JP2004293492A - スクロール流体機械およびその組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転子の磁石の着磁における機器類の故障や破損等が発生することがなく、磁石の性能が低下しない、組立が容易な電動機構部を有するスクロール流体機械およびその組立方法を得る。
【解決手段】電動機構部の回転子4に、あらかじめ着磁した磁石14を挿入するための挿入部13が設けられ、回転子4が固定子3の内部に組み込まれた後、挿入部13にあらかじめ着磁した磁石14が挿入される。さらに、あらかじめ着磁した磁石14が挿入部13に挿入された後、挿入部13を遮蔽板15によって覆う。
【選択図】 図1
【解決手段】電動機構部の回転子4に、あらかじめ着磁した磁石14を挿入するための挿入部13が設けられ、回転子4が固定子3の内部に組み込まれた後、挿入部13にあらかじめ着磁した磁石14が挿入される。さらに、あらかじめ着磁した磁石14が挿入部13に挿入された後、挿入部13を遮蔽板15によって覆う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空調機および冷凍機等に搭載されるスクロール流体機械およびその組立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の密閉形スクロール流体機械は作動ガスを圧縮する圧縮機構部と、該圧縮機構部を回転駆動する電動機構部とによって形成され、これらが密閉形のシェル内に収容されている。
圧縮機構部は略渦巻き状の固定スクロールと該固定スクロールの間に配置された略渦巻き状の揺動スクロールとから形成され、揺動スクロールが揺動運動することにより、揺動スクロールと固定スクロールとによって形成された圧縮室が順次その容積を減少する。すなわち、公知のスクロール流体機械の圧縮原理により流体ガスは圧縮される。
一方、電動機構部はシェルに固定された筒状の固定子と、該固定子の内部に配置された回転子とによって形成され、該回転子に嵌着された主軸は圧縮機構部に連結されている。すなわち、該回転子の回転力が揺動スクロールに伝達されている。このとき、電動機構部の定格出力を高める目的で、回転子に固有保磁力が大きい永久磁石が埋め込まれている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−280248(第4頁、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の密閉形スクロール流体機械には、回転子に埋め込まれた永久磁石の着磁に係る以下の問題点があった。
▲1▼回転子を圧縮機に組み立てた後に、回転子内に埋め込まれた磁石を着磁する場合、シェルの外部から巨大電圧(1000V以上)を印加するため、過大な電圧の印加に伴って、固定子や密封端子(シェルに設置されて、シェル外部からシェル内部への電力を中継する端子)にダメージを与え、レアショート、密閉端子のガラス部の破損等が発生する場合があった。
▲2▼回転子を圧縮機に組み込む前に着磁する場合、着磁した回転子を主軸に焼き嵌めする必要があるが、磁石を高温まで加熱すると磁石が減磁するため性能低下を招き、焼き嵌めによる回転子と主軸との固定手法が使えなくなる。
▲3▼また、着磁した回転子を固定子の内部に配置する際、磁気力(吸引力)による巨大な力が発生するため専用の組立機が必要になる。
【0005】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであって、回転子の磁石の着磁における機器類の故障や破損等が発生することがなく、磁石の性能が低下しない、組立が容易な電動機構部を有するスクロール流体機械およびその組立方法を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るスクロール流体機械は、収容容器内に圧縮機構部と該圧縮機構部を駆動する電動機構部とが収容されたスクロール流体機械であって、
前記電動機構部が、前記収容容器に固定された筒状の固定子と、該固定子の内部に回転自在に配置された回転子と、該回転子に嵌着されて前記電動機構部に回転力を伝達する主軸とを有し、
前記回転子に、あらかじめ着磁した磁石を挿入するための挿入部が設けられ、該挿入部にあらかじめ着磁した磁石が挿入されていることを特徴とするものである。
【0007】
また、この発明に係るスクロール流体機械の組立方法は、収容容器内に圧縮機構部と該圧縮機構部を駆動する電動機構部とが収容されたスクロール流体機械の組立方法であって、
前記収容容器内に前記圧縮機構部を設置する工程と、
前記収容容器内に前記電動機構部の筒状の固定子を固定する工程と、
あらかじめ着磁した磁石を挿入するための挿入部が設けられ、且つ前記電動機構部に回転力を伝達するための主軸が嵌着された回転子を、前記固定子の内部に配置して前記主軸を前記電動機構部に連結する工程と、
あらかじめ着磁した磁石を前記挿入部に挿入する工程と、
前記収容容器に固定される軸受け支えによって前記主軸を支持する工程と、
前記収容容器を密閉する工程とを有することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
(スクロール流体機械)
図1および図2はそれぞれ本発明に係るスクロール流体機械の実施の形態1の構造を示す縦断面図および一部の横断面図である。図1および図2において、スクロール流体機械100は、収容容器110内に圧縮機構部120と圧縮機構部120を駆動する電動機構部130とが収容されている。
【0009】
(収容容器)
収容容器110は、筒状部6と天井部7Tと底部7Bとによって形成された密閉型のシェル構造であって、筒状部6に固定子3の電源動力線および熱動保護器の接続線を筒状部6の外側に取り出すための密封端子10と、筒状部6に作動ガスを吸入する吸入管8と、天井部7Tに圧縮された作動ガスを吐出する吐出管9とが設置されている。
【0010】
(圧縮機構部)
圧縮機構部120は、収容容器110に固定された略渦巻き状の固定スクロール1と、固定スクロール1の略渦巻き状の中に配置された略渦巻き状の揺動スクロール2とを有している。そして、揺動スクロール2は収容容器110に固定された上フレーム11によって支持されている。
【0011】
(電動機構部)
電動機構部130は、収容容器110の筒状部6に固定された筒状の固定子3と、固定子3の内部に回転自在に配置された回転子4とを有している。そして、回転子4には焼き嵌めによって主軸5が固定され、主軸5は揺動スクロール2に連結されている。また、主軸5はフレーム11に設置された図示しない上軸受けと、収容容器110に固定された下フレーム12に設置された図示しない下軸受けとによって軸支されている。
回転子4には「あらかじめ着磁した磁石」を挿入するための挿入部13(窪みに同じ)が設けられ、挿入部13に「あらかじめ着磁した磁石14(以下、磁石と称す)」が挿入されている。磁石14は直方体(断面矩形柱)であって、横断面において方形に配置されている(図2参照)。
【0012】
すなわち、磁石14が挿入されていない回転子4を、固定子3の内部に配置した後、磁石14を挿入部13に挿入して固定するため(これについては別途詳細に説明する)、前記問題点が解決されている。すなわち、
▲1▼スクロール流体機械100を組立後に大電圧を印加して着磁する場合に生じる固定子4や密閉端子10へのダメージ、レアショート、密閉端子10のガラス部破損等が防止されている。
▲2▼回転子を着磁した後で、該回転子を主軸に焼き嵌め固定しないから、磁石が高温に加熱されないため、減磁することによる性能低下が防止されている。
▲3▼また、磁気力(吸引力)による巨大な力が発生する前に、回転子4を固定子3の内部に挿入するから、専用の挿入機が不要になっている。
よって、安価であり、かつ簡単に組み立てることができるスクロール流体機械をが提供される。
【0013】
[実施の形態2]
(スクロール流体機械)
図3は本発明に係るスクロール流体機械の実施の形態2の構造を示す縦断面図である。なお、実施の形態1(図1、2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図3において、スクロール流体機械200は実施の形態1に記載したスクロール流体機械100の回転子4に、遮蔽板15をカシメにより固定さたものである。
遮蔽板15は、挿入部13に挿入された「あらかじめ着磁した磁石14」を主軸14の方向(回転子4の回転軸の方向に同じ)に支持固定している。したがって、実施の形態1における効果に加え、スクロール流体機械100の運転中の振動、発停繰り返し等による磁石14の移動、位置ズレを防止することができ、安定した性能、信頼性を得ることができる。
【0014】
[実施の形態3]
(スクロール流体機械の組立方法)
図4は本発明に係るスクロール流体機械の組立方法の実施の形態3を説明するフローチャートである。
図5は本発明に係るスクロール流体機械の組立方法の実施の形態3における組立途中を説明するスクロール流体機械の縦断面図である。なお、実施の形態1(図1、2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0015】
図4において、まず、磁石14を挿入するための挿入部13が設けられた回転子4を主軸5に焼き嵌め固定する(S1)。
つぎに、収容容器110の筒状部6の内部に圧縮機構部120を設置し、電動機構部130の固定子3を筒状部6に固定する(S2)。
そして、筒状部6に固定された固定子3の内部に回転子4を配置し、回転子4に固定された主軸5を電動機構部120の揺動スクロール2に連結する(S3)。
そこで、「あらかじめ着磁した磁石14」を挿入部13に挿入する(S4、図5参照)。
つぎに、主軸5を下フレーム12に設置された図示しない下軸受けによって支持し、最後に収容容器110を密閉する(S5)。
なお、磁石14は、前記組立工程に先行して別途着磁されるものであって、たとえば、回転子4と同様のダミー回転子(図示しない)を用意して、着磁する前の磁石素材をダミー回転子のダミー挿入部に挿入して着磁する。
【0016】
よって、磁石14が挿入されていない回転子4を、固定子3の内部に配置した後、「あらかじめ着磁した磁石14」を挿入部13に挿入して固定するため、前記問題点が解決されている。すなわち、実施の形態1と同様に、▲1▼機器類の破損等が防止され、▲2▼回転子の磁気的性能の低下が防止され、▲3▼専用の挿入機が不要になっている。よって、安価であり、かつ簡単に組み立てることができるスクロール流体機械の組立方法が提供される。
【0017】
さらに、磁石素材に着磁して「あらかじめ着磁した磁石」とする工程は、通常、前記組立工程とは別のラインで実施されるものである。
たとえば、「あらかじめ着磁した磁石14」を挿入部13に挿入する工程(S4)の前に、回転子4と略同様のダミー回転子のダミー挿入部に「まだ着磁されていない磁石素材」を挿入する工程と、
該ダミー挿入部に挿入された磁石素材を着磁する工程と、
該着磁した磁石素材である「あらかじめ着磁した磁石14」を前記ダミー挿入部から取り出す工程とを有している。
なお、本願発明において、「着磁されていない磁石素材」を着磁して「あらかじめ着磁した磁石」とする方法は限定するものではなく、いずれの方法で実施してもよい。
【0018】
[実施の形態4]
(スクロール流体機械の組立方法)
図6は本発明に係るスクロール流体機械の組立方法の実施の形態4を説明するフローチャートである。
図7は本発明に係るスクロール流体機械の組立方法の実施の形態4における組立途中を説明するスクロール流体機械の縦断面図である。なお、実施の形態2(図3)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0019】
図6は、実施の形態3における「あらかじめ着磁した磁石14を挿入部13に挿入する(S4、図5参照)」工程の後に、「回転子4の端面に挿入部13を覆う遮蔽板15をカシメによって取り付ける工程(S4の2、図7参照)」を追加したものである。
したがって、実施の形態3における効果に加え、簡単な構造であって簡単な取り付け方法で取り付け自在な遮蔽板15を設けたから、スクロール流体機械100の運転中の振動、発停繰り返し等による磁石14の移動、位置ズレを簡単かつ容易に防止することができ、安定した性能、信頼性を得ることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、磁石を具備しない回転子を固定子の内部に配置した後、「あらかじめ着磁した磁石」を該回転子に設けた挿入部に挿入して固定するため、各種機器類の破損等が防止され、且つ、磁石が減磁することなく、安価で簡単な組み立てが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクロール流体機械の実施の形態1の構造を示す縦断面図。
【図2】スクロール流体機械の実施の形態1の構造を示す一部の横断面図。
【図3】スクロール流体機械の実施の形態2の構造を示す縦断面図。
【図4】スクロール流体機械の組立方法の実施の形態3のフローチャート。
【図5】スクロール流体機械の組立途中を説明する縦断面図。
【図6】スクロール流体機械の組立方法の実施の形態4のフローチャート。
【図7】スクロール流体機械の組立途中を説明する縦断面図。
【符号の説明】
1 固定スクロール、2 揺動スクロール、3 固定子、4 回転子、5 主軸、6 筒上部、7T 天井部、7B 底部、8 吸入管、9 吐出管、10 密封端子、11 上フレーム、12 下フレーム、13 挿入部、14 磁石、100 スクロール流体機械、110 収容容器、120 圧縮機構部、130電動機構部、200 スクロール流体機械。
【発明の属する技術分野】
この発明は、空調機および冷凍機等に搭載されるスクロール流体機械およびその組立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の密閉形スクロール流体機械は作動ガスを圧縮する圧縮機構部と、該圧縮機構部を回転駆動する電動機構部とによって形成され、これらが密閉形のシェル内に収容されている。
圧縮機構部は略渦巻き状の固定スクロールと該固定スクロールの間に配置された略渦巻き状の揺動スクロールとから形成され、揺動スクロールが揺動運動することにより、揺動スクロールと固定スクロールとによって形成された圧縮室が順次その容積を減少する。すなわち、公知のスクロール流体機械の圧縮原理により流体ガスは圧縮される。
一方、電動機構部はシェルに固定された筒状の固定子と、該固定子の内部に配置された回転子とによって形成され、該回転子に嵌着された主軸は圧縮機構部に連結されている。すなわち、該回転子の回転力が揺動スクロールに伝達されている。このとき、電動機構部の定格出力を高める目的で、回転子に固有保磁力が大きい永久磁石が埋め込まれている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−280248(第4頁、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の密閉形スクロール流体機械には、回転子に埋め込まれた永久磁石の着磁に係る以下の問題点があった。
▲1▼回転子を圧縮機に組み立てた後に、回転子内に埋め込まれた磁石を着磁する場合、シェルの外部から巨大電圧(1000V以上)を印加するため、過大な電圧の印加に伴って、固定子や密封端子(シェルに設置されて、シェル外部からシェル内部への電力を中継する端子)にダメージを与え、レアショート、密閉端子のガラス部の破損等が発生する場合があった。
▲2▼回転子を圧縮機に組み込む前に着磁する場合、着磁した回転子を主軸に焼き嵌めする必要があるが、磁石を高温まで加熱すると磁石が減磁するため性能低下を招き、焼き嵌めによる回転子と主軸との固定手法が使えなくなる。
▲3▼また、着磁した回転子を固定子の内部に配置する際、磁気力(吸引力)による巨大な力が発生するため専用の組立機が必要になる。
【0005】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであって、回転子の磁石の着磁における機器類の故障や破損等が発生することがなく、磁石の性能が低下しない、組立が容易な電動機構部を有するスクロール流体機械およびその組立方法を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るスクロール流体機械は、収容容器内に圧縮機構部と該圧縮機構部を駆動する電動機構部とが収容されたスクロール流体機械であって、
前記電動機構部が、前記収容容器に固定された筒状の固定子と、該固定子の内部に回転自在に配置された回転子と、該回転子に嵌着されて前記電動機構部に回転力を伝達する主軸とを有し、
前記回転子に、あらかじめ着磁した磁石を挿入するための挿入部が設けられ、該挿入部にあらかじめ着磁した磁石が挿入されていることを特徴とするものである。
【0007】
また、この発明に係るスクロール流体機械の組立方法は、収容容器内に圧縮機構部と該圧縮機構部を駆動する電動機構部とが収容されたスクロール流体機械の組立方法であって、
前記収容容器内に前記圧縮機構部を設置する工程と、
前記収容容器内に前記電動機構部の筒状の固定子を固定する工程と、
あらかじめ着磁した磁石を挿入するための挿入部が設けられ、且つ前記電動機構部に回転力を伝達するための主軸が嵌着された回転子を、前記固定子の内部に配置して前記主軸を前記電動機構部に連結する工程と、
あらかじめ着磁した磁石を前記挿入部に挿入する工程と、
前記収容容器に固定される軸受け支えによって前記主軸を支持する工程と、
前記収容容器を密閉する工程とを有することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
(スクロール流体機械)
図1および図2はそれぞれ本発明に係るスクロール流体機械の実施の形態1の構造を示す縦断面図および一部の横断面図である。図1および図2において、スクロール流体機械100は、収容容器110内に圧縮機構部120と圧縮機構部120を駆動する電動機構部130とが収容されている。
【0009】
(収容容器)
収容容器110は、筒状部6と天井部7Tと底部7Bとによって形成された密閉型のシェル構造であって、筒状部6に固定子3の電源動力線および熱動保護器の接続線を筒状部6の外側に取り出すための密封端子10と、筒状部6に作動ガスを吸入する吸入管8と、天井部7Tに圧縮された作動ガスを吐出する吐出管9とが設置されている。
【0010】
(圧縮機構部)
圧縮機構部120は、収容容器110に固定された略渦巻き状の固定スクロール1と、固定スクロール1の略渦巻き状の中に配置された略渦巻き状の揺動スクロール2とを有している。そして、揺動スクロール2は収容容器110に固定された上フレーム11によって支持されている。
【0011】
(電動機構部)
電動機構部130は、収容容器110の筒状部6に固定された筒状の固定子3と、固定子3の内部に回転自在に配置された回転子4とを有している。そして、回転子4には焼き嵌めによって主軸5が固定され、主軸5は揺動スクロール2に連結されている。また、主軸5はフレーム11に設置された図示しない上軸受けと、収容容器110に固定された下フレーム12に設置された図示しない下軸受けとによって軸支されている。
回転子4には「あらかじめ着磁した磁石」を挿入するための挿入部13(窪みに同じ)が設けられ、挿入部13に「あらかじめ着磁した磁石14(以下、磁石と称す)」が挿入されている。磁石14は直方体(断面矩形柱)であって、横断面において方形に配置されている(図2参照)。
【0012】
すなわち、磁石14が挿入されていない回転子4を、固定子3の内部に配置した後、磁石14を挿入部13に挿入して固定するため(これについては別途詳細に説明する)、前記問題点が解決されている。すなわち、
▲1▼スクロール流体機械100を組立後に大電圧を印加して着磁する場合に生じる固定子4や密閉端子10へのダメージ、レアショート、密閉端子10のガラス部破損等が防止されている。
▲2▼回転子を着磁した後で、該回転子を主軸に焼き嵌め固定しないから、磁石が高温に加熱されないため、減磁することによる性能低下が防止されている。
▲3▼また、磁気力(吸引力)による巨大な力が発生する前に、回転子4を固定子3の内部に挿入するから、専用の挿入機が不要になっている。
よって、安価であり、かつ簡単に組み立てることができるスクロール流体機械をが提供される。
【0013】
[実施の形態2]
(スクロール流体機械)
図3は本発明に係るスクロール流体機械の実施の形態2の構造を示す縦断面図である。なお、実施の形態1(図1、2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図3において、スクロール流体機械200は実施の形態1に記載したスクロール流体機械100の回転子4に、遮蔽板15をカシメにより固定さたものである。
遮蔽板15は、挿入部13に挿入された「あらかじめ着磁した磁石14」を主軸14の方向(回転子4の回転軸の方向に同じ)に支持固定している。したがって、実施の形態1における効果に加え、スクロール流体機械100の運転中の振動、発停繰り返し等による磁石14の移動、位置ズレを防止することができ、安定した性能、信頼性を得ることができる。
【0014】
[実施の形態3]
(スクロール流体機械の組立方法)
図4は本発明に係るスクロール流体機械の組立方法の実施の形態3を説明するフローチャートである。
図5は本発明に係るスクロール流体機械の組立方法の実施の形態3における組立途中を説明するスクロール流体機械の縦断面図である。なお、実施の形態1(図1、2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0015】
図4において、まず、磁石14を挿入するための挿入部13が設けられた回転子4を主軸5に焼き嵌め固定する(S1)。
つぎに、収容容器110の筒状部6の内部に圧縮機構部120を設置し、電動機構部130の固定子3を筒状部6に固定する(S2)。
そして、筒状部6に固定された固定子3の内部に回転子4を配置し、回転子4に固定された主軸5を電動機構部120の揺動スクロール2に連結する(S3)。
そこで、「あらかじめ着磁した磁石14」を挿入部13に挿入する(S4、図5参照)。
つぎに、主軸5を下フレーム12に設置された図示しない下軸受けによって支持し、最後に収容容器110を密閉する(S5)。
なお、磁石14は、前記組立工程に先行して別途着磁されるものであって、たとえば、回転子4と同様のダミー回転子(図示しない)を用意して、着磁する前の磁石素材をダミー回転子のダミー挿入部に挿入して着磁する。
【0016】
よって、磁石14が挿入されていない回転子4を、固定子3の内部に配置した後、「あらかじめ着磁した磁石14」を挿入部13に挿入して固定するため、前記問題点が解決されている。すなわち、実施の形態1と同様に、▲1▼機器類の破損等が防止され、▲2▼回転子の磁気的性能の低下が防止され、▲3▼専用の挿入機が不要になっている。よって、安価であり、かつ簡単に組み立てることができるスクロール流体機械の組立方法が提供される。
【0017】
さらに、磁石素材に着磁して「あらかじめ着磁した磁石」とする工程は、通常、前記組立工程とは別のラインで実施されるものである。
たとえば、「あらかじめ着磁した磁石14」を挿入部13に挿入する工程(S4)の前に、回転子4と略同様のダミー回転子のダミー挿入部に「まだ着磁されていない磁石素材」を挿入する工程と、
該ダミー挿入部に挿入された磁石素材を着磁する工程と、
該着磁した磁石素材である「あらかじめ着磁した磁石14」を前記ダミー挿入部から取り出す工程とを有している。
なお、本願発明において、「着磁されていない磁石素材」を着磁して「あらかじめ着磁した磁石」とする方法は限定するものではなく、いずれの方法で実施してもよい。
【0018】
[実施の形態4]
(スクロール流体機械の組立方法)
図6は本発明に係るスクロール流体機械の組立方法の実施の形態4を説明するフローチャートである。
図7は本発明に係るスクロール流体機械の組立方法の実施の形態4における組立途中を説明するスクロール流体機械の縦断面図である。なお、実施の形態2(図3)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0019】
図6は、実施の形態3における「あらかじめ着磁した磁石14を挿入部13に挿入する(S4、図5参照)」工程の後に、「回転子4の端面に挿入部13を覆う遮蔽板15をカシメによって取り付ける工程(S4の2、図7参照)」を追加したものである。
したがって、実施の形態3における効果に加え、簡単な構造であって簡単な取り付け方法で取り付け自在な遮蔽板15を設けたから、スクロール流体機械100の運転中の振動、発停繰り返し等による磁石14の移動、位置ズレを簡単かつ容易に防止することができ、安定した性能、信頼性を得ることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、磁石を具備しない回転子を固定子の内部に配置した後、「あらかじめ着磁した磁石」を該回転子に設けた挿入部に挿入して固定するため、各種機器類の破損等が防止され、且つ、磁石が減磁することなく、安価で簡単な組み立てが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクロール流体機械の実施の形態1の構造を示す縦断面図。
【図2】スクロール流体機械の実施の形態1の構造を示す一部の横断面図。
【図3】スクロール流体機械の実施の形態2の構造を示す縦断面図。
【図4】スクロール流体機械の組立方法の実施の形態3のフローチャート。
【図5】スクロール流体機械の組立途中を説明する縦断面図。
【図6】スクロール流体機械の組立方法の実施の形態4のフローチャート。
【図7】スクロール流体機械の組立途中を説明する縦断面図。
【符号の説明】
1 固定スクロール、2 揺動スクロール、3 固定子、4 回転子、5 主軸、6 筒上部、7T 天井部、7B 底部、8 吸入管、9 吐出管、10 密封端子、11 上フレーム、12 下フレーム、13 挿入部、14 磁石、100 スクロール流体機械、110 収容容器、120 圧縮機構部、130電動機構部、200 スクロール流体機械。
Claims (9)
- 収容容器内に圧縮機構部と該圧縮機構部を駆動する電動機構部とが収容されたスクロール流体機械であって、
前記電動機構部が、前記収容容器に固定された筒状の固定子と、該固定子の内部に回転自在に配置された回転子と、該回転子に嵌着されて前記電動機構部に回転力を伝達する主軸とを有し、
前記回転子に、あらかじめ着磁した磁石を挿入するための挿入部が設けられ、該挿入部にあらかじめ着磁した磁石が挿入されていることを特徴とするスクロール流体機械。 - 前記挿入部が回転子の端面に設けられた窪みであることを特徴とする請求項1記載のスクロール流体機械。
- あらかじめ着磁した磁石が挿入された前記挿入部が、遮蔽板によって覆われていることを特徴とする請求項1または2記載のスクロール流体機械。
- 前記主軸が前記回転子に焼き嵌め固定されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のスクロール流体機械。
- 収容容器内に圧縮機構部と該圧縮機構部を駆動する電動機構部とが収容されたスクロール流体機械の組立方法であって、
前記収容容器内に前記圧縮機構部を設置する工程と、
前記収容容器内に前記電動機構部に筒状の固定子を固定する工程と、
あらかじめ着磁した磁石を挿入するための挿入部が設けられ、且つ前記電動機構部に回転力を伝達するための主軸が嵌着された回転子を、前記固定子の内部に配置して前記主軸を前記電動機構部に連結する工程と、
あらかじめ着磁した磁石を前記挿入部に挿入する工程と、
前記収容容器に固定される軸受け支えによって前記主軸を支持する工程と、
前記収容容器を密閉する工程とを有することを特徴とするスクロール流体機械の組立方法。 - 前記挿入部が回転子の端面に設けられた窪みであることを特徴とする請求項5記載のスクロール流体機械の組立方法。
- 前記あらかじめ着磁した磁石を前記挿入部に挿入する工程の後に、あらかじめ着磁した磁石が挿入されている前記挿入部を、遮蔽板によって覆う工程を有することを特徴とする請求項5または6記載のスクロール流体機械の組立方法。
- 前記あらかじめ着磁した磁石を前記挿入部に挿入する工程の前に、前記回転子と略同様のダミー回転子のダミー挿入部に磁石素材を挿入する工程と、
該ダミー挿入部に挿入された磁石素材を着磁する工程と、
該着磁した磁石素材であるあらかじめ着磁した磁石を前記ダミー挿入部から取り出す工程とを有することを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載のスクロール流体機械の組立方法。 - 前記回転子を前記固定子の内部に配置して前記主軸を前記電動機構部に連結する工程の前に、前記主軸を前記回転子に焼き嵌め固定する工程を有することを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載のスクロール流体機械の組立方法。
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