JP2000278903A - 電動機及びその製造方法 - Google Patents
電動機及びその製造方法Info
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Abstract
できる電動機及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 円周方向に複数のスロットが形成された
ステータコア21、および上記スロットの中に巻装され
たステータコイル31を有するステータ20と、ステー
タ20により形成される回転磁界によってモータシャフ
ト5のまわりに回転されるロータ40と、を備えた同期
モータにおいて、ステータコア21の軸方向両外方に位
置するステータコイル31の両方のコイルエンド32の
少なくとも一方を、その先端がロータ40に近接するよ
うに、曲げたことを特徴とする。
Description
造方法に関し、特に、トルク及び効率の向上を図った同
期モータ及びその製造方法に関する。
機)が使用されている。図8は、従来のモータの概略構
成を示す断面図である。図示するモータは同期モータで
あり、ステータコイル131を有するステータ(固定
子)120と、その内側に配設され、回転自在に軸支さ
れたロータ(回転子)140とを備えている。
で作られたステータコア単体を複数枚積層して形成され
るステータコア(固定子鉄心)121を有している。こ
のステータコア121には、巻線用のスロットが円周方
向内側に複数形成されており、これにステータコイル1
31が挿入されて巻かれている。
板よりなるロータコア単体を積層して形成されたロータ
コア(回転子鉄心)を有しており、例えば永久磁石型同
期モータの場合には、このロータコアの表面あるいは内
部に永久磁石が配置されている(いずれも図示せず)。
すと、該電流により誘起された回転磁界によって、ステ
ータ120とロータ140との間に相互作用が働き、こ
の相互作用によってロータ140が回転するようになっ
ている。
モータにあっては、ステータコイル131の挿入作業に
おいて、いわゆる機械巻きにしろ手巻きにしろ、予め外
でコイルを巻いておいて、その後、ステータコア121
の複数のスロットに挿入して巻回するようにしている。
したがって、ステータコイル131は、コイル挿入のた
め、またコイル同士の絡み合いを避けるための余裕代が
必要となリ、コイルを挿入した場合のステータコア12
1の軸方向両外方に、一定の高さのコイルエンド132
が形成されることになる。
2は、ステータコア121のスロット間をつなぐ巻線に
より構成されており、したがって、ステータコイル13
1に電流を流すと、該電流により、ロータ140と鎖交
する磁束Pのほかに、コイルエンド132の部分でロー
タ140と鎖交しない磁束Qも発生してしまうという問
題があった。このため、コイルエンド132で発生する
磁束Qは、モータのトルクに全く寄与せず、エネルギ損
失となり、効率の低下を招いていた。
なされたものであり、本発明の目的は、トルク及びエネ
ルギ効率を向上させることができる電動機及びその製造
方法を提供することにある。
る手段により達成される。
されたステータコア、および前記スロットの中に巻装さ
れたステータコイルを有するステータと、前記ステータ
により形成される回転磁界によって軸のまわりに回転さ
れるロータと、を備えた電動機において、前記ステータ
コアの軸方向両外方に位置する前記ステータコイルの両
方のコイルエンドの少なくとも一方を、その先端が前記
ロータに近接するように、曲げたことを特徴とする電動
機。
材料からなる磁束通過部材を配置したことを特徴とする
上記(1)に記載の電動機。
タ及びロータが収容される筐体に接続されることを特徴
とする上記(2)に記載の電動機。
の支持部と、前記支持部から軸方向に伸延する複数の凸
状部とを有することを特徴とする上記(2)に記載の電
動機。
の円周方向に複数形成されたスロットの中に、前記ステ
ータコアの軸方向の一方の外方に位置するコイルエンド
が内側に曲がるようにして、ステータコイルを巻装し、
ステータを形成するステータ形成工程と、前記ステータ
の他方の曲げられていないコイルエンド側から、その内
部にロータを挿入するロータ挿入工程と、前記ステータ
コイルをワニス処理するワニス処理工程と、前記筐体の
軸方向端部にカバーを取り付けるカバー取付工程と、を
有することを特徴とする電動機の製造方法。
処理工程との間に、曲げられていない方のコイルエンド
を内側に曲げる工程を加えることを特徴とする上記
(5)に記載の電動機の製造方法。
効果を奏する。
コイルの両方のコイルエンドの少なくとも一方をロータ
側に曲げるようにしたので、コイルエンドはロータの軸
方向端面に近接対向させられることになる。したがっ
て、コイルエンドの部分で発生する磁束を、ロータに供
給することができ、モータのトルクを向上させることが
できる。しかも、ステータコイルに入力したエネルギを
有効に利用することができ、モータの効率が向上する。
に記載の発明の効果に加え、コイルエンドの部分で発生
する磁束を、磁束通過部材によってロータの方により多
く導くことができる。したがって、モータのトルク及び
効率のさらなる向上を図ることができる。
に記載の発明の効果に加え、コイルエンドの部分の放熱
を効果的に行うことができ、ひいては連続出力性能が向
上する。
に記載の発明の効果に加え、磁束通過部材を容易に製造
することができると共に、凸状部のコイルエンド内への
挿入も容易に行うことができる。
ータコイルのコイルエンドをロータ側に曲げたモータを
効率よく製造することができる。
に基づいて説明する。
の概略構成を示す断面図、図2は、図1のII−II線から
みたステータ及びロータの模式的な断面図である。
同期モータであり、また、いわゆるインナーロータ型
(内側回転)の三相同期モータである。同期モータは、
効率が高いことから、例えば電気自動車や省エネルギを
必要とする製品に対して使用するのに適している。
有している。フレーム1は、例えばアルミニウム合金等
により形成されており、円筒部2とカバー3とからな
る。フレーム1の円筒部2の内周面には、ステータ20
が取り付けられている。また、フレーム1には、軸受
4,4を介して、ロータ40が回転自在に取り付けられ
ている。ここで、ステータ20とロータ40との間に
は、半径方向に所定のエアギャップが設けられている。
れ焼嵌めにより固定されるステータコア21と、このス
テータコア21に巻装されるステータコイル31とを有
している。ステータコア21は、表面に絶縁層が形成さ
れた厚さ例えば約0.5mmのけい素鋼板等の高透磁
(導磁)率材料の板から作られた円環状のステータコア
単体を複数枚積層して形成されている。このような薄い
板を積層するより、渦電流による損失を低減している。
図2のように、3個のティース22a〜22cを1単位
として4単位のティース群が形成されており、該各ティ
ース間には、同じく3個のスロット23a〜23cを1
単位として4単位のスロット群が形成されている。な
お、図中符号24は、コア背部を示す。
イル31u,31v,31wを有しており、所定の方法
で結線して所定の巻き方にて巻装されている。ここで
は、第1相コイル31uは、1個のティース22bを飛
び越しながら2個のティース22a,22cの周囲に巻
装(つまり、スロット23aに挿入)され、第2相コイ
ル31vは、1個のティース22cを飛び越しながら2
個のティース22b,22aの周囲に巻装(つまり、ス
ロット23bに挿入)され、第3相コイル31wは、1
個のティース22aを飛び越しながら2個のティース2
2c,22bの周囲に巻装(つまり、スロット23cに
挿入)される。したがって、同一相同士のコイルは、そ
れぞれ互いに隣接した状態でスロット内に挿入され、円
周上4箇所に配設されている。
配4箇所に挿入穴が形成されたロータコア41と、これ
らの挿入穴に挿入された4個の永久磁石42とを有して
おり、図示する同期モータは、4個の永久磁石42を用
いた4極モータを構成している。これらの永久磁石42
は、その厚み方向に磁化されており、ロータ外周からみ
てN極、S極が交互になるように配置される。ロータコ
ア41は、厚さ例えば約0.5mmのけい素鋼板から作
られたロータコア単体を複数枚積層して形成される。ま
た、ロータコア41の中心にはモータシャフト5が圧入
されている。
軸方向両外方に位置するステータコイル31のコイルエ
ンド32は、その先端がロータ40に近接するように曲
げられている。なお、このコイルエンド32は、前述し
たように、予め外で巻いておいたステータコイル31を
ステータコア121のスロットに挿入する際に余裕代が
必要となるために形成されるものである。このようにす
れば、コイルエンド32はロータ40の軸方向端面に対
向し、コイルエンド32の部分で発生する磁束をロータ
40に鎖交させることができる。
材料からなる磁束通過部材33が配置されている。した
がって、コイルエンド32の部分で発生する磁束は、磁
束通過部材33によってロータ40の方により多く導か
れることになる。
うに、リング形状の支持部34と、この支持部34から
軸方向に伸延し、コイルエンド32の内側に挿入される
複数の凸状部35とを有している。このようにすれば、
磁束通過部材33を容易に製造することができると共
に、凸状部35のコイルエンド32内への挿入も容易に
なる。凸状部35の数は、コイルエンド32内への挿入
が可能であれば、適宜設定することができる。なお、図
3の凸状部35は、図2に示したものよりも多く描いて
ある。また、各凸状部35は、その先端近傍に面取りや
丸みを形成したり、先細テーパ状に形成したりしてもよ
い。このようにすれば、コイルエンド32内への挿入時
にコイルを傷付ける虞れを回避することができる。
本明細書中では、空気よりも透磁率の大きい材料をい
い、例えば鉄等が使用される。このような磁束通過部材
33は、例えば鋳造、焼結あるいは放電加工を用いて製
造することができる。
レーム1に例えばねじ締結されることにより、フレーム
1に取り付けられる。但し、フレーム1への取り付け
は、ピン圧入やリベット等を利用してもよい。このよう
に磁束通過部材33をフレーム1に接続することによっ
て、コイルエンドの部分の放熱を効果的に行うことがで
き、ひいては連続出力性能が向上することになる。
ることができる。
を図示しないねじ部材により取り付ける。なお、この磁
束通過部材33は、ねじ部材により当初仮締めにしてお
いて後で本締めするようにしてもよい。そして、ステー
タコア21のスロットの中に、ステータコア21の軸方
向の一方の外方に位置するコイルエンド32が内側に曲
がるようにして、ステータコイル31を巻装し、フレー
ム1内部に固定してステータ20を形成する。
の他方の曲げられていないコイルエンド32の方を上に
して、その上方から図中矢印方向に、ロータ40をモー
タシャフト5が軸受4内を通るようにしてステータ20
の内部に挿入する。
を、曲げられていないコイルエンド32の方に向けて移
動させる。これにより、コイルエンド32は、成形治具
60の端面により押圧されて、図中2点鎖線で示すよう
に、内側すなわちロータ40側に曲げ成形される。
した後、図6に示すように、予め磁束通過部材33が取
り付けられたカバー3を、フレーム1の円筒部2の開口
端に取り付けて固定する。このようにして、ステータコ
イル31のコイルエンド32を内側、すなわちロータ4
0側に曲げたモータが効率よく製造される。なお、カバ
ー3を図示のように軸方向の片側から取り付けるように
したが、これに限られず、一対のカバーを軸方向の両側
から取り付けるようにしてもよい。
用を説明する。
流すと、該電流により回転磁界が誘起される。そして、
ステータコイル31は、例えば図1に示すように、ロー
タ40に向かって鎖交するように磁束Aを発生させる。
このとき、ステータコイル31の当該部分は、N極とし
て働くことになり、ロータ40のN極の永久磁石42と
反発、S極の永久磁石42と吸引することによってマグ
ネットトルクが発生すると共に、ロータコア41を吸引
することによってリラクタンストルクが発生する。
0との間に相互作用が働いてロータ40が回転され、こ
の相互作用によりモータのトルクが発生する。
2を内側に曲げるように成形したので、コイルエンド3
2はロータ40の軸方向端面に近接対向させられること
になる。したがって、コイルエンド32の部分で発生す
る磁束Bを、ロータ40に鎖交させて供給することがで
き、モータのトルクが向上する。しかも、ステータコイ
ル31に入力したエネルギを有効に利用することができ
るため、モータの効率が向上する。
料からなる磁束通過部材33を配置したので、コイルエ
ンド32の部分で発生する磁束を、この磁束通過部材3
3によってロータ40の方により多く導くことができ
る。したがって、モータのトルク及び効率のさらなる向
上を図ることができる。
タの概略構成を示す断面図である。図7に示すモータ
は、ステータコイル31のコイルエンド32の一方のみ
を、その先端がロータ40に近接するように、曲げた点
で、図1のモータと相違している。但し、その他の点で
は同様であるため、図1に示した部材と共通する部材に
は同一の符号を付し、その説明を省略する。
ータ40をステータ20内部に挿入した後で、曲げられ
ていない方のコイルエンド32を内側に曲げ成形する工
程を省略している。したがって、より容易にモータを製
造することが可能となり、作業工数や製造コストが低減
される。なお、コイルエンド32の一方のみではある
が、図1のモータと同様に、内側に曲げられた部分で発
生する磁束Bにより、モータのトルク及び効率を向上さ
せることができることは勿論である。
限定するために記載されたものではなく、本発明の技術
的思想内において当業者により種々変更が可能である。
は、図2に示したような巻き方に限定されるものではな
く、1極に使用されるティース(スロット)の数や、極
数も種々変更することが可能である。また、上記実施形
態では、永久磁石型同期モータについて説明したが、本
発明はこれに限られず、同様な形態のステータを有する
他のモータや、さらにはアウタロータ型(外側回転)の
モータにも適用可能である。
を示す断面図である。
の模式的な断面図である。
す図である。
側に曲げ成形される様子を示す図である。
ける様子を示す図である。
成を示す断面図である。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 円周方向に複数のスロットが形成された
ステータコア、および前記スロットの中に巻装されたス
テータコイルを有するステータと、前記ステータにより
形成される回転磁界によって軸のまわりに回転されるロ
ータと、を備えた電動機において、 前記ステータコアの軸方向両外方に位置する前記ステー
タコイルの両方のコイルエンドの少なくとも一方を、そ
の先端が前記ロータに近接するように、曲げたことを特
徴とする電動機。 - 【請求項2】 前記コイルエンドの内側に、磁性材料か
らなる磁束通過部材を配置したことを特徴とする請求項
1記載の電動機。 - 【請求項3】 前記磁束通過部材は、前記ステータ及び
ロータが収容される筐体に接続されることを特徴とする
請求項2記載の電動機。 - 【請求項4】 前記磁束通過部材は、リング形状の支持
部と、前記支持部から軸方向に伸延する複数の凸状部と
を有することを特徴とする請求項2記載の電動機。 - 【請求項5】 筐体内に挿入されたステータコアの円周
方向に複数形成されたスロットの中に、前記ステータコ
アの軸方向の一方の外方に位置するコイルエンドが内側
に曲がるようにして、ステータコイルを巻装し、ステー
タを形成するステータ形成工程と、 前記ステータの他方の曲げられていないコイルエンド側
から、その内部にロータを挿入するロータ挿入工程と、 前記ステータコイルをワニス処理するワニス処理工程
と、 前記筐体の軸方向端部にカバーを取り付けるカバー取付
工程と、 を有することを特徴とする電動機の製造方法。 - 【請求項6】 前記ロータ挿入工程と前記ワニス処理工
程との間に、曲げられていない方のコイルエンドを内側
に曲げる工程を加えることを特徴とする請求項5記載の
電動機の製造方法。
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