JP2006242049A - 流体機械およびそれを用いた内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内燃機関の廃熱を利用し、発電に加えて内燃機関の始動も可能として、省エネルギーの観点で優れる流体機械およびそれを用いた内燃機関の始動制御装置を提供する。
【解決手段】 流体機械において、内燃機関10の廃熱エネルギーによって加熱される作動流体の膨張によって駆動力を発生する膨張機110と、膨張機110に接続されて、膨張機110の駆動力によって発電を行うと共に、外部電源からの電力供給により電動機としても機能する回転電機120と、回転電機120の反膨張機側に接続されて、回転電機120の駆動力によって回転駆動される駆動部131と、膨張機110、回転電機120の間に設けられ、両者110、120間の動力伝達を断続する第1断続手段140と、回転電機120、駆動部131の間に設けられ、両者120、131間の動力伝達を断続する第2断続手段130、150とを設ける。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば自動車等の内燃機関の廃熱を利用して動力を回収するランキンサイクルに使用される流体機械およびそれを用いた内燃機関の始動制御装置に関するものである。
従来、車両用空調システム(冷凍サイクル)に使用される流体機械として、例えば、特許文献1に示されるように、冷媒を圧縮する圧縮機とモータとが一体的に形成されたものが知られている。この流体機械においては、圧縮機は、車両のエンジン作動中はエンジンの駆動力によって作動され、また、エンジン停止中はモータの駆動力によって作動されるようになっており、加えて、モータがエンジン始動用のスタータとして機能するようになっている。尚、モータは、エンジンの駆動力を受けると発電機としても機能する。
これにより、エンジンの作動停止に関わらず圧縮機の作動を可能とすると共に、モータによって車両に必要とされる発電を賄い、専用のスタータを不要として、エンジンの始動を可能としている。
特開2002−205536号公報
しかしながら、上記流体機械の使用により専用スタータの設定が不要となるものの、省エネルギーの観点で考えると、エンジンの駆動力を用いてモータで発電し、発電によって得られた電力を圧縮機駆動用およびエンジン始動用に使用している訳で、専用スタータの有無に関わらず、エンジンにおける負荷は何ら変わらない。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、内燃機関の廃熱を利用して、発電に加えて内燃機関の始動も可能として、省エネルギーの観点で優れる、流体機械およびそれを用いた内燃機関の始動制御装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、流体機械において、内燃機関(10)の廃熱エネルギーによって加熱される作動流体の膨張によって駆動力を発生する膨張機(110)と、膨張機(110)に接続されて、膨張機(110)の駆動力によって発電を行うと共に、外部電源からの電力供給により電動機としても機能する回転電機(120)と、回転電機(120)の反膨張機側に接続されて、回転電機(120)の駆動力によって回転駆動される駆動部(131)と、膨張機(110)、回転電機(120)の間に設けられ、両者(110、120)間の動力伝達を断続する第1断続手段(140)と、回転電機(120)、駆動部(131)の間に設けられ、両者(120、131)間の動力伝達を断続する第2断続手段(130、150)とを有することを特徴としている。
これにより、第1断続手段(140)を接続することで、膨張機(110)の駆動力で回転電機(120)を発電機として作動させることができ、内燃機関(10)の廃熱エネルギーを電気エネルギーに回生できる。また、第1断続手段(140)を切断して、第2断続手段(130、150)を接続して、回転電機(120)を電動機として作動させることで駆動部(131)を駆動させることができるので、駆動部(131)の駆動力を内燃機関(10)の始動に使用することができる。また、第1、第2断続手段(140、150)を接続して、膨張機(110)の駆動力で駆動部(131)を駆動させることができる、あるいは膨張機(110)と回転電機(120)との駆動力で駆動部(131)を駆動させることができるので、駆動部(131)の駆動力を内燃機関(10)の始動に使用することができる。
このように、内燃機関(10)の廃熱エネルギーを使用して、電力として蓄え、この電力を用いて、あるいは廃熱エネルギーから得られる駆動力を用いて内燃機関(10)の始動に使用できるので、内燃機関(10)の省エネルギー化を可能とする流体機械(100)を提供できる。
請求項2に記載の発明では、第1断続手段(140)は、膨張機(110)の膨張機軸(118)と回転電機(120)の回転電機軸(124)との間で、膨張機(110)が駆動される場合に、その正回転方向に噛み合い、逆回転方向に噛み合いが外れる一方向クラッチ(140)であり、第2断続手段(130、150)は、電磁クラッチ(130)であることを特徴としている。
これにより、一方向クラッチ(140)によって、膨張機(110)の作動時に機械的に回転電機(120)が接続されて、廃熱エネルギーを利用した発電が可能となり、複雑な断続機構を不要とすることができる。
また、膨張機(110)の停止時に膨張機(110)の本来の回転方向に回転電機(120)を電動機として作動させると、一方向クラッチ(140)は噛み合いが外れて膨張機(110)と回転電機(120)とは切断されることになる。この時に電磁クラッチ(130)を接続することで、回転電機(120)と駆動部(131)とを接続でき、回転電機(120)によって駆動部(131)を駆動させ、内燃機関(10)の始動に使用できる。
また、膨張機(110)の作動時において、膨張機(110)の回転速度より低い回転速度で回転電機(120)を電動機として作動させると、一方向クラッチ(140)は噛み合うことになる。この時に電磁クラッチ(130)を接続することで、膨張機(110)と回転電機(120)との駆動力によって駆動部(131)を駆動させ、内燃機関(10)の始動に使用できる。
請求項3に記載の発明では、第1断続手段(140)は、膨張機(110)の膨張機軸(118)と回転電機(120)の回転電機軸(124)との間で、膨張機(110)が駆動される場合に、その正回転方向に噛み合い、逆回転方向に噛み合いが外れる第1一方向クラッチ(140)であり、第2断続手段(130、150)は、回転電機軸(124)と駆動部(131)の駆動軸(134)との間で、回転電機(120)が電動機として膨張機(110)の駆動回転方向に作動される場合に、その正回転方向に噛み合い、逆回転方向に噛み合いが外れる第2一方向クラッチ(150)であることを特徴としている。
これにより、複雑な断続機構を不要として以下の作動を可能とすることができる。即ち、第1一方向クラッチ(140)によって、膨張機(110)の作動時に機械的に回転電機(120)が接続されて、廃熱エネルギーを利用した発電が可能となり、また、第2一方向クラッチ(150)によって、機械的に回転電機(120)と駆動部(131)とが接続され、駆動部(131)の駆動力を内燃機関(10)のアシスト用に使用できる。
また、膨張機(110)の停止時に膨張機(110)の本来の回転方向に回転電機(120)を電動機として作動させると、第1一方向クラッチ(140)は噛み合いが外れて膨張機(110)と回転電機(120)とは切断され、第2一方向クラッチ(150)によって、機械的に回転電機(120)と駆動部(131)とが接続され、駆動部(131)の駆動力を内燃機関(10)の始動用に使用できる。
また、膨張機(110)の作動時に、膨張機(110)の回転速度より低い回転速度で膨張機(110)の本来の回転方向に回転電機(120)を電動機として作動させると、第1一方向クラッチ(140)は噛み合い、膨張機(110)と回転電機(120)とは接続され、更に、第2一方向クラッチ(150)によって、機械的に回転電機(120)と駆動部(131)とが接続され、膨張機(110)と回転電機(120)との駆動力で駆動部(131)を駆動できる。そして、駆動部(131)の駆動力を内燃機関(10)の始動用に使用できる。
請求項4に記載の発明では、膨張機(110)は、本来の回転方向とは逆方向に作動されて圧縮機として機能することを特徴としている。
これにより、膨張機(110)を作動させない場合に、この膨張機(110)を圧縮機として作動させることで、例えば空調装置用の冷凍サイクル(20A)を作動させることができる。
請求項5に記載の発明では、内燃機関(10)の廃熱エネルギーによって加熱される作動流体を、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の流体機械(100)の膨張機(110)で膨張させて駆動力を発生するランキンサイクル(30A)と、内燃機関(10)の始動要否を判定すると共に、流体機械(100)、ランキンサイクル(30A)の作動を制御する制御装置(40)とを有し、流体機械(100)の駆動部(131)が内燃機関(10)の機関軸(10a)に接続された内燃機関の始動制御装置であって、制御装置(40)は、内燃機関(10)の始動が必要な時に、膨張機(110)、あるいは流体機械(110)の回転電機(120)の少なくとも一方の駆動力によって、内燃機関(10)を始動させることを特徴としている。
これにより、内燃機関(10)の廃熱エネルギーを使用して、あるいは廃熱エネルギーから得られた電気エネルギーを使用して内燃機関(10)の始動が可能となるので、内燃機関(10)の省エネルギー化が可能となる。
請求項6に記載の発明では、内燃機関(10)の廃熱エネルギーによってランキンサイクル(30A)を作動状態とし、膨張機(110)で得られる駆動力が内燃機関(10)始動のための必要駆動力より大きい場合に、制御装置(40)は、膨張機(110)の駆動力によって、内燃機関(10)を始動させることを特徴としている。
これにより、廃熱エネルギーを無駄なく活用した内燃機関(10)の始動が可能となる。
請求項7に記載の発明では、内燃機関(10)の廃熱エネルギーによってランキンサイクル(30A)を作動状態とし、膨張機(110)で得られる駆動力が内燃機関(10)始動のための必要駆動力より小さい場合に、制御装置(40)は、膨張機(110)と回転電機(120)との駆動力によって、内燃機関(10)を始動させることを特徴としている。
これにより、廃熱エネルギーと予め廃熱エネルギーから蓄えた電気エネルギーを有効に活用した内燃機関(10)の始動が可能となる。
請求項8に記載の発明では、内燃機関(10)の廃熱エネルギーが得られず、ランキンサイクル(30A)を非作動状態とする場合に、制御装置(40)は、回転電機(120)の駆動力によって、内燃機関(10)を始動させることを特徴としている。
これにより、予め廃熱エネルギーから蓄えた電気エネルギーを有効に活用した内燃機関(10)の始動が可能となる。
内燃機関(10)としては、請求項9に記載の発明のように、走行条件に応じて作動、停止されるハイブリッド車両用、あるいはアイドルストップ車両用として好適である。
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る内燃機関の始動制御装置(以下、始動制御装置)20を、走行条件に応じてエンジン(本発明における内燃機関に対応)10が作動あるいは停止されるハイブリッド車両やアイドルストップ車両等に適用したものである。始動制御装置20は、冷凍サイクル20Aをベースとして、エンジン10で発生した廃熱からエネルギーを回収するランキンサイクル30Aを備えている。各サイクル20A、30Aの圧縮部あるいは膨張部には流体機械としての膨張発電機兼電動圧縮機(以下、複合流体機械)100が設けられており、制御装置40によって各サイクル20A、30Aおよび複合流体機械100の作動が制御されるようになっている。以下、始動制御装置20の全体構成および複合流体100について図1、図2を用いて説明する。
まず、冷凍サイクル20Aは、低温側の熱を高温側に移動させて冷熱および温熱を空調に利用するもので、膨張機兼圧縮機110、凝縮器21、気液分離器22、減圧器23、蒸発器24等が環状に接続されて形成されている。
膨脹機兼圧縮機110は、気相冷媒を加圧して吐出する圧縮モード(圧縮機として作動)と、過熱蒸気冷媒の膨張時の流体圧を運動エネルギーに変換して機械的エネルギーを出力する膨張モード(膨張機として作動)とを兼ね備えるものである。尚、膨脹機兼圧縮機110の詳細については後述する。
凝縮器21は、膨張機兼圧縮機110(圧縮モード時)の冷媒吐出側に設けられ、高温高圧に圧縮された冷媒を冷却して、凝縮液化する熱交換器である。気液分離器22は、凝縮器21で凝縮された冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を流出させるレシーバである。減圧器23は、気液分離器22で分離された液相冷媒を減圧膨脹させるもので、本実施形態では、冷媒を等エンタルピ的に減圧すると共に、圧縮モード時の膨張機兼圧縮機110に吸入される冷媒の過熱度が所定値となるように絞り開度を制御する温度式膨脹弁を採用している。
蒸発器24は、減圧器23にて減圧された冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮する熱交換器であり、この吸熱作用によって空調空気を冷却する。そして、蒸発器24の冷媒流出側には、蒸発器24側から膨張機兼圧縮機110側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁24aが設けられている。
そして、ランキンサイクル30Aは、車両の走行用動力を発生させるエンジン10で発生した廃熱からエネルギー(膨張機兼圧縮機110の膨張モード時における駆動力)を回収するものである。ランキンサイクル30Aは、上記冷凍サイクル20Aに対して、凝縮器21が共用されると共に、この凝縮器21をバイパスするように気液分離器22から膨張機兼圧縮器110および凝縮器21の間(A点)に接続される第1バイパス流路31と、膨張機兼圧縮機110および逆止弁24aの間(B点)から凝縮器21およびA点の間(C点)に接続される第2バイパス流路32とが設けられて、以下のように形成されている。
即ち、第1バイパス流路31には、液ポンプ33が配設されると共に、気液分離器22側から液ポンプ33側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁31aが設けられている。また、A点と膨張機兼圧縮機110との間に加熱器34が設けられている。
加熱器34は、液ポンプ33から送られる冷媒(本発明における作動流体に対応)とエンジン10における温水回路10Aのエンジン冷却水(温水)との間で熱交換することにより冷媒を加熱する熱交換器であり、三方弁11によりエンジン10から流出したエンジン冷却水を加熱器34に循環させる場合と循環させない場合とが切替えられる。尚、三方弁11の流路切替えは、後述する制御装置40によって行われるようになっている。
尚、水ポンプ12は温水回路10A内でエンジン冷却水を循環させるポンプ(例えば、エンジン10によって駆動される機械式ポンプあるいは電動モータによって駆動される電動ポンプ)であり、ラジエータ13はエンジン冷却水と外気との間で熱交換してエンジン冷却水を冷却する熱交換器である。
温水回路10Aの出口側にはエンジン冷却水の温度を検出する水温センサ14が設けられており、この水温センサ14で検出(出力)された温度信号は、後述する制御装置40に入力される。また、エンジン10にはエンジン10の回転数を検出する回転数センサ15が設けられており、この回転数センサ15で検出(出力)された回転数信号は、上記温度信号と同様に後述する制御装置40に入力される。
そして、第2バイパス流路32には、膨脹機兼圧縮機110側から凝縮器21の冷媒入口側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁32aが設けられている。また、A点とC点との間には開閉弁35が設けられている。開閉弁35は、冷媒流路を開閉する電磁式のバルブであり、後述する制御装置40により制御されるようになっている。また、膨張機兼圧縮機110が圧縮モードで作動する時の冷媒吐出側(後述する高圧室114側)には、膨張機兼圧縮機110の作動を圧縮モードあるいは膨張モードのいずれかに切替える弁機構117が設けられている。弁機構117は、後述する制御装置40により制御されるようになっている。弁機構117の詳細については膨張機兼圧縮機110と共に後述する。
上記気液分離器22、第1バイパス流路31、液ポンプ33、加熱器34、膨張機兼圧縮機110、第2バイパス流路32、凝縮器21等にてランキンサイクル30Aが形成される。
膨張機兼圧縮機110には、発電機および電動機としての両機能を有する発電機兼電動機120および電磁クラッチ130が接続されて、複合流体機械100を形成している。以下、複合流体機械100の構成について、図2を用いて説明する。
複合流体機械100の膨張機兼圧縮機(本発明における膨張機に対応)110は、周知のスクロール型圧縮機構と同一構造を有するもので、具体的には、膨張圧縮機ハウジング111を成すハウジング111aとシャフトハウジング111bとの間に固定される固定スクロール112、この固定スクロール112に対向して旋回変位する旋回スクロール113、作動室Vと高圧室114とを連通させる吐出ポート115、および流入ポート116を開閉する弁機構117等から成るものである。
固定スクロール112は、板状の基板部112aおよび基板部112aから旋回スクロール113側に突出した渦巻状の歯部112bを有して構成され、一方、旋回スクロール113は、上記歯部112bに接触して噛み合う渦巻状の歯部113b、およびこの歯部113bが形成された基板部113aを有して構成されており、両歯部112b、113bが接触した状態で旋回スクロール113が旋回することにより、両スクロール112、113により形成される作動室Vの体積が拡大縮小するようになっている。
シャフト118(本発明における膨張機軸に対応)は、後述するモータ軸124に固定された軸受け118bによって回転可能に支持されて、一方の長手方向端部に回転中心軸に対して偏心して設けられた偏心部118aを有するクランクシャフトである。この偏心部118aは、ベアリング113cを介して旋回スクロール113に連結されている。
また、自転防止機構119は、シャフト118が1回転する間に旋回スクロール113が偏心部118a周りに1回転するようにするものである。このためシャフト118が回転すると、旋回スクロール113は、自転せずにシャフト118の回転中心軸周りを公転旋回する。そして、作動室Vは、例えばシャフト118が正方向に回転する時に、旋回スクロール113の中心側から外径側に変位するほど、その体積が拡大するように変化し(膨張モード)、逆に、シャフト118が逆方向に回転する時に、旋回スクロール113の外径側から中心側に変位するほど、その体積が縮小するように変化する(圧縮モード)。
吐出ポート115は、基板部112aの中心部に設けられて、膨張機兼圧縮機110の圧縮モード時に、最小体積となる作動室Vと、ハウジング111a内に設けられた高圧室114とを連通させて圧縮された冷媒を吐出するポートである。尚、高圧室114は、吐出ポート115から吐出された冷媒の脈動を平滑化する吐出室の機能を有するものである。
また、流入ポート116は、同様に基板部112aに(吐出ポート115に隣接して)設けられて、膨張機兼圧縮機110の膨張モード時に、高圧室114と、最小体積となる作動室Vとを連通させて高圧室114に導入された高温、高圧の冷媒、つまり過熱蒸気冷媒を作動室Vに導くポートである。
尚、高圧室114を形成するハウジング111aには、加熱器34および凝縮器21側に接続される高圧ポート111cが設けられている。また、蒸発器24および第2バイパス流路32側に接続される低圧ポート121aは、後述するモータハウジング121に設けられて、モータハウジング121内を経由して、シャフトハウジング111bと固定スクロール112とによって形成される空間に連通している。
弁機構117は、吐出弁117a、弁体117d、電磁弁117h等から成る。吐出弁117aは、吐出ポート115の高圧室114側に配置されて吐出ポート115から吐出された冷媒が高圧室114から作動室Vに逆流することを防止するリード弁状の逆止弁であり、ストッパ117bは吐出弁117aの最大開度を規制する弁止板であり、吐出弁117aおよびストッパ117bはボルト117cによって基板部112aに固定されている。
弁体117dは、流入ポート116を開閉して膨張機兼圧縮機110の圧縮モードと膨張モードとを切替える切替え弁であり、その後端側がハウジング111aに設けられた背圧室117eに沿って、摺動可能に配設されている。背圧室117e内にはバネ117fが挿入されており、バネ117fは弁体117dの先端側が流入ポート116を閉じる方向に弾性力を作用させるようになっている。また、ハウジング111aには、所定の通路抵抗を有して背圧室117eと高圧室114とを連通させる抵抗手段としての絞り117gが設けられている。尚、弁体117dが流入ポート116を閉じた時の両者間のシール性を向上させるために、弁体117dの先端側は任意の角度で傾斜可能(首振り機構)となるようにしている。
電磁弁117hは、低圧ポート121a側と背圧室117eとの連通状態を制御することにより背圧室117e内の圧力を制御する制御弁であり、後述する制御装置40によって制御される。
そして、電磁弁117hを開くと、背圧室117eの圧力が低圧ポート121a側に抜けることで高圧室114より低下して、弁体117dがバネ117fを押し縮めながら図2中の右側に変位するので、流入ポート116が開く。尚、絞り117gでの圧力損失は非常に大きいので、高圧室114から背圧室117eに流れ込む冷媒量は無視できるほど小さい。
逆に、電磁弁117hを閉じると、絞り117gによって背圧室117eの圧力と高圧室114の圧力とが等しくなり、弁体117dはバネ117fの弾性力により図2中の左側に変位するので、流入ポート116が閉じる。つまり、弁体117d、背圧室117e、バネ117f、絞り117g、および電磁弁117h等により流入ポート116を開閉するパイロット式の電気開閉弁が構成される。
発電機兼電動機120は、直流3相ブラシレスのセンサレス方式の回転電機であり、シャフトハウジング111bに固定されるモータハウジング121内に収容されている。発電機兼電動機120は、ステータ122およびステータ122内で回転するロータ123等から成る。ステータ122は、巻き線が巻かれたステータコイルであり、モータハウジング121の内周面に固定されている。ロータ123は、永久磁石が埋設されたマグネットロータであり、モータ軸124に固定されている。
モータ軸(本発明における回転電機軸に対応)124は、シャフトハウジング111b、モータハウジング121にそれぞれ固定される軸受け124a、124bによって回転可能に支持されており、膨張機兼圧縮機110側の端部には穴部124cが形成されている。穴部124c内には軸受け118bが固定されており、上記した膨張機兼圧縮機110のシャフト118を回転可能に支持している。また、モータ軸124の反穴部側は、後述する電磁クラッチ130のシャフト134に接続されている。
ここで、シャフト118は穴部124c内に挿入されて、シャフト118とモータ軸124との間には一方向クラッチ140が介在されている。この一方向クラッチ140は本発明における第1断続手段、第1一方向クラッチに対応するものであって、シャフト118が主体となって正方向に回転するとモータ軸124に噛み合い、逆方向に回転するとモータ軸124との噛み合いが外れるようにしたクラッチである。逆に、モータ軸124を主体にしてみると、モータ軸124が逆方向に回転するとシャフト118に噛み合い、正方向に回転すると、噛み合いが外れることになる。尚、シャフト118、モータ軸124が共に正方向に回転している場合は、モータ軸124の回転速度がシャフト118の回転速度よりも低いと、一方向クラッチ140は噛み合うことになる。
よって、膨張機兼圧縮機110のシャフト118が膨張モードによって駆動(正方向回転)されると、一方向クラッチ140がモータ軸124に噛み合い、ロータ123を回転させるトルクが入力されて、発電機兼電動機120は電力を発生させる発電機として作動する。そして、得られた電力は、インバータ16を介してバッテリ17に充電され、バッテリ17の電力は後述するエンジン10の始動、および車両の各種電気負荷(ヘッドライト、エンジン補機等)18の通常作動に使用されるようになっている。また、インバータ16を介してバッテリ17からステータ122に電力が供給され、ロータ123が逆方向回転されると、一方向クラッチ140がシャフト118に噛み合い、発電機兼電動機120は膨張機兼圧縮機110を圧縮モードで駆動する電動機として作動する。
電磁クラッチ130は、本発明における第2断続手段に対応するものであり、プーリ部(本発明における駆動部に対応)131、磁界を発生させる励磁コイル132、励磁コイル132により誘起された磁界の電磁力により変位してプーリ部131に吸着するフリクションプレート133、フリクションプレート133に固定されたシャフト(本発明における駆動軸に対応)134等から成る。そして、プーリ部131は、エンジン10のクランクシャフト(本発明における機関軸に対応)10aに直結されて回転駆動するクランクプーリ10bにVベルト10cを介して接続されており(図1)、シャフト134は上記したようにモータ軸124に接続されている。尚、シャフト134とモータハウジング121との間には、モータハウジング121内の冷媒が外部に漏れるのを防止するリップシール134aが設けられている。
発電機兼電動機120(モータ軸124)とプーリ部131とを接続する時は、励磁コイル132に通電し、また、発電機兼電動機120(モータ軸124)とプーリ部131とを切断する時は、励磁コイル132への通電を遮断する。この電磁クラッチ130の作動は後述する制御装置40により制御される。
制御装置40は、図1に示すように、エンジン10始動のための始動要求信号、乗員の設定する設定温度や環境条件等に基づいて決定されるA/C要求信号、水温センサ14からの信号、回転数センサ15からの信号等が入力され、これらの信号に基づいて三方弁11、液ポンプ33、開閉弁35、膨張機兼型圧縮機110の弁機構117(電磁弁117h)、発電機兼電動機120、電磁クラッチ130の作動を制御する。尚、上記始動要求信号は、例えば、ハイブリッド車両であれば走行時の必要動力に対する走行用モータの発生出力から得られる信号、あるいは、アイドルストップ車両であれば停車後のブレーキ操作(ブレーキ解除)から得られる信号等としている。
次に、上記実施形態に係る廃熱利用装置20の作動(制御装置40による制御)について図3に示す制御フローチャートを用いて説明する。尚、図3中に表記された「MG」は、発電機兼電動機120(Motor Generatorの頭文字)を意味する。
まず、ステップS110で乗員からのA/C要求があるか否かを判定する。A/C要求有りと判定すると、ステップS120で冷凍サイクル20Aを作動させる。即ち、液ポンプ33を停止させた状態で開閉弁35を開き、三方弁11の切替えによって、エンジン冷却水を加熱器34側に循環させないようにする。また、電磁クラッチ130を切断状態とすると共に、電磁弁117hを閉じて弁体117dによって流入ポート116を閉じた状態で、発電機兼電動機120を電動機として逆方向に回転作動させる。すると、一方向クラッチ140によってシャフト118はモータ軸124と噛み合い、逆方向に回転され、膨張機兼圧縮機110は圧縮機として作動されることになる。
膨張機兼圧縮機110は、周知のスクロール型圧縮機と同様に、低圧ポート121aから冷媒を吸引して作動室Vにて圧縮した後、この圧縮した冷媒を吐出ポート115、高圧室114を通して高圧ポート111cから吐出する。そして、高圧ポート111cから吐出される冷媒は、加熱器34→開閉弁35→凝縮器21→気液分離器22→減圧器23→蒸発器24→逆止弁24a→低圧ポート121aの順に循環(冷凍サイクル20Aを循環)する。空調空気は蒸発器24で蒸発する冷媒によって吸熱され、冷却されることになる。尚、この時、加熱器34にはエンジン冷却水が循環しないので、加熱器34にて冷媒は加熱されず、加熱器34は単なる冷媒通路として機能する。
そして、ステップS130でエンジン10の始動要求(エンジン始動要求信号)があるか否か(車両走行中でエンジン10が停止され、再び始動が必要か否か)を判定する。始動要求が無いと判定するとステップS110に戻り、ステップS110以降を繰返す。しかし、ステップS130でエンジン10の始動要求があると判定すると、ステップ140で発電機兼電動機120を減速、停止させた後、ステップS150で電磁クラッチ130を接続状態にする。
そして、ステップS160で発電機兼電動機120を電動機として正方向に回転作動させる。すると、一方向クラッチ140によってシャフト118とモータ軸124との噛み合いが外れ、膨張機兼圧縮機110は発電機兼電動機120から切断状態となり、発電機兼電動機120によってプーリ部131が正方向に回転駆動されることになる。プーリ部131の駆動力はVベルト10c、クランクプーリ10bからクランクシャフト10aに伝達されて、エンジン10が始動される。
上記ステップS110において、A/C要求が無いと判定すると、ステップS170でエンジン10の廃熱量が所定量以上(充分)あるか否か(水温センサ14から得られる温度が予め定めた所定冷却水温度より高いか否か)を判定する。廃熱量が所定以上無い場合は、ステップS180でエンジン10の始動要求があるか否かを判定し、始動要求が無いと判定するとステップS110に戻り、ステップS110以降を繰返す。
しかし、ステップS180でエンジン10の始動要求があると判定すると、ステップS190で電磁クラッチ140を接続状態にし、ステップS200で発電機兼電動機120を電動機として正方向に回転作動させる。ここでは、上記ステップS160の場合と同様に、電動機兼発電機120でプーリ部131が駆動され、プーリ部131によってエンジン10が始動されることになる。
上記ステップS170でエンジン10の廃熱量が所定量以上(充分)あると判定すると、ステップS210で回転数センサ15で得られる回転数からエンジン10が作動状態にあるか否かを判定する。そして、エンジン10が作動状態にあると判定すると、ステップS220でランキンサイクル30Aを作動させて、発電機兼電動機120での発電制御を実行する。
即ち、開閉弁35を閉じ、三方弁11の切替えによって、エンジン冷却水を加熱器34側に循環させるようにして、液ポンプ33を作動させる。また、電磁クラッチ130を切断状態とすると共に、電磁弁117hを開いて弁体117dによって流入ポート116を開いた状態とする。
すると、加熱器34にて加熱された高圧の過熱蒸気冷媒は高圧ポート111cから高圧室114、流入ポート116を経由して作動室Vに導入されて膨脹する。この時、旋回スクロール113は、過熱蒸気冷媒の膨脹により正方向に旋回し、シャフト118は回転(正方向)し機械的出力(駆動力)が得られる。そして、一方向クラッチ140によってモータ軸124はシャフト118に噛み合い正方向に回転され、発電機兼電動機120は発電機として作動されることになる。発電機兼電動機120によって得られた電力はインバータ16によってバッテリ17に充電される。膨脹を終えて圧力が低下した冷媒は、低圧ポート121aから流出する。
そして、低圧ポート121aから流出される冷媒は、第2バイパス流路32→逆止弁32a→凝縮器21→気液分離器22→第1バイパス流路31→逆止弁31a→液ポンプ33→加熱器34→高圧ポート111cの順に循環することになる(ランキンサイクル30Aを循環)。
尚、ランキンサイクル30Aの作動中は、発電機兼電動機120で最大の発電電力が得られるように、エンジン冷却水温度に応じて発電機兼電動機120(旋回スクロール113)の回転数を調節する。即ち、加熱器34を流通する冷媒の温度は、エンジン冷却水温度に応じて決まる。その時の冷媒の圧力は、発電機兼電動機120の回転数を上げて膨張を速めることで圧力を低下させることができ、また、逆に発電機兼電動機120の回転数を下げて膨張速度を落とすことで圧力を上昇させることができる。よって、膨張機兼圧縮機110での有効な膨張仕事を確保しつつ、膨張後の冷媒が多少の過熱度を持った状態で凝縮器21に流入するように、ランキンサイクル30Aの作動バランスを保ち、高い発電力を得ることができる。
一方、上記ステップS210でエンジン10が作動状態にない、即ち停止状態であると判定すると、ステップS230でエンジン10の始動要求があるか否かを判定する。否と判定すればステップS110に戻り、ステップS110以降を繰返す。しかし、始動要求があると判定すると、上記ステップS220と同様にステップS240でランキンサイクル30Aを作動させて、膨張機兼電動機110の膨張機作動によって発電機兼電動機120を発電機として作動させ(正方向回転)、更に、ステップS250で電磁クラッチ130を接続状態にする。
そして、ステップS260で膨張機兼圧縮機110の膨張モード時の膨張機駆動力がエンジン10の始動に必要とされる始動用駆動力Lst(本発明における必要駆動力に対応)よりも大きいか否かを判定する。膨張機駆動力が始動用駆動力Lstより大きいと判定すると、ステップS270で、膨張機駆動力によってエンジン10を始動する。つまり、膨張機駆動力は、一方向クラッチ140、モータ軸124、電磁クラッチ130、プーリ部131、Vベルト10c、クランクプーリ10bを介してクランクシャフト10aに伝達されて、エンジン10が始動されることになる。
しかし、ステップS260で否(膨張機駆動力は始動用駆動力Lsより小さい)と判定すると、ステップS280で発電機兼電動機120を電動機として正方向に回転作動させて、膨張機駆動力および電動機駆動力の両者を合わせた駆動力でエンジン10を始動する。尚、この時、発電機兼回転電機120の回転速度を膨張機兼圧縮機110の回転速度より低い値とすることで、一方向クラッチ140によるシャフト118とモータ軸124との噛み合いが成されるようにする。
以上のように、本実施形態においては、複合流体機械100として膨張機に圧縮機能を兼ね備える膨張機兼圧縮機110を形成して、膨張機兼圧縮機110と発電機兼電動機120との間に一方向クラッチ140を設けると共に、発電機兼電動機120とプーリ部131との間に電磁クラッチ130を設け、更に、プーリ部131とエンジン10側とを接続するようにしているので、上記のような冷凍サイクル20Aによる空調、ランキンサイクル30Aによる発電、およびエンジン10の始動が可能となる。
ランキンサイクル30Aの発電によって、エンジン10の廃熱エネルギーを有効な電気エネルギーとして回生できる。
また、エンジン10の始動において、発電機兼電動機120を電動機として作動させてエンジン10を始動させる場合は、上記のように予め廃熱エネルギーから蓄えた電気エネルギーを有効に活用できる。また、膨張機兼圧縮機110の膨張機駆動力でエンジン10を始動させる場合は、廃熱エネルギーを無駄なく活用することができる。また、膨張機駆動力と発電機兼電動機120の電動機駆動力との両者を使用してエンジン10を始動する場合は、廃熱エネルギーと予め廃熱エネルギーから蓄えた電気エネルギーとを有効に活用することができる。
総じて、エンジン10の廃熱エネルギーを使用して、電力として蓄え、この電力をエンジン10の始動に使用できるので、エンジン10の省エネルギー化が可能となる。
尚、膨張機兼圧縮機110と発電機兼電動機120間の断続手段として、回転方向に伴う機械的な噛み合いによって接続を可能とする一方向クラッチ140としているので、複雑な断続機構を不要とすることができ、安価な対応が可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図4、図5に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して第2断続手段の形態を変更したものである。ここでは、複合流体機械100の電磁クラッチ130を廃止し、代わりに一方向クラッチ150を用いている。
即ち、図4に示すように、発電機兼電動機120のモータ軸124とプーリ部131のシャフト134とを個々に設け、モータ軸124のシャフト134側の端部に穴部124dを形成している。また、シャフト134は、軸受け134cによって回転可能に支持され、プーリ部131と直接的に接続されるようにしている。シャフト134のモータ軸124側の端部には、小径部134bが形成されて、小径部134bは穴部134c内に挿入されている。そして、モータ軸124とシャフト134との間には一方向クラッチ150が介在されている。
この一方向クラッチ150は、本発明における第2断続手段、第2一方向クラッチに対応するものであって、モータ軸124が主体となって正方向に回転するとシャフト134に噛み合い、逆方向に回転するとシャフト134との噛み合いが外れるようにしたクラッチである。尚、モータ軸124、シャフト134が共に正方向に回転しており、シャフト134の回転速度がモータ軸124の回転速度を上回ると、一方向クラッチ150は噛み合いが外れた状態となり、シャフト134主体の駆動となって、モータ軸124からの駆動力はシャフト134には伝達されない。尚、上記一方向クラッチ150の設定により、制御装置40による電磁クラッチ130の制御機能(第1実施形態)は無くしている。
次に、上記構成に基づく制御装置40による制御について図5に示す制御フローチャートを用いて説明する。図5に示す制御フローチャートは、第1実施形態で説明した図3に対して、ステップS150をステップS151に変更し、また、ステップS190、ステップS250を廃止したものとしている。以下、変更点を中心に説明する。
ステップS110からステップS160は、冷凍サイクル20Aの作動中にエンジン10の始動制御を行うもので、エンジン10の始動要求があると(ステップS130)、発電機兼電動機120を停止した後に(ステップS140)、ステップS151で発電機兼電動機120を電動機として正方向に回転作動させる。すると、一方向クラッチ140によってシャフト118とモータ軸124との噛み合いが外れ、一方向クラッチ150によってモータ軸124とシャフト134とが噛み合い、発電機兼電動機120によってプーリ部131が正方向に回転駆動され、エンジン10が始動される。
ステップS110、S170、S180、S200は、A/C要求が無くて、エンジン10の廃熱が充分に得られない場合にエンジン10の始動制御を行うもので、エンジン10の始動要求があると(ステップS180)、ステップS200で発電機兼電動機120を電動機として正方向に回転作動させる。すると、一方向クラッチ140によってシャフト118とモータ軸124との噛み合いが外れ、一方向クラッチ150によってモータ軸124とシャフト134とが噛み合い、発電機兼電動機120によってプーリ部131が正方向に回転駆動され、エンジン10が始動される。
ステップS110、S170、S210〜S280は、A/C要求が無く、エンジン10の廃熱が充分に得られ、エンジン10が停止されている場合にランキンサイクル30Aを作動させてエンジン10の始動制御を行うものである。エンジン10の始動要求があると(ステップS230)、ステップS240でランキンサイクル30Aを作動させて、膨張機兼電動機110の膨張機駆動力によって発電機兼電動機120を発電機として作動させる(一方向クラッチ140が噛み合い正方向回転)。そして、膨張機駆動力が始動用駆動力Lstより大きい場合は、モータ軸124に伝達された膨張機駆動力が更に一方向クラッチ150を介して、シャフト134、プーリ部131に伝達されて、エンジン10が始動されることになる(ステップS270)。
また、膨張機駆動力が始動用駆動力Lstより小さい場合は、ステップS280で発電機兼電動機120を電動機として正方向に回転作動させて、膨張機駆動力および電動機駆動力の両者を合わせた駆動力でエンジン10を始動する。
尚、エンジン10が始動した後のエンジン10(プーリ部131のシャフト134)の回転速度が発電機兼電動機120(モータ軸124)の回転速度を上回ると、一方向クラッチ150は噛み合いが外れ、発電機兼電動機120は膨張機駆動力によって発電機として機能される。逆に、エンジン10(プーリ部131のシャフト134)の回転速度が発電機兼電動機120(モータ軸124)の回転速度より低い時は、一方向クラッチ150は噛み合い、膨張機駆動力によってエンジン10はアシストされることになる。
以上のように、本実施形態においては、一方向クラッチ150の設定によって電磁クラッチ130のような複雑な機構を不要として、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図6〜図8に示す。第3実施形態は上記第1実施形態に対して始動制御装置20の構成から冷凍サイクル20Aの構成を廃止し、複合流体機械100の膨張機兼圧縮機110を専用の膨張機110Aに変更したものである。
全体構成としては、図6に示すように、冷凍サイクル20Aの廃止に伴い、図1に対して減圧器23、蒸発器24、逆止弁24a、31a、32a、開閉弁35、弁機構117を廃止し、制御装置40へのA/C要求信号の入力、制御装置40から開閉弁35、弁機構117への出力を廃止している。
複合流体機械100の膨張機110Aは、図7に示すように、図1に対してハウジング111a、流入ポート116、弁機構117を廃止し、固定スクロール112の基板部112aに吐出ポート115から繋がる高圧ポート111cを設けたもので、膨張モードのみの機能を持たせたものとしている。
そして、制御装置40が行うエンジン10の始動制御は、図8に示す制御フローチャートによって実行されるようにしおり、この制御フローチャートは、図3に対して、ステップS110〜ステップS160を廃止したものとしている。
本発明においては、冷凍サイクル20Aの構成は必須ではなく、発電機兼電動機120(電動機作動)によるエンジン10の始動(ステップS200)、ランキンサイクル30A作動時の発電に加えて、膨張機駆動力を用いたエンジン10の始動(ステップS270)、膨張機駆動力と電動機駆動力とを用いたエンジン10の始動(ステップS280)が可能である。よって、上記第1実施形態と同様に、エンジン10の廃熱エネルギーを使用して、電力として蓄え、この電力をエンジン10の始動に使用できるので、エンジン10の省エネルギー化が可能となる。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では本始動制御装置20が搭載される車両としてハイブリッド車両やアイドルストップ車両を対象としたが、これに限らず、エンジン10を搭載する通常の車両を対象としても良い。
一方向クラッチ140、150としては、正回転方向に噛み合い、逆回転方向に噛み合いが外れる構造を採用することができる。一方向クラッチ140、150は、駆動部材と被駆動部材とを有し、それらの間に方向性回転伝達機構を備える構成とすることができる。方向性回転伝達機構は、正回転方向に関して駆動部材と被駆動部材との間に機械的な噛み合い状態を形成する一方で、逆回転方向に関しては駆動部材と被駆動部材との間の機械的な噛み合い状態を外すものである。ここで、方向性回転伝達機構は、逆回転時に正回転時よりも弱い機械的な噛み合い状態を提供することで、噛み合い状態が外れた状態を提供する構造を採用することができる。また、噛み合い状態は、摩擦によって提供されることができる。一方向クラッチ140、150として、内輪と外輪との間に複数のくさび状収容室を形成し、それらにローラを収容してなるローラ式のクラッチ機構を採用することができる。一方向クラッチ140、150として、いわゆるラチェット構造をもったクラッチ機構を採用することができる。
第1実施形態における内燃機関の始動制御装置の全体構成を示す模式図である。 第1実施形態における膨張発電機兼電動圧縮機を示す断面図である。 第1実施形態におけるエンジン始動制御に用いられるフローチャートである。 第2実施形態における膨張発電機兼電動圧縮機を示す断面図である。 第2実施形態におけるエンジン始動制御に用いられるフローチャートである。 第3実施形態における内燃機関の始動制御装置の全体構成を示す模式図である。 第3実施形態における膨張発電機兼電動圧縮機を示す断面図である。 第3実施形態におけるエンジン始動制御に用いられるフローチャートである。
符号の説明
10 エンジン(内燃機関)
10a クランクシャフト(機関軸)
20 内燃機関の始動制御装置
30A ランキンサイクル
40 制御装置
100 膨張発電機兼電動圧縮機(流体機械)
110 膨張機兼圧縮機(膨張機)
118 シャフト(膨張機軸)
120 発電機兼電動機(回転電機)
124 モータ軸(回転電機軸)
130 電磁クラッチ(第2断続手段)
131 プーリ部(駆動部)
134 シャフト(駆動軸)
140 一方向クラッチ(第1断続手段、第1一方向クラッチ)
150 一方向クラッチ(第2断続手段、第2一方向クラッチ)

Claims (9)

  1. 内燃機関(10)の廃熱エネルギーによって加熱される作動流体の膨張によって駆動力を発生する膨張機(110)と、
    前記膨張機(110)に接続されて、前記膨張機(110)の駆動力によって発電を行うと共に、外部電源からの電力供給により電動機としても機能する回転電機(120)と、
    前記回転電機(120)の反膨張機側に接続されて、前記回転電機(120)の駆動力によって回転駆動される駆動部(131)と、
    前記膨張機(110)、前記回転電機(120)の間に設けられ、両者(110、120)間の動力伝達を断続する第1断続手段(140)と、
    前記回転電機(120)、前記駆動部(131)の間に設けられ、両者(120、131)間の動力伝達を断続する第2断続手段(130、150)とを有することを特徴とする流体機械。
  2. 前記第1断続手段(140)は、前記膨張機(110)の膨張機軸(118)と前記回転電機(120)の回転電機軸(124)との間で、前記膨張機(110)が駆動される場合に、その正回転方向に噛み合い、逆回転方向に噛み合いが外れる一方向クラッチ(140)であり、
    前記第2断続手段(130、150)は、電磁クラッチ(130)であることを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  3. 前記第1断続手段(140)は、前記膨張機(110)の膨張機軸(118)と前記回転電機(120)の回転電機軸(124)との間で、前記膨張機(110)が駆動される場合に、その正回転方向に噛み合い、逆回転方向に噛み合いが外れる第1一方向クラッチ(140)であり、
    前記第2断続手段(130、150)は、前記回転電機軸(124)と前記駆動部(131)の駆動軸(134)との間で、前記回転電機(120)が電動機として前記膨張機(110)の駆動回転方向に作動される場合に、その正回転方向に噛み合い、逆回転方向に噛み合いが外れる第2一方向クラッチ(150)であることを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  4. 前記膨張機(110)は、本来の回転方向とは逆方向に作動されて圧縮機として機能することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の流体機械。
  5. 内燃機関(10)の廃熱エネルギーによって加熱される作動流体を、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の流体機械(100)の前記膨張機(110)で膨張させて駆動力を発生するランキンサイクル(30A)と、
    前記内燃機関(10)の始動要否を判定すると共に、前記流体機械(100)、前記ランキンサイクル(30A)の作動を制御する制御装置(40)とを有し、
    前記流体機械(100)の前記駆動部(131)が前記内燃機関(10)の機関軸(10a)に接続された内燃機関の始動制御装置であって、
    前記制御装置(40)は、前記内燃機関(10)の始動が必要な時に、前記膨張機(110)、あるいは前記流体機械(110)の前記回転電機(120)の少なくとも一方の駆動力によって、前記内燃機関(10)を始動させることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  6. 前記内燃機関(10)の廃熱エネルギーによって前記ランキンサイクル(30A)を作動状態とし、前記膨張機(110)で得られる駆動力が前記内燃機関(10)始動のための必要駆動力より大きい場合に、
    前記制御装置(40)は、前記膨張機(110)の駆動力によって、前記内燃機関(10)を始動させることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の始動制御装置。
  7. 前記内燃機関(10)の廃熱エネルギーによって前記ランキンサイクル(30A)を作動状態とし、前記膨張機(110)で得られる駆動力が前記内燃機関(10)始動のための必要駆動力より小さい場合に、
    前記制御装置(40)は、前記膨張機(110)と前記回転電機(120)との駆動力によって、前記内燃機関(10)を始動させることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の始動制御装置。
  8. 前記内燃機関(10)の廃熱エネルギーが得られず、前記ランキンサイクル(30A)を非作動状態とする場合に、
    前記制御装置(40)は、前記回転電機(120)の駆動力によって、前記内燃機関(10)を始動させることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の始動制御装置。
  9. 前記内燃機関(10)は、走行条件に応じて作動、停止されるハイブリッド車両用、あるいはアイドルストップ車両用であることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれかに記載の内燃機関の始動制御装置。
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