JP2004229330A - 電源装置 - Google Patents

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JP2004229330A JP2003010393A JP2003010393A JP2004229330A JP 2004229330 A JP2004229330 A JP 2004229330A JP 2003010393 A JP2003010393 A JP 2003010393A JP 2003010393 A JP2003010393 A JP 2003010393A JP 2004229330 A JP2004229330 A JP 2004229330A
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Ryuichi Shimada
隆一 嶋田
Wahei Inoue
和平 井上
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Mayekawa Manufacturing Co
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Abstract

【課題】フライホイール等の回転慣性体を用いて効率的に運動エネルギーを蓄積するとともに、停電時等において運動エネルギーから効率的に電気エネルギーに変換する。
【解決手段】電動・発電機11には、密閉ケーシング13に収納されたフライホイール12が連結され、真空ポンプ15が電磁クラッチ14によって電動・発電機に選択的に連結されて、電動・発電機が電動機として動作している際、真空ポンプによって密閉ケーシング内を所定の真空度まで排気する。電動・発電機の回転子と固定子との間にはキャン24が配置され、キャンによって回転子が配置される空間と固定子が配置される空間とが隔離されている。これによって、フライホイール及び回転子を真空雰囲気中で回転運動させる。そして、電気巻線等がキャンの外側に配置される結果、真空雰囲気中で生じやすい真空放電現象を容易に回避することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライホイール等の回転慣性体を用いて瞬時発電を行って電力を供給する電源装置に関し、特に、電源遮断時に回転慣性体に蓄えられた運動エネルギーを用いて発電を行って電力を供給する電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電源が突発的に遮断されると、運転中の機器(負荷)に悪影響を与えてしまうことがあり、このような電源遮断に対して、例えば、蓄電池等の電源装置を用いて電力を供給することが行われている。つまり、通常時においては、商用電源を用いて蓄電池に充電を行い、電源遮断が発生すると、蓄電池を電源装置として用いて、蓄電池から負荷に電力を供給することが行われているが、長期に亘れば、その保守の点、寿命の点が問題となる。
【0003】
一方、内燃機関等において、フライホイールは回転脈動を平均化するために古くから欠かすことのできない機械的要素として利用されてきたものである。これを停電時等の電力必要時にフライホイールに蓄積された運動エネルギーを電力(電気エネルギー)に変換して、電源遮断に対処することも行われている。つまり、電動機等によってフライホイールを高速回転させて、電気エネルギーを運動エネルギーに変換して蓄え、必要時にフライホイールの運動エネルギーを発電機によって電気エネルギーに再変換することが行われている。
【0004】
言い換えると、電動機及び発電機として機能する電動・発電機を用いて、フライホイールに運動エネルギーを蓄積する際には、電動・発電機を電動機として動作させ、フライホイールに蓄積された運動エネルギーを電気エネルギーに変換する際には、電動・発電機を発電機として動作させて、電源遮断時の非常用電源装置として用いている。
【0005】
ところで、上述のようなフライホイールを用いた電源装置においては、常時は無負荷状態で運転が行われるため、その損失を最小限に抑えて、効率的に運動エネルギーを蓄積するとともに、瞬時に運動エネルギーを電気エネルギーに変換する必要がある。この損失としては、例えば、機械的損失として回転機構に含まれる回転体における摩擦損である風損及び回転軸受における損失があり、電気的損失として線輪の電気抵抗損、誘導による渦電流損、及び磁心のヒステリシス及び鉄損がある。これらの損失に起因して、回転慣性体であるフライホイールに蓄積された運動エネルギーを効率的に電気エネルギーに変換することが難しい。
【0006】
機械的損失を低減するため、例えば、ケーシングに設けた軸受にフライホイールの回転軸を支承させ、該ケーシング内でフライホイールを高速回転させることによって、電気エネルギーを運動エネルギーに変換して蓄え、必要時にフライホイールの運動エネルギーを電気エネルギーに再変換する際、フライホイールを回転させるときに、フライホイールに作用する磁気吸引力の合力作用線上に、回転軸下端の回転支点と、フライホイールの重心とを設けるようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−285835号公報(段落(0014)〜(0019)、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載された電源装置(フライホイールを用いた電源装置)では、機械的損失の低減を図っているものの、フライホイールが存在する雰囲気環境中の気体によって、不可避的に風損が発生し、この風損はフライホイールの周速の自乗に比例し、さらに、気体の種類及びその温度等にも影響される。つまり、フライホイールの回転による風損によって運動エネルギーの損失は、他の損失と比べて大きな割合を占めることになる。
【0009】
特許文献1に記載された電源装置では、このようなフライホイールの回転による損失について何等考慮しておらず、従って、効率的にフライホイールに運動エネルギーを蓄積して、停電時等電源遮断時に運動エネルギーから効率的に電気エネルギーに変換できないという課題がある。
【0010】
本発明の目的は、フライホイール等の回転慣性体を用いて効率的に運動エネルギーを蓄積するとともに、停電時等において運動エネルギーから効率的に電気エネルギーに変換することのできる電源装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、選択的に電動機及び発電機として動作する電動・発電機と、該電動・発電機に連結された回転慣性体とを備え、前記電動・発電機を電動機として動作させて前記回転慣性体に運動エネルギーを蓄積し、前記電動・発電機を発電機として動作させて前記回転慣性体に蓄積された運動エネルギーを前記発電機によって電気エネルギーに変換して電力を供給するようにした電源装置において、少なくとも前記回転慣性体を真空雰囲気中で回転運動させるための真空雰囲気形成手段を有することを特徴とする電源装置が得られる。
【0012】
このようにして、電動・発電機を電動機として動作させて、回転慣性体に運動エネルギーを蓄積し、電動・発電機を発電機として動作させて、回転慣性体に蓄積された運動エネルギーを発電機によって電気エネルギーに変換して電力を供給する際、少なくとも回転慣性体を真空雰囲気中で回転運動させるようにすれば、回転慣性体の回転による風損を防止することができ、その結果、効率的に運動エネルギーを蓄積でき、しかも効率的に運動エネルギーを電気エネルギーに変換できることになる。
【0013】
この電動・発電機は、例えば、回転子と該回転子を取り囲むようにして配置された固定子と、前記回転子と前記固定子との間に配置されたキャンとを有し、該キャンによって前記回転子が配置される空間と前記固定子が配置される空間とが隔離されている。そして、キャンとして、高効率特性を有する高抵抗軟磁性製のキャン、樹脂製のキャン、又はセラミック製のキャンを用いることが望ましい。
【0014】
このように、電動・発電機の回転子と固定子との間にキャンを配置して、このキャンによって回転子が配置される空間と固定子が配置される空間とを隔離するようにすれば、回転子が配置される空間を真空雰囲気とすることができて、さらに、電気巻線と機体との間の低気圧雰囲気中の真空放電をも回避させ、電動・発電機の回転運動による損失を低減できる。また、キャンとして、高抵抗軟磁性製のキャン、樹脂製のキャン、又はセラミック製のキャンを用いるようにすれば、キャンに起因する損失を低減できる。
【0015】
例えば、前記真空雰囲気形成手段は、前記回転慣性体が収納される密閉ケーシングと、該密閉ケーシング内を排気して前記密閉ケーシング内を真空雰囲気とする真空ポンプ手段とを有しており、前記真空ポンプ手段は前記密閉ケーシング内を排気して前記密閉ケーシング内を真空雰囲気とした真空ポンプと、該真空ポンプを前記電動・発電機に選択的に連結する連結手段(例えば、電磁クラッチ)とを有し、前記電動・発電機が電動機として動作している際、前記真空ポンプによって前記密閉ケーシング内を所定の真空度まで排気する。また、前記真空ポンプ手段は前記回転子が配置される空間を介して前記密閉ケーシング内に連通している。
【0016】
このように、回転慣性体を密閉ケーシングに収納して、真空ポンプによって密閉ケーシング内を排気し、密閉ケーシング内を真空雰囲気として、この際、真空ポンプを選択的に電動・発電機に連結して、真空ポンプを駆動するようにすれば、真空ポンプ駆動のための動力を別に必要としない。
【0017】
本発明では、鉛直方向に下側から順次前記密閉ケーシング、前記電動・発電機、前記真空ポンプ手段の順に配列されて、前記回転子に挿入された回転軸が前記回転慣性体に連結されて、該回転子が前記鉛直方向に延び、前記回転子及び前記固定子の磁気的中心が前記回転子に前記鉛直方向上向きの力が作用するようにずらしてある。
【0018】
このように、鉛直方向に下側から順次、密閉ケーシング、電動・発電機、真空ポンプの順に配列して、回転子に挿入された回転軸を回転慣性体に連結して、この回転子を鉛直方向に延在させて、回転子及び固定子の磁気的中心を回転子に鉛直方向上向きの力が作用するようにずらすようにすれば、回転軸の重心に下向きに作用する力が相殺され、回転軸の下端を支持する軸受に加わるスラスト方向の力を低減でき、回転軸支持点における摩擦損を低減できる。
【0019】
なお、前記電動・発電機として、前記回転子に永久磁石が埋め込まれた永久磁石埋め込み型電動・発電機(IPM電動・発電機)を用いることが望ましい。電動・発電機として、IPM電動・発電機を用いるようにすれば、誘導電動・発電機に比べて効率的に運動エネルギーと電気エネルギーとの変換を瞬時に行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その他相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎり、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0021】
まず、図1を参照して、図示の電源装置は、選択的に電動機及び発電機として用いられる電動・発電機11を有しており、電動・発電機11の回転軸11aは図中上下方向(鉛直方向)に延びており、この回転軸11aには、径方向に延びる回転慣性体であるフライホイール12が連結されている。つまり、電動・発電機11とフライホイール12とは回転軸11aを共有している。そして、フライホイール12は密閉ケーシング13内に収納され、この密閉ケーシング13が据え付け面13a上に据えつけられる。密閉ケーシング13上には前述の電動・発電機11が載置され、回転軸11aは密閉ケーシング13に形成された開口部13bを通ってフライホイール12に連結されている。回転軸11aは密閉ケーシング13の一端部(図中下端部)で軸受13cに支承されるとともに、電動・発電機11のハウジング11bに回転可能に支承されている。
【0022】
ハウジング11bの上端部には、電気巻線部分が大気中にある電磁クラッチ又は手動クラッチ(以下単にクラッチと呼ぶ)14が配置され、該クラッチ14の上側には真空ポンプ15が配置され、クラッチ14のオン/オフ制御によって、真空ポンプ15が回転軸11aに選択的に連結されて、真空ポンプ15が作動する。つまり、真空ポンプ15にはクラッチ14が備えられ、クラッチ14によって選択的に真空ポンプ15が回転軸11aに連結されて、回転軸11aの回転によって真空ポンプが動作する。なお、真空ポンプ15は、クラッチ14の隙間、電動・発電機11の隙間、及び開口部13bを介して密閉ケーシング13内に連通して、真空状態の環境に保持される。
【0023】
ここで、図2を参照して、電動・発電機11について説明すると、図示の電動・発電機11は、固定子鉄心21を備え、この固定子鉄心21には固定子巻線22が巻回されて、固定子21aとされる。固定子鉄心21と所定の隙間をおいて回転子23が配置され、この回転子23には前述の回転軸11aが嵌挿されている。前述の隙間には、例えば、高抵抗軟磁性金属製、樹脂製、又はセラミック製の円筒状キャン24がその内面を回転子23の外周面と対向するようにして配置され、キャン24の外周面は固定子鉄心21に嵌合固定される。
【0024】
つまり、図2に示すように、ハウジング11bの内壁には、軸方向に延びる円筒状の支持片部111及び112が回転軸11aと径方向に所定の間隔離れて形成されており、支持片部111は支持片部112と対向している。前述のように、キャン24を固定子鉄心21と回転子23との間の隙間に挿入して、キャン24の外周面を固定子鉄心21に嵌合固定するとともに、キャン24の一端部(図中上端)を支持片部111に固定し、キャン24の他端部(図中下端)を支持片部112に気密に固定する。
【0025】
上述のように、キャン24を配置・固定すると、キャン24によって固定子21が配置される空間(固定子配置空間)と回転子23が配置される空間(回転子配置空間)とが分離されることなって、後述するように、密閉ケーシング13内の気密性が保たれることになる。
【0026】
なお、回転軸11aはハウジング11bに軸受11cによって回転可能に支持され、固定子巻線22には導線22aが接続されて、この導線22aはハウジング11bの側面に形成された孔部から外部に導出される。
【0027】
図2で説明した電動・発電機11として、例えば、永久磁石埋め込み型の同期電動発電機、つまり、IPM(Interior Permanent Magnet)電動発電機が用いられる。図3は、4極構造のIPM電動発電機の断面を示す図であり、回転子23には、板状の希土類永久磁石25が4個等角度間隔に埋め込まれている。なお、図3においては、固定子巻線22が省略されており、固定子巻線22は、固定子鉄心21に形成された固定巻線溝21bに収納され、前述のキャン24は固定子鉄心21の歯状端(つまり、固定子鉄心21の内周面)に嵌合固定される。また、希土類永久磁石25の代わりに、フェライト永久磁石を用いるようにしてもよい。
【0028】
このようなIPM電動・発電機を用いると、回転子23に磁石が埋め込まれている結果、励磁電流が不要となって、高効率のキャンド型同期電動・発電機の特性を備えることになる。
【0029】
上述のようなIPM電動発電機を用いた際には、例えば、図4に示す制御系が用いられる。図4を参照して、図1で説明した電源装置31は制御装置32に接続され、後述するようにして、制御装置32で駆動制御される。制御装置32には、制御器(インバータ:サイクロコンバータ)32a、前述の回転子23の位置(角度)検出又は回転速度検出を行うセンサー32b、及び電源遮断器32cが備えられており、電源(図示せず)から電源ライン32d及び電源遮断器32cを介して負荷33に電力が供給される。制御器32aはセンサー32bで検出される回転子23の検出位置又は検出回転速度に応じて電源装置31に電力を供給して電源装置31内の電動・発電機11を電動機として駆動制御する。
【0030】
一方、制御器32aは電源ライン32dの電圧を監視して、電源が遮断されたと判定すると(つまり、停電等が発生したと判定すると)、電源遮断器32cを動作させて、電源ライン32dと負荷33との接続を断つととともに、電源装置31内の電動・発電機11を発電機として動作させ、後述するようにして発電された電力を負荷33に供給する。これによって、電源遮断時における電力供給を行うことになる。
【0031】
ここで、図1及び図4を参照して、上述の電源装置の動作について説明する。前述のように、負荷33には電源ライン32d及び電源遮断器32cを介して電力が供給される。そして、制御器32aは電源装置31内の電動・発電機11を電動機として動作させ、電動機に前述したようにして電力供給制御を行う。この際、電磁クラッチ14がオンされて、真空ポンプ15が電動機の回転軸11aに連結されて、真空ポンプ15が駆動される。
【0032】
図1に示すように、真空ポンプ15は、電動・発電機11を介して、つまり、電磁クラッチ14の隙間、軸受11cの隙間、回転子23が配置された空間を介して密閉ケーシング13内に連通しているから、密閉ケーシング13内の気体(空気等)が吸引されて、排出されることになる。この結果、密閉ケーシング13内は真空状態となる。この際、キャン24が隔壁として機能し、回転子23が収納された空間と固定子鉄心21が収納された空間とが分離されているから、密閉ケーシング13の気密性が保たれ、密閉ケーシング13内の真空度を良好に保つことができる。
【0033】
このようにして、密閉ケーシング13内の真空度が所定の値になると、電磁クラッチ14がオフされて、電動・発電機11の回転軸11aと真空ポンプ15とが切り離されて、真空ポンプ15が停止する。なお、真空ポンプ15の駆動停止は手動で行ってもよく、また、密閉ケーシング13内の真空度をセンサー等で計測して、この計測値に応じて電磁クラッチ14をオン/オフ制御するようにしてもよい。
【0034】
電動・発電機11が電動機として駆動されると、密閉ケーシング13内が真空状態となって、回転軸11aに連結されたフライホイール12が真空雰囲気中で回転することになり、フライホイール12の回転によって風損が発生することなく、効率的に運動エネルギーをフライホイール12に蓄積することができる。一方、電動・発電機11においては、固定子鉄心21と回転子23との間にキャン24が配置されているから、つまり、キャン24によって回転子24が固定子21aから隔離されているから、回転子23において真空放電が発生することもない。
【0035】
さらに、キャン24として、高抵抗軟磁性金属製のキャンを用いるようにすれば、渦電流損が低減され、しかもキャン挿入に起因する空隙長の増大(隙間の増大)に対する補償が行われて、キャンによる損失を低減することができる。
【0036】
さらに、キャン24として樹脂製又はセラミック製のキャンを用いるようにすれば、キャンに起因する損失をほぼ無くすることができる。なお、高抵抗軟磁性金属製のキャンは大容量の電動・発電機に用いられ、樹脂製又はセラミック製のキャンは小容量又は中容量の電動・発電機に用いられる。
【0037】
上述のようにして、真空雰囲気中でフライホイール12を回転させて運動エネルギーをフライホイール12に蓄積することになるが、停電等が発生すると、前述のように、電源遮断器32cによって電源ライン32dと負荷33との接続を断ち、電動・発電機11を発電機として動作させる。そして、フライホイール12の回転によって電動・発電機11が駆動され、これによって発生する電力が負荷33に供給されることになる。つまり、フライホイール12に蓄積された運動エネルギーが電気エネルギーに変換されて、負荷33に供給されることになる。この際においても、フライホイール12は真空雰囲気で回転駆動するから風損が発生することなく、効率的に運動エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
【0038】
ここで、図1及び図5を参照すると、電動・発電機11は、前述のように、その回転軸11aを鉛直方向として据えつけられている(以下このような状態を垂直軸受構造と呼ぶ)。つまり、電動・発電機11とフライホイール12とを連結する回転軸11aは鉛直方向となっている。このような垂直軸受構造においては、例えば、図5(a)に示すように、固定子21aと回転子23との磁気的中心をずらして固定子21a及び回転子23を配置する。
【0039】
具体的には、固定子21aと回転子23との相互作用によって、図中上向きな力(以下揚力と呼ぶ)が回転子23に作用するように、固定子21a及び回転子23を配置する。この結果、回転軸11aの重心によって図中下向きに作用する力(以下垂力と呼ぶ)に対して回転子23には揚力が作用することになって、回転軸11aの下端を支持する軸受に作用する力が減少する結果、回転軸11aの支持点における摩擦損が低減して、効率を向上させることができる。
【0040】
図5(a)に示す例では、回転子23として円柱状の回転子23を用いて、固定子21aの磁気的中心に対して回転子23の磁気的中心を図中下側にずらしている。これによって、固定子21aと回転子23との相互作用によって、回転子23には揚力が作用することになって、回転軸11aの下端を支持する軸受に作用する力が減少する。
【0041】
一方、図5(b)に示す例では、断面台形状のコーン型回転子23が用いられている。図5(b)に示す例においても、図5(a)に示す例と同様に、固定子21aの磁気的中心に対して回転子23の磁気的中心を図中下側にずらして、固定子21aと回転子23との相互作用によって、回転子23に揚力を作用させている。さらに、図5(b)に示す例では、コーン型回転子23の外周面と固定子鉄心21との隙間が軸方向に同一の間隔となるように、固定子鉄心21はコーン型回転子の外周形状に合わせて、その内周面の形状が規定されることになる。つまり、図5(b)に示す例では、回転子23がその外周面が図中上方向に狭まる形状となっているから、固定子鉄心21の内周面は図中上方向に広がる形状となっている。
【0042】
このようなコーン型回転子23を用いると、回転子23においてその下側部分に作用する上向きの力が大きくなる結果、回転子23に作用する揚力を大きくすることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電動・発電機を電動機として動作させて、回転慣性体に運動エネルギーを蓄積し、電動・発電機を発電機として動作させて、回転慣性体に蓄積された運動エネルギーを発電機によって電気エネルギーに変換して電力を供給する際、少なくとも回転慣性体を真空雰囲気中で回転運動させるようにしたので、回転慣性体の回転による風損を防止することができ、その結果、効率的に運動エネルギーを蓄積でき、しかも運動エネルギーを電気エネルギーに変換できるという効果がある。
【0044】
本発明では、電動・発電機の回転子と固定子との間にキャンを配置して、このキャンによって回転子が配置される空間と固定子が配置される空間とを隔離するようにしたから、回転子が配置される空間を真空雰囲気とすることができ、その結果、電動・発電機の回転運動による損失を低減できるという効果がある。また、キャンとして、高抵抗軟磁性製のキャン、樹脂製のキャン、又はセラミック製のキャンを用いるようにすれば、キャンに起因する損失を低減できるという効果がある。
【0045】
本発明では、回転慣性体を密閉ケーシングに収納して、真空ポンプによって密閉ケーシング内を排気し、密閉ケーシング内を真空雰囲気としており、この際、真空ポンプを選択的に電動・発電機に連結して、真空ポンプを駆動するようにしたから、真空ポンプ駆動のための動力を別に必要としないという効果がある。
【0046】
本発明では、鉛直方向に下側から順次、密閉ケーシング、電動・発電機、真空ポンプの順に配列して、回転子に挿入された回転軸を回転慣性体に連結して、この回転子を鉛直方向に延在させて、回転子及び固定子の磁気的中心を回転子に鉛直方向上向きの力が作用するようにずらすようにしたので、回転軸の重心に下向きに作用する力を相殺して、回転軸の下端を支持する軸受に加わるスラスト方向の力を低減でき、その結果、回転軸支持点における摩擦損を低減できるという効果がある。
【0047】
本発明では、電動・発電機として、回転子に永久磁石が埋め込まれた永久磁石埋め込み型電動・発電機(IPM電動・発電機)を用いるようにしたので、キャンド化が容易になり、誘導電動・発電機に比べて効率的に運動エネルギーと電気エネルギーとの変換を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電源装置の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す電動・発電機を拡大して示す断面図である。
【図3】図1に示す電動・発電機がIPM電動・発電機である際の固定子と回転子とを示す断面図である。
【図4】IPM電動・発電機を用いた際の制御系の一例を示すブロック図である。
【図5】電動・発電機の固定子と回転子との位置関係を示す図であり、(a)は円柱形状の回転子を用いた例を示す断面図、(b)はコーン形状の回転子を用いた際の例を示す断面図である。
【符号の説明】
11 電動・発電機
12 フライホイール(回転慣性体)
13 密閉ケーシング
14 電磁クラッチ
15 真空ポンプ
21 固定子鉄心
22 固定子巻線
23 回転子
24 円筒状キャン
25 回転子に埋め込まれた永久磁石

Claims (8)

  1. 選択的に電動機及び発電機として動作する電動・発電機と、該電動・発電機に連結された回転慣性体とを備え、前記電動・発電機を電動機として動作させて前記回転慣性体に運動エネルギーを蓄積し、前記電動・発電機を発電機として動作させて前記回転慣性体に蓄積された運動エネルギーを前記発電機によって電気エネルギーに変換して電力を供給するようにした電源装置において、
    少なくとも前記回転慣性体を真空雰囲気中で、回転運動させるための真空雰囲気形成手段を有することを特徴とする電源装置。
  2. 前記電動・発電機は、
    回転子と、
    該回転子を取り囲むようにして配置された固定子と、
    前記回転子と前記固定子との間に配置されたキャンとを有し、
    該キャンによって前記回転子が配置される空間と前記固定子が配置される空間とが隔離されていることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. キャン型電動・発電機は高効率特性を有する高抵抗軟磁性材料、樹脂、又はセラミックで成形されていることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
  4. 前記真空雰囲気形成手段は、
    前記回転慣性体が収納される密閉ケーシングと、
    該密閉ケーシング内を排気して前記密閉ケーシング内を真空雰囲気とする真空ポンプ手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
  5. 前記真空ポンプ手段は、
    前記密閉ケーシング内を排気して前記密閉ケーシング内を真空雰囲気とする真空ポンプと、
    該真空ポンプを前記電動・発電機に選択的に連結する連結手段とを有し、
    前記電動・発電機が電動機として動作している際、前記真空ポンプによって前記密閉ケーシング内を所定の真空度まで排気するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の電源装置。
  6. 前記真空ポンプ手段は前記回転子が配置される空間を介して前記密閉ケーシング内に連通していることを特徴とする請求項4に記載の電源装置。
  7. 鉛直方向に下側から順次前記密閉ケーシング、前記電動・発電機、前記真空ポンプ手段の順に配列されて、
    前記回転子に挿入された回転軸が前記回転慣性体に連結されて、該回転子が前記鉛直方向に延び、
    前記回転子及び前記固定子の磁気的中心が前記回転子に前記鉛直方向上向きの力が作用するようにずらしてあることを特徴とする請求項4に記載の電源装置。
  8. 前記電動・発電機は前記回転子に永久磁石が埋め込まれた永久磁石埋め込み型電動・発電機であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電源装置。
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