JP2004011473A - スクロール型電動圧縮機の制御装置 - Google Patents

スクロール型電動圧縮機の制御装置 Download PDF

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池田 英夫
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Abstract

【課題】電動圧縮機が停止された後の再起動を容易に行えるスクロール型電動圧縮機の制御装置を提供する。
【解決手段】圧縮機停止の運転指令が出されたときに所定時間ブラシレスモータ3を逆転させてからブラシレスモータ3の逆転を停止する処理を行うことにより、ブラシレスモータ3の逆転によって吐出側のガス状熱媒体を吸入側に送り込んで電動圧縮機1の吐出側圧力を低下させて、吐出側圧力と吸入側圧力との差圧を小さくする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置に使用されるスクロール型電動圧縮機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用空調装置に使用されるスクロール型の電動圧縮機は、固定側スクロール部材と可動側スクロール部材とを有するスクロール型圧縮機構と、この圧縮機構の可動側スクロール部材を旋回させるためのDCブラシレスモータとを備える。DCブラシレスモータは、バッテリー等からの直流電源電圧をインバータ回路により変換して得たパルス列状の疑似交流電圧によって駆動され、その回転速度は運転指令に基づき前記疑似交流電圧のデューティ比を変えて供給実効電圧を変化させる方法、即ち、PWM(パルス幅変調)により制御されている。
【0003】
ところで、前記の車両用空調装置は、空調負荷等に応じて電動圧縮機の回転数を零(停止)〜設定最大値の範囲で可変する機能を有する他、過負荷や過電流等の異常が発生したときに安全のために電動圧縮機を強制停止する機能を有する。また、走行用モータを備えた電気自動車やハイブリット自動車等に搭載された車両用空調装置は、前記機能の他に、急加速によって直流電源電圧が低下したときに走行用モータに対する電力確保のために電動圧縮機を強制停止する機能も有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常の運転制御が行われているときの電動圧縮機の停止は空調負荷に依存するものであり、停止時における電動圧縮機の吐出側圧力と吸入側圧力との差圧はさほど大きいものではないため、停止後に電動圧縮機を再起動するときに起動負荷を原因とした問題を生じることは少ない。
【0005】
しかし、通常の運転制御とは異なる前記のような電動圧縮機の強制停止や人為操作による強制停止は空調負荷に依存するものではなく、とりわけ空調負荷が大きい状況下で強制停止が実行されるとそのときの電動圧縮機の吐出側圧力と吸入側圧力との差圧が大きいために、強制停止後に電動圧縮機を再起動しようとしても起動負荷が高いことを原因として再起動できない或いは再起動し難くなる等の問題を生じる。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、電動圧縮機が停止された後の再起動を容易に行えるスクロール型電動圧縮機の制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、モータを内蔵したスクロール型電動圧縮機と、スクロール型電動圧縮機のモータに運転指令に応じた駆動信号を送出するモータ制御手段を備えたスクロール型電動圧縮機の制御装置において、圧縮機停止指令に基づきスクロール型電動圧縮機を停止するとき、モータ正転を停止させる処理を行い、続いて所定時間モータを逆転させてからモータ逆転を停止させる処理を行う停止制御手段を備える、ことをその特徴とする。
【0008】
このスクロール型電動圧縮機の制御装置によれば、空調負荷が大きい状況下で圧縮機停止の運転指令が出された場合でも、スクロール型電動圧縮機を停止するときに所定時間モータを逆転させてからモータ逆転を停止させる処理を行うことにより、吐出側のガス状熱媒体を吸入側に送り込んで吐出側圧力を低下させて吐出側圧力と吸入側圧力との差圧を小さくすることができるので、圧縮機停止後に再起動させる場合でも起動負荷が低い状態で容易に再起動することができる。
【0009】
本発明の前記以外の構成特徴及び作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1,図2,図3(A),図3(B),図4,図5(A)及び図6は本発明の一実施形態に係るもので、図1は本発明を適用した車両用空調装置の構成図、図2は図1に示したスクロール型電動圧縮機(以下、単に電動圧縮機と言う)の一部破断側面図、図3(A)及び図3(B)は図2に示した吐出弁の動作説明図、図4は図2に示した電動圧縮機の変形例を示す図、図5(A)は圧縮機停止制御法の一例を示すフローチャート、図6はモータ回転に係るスイッチング素子の駆動順序を示す図である。
【0011】
まず、図1,図2,図3(A),図3(B)及び図4を引用して電動圧縮機を含む制御装置の全体構成について説明する。
【0012】
図1中の符号1は電動圧縮機、2は電動圧縮機1に内蔵されたスクロール型圧縮機構、3は電動圧縮機1に内蔵された三相巻線型のDCブラシレスモータ(以下、単にブラシレスモータと言う)、11はインバータ回路、12は車両に搭載されたバッテリー、13は電源平滑とブラシレスモータ3からの回生電流吸収を目的としたコンデンサ、14は制御回路、15は凝縮器、16は膨張手段、17は蒸発器、18は吐出側圧力センサ、19は吸入側圧力センサである。
【0013】
尚、図1に示した車両用空調装置では、インバータ回路11及び制御回路14により電動圧縮機1のブラシレスモータ3に運転指令に応じた駆動信号を送出するモータ制御手段が構成されている。
【0014】
電動圧縮機1は、図2に示すようにスクロール型圧縮機構2とブラシレスモータ3をハウジング4内に内蔵しており、ハウジング4は図2中の右端面に吸入口4aを有し左端面に吐出口4bを有すると共に内部中央にシャフト支持部4cを有する。
【0015】
スクロール型圧縮機構2は互いの螺旋状羽根の噛み合い部分によって圧縮室を構成する固定側スクロール部材2aと可動側スクロール部材2bとから成り、固定側スクロール部材2aはハウジング4内に固定配置され、可動側スクロール部材2bは軸受5を介してハウジング4内に偏心回転が可能な状態で配置されている。
【0016】
固定側スクロール部材2aの吐出口4bと向き合う部分には流出口2a1が設けられている。また、固定側スクロール部材2aの吐出口4bと向き合う面には、流出口2a1を開閉するためのバネ性の板状吐出弁8と、吐出弁8の開放量を規定するストッパー9とがボルト10を用いて固着されている。ちなみに、吐出弁8は電動圧縮機1のデッドボリウム(再膨張容積)を小さくして圧縮効率を上げることを目的としたものである。さらに、図3(A)及び図3(B)にも示すように、吐出弁8の流出口2a1と重なる部分には、流出口2a1の断面積よりも小さな断面積を有する逆流許容口8aが設けられている。一方、可動側スクロール部材2bのブラシレスモータ3と向き合う部分にはボス部2b1が設けられている。
【0017】
モータ3はシャフト3aを軸受6を介してシャフト支持部4cに支持され、その偏心軸3bを軸受7を介して可動側スクロール部材2bのボス部2b1に連結されている。
【0018】
この電動圧縮機1は、ブラシレスモータ3の正転によって可動側スクロール部材2bを偏心回転させることにより、吸入口4aから取り込んだガス状熱媒体を固定側スクロール部材2aとの協働により圧縮し、圧縮後のガス状熱媒体により吐出弁8をそのバネ性に抗してストッパー9に接する位置まで押し退けて、圧縮後のガス状熱媒体を流出口2a1を通じて吐出口4bから吐出することができる(図3(A)参照)。吐出弁8の逆流許容口8aの断面積が流出口2a1の断面積よりも小さいため、電動圧縮機1のデッドボリウムを小さくして圧縮効率を上げる目的は十分に達成できる。また、ブラシレスモータ3の逆転によって可動側スクロール部材2bを偏心回転させることにより、吐出口4bから取り込んだガス状熱媒体を閉塞状態にある吐出弁8の逆流許容口8aを通じて流出口2a1に流れ込ませて吸入口4aから吐出することができる(図3(B)参照)。
【0019】
尚、図2には、流出口2a1を開閉するためのバネ性の吐出弁8とこの吐出弁8の開放量を規定するストッパー9を備えたものを電動圧縮機1として示したが、図4に示すような吐出弁8及びストッパー9を有しないものを電動圧縮機1として用いても構わない。
【0020】
インバータ回路11は計6個の半導体スイッチング素子U〜Zを備えており、制御回路14からのPWM信号に基づきこれら半導体スイッチング素子U〜Zをオンオフ駆動することで、バッテリー12からの直流電圧を所定のデューティ比を有するパルス列状の疑似交流電圧に変換してブラシレスモータ3に供給する。
【0021】
制御回路14はマイクロコンピュータ構成で、空調負荷に応じた速度制御を行うためのデューティ比演算プログラムをROMに記憶している。この制御回路14は、図示省略の空調制御装置からの運転指令に基づいてこれに適合したデューティ比を演算し、このデューティ比に応じたPWM信号をインバータ回路11に送出する。
【0022】
凝縮器15の入口は配管を介して電動圧縮機1の吐出口4bに接続され、凝縮器15の出口は配管及び膨張手段16を介して蒸発器17の入口に接続され、蒸発器17の出口は配管を介して電動圧縮機1の吸入口4aに接続されている。図1には基本的な冷凍機構成を示してあるが、蒸発器17と電動圧縮機1との間に液分離用のアキュムレータを配置したり、他の周知機器を設けるようにしても構わない。
【0023】
吐出側圧力センサ18は電動圧縮機1の吐出口4bから吐出されるガス状熱媒体の圧力を検出するためのもので、吸入側圧力センサ19は電動圧縮機1の吸入口4aに吸入されるガス状熱媒体の圧力を検出するためのものであり、各々の検出信号は制御回路14に必要に応じて取り込まれる。
【0024】
次に、図5(A)及び図6を引用して前述の車両用空調装置で実現される圧縮機停止制御法について説明する。
【0025】
車両用空調装置において通常の運転制御が実施されているときには、圧縮機停止の運転指令の有無、即ち、空調制御装置から制御回路14に電動圧縮機1の回転数を零(停止)にする指令が出されたか否かを監視し(ステップS11参照)、圧縮機停止の運転指令が出されたときには同指令に基づいて正転中のブラシレスモータ3を停止させるためのPWM信号をインバータ回路11に送出し、そして、タイマT1をスタートさせ、且つ、ブラシレスモータ3を逆転させるためのPWM信号をインバータ回路11に送出する(ステップS12〜S14参照)。
【0026】
前記ブラシレスモータ3を120°通電により駆動する場合は、例えば図6に示すように、バッテリー12のプラス側に接続された半導体スイッチング素子U〜WにU,V,Wの順に通電し、マイナス側に接続された半導体スイッチング素子X〜ZにZ,X,Yの順に60度ずらして通電すればブラシレスモータ3を正転させることができ、また、バッテリー12のプラス側に接続された半導体スイッチング素子U〜WにU,W,Vの順に通電し、マイナス側に接続された半導体スイッチング素子X〜ZにY,X,Zの順に60度ずらして通電すればブラシレスモータ3を逆転させることができる。依って、この逆転を可能とするためのPWM信号を予め記憶させておいてこれをインバータ回路11に送出すれば、ブラシレスモータ3を逆転させることができる。
【0027】
ここでの逆転は、電動圧縮機1の吐出側のガス状熱媒体を吸入側に送り込むことにより吐出側圧力を低下させることを目的とするものであるので、逆転時の回転数は低くても高くても構わない。しかし、ブラシレスモータ3が実質的に停止していない状態で逆転に切り換えるときにブラシレスモータ3やインバータ回路11が受ける負担を考慮すれば、低速回転域に対応した逆転用のPWM信号をインバータ回路11に送出することが好ましい。
【0028】
この後は前記タイマーT1のカウント、例えば2秒のカウントが終了したか否かを判別し(ステップS15参照)、終了した場合にはブラスレスモータ3を逆転させるためのPWM信号の送出を停止し、且つ、ブラシレスモータ3を停止させるためのPWM信号をインバータ回路11に送出してブラシレスモータ3を停止させ、そして通常の運転制御のループに戻る(ステップS16,S17参照)。
【0029】
前記のように、圧縮機停止の運転指令が出されたときに所定時間ブラシレスモータ3を逆転させてからブラシレスモータ3の逆転を停止する処理を行うと、ブラシレスモータ3の逆転によって図2に示した電動圧縮機1の場合には吐出口4bから取り込まれたガス状熱媒体が逆流許容口8a及び流出口2a1を通じて吸入口4aから吐出され、また、図4に示した電動圧縮機1の場合には吐出口4bから取り込まれたガス状熱媒体が流出口2a1を通じて吸入口4aから吐出することになる。
【0030】
つまり、空調負荷が大きい状況下で圧縮機停止の運転指令が出された場合でも、ブラシレスモータ3の逆転によって吐出側のガス状熱媒体を吸入側に送り込むことにより電動圧縮機1の吐出側圧力を低下させて、吐出側圧力と吸入側圧力との差圧を小さく、好ましくは零または零に近い値にすることができる。依って、圧縮機停止後に電動圧縮機1を再起動させる場合でも起動負荷が低い状態で再起動することが可能となるので、起動負荷が高いために再起動ができない等の問題を回避して、再起動を迅速に且つ容易に行うことができる。
【0031】
以下に、図5(A)に示したものとは異なる幾つかの圧縮機停止制御法を、図5(B),図7(A),図7(B),図8(A)及び図8(B)を個別に引用して説明する。
【0032】
図5(B)に示した圧縮機停止制御法が、図5(A)に示した圧縮機停止制御法と異なるところは、ステップS12とステップS13との間で、別のタイマーT2をスタートさせるステップS18と、このタイマーT2のカウントが終了したか否かを判別するステップS19を実行するようにした点にある。
【0033】
この圧縮機停止制御法は、正転中のブラシレスモータ3を停止させるためのPWM信号をインバータ回路11に送出してもブラシレスモータ3は慣性によって正転方向に僅かな時間回り続けるため、同状態で逆転用のPWM信号をインバータ回路11に送出すると過電流が発生して半導体スイッチング素子U〜Zに破壊を生じる恐れがあることを考慮したものである。具体的には、正転中のブラシレスモータ3を停止させるためのPWM信号がインバータ回路11に送出されてからブラシレスモータ3が実質的に停止するまでの時間、例えば1秒をタイマーT2によってカウントし、ブラシレスモータ3が実質的に停止した後に図5(A)に示した圧縮機停止制御法と同様の逆転処理を行うようにしている。
【0034】
図7(A)に示した圧縮機停止制御法では、車両用空調装置において通常の運転制御が実施されているときに圧縮機停止の運転指令が出されたときには、圧縮機停止の運転指令に基づいて正転中のブラシレスモータ3を停止させるためのPWM信号をインバータ回路11に送出し、そして、吐出側圧力センサ18で検出されるガス状熱媒体の吐出側圧力DPが逆転要否判断基準値A以上であるときにはブラシレスモータ3を逆転させるためのPWM信号をインバータ回路11に送出し、ブラシレスモータ3の逆転によって吐出側圧力DPが逆転要否判断基準値Aよりも低い逆転解除判断基準値B未満に低下したところで、ブラスレスモータ3を逆転させるためのPWM信号の送出を停止し、且つ、ブラシレスモータ3を停止させるためのPWM信号をインバータ回路11に送出してブラシレスモータ3を停止させるようにしている(ステップS21〜S27参照)。
【0035】
この圧縮機停止制御法は、ブラシレスモータ3の逆転により吐出側圧力が低下するまでの時間が運転停止指令が出されたときの空調装置の運転状態によって異なることを考慮したものである。具体的には、電動圧縮機1の吐出側圧力が再起動可能な圧力以下になるまでブラシレスモータ3を逆転を継続させることで再起動時の安全性を高めるようにしたものであり、また、運転停止指令が出されたときの電動圧縮機1の吐出側圧力が再起動可能な圧力以下である場合には、ブラシレスモータ3の逆転処理を行わないようにしてエネルギーの節約に務めている。
【0036】
図7(B)に示した圧縮機停止制御法が、図7(A)に示した圧縮機停止制御法と異なるところは、ステップS23とステップS24との間で、タイマーT2をスタートさせるステップS28と、このタイマーT2のカウントが終了したか否かを判別するステップS29を実行するようにした点にある。
【0037】
この圧縮機停止制御法は、正転中のブラシレスモータ3を停止させるためのPWM信号をインバータ回路11に送出してもブラシレスモータ3は慣性によって正転方向に僅かな時間回り続けるため、同状態で逆転用のPWM信号をインバータ回路11に送出すると過電流が発生して半導体スイッチング素子U〜Zに破壊を生じる恐れがあることを考慮したものである。具体的には、正転中のブラシレスモータ3を停止させるためのPWM信号がインバータ回路11に送出されてからブラシレスモータ3が実質的に停止するまでの時間、例えば1秒をタイマーT2によってカウントし、ブラシレスモータ3が実質的に停止した後に図7(A)に示した圧縮機停止制御法と同様の逆転処理を行うようにしている。
【0038】
図8(A)に示した圧縮機停止制御法では、車両用空調装置において通常の運転制御が実施されているときに圧縮機停止の運転指令が出されたときには、圧縮機停止の運転指令に基づき正転中のブラシレスモータ3を停止させるためのPWM信号をインバータ回路11に送出し、そして、吐出側圧力センサ18で検出されるガス状熱媒体の吐出側圧力DPと吸入側圧力センサ19で検出されるガス状熱媒体の吸入側圧力IPの差圧(DP−IP)が逆転要否判断基準値C以上であるときにはブラシレスモータ3を逆転させるためのPWM信号をインバータ回路11に送出し、ブラシレスモータ3の逆転によって差圧(DP−IP)が逆転要否判断基準値Cよりも低い逆転解除判断基準値D未満に低下したところで、ブラスレスモータ3を逆転させるためのPWM信号の送出を停止し、且つ、ブラシレスモータ3を停止させるためのPWM信号をインバータ回路11に送出してブラシレスモータ3を停止させるようにしている(ステップS31〜S37参照)。
【0039】
この圧縮機停止制御法は、ブラシレスモータ3の逆転により吐出側圧力と吸入側圧力との差圧が小さくなるまでの時間が運転停止指令が出されたときの空調装置の運転状態によって異なることを考慮したものである。具体的には、電動圧縮機1の吐出側圧力と吸入側圧力との差圧が再起動可能な圧力以下になるまでブラシレスモータ3を逆転を継続させることで再起動時の安全性を高めるようにしたものであり、また、運転停止指令が出されたときの電動圧縮機1の吐出側圧力と吸入側圧力との差圧が再起動可能な圧力以下である場合には、ブラシレスモータ3の逆転処理を行わないようにしてエネルギーの節約に務めている。
【0040】
図8(B)に示した圧縮機停止制御法が、図8(A)に示した圧縮機停止制御法と異なるところは、ステップS33とステップS34との間で、タイマーT2をスタートさせるステップS38と、このタイマーT2のカウントが終了したか否かを判別するステップS39を実行するようにした点にある。
【0041】
この圧縮機停止制御法は、正転中のブラシレスモータ3を停止させるためのPWM信号をインバータ回路11に送出してもブラシレスモータ3は慣性によって正転方向に僅かな時間回り続けるため、同状態で逆転用のPWM信号をインバータ回路11に送出すると過電流が発生して半導体スイッチング素子U〜Zに破壊を生じる恐れがあることを考慮したものである。具体的には、正転中のブラシレスモータ3を停止させるためのPWM信号がインバータ回路11に送出されてからブラシレスモータ3が実質的に停止するまでの時間、例えば1秒をタイマーT2によってカウントし、ブラシレスモータ3が実質的に停止した後に図8(A)に示した圧縮機停止制御法と同様の逆転処理を行うようにしている。
【0042】
尚、前述の説明では、スクロール型圧縮機構2を駆動するためのモータとしてブラシレスモータ3を例示したが、同モータにはPWM制御が可能な他の形式のモータ、例えばリラクタンスモータや誘導モータ等が適宜利用できる。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、空調負荷が大きい状況下で圧縮機停止の運転指令が出されその後にスクロール型電動圧縮機を再起動させる場合でも起動負荷が低い状態で再起動することが可能となるので、起動負荷が高いために再起動ができない等の問題を回避して、再起動を迅速に且つ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した車両用空調装置の構成図
【図2】図1に示したスクロール型電動圧縮機の一部破断側面図
【図3】図2に示した吐出弁の動作説明図
【図4】図2に示した電動圧縮機の変形例を示す図
【図5】圧縮機停止制御法の一例を示すフローチャートと、その変形例を示す図
【図6】モータ回転に係るスイッチング素子の駆動順序を示す図
【図7】圧縮機停止制御法の他の例を示すフローチャートと、その変形例を示す図
【図8】圧縮機停止制御法のさらに他の例を示すフローチャートと、その変形例を示す図
【符号の説明】
1…スクロール型電動圧縮機、2…スクロール型圧縮機構、2a1…流出口、3…DCブラシレスモータ、4…ハウジング、4a…吸入口、4b…吐出口、8…吐出弁、8a…逆流許容口、11…インバータ回路、12…バッテリー、14…制御回路、18…吐出側圧力センサ、19…吸入側圧力センサ。

Claims (7)

  1. モータを内蔵したスクロール型電動圧縮機と、スクロール型電動圧縮機のモータに運転指令に応じた駆動信号を送出するモータ制御手段を備えたスクロール型電動圧縮機の制御装置において、
    圧縮機停止の運転指令に基づきスクロール型電動圧縮機を停止するとき、モータ正転を停止させる処理を行う、続いて所定時間モータを逆転させてからモータ逆転を停止させる処理を行う停止制御手段を備える、
    ことを特徴とするスクロール型電動圧縮機の制御装置。
  2. モータを内蔵したスクロール型電動圧縮機と、スクロール型電動圧縮機のモータに運転指令に応じた駆動信号を送出するモータ制御手段とを備えたスクロール型電動圧縮機の制御装置において、
    圧縮機停止の運転指令に基づきスクロール型電動圧縮機を停止するとき、モータ正転を停止させる処理を行い、続いてモータ正転が実質的に停止した後に所定時間モータを逆転させてからモータ逆転を停止させる処理を行う停止制御手段を備える、
    ことを特徴とするスクロール型電動圧縮機の制御装置。
  3. モータを内蔵したスクロール型電動圧縮機と、スクロール型電動圧縮機のモータに運転指令に応じた駆動信号を送出するモータ制御手段を備えたスクロール型電動圧縮機の制御装置において、
    スクロール型電動圧縮機の吐出側圧力を検出する吐出側圧力センサと、
    圧縮機停止の運転指令に基づきスクロール型電動圧縮機を停止するとき、モータ正転を停止させる処理を行い、このときの吐出側圧力が逆転要否判断基準値以上であるときには続いて該吐出側圧力が逆転解除判断基準値未満になるまでモータを逆転させてからモータ逆転を停止させる処理を行う停止制御手段を備える、
    ことを特徴とするスクロール型電動圧縮機の制御装置。
  4. モータを内蔵したスクロール型電動圧縮機と、スクロール型電動圧縮機のモータに運転指令に応じた駆動信号を送出するモータ制御手段を備えたスクロール型電動圧縮機の制御装置において、
    スクロール型電動圧縮機の吐出側圧力を検出する吐出側圧力センサと、
    圧縮機停止の運転指令に基づきスクロール型電動圧縮機を停止するとき、モータ正転を停止させる処理を行い、このときの吐出側圧力が逆転要否判断基準値以上であるときには続いてモータ正転が実質的に停止した後に該吐出側圧力が逆転解除判断基準値未満になるまでモータを逆転させてからモータ逆転を停止させる処理を行う停止制御手段を備える、
    ことを特徴とするスクロール型電動圧縮機の制御装置。
  5. モータを内蔵したスクロール型電動圧縮機と、スクロール型電動圧縮機のモータに運転指令に応じた駆動信号を送出するモータ制御手段を備えたスクロール型電動圧縮機の制御装置において、
    スクロール型電動圧縮機の吐出側圧力を検出する吐出側圧力センサと、
    スクロール型電動圧縮機の吸入側圧力を検出する吸入側圧力センサと、
    圧縮機停止の運転指令に基づきスクロール型電動圧縮機を停止するとき、モータ正転を停止させる処理を行い、このときの吐出側圧力と吸入側圧力との差圧が逆転要否判断基準値以上であるときには続いて該差圧が逆転解除判断基準値未満になるまでモータを逆転させてからモータ逆転を停止させる処理を行う停止制御手段を備える、
    ことを特徴とするスクロール型電動圧縮機の制御装置。
  6. モータを内蔵したスクロール型電動圧縮機と、スクロール型電動圧縮機のモータに運転指令に応じた駆動信号を送出するモータ制御手段を備えたスクロール型電動圧縮機の制御装置において、
    スクロール型電動圧縮機の吐出側圧力を検出する吐出側圧力センサと、
    スクロール型電動圧縮機の吸入側圧力を検出する吸入側圧力センサと、
    圧縮機停止の運転指令に基づきスクロール型電動圧縮機を停止するとき、モータ正転を停止させる処理を行い、このときの吐出側圧力と吸入側圧力との差圧が逆転要否判断基準値以上であるときには続いてモータ正転が実質的に停止した後に該差圧が逆転解除判断基準値未満になるまでモータを逆転させてからモータ逆転を停止させる処理を行う停止制御手段を備える、
    ことを特徴とするスクロール型電動圧縮機の制御装置。
  7. スクロール型電動圧縮機に内蔵されるスクロール型圧縮機構の流出口に該流出口から吐出口に向かうガス状熱媒体の流れを許容する吐出弁を設けると共に、該吐出弁に流出口よりも断面積が小さく吐出口から流出口へのガス状熱媒体の流れ込みを許容する逆流許容口を設けた、
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のスクロール型電動圧縮機の制御装置。
JP2002163369A 2002-06-04 2002-06-04 スクロール型電動圧縮機の制御装置 Pending JP2004011473A (ja)

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