各実施の形態は可能な限り適宜組合
わせて実施してもよく、その場合には組合わせた作用効
果を得ることができる。 さらに、上記各実施の形態には種々の段階の発明が含ま
れており、開示される複数の構成要件における適宜な組
合わせにより、種々の発明を抽出することができる。 例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの
構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題
の欄で述べた課題(の少なくとも一つ)が解決でき、発
明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも一
つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構
成を発明として抽出することができる。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の回転電機
の固定子によれば、円筒状の固定子鉄心の外周部に周方
向に沿ってあらかじめ、固定子鉄心を固定子枠の内周部
に支持する支持用のリブを複数設けるようにしているの
で、前述した従来のような種々の問題点が生じることな
く、しかも固定子の外形が大きくなることなく、固定子
鉄心の剛性が向上して、電磁力に打ち勝つ構造系の剛性
を確保し、振動および騒音の低減を十分効果的に図るこ
とが可能となる。
【0123】また、本発明の回転電機の固定子によれ
ば、円筒状の固定子鉄心の外周部に周方向に沿ってあら
かじめ、固定子鉄心を支持する支持用のリブを複数設
け、かつ各々のリブの配置を、固定子鉄心の軸方向に直
交する方向の断面において対角線状でかつ非対称となる
ようにしているので、電磁力モードと固有モードとが異
なることによって打ち消し合い、振動および騒音の低減
を十分効果的に図ることが可能となる。
【0124】さらに、本発明の回転電機の固定子によれ
ば、円筒状の固定子鉄心を支持する支持用のリブの形状
や構成を改良するようにしているので、固定子鉄心の組
立・分解の容易化、および温度特性、生産性、ならびに
メンテナンス性の向上を図ることが可能となる。
【0125】さらにまた、本発明の回転電機によれば、
上記構成の固定子を備えるようにしているので、固定子
鉄心自体が変形し難く、固定子枠に楕円モードの変形が
発生し難くなり、これにより回転電機全体での振動およ
び騒音を十分効果的に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回転電機の固定子の第1の実施の
形態を示す横断面図および縦断面図。
【図2】本発明による回転電機の固定子の第2の実施の
形態を示す横断面図および縦断面図。
【図3】本発明による回転電機の固定子の第3の実施の
形態を示す横断面図および縦断面図。
【図4】本発明による回転電機の固定子の第4の実施の
形態を示す横断面図および縦断面図。
【図5】本発明による回転電機の固定子の第5の実施の
形態を示す横断面図および縦断面図。
【図6】本発明による回転電機の固定子の第6の実施の
形態を示す横断面図および縦断面図。
【図7】騒音発生のメカニズムを説明するための図。
【図8】円環振動モードを説明するための図。
【図9】電磁力モードを説明するための図。
【図10】電磁力と固有モードの関係から振動を発生す
るしくみを説明するための図。
【図11】振動特性を説明するための図。
【図12】従来の誘導電動機の一構成例を示す縦断面
図。
【符号の説明】
1…固定子、 2…固定子枠、 3…固定子鉄心、 4…回転子、 5…軸受、 6…回転軸、 7…回転子鉄心、 8…リブ、 9…スロット、 10…切欠部、 11…溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 忠 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 松下 真琴 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 Fターム(参考) 5H002 AA04 AB04 AC02 AD04 5H605 AA04 BB05 BB10 CC01 CC03 FF01 GG02 GG04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子枠と、当該固定子枠の内周部に固
    定された円筒状の固定子鉄心とを備えて構成される回転
    電機の固定子において、 前記固定子鉄心の外周部に周方向に沿って、当該固定子
    鉄心を前記固定子枠の内周部に支持する支持用のリブを
    複数設けて成ることを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 【請求項2】 固定子枠を設けない円筒状の固定子鉄心
    のみで構成される回転電機の固定子において、 前記固定子鉄心の外周部に周方向に沿って、当該固定子
    鉄心を支持する支持用のリブを複数設け、 かつ前記各々のリブの配置を、前記固定子鉄心の軸方向
    に直交する方向の断面において対角線状でかつ非対称と
    なるようにしたことを特徴とする回転電機の固定子。
  3. 【請求項3】 固定子枠と、当該固定子枠の内周部に固
    定された円筒状の固定子鉄心とを備えて構成される回転
    電機の固定子において、 前記固定子鉄心の外周部に周方向に沿って、当該固定子
    鉄心を前記固定子枠の内周部に支持する支持用のリブを
    複数設け、 かつ前記各々のリブの配置を、前記固定子鉄心の軸方向
    に直交する方向の断面において対角線状でかつ非対称と
    なるようにしたことを特徴とする回転電機の固定子。
  4. 【請求項4】 前記請求項1乃至請求項3のいずれか1
    項に記載の回転電機の固定子において、 前記固定子鉄心のスロットをスキューさせたことを特徴
    とする回転電機の固定子。
  5. 【請求項5】 前記請求項1乃至請求項4のいずれか1
    項に記載の回転電機の固定子において、 前記少なくとも一つのリブにおける前記固定子鉄心の外
    周側に、通風路となる切欠部を設けたことを特徴とする
    回転電機の固定子。
  6. 【請求項6】 前記請求項1乃至請求項5のいずれか1
    項に記載の回転電機の固定子において、 前記各々のリブの前記固定子鉄心外径方向長さを、前記
    固定子鉄心の軸方向に直交する方向の断面において非対
    称となるようにしたことを特徴とする回転電機の固定
    子。
  7. 【請求項7】 前記請求項1、請求項3乃至請求項6の
    いずれか1項に記載の回転電機の固定子において、 前記固定子枠における前記各々のリブの外周部と相対す
    る位置に溝を設け、前記固定子枠と各々のリブとを隙間
    嵌めにより嵌合したことを特徴とする回転電機の固定
    子。
  8. 【請求項8】 固定子と回転子とを備えて構成される回
    転電機において、 前記固定子として、前記請求項1乃至請求項7のいずれ
    か1項に記載の固定子を備えて成ることを特徴とする回
    転電機。
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