JP2006300004A - 膨張機 - Google Patents

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慶一 宇野
Hirotomo Asa
弘知 麻
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康浩 武内
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和秀 内田
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Abstract

【課題】 作動流体中に含まれる潤滑油の分離効果に優れる潤滑油分離手段を有する膨張機を提供する。
【解決手段】 高圧室114から連通路116を経て、体積変化される作動室Vに流入される高圧の流体を膨張させて機械的エネルギーを出力する膨張機において、高圧の流体を高圧室114に導入する導入口119aと、導入口119aからの高圧の流体を流通させる導入通路131と、導入通路131と連通路116との間に接続されて、高圧の流体中に含まれる潤滑油を分離すると共に、高圧の流体を連通路116に流出する潤滑油分離部132とを備えるようにする。また、潤滑油分離部132には、分離された潤滑油を高圧室114に排出する排出部132cを備えるようにする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、熱エネルギーを回収するランキンサイクルに用いて好適な膨張機に関するものである。
従来、ランキンサイクル用の膨張機として、例えば特許文献1に示されるように、後部ケースによって形成される高圧室の下部を油溜めとし、高圧室における作動流体ガスの流入部に平板の組合せによりスリット状通路を形成する偏向油分離部を設け、この偏向油分離部を後部ケースの後部壁方向に開口したものが知られている。
この膨張機においては、潤滑油を含む作動流体ガスの流れを偏向油分離部によって偏向させることで良好に潤滑油を分離して、分離した潤滑油を油溜めに溜めるようにしている。そして、油溜めの潤滑油を高圧室の圧力によって、膨張機部の機械摩擦部(シリンダ、ロータ、軸受け等)に供給するようにしている。
実公昭61−20682号公報
しかしながら、上記膨張機では、作動流体ガスは偏向油分離部で偏向された後に高圧室内で拡大して膨張機部の作動室に流れ得るので、一旦分離された潤滑油は、その流れによって巻き上げられて、作動室へ流入してしまい、充分な潤滑油の分離効果が得られないおそれがある。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、作動流体中に含まれる潤滑油の分離効果に優れる潤滑油分離手段を有する膨張機を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、高圧室(114)から連通路(116)を経て、体積変化される作動室(V)に流入される高圧の流体を膨張させて機械的エネルギーを出力する膨張機において、高圧の流体を高圧室(114)に導入する導入口(119a)と、導入口(119a)からの高圧の流体を流通させる導入通路(131)と、導入通路(131)と連通路(116)との間に接続されて、高圧の流体中に含まれる潤滑油を分離すると共に、高圧の流体を連通路(116)に流出する潤滑油分離部(132)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、潤滑油分離部(132)によって、高圧の流体から潤滑油成分を確実に分離することができる。
請求項2に記載の発明では、潤滑油分離部(132)は、分離された潤滑油を高圧室(114)に排出する排出部(132c)を備えることを特徴とする請求項1に記載の膨張機という技術的手段が採用される。
この発明によると、潤滑油溜め部としての高圧室(114)への潤滑油の排出部(132c)が潤滑油分離部(132)に設けられるため、潤滑油分離部(132)を通る流れに潤滑油が巻き込まれることを抑えることが可能となる。
請求項3に記載の発明では、高圧室(114)の下部に設けられて、排出された潤滑油を吸入する吸入口(141)と、吸入口(141)と低圧室(114a)の所定上部とを繋ぐ潤滑油通路(142)と、潤滑油通路(142)に設けられて、高圧室(114)からかかる圧力を減圧する減圧部(143)とを有することを特徴としている。
これにより、潤滑油分離部(132)で分離された潤滑油を高圧室(114)内の圧力を用いて、潤滑油通路(142)を通して低圧室(114a)の所定上部に供給できる。そして、低圧室(114a)所定上部に供給された潤滑油は、重力によって、低圧室(114a)内部に至り、所定部位の潤滑が成される。
請求項4に記載の発明では、排出部(132c)における高圧室(114)への潤滑油排出量は、潤滑油分離部(132)における潤滑油分離量よりも小さくなるように設定されたことを特徴としている。
これにより、潤滑油分離部(132)で分離された潤滑油をすべて高圧室(114)側に排出させるのではなくて、潤滑油の一部を高圧の流体と共に連通路(116)から作動室(V)側に送ることができる。
請求項5に記載の発明では、作動室(V)で低圧の流体を圧縮して、圧縮された流体を吐出可能とする吐出通路(115)を有し、圧縮機としての機能を併せ持つことを特徴としている。
これにより、膨張作動の停止時に、圧縮機として内部作動流体の圧縮を必要とするサイクルへの適用が可能となる。
請求項6に記載の発明では、高圧室(114)を吐出室(114)として、吐出通路(115)は、高圧室(114)内に連通されたことを特徴としている。
これにより、吐出された流体の脈動を高圧室(114)で平滑化(低減)することができる。
請求項7に記載の発明では、圧縮された流体が、高圧室(114)から導入口(119a)内へ流入可能とする流入部(131a)が設けられたことを特徴としている。
これにより、圧縮された流体を導入口(119a)から外部へ流出させることができるので、専用の流出口を設ける必要が無い。
流入部(131a)は、請求項8に記載の発明のように、導入口(119a)と導入通路(131)とが離されて、両者(119a、131)間に形成される隙間部(131a)とすることができる。
そして、請求項9に記載の発明のように、導入通路(131)の内径寸法は、導入口(119a)の内径寸法に対して同等以上となるようにするのが良く、これにより、高圧の流体が導入口(119a)から導入通路(131)へスムーズに流入可能となので、導入口(119a)から高圧室(114)へ流れが拡大してしまうロス(拡大ロス)を低減できる。
また、請求項10に記載の発明のように、導入口(119a)と導入通路(131)は、隙間部(131a)で同軸上に配置すると良く、高圧の流体の導入口(119a)から導入通路(131)への流れを更にスムーズにして、拡大ロスを低減できる。
請求項11に記載の発明では、潤滑油分離部(132)は、高圧の流体を内部に設けられた旋回部(132a)で旋回させて遠心力により潤滑油を分離する遠心分離器(132)であることを特徴としている。
これにより、潤滑油の分離効果に優れる潤滑油分離部(132)とすることができる。
請求項12に記載の発明では、旋回部(132a)は、一端側で旋回半径の小さく設定された小半径部(132a1)と、他端側で旋回半径の大きく設定された大半径部(132a2)とを有し、排出部(132c)は、大半径部(132a2)側に設けられたことを特徴としている。
これにより、分離される潤滑油は遠心力によって大半径部(132a2)側に集めることができるため、潤滑油の分離効果を高めることができると共に、大半径部(132a2)に集められた潤滑油を効果的に排出部(132c)から排出できる。
請求項13に記載の発明では、旋回部(132a)は、小半径部(132a1)から大半径部(132a2)に向けて段階的に旋回半径が変化するように設定されたことを特徴としている。
これにより、各段が連通部(116)に対する堰となるので、分離した潤滑油を確実に旋回部(132a)にとどめることができる。
請求項14に記載の発明では、潤滑油分離部(132A)は、高圧の流体を内部に設けられた衝突板(132e)に衝突させて潤滑油を分離すると共に、衝突板(132e)は、連通路(116)の反対側が下向きとなるように傾斜していることを特徴としている。
これにより、分離した潤滑油を連通路(116)側に流出させにくい潤滑油分離部(132)とすることができる。
請求項15に記載の発明では、潤滑油分離部(132A)は、衝突板(132e)の連通路(116)の反対側に分離された潤滑油を溜める潤滑油溜め部(132b)を有し、排出部(132c)は、潤滑油溜め部(132b)に設けられたことを特徴としている。
これにより、分離した潤滑油を連通路(116)側に流出させずに潤滑油溜め部(132b)に溜めることができ、更に、潤滑油溜め部(132b)に溜められた潤滑油を効果的に排出部(132c)から排出できる。
本発明では、さらに追加的な構成を採用することができる。ひとつの態様では、潤滑油分離部(132)は、高圧室(114)の中に位置して、高圧室(114)よりも十分に小さい通路を区画する構成とすることができる。この構成は、高圧流体が高圧室(114)で急激に拡大することを抑制することを可能とする。この通路は、潤滑油を分離するべく高圧流体の流れに曲がり成分、例えば、旋回成分を与えるように構成されることができる。
高圧室(114)は、冷媒圧縮機の吐出室として設けられることができる。この構成では、冷媒圧縮機の吐出ポート(119a)は、潤滑油分離部(132)をほとんど経由することなく高圧室(114)に直接に開口する構成をとることができる。このような構成は、冷媒圧縮機としての高圧圧力の脈動低減効果を高圧室(114)で与えることができ、しかも高圧流体が膨張機に供給される際には、高圧室(114)による高圧流体の過剰な拡大を抑制する。よって、冷媒圧縮機の吐出通路と、膨張機の高圧流体供給通路との両方に兼用できる通路を構成することができる。
冷媒圧縮機と膨張機とは、例えば可逆的に運転することができる容積型回転機械によって提供されることができる。潤滑油分離部(132)の導入通路(131)と、高圧室(114)への導入口(119a)との間には、導入口(119a)から導入通路(131)への流体の流れを、導入口(119a)から高圧室(114)への流体の流れより容易にする構造を配置することができる。この構造は、例えば、導入口(119a)の管路としての軸方向と導入通路(131)の管路としての軸方向とをほぼ一致させる一方で、導入口(119a)から高圧室(114)への流路を曲がった構成とすることで提供されることができる。例えば、管状の導入口(119a)と導入通路(131)とをほぼ同軸上に対向させて、それらの間に隙間を設ける構成とすることができる。この構成では、管状の導入口(119a)と導入通路(131)との間の隙間によって、導入口(119a)の軸方向とほぼ直交する開口が提供され、この開口が高圧室(114)との連通を提供する。このような構成は、高圧室(114)から導入口(119a)へ向かう流体流れを許容しつつ、導入口(119a)から導入通路(131)へ向かう流体の流れを、高圧室(114)によって過剰に拡大することなく導入通路(131)へ案内することを可能とする。
上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
第1実施形態を図1〜図6に示す。第1実施形態は、本発明に係る膨張機(膨張機兼圧縮機110)を、走行条件に応じてエンジン10が停止されるアイドルストップ車両やハイブリッド車両等に搭載される内燃機関の廃熱利用装置(以下、廃熱利用装置)20に用いられる膨張発電機兼電動圧縮機100に適用したものである。廃熱利用装置20は、冷凍サイクル20Aをベースとして、ランキンサイクル30Aが形成されたものであり、制御装置40によって各サイクル20A、30Aの作動が制御されるようになっている。まず、廃熱利用装置20の全体構成について図1を用いて簡単に説明する。
冷凍サイクル20Aは、低温側の熱を高温側に移動させて冷熱および温熱を空調に利用するもので、膨張機兼圧縮機110、凝縮器21、気液分離器22、減圧器23、蒸発器24等が環状に接続されて形成されている。
膨張機兼圧縮機110は、気相冷媒(本発明における低圧の流体に対応)を加圧して吐出する圧縮モード(圧縮機として作動)と、過熱蒸気冷媒(本発明における高圧の流体に対応)の膨張時の流体圧を運動エネルギーに変換して機械的エネルギーを出力する膨張モード(膨張機として作動)とを兼ね備えるものである。尚、膨張機兼圧縮機110の詳細については後述する。また、ここで用いる冷媒中には、膨張機兼圧縮機110および後述する発電機兼電動機150の所定部位を潤滑するための潤滑油が所定量含まれている。
凝縮器21は、膨張機兼圧縮機110(圧縮モード時)の冷媒吐出側に設けられ、高温高圧に圧縮された冷媒を冷却して、凝縮液化する熱交換器である。気液分離器22は、凝縮器21で凝縮された冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を流出させるレシーバである。減圧器23は、気液分離器22で分離された液相冷媒を減圧膨脹させるものである。
蒸発器24は、減圧器23にて減圧された冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮する熱交換器であり、この吸熱作用によって空調空気を冷却する。そして、蒸発器24の冷媒流出側には、蒸発器24側から膨張機兼圧縮機110側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁24aが設けられている。
ランキンサイクル30Aは、車両の走行用動力を発生させるエンジン10で発生した廃熱からエネルギー(膨張機兼圧縮機110の膨張モード時における駆動力)を回収するものである。ランキンサイクル30Aは、上記冷凍サイクル20Aに対して、凝縮器21が共用されると共に、この凝縮器21をバイパスするように気液分離器22から膨張機兼圧縮機110および凝縮器21の間(A点)に接続される第1バイパス流路31と、膨張機兼圧縮機110および逆止弁24aの間(B点)から凝縮器21およびA点の間(C点)に接続される第2バイパス流路32とが設けられて、以下のように形成されている。
即ち、第1バイパス流路31には、液ポンプ33が配設されると共に、気液分離器22側から液ポンプ33側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁31aが設けられている。また、A点と膨張機兼圧縮機110との間に加熱器34が設けられている。
加熱器34は、液ポンプ33から送られる冷媒とエンジン10における温水回路10Aのエンジン冷却水(温水)との間で熱交換することにより冷媒を加熱する熱交換器であり、三方弁11によりエンジン10から流出したエンジン冷却水を加熱器34に循環させる場合と循環させない場合とが切替えられる。尚、三方弁11の流路切替えは、後述する制御装置40によって行われるようになっている。
尚、水ポンプ12は温水回路10A内でエンジン冷却水を循環させるポンプであり、ラジエータ13はエンジン冷却水と外気との間で熱交換してエンジン冷却水を冷却する熱交換器である。また、エンジン10の出口側にはエンジン冷却水の温度を検出する水温センサ14が設けられており、この水温センサ14で検出(出力)された温度信号は、後述する制御装置40に入力される。
そして、第2バイパス流路32には、膨張機兼圧縮機110側から凝縮器21の冷媒入口側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁32aが設けられている。また、A点とC点との間には開閉弁35が設けられている。開閉弁35は、冷媒流路を開閉する電磁式のバルブであり、後述する制御装置40により制御されるようになっている。また、膨張機兼圧縮機110が圧縮モードで作動する時の冷媒吐出側(後述する高圧室114側)には、膨張機兼圧縮機110の作動を圧縮モードあるいは膨張モードのいずれかに切替える弁機構120が設けられている。弁機構120は、後述する制御装置40により制御されるようになっている。弁機構120の詳細については膨張機兼圧縮機110と共に後述する。
上記気液分離器22、第1バイパス流路31、液ポンプ33、加熱器34、膨張機兼圧縮機110、第2バイパス流路32、凝縮器21等にてランキンサイクル30Aが形成される。
膨張機兼圧縮機110には、発電機および電動機としての両機能を有する発電機兼電動機150が接続されて、膨張発電機兼電動圧縮機(以下、複合流体機械)100を形成している。以下、複合流体機械100の構成について、図2〜図4を加えて説明する。
複合流体機械100の膨張機兼圧縮機110は、図2に示すように、周知のスクロール型圧縮機構と同一構造を有するもので、具体的には、ミドルハウジング111aとエンドハウジング111bとの間に固定される固定スクロール112、この固定スクロール112に対向して旋回変位する旋回スクロール113、作動室Vと高圧室114とを連通させる吐出通路115、および連通路116を開閉する弁機構120等から成るものである。
固定スクロール112は、板状の基板部112aおよび基板部112aから旋回スクロール113側に突出した渦巻状の歯部112bを有して構成され、一方、旋回スクロール113は、上記歯部112bに接触して噛み合う渦巻状の歯部113b、およびこの歯部113bが形成された基板部113aを有して構成されており、両歯部112b、113bが接触した状態で旋回スクロール113が旋回することにより、両スクロール112、113により形成される作動室Vの体積が拡大縮小するようになっている。
シャフト117は、ミドルハウジング111aに固定された軸受け117bによって回転可能に支持されて、一方の長手方向端部に回転中心軸に対して偏心して設けられた偏心部117aを有するクランクシャフトである。この偏心部117aには、偏心部117aに対して揺動可能に装着されたブッシング117cが設けられており(従動クランク機構)、このブッシング117cがベアリング117dを介して旋回スクロール113に連結されている。
また、自転防止機構118は、シャフト117が1回転する間に旋回スクロール113がブッシング117c周りに1回転するようにするものである。このためシャフト117が回転すると、旋回スクロール113は、自転せずにシャフト117の回転中心軸周りを公転旋回する。そして、作動室Vは、例えばシャフト117が正方向に回転する時に、旋回スクロール113の外径側から中心側に変位するほど、その容積が縮小するように変化し、逆に、シャフト117が逆方向に回転する時に、旋回スクロール113の中心側から外径側に変位するほど、その容積が拡大するように変化する。尚、基板部113aにおける図2中の左側は、旋回スクロール113の公転旋回に伴ってミドルハウジング111aに対して摺動する摺動部113cとなる。
吐出通路115は、基板部112aの中心部に設けられて、膨張機兼圧縮機110の圧縮モード時に最小容積となる作動室Vと、エンドハウジング111bおよび固定スクロール112の間に形成された高圧室114とを連通させて圧縮された冷媒を吐出する断面円形状のポートである。吐出通路115は、基板部112aの面の拡がる方向に対して直交するように穿設されている。尚、高圧室114は、吐出通路115から吐出された冷媒の脈動を平滑化(低減)する吐出室の機能を有するものである。
また、連通路116は、吐出通路115と同様に基板部112aに設けられて、膨張機兼圧縮機110の膨張モード時に、高圧室114と、最小容積となる作動室Vとを連通させて高圧室114に導入された高温高圧の冷媒、つまり過熱蒸気冷媒を作動室Vに導く断面円形状のポートである。
この連通路116は、高圧室114側において上記吐出通路115と隣接して開口されて、過熱蒸気冷媒流通時に圧損とならない通路面積が確保されている。連通路116は、基板部112a内でくの字状に曲がり、曲がり部分で後述するスプール122の先端側(バルブ部)が当接するシール部116aを形成して、吐出通路115(作動室V側)に通じるように穿設されている。
尚、高圧室114を形成するエンドハウジング111bには、外部に向けて突出して加熱器34および凝縮器21側に接続されると共に、高圧室114内にも突出する高圧ポート(本発明における導入口に対応)119aが設けられている。また、蒸発器24および第2バイパス流路32側に接続される低圧ポート119bは、後述するモータハウジング151に設けられて、モータハウジング151と、ミドルハウジング111aと、旋回スクロール113の基板部113aとによって形成される空間、即ち低圧室114a内に連通している。
弁機構120は、吐出弁121、スプール122、電磁弁128等から成る。吐出弁121は、吐出通路115の高圧室114側に配置されて吐出通路115から吐出された冷媒が高圧室114から作動室Vに逆流することを防止するリード弁状の逆止弁であり、ストッパー121aは吐出弁121の最大開度を規制する弁止板であり、吐出弁121およびストッパー121aはボルト121bによって基板部112aに固定されている。
スプール122は、連通路116を開閉して膨張機兼圧縮機110の圧縮モードと膨張モードとを切替える切替え弁である。固定スクロール112の基板部112aには、シール部116aを形成して吐出通路115側を向く連通路116の部分と同軸で(吐出通路115に対して傾いて)外部に連通する空間が穿設されている。スプール122は、小径となる先端側がシール部116aを向くようにして空間内に配設され、軸方向に摺動可能となっている。空間の外部開口側はストッパー123(固定)により閉塞されて、スプール122とストッパー123との間の空間は背圧室124として形成されている。背圧室124内にはバネ(弾性手段)125が挿入されており、バネ125はスプール122の先端側が連通路116のシール部116aを閉じる方向に弾性力を作用させるようになっている。尚、スプール122が背圧室124に配設された状態で、スプール122の先端側には、常に高圧室114における冷媒の圧力(高圧)が連通路116から作用するようになっている。
固定スクロール112の図2中の下側には、背圧室124からエンドハウジング111b側に延びる出入口通路126と、所定の通路抵抗を有して高圧室114から出入口通路126に連通する抵抗手段としての絞り127とが設けられている。
また、固定スクロール112の図2中の上側には電磁弁128が設けられている。電磁弁128の一方側は、低圧側通路128aによって低圧室114aと連通され、また、電磁弁128の他方側は、接続通路128bによって出入口通路126と連通されている。そして、電磁弁128は、低圧側通路128aと接続通路128bとの連通状態、即ち、低圧室114aと背圧室124との連通状態を制御することにより背圧室124内の圧力を制御する制御弁として作動し、後述する制御装置40によって制御される。
具体的には、電磁弁128が開かれると、背圧室124の圧力が低圧室114aに抜けて、背圧室124における圧力が低下する。よって、スプール122の先端側と後端側には圧力差が生じ、この圧力差によって得られる作用力はバネ124の弾性力に打ち勝って、スプール122はバネ124を押し縮めながら図2中の右下側に変位され(後退し)、スプール122の先端側がシール部116aから離れて、連通路116が開かれることになる。
逆に、電磁弁128が閉じられた状態では、高圧室114の圧力が絞り127および出入口通路126を通って背圧室124に作用する。すると、スプール122の先端側および後端側には共に高圧が作用することになるので、スプール122はバネ124の弾性力により図5中の左上側に変位され(前進し)、先端側がシール部116aに当接して連通路116が閉じられることになる。
つまり、スプール122、バネ124、背圧室125、出入口通路126、絞り127および電磁弁128等により連通路116を開閉するパイロット式の電気開閉弁が構成される。
高圧室114内には、本実施形態における第1の特徴部としての潤滑油分離器130を設けるようにしている。潤滑油分離器130は、図3、図4に示すように、遠心分離器(本発明における潤滑油分離部に対応)132に冷媒が導入される導入通路131を有し、遠心分離器132の流出側に設けられた流出部132dが連通路116に接続されて形成されている。
導入通路131は、高圧ポート119aからの過熱蒸気冷媒を遠心分離器132に導く通路であり、その開口端部が高圧ポート119aと対向するように離れて配置されている。即ち、高圧ポート119aと導入通路131との間で所定の隙間部131aが形成されるように配置されている。また、隙間部131aにおける導入通路131の内径寸法は、高圧室114内に突出する部位の高圧ポート119aの内径寸法と同等となるように設定され、また、高圧ポート119aと導入通路131とは同軸上に配置されている。そして、導入通路131は途中部分で曲げられて、後述する遠心分離器132の旋回部132aの円形流路(図4)に接するように接続されている。
尚、隙間部131aは、後述する膨張機兼圧縮機110での圧縮モード時に作動室Vで圧縮された冷媒が高圧室(吐出室)114を経て、高圧ポート119a内に流入するための流入部になるものであり、隙間部131aの大きさは、圧縮モード時における冷媒流入の圧損とならない範囲で、小さくなるように設定するのが良い。あるいは、あえて所定の圧損を伴う大きさとして、圧縮モード時の吐出脈動の低減に活用しても良い。
遠心分離器132は、旋回部132a、潤滑油溜め部132b、潤滑油抜き穴132c、流出部132dを有している。
旋回部132aは、遠心分離器132の外側の円筒状部材と内側の円柱状部材との間に形成された流路であり、円形流路の半径が軸方向の一端側から他端側に向けて連続的に大きくなるように円錐状に設定されている。半径の小さい一端側が小半径部132a1、半径の大きい他端側が大半径部132a2となっている。そして、旋回部132aの大半径部132a2側の端部には、更に円形流路の半径が段状に大きく設定された空間部が形成されており、この空間部が潤滑油溜め部132bとなっている。
遠心分離器132の潤滑油溜め部132b側で上側となる位置には、潤滑油溜め部132bから高圧室114に連通する潤滑油抜き穴(本発明における排出部)132cが穿設されている。尚、潤滑油抜き穴132cの内径は、後述するように潤滑油抜き穴132cによって潤滑油溜め部132bから高圧室114に排出される潤滑油の量が、旋回部132aの潤滑油分離能力に応じて冷媒から分離される潤滑油の量よりも小さくなるように絞られて設定されている。
そして、遠心分離器132の小半径部132a1側には、旋回部132a(小半径部132a1)と連通する流出部132dが接続されており、更に、この流出部132dは、連通路116に接続されている。
再び、図2に戻って、膨張機兼圧縮機110には、本実施形態における第2の特徴部として高圧室114から低圧室114aに潤滑油を供給する潤滑油供給手段を設けるようにしている。即ち、エンドハウジング111bの高圧室114下側に対応する位置には、吸入口141が開口され、この吸入口141から低圧室114aの上側(旋回スクロール113の摺動部113cやシャフト117用のベアリング117d等の位置に対応する上側)に接続される潤滑油通路142が設けられている。そして、吸入口141には高圧室114からかかる圧力を減圧して潤滑油通路142に伝える絞り(本発明における減圧部に対応)143が設けられている。尚、潤滑油通路142は、通常エンドハウジング111bと固定スクロール112間に介在される冷媒漏れ防止用のガスケットを活用したシール部間隙間、および固定スクロール112、ミドルハウジング111a内を貫通する貫通孔等によって設定することができる。
発電機兼電動機150は、直流3相ブラシレスのセンサレス方式の回転電機であり、ミドルハウジング111aに固定されるモータハウジング151内に収容されており、ステータ152およびこのステータ152内で回転するロータ153等から成る。ステータ152は、巻き線が巻かれたステータコイルであり、モータハウジング151の内周面に固定されている。ロータ153は、永久磁石が埋設されたマグネットロータであり、モータ軸154に固定されている。モータ軸154の一端側は、上記膨張機兼圧縮機110のシャフト117に接続されており、また、他端側は、モータハウジング151に固定される軸受け155によって回転可能となるように支持されている。
そして、発電機兼電動機150は、インバータ16を介して、バッテリ15からステータ152に電力が供給された場合には、ロータ153を回転(正方向回転)させて、膨張機兼圧縮機110を(圧縮機として)駆動する電動機として作動する。また、膨張機兼圧縮機110の膨張モード時に発生した駆動力によってロータ153を回転させるトルクが入力された場合(逆方向回転時)には、電力を発生させる発電機として作動する。そして、得られた電力は、インバータ16を介してバッテリ15に充電され、バッテリ15の電力は、車両の各種電気負荷(ヘッドライト、エンジン補機等)17に供給されるようになっている。
制御装置40は、図1に示すように、乗員の設定する設定温度や環境条件等に基づいて決定されるA/C要求信号、水温センサ14等からの信号が入力され、これらの信号に基づいて三方弁11、液ポンプ33、開閉弁35、膨張機兼型圧縮機110の弁機構120(電磁弁128)、発電機兼電動機150の作動を制御する。
次に、本実施形態に係る複合流体機械100の作動およびその作用効果について説明する。
1.膨張モード
このモードは、加熱器34にて加熱された高圧の過熱蒸気冷媒を膨張機兼圧縮機110の高圧室114に導入して膨脹させることにより、旋回スクロール113を旋回させてシャフト117を回転させ、機械的出力を得るものである。尚、本実施形態では、得られた機械的出力によりロータ153を回転させて発電機兼電動機150(発電機として作動)により発電し、その発電された電力をバッテリ15に蓄えるようにしている。
具体的には、乗員からのA/C要求が無い場合、あるいは空調空気が充分冷却され設定温度より低い場合で、エンジン10の廃熱量が所定量以上ある時(水温センサ14の検出信号から得られる温度が予め定めた所定冷却水温度より高い時)に、制御装置40は、開閉弁35を閉じた状態で液ポンプ33を稼動させ、三方弁11の切替えによって、エンジン冷却水を加熱器34側に循環させるようにする。また、膨張機兼圧縮機110の電磁弁128を開いてスプール122によって連通路116を開き(図2)、加熱器34にて加熱された高圧の過熱蒸気冷媒を高圧ポート119aから導入通路131、遠心分離器132、連通路116を経由させて作動室Vに導入して膨張させる。
作動室Vに導入された過熱蒸気冷媒の膨脹により、旋回スクロール113が後述する圧縮モード実行時の逆向きに回転し、旋回スクロール113に与えられた回転エネルギーは、ロータ153に伝達される。そして、発電機兼電動機150は発電機として作動され、発電された電力はインバータ16を介してバッテリ15に蓄えられる。
そして、低圧ポート119bから流出される冷媒は、第2バイパス流路32→逆止弁32a→凝縮器21→気液分離器22→第1バイパス流路31→逆止弁31a→液ポンプ33→加熱器34→膨脹機兼圧縮機110(高圧ポート119a)の順に循環することになる(ランキンサイクル30Aを循環)。尚、液ポンプ33は、加熱器34にて加熱されて生成された過熱蒸気冷媒の温度に応じた圧力に加圧して液相冷媒を加熱器34に送り込む。
ここで、潤滑油分離器130の作動について説明すると、図3、図4に示すように、高圧ポート119aからの過熱蒸気冷媒(潤滑油を含む)は、開口端部が対向配置される導入通路131にスムーズに(流速低下を伴わずに)流入して、遠心分離器132の旋回部132aに至る。旋回部132aにおいて、過熱蒸気冷媒は旋回して流れ、この旋回によって密度の大きい潤滑油(図3、図4中の破線矢印)は外周壁面へ、密度の小さい過熱蒸気冷媒(図3、図4中の実線矢印)は内周壁面に集まり、冷媒と潤滑油が分離される。
更に、分離後の冷媒は、円錐の先端方向に移動し、流出部132dから連通路116を通り作動室Vへ流入する。一方、分離後の潤滑油は、遠心力にて円錐の底面方向へ移動し、潤滑油溜め部132bで旋回を続けながら潤滑油抜き穴132cから遠心分離器132の外部へ排出され、高圧室114の底部に落下する。
高圧室114の底部(実質的な潤滑油室となる)へ落下して溜まった潤滑油は、図2に示すように、絞り143で減圧される高圧室114の圧力によって、吸入口141から潤滑油通路142を通り低圧室114aの上部に送られて、そこから重力によって低圧室114a内の潤滑が必要な部位、例えば旋回スクロール113の摺動部113cやシャフト117のベアリング117d等に供給される。
尚、潤滑油抜き穴132cから排出される潤滑油排出量は、予め定めた潤滑油抜き穴132cの穴径によって決定(調整)され、潤滑油抜き穴132cから排出される潤滑油排出量よりも、旋回部132aで分離される潤滑油分離量が多くなると(潤滑油分離量>潤滑油排出量)、潤滑油は旋回部132a、潤滑油溜め部132bから流出部132d側にあふれ出し、過熱蒸気冷媒と一緒に作動室Vへ流入する。そして、潤滑油は、両スクロール112、113の歯部112b、113bや、更に低圧室114a内の発電機兼電動機150の軸受け117b、155等を潤滑した後に、低圧ポート119bから凝縮器21側へ流出する。また、遠心分離器132で分離し切れなかった潤滑油も過熱蒸気冷媒に溶解した状態で作動室Vへ流入する。
2.圧縮モード
このモードは、シャフト117に発電機兼電動機150によって回転力を与えることにより膨張機兼圧縮機110の旋回スクロール113を旋回させて冷媒を吸入圧縮する運転モードである。
具体的には、乗員からのA/C要求が有ると、制御装置40は、液ポンプ33を停止させた状態で開閉弁35を開き、三方弁11の切替えによって、エンジン冷却水を加熱器34側に循環させないようにする。また、電磁弁128を閉じてスプール122によって連通路116を閉じた状態で(図5)、発電機兼電動機150を電動機として作動させ(正方向回転)、シャフト117を回転させるようにする。
すると、発電機兼電動機150の作動により、膨脹機兼圧縮機110は、周知のスクロール型圧縮機と同様に、低圧ポート119bから冷媒を吸引して作動室Vにて圧縮した後、吐出通路115から高圧室114に圧縮した冷媒を吐出し、この圧縮された冷媒を流入部としての隙間部131aから高圧ポート119aに流入させて(図6)凝縮器21側に吐出する。
そして、高圧ポート119aから吐出される冷媒は、加熱器34→開閉弁35→凝縮器21→気液分離器22→減圧器23→蒸発器24→逆止弁24a→膨脹機兼圧縮機110の低圧ポート119bの順に循環(冷凍サイクル20Aを循環)し、蒸発器24の吸熱による冷房(あるいは凝縮器21の放熱による暖房)が行われる。尚、加熱器34にエンジン冷却水が循環しないので、加熱器34にて冷媒は加熱されず、加熱器34は単なる冷媒通路として機能する。
ここで、作動室Vから吐出された冷媒が高圧室114の内壁に衝突すると、冷媒中の潤滑油は分離され、高圧室114の下部(潤滑油室)に溜められることになる。そして、上記膨張モード時と同様に、高圧室114の下部に溜められた潤滑油は、潤滑油通路142を通り、低圧室114aに供給される。
尚、スプール122の背圧室124には高圧室114下部から絞り127、出入口通路126を介して分離された潤滑油が入り込む形となり、スプール122には潤滑油を介して高圧室114の圧力が作用することになるので、ガス冷媒を使うより高粘度で流量が少なく経済的である。
以上のように本実施形態においては、潤滑油分離器130として、高圧ポート119aからの過熱蒸気冷媒を流通させる導入通路131を設けて、この導入通路131を遠心分離器132に接続するようにしていおり、また、遠心分離器132で分離した潤滑油を潤滑油溜め部132bに溜めて、潤滑油抜き穴132cから高圧室114に排出するようにしている。よって、過熱蒸気冷媒は、高圧ポート119aから導入通路131、遠心分離器132、連通路116を順に通って作動室Vに至り、高圧室114でその流れが拡大することがないので、遠心分離器132で分離されて潤滑油抜き穴132cから高圧室114に排出される潤滑油を作動室V側に巻き込むことがなく、潤滑油の分離効果に優れる膨張機兼圧縮機110とすることができる。
また、潤滑油抜き穴132cの穴径の設定により遠心分離器132による潤滑油分離量が高圧室114への潤滑油排出量よりも多くなるようにしているので、遠心分離器132で分離された潤滑油をすべて高圧室114側に排出させるのではなくて、潤滑油の一部を過熱蒸気冷媒と共に連通路116から作動室V側に送ることができる。即ち、低圧室114aに配設される発電機兼電動機150の潤滑もまかなうことができる。
また、遠心分離器132の旋回部132aを小半径部132a1から連続的に半径が拡大される大半径部132a2となるように円錐状に設定し、大半径部132a2側に潤滑油溜め部132bを設けると共に、潤滑油溜め部132bに潤滑油抜き穴132cを設けているので、分離される潤滑油は遠心力によって大半径部132a2を経て潤滑油溜め部132bに集めることができ、潤滑油の分離効果を高めることができる。そして、潤滑油溜め部132bに集められた潤滑油を効果的に潤滑油抜き穴132cから排出して、高圧室114に溜めることができる。
また、高圧室114の下部から絞り143を有する潤滑油通路142を低圧室114aの所定上部(摺動部113c、軸受け117d等に対応する位置の上部)に接続するようにしているので、遠心分離器132で分離された潤滑油を高圧室114内の圧力を用いて、潤滑油通路142を通して低圧室114aの所定上部に供給できる。そして、低圧室114a所定上部に供給された潤滑油は、重力によって、低圧室114a内部に至り、摺動部113c、軸受け117d等の潤滑が成される。
また、高圧室114を吐出室として、作動室Vから高圧室114に連通する吐出通路115を設け、更に高圧室114から高圧ポート119aに冷媒が流入可能となるように高圧ポート119aと導入通路131との間に流入部としての隙間部131aを設けるようにしているので、圧縮機としての機能(圧縮モード)を有する膨張機とすることができ、ランキンサイクル30Aに加えて、冷凍サイクル20Aの作動も可能となる。また、作動室Vから吐出された冷媒の脈動を高圧室(吐出室)114で平滑化(低減)することができる。また、隙間部131aから高圧ポート119aへの流入が可能となることから、高圧ポート119aとは別の専用の流出口を設ける必要が無い。
また、上記隙間部131aにおいて、高圧ポート119aと導入通路131とを同軸上に配設しているので、膨張モード時の過熱蒸気冷媒の高圧ポート119aから導入通路131への流れをスムーズにして、拡大ロスを低減できる。
尚、高圧室114内には、圧縮モード時の吐出冷媒によって下部に溜められた潤滑油が巻き上げられるのを防止するための隔壁を設けるようにしても良い。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図7に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、導入通路131の内径寸法が高圧ポート119aの内径寸法よりも大きくなるようにしたものである。
これにより、過熱蒸気冷媒が高圧ポート119aから導入通路131に、よりスムーズに流入可能となので、高圧ポート119aから高圧室114へ流れが拡大してしまうロス(拡大ロス)を更に低減できる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図8に示す。第3実施形態は、上記第1実施形態に対して、高圧ポート119aと導入通路131とが同軸上にない配置としたものである。この場合は、隙間部131aの寸法を調整すると共に、高圧ポート119aの軸方向の投影面と導入通路131の開口端部とが略一致するようにすれば良く、これにより、高圧ポート119aに対する潤滑油分離器130の設定位置の自由度を向上しつつ、隙間部131aにおける流れの拡大ロスを抑えて、過熱蒸気冷媒の高圧ポート119aから導入通路131への流通を可能とする。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態を図9に示す。第4実施形態は、上記第1実施形態に対して、潤滑油分離器130の遠心分離器132の旋回部132aおよび流出部132dの形状を変更したものである。
即ち、旋回部132aの小半径部132a1と大半径部132a2(潤滑油溜め部132b)との位置を軸方向において逆配置として、流出部132dが小半径部132a1から旋回部132aの軸心部を貫通して連通路116側に繋がるようにしている。このものにおいても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態を図10に示す。第5実施形態は、上記第1実施形態に対して、潤滑油分離器130の遠心分離器132の旋回部132a形状を変更したものである。
ここでは、小半径部132a1から大半径部132a2に向けて段階的に旋回半径が変化するようにしている。尚、旋回部132aの内側の円柱状部材の先端部を細くすることで、流路が狭くならないようにしている。
これにより、各段が連通部116に対する堰となるので、分離した潤滑油を確実に旋回部132aおよび潤滑油溜め部132bにとどめることができる。
尚、上記第5実施形態に対して、旋回部132aにおける内側の円柱状部材は、図11の変形例1に示すように、廃止したものとしても良い。
(第6実施形態)
発明の第6実施形態を図12に示す。第6実施形態は、上記第1実施形態に対して、膨張機兼圧縮機110を専用の膨張機110Aとし、潤滑油分離器130Aの潤滑油分離部132Aとして衝突板132eを用いたものとしている。尚、廃熱利用装置20としては冷凍サイクル20Aが廃止されており、膨張発電機兼電動圧縮機100としては発電機兼電動機150を専用の発電機150Aとした膨張発電機100Aとしている。
即ち、膨張機110Aとしては、上記第1実施形態における弁機構120(吐出弁121、スプール122、電磁弁128等)を廃止している。そして、潤滑油分離部132Aは、内部に衝突板132eが設けられたものとしている。この衝突板132eは、連通路116の反対側が下向きとなるように傾斜して配設されており、衝突板132eの傾斜する下側に、潤滑油溜め部132bと潤滑油抜き穴132cとを設けている。
本第6実施形態では、高圧ポート119aから導入通路131へ流入した過熱蒸気冷媒は、衝突板132eに衝突して潤滑油が分離され、分離された潤滑油は衝突板132eの傾斜によって流れ落ちて、潤滑油溜め部132bに溜められる。更に潤滑油は潤滑油抜き穴132cから高圧室114に排出される。
このように、分離された潤滑油が衝突板132eの傾斜によって連通路116側には流出しにくいものとすることができると共に、潤滑油溜め部132bに溜められた潤滑油を効果的に潤滑油抜き穴132cから高圧室114に排出できる。尚、冷媒流れは衝突板132eに衝突した後に、高圧室114へ拡大することなく連通路116に流れ込んでいくので、分離された潤滑油を作動室V側に巻き込むことがない。そして、高圧室114に排出された潤滑油を潤滑油通路142から低圧室114aに供給できる。
よって、上記第1実施形態と同様の潤滑油分離機能を有する膨張機110Aとすることができる。
尚、第6実施形態の変形例1として、図13に示すように、専用の膨張機110Aに、上記第1実施形態と同一の潤滑油分離器130を組み合わせたものとしても良い。
(その他の実施形態)
上記の各実施形態では、スクロール型の膨張機兼圧縮機110(専用膨張機110A)を採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ロータリ型、ピストン型、ベーン型等のその他の形式の膨張機兼圧縮機(専用膨張機)にも適用することができる。
また、上記の各実施形態では、膨脹機兼圧縮機110(専用膨張機110A)にて回収したエネルギーを発電機兼電動機150によって電気エネルギーとしてバッテリ15にて蓄えたが、フライホィールによる運動エネルギーまたはバネによる弾性エネルギー等の機械的エネルギーとして蓄えても良い。
また、ランキンサイクル30Aを備える内燃機関の廃熱利用装置20に本発明に係る流体機械を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。
本発明の実施形態におけるランキンサイクルを備える内燃機関の廃熱利用装置を示す模式図である。 本発明の第1実施形態における膨脹発電機兼電動圧縮機を示す断面図である(膨張モード時)。 図2における潤滑油分離器を示す拡大断面図である(膨張モード時)。 図3におけるA−A部を示す断面図である(膨張モード時)。 本発明の第1実施形態における膨脹発電機兼電動圧縮機を示す断面図である(圧縮モード時)。 図5における潤滑油分離器を示す拡大断面図である(圧縮モード時)。 本発明の第2実施形態における潤滑油分離器を示す模式図である。 本発明の第3実施形態における潤滑油分離器を示す模式図である。 本発明の第4実施形態における潤滑油分離器を示す断面図である。 本発明の第5実施形態における潤滑油分離器を示す断面図である。 本発明の第5実施形態の変形例1における潤滑油分離器を示す断面図である。 本発明の第6実施形態における膨脹発電機を示す断面図である。 本発明の第6実施形態の変形例1における膨脹発電機を示す断面図である。
符号の説明
100 膨張発電機兼電動圧縮機
110 膨張機兼圧縮機(膨張機)
114 高圧室(吐出室)
114a 低圧室
115 吐出通路
116 連通路
119a 高圧ポート(導入口)
130 潤滑油分離器
131 導入通路
131a 隙間部(流入部)
132 遠心分離器(潤滑油分離部)
132a 旋回部
132a1 小半径部
132a2 大半径部
132b 潤滑油溜め部
132c 潤滑油抜き穴(排出部)
132e 衝突板
141 吸入口
142 潤滑油通路
143 絞り(減圧部)
V 作動室

Claims (15)

  1. 高圧室(114)から連通路(116)を経て、体積変化される作動室(V)に流入される高圧の流体を膨張させて機械的エネルギーを出力する膨張機において、
    前記高圧の流体を前記高圧室(114)に導入する導入口(119a)と、
    前記導入口(119a)からの前記高圧の流体を流通させる導入通路(131)と、
    前記導入通路(131)と前記連通路(116)との間に接続されて、前記高圧の流体中に含まれる潤滑油を分離すると共に、前記高圧の流体を前記連通路(116)に流出する潤滑油分離部(132)とを備えることを特徴とする膨張機。
  2. 前記潤滑油分離部(132)は、分離された前記潤滑油を前記高圧室(114)に排出する排出部(132c)を備えることを特徴とする請求項1に記載の膨張機。
  3. 前記高圧室(114)の下部に設けられて、排出された前記潤滑油を吸入する吸入口(141)と、
    前記吸入口(141)と低圧室(114a)の所定上部とを繋ぐ潤滑油通路(142)と、
    前記潤滑油通路(142)に設けられて、前記高圧室(114)からかかる圧力を減圧する減圧部(143)とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の膨張機。
  4. 前記排出部(132c)における前記高圧室(114)への潤滑油排出量は、前記潤滑油分離部(132)における潤滑油分離量よりも小さくなるように設定されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の膨張機。
  5. 前記作動室(V)で低圧の流体を圧縮して、圧縮された流体を吐出可能とする吐出通路(115)を有し、圧縮機としての機能を併せ持つことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の膨張機。
  6. 前記高圧室(114)を吐出室(114)として、前記吐出通路(115)は、前記高圧室(114)内に連通されたことを特徴とする請求項5に記載の膨張機。
  7. 前記圧縮された流体が、前記高圧室(114)から前記導入口(119a)内へ流入可能とする流入部(131a)が設けられたことを特徴とする請求項6に記載の膨張機。
  8. 前記流入部(131a)は、前記導入口(119a)と前記導入通路(131)とが離されて、両者(119a、131)間に形成される隙間部(131a)としたことを特徴とする請求項7に記載の膨張機。
  9. 前記導入通路(131)の内径寸法は、前記導入口(119a)の内径寸法に対して同等以上となるようにしたことを特徴とする請求項8に記載の膨張機。
  10. 前記導入口(119a)と前記導入通路(131)は、前記隙間部(131a)で同軸上に配置されたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の膨張機。
  11. 前記潤滑油分離部(132)は、前記高圧の流体を内部に設けられた旋回部(132a)で旋回させて遠心力により前記潤滑油を分離する遠心分離器(132)であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の膨張機。
  12. 前記旋回部(132a)は、一端側で旋回半径の小さく設定された小半径部(132a1)と、他端側で旋回半径の大きく設定された大半径部(132a2)とを有し、
    前記排出部(132c)は、前記大半径部(132a2)側に設けられたことを特徴とする請求項11に記載の膨張機。
  13. 前記旋回部(132a)は、前記小半径部(132a1)から前記大半径部(132a2)に向けて段階的に前記旋回半径が変化するように設定されたことを特徴とする請求項12に記載の膨張機。
  14. 前記潤滑油分離部(132A)は、前記高圧の流体を内部に設けられた衝突板(132e)に衝突させて前記潤滑油を分離すると共に、
    前記衝突板(132e)は、前記連通路(116)の反対側が下向きとなるように傾斜していることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の膨張機。
  15. 前記潤滑油分離部(132A)は、前記衝突板(132e)の前記連通路(116)の反対側に分離された前記潤滑油を溜める潤滑油溜め部(132b)を有し、
    前記排出部(132c)は、前記潤滑油溜め部(132b)に設けられたことを特徴とする請求項14に記載の膨張機。
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